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≪Fp1821≫Harmony!融合する文化の祭!

●魔導と蒸気が交差する街
フルール・ド・プランタン。二月に行われるイ・ラプセルの祭りだ。
ミモザの花を贈り合うこの祭りは、春待ちの祭りでもあり友愛の意を示す祭りでもある。これを機に様々な思いが交差し、そして街は賑わう。
イ・ラプセルと示したが、この言葉には多くの人間が含まれる。
水の女神アクアディーネがいるイ・ラプセル本島の人間。
シャンバラやヘルメリアと言ったイ・ラプセル領の人間。
そう言った戦争の中で、イ・ラプセルに帰化した人達。
多くの人達が集い、そして思いを伝えるお祭りだ。それは当然、様々な文化が混じり合うことでもある。
シャンバラの魔導文化。ヘルメリアの蒸気文明。それら以外にもイ・ラプセルは多くの人達と交流し、取り込んできた。
シャンバラで育った麦をヘルメリアで作られた蒸気窯で炊く。ヘルメリアで作られた蒸気ラジヲの音楽をバックに、ヨウセイ達が舞い踊る。魔法と蒸気が融合する祭りが、ここにあった。
自由騎士であるあなたは、この祭りを盛り上げてもいい。
戦いの中で得た技法や技術を披露することで祭りを盛り上げ、同時に民に安堵を与えることになる。
もちろん、祭りを楽しんでもいい。ミモザの咲く街は多くの露店がにぎわっている。様々な食べ物や見世物があるだろう。
そう言った喧噪を見ながら静かに過ごすのもいい。ミモザの花を渡し、日頃の感謝や愛を伝えるのもいいだろう。
フルール・ド・プランタン。二月に行われるイ・ラプセルの祭り。
貴方はこの祭りを前に――
フルール・ド・プランタン。二月に行われるイ・ラプセルの祭りだ。
ミモザの花を贈り合うこの祭りは、春待ちの祭りでもあり友愛の意を示す祭りでもある。これを機に様々な思いが交差し、そして街は賑わう。
イ・ラプセルと示したが、この言葉には多くの人間が含まれる。
水の女神アクアディーネがいるイ・ラプセル本島の人間。
シャンバラやヘルメリアと言ったイ・ラプセル領の人間。
そう言った戦争の中で、イ・ラプセルに帰化した人達。
多くの人達が集い、そして思いを伝えるお祭りだ。それは当然、様々な文化が混じり合うことでもある。
シャンバラの魔導文化。ヘルメリアの蒸気文明。それら以外にもイ・ラプセルは多くの人達と交流し、取り込んできた。
シャンバラで育った麦をヘルメリアで作られた蒸気窯で炊く。ヘルメリアで作られた蒸気ラジヲの音楽をバックに、ヨウセイ達が舞い踊る。魔法と蒸気が融合する祭りが、ここにあった。
自由騎士であるあなたは、この祭りを盛り上げてもいい。
戦いの中で得た技法や技術を披露することで祭りを盛り上げ、同時に民に安堵を与えることになる。
もちろん、祭りを楽しんでもいい。ミモザの咲く街は多くの露店がにぎわっている。様々な食べ物や見世物があるだろう。
そう言った喧噪を見ながら静かに過ごすのもいい。ミモザの花を渡し、日頃の感謝や愛を伝えるのもいいだろう。
フルール・ド・プランタン。二月に行われるイ・ラプセルの祭り。
貴方はこの祭りを前に――
†シナリオ詳細†
■成功条件
1.祭りを楽しむ
どくどくです。
お祭りです。まったりしましょう。
●説明ッ!
説明!
