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蒼海トリスケル

●
「ああ? なんだい? こんな夜中に」
コルセア帽を被った赤い髪の眼帯の女が、自室に飛び込んできた部下の男に問い返す。
「はい、姐さん、観測手がイ・ラプセル近海で見つけたようです」
「なるほどねぇ。で、どこの船だい? あとキャプテンと呼びな」
「あれは……ヴィスマルクに向かう通商連の奴隷商船と思われます」
「へぇ、ヘルメリアの奴隷商船も入ってきてるとは聞いてるけど、そっちじゃないんだね? また新しくかい。くわばらくわばら、ヒトの欲ってのは恐ろしいもんさね」
女はぺろりと形の良い唇をひとなめし、青い目を細めた。
「まあ、兎にも角にも。あたしらはヴィスマルクだ。ヴィスマルクへの商売の邪魔をして、『貨物』を奪えばウチの働き手も増やせるってことだね。ああ、ああ、いいことじゃないか、一石二鳥だ。そうは思わないかい? 野郎ども!」
女の声に手下たちは太い歓声を上げる。
「舵をきりな! 海賊ってのは迅速さが勝負さ!」
「ヘイ! 姐さん!!」
――女の名はアルヴィダ・スカンディナ。
ヴィスマルクの船のみを狙う海賊である。
「ヘルメリアはあいつの管轄だもんね。まあ、そっちも襲えば一石三鳥にはなるけど、面倒なことになりそうだからね。今回は見逃してやるとするか」
●
「みんな、きいてきいてー!! 大変なことがおきたの」
『元気印』クラウディア・フォン・プラテス(nCL3000004)が大量のメモを胸に抱きながら、声を荒げている。
「あのね、北の村から亜人とマザリモノの子供が拐われたの」
「!?」
「奴隷商船って知ってる? 一応海軍の騎士さんやフレデリックさんが取り締まってはいるんだけど、たまにどうしてもその取締りを抜けるのがいて……もちろん海軍さんだってすごいんだよ! うん。この前もヘルメリアの奴隷商を捕まえたし! 奴隷の売買は通商連の方でも表向きは禁止してるんだけど、裏取引はどうしてもあるんだって。カシミロさんの一派とは違う管轄みたいでカシミロさんじゃ止められなかったみたい。でね、その船をとめてほしいんだ! 子どもたちはこのままじゃヴィスマルクに連れ去られて奴隷にされちゃう。だから助けてあげて! カシミロさんに連絡したら、高速船を貸してくれるって! 今から向かったら間に合うと思う!」
通商連は一枚岩ではない。表向きは奴隷の売買を禁止していようと、そのビジネスはなんとも高額の金銭が動く。海の商人たちにとってハイリスクではあるがハイリターンでもあるのだ。故に、表向き禁じられてはいても実際は流通しているのが現実だ。
クラウディアは一気にそこまでいうと、言葉を切りもう一つの本題を告げる。
「それとね、その奴隷商船を狙って、スカンディナ海賊団と思われる船もみえたの。三つ巴になっちゃうかも……だから気をつけてね!! 無理はしないでね! どうしても無理だっておもったら……逃げても、いいから……」
その言葉は自由騎士たちを思っての言葉。海賊団は危険な相手だ。大砲も所持し、国の法が通じない。しかもこの世界の海を揺るがす二大海賊団の片割れでもある。
「子供たちも助けてほしいけど、皆が無事に帰ってくることも、大事だから。……なんだかいろいろ一気に動き出している気がするの。水鏡の未来予測も今、すごく混乱してる。イ・ラプセルは亜人とマザリモノの平等化を進めてきてるから、これからもこういうことはあると思うんだ。みんなには無理を言って本当に、ごめんね。」
●
「なんだと? イ・ラプセルの自由騎士だと? 水鏡は伊達ではないというわけか。急げ! イ・ラプセル海域を抜ければ治外法権だ、なんとでも誤魔化せる」
亜人とマザリモノの子どもたちがその声にわぁと安堵の声をあげる。
きしさまたちがたすけにきてくれる。それは子供たちにとっての蜘蛛の糸。
ダァンと、男が船艇を蹴りつけ大きな音を立てた。子どもたちはひっ、っとすくみあがり、身を寄せ合った。
「ガキどもがッ! いいか、お前らは奴隷として売られる! そこに希望なんてないんだよ!」
男は苛立ちを隠さない。
「カシミロ議長一派はイ・ラプセルに日和ったってわけか。めんどくせえな。最悪、この船をコイツラごと爆破して、証拠隠滅、おさらばしちまえばいい」
「頭!! 大変です、船影が……その、ドクロを背負った……」
「海賊か! 糞ッ、ともかく応戦だ! 退避船は用意しておけ! いいな。議長が日和った以上、何かがあれば俺らは切り捨てられる、通商連にもヴィスマルクにもだ!」
――イ・ラプセル近海を三つの思惑が駆け抜ける。
「ああ? なんだい? こんな夜中に」
コルセア帽を被った赤い髪の眼帯の女が、自室に飛び込んできた部下の男に問い返す。
「はい、姐さん、観測手がイ・ラプセル近海で見つけたようです」
「なるほどねぇ。で、どこの船だい? あとキャプテンと呼びな」
「あれは……ヴィスマルクに向かう通商連の奴隷商船と思われます」
「へぇ、ヘルメリアの奴隷商船も入ってきてるとは聞いてるけど、そっちじゃないんだね? また新しくかい。くわばらくわばら、ヒトの欲ってのは恐ろしいもんさね」
女はぺろりと形の良い唇をひとなめし、青い目を細めた。
「まあ、兎にも角にも。あたしらはヴィスマルクだ。ヴィスマルクへの商売の邪魔をして、『貨物』を奪えばウチの働き手も増やせるってことだね。ああ、ああ、いいことじゃないか、一石二鳥だ。そうは思わないかい? 野郎ども!」
女の声に手下たちは太い歓声を上げる。
「舵をきりな! 海賊ってのは迅速さが勝負さ!」
「ヘイ! 姐さん!!」
――女の名はアルヴィダ・スカンディナ。
ヴィスマルクの船のみを狙う海賊である。
「ヘルメリアはあいつの管轄だもんね。まあ、そっちも襲えば一石三鳥にはなるけど、面倒なことになりそうだからね。今回は見逃してやるとするか」
●
「みんな、きいてきいてー!! 大変なことがおきたの」
『元気印』クラウディア・フォン・プラテス(nCL3000004)が大量のメモを胸に抱きながら、声を荒げている。
「あのね、北の村から亜人とマザリモノの子供が拐われたの」
「!?」
「奴隷商船って知ってる? 一応海軍の騎士さんやフレデリックさんが取り締まってはいるんだけど、たまにどうしてもその取締りを抜けるのがいて……もちろん海軍さんだってすごいんだよ! うん。この前もヘルメリアの奴隷商を捕まえたし! 奴隷の売買は通商連の方でも表向きは禁止してるんだけど、裏取引はどうしてもあるんだって。カシミロさんの一派とは違う管轄みたいでカシミロさんじゃ止められなかったみたい。でね、その船をとめてほしいんだ! 子どもたちはこのままじゃヴィスマルクに連れ去られて奴隷にされちゃう。だから助けてあげて! カシミロさんに連絡したら、高速船を貸してくれるって! 今から向かったら間に合うと思う!」
通商連は一枚岩ではない。表向きは奴隷の売買を禁止していようと、そのビジネスはなんとも高額の金銭が動く。海の商人たちにとってハイリスクではあるがハイリターンでもあるのだ。故に、表向き禁じられてはいても実際は流通しているのが現実だ。
クラウディアは一気にそこまでいうと、言葉を切りもう一つの本題を告げる。
「それとね、その奴隷商船を狙って、スカンディナ海賊団と思われる船もみえたの。三つ巴になっちゃうかも……だから気をつけてね!! 無理はしないでね! どうしても無理だっておもったら……逃げても、いいから……」
その言葉は自由騎士たちを思っての言葉。海賊団は危険な相手だ。大砲も所持し、国の法が通じない。しかもこの世界の海を揺るがす二大海賊団の片割れでもある。
「子供たちも助けてほしいけど、皆が無事に帰ってくることも、大事だから。……なんだかいろいろ一気に動き出している気がするの。水鏡の未来予測も今、すごく混乱してる。イ・ラプセルは亜人とマザリモノの平等化を進めてきてるから、これからもこういうことはあると思うんだ。みんなには無理を言って本当に、ごめんね。」
●
「なんだと? イ・ラプセルの自由騎士だと? 水鏡は伊達ではないというわけか。急げ! イ・ラプセル海域を抜ければ治外法権だ、なんとでも誤魔化せる」
亜人とマザリモノの子どもたちがその声にわぁと安堵の声をあげる。
きしさまたちがたすけにきてくれる。それは子供たちにとっての蜘蛛の糸。
ダァンと、男が船艇を蹴りつけ大きな音を立てた。子どもたちはひっ、っとすくみあがり、身を寄せ合った。
「ガキどもがッ! いいか、お前らは奴隷として売られる! そこに希望なんてないんだよ!」
男は苛立ちを隠さない。
「カシミロ議長一派はイ・ラプセルに日和ったってわけか。めんどくせえな。最悪、この船をコイツラごと爆破して、証拠隠滅、おさらばしちまえばいい」
「頭!! 大変です、船影が……その、ドクロを背負った……」
「海賊か! 糞ッ、ともかく応戦だ! 退避船は用意しておけ! いいな。議長が日和った以上、何かがあれば俺らは切り捨てられる、通商連にもヴィスマルクにもだ!」
――イ・ラプセル近海を三つの思惑が駆け抜ける。
†シナリオ詳細†
■成功条件
1.奴隷商船から子どもたちを半数以上助ける。
ねこてんです。EXハードでございます。
このシナリオはEXシナリオです。
通常シナリオより、ボリュームのあるリプレイになる分、プレイングも800文字+EX100文字になります。
このシナリオは特別にフラグメントの残量にはよらない死亡判定が起きる可能性があります。ご注意ください。
今回は、スカンディナ海賊団初お目見えでございます。
海賊団と奴隷商船との三つ巴になります。
ロケーション
時間帯は夜。 波は穏やかです。
あなた達が乗るのは通商連に借りた中型高速蒸気船です。
海上ですので海に落ちてもリカバリーできる手段があるといいと思います。
