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ほっぴんろーりんえくすぷろーじょん

●
「爆発するんだよ」
『元気印』クラウディア・フォン・プラテス(nCL3000004)が形の良い眉を寄せてそういう。
「うん、爆発するんだ」
発端はごくごく些細なことであった。
フリーエンジン代表ニコラ・ウィンゲートが発明した『跳躍型蒸気式回転爆弾(ホッピング・パンジャンドラム)』を、もしかしてこれ海に流して海流にのせて上陸させたらなんかいい感じにファルストについて爆発するんじゃね? なんてかんがえちゃってしまったバカがいたのだ。
まあその作戦は良いとしよう。
潮の流れを計算するのを忘れたまま流した結果その『跳躍型蒸気式回転爆弾(ホッピング・パンジャンドラム)』とかいう凶器――狂気かもしれない――は運の悪いことにグレイタスの浜辺に流れ着くと水鏡が予想しちゃったのだ。してしまっちゃったのだ。
「だから、えっとなんとかしてほしいの!」
海岸沿いにはそれほど家屋があるわけではないが、人気がないとはいえない。
もしこのアホな兵器でけが人がでたらどんな顔をしていいのかわからない。故に自由騎士たちに『跳躍型蒸気式回転爆弾(ホッピング・パンジャンドラム)』の駆除の依頼が舞い込んだのだ。
「すっごくはねるし爆発するんだよ!」
クラウディアは念押しのように爆発をことさら強調する。
「ほんとに爆発するからね!」
「爆発するんだよ」
『元気印』クラウディア・フォン・プラテス(nCL3000004)が形の良い眉を寄せてそういう。
「うん、爆発するんだ」
発端はごくごく些細なことであった。
フリーエンジン代表ニコラ・ウィンゲートが発明した『跳躍型蒸気式回転爆弾(ホッピング・パンジャンドラム)』を、もしかしてこれ海に流して海流にのせて上陸させたらなんかいい感じにファルストについて爆発するんじゃね? なんてかんがえちゃってしまったバカがいたのだ。
まあその作戦は良いとしよう。
潮の流れを計算するのを忘れたまま流した結果その『跳躍型蒸気式回転爆弾(ホッピング・パンジャンドラム)』とかいう凶器――狂気かもしれない――は運の悪いことにグレイタスの浜辺に流れ着くと水鏡が予想しちゃったのだ。してしまっちゃったのだ。
「だから、えっとなんとかしてほしいの!」
海岸沿いにはそれほど家屋があるわけではないが、人気がないとはいえない。
もしこのアホな兵器でけが人がでたらどんな顔をしていいのかわからない。故に自由騎士たちに『跳躍型蒸気式回転爆弾(ホッピング・パンジャンドラム)』の駆除の依頼が舞い込んだのだ。
「すっごくはねるし爆発するんだよ!」
クラウディアは念押しのように爆発をことさら強調する。
「ほんとに爆発するからね!」
†シナリオ詳細†
■成功条件
1.『跳躍型蒸気式回転爆弾』10基の駆除
2.できるかぎり被害をおさえる
2.できるかぎり被害をおさえる
ねこてんぢです。
なんかこれしっくりきますね。
フリーエンジンのアホのコことニコラ・ウィンゲート氏の発明品(笑)が流出しました。
多分軽い気持ちで流された『跳躍型蒸気式回転爆弾(ホッピング・パンジャンドラム)』は何の因果かヘルメリア領ではなくイ・ラプセル領に届いてしまいました。
潮の流れがなんかいたずらしたんでしょう。
というわけで、流されてきたパンジャンドラム君10基を水際で止めてください。
破壊したら爆発して、多少のダメージが入ります。
爆発する場所によってはいろんなものを破壊してしまいますので、ご注意を。
・『跳躍型蒸気式回転爆弾(ホッピング・パンジャンドラム)』×10
跳ねます、回ります、蒸気を出します、体当たりします、爆発します。
海上を滑りながら移動します。たまに跳ねます。軌道に法則性はありません。自由です。
蒸気を噴出されたらBSバーン2だったりします。
爆発したらダメージは入ります。壊したら爆発します。二度言いました。
ニコラ氏の発明品は爆発するのです。何しても。
ブロックしていないと基本的に浜辺に向かう性質があります。最終防衛ラインなどは作っておくのが懸命です。
・ロケーション
海の向こうから跳ねながらまっすぐにグレイタスの浜辺に向かっていきます。
