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《オラトリオ1818》絶対笑ってはいけない自由騎士24時

●
「ええでござるかー! ここはむーさーしろびかりダンジョンでござる」
のっけからもうなんというかアレでしかないムサシマル・ハセ倉の一言ではじまる。
きみたちは『絶対笑ってはいけない自由騎士団24時』とかいうほんとにアレな企画に参加することになった。
誰がいいはじめたのかはわからない。もしかすると美少女だったかもしれない。
「おまえらにはー、このダンジョンで24時間過ごしてもらう。その際どんなことがあっても笑ってはいけないでござうー。これは笑いというぷらすの要素を溜めて、24時間後まとめて笑うことで、笑う門には福来たるてきなそういうあれでござる」
だいぶ説明がアバウトではあるがそういうルールで君たちは名状しがたい企画にまきこまれてしまったのだ。
「わらったらこうなるでござる」
\ででーん、アーウィンダウト!/
あるのかないのかわからない配慮のもと、不吉な判定音(どこから出ているのかは不明)のあと告げられる名前はアーウィン・エピのもの。
「は? なんだよ!? え?」
なにもわからないまま、引きずり出されたアーウィンはお尻を木の棒で殴られて悶絶してしゃがみこんだ。
「というわけでござる。このダンジョンを潜っていけば数々の刺客がおくりこまれる。その刺客に笑わされたら殴られるので、頑張れでござる。
その様子は水鏡に映されて王城前の蒸気スクリーンに映し出されるでござる。技術提供はペンネームあれい☆黒里殿でござる。暇そうなプラロークを2~3人引っ張ってきてひたすら水鏡でダンジョン内の状況をリアルタイム演算してなんかすげー都合のいいアレイスター魔法で写すとかいう、普段は絶対にしちゃいけないっていうそういうあれでござるので、それ今後つかえるんじゃない? ってブレストに突っ込むのはやめるでござるよ!!! まじで!! 普通はできないでござるから!!」
「ええでござるかー! ここはむーさーしろびかりダンジョンでござる」
のっけからもうなんというかアレでしかないムサシマル・ハセ倉の一言ではじまる。
きみたちは『絶対笑ってはいけない自由騎士団24時』とかいうほんとにアレな企画に参加することになった。
誰がいいはじめたのかはわからない。もしかすると美少女だったかもしれない。
「おまえらにはー、このダンジョンで24時間過ごしてもらう。その際どんなことがあっても笑ってはいけないでござうー。これは笑いというぷらすの要素を溜めて、24時間後まとめて笑うことで、笑う門には福来たるてきなそういうあれでござる」
だいぶ説明がアバウトではあるがそういうルールで君たちは名状しがたい企画にまきこまれてしまったのだ。
「わらったらこうなるでござる」
\ででーん、アーウィンダウト!/
あるのかないのかわからない配慮のもと、不吉な判定音(どこから出ているのかは不明)のあと告げられる名前はアーウィン・エピのもの。
「は? なんだよ!? え?」
なにもわからないまま、引きずり出されたアーウィンはお尻を木の棒で殴られて悶絶してしゃがみこんだ。
「というわけでござる。このダンジョンを潜っていけば数々の刺客がおくりこまれる。その刺客に笑わされたら殴られるので、頑張れでござる。
その様子は水鏡に映されて王城前の蒸気スクリーンに映し出されるでござる。技術提供はペンネームあれい☆黒里殿でござる。暇そうなプラロークを2~3人引っ張ってきてひたすら水鏡でダンジョン内の状況をリアルタイム演算してなんかすげー都合のいいアレイスター魔法で写すとかいう、普段は絶対にしちゃいけないっていうそういうあれでござるので、それ今後つかえるんじゃない? ってブレストに突っ込むのはやめるでござるよ!!! まじで!! 普通はできないでござるから!!」
†シナリオ詳細†
■成功条件
1. \ででーん/
ねこてんです。年末のあれです。
配慮できてるのかどうなのか怪しいアレです。
だいぶメタですが、いろいろな設備はこのときだけとおもってください。そういうものです。
自分で世界観チェックの項目に対してOKとすることに相当迷いました。
さてみなさんには、ダンジョンに潜って笑わされる役とででーん役をやってもらいます。
シャンバラにいるみなさんはアレです、仕掛け人としてビデオレター的なマキナ=ギア通信をリアルタイムにやっちゃってください。空気をよまなくてもいいです。
場所:海の近くの洞窟ダンジョンです。(ファジー)
【プレイヤー】
笑うのを頑張る役です。絶対に笑わないのは正直無理という感じでででーんされてください。
運営NPC(ちょころっぷST担当)とねこてんNPCを自由につかっていいので、じぶんならこんなのやられたら笑うというかんじでプレイングをかいてください。
とくにおもいうかばなかったらリアクションをかきなぐってください。
こういうのしてほしいとかそういうのもOKです。
【仕掛け人】
プレイヤーを笑わせるようなプレイングをかいてください。
だれに仕掛けるかはランダムですがプレイヤーと仕掛け人であわせてくれてもかまいません。
【ででーん】
お仕置き人です。どんなふうになぐるのかのプレイングをかいてください。
タイキック的な役割をしてもらってもかまいません。美味しかったらいい感じに使わせてもらいます。
すごくじゆうな感じにてきとうにあそんでみてください。
ダンジョンを利用してもいいです。危ないものはそんなにありません。
使っていい人のお品書き
・クラウディア
・クラウス
・フレデリック
・ヨアヒム
・バーバラ
・佐クラ
・アンセム
・ミズーリ
・ムサシマル
・アーウィン
・クローリー
・カシミロ
・13番
・アルヴィダ
・オーシャンラファールのみなさん
(「イ・ラプセルの洞窟だってぇ? そりゃあいい! お宝げっとだぜぇ!」 と空気を読まずに入ってきたようです。24時のことは特に知りません。ただの不幸なひとたちですがとても磯臭いです。)
●イベントシナリオのルール
・参加料金は50LPです。
・予約期間はありません。参加ボタンを押した時点で参加が確定します。
・獲得リソースは通常依頼難易度普通の1/3です。
・特定の誰かと行動をしたい場合は『クラウス・フォン・プラテス(nCL3000003)』といった風にIDと名前を全て表記するようにして下さい。又、グループでの参加の場合、参加者全員が【グループ名】というタグをプレイングに記載する事で個別のフルネームをIDつきで書く必要がなくなります。
・NPCの場合も同様となりますがIDとフルネームは必要なく、名前のみでOKです。
・イベントシナリオでは参加キャラクター全員の描写が行なわれない可能性があります。
・内容を絞ったほうが良い描写が行われる可能性が高くなります。
・公序良俗にはご配慮ください。
・未成年の飲酒、タバコは禁止です。
配慮できてるのかどうなのか怪しいアレです。
だいぶメタですが、いろいろな設備はこのときだけとおもってください。そういうものです。
自分で世界観チェックの項目に対してOKとすることに相当迷いました。
さてみなさんには、ダンジョンに潜って笑わされる役とででーん役をやってもらいます。
シャンバラにいるみなさんはアレです、仕掛け人としてビデオレター的なマキナ=ギア通信をリアルタイムにやっちゃってください。空気をよまなくてもいいです。