フルール・ド・プランタンです。街はミモザの花を売る花売りが笑顔で迎えてくれて、芸人達がお祭りとばかりに芸をしています。魔法と蒸気が融合した様々な光景で、皆が祭りを楽しんでいます。
そういった光景を楽しむもよし、友情や愛を告げるもよし、芸人に付き合うもよし、自ら芸をするもよし。楽しみ方は様々です。
行動は【1】~【4】をプレイング冒頭もしくはEXプレイングに書いてください。書かれてなければ察しますが、書いてくれると執筆の手間などの観点からどくどくマジ助かります。
【1】祭りを楽しむ:活気あふれるをフルール・ド・プランタン楽しみます。
【2】愛の告白:友愛や恋愛、そういった気持ちを静かな場所で誰かに伝えます。
【3】芸をする:自ら芸をします。人を傷つける目的でなければ、スキルの使用も可能です。模擬戦や魔法や蒸気技術の披露なども可能です。
【4】その他:主に町の警邏などの裏方等。発想次第で何でもあります。あくまで常識範囲内でお願いします。
●NPC
呼べばNPCは現れます。出てくるのは運営担当とどくどく担当のNPCとなります。
例外はアレイスター・クローリー(nCL3000017)です。
●場所情報
イ・ラプセル首都、サンクディゼール。フルール・ド・プランタンは町全体で行われています。時刻も特に指定はしません。デフォルトは昼。夜に何かしたければ夜も可能です。
【2】の場所は常識的範囲内でいくらでも設定可能です。王城内がギリギリラインです。
●イベントシナリオのルール
・参加料金は50LPです。
・予約期間はありません。参加ボタンを押した時点で参加が確定します。
・獲得リソースは通常依頼難易度普通の1/3です。
・特定の誰かと行動をしたい場合は『クラウス・フォン・プラテス(nCL3000003)』といった風にIDと名前を全て表記するようにして下さい。又、グループでの参加の場合、参加者全員が【グループ名】というタグをプレイングに記載する事で個別のフルネームをIDつきで書く必要がなくなります。
・NPCの場合も同様となりますがIDとフルネームは必要なく、名前のみでOKです。
・イベントシナリオでは参加キャラクター全員の描写が行なわれない可能性があります。
・内容を絞ったほうが良い描写が行われる可能性が高くなります。
・公序良俗にはご配慮ください。
・未成年の飲酒、タバコは禁止です。
皆様のプレイングをお待ちしています。
お祭りです。まったりしましょう。
●説明ッ!
説明!
フルール・ド・プランタンです。街はミモザの花を売る花売りが笑顔で迎えてくれて、芸人達がお祭りとばかりに芸をしています。魔法と蒸気が融合した様々な光景で、皆が祭りを楽しんでいます。
そういった光景を楽しむもよし、友情や愛を告げるもよし、芸人に付き合うもよし、自ら芸をするもよし。楽しみ方は様々です。
行動は【1】~【4】をプレイング冒頭もしくはEXプレイングに書いてください。書かれてなければ察しますが、書いてくれると執筆の手間などの観点からどくどくマジ助かります。
【1】祭りを楽しむ:活気あふれるをフルール・ド・プランタン楽しみます。
【2】愛の告白:友愛や恋愛、そういった気持ちを静かな場所で誰かに伝えます。
【3】芸をする:自ら芸をします。人を傷つける目的でなければ、スキルの使用も可能です。模擬戦や魔法や蒸気技術の披露なども可能です。
【4】その他:主に町の警邏などの裏方等。発想次第で何でもあります。あくまで常識範囲内でお願いします。
●NPC
呼べばNPCは現れます。出てくるのは運営担当とどくどく担当のNPCとなります。
例外はアレイスター・クローリー(nCL3000017)です。
●場所情報
イ・ラプセル首都、サンクディゼール。フルール・ド・プランタンは町全体で行われています。時刻も特に指定はしません。デフォルトは昼。夜に何かしたければ夜も可能です。
【2】の場所は常識的範囲内でいくらでも設定可能です。王城内がギリギリラインです。
