MagiaSteam
《オラトリオ1818》GlitterFight!



●年末に流れる放送
 年の暮れにラジヲをつければ、『あたしにお任せ』バーバラ・キュプカー(nCL3000007)と『君のハートを撃ち抜くぜ』ヨアヒム・マイヤー(nCL3000006)の声が聞こえてきた。

『今年もやってきましたグリッターファイト! 司会はあたしことバーバラ・キュプカーと』
『本気っすか姐さん……え、もう始まってる!? イ・ラプセルのかわいこちゃんこんばんわ。ヨアヒム・マイヤーでお送りするよ!』
『ルールは簡単。レッドチームとホワイトチームに分かれての歌や踊りの対抗戦!』
『審査員によって点数が決まり、その合計点を競い合うぜ!』
『一人で出てもチームで出てもOK! 我こそはと思うものが集ったオラトリオオデッセイの芸術の祭典よ!』
『今回は通商連の協力を得て、豪華なゲストが盛りだくさん!』
『飛び入り参加大歓迎! 我こそはと思う人はどんどん会場まで!』
『では、君の参加を待つ!』

 会場はアクア神殿前に作られた特別ホール。神の誕生日を捧げる意味も含めての音の祭典。
 貴方は観客として見る? それとも舞台に立つ?


†シナリオ詳細†
シナリオタイプ
イベントシナリオ
シナリオカテゴリー
日常σ
担当ST
どくどく
■成功条件
1.歌え!
2.踊れ!
3.楽しめ!
 どくどくです。
ねこてんし「笑ってはいけない24時出したぜ!」
どくどく「これは……紅白も出す流れか」
ねこてんし「だしてくれる?????????」
 出しました。

 この依頼は『ブレインストーミングスペース#1 猪市 きゐこ(CL3000048) 2018年12月07日(金) 00:06:05』の発言……企画書から生まれました。該当PCの参加を強制するものではありません。

●説明っ!
 ぶっちゃければ年末紅白歌合戦です。知らない人は、『男女二チームに分かれて歌を競い合う舞台』程度でOK。歌だけではなくダンスなどもOKとします。
 女性は【レッドチーム】、男性は【ホワイトチーム】になります。男女混合チームや性別不明の方はお好きな方で。どちらにせよ、プレイングのどこかに書いていただけると、助かります。
 ファイト、と称していますが対抗するのはあくまでショー要素です。勝ち負けにこだわってアートをおろそかにしないようお願いします。実際、勝っても特に何もないし。
 人数合わせでNPCが参加します。基本空気ですが、コラボしたいとかは受け入れます。

・女傑部族(女性)
 南海諸島に住む褐色の部族です。ほぼナイスバディを紐な水着で隠しただけのアマゾネススタイル。太陽の元で踊る元気の出る踊りを披露します。
『Fruits! たわわに実った果実のために!』『Ray! 混戦必至!サンショクエイを浄化せよ!』『ZigzagShark!? 南方に素材を求めて』等に出ています。

・ゾーエ族(女性)
 南海のミズビト種族。ゆったりとした衣装と所々魚めいた部位。凪の海を感じさせるゆったりとした踊りを披露します。
『Ray! 混戦必至!サンショクエイを浄化せよ!』に出ています。

・ウィスター男爵(男性)
 ときどきイ・ラプセルにやってきて事件を起こそうとして、泣く泣く帰る人です。飛び入りOKと聞いてやってきました。オルゴールに多重奏によるパフォーマンスを披露します。
『Duke! ウィスター公爵登場!』と『Immortal!? 不死の守護者に安寧を』『Question? 我が問いに答えよ人間』のOPに出ています。

・ダンシングシミター(男性)
 つい最近イ・ラプセルに捕まった元海賊です。踊るのが楽しいため、逃げるつもりはないとか。多種多様な踊りを披露します。
『Dead or Dance!? 歌い踊れや海賊達!』に出ています。

●イベントシナリオのルール
・参加料金は50LPです。
・予約期間はありません。参加ボタンを押した時点で参加が確定します。
・獲得リソースは通常依頼難易度普通の1/3です。
・特定の誰かと行動をしたい場合は『クラウス・フォン・プラテス(nCL3000003)』といった風にIDと名前を全て表記するようにして下さい。又、グループでの参加の場合、参加者全員が【グループ名】というタグをプレイングに記載する事で個別のフルネームをIDつきで書く必要がなくなります。
・NPCの場合も同様となりますがIDとフルネームは必要なく、名前のみでOKです。
・イベントシナリオでは参加キャラクター全員の描写が行なわれない可能性があります。
・内容を絞ったほうが良い描写が行われる可能性が高くなります。
・公序良俗にはご配慮ください。
・未成年の飲酒、タバコは禁止です。