落ちてもどるには数ターン必要になります。状況によっては更に時間がかかりますが、相応の準備やスキルがあれば短縮することができます。
奴隷商船にフックをひっかけて近接し、奴隷商船に乗り込み、さらわれた子どもたちを助けてください。
奴隷商船も通商連の蒸気船と規格はだいたい同じで、貨物室に当たる場所に子どもたちは閉じ込められています。
奴隷商船にフックをかけるのと操舵するのは通商連の操舵手になりますので、操舵に関しては気にされなくてもOKです。彼らはプロフェッショナルですが戦闘能力はありません。
また数人の通商連からの戦闘員もいますが、彼らは通商連の船を守ることを最優先に動きますので、通商連の船の防衛は気にされなくても大丈夫です。
サポートの推奨行動は通商連の船の防衛。及び奴隷商船の戦闘員との戦闘補助です。
実際に子供を助ける行動については参加者の皆さんにお願いします。
戦闘が始まり5ターン後にスカンディナ海賊団の砲撃が始まります。一応狙うのは奴隷商船ですが、通商連の船にも当たる可能性はあります。オラクルは矢除けの加護があるので直接あたりはしませんが、非オラクルも混在しているので状況はとても不明瞭です。
(オラクルが矢除けで発生させたゆがみは非オラクルに収束するため)
砲撃は3ターン続き、その間は大きく揺れ、足元不如意になります。
具体的には移動距離の半減、(戦闘、非戦闘問わず)、回避命中の低下(両陣営とも)。砲撃が終わった直後その混乱に乗じて海賊団も奴隷商船に乗り込んできます。
■エネミー
・奴隷商船船長
ケモノビト/ガンナー/オラクル
それなりに手練です。危険を感じたら逃げます。
貨物室にいます。貨物室の隠し扉の向こうには10人程度が乗れる脱出用ボートがあります。
・貨物室にいる戦闘員
種族雑多で、ルクタートル、ドクター、バスター、ガンナー、フェンサーがバランスよく8人ほど。
練度は皆様の平均と同程度~最高レベルと同程度になります。
オラクルは半数ほど。
・看板にいる戦闘員
種族雑多で、ルクタートル、ドクター、バスター、ガンナー、フェンサーがバランスよく20人ほど。
練度は皆様の平均と同程度~最高レベルと同程度になります。
オラクルはいません。
■スカンディナ海賊団
乗り込んだ彼らは、あなた方も奴隷商船のクルーも関係なく攻撃します。
通商連の船には今回は手を出さないつもりです。
・キャプテン アルヴィダ・スカンディナ
気風の良い女海賊です。情にあつく、ヴィスマルクを深く嫌悪しています。基本ヴィスマルクの邪魔ができたらそれで構いません。バトルマニアではありませんが強いものが好きです。
今までにもヴィスマルクへの通商船を何度も沈めてきました。手段は問いません。
今回に於いては、奴隷の子どもたちの奪取も目的の一つになっています。
話が通じないわけではありませんが、彼女は悪党です。
彼女が倒されれば盗賊団は退くでしょう。
取引をするのであればそれなり以上のカードが必要です。
ソラビト/フェンサー/オラクル
未開のスキルも使用するかもしれません。相当の手練です。女だてらで船長であるだけに、それなり以上の戦闘力は保持しています。
強化されたレイピアで戦闘します。
・アルヴィダの手下(戦闘員)。
種族雑多で、ルクタートル2、ドクター1、バスター2、ガンナー3、フェンサー2、アルケミー1、マギアス1の12人
半数はオラクル。
練度は皆様の平均~同程度。奴隷商船の彼らよりは比較的練度は高いです。
船には非戦闘員の操舵手が数人残っています。非戦闘員は基本的にすぐに制圧できるとおもっていただいて構いません。
■子どもたち
奴隷商人にさらわれた子どもたちが7人ほど。
確保して、通商連の船に移動させることができたら助かります。自由騎士たちの連携が重要になります。
自由騎士たちは一人につき、二人の人物を運ぶことができます。
敵が多いのでどのように戦闘するか、海賊団にどのようにアプローチするかも重要です。
戦闘不能者が8人を越えたら自動的に撤退となります。
キャラクターレベルの制限はありません。レベルが低くてもスキルや立ち回りで十分以上に貢献はできると思います。
面倒な依頼になりますが、海賊団との出会いは今後を左右することになるでしょう。
やることが多い依頼になると思います。文字数のリソースはしっかりとお使いくださいませ!
会話も重要になってきます。
NPC
ムサシマル・ハセ倉
アーウィン・エピ
みなさまを一生懸命サポートします。ハイバランサースキルはふたりとも持っていますし、現状あるバトルスタイルスキルは全て持っています。それにくわえアーウィンは鋭聴力を持っています。
皆様の指示には従います。
彼らの行動は、相談卓に【ムサシマル・指示】【アーウィン・指示】のタグで指示をしてください。
最新の書き込みを参照します。特になければ、皆様の邪魔にならないようにがんばって敵を倒そうとします。絡まなければ描写はほぼありません。
以上よろしくおねがいします。
このシナリオはEXシナリオです。
通常シナリオより、ボリュームのあるリプレイになる分、プレイングも800文字+EX100文字になります。
このシナリオは特別にフラグメントの残量にはよらない死亡判定が起きる可能性があります。ご注意ください。
今回は、スカンディナ海賊団初お目見えでございます。
海賊団と奴隷商船との三つ巴になります。
ロケーション
時間帯は夜。 波は穏やかです。
あなた達が乗るのは通商連に借りた中型高速蒸気船です。
海上ですので海に落ちてもリカバリーできる手段があるといいと思います。
落ちてもどるには数ターン必要になります。状況によっては更に時間がかかりますが、相応の準備やスキルがあれば短縮することができます。
奴隷商船にフックをひっかけて近接し、奴隷商船に乗り込み、さらわれた子どもたちを助けてください。
奴隷商船も通商連の蒸気船と規格はだいたい同じで、貨物室に当たる場所に子どもたちは閉じ込められています。
奴隷商船にフックをかけるのと操舵するのは通商連の操舵手になりますので、操舵に関しては気にされなくてもOKです。彼らはプロフェッショナルですが戦闘能力はありません。
また数人の通商連からの戦闘員もいますが、彼らは通商連の船を守ることを最優先に動きますので、通商連の船の防衛は気にされなくても大丈夫です。
サポートの推奨行動は通商連の船の防衛。及び奴隷商船の戦闘員との戦闘補助です。
実際に子供を助ける行動については参加者の皆さんにお願いします。
戦闘が始まり5ターン後にスカンディナ海賊団の砲撃が始まります。一応狙うのは奴隷商船ですが、通商連の船にも当たる可能性はあります。オラクルは矢除けの加護があるので直接あたりはしませんが、非オラクルも混在しているので状況はとても不明瞭です。
(オラクルが矢除けで発生させたゆがみは非オラクルに収束するため)
砲撃は3ターン続き、その間は大きく揺れ、足元不如意になります。
具体的には移動距離の半減、(戦闘、非戦闘問わず)、回避命中の低下(両陣営とも)。砲撃が終わった直後その混乱に乗じて海賊団も奴隷商船に乗り込んできます。
■エネミー
・奴隷商船船長
ケモノビト/ガンナー/オラクル
それなりに手練です。危険を感じたら逃げます。
貨物室にいます。貨物室の隠し扉の向こうには10人程度が乗れる脱出用ボートがあります。
・貨物室にいる戦闘員
種族雑多で、ルクタートル、ドクター、バスター、ガンナー、フェンサーがバランスよく8人ほど。
練度は皆様の平均と同程度~最高レベルと同程度になります。
オラクルは半数ほど。
・看板にいる戦闘員
種族雑多で、ルクタートル、ドクター、バスター、ガンナー、フェンサーがバランスよく20人ほど。
練度は皆様の平均と同程度~最高レベルと同程度になります。
オラクルはいません。
■スカンディナ海賊団
乗り込んだ彼らは、あなた方も奴隷商船のクルーも関係なく攻撃します。
通商連の船には今回は手を出さないつもりです。
・キャプテン アルヴィダ・スカンディナ
気風の良い女海賊です。情にあつく、ヴィスマルクを深く嫌悪しています。基本ヴィスマルクの邪魔ができたらそれで構いません。バトルマニアではありませんが強いものが好きです。
今までにもヴィスマルクへの通商船を何度も沈めてきました。手段は問いません。
今回に於いては、奴隷の子どもたちの奪取も目的の一つになっています。
話が通じないわけではありませんが、彼女は悪党です。
彼女が倒されれば盗賊団は退くでしょう。
取引をするのであればそれなり以上のカードが必要です。
ソラビト/フェンサー/オラクル
未開のスキルも使用するかもしれません。相当の手練です。女だてらで船長であるだけに、それなり以上の戦闘力は保持しています。
強化されたレイピアで戦闘します。
・アルヴィダの手下(戦闘員)。
種族雑多で、ルクタートル2、ドクター1、バスター2、ガンナー3、フェンサー2、アルケミー1、マギアス1の12人
半数はオラクル。
練度は皆様の平均~同程度。奴隷商船の彼らよりは比較的練度は高いです。
船には非戦闘員の操舵手が数人残っています。非戦闘員は基本的にすぐに制圧できるとおもっていただいて構いません。
■子どもたち
奴隷商人にさらわれた子どもたちが7人ほど。
確保して、通商連の船に移動させることができたら助かります。自由騎士たちの連携が重要になります。
自由騎士たちは一人につき、二人の人物を運ぶことができます。
敵が多いのでどのように戦闘するか、海賊団にどのようにアプローチするかも重要です。
戦闘不能者が8人を越えたら自動的に撤退となります。
キャラクターレベルの制限はありません。レベルが低くてもスキルや立ち回りで十分以上に貢献はできると思います。
面倒な依頼になりますが、海賊団との出会いは今後を左右することになるでしょう。
やることが多い依頼になると思います。文字数のリソースはしっかりとお使いくださいませ!
