スカンディナ海賊団

「ところで、姐さん」
「なにさ、キャプテンと呼びな」
「ぶっちゃけ、ヴィスマルクの邪魔をするなら、大砲を撃ちまくって沈めればいいんじゃないんですか? そっちのが楽だ」
「はぁ? 貨物がなにかわかってんのかい? 前途ある亜人の子供たちだよ。そうさ、あたしたちと同じ、差別に苦しむ亜人さ」
「前途ある子供を海賊団で悪党に育てるってことですか?」
「見込みのある子はね。なけりゃ、イ・ラプセルの端っこにでも捨てればいいさ」
「姐さんって、なんつうか、お人よしですね」
「はぁ? あたしは悪党だよ、利害ってもんを最優先しただけさね。なんせうちの船員は使えない! なら補充したいってもんだろ?」
「ひでぇ! 姐さん!!」
「姐さん!! なんか、奴隷商船に、近づく通商連の船が……旗を見る限りはイ・ラプセルの自由騎士団すかね? どうします?」
「面白いじゃあないか。構わないよ、まとめて撃っちまいな。当たりづらいだろうが、運が良けりゃ当たるさ。そのごたごたに合わせてあたしらは漁夫の利を狙えばいい。
それにさ、イ・ラプセルの自由騎士団、ねえ?
 ……なるほど、水鏡ってやつがあたしたちを感知したってことかい。ふぅん、イ・ラプセルの領海で海賊行為をすることは今回が初めてだったっけか。水鏡の範囲ってものが見えた気がするねぇ」

【関連依頼】
『蒼海トリスケル』(担当ST:†猫天使姫†)  
アルヴィダ・スカンディナ (VC:希助