 皆様のプレイングをお待ちしています。
状態
完了
報酬マテリア
0個  0個  0個  1個
10モル 
参加費
50LP
相談日数
12日
参加人数
12/∞
公開日
2019年01月06日

†メイン参加者 12人†

『我戦う、故に我あり』
リンネ・スズカ(CL3000361)
『蒼光の癒し手(病弱)』
フーリィン・アルカナム(CL3000403)


●派手に明るく!
「トップバッターはミケだにゃっ!」
 ネコのケモノビトの特徴であるネコミミをぴん、と動かして尻尾を跳ね上げる。踊り子の服を回転させて見せそうで見えないようにミケ・テンリュウイン(CL3000238)はセクシーに登場した。艶やかに、そしてたゆまぬ鍛錬を感じさせる魅惑の動き。
 舞台全体を動き回り、笑顔で観客に手を振るミケ。最初は小さな拍手が、ミケの動きに合わせて少しずつ大きくなっていく。ミケの動き合わせて観客が動き、ミケの声に続くように音が波となって響き渡る。
「みんないっしょにーー!」
「ハイ! ハイ! ハイ! ハイ!」
「よーし、次は私だよ! おらとりお・おでっせい!」
 アップテンポになった会場のノリを崩さないようにカーミラ・ローゼンタール(CL3000069)が躍り出る。央華大陸風の明るい服を身にまとい、幼いながらも成長した体つきを隠すことなく見せていた。動くたびにたゆん、と揺れる。
 流れる音楽に合わせてカーミラは踊る。技術的には未熟だが、それを元気良さと持ち前の華やかさでカバーしている。元より動くのが大好きなカーミラだ。その動きの良さが華を生み、さらなる喝采を引き起こしていく。
「アミナたちも一緒に踊ろー!」
「おー! あげあげで行くよー!」
「応援パフォーマンスやな。やったらうちもいくで!」
 湧き上がる会場。女傑部族も交えてダンス中心になった場にアリシア・フォン・フルシャンテ(CL3000227)も参入する。機械化した足で床を蹴り、アクロバティックに舞い出でる。
 赤い布を両手に持ち、それを床につかせないように移動しながらアリシアは踊る。ターンとステップを繰り返して布を回転させながら舞台の上を縦横無尽に駆け巡る。カタクラフトの足でリズムを刻みながら、ダイナミックに突き進む。
「勝つのはレッドチームやで! よろしゅうな!」
 始まったばかりのグリッターファイト。例年にないほどの勢いで盛り上がっていた。

●キャロル
「アクアディーネ様を讃えるお歌を歌います!」
 ホワイトチームはレッドチームの明るさとは別の出だしとなった。聖歌隊でもあるティア・ブラックリップ(CL3000489)はこの時のためにと鍛えた自慢の喉と……へそ出し、ホットパンツ、サイハイブーツという改造衣装でこの戦いに挑む。
「新しい年、神の誕生日――」
 透明感のあるボーイソプラノで厳かに歌い始めるティア。しかしその音楽は少しずつアップテンポになっていく。
「水のせせらぎ、川の恵み。女神の愛は皆に届く」
 軽やかにステップを踏み、ターンをしながら笑顔を振りまく。皆が知っている讃美歌を変調し、明るく楽しく踊り続けるティア。
「僕らの愛を止める者はない。そう、いつだってどこだって。永劫不変に!」
 両手を広げ、ダンスをしめるティア。割れんばかりの拍手が湧いて出た。
「ふむ。ではワタシは厳かに歌わせてもらおう」
 うむ、と頷くラメッシュ・K・ジェイン(CL3000120)。歌や踊りが得意と言うわけではないが、神に感謝をささげることはできる。大事なのはその気持ちだ。それは他の参加者に劣っていないと自負できる。
 ゆっくりと息を吸い、腹部に力を籠めるようにいったん止める。静まり返った会場に、ラメッシュの声が響き渡った。毎年感謝をささげる為に歌う讃美歌。真面目なラメッシュはその賛美を欠かしたことがない。その賛美の心を強く載せた歌は、技術など関係なく称賛されていく。
「女神よ。これからも共に歩もう。それこそが我が信仰の証なのだから」
 讃美歌が終わり一礼する。静まり返った会場に拍手が沸き上がった。
「もうすぐ出番なんだぞ。ドキドキするぞ、大丈夫だぞ。サシャがいればみんな緊張しなくてもいいんだぞ!」
 その舞台裏でサシャ・プニコフ(CL3000122)は一緒に歌う教会の子供達を前に緊張していた。サシャは緊張していないと言い張るが、しきりに胸に手を当てて呼吸を繰り返したりと、力が入りすぎているのは明白だった。先導する者としてしっかりしなくては。
「よし、出番だぞ! ……ってわあ!」
 出番が回ってきて、真っ先に舞台に上がるサシャ。しかし緊張のせいか足を滑らせ、思いっきり転んでしまう。それを見ていた子供達が慌てて駆け寄るが、サシャは笑顔と共にこう告げる。
「皆の緊張は解けてよかった。これはサシャの作戦だったんだぞ!」
 親指立てて子供達に笑顔を向けるサシャ。その様子を見て、子供達も緊張が解ける。
「じゃあ始めるぞ! アクアディーネ様に教会の皆で捧げる一曲なんだぞ!」
 サシャと子供達の歌が響き渡る。緊張の解けた、心地良い歌声が――