場所:海の近くの洞窟ダンジョンです。(ファジー)
【プレイヤー】
笑うのを頑張る役です。絶対に笑わないのは正直無理という感じでででーんされてください。
運営NPC(ちょころっぷST担当)とねこてんNPCを自由につかっていいので、じぶんならこんなのやられたら笑うというかんじでプレイングをかいてください。
とくにおもいうかばなかったらリアクションをかきなぐってください。
こういうのしてほしいとかそういうのもOKです。
【仕掛け人】
プレイヤーを笑わせるようなプレイングをかいてください。
だれに仕掛けるかはランダムですがプレイヤーと仕掛け人であわせてくれてもかまいません。
【ででーん】
お仕置き人です。どんなふうになぐるのかのプレイングをかいてください。
タイキック的な役割をしてもらってもかまいません。美味しかったらいい感じに使わせてもらいます。
すごくじゆうな感じにてきとうにあそんでみてください。
ダンジョンを利用してもいいです。危ないものはそんなにありません。
使っていい人のお品書き
・クラウディア
・クラウス
・フレデリック
・ヨアヒム
・バーバラ
・佐クラ
・アンセム
・ミズーリ
・ムサシマル
・アーウィン
・クローリー
・カシミロ
・13番
・アルヴィダ
・オーシャンラファールのみなさん
(「イ・ラプセルの洞窟だってぇ? そりゃあいい! お宝げっとだぜぇ!」 と空気を読まずに入ってきたようです。24時のことは特に知りません。ただの不幸なひとたちですがとても磯臭いです。)
●イベントシナリオのルール
・参加料金は50LPです。
・予約期間はありません。参加ボタンを押した時点で参加が確定します。
・獲得リソースは通常依頼難易度普通の1/3です。
・特定の誰かと行動をしたい場合は『クラウス・フォン・プラテス(nCL3000003)』といった風にIDと名前を全て表記するようにして下さい。又、グループでの参加の場合、参加者全員が【グループ名】というタグをプレイングに記載する事で個別のフルネームをIDつきで書く必要がなくなります。
・NPCの場合も同様となりますがIDとフルネームは必要なく、名前のみでOKです。
・イベントシナリオでは参加キャラクター全員の描写が行なわれない可能性があります。
・内容を絞ったほうが良い描写が行われる可能性が高くなります。
・公序良俗にはご配慮ください。
・未成年の飲酒、タバコは禁止です。

状態
完了
完了
報酬マテリア
0個
0個
1個
0個




参加費
50LP
50LP
相談日数
12日
12日
参加人数
23/50
23/50
公開日
2019年01月07日
2019年01月07日
†メイン参加者 23人†

●プレイヤー、オープニングインタビュー
・『ちみっこマーチャント』ナナン・皐月(CL3000240)
「絶対に笑わないのだ! キリリッ!」
・『緋色の拳』エルシー・スカーレット(CL3000368)
「趣旨は理解しているわ。理解はしているけど、たぶん笑うのを我慢するとかできないと思う」
・『挺身の』アダム・クランプトン(CL3000185)
「お祭り大好きな僕だけれどさすがにコレは困惑せざるを得ない。けれど! 受けた以上どんなことが起ころうと絶対に笑わない! だって僕は騎士だから!」
・『スウォンの退魔騎士』ランスロット・カースン(CL3000391)
「笑ってはいけない、それが今回のミッションなのだな。承知した。
俺はこの通り表情が動きにくい。容易い使命だ。(フラグ」
・『実直剛拳』アリスタルフ・ヴィノクロフ(CL3000392)
「くっ……殺せ」
・『イ・ラプセル自由騎士団』アリシア・フォン・フルシャンテ(CL3000227)
「うちはなんやこっちに参加したほうがええって神様からのお告げが……ってアクアディーネ様からはなんも言われてないわ! 誰のお告げやねん!」
・『お菓子とお菓子と甘い物』ヴィンセント・ローズ(CL3000399)
「今回は頑張って笑わないように頑張ってやろうじゃねえか! なんかもう、もはやこの宣言がすでにフリな気がするが!こういう企画も楽しんでいくぜ!」
・『蒼光の癒し手(病弱)』フーリィン・アルカナム(CL3000403)
「なんで軽率に参加してしまったのでしょうか?」
・『新米兵士』ナバル・ジーロン(CL3000441)
「24時間絶対笑ってはいけない……バカバカしいように見えて、なんて過酷な訓練なんだ!」
・『教会の勇者!』サシャ・プニコフ(CL3000122)
「おにく」
・『クマの捜査官』ウェルス ライヒトゥーム(CL3000033)
「どんなにつまらなくても!美女に見つめられたら!!
笑うのが男だろう!!!」
●
「よくきたでござろうもん。きさまらにはむーさーぶーときゃんぷをしてもらう。まずは着替えてもらう。各々のロッカーに服が入ってるからそれにきがえるんや」
ダンジョンの前に人数分のロッカーが並んでいる。いつもの着替えいじりだ、多分全員そう思った。プレイヤー名簿順に呼ばれたプレイヤーが一人ひとりよばれていく。
服装は簡易的な運動がしやすそうな上下。いわゆるメリアス編みをされた上下のトレーニングウェアである。各々のイメージに合わせて色が設定されている。ちなみに別名ジャージー編みともいう。
最後にのこるのはウェルスのロッカールーム。みなわらうまい、と口を強く閉じて耐えようとする。
「うぇるすー、でてくるでござるー」
ぴっちぴちのトレーニングウェアでウェルスが出てくるがサイズ事体は普通である。色も緑でよく似合っている。一人だけ服装が違ってたりおかっぱになると思っていたかも知れないプレイヤーたちに困惑が走る。
「AAAAAAAAAAAAAAAAHHHHHHHHHAAAAAAAA」
突如その場に雄叫びが聞こえた。プレイヤーたちはざわつく。
プレイヤーたちの前に黒髪の軍服(おまわりさん)姿の女性が頭を下げて傅いている。
静かな間――。誰も声を発しない。女性が立ち上がり腰に手をやり、仁王立ちした。そしてゆっくりと顔を上げる――。
「婦 警(FUKEEEEEEEEEEEEE) で す ! ! ! ! ! ! ! !」
『空に舞う黒騎士』ナイトオウル・アラウンド(CL3000395)が女装でそこにいた。すごく頑張ってきたらしく唇は真っ赤なルージュ。もともと白いのに更におしろいで白くした顔に頬紅に紫のアイシャドウでメイクもバッチリである。
\ででーん、ナバル以外、ダウト!/
初顔合わせであるナバルはキョトンとしたものの、他の全員は不意打ちで笑ってしまう。
「最初から、これはきついのです。西園寺はちょっと困ってしまいます」
悲しい顔をした『みんなをまもるためのちから』海・西園寺(CL3000241)はサテライトエイムを起動……する前にスタッフに止められた。
「西園寺は本気です、ふーーー」
吹き矢が犠牲者のおしりに飛ばされる。その数10人。
「「「「いったーーーーー!!!」」」
9人目に吹き矢がとんだところで海はその場にへたりこんだ。肺活量が少ないのだ。海の肺が空気を求めて肩が上下に揺れる。
「さいごまで、さいごまでお役目を全うするのです!」
海は立ち上がる。吹き矢はもう無理だ。ならば。
ナバルは少女のそのガッツに感銘をうける。よくわからない訓練だけど、バカバカしい訓練だけどお仕置き役の人だって! こんなに頑張っているんだ!
