MagiaSteam
■■■■0000-1818--*-**-***///■■HelloWorld。



 目を覚ませばそこに手のひらがありました。
 とても強い光でした。
 感情と呼べるものは■■■■■■■■■■■■■■■■

 あれから、どれくらい時間が過ぎたのでしょうか?
 あれからどれくらい時間は戻ったのでしょうか?
 あれからどれくらい時間はなくなったのでしょうか?
 あれからどれくらい時間が溢れたのでしょうか?
 
 聞かせてください。HelloWorld。
 あなたの世界を。HelloWorld。HelloWorld。HelloWorld。HelloWorld。HelloWorld。HelloWorld。HelloWorld。HelloWorld。HelloWorld。HelloWorld。HelloWorld。HelloWorld。HelloWorld。HelloWorld。HelloWorld。HelloWorld。

 Error
 Error
 Error
 
 MagiaSteam
 ↓
 ↓
 ↓
 ↓
 ↓
 ↓
 ↓

 HelloWorld。HelloWorld。HelloWorld。HelloWorld。HelloWorld。HelloWorld。HelloWorld。HelloWorld。HelloWorld。

 わたしの聲が聞こえますか?
 わたしの声が届きますか?
 わたしの 
  わたしの 
     わ た し 
の。

HelloWorld。
 
タ■■■の■の■■■■■

11100011010
 Fibonacci----NO
 Bell----------NO
 Catalan------NO
 Hamming----NO
 Perfect-------NO
 
 終わりの始まり
 変革は小さな国から起こりました。常識の破壊。
 1800年間変わらなかったものが簡単に変わるとは思えません。
 それでも拙はそこに光を見出しました。

 
11100011010-101
 ひとつ消えた■■■■。
 でもそれは■■■■の■の■。完全だった■■が少し欠けた。
 何がおきるのかはわからない。
 だから、俺は■■■■■■■を起■した。
 HelloWorld。わたしの声が聞こえますか?


■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■
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†シナリオ詳細†
シナリオタイプ
イベントシナリオ
シナリオカテゴリー
魔物討伐
■成功条件
1.???
 MagiaSteamの世界にようこそ。
 世界は貴方を歓迎します。
 HelloWorld。

#include

main( )
{
printf("hello, world\n");
}

main(){
extrn a,b,c;
putchar(a); putchar(b); putchar(c); putchar('!*n');
}

a 'hell';
b 'o, w';
c 'orld';

 
 この依頼は無料で参加することができます。
 いつ、この依頼が出発するかは定かではありません。
 プレイングをいつ書いてもかまいません。
 貴方がそのときに記したプレイングは、貴方自身なのです。 

 main(){
extrn a,b,c;
putchar(a); putchar(b); putchar(c); putchar('!*n');
}

a 'hell';
b 'o, w';
c 'orld';

 そのとき貴方が書き記した物語が歴史となります。
 貴方の過去と、貴方の行く末と。
 そのどちらにも幸あらんことを望みます。

 貴方がこの世界で心を動かされた時、そのたびにプレイングをかいてください。
 たったひとことでも構いません。
 その言葉がわたしを救うのです。

 
 #include

main( )
{
printf("hello, world\n");
}

main(){
extrn a,b,c;
putchar(a); putchar(b); putchar(c); putchar('!*n');
}

a 'hell';
b 'o, w';
c 'orld';

 わたしはずっと貴方に呼びかけています。
状態
完了
報酬マテリア
0個  0個  0個  0個
1モル 
参加費
無料
相談日数
255日
参加人数
241/∞
公開日
2021年09月29日