●オリジナルソング
 そして既存の歌ではなく、この日のために新たな歌を生み出す奏者もいる。
「想いを込め歌います。聞いて下さい、『Anpan lovers』」
 アダム・クランプトン(CL3000185)はひゅるりらー、と唇をふかし……最後は自分で『ひゅるりらー』と囁いた。前奏だ。
「会いたくて、会いたくて、会いたくて、あんパン。この想い、君に伝えたい。この想い、君は分からない」
 届かぬ想いを継げるように静かに、しかし深い感情をこめた出だしである。そして、
「食欲に負け君を食べる昼下がり。気付けば君はそこにいない――!」
 三拍子指を鳴らした後に転調し、うって変わってラップ調に変わった。
「涙がキラリ。涎はタラリ。気付けば僕はもう一つ手に」
 そしてまた転調し、元の静かなテンポに戻る。
「食べたくて、食べたくて、食べたくて、あんパン。この食欲、君に伝えたい。この食欲、僕は止まらない」
 そう。これはあんパンを愛してやまない人の心の叫び。それを伝える歌だった――
「レッドチーム、エルシー・スカーレット。歌います! 『恋はエルシー!』」
 派手な光(ADさんのライト 急)と共にエルシー・スカーレット(CL3000368)が爆誕する。来ている服はバックダンサーでおどってる女傑部族と同じようなセクシーバーバリアンスタイルである。
「恋はエルシー。酒はエール酒。恋のルートはまるでジグザグシャーック!」
 格闘技を習っているエルシーの派手で鋭い動きが舞台に炸裂する。あと歌は勢いだった。
「君の瞳に 覚悟完了! 深紅のヘアーは情熱のあかしー」
 髪の毛をふさぁ、とかき分けるエルシー。決まった、とばかりにどや顔する。
「恋はエルシー。期待膨らむ おむねエルエル!」
 派手な音楽と魅せるようなエルシーの動きに観客は釘付けだった。主に胸とかに。
「あなたのハートにっ、緋色の衝撃(スカーレットインパクト)!」
 ばっきゅーんと銃を撃つポーズと共に占めるエルシー。ウィンクをして、妖艶な笑みを観客に向けた。
「にゃんにゃかにゃーん」
 タッチ交代とばかりに舞台に現れるフーリィン・アルカナム(CL3000403)。引き連れているのは、ねこだった。猫じゃらし――エノコログサと呼ばれる稲を手にねこを引き連れている。
「いっぴきめーはしろねこー。にひきめーはくろねこー。さんびきめーははいねこー」
 ねこじゃらしを振りながらフーリィンは歌う。孤児院で作業していたり子供をあやしたりするときに歌っていた自作ソングである。
「よんひきめーはみけねこー。ごひきめーはきじとらー。ろっぴきめーはさばとらー。ななひきめーはちゃとらー」
 猫じゃらしの動きを追うようにねこが首を振る。それはフーリィンの歌に合わせるような動きだった。
「とくちょういろいろざっしゅねこー。それでもねこにはかわりないー。きょうぐういろいろざっしゅねこー。それでもねこにはかわりないー」
 様々な人種や境遇でも皆同じ人類なのだと謳うように。人も猫も変わらない。そんな世界を夢見るように。
「ご清聴ありがとにゃああああああ!」
 歌い終え、一礼しようとするフーリィンにまっしぐらに飛び込んでくるねこ。ねこなだれに押し倒され、もみくちゃにされながらも幸せそうなフーリィンさんでした。