●イベントシナリオのルール
・参加料金は50LPです。
・予約期間はありません。参加ボタンを押した時点で参加が確定します。
・獲得リソースは通常依頼難易度普通の1/3です。
・特定の誰かと行動をしたい場合は『クラウス・フォン・プラテス(nCL3000003)』といった風にIDと名前を全て表記するようにして下さい。又、グループでの参加の場合、参加者全員が【グループ名】というタグをプレイングに記載する事で個別のフルネームをIDつきで書く必要がなくなります。
・NPCの場合も同様となりますがIDとフルネームは必要なく、名前のみでOKです。
・イベントシナリオでは参加キャラクター全員の描写が行なわれない可能性があります。
・内容を絞ったほうが良い描写が行われる可能性が高くなります。
・公序良俗にはご配慮ください。
・未成年の飲酒、タバコは禁止です。
皆様のプレイングをお待ちしています。
状態
完了
完了
報酬マテリア
0個
0個
0個
1個




参加費
50LP
50LP
相談日数
7日
7日
参加人数
9/∞
9/∞
公開日
2021年02月25日
2021年02月25日
†メイン参加者 9人†

●ミモザの花の祭りの中で
「まさかこのような場所で通商連の議長とお会いできるとは、思いもしませんでしたな」
『智の実践者』テオドール・ベルヴァルド(CL3000375)は驚きの声を上げてカシミロ・ルンベック(nCL3000024)に目を向けた。護衛兼荷物持ちを伴った通商連の議長。フルール・ド・プランタンの空気を直で見てみたく、来訪したという。
「いえいえ。こちらこそ『ニルヴァンの杖』と呼ばれたベルヴァルド様にお会いできるとは。これも日ごろの行いですかな。同席よろしいですかな?」
テオドールの許諾を得た後に着席したカシミロは近くのウェイターに注文をする。
「であるならば素晴らしいことです。わが国では女神のご加護と言うべきでしょうか」
「通商連もそれにあやかりたいものですな。数年前までは小さな島国だったイ・ラプセルが、今や大陸を三分する大国です」
ヴィスマルク、イ・ラプセル、パノプティコン。現状この三国が大陸の覇を競っており、そして趨勢はイ・ラプセルに傾いている。正に破竹の勢いと見てもいいだろう。
「国を担う者としてありがたき賛辞。深く受け止めさせていただきます」
「はっはっは。公式の場でもない戯言ですよ。今はできれば肩書は無しにしたい……と言えないのが互いの立場ですな。
では折角です。イ・ラプセルの自由騎士としてこの祭りを紹介してください。商売になりそうなものがあればなお良し、と言うことで」
「ルンベック卿の慧眼をもってすれば、すぐに見つけられるでしょう。それでは――」
イ・ラプセル貴族と通商連議長は、歓談の後にフルール・ド・プランタンの街を練り歩く。
「……凄いことになってるね」
『紅の傀儡師』マグノリア・ホワイト(CL3000242)はメアリー・シェリー(nCL3000066)の住む部屋を尋ね……その部屋の有様にそう呟いた。
「あら、おはよう。錬金術師のラボはここにはないわよ」
コーヒーカップを片手に出迎えたメアリーの部屋は、その半分が機械の人形で埋め尽くされていた。夏に来ていた水中用防護服――彼女は水着と言い張るが――もある。
「いや、今日はフルール・ド・プランタンだからね。偶には陽の光をたっぷり浴びて、街の皆の様子を見てみない?」
分野こそ違えど同じ研究職。研究室に籠りがちな職業だが、折角の祭りだ、と言うことで外に誘いに来たのだ。
「ああ、そう言えばそんな日だったわね」
窓の外を見て頷くメアリー。そのまま朝食がてらに二人は近くの公園に赴く。ベンチに座ると、マグノリアはナッツ入りのチョコブラウニーをメアリーに渡す。
「お菓子作りは去年から興味を持ってね。最近は偶に自作するんだ。調合さえ間違えなければ簡単だからね」
渡されたチョコを口にするメアリー。その様子を見ながらマグノリアは微笑んだ。