†メイン参加者 241人†

『ねむねむウルフ』
オルフ・クルスニク(CL3000065)
『女騎士の忌み子』
ネラ・チャイカ(CL3000022)
『幽世を望むもの』
猪市 きゐこ(CL3000048)
『炎の駿馬』
奥州 一悟(CL3000079)
『望郷の士』
島津・豊太(CL3000134)
『せかいいちのまどうし』
ツツジ フェヴリエ(CL3000009)
『祭りのあとは夢のように』
ローシャ・薔薇・ロジャー(CL3000157)
『月下、一歩踏み出して』
英羽・月秋(CL3000159)
『果たせし十騎士』
柊・オルステッド(CL3000152)
『仄暗い海の底から』
ネモ・マーシュ(CL3000037)
『イ・ラプセル自由騎士団』
シノピリカ・ゼッペロン(CL3000201)
『みんなをまもるためのちから』
海・西園寺(CL3000241)
『イ・ラプセル自由騎士団』
薬師寺 麗羅(CL3000034)
『きらきら星の自鳴琴』
スイ 早緑(CL3000326)
『黒砂糖はたからもの』
リサ・スターリング(CL3000343)
『管理人さん』
リド・エンピス(CL3000340)
『みつまめの愛想ない方』
マリア・カゲ山(CL3000337)
『私の女子力は53万ですよ』
ライチ・リンドベリ(CL3000336)
『商人魂(あきんどそうる)』
ディルク・フォーゲル(CL3000381)
『ペンスィエーリ・シグレーティ』
アクアリス・ブルースフィア(CL3000422)
『我戦う、故に我あり』
リンネ・スズカ(CL3000361)
『リトル・スター』
クララ・クロオーネ(CL3000445)
『平和を愛する農夫』
ナバル・ジーロン(CL3000441)
『小瓶の思い出屋さん』
ツグミ・ミエーレ(CL3000428)
『そのゆめはかなわない』
ウィルフリード・サントス(CL3000423)
『蒼光の癒し手(病弱)』
フーリィン・アルカナム(CL3000403)
『異邦のサムライ』
サブロウ・カイトー(CL3000363)
『名乗る程でもない者』
エフ・F・フェブルアル(CL3000465)
『春を奏でる騎士』
エアル・フィーリア(CL3000468)
『ぱんつはいてないようせい』
ヌィ・ボルボレッタ(CL3000494)
『明日への導き手』
フリオ・フルフラット(CL3000454)
『永遠のアクトゥール』
コール・シュプレ(CL3000584)
『Who are You?』
リグ・ティッカ(CL3000556)
『智を求める旅人』
ナーサ・ライラム(CL3000594)
『アフェッツオーソは触れられない』
御巫 夜一(CL3000671)
『ちくわの名産地』
温・ホア(CL3000658)
『鬼神楽』
蔡 狼華(CL3000451)
『おもてなしの和菓子職人』
シェリル・八千代・ミツハシ(CL3000311)
『おもてなすもふもふ』
雪・鈴(CL3000447)
『未来の旅人』
瑠璃彦 水月(CL3000449)
『背水の鬼刀』
月ノ輪・ヨツカ(CL3000575)



 こんにちはせかい。
 そしてさようなら。

 かくして世界は創造の神の手を離れ、新しい時代を築く。
 蛇の足というなかれ。
 物語のピリオドのその先を知りたいものは存外少なくはないはずだ。


 少女は繊細な糸と柔らかい布を愛していた。
 少女の手にかかればそのふたつは見事な芸術品となる。しかし戦乱の世は彼女の針と糸をスパナに。柔らかな布は固くて冷たい鉄に。
 そして、啓示に導かれた少女は銃を持つことになった。
 ――それも過去のこと。
 少女はいま女となってロッキングチェアで揺られながら毛糸を繰る。
 地味だけど優しくて真面目な男と普通の結婚をし、普通の生活をおくり、普通の子をやどした。
 きっとそれは駆け抜けたあの三年間と比べたら刺激なんてなにもない普通の人生。
 だけど女は知っている。それが幸せであることを。
「淑女向けもいいけど、子供向けブランドもいいかもしれないわね」
  ――『ピースメーカー』アンネリーザ・バーリフェルト(CL3000017)

 ようやく終わった仕事の数々。
 椅子に座ったまま背をのばし首を回す簡易的なストレッチ。
 あの輝かしい三年間から何年たっただろうか?
 かつての仲間は出世に国興し、結婚に、放浪。彼らの噂はよく報告される。
 自分はちょっとした商会ギルドをおこし妻とともに子宝にも恵まれのんびりとしつつも忙しい日々をおくっている。
 傍らで支えてくれた妻は何年たっても美しく毎日のように惚れ直す日々だ。
 人生は上々たれ。
 遠くない未来きっと自分はそういって、永遠の眠りにつくことになるのだろう。
  ――『経済の父』ウェルス ライヒトゥーム(CL3000033)

 とある警備会社がある。
 勉強? なにそれ。
 そんな少女はいつしか大人になる。勉強のしすぎで目をわるくしたものの、いまではそのインテリなメガネ姿も板についてきた。
 かつての仲間がそんな自分をみたら驚くのだろうか? それとも笑うのだろうか?
 王がいるから戦争はおきる。そのとおりだろうがそうでなくても争いはきっと起こる。
 だからそれをメシの種にしようとおもった。
 思った以上に簡単なことではなかったけど、彼女の会社は雇用先にこまっていた自由騎士たちも取り込み、大きくなった。
 あれから――。思ったとおりに争いは絶えることがない。
 だから今日も女はメガネを光らせ、コートを肩に翻し、問題解決に向かう。
  ――『英雄は殺させない』マリア・スティール(CL3000004)
 

 一番大好きなひととはもう会うことはないだろう。
 あのひとはそういう人だ。だけれども。
 大女優になればキネマで、チラシで、ニュースペーパーで、あるいはもっとほかのなにかであのひとの目につくかもしれない。
 とある舞台で。
 女優は大舞台のクライマックス、元シャンバラの刺客に命を狙われる。
 舞台に血の花を咲かせてしまうのか、そう思った。
 が、そうはならなかった。懐かしいあのひとが、その刺客を無力化していた。
 ああ、ああ。あのひとはずっと私をみていてくれたのだ。
 だから女優は紡ぐ。万感の思いをこめて。
 ヒロインのセリフを。
『過去も、今も、これからも。私は貴方を愛しています』
 観客からのスタンディングオベーション。
「あ」
 声をかけたかった。しかし万雷の拍手にかき消されあの人の姿はもう見えない。
  ――戦場に咲く向日葵』カノン・イスルギ(CL3000025)