そうだ! こうやって笑いに耐えきったら、己を律する強い精神がそこに生まれるんだ! なんてすごい訓練なんだ!
ナバルは役目をまっとうする少女を心で応援する。
海は可愛いぬいぐるみのミミーを大きく振り上げウェルスのお尻を狙う。
ナバルはキョトンとする。
どがーん!
「いだーーーーーーー!!!」
「可愛そうなミミーなのです。西園寺は心を鬼にしました……」
炸薬を詰められた可愛そうな可愛いミミーがウェルスのお尻で炸裂したのだ。(あとでミミーはスタッフが縫い直しました)
その残虐さにプレイヤーは戦慄する。しかしこれは、始まったばかりなのである。
一行はムサシマルとついでのアシスタントアーウィンに連れられダンジョンの中に入っていく。
\空前絶後のぉォォ~!! 超絶怒涛の美少女魔導師!!!/
第一の仕掛け人、『真理を見通す瞳』猪市 きゐこ(CL3000048)が現れた。
その一言目で。主にとうとう自分で美少女って言っちゃったよ! という感じで笑いの沸点の低い数人が笑っている。勢いで笑わされたものもいる。
「うぷぷぷぷ」
「ぷふ……」
「あはははは!」
「きゐこさん、美少女って自分でいっちゃ……ぷふ」
きゐこはその笑いにすこしだけ得意になってそのままネタをつづける。フードを脱ぎ去った全力だ。
「アマノホカリ一のピン芸人美少女ォ!」
勢いのいい自己紹介が続くうちに笑いの波はじわじわと拡がっていく。
「パスワードロック! はちさんごーいちィ!! イノイチイエーーーイ!」
「あの、すまない。きゐこ殿、激しい自己紹介の中すまない。パスワードロックがなにかはよくわからないが、それは言っちゃいけないのではないのか? それと、みなが笑っているが、どこが笑えるポイントだったのだろうか?」
アリスタルフがそろそろ顔が真っ赤になってきたきゐこに至極真面目に尋ねる。
きゐこは無言で涙目で顔をまっかにしている。
「ああ、なるほど、68歳なのに美少女と言ってしまうところが笑処なのだな! なるほど!」
もうやめて! きゐこ殿のひっとぽいんとはぜろよ! 鬼! 芸人殺し!
美少女はフードで顔を隠すと半泣きで「この脚本を考えた昨日の自分をうらむのだわぁああ!」と逃げ去っていく。目星で笑いのツボを探りながらほぼ全員を勢いだけで笑わせたまではよかった。いやよくないのかもだけど。
\ででーん、全員、ダウト!/
「ちょっとまて、俺は笑って……」
「アリスタルフ殿は美少女をなかせたからでござる」
「くっ……それはしかたない。殺せ」
「うわ」
ムサシマルに案内された広い場所には不自然な引き出し付きのテーブルが10台用意されていた。
「これあれよね。引き出しの中に嫌なものがあるパターンよね?」
エルシーが引きつった顔になる。
「そのとおりでござる。誰からでもええぞ! 引き出しをあけるんやでござる」
「では俺が」
ランスロットが一番槍を買って出る。
「ふむ、写真のようだ」
裏向きにされていた写真を表むけると――。
「くく……くく……」
\ででーん、ランスロット、ダウト!/
「これはずるいだろう! クラウス・フォン・プラテス卿が頭にネクタイをまいてモノクルが割れていて反対側の目にインクで描いたモノクル付いてるとか! メモに『眼鏡をとったら目がねぇ』とかそんな親父ギャグ……くくくく、目、ちゃんとあるだろう、そして、真顔」
それにしてもこれどうやってそんな写真を取らせてもらったのだろうとか思ってはいけない。彼にはクラウディアという弱みが存在しているのだ。
そのランスロットの説明に、
「仲間割れは止めましょうよ……!」
フーリィンが笑い、ナナンもつられてわらってしまう。
思いっきり顔をそむけたアリシアが連鎖的にダウト判定を食らう。
「うち、笑っとらん! 笑っとらんよ!
今のはずるいわ! うち巻き込まれただけや!
理不尽やー!!」
\ででーん!/
にこにこ笑顔のワン・フェイロン(CL3000492)の飛び蹴りがヒットする。
「女の子にひどいわー!」
アリシアの抗議。とはいえ、ワンとて紳士。女性にはソフトな蹴りわざなのだ。
ほんのちょっとだけど。
「いたーい!」
次に引き出しをあけるのはサシャ
「なんだ、これ、ライカってかいてあるぞ?」
どこからか現れた『聖母殺し』ライカ・リンドヴルム(CL3000405)が、カーテンのある場所にまで一瞬でサシャを拉致る。
「笑った人を仕留めればいいのね」
ちがう。
「わかったわ。ここにアクアディーネはいないのね。別にいいけど。いくわよ」
「なにをなのだ!」
以下音声のみでお楽しみください。
「ふひゃひゃひゃ、らめ、らめだぞぉ、そんなところ」
「そんなことを言ってもここは嫌がっていないぞ」
「らめぇ、らめええええ ふひゃひゃひゃひゃ、わらってないのだぞー、サシャは!」
「わらってるじゃない。まだよ」
「ひゃはははは」
\ででーん!/
物理的にくすぐり地獄で笑わされてしまった、サシャであった。
「物理的ってずるいのだーー」
笑えばそれはダウト。物理であっても構わないという厳しい現実なのだ。
そのシュールな笑いに数人がおしりをででーんされることになった。
「私への判定厳しくないですか?!」
なんども巻き込まれ笑いしているフーリィンが悲鳴をあげた。
「よし、開けるぞ」
ヴィンセントがおそるおそるあければ『書架のウテナ』のカード。
『書架のウテナ』サブロウタ リキュウイン(CL3000312)がヴィンセントの前に立ちはだかる。
「うーん。何を仕掛ければいいのか……どういうのが面白いのか全くわかりません……これはピンチです
もっとコミカルな演劇などを見ておけばよかったですね……」
「う、うん?」
なにが起きるかドキドキしていたヴィンセントは悩むサブロウタに困惑する。
「教えてください! 笑わそうとするたびにどツボにはいってしまって……」
「いや、うん、無理しなくていいから」
「何か仮装でもして……でもいまからじゃ」
「サブロウタ! お前はがんばった! それでいいじゃないか!」
「一発ギャグは……」
……。この重苦しい空気にヴィンセントは無理やり笑って場を繋ぐ。
ヴィンセントという男は優しいのだ。とっても優しいのだ。サブロウタの顔がぱぁっと輝く。
いい話でまとまりそうなところで。
\ででーん! サブロウタ、ヴィンセントだうとー!/
悪魔の声。
「ええ、なんで僕まで」
「ええはなしでまとめるっていう最近のアレ。拙者よくないと思う。笑いどころがブレるでござる」
「くそう! こいよ! 覚悟はできてる!」
容赦のないワンの飛び蹴りに二人は悶絶して転がるのだった。
「あけましょうか」