会話も重要になってきます。
NPC
ムサシマル・ハセ倉
アーウィン・エピ
みなさまを一生懸命サポートします。ハイバランサースキルはふたりとも持っていますし、現状あるバトルスタイルスキルは全て持っています。それにくわえアーウィンは鋭聴力を持っています。
皆様の指示には従います。
彼らの行動は、相談卓に【ムサシマル・指示】【アーウィン・指示】のタグで指示をしてください。
最新の書き込みを参照します。特になければ、皆様の邪魔にならないようにがんばって敵を倒そうとします。絡まなければ描写はほぼありません。
以上よろしくおねがいします。
状態
完了
完了
報酬マテリア
3個
7個
3個
3個




参加費
150LP [予約時+50LP]
150LP [予約時+50LP]
相談日数
8日
8日
参加人数
10/10
10/10
公開日
2018年08月18日
2018年08月18日
†メイン参加者 10人†
●
「野郎ども! 砲撃だ。機関部は狙うんじゃないよ! イ・ラプセルの自由騎士がいるなら船には当たらないさ。安心して撃ってやんな! まあ、あたったらあたったでその時だ!」
●
彼等自由騎士10名は蒸気船の中で軽く打ち合わせをしながら、船長にもらった構造図を確認している。
同行した自由騎士たちは船員たちの手伝いにも駆り出されて、状況に対応すべく配置する。
「ではこんな感じで作戦は問題ないですね。今回の状況推移は激しいものとなるでしょうから、しっかりと確認してください。とくにアーウィンがミスったら報告書に書きます」
『天辰』カスカ・セイリュウジ(CL3000019)が、眠そうな目でアーウィン・エピ(nCL3000022) を指差す。
「なんでもいいが俺はもう監視されてないからな!」
「で、貴方の役割は?」
「え、はい、海賊側の砲撃音が聞こえたらアンタらに知らせる」
「おう、賢いではないか! アーウィン・エピ!」
手をたたきながら『咲かぬ橘』非時香・ツボミ(CL3000086)が笑う。
「お前絶対馬鹿にしてるだろ!」
「距離もわかるようであれば伝えろ」
「わかるならな!」
「子どもたちを半数助ければ問題ないと。はん、知ったこっちゃない」
『クマの捜査官』ウェルス ライヒトゥーム(CL3000033)は構造図をかいた羊皮紙を穴が空くほどに眺めて不機嫌そうにつぶやく。
「どういうことでござるか?」
いぶかしそうに『一刀両断』ムサシマル・ハセ倉(nCL3000011) が尋ねる。
「全員たすけるさ。一人だってのこさない」
そういってウェルスがニヤリと笑う。
「うん! そのとおりだよ! この話きいてボク絶対に全員助けるって思った!」
ぐっと両手を握りしめ『見習い騎士』シア・ウィルナーグ(CL3000028)は立ち上がる。
「おう、シアの嬢ちゃん勇ましいな。そうさ、全員助けないとな」
『梟の帽子屋』アンネリーザ・バーリフェルト(CL3000017)はそんな二人を微笑ましく見つめる。そのとおりだ。大人の都合でさらわれて、大人の都合で好きに使われる。未来のある子どもにそんなこと絶対に許していいことではない。
「そうさ、自由騎士はアクアディーネの腕で指先だ。ケモノビトだろうがマザリモノだろうが等しくイ・ラプセルの国民だ。種族が違おうが、我が国に住まう民を見捨てないさ!」
『エルローの七色騎士』柊・オルステッド(CL3000152)は青い瞳を輝かせる。
通商連の船員からフックを取り付けることができる距離まで近づいたと知らされる。自由騎士達は顔を見合わせ、甲板に走り出た。
奴隷商船からの攻撃に通商連の戦士たちが応戦していた。アンネリーザと『翠氷の魔女』猪市 きゐこ(CL3000048)、ウェルスや同行した自由騎士が遠距離攻撃で船員のフックの取り付けを支援する。
ややあって、フックの取り付けに成功し、自由騎士たちは奴隷商船に乗り込んだ。
奴隷商人たちもそれを黙って見ているほど甘くはない。乗り込んでくる自由騎士を邪魔しようと動き始める。
「だらぁあああ!」
先頭で道を拓くは『マッチョを宿したキジン』ルシアス・スラ・プブリアス(CL3000127)。
全力のオーバーブラストで群がる前衛を一気に蹴散らす。その勢いで一丸となって移動する自由騎士たち。
確かに前衛は抜けることができたが、後衛が邪魔をする。彼等の向かう先はまっすぐに貨物室だ。目的などすぐに分かる。
「ルシアスさん、私も残ります。ムサシマルさん手伝って!」
『慈悲の刃、葬送の剣』アリア・セレスティ(CL3000222)は、ラピットジーンで加速し、仲間を貨物室に送り込むために、ブロックを試みる奴隷商人たちを抑える。
「がってんしょうちでござるよー」
指示をうけたムサシマルはブロックを仕掛ける敵を抑える。
その隙に9人の自由騎士は一直線に貨物室に駆け込んだ。
「捨てられる立場ならば、大人しく降るのが延命の道だぞ」
殿をつとめ貨物室のドアの前でオーバーブラストをルシアスは吹き飛ばし続ける。それでも近づいてくる敵をアリアは同じくデュアルストライクでいなす。
「アリア、ある程度削ったら、あんたは中に向かってくれ」
「わかりました。ここで止めておかないと彼等も貨物室まで追ってくるでしょう。私はルシアスさんの動きに合わせます」
「ちくしょう! 役立たずどもが!!」
飛び込んでくる自由騎士たちをみて船長が悪態をつく。貨物室の入り口から対角線上の片隅には7人の子どもたちが震えていたが、自由騎士の姿をみて「おにいちゃんたちがたすけにきてくれた」と笑顔になる。
「ガキども黙れ!」
言って、船長は子どもたちの足元を銃で撃てば、弾丸が跳弾して『挺身の』アダム・クランプトン(CL3000185)の頬をかすめた。
「子どもたちになんてことを! 子どもたちは返してもらうよ! もちろん全員だ!」
アダムは、船長に向かうが部下が阻む。その部下ごと鉄山靠で船長を撃ち抜く。
「あった、隠し扉。船長の後ろ!」
アンネリーザが叫ぶ。と同時に避難ボートも発見するが、簡素なものだ。引率役がいるとは言え、夜の海をそれに乗せて子どもたちを逃がすよりも、通商連の船に戻して一緒に帰るほうが安全だと判断する。
「向こうよりこっちの前衛が多いですから抑えておく間にきゐことツボミ、エロ熊、アンネリーザは子どもたちを確保してください」
カスカは一瞬で状況を判断すると指示をだしていく。
「わかったわ。あなた達だいじょうぶよ。助けるから」
きゐこがカスカに返事を返し、子どもたちに声をかける。しかしフードの女性にすこしだけ子どもは怯える。
「みんな~。騎士のお姉さまが助けに来ましたよ♪」
普段の口調とは全く違う優しい口調で柊が子どもたちに声をかければ、子どもたちの緊張がとけていく。その状況にきゐこは地味に凹むが、気を取り直す。
「自由騎士団が助けに来たよ!絶対に助けるからねっ!」
シアもまた、子どもたちに凛々しく声をかけ、隠し扉の方向に向かう。流石に相手前衛には止められてしまうことに焦れる。
「知ってのとおり、自由騎士団だ。おとなしくすれば命まではとらん」
ツボミが子どもたちへの心象も含め奴隷商人たちに名言しておく。敵の動きは目で追う。子どもたちを人質にされたら元も子もない。
「うるせえ! やっちまえ! お前ら!」
船長はどうにも直情的な性格のようだ。この状況に置いても目の前の自由騎士を倒すことを優先している。それなら重畳、子どもたちを確保しやすいだけだ。
「邪魔ですね」
カスカは自分をブロックする商人のバスターに鼻白む。
「んじゃあ前衛ぶったおしてさっさと船長を捕まえちまおうぜ」
「そうですね、私達は目立つように立ち回ります。というわけで、いつもどおりの力押しです」
カスカと柊が小声でその場で打ち合わせる。
「わかりやすいね! それボクたちの得意技だ!」
シアも笑顔で応じると、アリアと目配せして、いつもより大ぶりに武器を振り上げた。
剣戟は続く。後衛は相手後衛を牽制しつつ、子どもたちを確保に向かう。
「おねえちゃんいたくないの?」
「きにしないで、こんなのなれっこよ」
アンネリーザは敵ガンナーから子どもをかばい、肩口を負傷する。子どもは心配そうに尋ねるが彼女は微笑み、退路に子どもを抱え向かう。
ウェルスも両の手に子どもをかかえ、油断なく構える。大きな熊が珍しいのか猫のケモノビトの子どもが毛をむしる痛みに耐える。女子にボコられたことを思えば全然余裕だ。
「こおるのだわ」
きゐこは、子どもを背中に隠し足元を狙いアイスコフィンを船長に使い続けた。最低限船長は確保したい。
「おい! きたぞ!!」
短い言葉で、なおかつ味方にしか通じないような単語を選びアーウィンが大声で叫ぶ。ギリギリ外側の味方にも聞こえる大きさだ。
伝えられた彼等は、即座に近くの柱にしがみついて砲撃に耐える。
ドォン、ドォンと連発する砲撃音の直後船体が大きく揺れた。
子どもたちが泣き出すが、きゐこは大丈夫だとフードをあげ微笑む。その幼いかんばせに安心した子どもは涙を拭き頷いてきゐこにしがみついた。
貨物室の方向からアーウィンの合図が聞こえたルシアス達は即時柱にしがみつき砲撃に耐える。
「当たらないとは思いますが流石に砲撃はこわいですね」
アリアが揺れに耐えながら水しぶきの向こうの海賊船を見つめる。
「そうだな、揺れてるな」
ルシアスの目は揺れるアリアの凶悪な武器を見つめている。