●魅せる/見せる舞
「あたしとアリアはペアダンスよ!」
「私の方はダンス殆ど経験ないから、ヒルダちゃんに合わせて踊る感じだけどね」
ヒルダ・アークライト(CL3000279)とアリア・セレスティ(CL3000222)はおそろいの衣装で舞台に立つ。
(胸元の露出は広いけど、スカートは長くて結構ちゃんとしてる。ヒルダちゃん、てっきり趣味全開の衣装持ってくると思ってたんだけど……)
 足首までのスカートを見ながらアリアは不振がる。胸元は油断すると大変なことになりそうだが、足元は大丈夫なようだ。
 そして弦楽器の明るいリズムに合わせて踊る二人。ダンスの訓練をしているヒルダと、軽戦士の鋭い動きをもつアリア。ヒルダのリードに合わせて、アリアも踊る。情熱的なダンスは時が経つにつれて加速していく。
「ふふん。スカートが長くて動きづらいでしょう?」
「へ? そんなことは……ってきゃああああああああ!?」
 ヒルダがスカートの腰のひもを引っ張ればスカートがハラリと舞う。二重構造になっていたのか、太ももを大きく露出したミニスカートになっていた。同時に引っ張ったのか、アリアも同じ姿になっている。
「ペアダンスなんだから、同じ姿になるのは当然よね」
「ううう……これは皆さんを楽しませるため……」
「そうよ! 女傑部族が健康的エロならこっちは芸術的エロ! そういうダンスだからアリアが色々晒しちゃうのは仕方ないよね」
「私限定!? っていうかまだ脱がされるの……!」
「ふひひひ、げっへっへ……!」
 ――最終的にどうなったかは、想像にお任せします。
「美の基準。確かに色欲は一つの要素になり得ますね」
 リンネ・スズカ(CL3000361)はうむと頷く。美を競う祭典であるなら、勝負の基準が読めなくては戦略が立てれない。それを探るために頭を悩ませていた。
「とはいえ、出来ることは変わりません。神職として、神に舞を捧げましょう」
 リンネがアマノホカリにいた頃は、形なきの神様に舞を奉納していた。火や風や大地。そう言った自然に敬意を示す民族的な在り方。その対象が異国の女神であっても変わらない。
(大事なのは、己の心。自分があり、周りがある。その繋がりを縁と呼び、絆と呼ぶのだから)
 鈴の音が高らかに響き、扇を持ったリンネが舞い始める。鈴の音に合わせて足が動く、リンネの歩に合わせて鈴が鳴る。鈴以外の何もない無音の舞なのに、皆がその動きに魅入られていた。
「それでは始めさせていただきます。皆々様方、ゆるりご鑑賞ください」
 グリッターファイト、最後の舞が始まる――

●戦いの終わり
 全ての演目が終わり、割れんばかりの拍手が会場を包み込む。
 審査発表が終わったのか、司会が壇上に上がった。赤と白の旗を持ち、勝利したチームの色を掲げるのが習わしだ。
 だがこの勝敗は儀礼的なもの。大事なのは神の誕生を祝うことそのもの。勝者も敗者も等しく歌い、踊っていた。それ自体が報酬だ。
「今年のグリッターファイトの優勝チームは――」
 審査委員長の旗が掲げられ、更なる拍手が会場を包み込む。
 その拍手が途切れるころには、イ・ラプセルは新しい年を迎えているのであった。


†シナリオ結果†

成功

†詳細†

称号付与
『神楽巫女』
取得者: リンネ・スズカ(CL3000361)
『元気爆発!』
取得者: カーミラ・ローゼンタール(CL3000069)
『妖艶子猫』
取得者: ミケ・テンリュウイン(CL3000238)
『情熱のルンバ』
取得者: ヒルダ・アークライト(CL3000279)
『可憐なチャチャチャ』
取得者: アリア・セレスティ(CL3000222)
『Anpan Lovers』
取得者: アダム・クランプトン(CL3000185)
『カタクラフトダンサー』
取得者: アリシア・フォン・フルシャンテ(CL3000227)
『アメイジング・グレイス』
取得者: ラメッシュ・K・ジェイン(CL3000120)
『少年聖歌隊』
取得者: ティア・ブラックリップ(CL3000489)
『ねこうた』
取得者: フーリィン・アルカナム(CL3000403)
『勇者の行進』
取得者: サシャ・プニコフ(CL3000122)
『恋はエルシー』
取得者: エルシー・スカーレット(CL3000368)

†あとがき†

1819年も宜しくお願いします。
FL送付済