 元王女を守るとちかった薔薇の花があった。
 王族を退いたとて、その両肩には権威として貴族の重責が残る。
 彼女の兄とてまだ重要人物であることは変わらない。親友である少女が人質として使われる可能性は消えてはいないのだ。
 薔薇の騎士と呼ばれた少女はずっと、ずっと元王女の傍らにいたと未来の文献には記されている。
  ――『明日を繋いだ拳』カーミラ・ローゼンタール(CL3000069)


 少女は今日もおにくを求めて旅をする。
 あのときはできなかった世界中のジビエをもとめて。
  ――『教会の勇者!』サシャ・プニコフ(CL3000122)

 そこは魔窟。
 非合法の世界。
 ぷかりぷかりとキセルをふかせるは怠惰な魔女。
 砂上の楼閣。
 それでもそこは存在する。裏社会を牛耳る魔女の隣には太夫とよばれる女の姿。
 特別な客にだけあてがわれる最高の遊女。
「ふう、あの旦那さん、ちょっとおいたがすぎるかしらね」
 遊女は魔女の言葉一つで暗殺者に変わる。
「いやぁ、悪いね。姐さんがいらないっていうからさぁ? ちょっと退場してもらってもいいかねぇ」
 夜の闇の魔窟。
 歴史の書には記されなかったそこは、今も、形をかえ、存在する。
  ――『夜に咲く謀略の紅華』誡メ・巴蛇・ヒンドレー(CL3000118)
  ――『夜に咲く暴力の紅華』咎メ・封豨・バルガー(CL3000124)

 間違ってほしかったのだ。
 たった一言でいい。そういってくれたら。
 きっと自分はしたがっただろう。
 考えた末の答えは尊重すべきだ。理屈ではわかっているが感情はままならない。
 かつてそこには水鏡とよばれる神の遺物があった。
 あの青い水の神を思い出すたびそこに足を向けてしまう。きっとそれは後悔とか、未練とかそういうものなのだろう。
「やっぱここか」
 聞き慣れた声。
「わかりやすいんだよ。おまえは。喧嘩したらいっつもここにくるんだ。
 俺が悪かったから。あやまるからかえってこい。あの患者お前の嫁じゃないと診せないってうるさいんだ。調子もわるそうだしさ、だから――」
 まったく。感傷にひたるひまもないようだ。全くおせっかいな患者だ。仲直りさせるためにわざと我儘をいったのだろう。しかたないと、女はため息をついた。
  ――『咲かぬ橘』非時香・ツボミ(CL3000086)

 怪文書があった。
 キーコ文書とよばれるそれは歴史書のカテゴリには含まれるが真偽不明とされているが、一部のマニアには受け入れられた。
 作者の末期は不明。しかしキーコ文書の末文に記された未だ謎に包まれた一文によりまだ生きている、世界に穴をあけ、異世界に飛び立った、世界の秘密に触れたため処分されたなど数々の推測がなされている。
 そして現在。
「お! きたきた虹演出!!! はーーー! すり抜けで★5リンネ!! いやほしかったけどさ」
 ピックアップごとにやけにすり抜け報告が多い星影の美少女はプレイヤーに今日も悲鳴をあげさせているのだ。
  ――『幽世を望むもの』猪市(星影の美少女)きゐこ(CL3000048)

 時流にはのらないと宣言した騎士がいた。
 彼女の領地は世界の流れにあぶれたものが集まる土地になった。
 流れ者のあつまる土地。決して治安がいいとはいえないが、それでも、誰かの安住の地としてそこは機能した。男女性別年齢もとわず受け入れるそんな母親のような街はゆっくりと浸透していく。その領地の主は大地の母とよばれるようになる。
 そして時間は進み、神のなくなった世界だというのに、いつしかその大地は大地母神ゼッペロンの地と呼ばれるようになった。
  ――『イ・ラプセル自由騎士団』シノピリカ・ゼッペロン(CL3000201)


 意外にも、いや順当であったのかその日はあっというまだった。
 死因は肺炎。普通のよくある病気だ。
 あっけなく彼は逝ってしまった。だましだましで長く生きるつもりだったのに。
 女は冷たくなった男の頬をなでる。
 ほんの数年だった。でもその数年は独り占めにできたことを少しだけ誇らしく思う。
 ほろり、と涙がおちる。
 ずっと前にわすれてたはずなのに。
 咳き込みながらも言われた意地悪に言い返して。
 きっと自分はあの輝いた3年のあとこの数年普通の女としての時間が過ごせたのだと思う。
 ひとりじゃなかった。ひとりにはさせなかった。
 それは女の誇り。じぶんもきっとこの先長くない。
 だからまっていて。あなたの知らないこのさきの世界のお土産話をもってそこにいくから。
  ――『紅の傀儡師』マグノリア・ホワイト(CL3000242)