「どうせ拙者は揺れないでござる」
約一名はどうにも不満のようであるが、この隙を放置するほど間抜けではない。
30秒後の新たなる接敵に彼等は備える。
海賊がきた。しかし奴隷商人の船長は確保できてはいない。半数と少しの奴隷商人は倒した。しかし、彼等の撃破優先順位は船長がトップではあるがそこに至るまでの優先順位があやふやであった。
故に攻撃する相手を効率よく選んで行くことができなかったのだ。
船長はガンナーだ。ガンナーが前衛に出てくるという状況は少ない。船長のもとに向かうには前衛を超える必要がある。
同時に子どもたちの確保も考えていたこともあり、動きに精彩を欠いてしまうことは否めない。
このまま貨物室にいたとしても、今度は海賊の攻撃に対応している間に、船長は逃げてしまうだろう。
カスカはここで、発破抜打というカードを切る。彼を守る前衛はいない絶好のチャンスといえる。しかし船長を倒すまでには至らない。彼は部下がかばうことも含めダメージはほぼない。
弾けて飛んだ鞘をみつめカスカは舌打ちする。この技は二度と使えない。
彼等は苦渋の案として、選んだ手段は船長の退路の破壊だ。
揺れる船内で動く的である敵を狙うよりは多少は動かない隠し扉を壊すことのほうが容易ではある。
砲撃に焦る船員たちの隙をつくように、彼等はアンネリーザに指示された隠し扉へ攻撃をし、セットされていた船ごと砕く。脱出手段がなくなれば爆破という強行策は使えないだろう。
「くそう! なんてことを!」
船長が悔しそうに呻くがしったことではない。
砲撃の混乱はあと30秒続く。あちらも焦ってはいるだろうが船長を倒せるかどうかは怪しい。
それならばこの混乱に乗じて、砲撃後、確保した子どもたちを移動させるほうが先決だ。
「みなさんは子どもを連れて甲板にむかってください。海賊が来ます。私はこっちを片付けてからいきます」
「ボクも付き合うよ!」
シアも隣に並ぶ。船長を放置することはきっと今後に関わる。そんなことは許せない。
(アレイスターさんはオラクルのことを可能性って言うけど、子どもたちこそが未来への可能性なんだ。だからそんな子どもたちを商売につかうなんて許せない! 未来に起こりうることを止めれなくって何が騎士かっ!)
「バカなんじゃねえのか! ほんとに!」
アーウィンは頭を掻き回しながら、この場に残る意志をみせる。
「よし! こっちは任せたぜ! オレは海賊たちに向かう!」
いうが早いかいの一番に柊は甲板に向かっていった。
「嬢ちゃんたち、ムチャはするなよ!」
今度は子どもによじ登られて耳をかじられているウェルスが三人に声をかけて甲板に向かう。
「とりあえず回復はしてやる、やばくなったらこっちにくるんだぞ!」
ツボミもなけなしのハーベストレインを一度彼等に齎すと子どもを連れていく。
「めちゃくちゃなんだから!」
「とにかく僕らは看板へ」
アダムが殿を努め、アンネリーザときゐこが遠距離攻撃で牽制しながら下がった。
●
「ヴィスマルクのバカ商人ども! スカンディナ海賊団だよ!」
黒地に頭蓋骨と交差した羽根が描かれた海賊旗(ジョリー・ロジャー)を掲げた船が奴隷商船に接舷している。
船員が慣れた手さばきでフックをひっかけると、海賊女王アルヴィダ・スカンディナは空中で一回転し、両足のくるぶしに生えている二対の羽根をはためかせ、奴隷商船に降り立つ。
海賊たちは海賊女王を中心に、一気に乗り込んできた。
ルシアス、アリア、ムサシマルはそのまま乗り込んできた海賊たちとなし崩しに切り合うことになる。
突然の海賊の存在に奴隷商船の戦闘員は対応を強いられることになり、自由騎士達から注意が逸れた。
「姐さん! あいつら、イ・ラプセルの騎士ですね、どうしますか?」
「邪魔するなら、適当に殴ってやんな!」
「名高き海の勇者たちよ、助勢感謝する!」
ルシアスが海賊たちの動きを制するような大声で宣言する。
攻撃を仕掛けようとする海賊をアルヴィダは手で制す。
「はぁ? なんだい、それ。あたしらは海賊、悪党だよ? 勇者なんて気持ち悪い」
その素っ頓狂な呼びかけにアルヴィダは逆に興味をもってルシアスに目を向けた。
「されどこれは我が国の問題! お帰り願おう!」
「帰れといわれて、帰るとでも思うのかい? 坊や」
(オラクルってことは、権能はあるんだよね?)
眼の前のアルヴィダがオラクルであることはわかる。どこの国のものか、それは流石に体のどこかにある紋章を見ない限りはわからない。
アリアは貨物室の入り口を守りながら、観察を続ける。
「我らが争うことで利するのは誰なのか。分からぬ貴女ではあるまい。にもかかわらず、我らと剣を交える理由は何ゆえか。自己利益のために幼き子らを奪い取る。それが賊だと言われれば、そうであろう」
「そうさ、未来有望な子どもがいつかヴィスマルクの兵隊になるなんてゾッとするよ。だから奪う。兵隊になるより海賊になるほうが楽しくて、かっこいいだろう?」
「貴女には貴女の大望があろう。であれば、その目的のために争うよりも利となる理が、我らの手にこそあろう!」
そろそろアルヴィダはうんざりとし始める。ため息をついた瞬間、ルシアスは飛び込み、バスタードソードでの一撃をアルヴィダに叩き込んだ。
それは技とはいえないような、ただただ愚直な一撃。「武器が効くなら殺せる、そして殺される前に殺せば生き残る」そんな教えのもとの一撃。
その突然の攻撃にアルヴィダは不敵な笑みを向け、いつの間にか抜刀したレイピアを叩きつけ軌道を反らせる。
「姐さん!」
部下たちが、ルシアスを睨みつけ攻撃をしかける。
「いい! 下がってな。面白いじゃないか。あんたも悪党だねえ。説得しながら攻撃してくるなんて、なんだい? イ・ラプセルの騎士様はお行儀がわるいね! あんた名前は?」
「いえ、そんなのするのルシアスさんくらいですからっ!」
自由騎士団の名誉のためアリアがつっこむ。
「イマイチ踏み込みが甘かったか。名前はマッチョだ」
ルシアスは悪びれる素振りすらみせない。
「っていうか、あんた今ルシアスって呼ばれたじゃないか! なんでこのごに置いてそんな嘘つくんだい!」
「オレの名はオルステッド。おう海賊女子。生きのいい騎士と戦おうぜ!」
横合いから柊がアルヴィダに渾身のヒートアクセルで飛び込む。
「あーもう何だい! さっきから!」
「姐さん、流石にもう!」
海賊がアルヴィダを庇い敵意を顕にし、オーバーブラストで柊ごとルシアスを跳ね飛ばすが、柊はアルヴィダを挑発する。
「全く、自由騎士ってのは……!」
アルヴィダは跳ね飛ばされた柊に一気に近接すると神速の剣戟を繰り出す。一投足で三連剣閃が煌めく。その身に二度、その未開の技をくらった柊は膝をつく。
「おっと一撃ははずしちまったかい」
そのとき貨物室の扉から自由騎士たちが子どもらをかばいつつ出てくる。アルヴィダの視線を感じたアンネリーザときゐこは子どもたちをかばうようにぎゅっと抱きしめた。
「まー待て! 童貞じゃあるまいにそう焦るな。喧嘩の前にちくと話位聞け」
子どもに角を引っ張られ頭がかしいだままにツボミが言えば、同じように頭を傾がせて、アルヴィダが先を促す。
「私はイ・ラプセルの町医者非時香・ツボミだ。敵の敵は味方じゃあないが、わざわざ敵に回す必要も無かろ? うちと喧嘩したいならヴィスマルクが滅んでからにして欲しい」
「ふうん」
「だがガキ共はうちの国民……つまり身内だ、渡したかないんだ。……しかし貴様等からすれば教育必須の子供。私らと殺し合って迄欲しい人員だろうか? 面子があるなら私の頭位幾らでも下げる」
「なあ、そこのちびっこたち、おねーさんに連れられて海賊になってみないかい? たのしいよ? 悪いヴィスマルクをやっつけて、お宝はもらい放題だ!」
ツボミに問われ、子どもたちに向き直ったアルヴィダがやけに優しい声で子どもに問いかけた。
「やだ」「きしさまがいい」「こわい、海賊悪い」「きしさまっ! たすけてっ!」「耳おいしい」「やだよぅ。悪いことしちゃだめってお母さんいってたもん」「おっぱい」
子どもたちは口々に海賊女王の誘いを断る。
「姐さん人望なさすぎでしょ……」
「うるさいね! はぁ、子どもが嫌がるなら諦めるしかないじゃないか。じゃあなんだい? あたしたちは骨折り損のくたびれもうけになっちまう。大砲だってタダじゃないんだよ!」
見事に子どもたちに振られたアルヴィダはため息をつく。
「そうでもないわ。私達は貴方と交渉をしたいと思っているのだわ」
きゐこが言う。
「交渉(物理)ってやつかい? まあそれでもストレス解消にはなるからいいけどさ、じゃあ、やりあうかい?」
「違うわ! ちゃんとした交渉。交渉材料は用意しているわ。絶対に悪い話じゃないと思うわ」
「へえ」
「まずは、この奴隷商船の船長です」
少々ボロボロになったカスカとシアが、気絶した奴隷商船の船長の両の足を引きずってアルヴィダの前に差し出す。
それをみて同じガンナーで同じケモノビトの商人だということで少々のシンパシーを感じていたウェルスが心のなかでヒエッっと悲鳴をあげる。まったくもってうちの女騎士たちは容赦というものがない。
「船長!」
それを見た奴隷商船の船員たちは戦意を消失させ、降伏する。
(そりゃ大将が女の子にあんなボコボコにされてたら戦意もなくなるよな)
ウェルスはつい最近自らに降り掛かった不幸を思い同情してしまう。