海上で爆発させればそのあたりを泳いでる魚がびっくりするくらいで被害は抑えられますが戦いにくいということは避けれません(回避、命中にマイナス補正がつきます)。
小舟は貸出されますので、泳げない方はどうぞ。接触されると小舟ごと爆発します。
浅瀬で爆発すると浜辺の景観が損なわれます。具体的には桟橋が壊れたりそのへんに浮かんでるわかめなど海藻が死滅したり魚が寄り付かなくなります。
が、砂浜から遠距離攻撃とかはできます。
砂浜で爆発すると民間人の用意している海の家的な建物が気持ちよく壊れます。
え、パンジャンドラムって砂浜に到達したらコケるんじゃね? とお思いかもしれませんが跳ねるのでコケません。厄介だな。
砂浜に大穴が空いたりすると、迷惑がかかりますが普通に戦いやすいです。
砂浜で足をとられるという判定は今回はありません。
できる限り被害を小さくしてください。
被害額があまりにも大きすぎれば失敗になりかねません。
具体的には海の家的なのが3つ破壊されたら失敗です。浜辺には7つくらいの海の家的なものが
人払いはしてありますので、ご安心を。
夏場は海水浴場となるようです。終わった後遊んでもかまいませんがお片付けは忘れずに。
同行にアーウィンとムサシマルがいます。
アーウィンは指示に従います。
ムサシマルは浜辺で砂の城をめちゃくちゃ真面目に作っています。
(いわれたら最終防衛網の守りくらいはしますが特になければ芸術的な砂の城を作っています。壊しても構いません。壊されると普通に泣きます。)
指示は【アーウィン】【ムサシマル】とタグのかかれた最新の発言を参照します。
今回はコミカルな依頼ですので爆発に巻き込まれても重症などは負いませんがあえて負いたい人はEXなりなんなりで言ってください。
それではよろしくおねがいします。
なんかこれしっくりきますね。
フリーエンジンのアホのコことニコラ・ウィンゲート氏の発明品(笑)が流出しました。
多分軽い気持ちで流された『跳躍型蒸気式回転爆弾(ホッピング・パンジャンドラム)』は何の因果かヘルメリア領ではなくイ・ラプセル領に届いてしまいました。
潮の流れがなんかいたずらしたんでしょう。
というわけで、流されてきたパンジャンドラム君10基を水際で止めてください。
破壊したら爆発して、多少のダメージが入ります。
爆発する場所によってはいろんなものを破壊してしまいますので、ご注意を。
・『跳躍型蒸気式回転爆弾(ホッピング・パンジャンドラム)』×10
跳ねます、回ります、蒸気を出します、体当たりします、爆発します。
海上を滑りながら移動します。たまに跳ねます。軌道に法則性はありません。自由です。
蒸気を噴出されたらBSバーン2だったりします。
爆発したらダメージは入ります。壊したら爆発します。二度言いました。
ニコラ氏の発明品は爆発するのです。何しても。
ブロックしていないと基本的に浜辺に向かう性質があります。最終防衛ラインなどは作っておくのが懸命です。
・ロケーション
海の向こうから跳ねながらまっすぐにグレイタスの浜辺に向かっていきます。
海上で爆発させればそのあたりを泳いでる魚がびっくりするくらいで被害は抑えられますが戦いにくいということは避けれません(回避、命中にマイナス補正がつきます)。
小舟は貸出されますので、泳げない方はどうぞ。接触されると小舟ごと爆発します。
浅瀬で爆発すると浜辺の景観が損なわれます。具体的には桟橋が壊れたりそのへんに浮かんでるわかめなど海藻が死滅したり魚が寄り付かなくなります。
が、砂浜から遠距離攻撃とかはできます。
砂浜で爆発すると民間人の用意している海の家的な建物が気持ちよく壊れます。
え、パンジャンドラムって砂浜に到達したらコケるんじゃね? とお思いかもしれませんが跳ねるのでコケません。厄介だな。
砂浜に大穴が空いたりすると、迷惑がかかりますが普通に戦いやすいです。
砂浜で足をとられるという判定は今回はありません。
できる限り被害を小さくしてください。
被害額があまりにも大きすぎれば失敗になりかねません。
具体的には海の家的なのが3つ破壊されたら失敗です。浜辺には7つくらいの海の家的なものが
人払いはしてありますので、ご安心を。