「ヘルメリアにはこういう祭りはなかったのかな?」
「祭自体はあるけど、食べ物は大味だったわ。大釜で作ったオートミールに牛乳と砂糖を混ぜたのが一番の甘味ね。こんなふうに手間暇かけて作るとかはまずないわ」
「それはそれは」
ヘルメリアは料理に関しては大雑把だったんだなぁ、と改めてマグノリアは頷いた。
「確かに料理は手間暇かかるね。正直、分量や焼き加減は今でも解ってないよ」
「? 熱なんて最大火力で一気に焼けばいいんじゃないの?」
「そこからなんだね。……うん、今度料理を教えてあげよう。もしかしたら何かの役に立つかもしれないし」
メアリーの言葉に苦笑するマグノリア。ヘルメリアとの文化の壁は大きいが、それでも理解し合えると信じて。
●愛の告白 恋の情熱
「事は進み続けている。正念場だな」
「ヴィスマルクへの進軍は順調だ。パノプティコンも首都を残すのみ。だからこそ敵国も気合を入れるだろう」
祭事出張診療の休憩室で『咲かぬ橘』非時香・ツボミ(CL3000086)は同僚の医者であるサイラス・オーニッツ(nCL3000012)と会話をしていた。
「うむ。油断ならない状況だ。だがそれで終わりではない。
情報が全て正しければ、世界――未来そのものがかかっている。水晶の国に何かしらあるかもしれないし、あのアレイスターがまだ何か隠している可能性もある。何よりも白紙の未来、と言うのがどういうコトかもわかっていない」
言ってズブロッカをグラスに注いで、口に煽るツボミ。熱い感覚が内臓に届き、アルコールが意識を揺さぶった。
「……実際、色恋にかまけている場合ではない。そうだとも、今はそちらに目を向けている余裕はないんだ。その余裕がないのは事実だからな」
ため息と共にツボミは言葉を吐き出す。何かのタガが外れたようにズブロッカをグラスに注いで、嚥下した。
「まあ仮に恋が実ったとしても次代を残せるわけではないのだからな! なのでそこまで考える必要などかけらもないわけだし!
はっはっは。なんだ好都合じゃないか! よーしこのまま忙しさにかまけるぞ!」
ツボミはアルコールの勢いに任せて呵々大笑し……空気が抜けた風船のように意気消沈した。
「そうとも、今はそんな余裕はない。色恋沙汰の優先度は低い。ついでにそちらに力を注いでも得などない。ないんだけど……。
そうと分かっていても、自分自身すら説得できないのだよなぁ……。私もアホの一人と言う事か……」
心の中にいる異性を思いながら酒を飲み、ため息をつくツボミ。
(もう告白しろよ)
サイラスは同僚の愚痴に付き合いながら、心の中でこっそりため息をついた。
イ・ラプセルの首都サンクディゼール。その郊外――
祭りから外れた場所にある墓地で『鉄腕』フリオ・フルフラット(CL3000454)はミモザの花を手に墓参りをしていた。
「あれから、もう三年になるであります」
フリオが着ているのは、祭りに合わせた白いドレス。いつもの軍服とは違った華やかな装い。戦場のフリオが持つ雄々しさは今は控え、年齢相応の女性の美しさがそこにあった。それは格好だけではない。その笑顔も、そしてその心も――
「ありがとうございます。あの時助けてもらったから、今の私があります」
フリオはミモザの花を国防騎士団の隊長の墓に沿える。自分を助けるために命を散らした男性の墓。愛を伝える黄色い花を、その気持ちを込めて添える。
「隊長の大きな手。……大好きでした」
この気持ちが届くことはないけど。
この気持ちを告げることに意味はある。
フリオがその手を握ることは永遠にないけれど、その手を想い生きてくことはできる。この想い、この哀しみ、この温もり。その全てがフリオ・フルフラットの心の中で生きている。傷として、思い出として。……戦う理由として。
遠くから祭りの喧騒が聞こえる。フルール・ド・プランタンは始まったばかりだ。
流した涙をぬぐい、フリオは未来に歩き出す。
(シミュレーションは完璧です。今日こそは完璧に!)