どのみちこの状況で対するは海賊とイ・ラプセルの騎士たち。どうにも交渉をしようという様子すらも見せている状況で尚抵抗するほど奴隷商船の船員たちは愚かでもない。
「ぶっちゃけそんなおっさんいらないんだけど」
「この、奴隷商船はあなた達に差し出すのだわ、売るなりなんなりできると思うの」
「そもそもこの船アンタらのじゃないだろう。他人の物を取引材料に使うのは悪手だよ。で、そっちにも通商連の使いが来てるじゃないか? 嫌だよ、ヴィスマルクのっていっても管轄は通商連だろ? この船はそいつらに渡るだろうさ。それに船はあるからね」
「じゃあ、この人員は?」
「いらないよ、あんたらで好きにしなよ。少なくとも大将首をとってきたのはアンタラさ。それを奪うほどにスカンディナ海賊団は卑しくないさ。アタシらとしてはヴィスマルクの商船の顔をつぶしてやるっていう目的は果たしたからね。ああ、でも貨物はとられちまったけどね! あの子らが嫌がるならしかたないさ」
「えっと、私達イ・ラプセルの騎士があなた達と戦わないことを約束するのは?」
「交渉(物理)の最中だけど?」
「えっと! じゃあ、イ・ラプセル近海の情報とか」
「水鏡ってやつかい? まあ興味がないとはいわないが、アタシ達の主な活動場所はここじゃないさ。もっと向こう。そっちまで水鏡は見れるのかい?」
「ぐぬぬ! じゃあ最終手段よ! 言ってやって! アダムさん!」
その『切り札』に対してアンネリーザは子どもを抱きしめ眉根を寄せる。
「どうしたの? おねえちゃん、さっきかばってくれたところがいたいの? ふええ、いたいのいたいのとんでけー」
「うん、大丈夫よ。安心して」
その切り札は戦時中だからこそ出せる切り札だ。そんな切り札が出せる今が間違っている。こんな不正を正当化するような免許なんてヘドがでそうだ。
だから思う。こんなバカバカしい戦争を早くおわらせないと、と。
アンネリーザは平和への希求心をさらに強くする。そう、戦争をなくすということはこの腕の中で私を心配してくれる優しい子たちが健やかに暮らせる未来につながるのだから。
「アルヴィダさん、いやキャプテン・スカンディナ」
アダムは託された切り札を手に前にでる。
「単刀直入に言うよ。我が国はスカンディナ海賊団に対して私掠免許を発行する意思がある」
ヒューッっと海賊からも口笛が吹かれる。
私掠免許。それは民間の船が領海内に侵入した他国の船を攻撃・拿捕できる戦時中においてのみその海賊行為を合法とする免許である。
「そりゃあまあ、思い切ったねえ、見事な切り札だ」
「ちょっと待ってくださいよ」
カスカが一歩前に出る。
「なんだい? アタシらにとってそれはありがたいものさ。まさに切り札そのものだ」
「それを貴方が受け取ったら戦えなくなるじゃないですか?」
「あのさぁ? あんた、何がしたいの? アタシらにそれを受け取らせたら万事オッケーじゃないのかい?」
「だから困るんですよ。同じ軽戦士で同じ女。海賊と剣客なんていうどっちもよく似たヤクザ家業。それに海賊なんていうめんどくさいにも程がある人生を貫く執念(バカ)だなんて、作戦なんて関係ありません。興味があるんですよ」
「あーもう、なんだいアマノホカリの剣客ってのはこんなのばっかりかい?」
「ヴィスマルクを撃退したことはご存知でしょう?」
「ああ」
「女神を斬った神殺しは、この私です」
「へぇ?」
(まあ、あれが帝国の女神であったかとか『私の力』であったかとかは抜きにして、まあ概ねに置いて嘘はついてません。語弊はあるかもしれませんが)
しれっと言い放つカスカの顔色はかわらない。
アルヴィダは俄然この剣客に興味を持ち始めすらり、とレイピアを抜く。
「まったまった! 喧嘩はだめ!」
アダムが二人の間に入って一触即発の状況を回避する。
「その、ヴィスマルクは僕らにとっても敵国なんだ。海賊団が倒してくれるっていうなら言うことはないさ。きちんと宰相殿にも言質をとってきたんだ! ……自由を重んじるだろう君たちにとって免許ってのは堅苦しいかもだけど」
「いいや、そんなことはないさ、ん? そこのイケメンはなんだか奥歯にものの挟まったような顔をしてるね、言いたいことはそれだけじゃないのかい? いってみな」
「ありがとう、じゃあはっきり言うよ。僕はこの世界を変革したいと思っている」
「へぇ?」
「亜人だなんだとそんな差別もなにもない優しい世界を目指したい」
「あんた見た目だけじゃなくて中身まで英雄様なのかい?」
「そのために君たちとは共犯者になりたい。平和のためになら悪事も飲み込む。君たちが欲しがるお宝ではないけれど、夢がある話だとはおもわないかい?」
「なるほどねぇ。英雄様かと思えば、きれいな見た目に反して、意外と悪党の素質があるじゃないか? 海賊と共犯、正気かい? 騎士様。あんた名前は?」
「アダム・クランプトン。 僕のその夢の実現のためには」
アダムは、目の前のアルヴィダの手をとり目を見つめる。
「貴方が欲しい!!!!」
アダムは自分の精一杯の誠意としてその言葉を告げる。直接的でわかりやすい言葉がそれだと迷いはなかった。
「ええええええええええええ????!??」
「ひゅー! 姐さんに春がきたぞーーーー」
その真意はずいぶんと周囲に婉曲して伝わったようだ。アルヴィダは少女のように顔を真赤にしている。
「口でだめなら体(こぶし)で示すこともできるよ」
当の本人はその言葉の重さに全く気づいていない。ルシアスはあーあという顔で見つめている。
「まった、わかった、まった待った。ほんとまじ、待って。わかった。あんたのいいたいことわかった。うけとるから、免許うけとるから」
「えー」
カスカと柊はアルヴィダと戦いたかった。故にその素直な言葉には不満がある。
「わかったわかった、あんたらも戦いたいなら日をあらためて挑んできな、今日はもうだめだから。お願い、ほんとまって」
アルヴィダはもう対応も口調もグダグダになってきている。
「姐さんこうみえて、初だからなー、ありゃあ対応できねえわ。」
海賊たちがうんうんと頷く。
「うるさいね!! 黙ってな! バカー!」
「あのさ、キャプテン殿よ。スカンディナといったか。貴様子どもがほしいならその立派な万能型ボインボインを利用してガキ位自分でこさえろよって言おうと思ったんだが、貴様……さては、処女だな?」
「――ッ!!」
「処女ってなにー?」
子どもたちが大人たちに尋ねる。シアは両手で顔を隠して赤くなっている。少女には少々刺激的な話題だ。
「と、とととととにかく! お前ら帰れーーーーーーーー!!!!!」
アルヴィダの叫びはこのイ・ラプセルの近海に響き渡った。
やっぱり会って話さないとわからないことはあるもんだなあ。海賊だからといって偏見はすてるべきだな。
マイペースにルシアスは思う。
「まあこれで一件落着、かしらね」
きゐこは両の手を叩いてお決まりの言葉で締めた。
●
ヴィスマルクの奴隷商船の船長及び船員の処遇は、取り調べも含め通商連預かりとなる。
「通商連に引き渡されるが、希望は無いなんて言わない。がんばれよ兄弟」
連れて行かれる船長たちに対してすれ違いざまにウェルスが告げた。カシミロ様が彼等をどうするかは、想像すればわかる。世はこともなし。何もなかったことなるのだろう。
通商連では表向きは奴隷は取り扱っていないのであるのだから。
●
アリアはアルヴィダが落ち着いた頃に、彼女がどこの国のオラクルであるか、他国の権能を知っているのかと聞いてみた。
「オラクルってのは無色のもいるんだよ。国に属さないオラクルっていうのはそれなりにいるもんだよ。まあ、そういうわけでアタシら無色のオラクルは国に入れてもらえない。まあ海がアタシらの故郷だからどうでもいいんだけどね。 国に属さないといえば、通商連のオラクルもそうだろ? ある一定の商業エリア以外には入れてもらえないはずさ」
「なあ、あのオレにくらわした三連の、あれなんだ?」
柊は食らった腹をさすりながら問いかける。
「さあて、アンタらもアタシの練度に追いつけば自然にわかるはずだよ」
べぇ、とアルヴィダは舌を出してはぐらかすのだった。
「野郎ども! 砲撃だ。機関部は狙うんじゃないよ! イ・ラプセルの自由騎士がいるなら船には当たらないさ。安心して撃ってやんな! まあ、あたったらあたったでその時だ!」
●
彼等自由騎士10名は蒸気船の中で軽く打ち合わせをしながら、船長にもらった構造図を確認している。
同行した自由騎士たちは船員たちの手伝いにも駆り出されて、状況に対応すべく配置する。
「ではこんな感じで作戦は問題ないですね。今回の状況推移は激しいものとなるでしょうから、しっかりと確認してください。とくにアーウィンがミスったら報告書に書きます」
『天辰』カスカ・セイリュウジ(CL3000019)が、眠そうな目でアーウィン・エピ(nCL3000022) を指差す。
「なんでもいいが俺はもう監視されてないからな!」
「で、貴方の役割は?」
「え、はい、海賊側の砲撃音が聞こえたらアンタらに知らせる」
「おう、賢いではないか! アーウィン・エピ!」
手をたたきながら『咲かぬ橘』非時香・ツボミ(CL3000086)が笑う。
「お前絶対馬鹿にしてるだろ!」
「距離もわかるようであれば伝えろ」
「わかるならな!」
「子どもたちを半数助ければ問題ないと。はん、知ったこっちゃない」