夏場は海水浴場となるようです。終わった後遊んでもかまいませんがお片付けは忘れずに。
同行にアーウィンとムサシマルがいます。
アーウィンは指示に従います。
ムサシマルは浜辺で砂の城をめちゃくちゃ真面目に作っています。
(いわれたら最終防衛網の守りくらいはしますが特になければ芸術的な砂の城を作っています。壊しても構いません。壊されると普通に泣きます。)
指示は【アーウィン】【ムサシマル】とタグのかかれた最新の発言を参照します。
今回はコミカルな依頼ですので爆発に巻き込まれても重症などは負いませんがあえて負いたい人はEXなりなんなりで言ってください。
それではよろしくおねがいします。
状態
完了
完了
報酬マテリア
6個
2個
2個
2個




参加費
100LP [予約時+50LP]
100LP [予約時+50LP]
相談日数
6日
6日
参加人数
6/6
6/6
公開日
2019年07月11日
2019年07月11日
†メイン参加者 6人†
●爆発するのである。
彼ら自由騎士は斯くして、フリーエンジン代表ニコラ・ウィンゲートの後始末、もとい発明品の対処に向かうことになった。
「とにかく数をへらさないとな」
『薔薇色の髪の騎士』グローリア・アンヘル(CL3000214)は水平線をみやり、つぶやく。
敵――跳躍型蒸気式回転爆弾(ホッピング・パンジャンドラム)の数は10基。対する自由騎士たちは6人なのだ。
「爆弾なんだから爆発するのは当然だと思うけど」
爆発させずに止める方法は多分ないだろう。それならせめてなにかのたしにできればいいとマリア・ベル(CL3000145)は思う。
「うむ、数を減らして、砂浜にはむかわせない。くーが盾になるのじゃ」
『アイギスの乙女』フィオレット・クーラ・スクード(CL3000559)は両手をにぎり、うむ! と気力を貯める。
「せっかくの少し早い海、堪能したいところだね」
『紅の傀儡師』マグノリア・ホワイト(CL3000242)は近隣の漁師から浮環(ぶい)を買い付けようとしたが何かを止めるためには役に立たないだろうといわれ諦める。
そのかわりに仕入れたスイカをぽんぽんと叩き砂浜に置く。
「おお、おおきなスイカでござるな」
両手で砂の城を建造中のムサシマル・ハセ倉(nCL3000011) が嬉しそうに言う。
「うむ、ここは最終防衛ラインである。
故にムサシマル殿、このスイカと我らが砂の城、確りと防衛するのじゃよ」
『イ・ラプセル自由騎士団』シノピリカ・ゼッペロン(CL3000201)がそう厳命すれば泥だらけの手をあげたムサシマルが応、と答える。
「この間ヘルメリアの兵器を目撃したばかりではあるが……彼の国には奇妙な物体も存在するのだな。確かに敵陣に突撃させるのであればなかなかの驚異に……なるの……か?」
『静かなる天眼』リュリュ・ロジェ(CL3000117)は思考の迷路に迷い込む。
「ふむ、面妖なる兵器! これこそヘルメリア名物か!」
だいたいほとんどニコラ氏の所為でヘルメリアの兵器事情のイメージが悪い方向に向かっているがかの女史は大笑いしてごまかすにちがいないだろう。たぶん。
さてはて出陣である。
彼らの作戦は海上での迎撃だ。
マリアとシノピリカは小舟をチャーターし、フィオレットは水中からのアプローチ。
マグノリアとグローリア、アーウィン・エピ(nCL3000022) はハイバランサー急を利用しての海上移動、リュリュは低空飛行で向かう。
「あっちの方から蒸気の音が聞こえる」
鋭聴力で蒸気の噴出する音を聞いたアーウィンが皆に声をかける。来る方角がわかっているのであれば迎撃は容易だ。
「こっちも目視で発見」
マリアもリュンケウスの瞳で跳躍型蒸気式回転爆弾(ホッピング・パンジャンドラム)を発見し声をかける。
彼らは各々強化を自らに施し、準備する。
しゅごー、しゅごー。
蒸気の音を立てながら海面を跳躍型蒸気式回転爆弾(ホッピング・パンジャンドラム)が跳ねてくる。
「ぱんころー」
誰かがそんな感嘆符を発した。
前衛はグローリアとシノピリカ、フィオレットとアーウィン、後衛にマリアとマグノリア、リュリュという布陣だ。
「それではみな、いくぞ! 右眼の威力、みるがよい! マルチロック! ふぁいやー!」
シノピリカの号砲がわりのAbsolute・zeroが戦闘の合図となる。