「せやな」
隣同士のフーリィンとアリシアの机の引き出しはなぜか繋がっていた。
そこには「魔王」とかかれたカード。
いやな予感がする。
「くっくっく
我輩のとってもクツジョク的なででーんをうけるがいい」
『アイドル系魔王チャン』プュ・プニ・トロリッチ(CL3000466)は困惑するふたりの膝の上に座る。
「あ、うん、かわいいやん」
アリシアは困惑している。すごい確定ロールである。
ばさり、とマントを脱ぐとフーリィンにだきつく。
「ママさむいよう」
「そりゃそうですよ! マント着てください!」
ぽよんと弾む大きな胸が憎らしい。っていうかママじゃないし。ああもう、私のほうが恥ずかしいとフーリィンは頬をそめて顔を覆う。
笑いは特にはおきなかったがそれはそれとして美少女同士がいちゃつく光景というものは微笑ましいものである。自然笑みがみなに浮かんだ。
\ででーん! プユの大きいおっぱいだうと!/
その瞬間理不尽にも過ぎる裁定が下ったのであった。
「なんで我輩がーーーー?!」
「おっぱいは敵でござるー」
「じゃあ次は俺か」
ウェルスが開ければ、そこには佐クラの文字
「まじでか!」
くまが嬉しそうに入り口を振り返ればそこには佐クラ・クラン・ヒラガ。
「ウェルスさんや~、あんじょうきばってはります?」
「おう!」
しかし仕掛け人と思われる佐クラは笑わせようとはしてこない。
ここでウェルスの表明をみてみよう
『どんなにつまらなくても! 美女に見つめられたら!! 笑うのが男だろう!!』
「く……クハハハハハ! ウワハハハ!」
ウェルス君ここ大一番の大笑いである。
「理不尽だ!」
自分で言ったことには責任を持つべきだ。
\ででーん! ウェルスだうとー!/
「えへへ、失礼しますね~」
おっとりしていることであまり意識されないが、彼女はルクタートル。武人である。
「うさちゃんキック~~(EX)」
そう言って炸裂したキックはその可愛い名前とは裏腹にウェルスを反対側の壁まで吹き飛ばしたのである。
「なあ、皆も尻にハーベストレイン掛ける?」
\ででーん!/
その理不尽コントのオチに数人笑わされてしまう。
「ふわぁあ!」
ナナンがお尻を蹴られて可愛い声をあげた。
「次はナナンなのだぁ!」
ナナンが引き出しをあけると、設置してあった水鏡に映像が映る。
『正しい順番でレバーを引くことで次の通路の扉が開くのだな?』
なぜか何を勘違いしたのか『達観者』テオドール・ベルヴァルド(CL3000375)と『道化の機械工』アルビノ・ストレージ(CL3000095)が普通にダンジョン攻略をしていた。
『よし』
がちゃりとレバーをひくとどこからか『かみきっくー』と聞こえる。
すると『『豪脚』ローゼ』カーミラ・ローゼンタール(CL3000069)が現れてテオドールのお尻にとんでもなく鋭いキック(POW53)が炸裂し、テオドールが悶絶する。婚約者にはみせれない顔である。
と、同時になぞの『かみきっく』なる恐怖(ルール)がプレイヤーに周知される。
このあたりでかなりダウトがでたがそのままつづけていこう。
テオドールがガチャガチャと操作するたびにひどい目にあっていく。臭い匂いの液体が掛けられたところで。新しいレバーがでてきたことをアルビノが指摘する。
そのレバーにかかれている言葉は『服逆』
「なるほど」
アルビノは真顔でズボンを脱ぎ頭に被り上着を穿く。君そんなキャラだったの?
「なるほど」
テオドールも同じように従う。君もそんなキャラだったの?
服逆状態で二人は無表情の真顔で水鏡(カメラ)に近づいてくるところで映像は止まる。
――間。
\ででーん! 全員だうとーーー!/
「ずるい!」
「っていうかそこどこ?」
「じゃあ次は私いこうか」
多分もうエルシーは何が来ても笑ってしまうだろう。顔がすでにひきつっている。
「やべーやつ」と書かれたカードが入っている。
もうそれだけでダメだったが、続きをすすめていこう。
「まずはお水を口に含んでください」
婦警姿のままのナイトオウルが至極真顔でコップをエルシーに渡す。すでにエルシーの肩は震えている。
「非行少年の責任は誰がとるのか?
FKEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEE(父兄)」
ぶーーーっとエルシーがくちから水を吹きこぼす。
「FKEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEE!(拭けぇええ)」
「ちょっとまって、それずるいやつ!」
エルシーは爆笑している。周りも少しずつその波が拡がっていく。
「まだ笑いを堪えるプレイヤーたちよ!」
ナイトオウルのメイクはすでに溶け目の周りが真っ黒にそまっている。
「FKEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEE(吹けぇえええええ!)」
\ででーん! 全員だうとーーー!/
「次は俺だ」
ナバルが慎重に引き出しをあけると入っていたカードは『ビデオレター』。当時にそんな言葉はないがこの場のことだけと了承してほしい。
あのお約束の理不尽かみきっく確定のアレである。
ナバルはきょとんとしたまま水鏡が再生するレターを見る。
『シャンバラより通信』
真顔の『咲かぬ橘』非時香・ツボミ(CL3000086)が頭にバカでかい電球をかぶっていた。細かい演出については見逃そう。そういうものなのだ。
『みんな久しぶりだな、息災だったか? このめでたい日が迎えることができて嬉しく思う』
電球が光る。
「ぶっ」
よくわからないけれど、笑いまくって笑いの沸点が下がりきっていたナバルにとっては何もかもがおもしろくなっている。
『まさに激動、苦難もあった、傷つくこともあった。だがだからこそこの絆は尊いのだとおもう』
電球が点滅しはじめた。
「こんなんずるいわ」
「ぷははなのだ」
「ひどい、これはひどい」
『遠きシャンバラの地にいるとかえって絆を自覚させられるよ』
電球が青と赤の点滅になる。後ろではかーもんべいべーしゃんばらーとかノリノリのヒットナンバーがながれている。
『帰国後、再会をたのしみにしている。それと最後に一言……』
ツボミは瞑目し間を貯める。
『アーウィン、ダウト』
「なんでだあああああ!」
アーウィンが叫ぶのと同時にカミキックが炸裂する。アーウィンは転がる。
笑ったナバルには容赦ないワンのキックが炸裂して同じように悶絶して転がった。
『あー、あー』
終わったはずのレターがまた再開される。
『どれこんなものかの?