『クマの捜査官』ウェルス ライヒトゥーム(CL3000033)は構造図をかいた羊皮紙を穴が空くほどに眺めて不機嫌そうにつぶやく。
「どういうことでござるか?」
いぶかしそうに『一刀両断』ムサシマル・ハセ倉(nCL3000011) が尋ねる。
「全員たすけるさ。一人だってのこさない」
そういってウェルスがニヤリと笑う。
「うん! そのとおりだよ! この話きいてボク絶対に全員助けるって思った!」
ぐっと両手を握りしめ『見習い騎士』シア・ウィルナーグ(CL3000028)は立ち上がる。
「おう、シアの嬢ちゃん勇ましいな。そうさ、全員助けないとな」
『梟の帽子屋』アンネリーザ・バーリフェルト(CL3000017)はそんな二人を微笑ましく見つめる。そのとおりだ。大人の都合でさらわれて、大人の都合で好きに使われる。未来のある子どもにそんなこと絶対に許していいことではない。
「そうさ、自由騎士はアクアディーネの腕で指先だ。ケモノビトだろうがマザリモノだろうが等しくイ・ラプセルの国民だ。種族が違おうが、我が国に住まう民を見捨てないさ!」
『エルローの七色騎士』柊・オルステッド(CL3000152)は青い瞳を輝かせる。
通商連の船員からフックを取り付けることができる距離まで近づいたと知らされる。自由騎士達は顔を見合わせ、甲板に走り出た。
奴隷商船からの攻撃に通商連の戦士たちが応戦していた。アンネリーザと『翠氷の魔女』猪市 きゐこ(CL3000048)、ウェルスや同行した自由騎士が遠距離攻撃で船員のフックの取り付けを支援する。
ややあって、フックの取り付けに成功し、自由騎士たちは奴隷商船に乗り込んだ。
奴隷商人たちもそれを黙って見ているほど甘くはない。乗り込んでくる自由騎士を邪魔しようと動き始める。
「だらぁあああ!」
先頭で道を拓くは『マッチョを宿したキジン』ルシアス・スラ・プブリアス(CL3000127)。
全力のオーバーブラストで群がる前衛を一気に蹴散らす。その勢いで一丸となって移動する自由騎士たち。
確かに前衛は抜けることができたが、後衛が邪魔をする。彼等の向かう先はまっすぐに貨物室だ。目的などすぐに分かる。
「ルシアスさん、私も残ります。ムサシマルさん手伝って!」
『慈悲の刃、葬送の剣』アリア・セレスティ(CL3000222)は、ラピットジーンで加速し、仲間を貨物室に送り込むために、ブロックを試みる奴隷商人たちを抑える。
「がってんしょうちでござるよー」
指示をうけたムサシマルはブロックを仕掛ける敵を抑える。
その隙に9人の自由騎士は一直線に貨物室に駆け込んだ。
「捨てられる立場ならば、大人しく降るのが延命の道だぞ」
殿をつとめ貨物室のドアの前でオーバーブラストをルシアスは吹き飛ばし続ける。それでも近づいてくる敵をアリアは同じくデュアルストライクでいなす。
「アリア、ある程度削ったら、あんたは中に向かってくれ」
「わかりました。ここで止めておかないと彼等も貨物室まで追ってくるでしょう。私はルシアスさんの動きに合わせます」
「ちくしょう! 役立たずどもが!!」
飛び込んでくる自由騎士たちをみて船長が悪態をつく。貨物室の入り口から対角線上の片隅には7人の子どもたちが震えていたが、自由騎士の姿をみて「おにいちゃんたちがたすけにきてくれた」と笑顔になる。
「ガキども黙れ!」
言って、船長は子どもたちの足元を銃で撃てば、弾丸が跳弾して『挺身の』アダム・クランプトン(CL3000185)の頬をかすめた。
「子どもたちになんてことを! 子どもたちは返してもらうよ! もちろん全員だ!」
アダムは、船長に向かうが部下が阻む。その部下ごと鉄山靠で船長を撃ち抜く。
「あった、隠し扉。船長の後ろ!」
アンネリーザが叫ぶ。と同時に避難ボートも発見するが、簡素なものだ。引率役がいるとは言え、夜の海をそれに乗せて子どもたちを逃がすよりも、通商連の船に戻して一緒に帰るほうが安全だと判断する。
「向こうよりこっちの前衛が多いですから抑えておく間にきゐことツボミ、エロ熊、アンネリーザは子どもたちを確保してください」
カスカは一瞬で状況を判断すると指示をだしていく。
「わかったわ。あなた達だいじょうぶよ。助けるから」
きゐこがカスカに返事を返し、子どもたちに声をかける。しかしフードの女性にすこしだけ子どもは怯える。
「みんな~。騎士のお姉さまが助けに来ましたよ♪」
普段の口調とは全く違う優しい口調で柊が子どもたちに声をかければ、子どもたちの緊張がとけていく。その状況にきゐこは地味に凹むが、気を取り直す。
「自由騎士団が助けに来たよ!絶対に助けるからねっ!」
シアもまた、子どもたちに凛々しく声をかけ、隠し扉の方向に向かう。流石に相手前衛には止められてしまうことに焦れる。
「知ってのとおり、自由騎士団だ。おとなしくすれば命まではとらん」
ツボミが子どもたちへの心象も含め奴隷商人たちに名言しておく。敵の動きは目で追う。子どもたちを人質にされたら元も子もない。
「うるせえ! やっちまえ! お前ら!」
船長はどうにも直情的な性格のようだ。この状況に置いても目の前の自由騎士を倒すことを優先している。それなら重畳、子どもたちを確保しやすいだけだ。
「邪魔ですね」
カスカは自分をブロックする商人のバスターに鼻白む。
「んじゃあ前衛ぶったおしてさっさと船長を捕まえちまおうぜ」
「そうですね、私達は目立つように立ち回ります。というわけで、いつもどおりの力押しです」
カスカと柊が小声でその場で打ち合わせる。
「わかりやすいね! それボクたちの得意技だ!」
シアも笑顔で応じると、アリアと目配せして、いつもより大ぶりに武器を振り上げた。
剣戟は続く。後衛は相手後衛を牽制しつつ、子どもたちを確保に向かう。
「おねえちゃんいたくないの?」
「きにしないで、こんなのなれっこよ」
アンネリーザは敵ガンナーから子どもをかばい、肩口を負傷する。子どもは心配そうに尋ねるが彼女は微笑み、退路に子どもを抱え向かう。
ウェルスも両の手に子どもをかかえ、油断なく構える。大きな熊が珍しいのか猫のケモノビトの子どもが毛をむしる痛みに耐える。女子にボコられたことを思えば全然余裕だ。
「こおるのだわ」
きゐこは、子どもを背中に隠し足元を狙いアイスコフィンを船長に使い続けた。最低限船長は確保したい。
「おい! きたぞ!!」
短い言葉で、なおかつ味方にしか通じないような単語を選びアーウィンが大声で叫ぶ。ギリギリ外側の味方にも聞こえる大きさだ。
伝えられた彼等は、即座に近くの柱にしがみついて砲撃に耐える。
ドォン、ドォンと連発する砲撃音の直後船体が大きく揺れた。
子どもたちが泣き出すが、きゐこは大丈夫だとフードをあげ微笑む。その幼いかんばせに安心した子どもは涙を拭き頷いてきゐこにしがみついた。
貨物室の方向からアーウィンの合図が聞こえたルシアス達は即時柱にしがみつき砲撃に耐える。
「当たらないとは思いますが流石に砲撃はこわいですね」
アリアが揺れに耐えながら水しぶきの向こうの海賊船を見つめる。
「そうだな、揺れてるな」
ルシアスの目は揺れるアリアの凶悪な武器を見つめている。
「どうせ拙者は揺れないでござる」
約一名はどうにも不満のようであるが、この隙を放置するほど間抜けではない。
30秒後の新たなる接敵に彼等は備える。
海賊がきた。しかし奴隷商人の船長は確保できてはいない。半数と少しの奴隷商人は倒した。しかし、彼等の撃破優先順位は船長がトップではあるがそこに至るまでの優先順位があやふやであった。
故に攻撃する相手を効率よく選んで行くことができなかったのだ。
船長はガンナーだ。ガンナーが前衛に出てくるという状況は少ない。船長のもとに向かうには前衛を超える必要がある。
同時に子どもたちの確保も考えていたこともあり、動きに精彩を欠いてしまうことは否めない。
このまま貨物室にいたとしても、今度は海賊の攻撃に対応している間に、船長は逃げてしまうだろう。
カスカはここで、発破抜打というカードを切る。彼を守る前衛はいない絶好のチャンスといえる。しかし船長を倒すまでには至らない。彼は部下がかばうことも含めダメージはほぼない。
弾けて飛んだ鞘をみつめカスカは舌打ちする。この技は二度と使えない。
彼等は苦渋の案として、選んだ手段は船長の退路の破壊だ。
揺れる船内で動く的である敵を狙うよりは多少は動かない隠し扉を壊すことのほうが容易ではある。
砲撃に焦る船員たちの隙をつくように、彼等はアンネリーザに指示された隠し扉へ攻撃をし、セットされていた船ごと砕く。脱出手段がなくなれば爆破という強行策は使えないだろう。
「くそう! なんてことを!」
船長が悔しそうに呻くがしったことではない。
砲撃の混乱はあと30秒続く。あちらも焦ってはいるだろうが船長を倒せるかどうかは怪しい。
それならばこの混乱に乗じて、砲撃後、確保した子どもたちを移動させるほうが先決だ。
「みなさんは子どもを連れて甲板にむかってください。海賊が来ます。私はこっちを片付けてからいきます」
「ボクも付き合うよ!」
シアも隣に並ぶ。船長を放置することはきっと今後に関わる。そんなことは許せない。
(アレイスターさんはオラクルのことを可能性って言うけど、子どもたちこそが未来への可能性なんだ。だからそんな子どもたちを商売につかうなんて許せない! 未来に起こりうることを止めれなくって何が騎士かっ!)