足場の妙で精度は良いとは言えないが、すべての跳躍型蒸気式回転爆弾(以下ぱんころ)をシノピリカの段幕が包み込んだ。
「はっ!」
その合図にあわせグローリアが海面を滑るように移動しながらブレイクゲイトを放つ。
「蒸気の噴出孔は120度ごとに3つ、回転軸中央に動力があるよ」
マリアのゴーグルの下の目が輝く。その「瞳」で観測した事項を手短に仲間に告げれば、彼らは頷く。
「了解」
「了解」
マグノリアとリュリュは異口同音にそう叫ぶと各々の武器をふるい、魔導力でできた蜂矢をぱんころに炸裂させた。
滑り出しは快調だ。
ぱんころに意思はない。ただ愚直に浜を目指し跳ね回るだけの凶器……いや兵器なのである。
故に行動パターンを読むことは彼らにとってそれほど難しいことではない。
「あちーーーーー!」
「ああっ、当たらない! もう、近接するしかないか」
「おい! アーウィンが爆破したぞ!」
「こっちにきたのは私がとめるから、船よりは低空飛行のほうが動きやすいかな」
「これは海洋汚染ではない、海洋汚染ではない」
「爆破なのじゃー」
「む、後衛に跳ねてくるなんて……! アローレイン!」
「この、この! バレッジふぁいやー! 景気よく撃ちまくるぞ!」
爆発音と自由騎士たちの叫び声。
なんとも騒がしいが、彼らは決して浜にぱんころが侵入することを許さない。
シノピリカの範囲攻撃をすればマリアとマグノリアとグローリアが連携し的確に弱っている個体を撃ち抜き、フィオレットとアーウィンがトドメをさし、爆破する。
海上は確かに戦いにくくはあったが彼らの連携の前にはそれほどの驚異にもならない。
「残り5体!! リュリュ殿! そろそろ魔導力が尽きそうじゃ!」
「リュリュと呼ぶな! ファミリーネームで呼べ!」
シノピリカの要請にリュリュは文句をつけながらもアンチトキシスを彼女に施す。
「おう、さすがじゃの、ロジェ殿」
「うん、それでいい」
「アーウィンダメージは……けっこう溜まっているか」
最前線でとどめ役を任されてしまう状況では爆破に巻き込まれるのも仕方ないとはいえグローリアは少しだけ気の毒に思う。だから彼女は攻撃を遠距離から近距離に切り替える。
「おい、無茶すんなよ」
「いや、無茶はしない。お前こそ下がっていいぞ」
「んなこと女にいわれて下がれるかっつの」
「女……わ、わたしは私は……! 騎士だっ!」
おんな、といわれてなんだかグローリアは妙に恥ずかしさを感じた。それが何なのかはわからない。わからないから、やけくそ気味に、なかば八つ当たり気味にヒートアクセルをぱんころに向ける。
爆発した。すすで真っ黒になるがしかたない。アーウィンが心配そうにみてるのがちょっとみえた。そんな風にみるな! わけがわからなくなる!
「次はどこだ!」
「こら! グローリア! 無茶をするな! 回復するほうの身にもなれ!」
次をもとめるグローリアにすっかり文句役がみについたリュリュが叫ぶ。
「ふふ、私もまけてられないね。跳ねて飛んで、見てる分にはちょっとかわいいんだろうけど――正しく運用できてないのは好きじゃない。
みんなの遊び場を壊すなら、排除、だね」
宙見の射手はその標的を見据える。引き金を引く。
タァン、タァンと銃声ふたつ。
結果を観るまでもない。それはすでに命中しているのだ。
ドォンと距離をおいて爆破したぱんころが大きな波をたて跳ねる。
「あいた」
マリアの頭に大きなビスがひとつ命中した。せめてものぱんころの一矢かと思うとすこし面白くて、そのビスをポケットのなかにマリアはしまいこんだ。
「マリア大丈夫かい?」
マグノリアはパナケアをマリアに施しながら尋ねる。
「うん、大丈夫。あとのこりは――」
「2つだ! みんなダメージは行けるな?」
「「「「応!!」」」
リュリュが皆に尋ねれば、元気な返事が帰ってくる。ダメージが無いわけではないが、危険域まで体力が落ち込んでいるものは居ない。ならば、とリュリュは最終攻撃の音頭をとる。
「なら、派手にいこう!」
「アクアディーネ様、ばんざーーーい!!!!」
体当たりという最終手段にでたのはシノピリカ。
「こ、こら! そういう無茶をしろといったわけじゃ……!!」
10基のぱんころは危なげもなく彼ら自由騎士たちに処理された。