みんなみとるか~、シノピリカである。ワシも皆も元気じゃぞ』
『ビッグ・ヴィーナス』シノピリカ・ゼッペロン(CL3000201)の柔らかい笑顔。こんなの天丼だとだれだってわかる。
アーウィンがビクリと跳ねる。ついでにナバルも跳ねた。
『任務は概ね成功裏に終わりつつある。
うまくすれば、来年早々にはまた皆に会えるかも……
しかし、戦いは厳しい。不測の事態もないとはいえない』
シノピリカの目元が一瞬だけ光った。それは涙だったのかもしれないが映像ではわかりにくい。
『もし、そんなことがあってもシャンバラの民を恨まないでほしいのじゃ
彼らとて守るべきものため、闘うておるし。
それになんというかの……』
シノピリカの目がそらされた。
『護国に務める軍人として、武人として力をためしたいと思うておる!
では息災で
ああ、それと
アーウィン殿、ムサシマル殿と仲良くカミキック』
「なんでだあああああああああ」
「なんででござろうもんンンンンンっ!」
ムサシマルは自分がキックの目にあうなどとは思っていなかっただけに逃げだすがカーミラの影狼につかまってしまう。
っていうか影狼これちょっとつよすぎへん????
\ででーん! 全員だうとーーー!/
「僕が、開けよう」
深刻な顔で最後の引き出しをあけるのはアダム。
「……withB?」
カードを読み上げた瞬間。入り口がライトアップされて磯臭い匂いが漂う。
背中を向けた女船長とそれに傅くラファール・テンタクルとマリオ・デッシ。ふたりとも何故かボコボコだ。
「ありがとう、ラファール君、マリオ君ひろってくれて」
なんらかの書類っぽいのを二人から受け取ったアルヴィダが振り向くとリズミカルなBGMが聞こえる。
「女にうまれてよかった。キャリアウーマンです。皆に質問。飽きたおもちゃをどうする? そんなの簡単、次のおもちゃを買えばいいの。だって」
そこでアルヴィダは書類を投げる。すると磯臭いのがその書類を拾い上げて背中をむける。
「男の数は世界に8億!」
(当時の世界人口は16億人ほどになります)
「8億」
もういちど繰り返すとラファールとマリオが上半身を脱ぎ背中には8と書かれている。
そこで限界がきたアダムは盛大に吹き出す。
「こんなのやらせやがって! 絶対に二度とやらないんだからね!!!」
どんな取引があったのか涙目のアルヴィダが叫んでからはける。
\ででーん! アダムだうとーーー!/
「唸れマイカタフラクトヒップ!ただで殴られはしないぞ!」
アダムとて負けてはいない。ヒップスパンキングで抵抗する。
以下コピペ。
「リズミカルにエレクトリカルなヒップスパンキングはこう! \パンパカパカパカパカパカパン!/ \パンパカパカパカパカパカパン!/ \パン!/ \パン!/ \パン!/ \パン!/ \パンパカパカパカパカパカパン!!/」
よく99文字でここまでリズミカルに頑張ったと思う。
「ちょっとアダムっ!」
さすがにそれに耐えれるものはいなかった。だってほんとにリズミカルなんだもん。エルシーは友人のその奇行に耐えられず爆笑してしまう。
\パンパカパカパカパカパカパン!/ \パンパカパカパカパカパカパン!/ \パン!/ \パン!/ \パン!/ \パン!/ \パンパカパカパカパカパカパン!!/
\ででーん! 全員だうとーーー!/
かくして絶対笑ってはいけない自由騎士24時はこの後も続く。多くのプレイヤーのおしりが真っ赤に腫れ上がったのである。エピソードは数あれど文字数の都合というものがあるのだ。
・『ちみっこマーチャント』ナナン・皐月(CL3000240)
「絶対に笑わないのだ! キリリッ!」
・『緋色の拳』エルシー・スカーレット(CL3000368)
「趣旨は理解しているわ。理解はしているけど、たぶん笑うのを我慢するとかできないと思う」
・『挺身の』アダム・クランプトン(CL3000185)
「お祭り大好きな僕だけれどさすがにコレは困惑せざるを得ない。けれど! 受けた以上どんなことが起ころうと絶対に笑わない! だって僕は騎士だから!」
・『スウォンの退魔騎士』ランスロット・カースン(CL3000391)
「笑ってはいけない、それが今回のミッションなのだな。承知した。
俺はこの通り表情が動きにくい。容易い使命だ。(フラグ」
・『実直剛拳』アリスタルフ・ヴィノクロフ(CL3000392)
「くっ……殺せ」
・『イ・ラプセル自由騎士団』アリシア・フォン・フルシャンテ(CL3000227)
「うちはなんやこっちに参加したほうがええって神様からのお告げが……ってアクアディーネ様からはなんも言われてないわ! 誰のお告げやねん!」
・『お菓子とお菓子と甘い物』ヴィンセント・ローズ(CL3000399)
「今回は頑張って笑わないように頑張ってやろうじゃねえか! なんかもう、もはやこの宣言がすでにフリな気がするが!こういう企画も楽しんでいくぜ!」
・『蒼光の癒し手(病弱)』フーリィン・アルカナム(CL3000403)
「なんで軽率に参加してしまったのでしょうか?」
・『新米兵士』ナバル・ジーロン(CL3000441)
「24時間絶対笑ってはいけない……バカバカしいように見えて、なんて過酷な訓練なんだ!」
・『教会の勇者!』サシャ・プニコフ(CL3000122)
「おにく」
・『クマの捜査官』ウェルス ライヒトゥーム(CL3000033)
「どんなにつまらなくても!美女に見つめられたら!!