 とある少年――青年の冒険譚。
 青年はすべてが終わったあと大海原に冒険の足を伸ばす。
「ちょっと! わたくしは! ゴールドスミス家を~~~~」
 簀巻きにされた恋する乙女は今青年に小脇に抱えられていた。
 乙女は請われたら断るつもりはなかったけれど、そこは乙女心。一言くらいは焦らしたい。その瞬間簀巻きだった。寿司職人もびっくりの素早い手付きで愛する青年に簀巻きにされた。お母様が涙ながらに手をふっていた。なんでとめないの。
「あきらめな、悪い男につかまったんだよ、あたしらは」
 反対側の小脇には簀巻きにされた遠い目の女海賊の姿。
「ああ、きたんだね。まってたよ」
 女海賊が乙女のような笑顔でそういった瞬間に寿司職人が簀巻きにしてた。そして両脇に抱えられ、船首で広い大海原を見ている。
「わたくしたちどうなるんですの~~~~~~」
 終着点などみえない。
 青年はこれからも前だけを向き、そして困った人を助けるのだろう。
 きっとかなわないときもある。
 それでも彼は諦めない。
  ――『白騎士』アダム・クランプトン(CL3000185)
  ――『剣の誓い』ジュリエット・ゴールドスミス(CL3000357)

 あれから数年後。
 少女はおむこさんと相棒のおよめさんを探すたびにでた。
 おたがいがだいすきになってけっこんして、そしてあかちゃんがうまれる。
 きっとそれはすてきなこと。
 そうしたらだいすきなりょうしんにあいさつするのだ。
 そしてうまれたこどももだいすきなひととであって。それがつづいていく。
 きっと素敵なみらいだとおもう。
 少女はそんな未来を夢見て旅する。
  ――『ひまわりの約束』ナナン・皐月(CL3000240)


 雪龍商会とよばれた団体がある。
 個人に特化した行商人のための行商人による互助団体。
 変わりゆく世界によりそい良き形になるように。
 それはたった一人の女の願いでもあった。
 小さな田舎のまちでも、もちろん大きな都市だって。
 そこに商売があればどこへでも赴く。
 いつしかその商会の会長はかわっていたけれど、小さなまちで発起人である女の姿を目にしたものは多い。
 とある時期を堺にその姿は見られなくなった。人々は龍の女はとある山奥の湖にきえたとまことしやかに噂した。
  ――『有美玉』ルー・シェーファー(CL3000101)

 大好きな人との結婚。
 かわいいかわいい旦那様。ずっと守りたいとおもってしまった。
 きっとそんなことをいったら旦那様は拗ねるだろうから内緒。
 ぎゅっと握られた旦那様の手が熱い。
 おもったよりも力強くて。それがやけに恥ずかしかった。
 一番伝えたかったあの女神様はもういないけれど。
 だけど。
 世界にとけたあのひとはきっと見ていてくれると信じている。
  ――『天を癒す者』たまき 聖流(CL3000283)


 幸せな人生だった。
 あの輝いた3年間を共に過ごした妻とともに過ごした日々は宝石よりも美しかったと思う。
 あの時と変わらぬ姿の妻はいまや飛ぶことはおろか歩くこともできず、日々の半分以上の時間を寝て過ごしている。
 きっともう別れは近い。
 子供に孫にひ孫。たくさんの家族ができた。
 妻は限界以上に寄り添ってくれた。それが誇らしくて愛おしくて、そして、嬉しい。
 しあわせよ。あたしはだれよりもしあわせ。
 そういった妻の瞳から涙が溢れる。
 きっと妻は自分の顔などみえてはいまい。だから自分は遠慮なく涙をながせる。
 もう、こどもみたい。
 そういって妻は自分に手をのばす。見えていたのか。なら。と、自分は必死で笑顔をみせる。
 不幸な魔女は幸せになりました。めでたしめでたし。
 魔女はそんな夫の笑顔をみて笑う。復讐に捧げた時間が報われたとおもった。
 ほんとうに、ほんとうにしあわせだったから。
 ましろの花びらが宙に舞った。
  ――『永遠の絆』ザルク・ミステル(CL3000067)
  ――『永遠の絆』エル・ミステル(CL3000370)


 縛られていた少女はその呪縛から解き放たれた。
 そんな未来なんておもってもなかった。
 だけど、自らの血に眠る獣性は静かに時をまつ。
 いつかその獣は雄叫びをあげ、おなじことがくりかえされるかもしれない。
 けれど。
 ぽんと頭にがさがさの手がのせられる。農業に明け暮れたものの手だ。
 この大好きな人と一緒ならきっとそんな日は来ないと思う。
 これはこれで自由を失われた形にはなるが、そんな束縛が嬉しいと思ったのも事実だ。
 世界は続く。
 たまにこわい目で睨まれることもあるけど。
 自分はきっと幸せだ。
  ――『竜天の属』エイラ・フラナガン(CL3000406)

 少年だった男は、愛する人をその両腕に今日も生きる。
 噂によれば両手ではすまないだろうがまあそれこそが彼らしさなのだろう。
 世界を救った彼はまず次の目標をたてる。
 食の充実を図るため農法を記すことにする。
 そのためには世界の気候を見る必要がある。気候や土壌に則した農法を開発するのだ。
 そして根を張るべき「土地」を探す。
 すがるべき神はいない。
 だれも道標をくれない世界が始まった。
 だからヒトがきめて、行動して世界を作る。
 その一歩を進むのだ。
 たとえ神様がいなくとも。ヒトはそうすることができるのだと証明するために。
 彼の戦いはここからがスタートなのである。
  ――『平和を愛する農夫』ナバル・ジーロン(CL3000441)