すすで真っ黒にはなっているものの重傷者はいない。
それもリュリュとマグノリアの的確な回復があったおかげだろう。
「城の建設状況はどの程度かの?」
最後の爆発の影響で真っ黒になって髪型もふわっふわアフロになったシノピリカが尋ねる。
「おおう、シノピリカ殿、イメチェンでござるか?」
「にあうかの? よし、アーウィン殿、建設のための砂を用意するぞ! スコップはもったか? 掘るぞ!」
「ちょ、シノピリカ、休憩は?!」
「そんなモノより我がイ・ラプセルの砦をこの砂浜に建設するほうが重要じゃ!」
「僕も手伝っていいかな? できたらスイカ、割りだったかな? アマノホカリの遊びをおしえてほしいよ、ムサシマル」
「おう、両方大歓迎でござる!」
そんな彼らをリュリュは横目でチラチラとみている。
「お、リュリュ殿もきになるでござるか? 拙者のすぺしゃる風雲いらぷせる城」
「そんな名前だったのか?! いや、別にそんな気にはならないし」
「本当にござるかぁ???? でもまだ拙者のゲイジュツには手伝いがもうひとり必要でござるけれどどこかにいないかなーーーーーーーーマリア殿とか!」
そんな思わせぶりなセリフを言ったにもかかわらずすかされてリュリュは軽くずっこける。
「ふふ、私は真っ黒になっちゃったから。すすを落とすついでに泳いでくるよ」
言ってマリアは上着を脱いで少し早い水着姿を披露する。
ついでにぱんころの部品も少し回収しにいきたい。
「だから、私のかわりにロジェが手伝ってくれるんじゃないかな?」
そういってリュリュの背中をマリアがおせば、リュリュはしかたないなと腕をまくる。実はリュリュは最初から砂の城が気になって仕方なかったのだ。
「マリア殿、出来上がったらスイカ割りするから、そんときには帰ってくるんでござるよ」
「うん、OK」
答えたマリアは海に向かっていった。
「アーウィン、あっちの海の家のひとが少しだけ早めに営業をしてくれるといった。
何かみんなの食べ物を買ってくるのだが手伝ってほしい」
グローリアの誘いの言葉にシノピリカはぐふふと笑い始める。
「あー、そうじゃのう、よく考えればワシだけで砂は掘り起こせる。グローリア殿を手伝ってやってはくれんかの、アーウィン殿」
「なんだよ、あっちこっち、まあいいけど。確かに腹はへってるもんな。
いくぞ、グローリア」
言ってアーウィンはグローリアの手を引いていく。
「青春じゃのう」
「青春だね」
そんな二人をシノピリカとマグノリアが見送る。
リュリュはすでに真剣に城づくりを手伝い始めている。
やがて砂の城は完成する。
立派に完成したその砂の城にイ・ラプセルの旗を立てる。
「「「「完成~~~!」」」」
マグノリアはその勇姿を蒸気カメラに収める。
きっと素敵な思い出になるだろう。
海の家から購入した食事が彼らのもとに届く。
海からはマリアとフィオレットが帰ってきた。
「スイカ割りはじめるの?」
マリアがフィオレットにも手伝ってもらい回収したぱんころの部品を手遊びながら尋ねる。
「うむ、まずはマグノリア殿がスイカ割り役でござる」
「目隠しをするのかい?」
目隠しされて棒をもたされたマグノリアは不安げに尋ねる。
「その場でくるくる回るでござる~~~」
「ええっ、こうするのかい?」
くるくるくる。なんだか方向がわからなくなる感覚はすこしいやだ。
「グローリアはスイカ割りやんないのか?」
「いや……私がやるとスイカが破裂してしまいそうで」
「確かに爆発するかもだな! さっきみたいに……いてっ」
アーウィンのからかいにグローリアは彼のお尻をつねる。
「ぐふふ」
その姿を楽しげにみつめるのはシノピリカ。
「では! スイカ割りでござる~~~!」
「こっちでいいのかい?」
「いや、もっと右だ、マグノリア」
「いやいや、りゅりゅ殿意地悪でござるな! 左でござる」
「名前で呼ぶな!! ムサシマルは嘘をついてる! どっちを信じるんだ? マグノリア」
そんな風にいわれてマグノリアは困惑してふらふらあっちこっちに棒をかまえたまま歩く。
「マグノリア、そっちじゃないよ、そうあと30度右に方向転換」
タオルで髪を拭きながらマリアも参戦する。
結果。
不格好だけれども見事に割れたスイカにマグノリアは微笑むことになるのだった。