笑うのが男だろう!!!」
●
「よくきたでござろうもん。きさまらにはむーさーぶーときゃんぷをしてもらう。まずは着替えてもらう。各々のロッカーに服が入ってるからそれにきがえるんや」
ダンジョンの前に人数分のロッカーが並んでいる。いつもの着替えいじりだ、多分全員そう思った。プレイヤー名簿順に呼ばれたプレイヤーが一人ひとりよばれていく。
服装は簡易的な運動がしやすそうな上下。いわゆるメリアス編みをされた上下のトレーニングウェアである。各々のイメージに合わせて色が設定されている。ちなみに別名ジャージー編みともいう。
最後にのこるのはウェルスのロッカールーム。みなわらうまい、と口を強く閉じて耐えようとする。
「うぇるすー、でてくるでござるー」
ぴっちぴちのトレーニングウェアでウェルスが出てくるがサイズ事体は普通である。色も緑でよく似合っている。一人だけ服装が違ってたりおかっぱになると思っていたかも知れないプレイヤーたちに困惑が走る。
「AAAAAAAAAAAAAAAAHHHHHHHHHAAAAAAAA」
突如その場に雄叫びが聞こえた。プレイヤーたちはざわつく。
プレイヤーたちの前に黒髪の軍服(おまわりさん)姿の女性が頭を下げて傅いている。
静かな間――。誰も声を発しない。女性が立ち上がり腰に手をやり、仁王立ちした。そしてゆっくりと顔を上げる――。
「婦 警(FUKEEEEEEEEEEEEE) で す ! ! ! ! ! ! ! !」
『空に舞う黒騎士』ナイトオウル・アラウンド(CL3000395)が女装でそこにいた。すごく頑張ってきたらしく唇は真っ赤なルージュ。もともと白いのに更におしろいで白くした顔に頬紅に紫のアイシャドウでメイクもバッチリである。
\ででーん、ナバル以外、ダウト!/
初顔合わせであるナバルはキョトンとしたものの、他の全員は不意打ちで笑ってしまう。
「最初から、これはきついのです。西園寺はちょっと困ってしまいます」
悲しい顔をした『みんなをまもるためのちから』海・西園寺(CL3000241)はサテライトエイムを起動……する前にスタッフに止められた。
「西園寺は本気です、ふーーー」
吹き矢が犠牲者のおしりに飛ばされる。その数10人。
「「「「いったーーーーー!!!」」」
9人目に吹き矢がとんだところで海はその場にへたりこんだ。肺活量が少ないのだ。海の肺が空気を求めて肩が上下に揺れる。
「さいごまで、さいごまでお役目を全うするのです!」
海は立ち上がる。吹き矢はもう無理だ。ならば。
ナバルは少女のそのガッツに感銘をうける。よくわからない訓練だけど、バカバカしい訓練だけどお仕置き役の人だって! こんなに頑張っているんだ!
そうだ! こうやって笑いに耐えきったら、己を律する強い精神がそこに生まれるんだ! なんてすごい訓練なんだ!
ナバルは役目をまっとうする少女を心で応援する。
海は可愛いぬいぐるみのミミーを大きく振り上げウェルスのお尻を狙う。
ナバルはキョトンとする。
どがーん!
「いだーーーーーーー!!!」
「可愛そうなミミーなのです。西園寺は心を鬼にしました……」
炸薬を詰められた可愛そうな可愛いミミーがウェルスのお尻で炸裂したのだ。(あとでミミーはスタッフが縫い直しました)
その残虐さにプレイヤーは戦慄する。しかしこれは、始まったばかりなのである。
一行はムサシマルとついでのアシスタントアーウィンに連れられダンジョンの中に入っていく。
\空前絶後のぉォォ~!! 超絶怒涛の美少女魔導師!!!/
第一の仕掛け人、『真理を見通す瞳』猪市 きゐこ(CL3000048)が現れた。
その一言目で。主にとうとう自分で美少女って言っちゃったよ! という感じで笑いの沸点の低い数人が笑っている。勢いで笑わされたものもいる。
「うぷぷぷぷ」
「ぷふ……」
「あはははは!」
「きゐこさん、美少女って自分でいっちゃ……ぷふ」
きゐこはその笑いにすこしだけ得意になってそのままネタをつづける。フードを脱ぎ去った全力だ。
「アマノホカリ一のピン芸人美少女ォ!」
勢いのいい自己紹介が続くうちに笑いの波はじわじわと拡がっていく。
「パスワードロック! はちさんごーいちィ!! イノイチイエーーーイ!」
「あの、すまない。きゐこ殿、激しい自己紹介の中すまない。パスワードロックがなにかはよくわからないが、それは言っちゃいけないのではないのか? それと、みなが笑っているが、どこが笑えるポイントだったのだろうか?」
アリスタルフがそろそろ顔が真っ赤になってきたきゐこに至極真面目に尋ねる。
きゐこは無言で涙目で顔をまっかにしている。
「ああ、なるほど、68歳なのに美少女と言ってしまうところが笑処なのだな! なるほど!」
もうやめて! きゐこ殿のひっとぽいんとはぜろよ! 鬼! 芸人殺し!
美少女はフードで顔を隠すと半泣きで「この脚本を考えた昨日の自分をうらむのだわぁああ!」と逃げ去っていく。目星で笑いのツボを探りながらほぼ全員を勢いだけで笑わせたまではよかった。いやよくないのかもだけど。
\ででーん、全員、ダウト!/
「ちょっとまて、俺は笑って……」
「アリスタルフ殿は美少女をなかせたからでござる」
「くっ……それはしかたない。殺せ」
「うわ」
ムサシマルに案内された広い場所には不自然な引き出し付きのテーブルが10台用意されていた。
「これあれよね。引き出しの中に嫌なものがあるパターンよね?」
エルシーが引きつった顔になる。
「そのとおりでござる。誰からでもええぞ! 引き出しをあけるんやでござる」
「では俺が」
ランスロットが一番槍を買って出る。
「ふむ、写真のようだ」
裏向きにされていた写真を表むけると――。
「くく……くく……」
\ででーん、ランスロット、ダウト!/
「これはずるいだろう! クラウス・フォン・プラテス卿が頭にネクタイをまいてモノクルが割れていて反対側の目にインクで描いたモノクル付いてるとか! メモに『眼鏡をとったら目がねぇ』とかそんな親父ギャグ……くくくく、目、ちゃんとあるだろう、そして、真顔」
それにしてもこれどうやってそんな写真を取らせてもらったのだろうとか思ってはいけない。彼にはクラウディアという弱みが存在しているのだ。
そのランスロットの説明に、
「仲間割れは止めましょうよ……!」
フーリィンが笑い、ナナンもつられてわらってしまう。
思いっきり顔をそむけたアリシアが連鎖的にダウト判定を食らう。
「うち、笑っとらん! 笑っとらんよ!
今のはずるいわ! うち巻き込まれただけや!