「バカなんじゃねえのか! ほんとに!」
アーウィンは頭を掻き回しながら、この場に残る意志をみせる。
「よし! こっちは任せたぜ! オレは海賊たちに向かう!」
いうが早いかいの一番に柊は甲板に向かっていった。
「嬢ちゃんたち、ムチャはするなよ!」
今度は子どもによじ登られて耳をかじられているウェルスが三人に声をかけて甲板に向かう。
「とりあえず回復はしてやる、やばくなったらこっちにくるんだぞ!」
ツボミもなけなしのハーベストレインを一度彼等に齎すと子どもを連れていく。
「めちゃくちゃなんだから!」
「とにかく僕らは看板へ」
アダムが殿を努め、アンネリーザときゐこが遠距離攻撃で牽制しながら下がった。
●
「ヴィスマルクのバカ商人ども! スカンディナ海賊団だよ!」
黒地に頭蓋骨と交差した羽根が描かれた海賊旗(ジョリー・ロジャー)を掲げた船が奴隷商船に接舷している。
船員が慣れた手さばきでフックをひっかけると、海賊女王アルヴィダ・スカンディナは空中で一回転し、両足のくるぶしに生えている二対の羽根をはためかせ、奴隷商船に降り立つ。
海賊たちは海賊女王を中心に、一気に乗り込んできた。
ルシアス、アリア、ムサシマルはそのまま乗り込んできた海賊たちとなし崩しに切り合うことになる。
突然の海賊の存在に奴隷商船の戦闘員は対応を強いられることになり、自由騎士達から注意が逸れた。
「姐さん! あいつら、イ・ラプセルの騎士ですね、どうしますか?」
「邪魔するなら、適当に殴ってやんな!」
「名高き海の勇者たちよ、助勢感謝する!」
ルシアスが海賊たちの動きを制するような大声で宣言する。
攻撃を仕掛けようとする海賊をアルヴィダは手で制す。
「はぁ? なんだい、それ。あたしらは海賊、悪党だよ? 勇者なんて気持ち悪い」
その素っ頓狂な呼びかけにアルヴィダは逆に興味をもってルシアスに目を向けた。
「されどこれは我が国の問題! お帰り願おう!」
「帰れといわれて、帰るとでも思うのかい? 坊や」
(オラクルってことは、権能はあるんだよね?)
眼の前のアルヴィダがオラクルであることはわかる。どこの国のものか、それは流石に体のどこかにある紋章を見ない限りはわからない。
アリアは貨物室の入り口を守りながら、観察を続ける。
「我らが争うことで利するのは誰なのか。分からぬ貴女ではあるまい。にもかかわらず、我らと剣を交える理由は何ゆえか。自己利益のために幼き子らを奪い取る。それが賊だと言われれば、そうであろう」
「そうさ、未来有望な子どもがいつかヴィスマルクの兵隊になるなんてゾッとするよ。だから奪う。兵隊になるより海賊になるほうが楽しくて、かっこいいだろう?」
「貴女には貴女の大望があろう。であれば、その目的のために争うよりも利となる理が、我らの手にこそあろう!」
そろそろアルヴィダはうんざりとし始める。ため息をついた瞬間、ルシアスは飛び込み、バスタードソードでの一撃をアルヴィダに叩き込んだ。
それは技とはいえないような、ただただ愚直な一撃。「武器が効くなら殺せる、そして殺される前に殺せば生き残る」そんな教えのもとの一撃。
その突然の攻撃にアルヴィダは不敵な笑みを向け、いつの間にか抜刀したレイピアを叩きつけ軌道を反らせる。
「姐さん!」
部下たちが、ルシアスを睨みつけ攻撃をしかける。
「いい! 下がってな。面白いじゃないか。あんたも悪党だねえ。説得しながら攻撃してくるなんて、なんだい? イ・ラプセルの騎士様はお行儀がわるいね! あんた名前は?」
「いえ、そんなのするのルシアスさんくらいですからっ!」
自由騎士団の名誉のためアリアがつっこむ。
「イマイチ踏み込みが甘かったか。名前はマッチョだ」
ルシアスは悪びれる素振りすらみせない。
「っていうか、あんた今ルシアスって呼ばれたじゃないか! なんでこのごに置いてそんな嘘つくんだい!」
「オレの名はオルステッド。おう海賊女子。生きのいい騎士と戦おうぜ!」
横合いから柊がアルヴィダに渾身のヒートアクセルで飛び込む。
「あーもう何だい! さっきから!」
「姐さん、流石にもう!」
海賊がアルヴィダを庇い敵意を顕にし、オーバーブラストで柊ごとルシアスを跳ね飛ばすが、柊はアルヴィダを挑発する。
「全く、自由騎士ってのは……!」
アルヴィダは跳ね飛ばされた柊に一気に近接すると神速の剣戟を繰り出す。一投足で三連剣閃が煌めく。その身に二度、その未開の技をくらった柊は膝をつく。
「おっと一撃ははずしちまったかい」
そのとき貨物室の扉から自由騎士たちが子どもらをかばいつつ出てくる。アルヴィダの視線を感じたアンネリーザときゐこは子どもたちをかばうようにぎゅっと抱きしめた。
「まー待て! 童貞じゃあるまいにそう焦るな。喧嘩の前にちくと話位聞け」
子どもに角を引っ張られ頭がかしいだままにツボミが言えば、同じように頭を傾がせて、アルヴィダが先を促す。
「私はイ・ラプセルの町医者非時香・ツボミだ。敵の敵は味方じゃあないが、わざわざ敵に回す必要も無かろ? うちと喧嘩したいならヴィスマルクが滅んでからにして欲しい」
「ふうん」
「だがガキ共はうちの国民……つまり身内だ、渡したかないんだ。……しかし貴様等からすれば教育必須の子供。私らと殺し合って迄欲しい人員だろうか? 面子があるなら私の頭位幾らでも下げる」
「なあ、そこのちびっこたち、おねーさんに連れられて海賊になってみないかい? たのしいよ? 悪いヴィスマルクをやっつけて、お宝はもらい放題だ!」
ツボミに問われ、子どもたちに向き直ったアルヴィダがやけに優しい声で子どもに問いかけた。
「やだ」「きしさまがいい」「こわい、海賊悪い」「きしさまっ! たすけてっ!」「耳おいしい」「やだよぅ。悪いことしちゃだめってお母さんいってたもん」「おっぱい」
子どもたちは口々に海賊女王の誘いを断る。
「姐さん人望なさすぎでしょ……」
「うるさいね! はぁ、子どもが嫌がるなら諦めるしかないじゃないか。じゃあなんだい? あたしたちは骨折り損のくたびれもうけになっちまう。大砲だってタダじゃないんだよ!」
見事に子どもたちに振られたアルヴィダはため息をつく。
「そうでもないわ。私達は貴方と交渉をしたいと思っているのだわ」
きゐこが言う。
「交渉(物理)ってやつかい? まあそれでもストレス解消にはなるからいいけどさ、じゃあ、やりあうかい?」
「違うわ! ちゃんとした交渉。交渉材料は用意しているわ。絶対に悪い話じゃないと思うわ」
「へえ」
「まずは、この奴隷商船の船長です」
少々ボロボロになったカスカとシアが、気絶した奴隷商船の船長の両の足を引きずってアルヴィダの前に差し出す。
それをみて同じガンナーで同じケモノビトの商人だということで少々のシンパシーを感じていたウェルスが心のなかでヒエッっと悲鳴をあげる。まったくもってうちの女騎士たちは容赦というものがない。
「船長!」
それを見た奴隷商船の船員たちは戦意を消失させ、降伏する。
(そりゃ大将が女の子にあんなボコボコにされてたら戦意もなくなるよな)
ウェルスはつい最近自らに降り掛かった不幸を思い同情してしまう。
どのみちこの状況で対するは海賊とイ・ラプセルの騎士たち。どうにも交渉をしようという様子すらも見せている状況で尚抵抗するほど奴隷商船の船員たちは愚かでもない。
「ぶっちゃけそんなおっさんいらないんだけど」
「この、奴隷商船はあなた達に差し出すのだわ、売るなりなんなりできると思うの」
「そもそもこの船アンタらのじゃないだろう。他人の物を取引材料に使うのは悪手だよ。で、そっちにも通商連の使いが来てるじゃないか? 嫌だよ、ヴィスマルクのっていっても管轄は通商連だろ? この船はそいつらに渡るだろうさ。それに船はあるからね」
「じゃあ、この人員は?」
「いらないよ、あんたらで好きにしなよ。少なくとも大将首をとってきたのはアンタラさ。それを奪うほどにスカンディナ海賊団は卑しくないさ。アタシらとしてはヴィスマルクの商船の顔をつぶしてやるっていう目的は果たしたからね。ああ、でも貨物はとられちまったけどね! あの子らが嫌がるならしかたないさ」
「えっと、私達イ・ラプセルの騎士があなた達と戦わないことを約束するのは?」
「交渉(物理)の最中だけど?」
「えっと! じゃあ、イ・ラプセル近海の情報とか」