もちろんスイカはみんなで美味しく食べました。
彼ら自由騎士は斯くして、フリーエンジン代表ニコラ・ウィンゲートの後始末、もとい発明品の対処に向かうことになった。
「とにかく数をへらさないとな」
『薔薇色の髪の騎士』グローリア・アンヘル(CL3000214)は水平線をみやり、つぶやく。
敵――跳躍型蒸気式回転爆弾(ホッピング・パンジャンドラム)の数は10基。対する自由騎士たちは6人なのだ。
「爆弾なんだから爆発するのは当然だと思うけど」
爆発させずに止める方法は多分ないだろう。それならせめてなにかのたしにできればいいとマリア・ベル(CL3000145)は思う。
「うむ、数を減らして、砂浜にはむかわせない。くーが盾になるのじゃ」
『アイギスの乙女』フィオレット・クーラ・スクード(CL3000559)は両手をにぎり、うむ! と気力を貯める。
「せっかくの少し早い海、堪能したいところだね」
『紅の傀儡師』マグノリア・ホワイト(CL3000242)は近隣の漁師から浮環(ぶい)を買い付けようとしたが何かを止めるためには役に立たないだろうといわれ諦める。
そのかわりに仕入れたスイカをぽんぽんと叩き砂浜に置く。
「おお、おおきなスイカでござるな」
両手で砂の城を建造中のムサシマル・ハセ倉(nCL3000011) が嬉しそうに言う。
「うむ、ここは最終防衛ラインである。
故にムサシマル殿、このスイカと我らが砂の城、確りと防衛するのじゃよ」
『イ・ラプセル自由騎士団』シノピリカ・ゼッペロン(CL3000201)がそう厳命すれば泥だらけの手をあげたムサシマルが応、と答える。
「この間ヘルメリアの兵器を目撃したばかりではあるが……彼の国には奇妙な物体も存在するのだな。確かに敵陣に突撃させるのであればなかなかの驚異に……なるの……か?」
『静かなる天眼』リュリュ・ロジェ(CL3000117)は思考の迷路に迷い込む。
「ふむ、面妖なる兵器! これこそヘルメリア名物か!」
だいたいほとんどニコラ氏の所為でヘルメリアの兵器事情のイメージが悪い方向に向かっているがかの女史は大笑いしてごまかすにちがいないだろう。たぶん。
さてはて出陣である。
彼らの作戦は海上での迎撃だ。
マリアとシノピリカは小舟をチャーターし、フィオレットは水中からのアプローチ。
マグノリアとグローリア、アーウィン・エピ(nCL3000022) はハイバランサー急を利用しての海上移動、リュリュは低空飛行で向かう。
「あっちの方から蒸気の音が聞こえる」
鋭聴力で蒸気の噴出する音を聞いたアーウィンが皆に声をかける。来る方角がわかっているのであれば迎撃は容易だ。
「こっちも目視で発見」
マリアもリュンケウスの瞳で跳躍型蒸気式回転爆弾(ホッピング・パンジャンドラム)を発見し声をかける。
彼らは各々強化を自らに施し、準備する。
しゅごー、しゅごー。
蒸気の音を立てながら海面を跳躍型蒸気式回転爆弾(ホッピング・パンジャンドラム)が跳ねてくる。
「ぱんころー」
誰かがそんな感嘆符を発した。
前衛はグローリアとシノピリカ、フィオレットとアーウィン、後衛にマリアとマグノリア、リュリュという布陣だ。
「それではみな、いくぞ! 右眼の威力、みるがよい! マルチロック! ふぁいやー!」
シノピリカの号砲がわりのAbsolute・zeroが戦闘の合図となる。
足場の妙で精度は良いとは言えないが、すべての跳躍型蒸気式回転爆弾(以下ぱんころ)をシノピリカの段幕が包み込んだ。
「はっ!」
その合図にあわせグローリアが海面を滑るように移動しながらブレイクゲイトを放つ。
「蒸気の噴出孔は120度ごとに3つ、回転軸中央に動力があるよ」
マリアのゴーグルの下の目が輝く。その「瞳」で観測した事項を手短に仲間に告げれば、彼らは頷く。
「了解」
「了解」
マグノリアとリュリュは異口同音にそう叫ぶと各々の武器をふるい、魔導力でできた蜂矢をぱんころに炸裂させた。
滑り出しは快調だ。
ぱんころに意思はない。ただ愚直に浜を目指し跳ね回るだけの凶器……いや兵器なのである。
故に行動パターンを読むことは彼らにとってそれほど難しいことではない。
「あちーーーーー!」
「ああっ、当たらない! もう、近接するしかないか」
「おい! アーウィンが爆破したぞ!」