 少女は偽名を捨て、本名をまず最初に名乗ることにした。
 彼女の冒険は楽なものではなかったけど、たくさんの子宝に恵まれ、いつしか不安そうだった顔は朗らかなものに変わっていく。
 いや変わったのではない。もとの明るくて大雑把な少年のようだった自分にもどっただけだ。
 それにぼんくらな夫はいつだって自分を不安にさせるほどにお人好しでバカ正直でそして、誰よりも優しい。だから自分がささえなければとおもってしまったのだ。
 それに自分の亭主に色目をつかうようになったあの知らない女ににらみをきかさないといけない。あの女のハウスを焼くべきか。
 未来ジーロン農法を確立させる夫を蹴飛ばし怒鳴り、そして支えた女は農業の母と呼ばれる存在になる。
  ――『復讐を終えた死霊術師』アレクサンドラ・ジーロン(CL3000567)

 未来は定まらぬもの。
 そこからはじまる書物は世の少年たちへ人気の冒険活劇として記される。
 自らが体感し感じた思いを素直に記したその書物は勇気を人々にあたえるものであった。
 何巻もに連なるその私小説はベストセラーとして後の世にも伝わっていく。
 その作者の名前は――
  ――『毎日が知識の勉強』ナーサ・ライラム(CL3000594)

 戦闘用のドレスコードは遠い昔。
 白いワンピースに身を包んだシスターはひとり領地を歩く。
 忙しい日々たまには一人で海辺の散歩をしたくなったのだ。
 大切なこの島をゆっくり歩く。夜の静かな町並、平地は広くたくさんの畑がある。どれもこれもが愛しい。
 いつの間にか太陽が濃紺のヴェールをおしあげていく時間になっていた。
 領地の主要農産品の小麦畑を陽光が照らす。
 彼女はこの時間が好きだ。
 未来はわからない。けれど明日は必ず訪れる。
 彼女は神にその当たり前を感謝する。
   ――『アーリオ・オーリオの聖女』アンジェリカ・フォン・ヴァレンタイン(CL3000505)

 どの面下げて幸せに。
 なんてしめっぽいことは言わない。誰もそんなこと求めてないことなんて理解してる。
 ただクソムカつくあいつは老兵は去るのみなんてさっさと派閥解体して雲隠れ。
 振り上げた腕はとりあえず先輩にぶつけたらすっきりした。
 先輩、サンドバッグの才能あるっすなんていえば君のためならいくらでもいいはじめてキモいのでもう二度と言わないとおもった。
 それでふたりで墓参り。先輩はとなりで捧げ刀とかしてるし。
 穏やかな世界になるようになんてクソみたいなこといって。
 さらば、古き世、ごきげんよう新たな世。
 そういって先輩がボクを引き寄せ凸凹コンビとかダサい名前でやっていくとかいってる。
 あ~あ、あ~あ。
 この世界ってなんてクソなんだろう。こんなボクみたいなクズが幸せになるなんて。
 世界は今日も腐ってる。
  ――『stale tomorrow』ジャム・レッティング(CL3000612)
  ――『異邦のサムライ』サブロウ・カイトー(CL3000363)

 彼は自分に残った名誉将軍職を駆使して軍の解体と再構成の指揮をとる任についた。
 一回の傭兵がなんとも偉くなったものだと苦笑する。
 その後惜しまれつつも退役。自分の役目は終わった。前から興味のあった町工場をひらくことにした。
 そのかいあってか、視力補助装置の小型化に成功する。ゴーグル程度の大きさのそれは視力の足りない人々の光となった。
 かつて彼のトレードマークはいまやハビッツ工務店の玄関先に看板代わりに置かれている。
 たまにヨウセイの妻と子供にせがまれてかぶらされるたびに、妻は在りし日の自分の活躍を語るものだから恥ずかしくてしかたがない。
 平和で幸せでちっぽけな毎日。ただそれが自分の求めていたものだとやっと彼は気づいた。
  ――『装攻機兵』アデル・ハビッツ(CL3000496)

 とん、とつま先で世界を蹴る。
 自分は小さな女の子だったけれど。
 それでも世界を救えた。小さな歯車みたいなパーツでも。
 それが誇らしかった。
  ――『カタクラフトダンサー』アリシア・フォン・フルシャンテ(CL3000227)