フルール・ド・プランタン前日、脳内でキチンと計画を立てていた『春近し乙女』デボラ・ディートヘルム(CL3000511)は、
「ジョン様! ……あっ! ……おっ!」
ジョン・コーリナー(nCL3000046)を目の前にして、全ての計画は崩れ去った。赤面してしまい何も言葉が出ない。家に置いてきたはずの要らんことを喋る人形を喋る寸前に止めることが出来たのは、むしろ奇跡的と言えただろう。
「本日は良い良いお日柄で。フルール・ド・プランタンを祝うにはいい天気です。黄色い花がよくお似合いですよ」
「はっ、はい。ありがとうございます!」
朗らかに言ってミモザの花を渡されるデボラ。あ、ノルマ達成した。ジョンもここでミモザの花を渡す意味を理解していないわけではないはずだ。それはつまりそう言う事で、でもこれで終わりと言うのもなんというか!
「おや。お身体の調子が悪そうですね。連日の戦いでお疲れでしたら、今日はゆっくり休んだ方が――」
「いえ、大丈夫! 鍛えてますので!」
赤面と挙動不審を怪しんだジョンの気遣いを、自分の胸を叩いて否定するデボラ。そうだ、大丈夫。ここで終わるなんてもったいない! そうですよ、折角計画を立てたんです。それをどうにか思い出して――
「いえいえ。無理はなさらない方がいいですよ。今日はゆっくりしましょう」
「へ? あの――」
言ってデボラの肩に手を回し、誘導するジョン。男性の手を意識するデボラ。そのまま誘導されるままに近くのレストランで食事をとる。
「今日は戦いを忘れ、ゆっくり心と体を癒しましょう。戦争は正念場です。
貴女を過酷な戦いに向かわせるのは、忸怩たる思いがあるのですが」
「ジョン様、それは……。いいえ、大丈夫です!」
労いの中に聞こえたジョンの言葉。それを受けてデボラは笑みを浮かべる。
「貴方の言葉があれば、どんな死地でも耐え抜くことが出来ますとも」
ジョンから受け取ったミモザの花を手にして、デボラははっきりと言い放つ。
受け取った思いは胸に。騎士の誓いと恋する乙女の情熱を込めて、デボラは微笑んだ。
●
「さあ、アンセムさん。行きましょう」
「うん……ねむ……」
「ゆっくりでいいですよ。アンセムさんのペースに合わせますから」
『天を癒す者』たまき 聖流(CL3000283)はアンセム・フィンディング(nCL3000009)の手を引いて外に出る。フルール・ド・プランタンの華やかな通り。黄色いミモザの花が並ぶ明るい祭りの光景。
「はい、皆さん。色とりどりのキジンのパーツをお売りします。後、着色の様子を皆さんに見てもらいます」
たまきは自分が作ったキジンの手足のパーツに色を塗り、ファッションとして売っていた。厳密には装飾を施したのはアンセムだ。そしてアンセムはその隣で実際にパーツに色を塗っていた。
「漢なら燃えるような赤だな! カッチェー!」
「あの騎士様のような白色をお願いします!」
「……黒。漆黒にして暗黒。闇夜にして宵闇。それこそが我が色――」
と言った単色の希望もあれば、
「オレの名前とか書けるか? スペルは――」
「家紋を書いてくれ。形は……」
「子供が怯えないように、ウサギの絵を描いてほしい」
「やっぱりミモザの花だよな、時期的に!」
と言った芸術的な装飾を求める声もあった。
アンセムは寝ぼけ眼をこすりながらその要望に応え、たまきは描いた絵の上からコーティングして絵が落ちないようにしていた。
「いろんな……注文が、あるね……はふ……」