「こっちにきたのは私がとめるから、船よりは低空飛行のほうが動きやすいかな」
「これは海洋汚染ではない、海洋汚染ではない」
「爆破なのじゃー」
「む、後衛に跳ねてくるなんて……! アローレイン!」
「この、この! バレッジふぁいやー! 景気よく撃ちまくるぞ!」
爆発音と自由騎士たちの叫び声。
なんとも騒がしいが、彼らは決して浜にぱんころが侵入することを許さない。
シノピリカの範囲攻撃をすればマリアとマグノリアとグローリアが連携し的確に弱っている個体を撃ち抜き、フィオレットとアーウィンがトドメをさし、爆破する。
海上は確かに戦いにくくはあったが彼らの連携の前にはそれほどの驚異にもならない。
「残り5体!! リュリュ殿! そろそろ魔導力が尽きそうじゃ!」
「リュリュと呼ぶな! ファミリーネームで呼べ!」
シノピリカの要請にリュリュは文句をつけながらもアンチトキシスを彼女に施す。
「おう、さすがじゃの、ロジェ殿」
「うん、それでいい」
「アーウィンダメージは……けっこう溜まっているか」
最前線でとどめ役を任されてしまう状況では爆破に巻き込まれるのも仕方ないとはいえグローリアは少しだけ気の毒に思う。だから彼女は攻撃を遠距離から近距離に切り替える。
「おい、無茶すんなよ」
「いや、無茶はしない。お前こそ下がっていいぞ」
「んなこと女にいわれて下がれるかっつの」
「女……わ、わたしは私は……! 騎士だっ!」
おんな、といわれてなんだかグローリアは妙に恥ずかしさを感じた。それが何なのかはわからない。わからないから、やけくそ気味に、なかば八つ当たり気味にヒートアクセルをぱんころに向ける。
爆発した。すすで真っ黒になるがしかたない。アーウィンが心配そうにみてるのがちょっとみえた。そんな風にみるな! わけがわからなくなる!
「次はどこだ!」
「こら! グローリア! 無茶をするな! 回復するほうの身にもなれ!」
次をもとめるグローリアにすっかり文句役がみについたリュリュが叫ぶ。
「ふふ、私もまけてられないね。跳ねて飛んで、見てる分にはちょっとかわいいんだろうけど――正しく運用できてないのは好きじゃない。
みんなの遊び場を壊すなら、排除、だね」
宙見の射手はその標的を見据える。引き金を引く。
タァン、タァンと銃声ふたつ。
結果を観るまでもない。それはすでに命中しているのだ。
ドォンと距離をおいて爆破したぱんころが大きな波をたて跳ねる。
「あいた」
マリアの頭に大きなビスがひとつ命中した。せめてものぱんころの一矢かと思うとすこし面白くて、そのビスをポケットのなかにマリアはしまいこんだ。
「マリア大丈夫かい?」
マグノリアはパナケアをマリアに施しながら尋ねる。
「うん、大丈夫。あとのこりは――」
「2つだ! みんなダメージは行けるな?」
「「「「応!!」」」
リュリュが皆に尋ねれば、元気な返事が帰ってくる。ダメージが無いわけではないが、危険域まで体力が落ち込んでいるものは居ない。ならば、とリュリュは最終攻撃の音頭をとる。
「なら、派手にいこう!」
「アクアディーネ様、ばんざーーーい!!!!」
体当たりという最終手段にでたのはシノピリカ。
「こ、こら! そういう無茶をしろといったわけじゃ……!!」
10基のぱんころは危なげもなく彼ら自由騎士たちに処理された。
すすで真っ黒にはなっているものの重傷者はいない。
それもリュリュとマグノリアの的確な回復があったおかげだろう。
「城の建設状況はどの程度かの?」
最後の爆発の影響で真っ黒になって髪型もふわっふわアフロになったシノピリカが尋ねる。
「おおう、シノピリカ殿、イメチェンでござるか?」
「にあうかの? よし、アーウィン殿、建設のための砂を用意するぞ! スコップはもったか? 掘るぞ!」
「ちょ、シノピリカ、休憩は?!」
「そんなモノより我がイ・ラプセルの砦をこの砂浜に建設するほうが重要じゃ!」
「僕も手伝っていいかな? できたらスイカ、割りだったかな? アマノホカリの遊びをおしえてほしいよ、ムサシマル」
「おう、両方大歓迎でござる!」
そんな彼らをリュリュは横目でチラチラとみている。
「お、リュリュ殿もきになるでござるか? 拙者のすぺしゃる風雲いらぷせる城」
「そんな名前だったのか?! いや、別にそんな気にはならないし」