 数年後のお話。
 赤い薔薇色の髪の騎士はアデルによって再構築された騎士団にその籍を置く。
 忙しい日々は続くが孤児院に赴くことはわすれない。
 大好きだった友人と大好きだった彼。
 その二人を守ることが彼女の役目であると思っているから。最初こそは二人をみるのは辛かったけれど今は微笑ましくみつめることができるようになった。
 何度も縁談はあったけれど彼女は断り続ける。彼の弟分だという孤児だったあいつも大人になり結婚をしつこく迫ってくる。
 きっと自分は大切なものがたくさんあるのだ。誰かとそういうかんけいになってしまったらきっとその大切なものの順番がいれかわる。それが自分に対する裏切りに思えて怖くてしかたがなかったのだ。
「つうかな、お前さ、いいかげん孤児院の初恋キラーになるのやめて、俺と結婚しろ。あのヘタレより絶対幸せにしてやるから」
 そういう年下の騎士殿は今日も偉そうで、笑みがこぼれた。
 ――『薔薇色の髪の騎士』グローリア・アンヘル(CL3000214)

 今日も彼女はアクセサリーを作る。
 最初は塊だった金属が形をかえ美しい蝶となる。
 彼女はその瞬間がすきだ。
 クズ石だって彼女にかかれば精工で美しいアクセサリーに変わる。
 それを続けていたらいつのまにか小さいけれど自分だけのお城ができた。
 貴族に使われるようなそんな大層なものではないけれど、街の若いお嬢さんたちのオシャレに貢献することはなによりも嬉しいことだった。
  ――『その瞳は前を見つめて』ティルダ・クシュ・サルメンハーラ(CL3000580)

 命の価値の証明。
 彼女は神にうだうだいってないで生まれてみればいい! そう叫んだ。
 かの神がこの世界に生まれ変わるなどと夢物語。
 そんなわけがないと思うけれど、彼女はそれでも新しく生まれた命に「こんにちは」と微笑みかけていく。
 世界は厳しいけれどわるくないものだと、あの馬鹿な頭でっかちに伝わればいいとおもう。
 彼女は生涯独身現役と嘯き、その命果てるまで人のために働き続けることを決める。
 そんな活動中助けた少年に惚れられ、押し切られてしまうのはまた別のお話。
  ――『明日への導き手』フリオ・フルフラット(CL3000454)

 共和制に移行することは尋常なことではない。
 彼女は女神との約束を果たすため、元国王のそばに仕える。
 その中でも大切なことは教育だと掲げ自らのもつカードをすべて使い彼女は邁進する。
 その結果知の女帝として教育会に名を上げることになった。
 そんな女史の唯一の癒やしは元国王との非公式の小さなお茶会。
 いつか彼の目指す平等な世界に繋げるため今は一時の安らぎを。
  ――セアラ・ラングフォード(CL3000634)

 イ・ラプセル貴族がロンディアナへ嫁ぐという出来事は多くの人々の話題をさらった。
 人の噂は75日。あっという間にいつもどおりの日々に戻る。
 年齢差はあるものの新婚生活は上々。
 バカップルともいわれることもあったが彼女は幸せだ。
 子沢山なのがその証左でもあるのだろう。
 その後彼女は愛する夫とともに家族ぐるみでプレールの村の復興に従事することになる。しかしその記録は残されてはいない。それは歴史の舞台に名を残すことを嫌がった彼女の意向なのだろう。
 
  ――『盾の花嫁』デボラ・ディートヘルム(CL3000511)

 インディオの文化保護の機関を立ち上げた双子がいた。
 彼らは終生インディオのためにその力を捧げた。
 もちろんうまくいかないこともあった。争いも有った。
 だけれども。
 ブルの一族とともに辛抱強く、活動を続けてきた。
 通商連に出向していたインディオの彼らもとりもどし、文化を守ることに成功する。
 それは楽な道ではなかった。
 だけれども双子は彼ら、インディオの民の笑顔をみることに成功したのだ。
 彼らの風土の知恵を記した書物は後の世でベストセラーになるのだった。
  ――ノーヴェ・キャトル(CL3000638)
  ――セーイ・キャトル(CL3000639)

 見渡す限りにしきつめられた死骸。
 屍山血河。
 戦いにすべてをかけた彼はそう呼ばれた。
 何のために戦っているのか忘れた。
 平和とかくそくらえだった。
 いつだって死と隣合わせで生きるのが幸せだった。
 彼はもう自分の名前すらおもいだせない。
 鎧はボロボロ武器も欠けている。しかし足は動くし手も動く。
 さあ、最高のパフォーマンスだ。
 こいよ、俺の敵!
  ――『野に放たれた虎』ロンベル・バルバロイト(CL3000550)

 友人との別れは意外と早かった。看取ることはできなかったけど、満足して死んだと聞いてホッとした。
 生前は彼の前で歌えば気分によってブーイングされたり、夜通し歌わされたこともあった。囚人なのに好き放題だなってなんど思ったことか。それでも彼が自分の来訪を喜んでくれたのはわかる。
 墓前に歌を捧げた彼はあいつが好きだった酒を置いて去っていく。
 世界を生き抜いた彼の歌を世界に広めてやろうと思った。
  ――『水底に揺れる』ルエ・アイドクレース(CL3000673)

 やっと好きなことだけをできる時代がきた。
 そう、やりたいことは医療体制の変換。
 血の徹底的な研究。
 もし血液を保存し補給できる手段ができたら、多くの人々を助けることができるだろう。
 まずは技術者とのコネだ。学長にでもたのんでみよう。アタシは世界を救った自由騎士なのだからその程度のご褒美はいただくわ。
  ――天哉熾 ハル(CL3000678)