「水鏡ってやつかい? まあ興味がないとはいわないが、アタシ達の主な活動場所はここじゃないさ。もっと向こう。そっちまで水鏡は見れるのかい?」
「ぐぬぬ! じゃあ最終手段よ! 言ってやって! アダムさん!」
その『切り札』に対してアンネリーザは子どもを抱きしめ眉根を寄せる。
「どうしたの? おねえちゃん、さっきかばってくれたところがいたいの? ふええ、いたいのいたいのとんでけー」
「うん、大丈夫よ。安心して」
その切り札は戦時中だからこそ出せる切り札だ。そんな切り札が出せる今が間違っている。こんな不正を正当化するような免許なんてヘドがでそうだ。
だから思う。こんなバカバカしい戦争を早くおわらせないと、と。
アンネリーザは平和への希求心をさらに強くする。そう、戦争をなくすということはこの腕の中で私を心配してくれる優しい子たちが健やかに暮らせる未来につながるのだから。
「アルヴィダさん、いやキャプテン・スカンディナ」
アダムは託された切り札を手に前にでる。
「単刀直入に言うよ。我が国はスカンディナ海賊団に対して私掠免許を発行する意思がある」
ヒューッっと海賊からも口笛が吹かれる。
私掠免許。それは民間の船が領海内に侵入した他国の船を攻撃・拿捕できる戦時中においてのみその海賊行為を合法とする免許である。
「そりゃあまあ、思い切ったねえ、見事な切り札だ」
「ちょっと待ってくださいよ」
カスカが一歩前に出る。
「なんだい? アタシらにとってそれはありがたいものさ。まさに切り札そのものだ」
「それを貴方が受け取ったら戦えなくなるじゃないですか?」
「あのさぁ? あんた、何がしたいの? アタシらにそれを受け取らせたら万事オッケーじゃないのかい?」
「だから困るんですよ。同じ軽戦士で同じ女。海賊と剣客なんていうどっちもよく似たヤクザ家業。それに海賊なんていうめんどくさいにも程がある人生を貫く執念(バカ)だなんて、作戦なんて関係ありません。興味があるんですよ」
「あーもう、なんだいアマノホカリの剣客ってのはこんなのばっかりかい?」
「ヴィスマルクを撃退したことはご存知でしょう?」
「ああ」
「女神を斬った神殺しは、この私です」
「へぇ?」
(まあ、あれが帝国の女神であったかとか『私の力』であったかとかは抜きにして、まあ概ねに置いて嘘はついてません。語弊はあるかもしれませんが)
しれっと言い放つカスカの顔色はかわらない。
アルヴィダは俄然この剣客に興味を持ち始めすらり、とレイピアを抜く。
「まったまった! 喧嘩はだめ!」
アダムが二人の間に入って一触即発の状況を回避する。
「その、ヴィスマルクは僕らにとっても敵国なんだ。海賊団が倒してくれるっていうなら言うことはないさ。きちんと宰相殿にも言質をとってきたんだ! ……自由を重んじるだろう君たちにとって免許ってのは堅苦しいかもだけど」
「いいや、そんなことはないさ、ん? そこのイケメンはなんだか奥歯にものの挟まったような顔をしてるね、言いたいことはそれだけじゃないのかい? いってみな」
「ありがとう、じゃあはっきり言うよ。僕はこの世界を変革したいと思っている」
「へぇ?」
「亜人だなんだとそんな差別もなにもない優しい世界を目指したい」
「あんた見た目だけじゃなくて中身まで英雄様なのかい?」
「そのために君たちとは共犯者になりたい。平和のためになら悪事も飲み込む。君たちが欲しがるお宝ではないけれど、夢がある話だとはおもわないかい?」
「なるほどねぇ。英雄様かと思えば、きれいな見た目に反して、意外と悪党の素質があるじゃないか? 海賊と共犯、正気かい? 騎士様。あんた名前は?」
「アダム・クランプトン。 僕のその夢の実現のためには」
アダムは、目の前のアルヴィダの手をとり目を見つめる。
「貴方が欲しい!!!!」
アダムは自分の精一杯の誠意としてその言葉を告げる。直接的でわかりやすい言葉がそれだと迷いはなかった。
「ええええええええええええ????!??」
「ひゅー! 姐さんに春がきたぞーーーー」
その真意はずいぶんと周囲に婉曲して伝わったようだ。アルヴィダは少女のように顔を真赤にしている。
「口でだめなら体(こぶし)で示すこともできるよ」
当の本人はその言葉の重さに全く気づいていない。ルシアスはあーあという顔で見つめている。
「まった、わかった、まった待った。ほんとまじ、待って。わかった。あんたのいいたいことわかった。うけとるから、免許うけとるから」
「えー」
カスカと柊はアルヴィダと戦いたかった。故にその素直な言葉には不満がある。
「わかったわかった、あんたらも戦いたいなら日をあらためて挑んできな、今日はもうだめだから。お願い、ほんとまって」
アルヴィダはもう対応も口調もグダグダになってきている。
「姐さんこうみえて、初だからなー、ありゃあ対応できねえわ。」
海賊たちがうんうんと頷く。
「うるさいね!! 黙ってな! バカー!」
「あのさ、キャプテン殿よ。スカンディナといったか。貴様子どもがほしいならその立派な万能型ボインボインを利用してガキ位自分でこさえろよって言おうと思ったんだが、貴様……さては、処女だな?」
「――ッ!!」
「処女ってなにー?」
子どもたちが大人たちに尋ねる。シアは両手で顔を隠して赤くなっている。少女には少々刺激的な話題だ。
「と、とととととにかく! お前ら帰れーーーーーーーー!!!!!」
アルヴィダの叫びはこのイ・ラプセルの近海に響き渡った。
やっぱり会って話さないとわからないことはあるもんだなあ。海賊だからといって偏見はすてるべきだな。
マイペースにルシアスは思う。
「まあこれで一件落着、かしらね」
きゐこは両の手を叩いてお決まりの言葉で締めた。
●
ヴィスマルクの奴隷商船の船長及び船員の処遇は、取り調べも含め通商連預かりとなる。
「通商連に引き渡されるが、希望は無いなんて言わない。がんばれよ兄弟」
連れて行かれる船長たちに対してすれ違いざまにウェルスが告げた。カシミロ様が彼等をどうするかは、想像すればわかる。世はこともなし。何もなかったことなるのだろう。
通商連では表向きは奴隷は取り扱っていないのであるのだから。
●
アリアはアルヴィダが落ち着いた頃に、彼女がどこの国のオラクルであるか、他国の権能を知っているのかと聞いてみた。
「オラクルってのは無色のもいるんだよ。国に属さないオラクルっていうのはそれなりにいるもんだよ。まあ、そういうわけでアタシら無色のオラクルは国に入れてもらえない。まあ海がアタシらの故郷だからどうでもいいんだけどね。 国に属さないといえば、通商連のオラクルもそうだろ? ある一定の商業エリア以外には入れてもらえないはずさ」
「なあ、あのオレにくらわした三連の、あれなんだ?」
柊は食らった腹をさすりながら問いかける。
「さあて、アンタらもアタシの練度に追いつけば自然にわかるはずだよ」
べぇ、とアルヴィダは舌を出してはぐらかすのだった。
†シナリオ結果†
成功
†詳細†
†あとがき†
海賊アルヴィダとの邂逅お疲れさまでした。
奴隷商戦への制圧については少々危ういところもありましたが
おおむね問題ありませんでしたので成功の判定です。
なんとも個性的な説得(物理)ありがとうございました。
アルヴィダの性格を見抜いていただいてますので、戦闘に関しても
基本的に海賊は好意的に受け取っています。
PBWの性質上交渉はとてもむつかしいものですが、見事クリアです。
アルヴィダたちはイ・ラプセルの騎士たちに好意的です。
その気になればいつでも戦闘については相手をしてくれるようです。
MVPは衝撃的な一言をアルヴィダにぶつけたアダム君に。
誤解しないでよね!!!
奴隷商戦への制圧については少々危ういところもありましたが
おおむね問題ありませんでしたので成功の判定です。
なんとも個性的な説得(物理)ありがとうございました。
アルヴィダの性格を見抜いていただいてますので、戦闘に関しても
基本的に海賊は好意的に受け取っています。
PBWの性質上交渉はとてもむつかしいものですが、見事クリアです。
アルヴィダたちはイ・ラプセルの騎士たちに好意的です。
その気になればいつでも戦闘については相手をしてくれるようです。
MVPは衝撃的な一言をアルヴィダにぶつけたアダム君に。
誤解しないでよね!!!
FL送付済