「本当にござるかぁ???? でもまだ拙者のゲイジュツには手伝いがもうひとり必要でござるけれどどこかにいないかなーーーーーーーーマリア殿とか!」
そんな思わせぶりなセリフを言ったにもかかわらずすかされてリュリュは軽くずっこける。
「ふふ、私は真っ黒になっちゃったから。すすを落とすついでに泳いでくるよ」
言ってマリアは上着を脱いで少し早い水着姿を披露する。
ついでにぱんころの部品も少し回収しにいきたい。
「だから、私のかわりにロジェが手伝ってくれるんじゃないかな?」
そういってリュリュの背中をマリアがおせば、リュリュはしかたないなと腕をまくる。実はリュリュは最初から砂の城が気になって仕方なかったのだ。
「マリア殿、出来上がったらスイカ割りするから、そんときには帰ってくるんでござるよ」
「うん、OK」
答えたマリアは海に向かっていった。
「アーウィン、あっちの海の家のひとが少しだけ早めに営業をしてくれるといった。
何かみんなの食べ物を買ってくるのだが手伝ってほしい」
グローリアの誘いの言葉にシノピリカはぐふふと笑い始める。
「あー、そうじゃのう、よく考えればワシだけで砂は掘り起こせる。グローリア殿を手伝ってやってはくれんかの、アーウィン殿」
「なんだよ、あっちこっち、まあいいけど。確かに腹はへってるもんな。
いくぞ、グローリア」
言ってアーウィンはグローリアの手を引いていく。
「青春じゃのう」
「青春だね」
そんな二人をシノピリカとマグノリアが見送る。
リュリュはすでに真剣に城づくりを手伝い始めている。
やがて砂の城は完成する。
立派に完成したその砂の城にイ・ラプセルの旗を立てる。
「「「「完成~~~!」」」」
マグノリアはその勇姿を蒸気カメラに収める。
きっと素敵な思い出になるだろう。
海の家から購入した食事が彼らのもとに届く。
海からはマリアとフィオレットが帰ってきた。
「スイカ割りはじめるの?」
マリアがフィオレットにも手伝ってもらい回収したぱんころの部品を手遊びながら尋ねる。
「うむ、まずはマグノリア殿がスイカ割り役でござる」
「目隠しをするのかい?」
目隠しされて棒をもたされたマグノリアは不安げに尋ねる。
「その場でくるくる回るでござる~~~」
「ええっ、こうするのかい?」
くるくるくる。なんだか方向がわからなくなる感覚はすこしいやだ。
「グローリアはスイカ割りやんないのか?」
「いや……私がやるとスイカが破裂してしまいそうで」
「確かに爆発するかもだな! さっきみたいに……いてっ」
アーウィンのからかいにグローリアは彼のお尻をつねる。
「ぐふふ」
その姿を楽しげにみつめるのはシノピリカ。
「では! スイカ割りでござる~~~!」
「こっちでいいのかい?」
「いや、もっと右だ、マグノリア」
「いやいや、りゅりゅ殿意地悪でござるな! 左でござる」
「名前で呼ぶな!! ムサシマルは嘘をついてる! どっちを信じるんだ? マグノリア」
そんな風にいわれてマグノリアは困惑してふらふらあっちこっちに棒をかまえたまま歩く。
「マグノリア、そっちじゃないよ、そうあと30度右に方向転換」
タオルで髪を拭きながらマリアも参戦する。
結果。
不格好だけれども見事に割れたスイカにマグノリアは微笑むことになるのだった。
もちろんスイカはみんなで美味しく食べました。
†シナリオ結果†
成功
†詳細†
特殊成果
『機械部品』
カテゴリ:アクセサリ
取得者:マリア・ベル(CL3000145)
カテゴリ:アクセサリ
取得者:マリア・ベル(CL3000145)
†あとがき†
夏の爆発いかがだったでしょうか?
楽しんでいただければ幸いです。
さてプレイングですが、マギスチのプレイングは確認→提出の二段階になっています。
プレをかいて確認画面だけを押した状態ではプレイングは送信されることはありません。
その後一番下にある送信を必ずおしてくださいませ!
また、送信後には一度シナリオ参加履歴からプレイング確認をご確認ください。
そこにプレイングが表示されていたら、送信されています。
参加ありがとうございました!
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FL送付済