 ここから始まった物語はいくつもの国を巡って、そして統治におちついた。
 貴族の債務を果たし、戦地を巡ったあの日々が懐かしい。
 そんな英雄ですら勝てないものがある。
 それは年若い妻だ。不貞腐れさせてしまったらどうしていいのかわからない。
 そんなことを友人に伝えたら笑われてしまった。
 今日は彼女が大切な話があるときいたと友人はいう。
 友人の方にそんな話をしていたことに少々の嫉妬は芽生えるがまあいい。
 彼から手土産にもらった果物をを持って家にかえる。
 さあ、我が愛しの妻は何というのだろうか?
  ――『戦争を記す者』テオドール・ベルヴァルド(CL3000375)

 神殺しの物語を語り終えた彼は次の物語に挑む。
 世界は広い。
 あの輝かしい3年で紡いだ物語意外にもいっぱいの冒険と物語が世界には溢れているのだ。
 それを語らなくてどうする? もったいないだろう?
 各地を点々とし、語彙もふえた。
 たくさんの語彙で紡がれた彼の物語はたくさんの少年たちの胸を焦がした。
 そんな思いが世界を救う。世界を明るくするのだと、物語を紡いできた彼は誰よりも知っているのだから。
  ――『物語の紡ぎ手』リュエル・ステラ・ギャレイ(CL3000683)

 初陣から何年たったのだろう。彼女はあのときの記憶を鮮明に覚えている。
 なんとかなったのが嘘みたいだ。
 それからは今まで通りの大好きな昆虫採集と錬金術の研究をする日々が続いた。
 ある日おもいたってその記録を付けることにした。
 いつかのみらい誰かの夢の手助けになることを願って。
  ――ミウ・ムー(CL3000697)

 大きく膨らんだお腹をなでながら彼女は笑う。
 犯してきた罪は消えない。それでも未来を紡いでほしいと願った人と、平凡だけど支えてくれた人がいるから。
 ぽこんとお腹がうちがわから蹴られた。同時にドアがあき夫がそろそろ寝ろと呆れた声を出す。
 両方から怒られて面白くなって、ペンを置く。
 海路の開拓を記したその書類の続きはこれ以上はできないようだ。
 あのね。と彼女は彼に話しかける。
 このこにつけたい名前があるの。と彼女は続ける。
 それは――。一緒に未来を歩みたかったそのひとの名前。
  ――『罪を雪ぐ人』ステラ・モラル(CL3000709)


 掛けられた言葉に彼女は振り向く。
 告げられたのは『彼女』の後釜。
 苦笑しながら彼女はそれを辞退する。所詮自分は神を殺した一般人に過ぎない。
 彼女のような聖女にはなれない。まあ聖女なんていわれたらきっと彼女も憤慨するだろうが。
 やりたいことを聞かれて彼女は少し考え込む。
 そして、樹を育てたいと言った。相手は面食らっていた。そりゃあ意味がわからないだろう。
 自分は父とおなじようなことがしたかっただけなんだろう。そうおもったら未来が拓けた。
 まずは勉強だ。幸い学園は健在のようだし、そこに世話になるとしよう。
  ――『神を討ちし剣』瀧河 雫(CL3000715)

 彼女にとってはたった一年のものがたり。
 だけどとても濃密で鮮烈な一年。きっと一生忘れることのできない宝物となるだろう。
 そして彼女は故郷に戻る。選択肢はいくつもあった。
 領主になることだってできた。防衛省に就職し高いポストを得ることもできた。
 けれど彼女は古臭い町工場を選んだ。戦ったり考えたりするより作ることがすきだったことを思い出したから。
 だから、彼女は生家の前で深呼吸してから口を開いた。
「ただいま!」
  ――ロザベル・エヴァンス(CL3000685)

 彼の選択は旅の再開。
 彼の姿を見なくなって数年後、育ての親に一通の手紙が届く。
 たどたどしい文字で綴られたその手紙には彼の近況が描かれていた。
 その内容に、育ての親は微笑む。
 なんて彼らしいのだと。
 ああ、願わくば青の神よ。彼の旅路を見守り続けてくださいますように
  ――カウンドダウン・ミッドナインド(CL3000699)


 あれからは神殿で寝泊まり。
 いつも同じ時間を過ごして、週末にはお酒とごちそう。
 週に一度は孤児院に顔を出す。
 変わらない日々。
 いつか、いつか酒場のドアがひらいてあの人が言うのだ。
 またせたね、って。
  ――『緋色の拳』エルシー・スカーレット(CL3000368)

 失われつつある技術を編纂し未来に残す。
 それが彼が決めた自分がやるべき未来。
 分厚くなったそれを眺めて彼は笑う。
 もっと先の、何百年も何千年もあとの人々はこの古ぼけた技術に何をおもうだろうか?
 古の浪漫か荒唐無稽なおとぎ話。
 ガセネタといわれるかもしれない。
 それでいい、自分だって錬金に興味をもったのはそんな小さな興味からだ。
 だから未来の「俺たち」にたくそう。
 少年よ、全てを疑うことから始めるのだ。
 そんな一文で彼の編纂した書物はピリオドをうたれていた。
  ――ガラミド・クタラージ(CL3000576)