理不尽やー!!」
\ででーん!/
にこにこ笑顔のワン・フェイロン(CL3000492)の飛び蹴りがヒットする。
「女の子にひどいわー!」
アリシアの抗議。とはいえ、ワンとて紳士。女性にはソフトな蹴りわざなのだ。
ほんのちょっとだけど。
「いたーい!」
次に引き出しをあけるのはサシャ
「なんだ、これ、ライカってかいてあるぞ?」
どこからか現れた『聖母殺し』ライカ・リンドヴルム(CL3000405)が、カーテンのある場所にまで一瞬でサシャを拉致る。
「笑った人を仕留めればいいのね」
ちがう。
「わかったわ。ここにアクアディーネはいないのね。別にいいけど。いくわよ」
「なにをなのだ!」
以下音声のみでお楽しみください。
「ふひゃひゃひゃ、らめ、らめだぞぉ、そんなところ」
「そんなことを言ってもここは嫌がっていないぞ」
「らめぇ、らめええええ ふひゃひゃひゃひゃ、わらってないのだぞー、サシャは!」
「わらってるじゃない。まだよ」
「ひゃはははは」
\ででーん!/
物理的にくすぐり地獄で笑わされてしまった、サシャであった。
「物理的ってずるいのだーー」
笑えばそれはダウト。物理であっても構わないという厳しい現実なのだ。
そのシュールな笑いに数人がおしりをででーんされることになった。
「私への判定厳しくないですか?!」
なんども巻き込まれ笑いしているフーリィンが悲鳴をあげた。
「よし、開けるぞ」
ヴィンセントがおそるおそるあければ『書架のウテナ』のカード。
『書架のウテナ』サブロウタ リキュウイン(CL3000312)がヴィンセントの前に立ちはだかる。
「うーん。何を仕掛ければいいのか……どういうのが面白いのか全くわかりません……これはピンチです
もっとコミカルな演劇などを見ておけばよかったですね……」
「う、うん?」
なにが起きるかドキドキしていたヴィンセントは悩むサブロウタに困惑する。
「教えてください! 笑わそうとするたびにどツボにはいってしまって……」
「いや、うん、無理しなくていいから」
「何か仮装でもして……でもいまからじゃ」
「サブロウタ! お前はがんばった! それでいいじゃないか!」
「一発ギャグは……」
……。この重苦しい空気にヴィンセントは無理やり笑って場を繋ぐ。
ヴィンセントという男は優しいのだ。とっても優しいのだ。サブロウタの顔がぱぁっと輝く。
いい話でまとまりそうなところで。
\ででーん! サブロウタ、ヴィンセントだうとー!/
悪魔の声。
「ええ、なんで僕まで」
「ええはなしでまとめるっていう最近のアレ。拙者よくないと思う。笑いどころがブレるでござる」
「くそう! こいよ! 覚悟はできてる!」
容赦のないワンの飛び蹴りに二人は悶絶して転がるのだった。
「あけましょうか」
「せやな」
隣同士のフーリィンとアリシアの机の引き出しはなぜか繋がっていた。
そこには「魔王」とかかれたカード。
いやな予感がする。
「くっくっく
我輩のとってもクツジョク的なででーんをうけるがいい」
『アイドル系魔王チャン』プュ・プニ・トロリッチ(CL3000466)は困惑するふたりの膝の上に座る。
「あ、うん、かわいいやん」
アリシアは困惑している。すごい確定ロールである。
ばさり、とマントを脱ぐとフーリィンにだきつく。
「ママさむいよう」
「そりゃそうですよ! マント着てください!」
ぽよんと弾む大きな胸が憎らしい。っていうかママじゃないし。ああもう、私のほうが恥ずかしいとフーリィンは頬をそめて顔を覆う。
笑いは特にはおきなかったがそれはそれとして美少女同士がいちゃつく光景というものは微笑ましいものである。自然笑みがみなに浮かんだ。
\ででーん! プユの大きいおっぱいだうと!/
その瞬間理不尽にも過ぎる裁定が下ったのであった。
「なんで我輩がーーーー?!」
「おっぱいは敵でござるー」
「じゃあ次は俺か」
ウェルスが開ければ、そこには佐クラの文字
「まじでか!」
くまが嬉しそうに入り口を振り返ればそこには佐クラ・クラン・ヒラガ。
「ウェルスさんや~、あんじょうきばってはります?」
「おう!」
しかし仕掛け人と思われる佐クラは笑わせようとはしてこない。
ここでウェルスの表明をみてみよう
『どんなにつまらなくても! 美女に見つめられたら!! 笑うのが男だろう!!』
「く……クハハハハハ! ウワハハハ!」
ウェルス君ここ大一番の大笑いである。
「理不尽だ!」
自分で言ったことには責任を持つべきだ。
\ででーん! ウェルスだうとー!/
「えへへ、失礼しますね~」
おっとりしていることであまり意識されないが、彼女はルクタートル。武人である。
「うさちゃんキック~~(EX)」
そう言って炸裂したキックはその可愛い名前とは裏腹にウェルスを反対側の壁まで吹き飛ばしたのである。
「なあ、皆も尻にハーベストレイン掛ける?」
\ででーん!/
その理不尽コントのオチに数人笑わされてしまう。
「ふわぁあ!」
ナナンがお尻を蹴られて可愛い声をあげた。
「次はナナンなのだぁ!」
ナナンが引き出しをあけると、設置してあった水鏡に映像が映る。
『正しい順番でレバーを引くことで次の通路の扉が開くのだな?』
なぜか何を勘違いしたのか『達観者』テオドール・ベルヴァルド(CL3000375)と『道化の機械工』アルビノ・ストレージ(CL3000095)が普通にダンジョン攻略をしていた。
『よし』
がちゃりとレバーをひくとどこからか『かみきっくー』と聞こえる。
すると『『豪脚』ローゼ』カーミラ・ローゼンタール(CL3000069)が現れてテオドールのお尻にとんでもなく鋭いキック(POW53)が炸裂し、テオドールが悶絶する。婚約者にはみせれない顔である。
と、同時になぞの『かみきっく』なる恐怖(ルール)がプレイヤーに周知される。
このあたりでかなりダウトがでたがそのままつづけていこう。
テオドールがガチャガチャと操作するたびにひどい目にあっていく。臭い匂いの液体が掛けられたところで。新しいレバーがでてきたことをアルビノが指摘する。
そのレバーにかかれている言葉は『服逆』
「なるほど」
アルビノは真顔でズボンを脱ぎ頭に被り上着を穿く。君そんなキャラだったの?
「なるほど」
テオドールも同じように従う。君もそんなキャラだったの?
服逆状態で二人は無表情の真顔で水鏡(カメラ)に近づいてくるところで映像は止まる。
――間。
\ででーん! 全員だうとーーー!/
「ずるい!」
「っていうかそこどこ?」
「じゃあ次は私いこうか」
多分もうエルシーは何が来ても笑ってしまうだろう。顔がすでにひきつっている。
「やべーやつ」と書かれたカードが入っている。
もうそれだけでダメだったが、続きをすすめていこう。
「まずはお水を口に含んでください」
婦警姿のままのナイトオウルが至極真顔でコップをエルシーに渡す。すでにエルシーの肩は震えている。
「非行少年の責任は誰がとるのか?
FKEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEE(父兄)」
ぶーーーっとエルシーがくちから水を吹きこぼす。
「FKEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEE!(拭けぇええ)」
「ちょっとまって、それずるいやつ!」
エルシーは爆笑している。周りも少しずつその波が拡がっていく。
「まだ笑いを堪えるプレイヤーたちよ!」
ナイトオウルのメイクはすでに溶け目の周りが真っ黒にそまっている。
「FKEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEE(吹けぇえええええ!)」
\ででーん! 全員だうとーーー!/
「次は俺だ」
ナバルが慎重に引き出しをあけると入っていたカードは『ビデオレター』。当時にそんな言葉はないがこの場のことだけと了承してほしい。
あのお約束の理不尽かみきっく確定のアレである。
ナバルはきょとんとしたまま水鏡が再生するレターを見る。
『シャンバラより通信』
真顔の『咲かぬ橘』非時香・ツボミ(CL3000086)が頭にバカでかい電球をかぶっていた。細かい演出については見逃そう。そういうものなのだ。
『みんな久しぶりだな、息災だったか? このめでたい日が迎えることができて嬉しく思う』
電球が光る。
「ぶっ」
よくわからないけれど、笑いまくって笑いの沸点が下がりきっていたナバルにとっては何もかもがおもしろくなっている。
『まさに激動、苦難もあった、傷つくこともあった。だがだからこそこの絆は尊いのだとおもう』
電球が点滅しはじめた。
「こんなんずるいわ」
「ぷははなのだ」
「ひどい、これはひどい」
『遠きシャンバラの地にいるとかえって絆を自覚させられるよ』
電球が青と赤の点滅になる。後ろではかーもんべいべーしゃんばらーとかノリノリのヒットナンバーがながれている。
『帰国後、再会をたのしみにしている。それと最後に一言……』
ツボミは瞑目し間を貯める。
『アーウィン、ダウト』
「なんでだあああああ!」
アーウィンが叫ぶのと同時にカミキックが炸裂する。アーウィンは転がる。
笑ったナバルには容赦ないワンのキックが炸裂して同じように悶絶して転がった。
『あー、あー』
終わったはずのレターがまた再開される。
『どれこんなものかの?
みんなみとるか~、シノピリカである。ワシも皆も元気じゃぞ』
『ビッグ・ヴィーナス』シノピリカ・ゼッペロン(CL3000201)の柔らかい笑顔。こんなの天丼だとだれだってわかる。
アーウィンがビクリと跳ねる。ついでにナバルも跳ねた。
『任務は概ね成功裏に終わりつつある。
うまくすれば、来年早々にはまた皆に会えるかも……
しかし、戦いは厳しい。不測の事態もないとはいえない』
シノピリカの目元が一瞬だけ光った。それは涙だったのかもしれないが映像ではわかりにくい。
『もし、そんなことがあってもシャンバラの民を恨まないでほしいのじゃ
彼らとて守るべきものため、闘うておるし。
それになんというかの……』
シノピリカの目がそらされた。
『護国に務める軍人として、武人として力をためしたいと思うておる!
では息災で
ああ、それと
アーウィン殿、ムサシマル殿と仲良くカミキック』
「なんでだあああああああああ」
「なんででござろうもんンンンンンっ!」
ムサシマルは自分がキックの目にあうなどとは思っていなかっただけに逃げだすがカーミラの影狼につかまってしまう。
っていうか影狼これちょっとつよすぎへん????
\ででーん! 全員だうとーーー!/
「僕が、開けよう」
深刻な顔で最後の引き出しをあけるのはアダム。
「……withB?」
カードを読み上げた瞬間。入り口がライトアップされて磯臭い匂いが漂う。
背中を向けた女船長とそれに傅くラファール・テンタクルとマリオ・デッシ。ふたりとも何故かボコボコだ。
「ありがとう、ラファール君、マリオ君ひろってくれて」
なんらかの書類っぽいのを二人から受け取ったアルヴィダが振り向くとリズミカルなBGMが聞こえる。
「女にうまれてよかった。キャリアウーマンです。皆に質問。飽きたおもちゃをどうする? そんなの簡単、次のおもちゃを買えばいいの。だって」
そこでアルヴィダは書類を投げる。すると磯臭いのがその書類を拾い上げて背中をむける。
「男の数は世界に8億!」
(当時の世界人口は16億人ほどになります)
「8億」
もういちど繰り返すとラファールとマリオが上半身を脱ぎ背中には8と書かれている。
そこで限界がきたアダムは盛大に吹き出す。
「こんなのやらせやがって! 絶対に二度とやらないんだからね!!!」
どんな取引があったのか涙目のアルヴィダが叫んでからはける。
\ででーん! アダムだうとーーー!/
「唸れマイカタフラクトヒップ!ただで殴られはしないぞ!」
アダムとて負けてはいない。ヒップスパンキングで抵抗する。
以下コピペ。
「リズミカルにエレクトリカルなヒップスパンキングはこう! \パンパカパカパカパカパカパン!/ \パンパカパカパカパカパカパン!/ \パン!/ \パン!/ \パン!/ \パン!/ \パンパカパカパカパカパカパン!!/」
よく99文字でここまでリズミカルに頑張ったと思う。
「ちょっとアダムっ!」
さすがにそれに耐えれるものはいなかった。だってほんとにリズミカルなんだもん。エルシーは友人のその奇行に耐えられず爆笑してしまう。
\パンパカパカパカパカパカパン!/ \パンパカパカパカパカパカパン!/ \パン!/ \パン!/ \パン!/ \パン!/ \パンパカパカパカパカパカパン!!/
\ででーん! 全員だうとーーー!/
かくして絶対笑ってはいけない自由騎士24時はこの後も続く。多くのプレイヤーのおしりが真っ赤に腫れ上がったのである。エピソードは数あれど文字数の都合というものがあるのだ。
†シナリオ結果†
大成功
†詳細†
†あとがき†
皆様参加ありがとうございました。
結果は
・ナナン・皐月(CL3000240) 45回
・エルシー・スカーレット(CL3000368) 51回
・アダム・クランプトン(CL3000185) 60回
・ランスロット・カースン(CL3000391) 36回
・アリスタルフ・ヴィノクロフ(CL3000392) 44回
・アリシア・フォン・フルシャンテ(CL3000227)75回
・ヴィンセント・ローズ(CL3000399) 66回
・フーリィン・アルカナム(CL3000403) 80回
・ナバル・ジーロン(CL3000441) 77回
・サシャ・プニコフ(CL3000122) 58回
・ウェルス ライヒトゥーム(CL3000033) 36回
ダイスを振ってプレイングでいろいろプラスアルファした結果です。
お尻にハーベストレインしてください。
また今回はみなさんたのしそうでしたので、みなさんMVPということで大成功判定を。
今年もマギアスティームをよろしくおねがいします。
結果は
・ナナン・皐月(CL3000240) 45回
・エルシー・スカーレット(CL3000368) 51回
・アダム・クランプトン(CL3000185) 60回
・ランスロット・カースン(CL3000391) 36回
・アリスタルフ・ヴィノクロフ(CL3000392) 44回
・アリシア・フォン・フルシャンテ(CL3000227)75回
・ヴィンセント・ローズ(CL3000399) 66回
・フーリィン・アルカナム(CL3000403) 80回
・ナバル・ジーロン(CL3000441) 77回
・サシャ・プニコフ(CL3000122) 58回
・ウェルス ライヒトゥーム(CL3000033) 36回
ダイスを振ってプレイングでいろいろプラスアルファした結果です。
お尻にハーベストレインしてください。
また今回はみなさんたのしそうでしたので、みなさんMVPということで大成功判定を。
今年もマギアスティームをよろしくおねがいします。
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