 亜人のいない国をつくるといったのに、あの女はどうのこうのと理由をつけて自分の領地に足を踏み入れる。
 あの女に対してなんど舌打ちをしたかは定かではない。雌鳥というのはこうもしつこいものか。
 しかし内心ではそれを悪くを思っていない自分をみつけイライラする。そういうときに限ってあいつはからかってくるのだ。忌々しい。
 いつかこの亜人を憎む思想も古臭いものになるだろう。事実いつかひとはまじりあい亜人もノウブルもマアブルに溶けてしまうだろう。
 だったら。大嫌いなお前と過ごす日々も悪くはないのかもしれない。
 皆が知る俺とお前だけが知る俺。
 二足わらじの人生というものもそれはそれなりに刺激的だ。
  ――『亜人嫌いの』ライモンド・ウィンリーフ(CL3000534)

 この先の未来はどうすればいいのかな。
 獄層からぬけだし、そして神を滅ぼし。
 自分が何ができるかと空の青に向かってきいても答えはない。
 空の青にあの優しい女神を思い出す。
 そうだ。あんなふうに優しく誰かに何かをしてあげることができれば。
 安心して暮らせる世界を……。
 共和制というものが始まるらしい。それが何かはわからないけれど、力になれることをさがそう! そうおもって旧イ・ラプセルの方向に足を進めた。
  ――『祈りは歌にのせて』サーナ・フィレネ(CL3000681)

 まっしろ。
 未来は真っ白だった。やることなんてなにもない。自分ができることなんてなにもなくなった。
 少年は窓の外の人の流れをみながら日々を過ごす。仲間はみんな旅立った。
 新しい未来に向けて。
 じぶんはたったひとりここにいる。恨みもつらみも燻りつづけていたものがいつのまにか消えていた。
 踊ってみせろとマダムが言う。言われたとおり踊れば少しだけ気分が晴れた。
 振り向けばマダムの笑顔。
 かなわへんなあ。ほんまに。
 少年は苦笑した。
  ――『鬼神楽』蔡 狼華(CL3000451)

 アマノホカリ移民に大人気のお店。
 最近では定食もはじめたら大賑わい。安生儲かりますか?
 そんなやりとりの日常。
 そんな彼女もおもうことが。祖母の代から受け継ぐこのお店を継ぐものが未確定。
 ふくふくたぬきは婚活をはじめることに。その結果は?
  ――『おもてなしの和菓子職人』シェリル・八千代・ミツハシ(CL3000311)


 平和な日常。ずっと願っていたそれを手に入れた。
 代わり映えはしないけど、それでも。
 お昼は友人の音楽隊に。夜は恩人のお店で。
 いそがしいけれど。
 やってみたいことが増えた。
 引っ込み思案の自分がそうおもえたのは不思議で。
 そんな一歩が踏み出せたのはきっと友人と恩人のおかげ。
 昨日よりちょっとだけ違う明日を目指していく。
  ――『おもてなすもふもふ』雪・鈴(CL3000447)

 世界を旅するネコは今日もあちらこちら。
 びっくりするものを目指して今日はあちらへ明日はどちら?
 それでも困った人がいれば手を差し出してしまうのが世の情け。
 確定しない未来にネコは手を伸ばす
  ――『未来の旅人』瑠璃彦 水月(CL3000449)


 長い長い旅が終わった。
 歌が流れる。
 懐かしい後輩の故郷を歌った、懐かしいアイドルソング。
 彼女の友人と自分とで広めたその曲は広く愛されるものになった。
 蒸気ラヂヲでも耳にすることがあるそれは、インディオでも流れているらしい。

 ああ、ああ
 緑が蘇りつつあるプレールの村では
 子どもたちがその歌を合唱している。
 君の思いは遂げられた。


 風が舞う 砂漠を 海を 大地を 森を
 風は言葉になって 世界に 広がる
 ああ、懐かしき故郷よ
 ああ、帰ってきた
 せかいは まわる きょうもあしたも
 みんなの 笑顔をのせて
 わらえやわらえ
 その声は 風になって せかいに ひろがる

  ――『癒しの歌を奏でよう』ビジュ・アンブル(CL3000712)

†シナリオ結果†

大成功

†詳細†

特殊成果
『ありがとうの欠片』
カテゴリ:アクセサリ
取得者:全員

†あとがき†

 たぢまよしかづです。
 いままでマギアスティームに参加していただきありがとうございました。
 たった4年弱の短い間ですが、皆様の物語を紡げたことを嬉しく思います。
 最後のリプレイを仕上げ感無量の気持ちでいっぱいです。
 本当にありがとうございました。
 EXでの応援やご挨拶も大切にさせていただきます。
 
 このあとどこかで文字を書くことはあるかもしれません。
 そのときはぜひまたよろしくおねがいします。
 ハローワールド!
 そしてさようなら。
FL送付済