「ふふ。大丈夫ですか? 少し休憩します?」
うつらうつらと眠そうに頭を動かすアンセムを見ながら、たまきが心配そうに声をかける。
「大丈夫……いろんな人が……刺激になるから……」
「そうですか。では、もう少し頑張りましょう」
外に出て、様々な色彩を見ようとするアンセム。それを見てたまきは小さく笑みを浮かべた。もっと明るい所に出てきてほしい。もっといろんなところを一緒に見たい。そんな小さな願いが叶った気がしたから。
「ほいほい。語り手がおっさんですまんね」
『キセキの果て』ニコラス・モラル(CL3000453)はそんな言葉と共に、魔術によるパフォーマンスを始める。
「しんしんと降る雪が冬を告げる。それは沈黙の時。自然の牙が大地を冷やし、生命を喰らおうと吹雪が荒れる。ああ、残酷なる自然かな」
言いながらニコラスはサンダーバードを呼び出し、ヤ=オ=ガーを召喚する。荒れ狂う雷光と冷たい北風。それが冬の厳しさを示すかのようだった。――言うまでもないが、精霊が周りを巻き込まないように調整している。
「全ての生命は閉じこもり、眠りにつく。冬がこのまま続くならこの世は白く閉ざされてしまうだろう。
だが春は来る。温かい希望の風はいつか必ず吹くのだ」
「いえーい!」
ニコラスの台詞と共にアミナ・ミゼット(nCL3000051)が乱入してくる。ミモザの花をあしらった踊り子の衣装を着て、舞う度に籠から黄色い花びらを舞い散らせる。
予想外のアドリブに動じることなくニコラスは四季の女神を召喚し、周囲を灯りに満たした。春の訪れを示すかのような光が場を照らす。
「さあ、歌おう。踊ろう。春の訪れを。
冬はいつかは終わる。暗い時代はいつかは晴れる。輝かしい明日が待っている。空を見て、太陽の温かさを感じるんだ。横を見て、隣人の笑顔を見るんだ。大地を見て、育む作物を手にするんだ。春は、そこにあるのだから」
ニコラスの言葉と共に歓声が上がる。そして精霊たちの乱舞に負けじと踊りだす。
「ふぃー。綺麗なおねーちゃんが踊り子になってくれてよかったぜ」
「には。何時かは娘さんと祭りに出れるよいいね」
「そいつが許されるなら、だが」
二重の意味でそう呟くニコラス。娘が元気になるかどうか。自分が許されるかどうか。過去は消せない。ヘルメリアで行った事は償えるのだろうか?
「ニコっち、今自分がなんて言ったか忘れた? 春はいつか来るんだよ」
「……そうだな」
冬は終わり、春は来る。それはきっとニコラスにも――
●
温かい陽光。長閑な青空。風にそよぐ草原。
春を顕すようなロケーション。祭りの喧騒から離れたそんな場所に、
「春……と言えば虫です!」
ミウ・ムー(CL3000697)の声が響き渡った。
「虫取りですよ。標本用と飼育用の虫取りですよ! うっひょ〜〜!」
野外用の肌を隠す服装と、虫を取るための道具が複数。取った虫を納める為の虫かご。そう言った完全武装でミウは叫ぶ。どこからどう見ても虫を取りに来たと分かる。なおなんで虫を取りに来たのかと言うと、言葉の通り錬金術の標本と個人で飼育するためである。
「春の虫と言えば、チョウ、ハチ、ダンゴムシ、そしてテントウムシ! さーて、どこにいるのかなー。大丈夫ですよ、優しくしますからねー」
普段のミウを知る者からすれば、信じられないほどのハイテンションである。周りにだれもいない事もあってか、素のミウがそこにあった。
「あれは……もしかしたら新しいチョウ!? じっくり観察しなくてはぁ……」
好奇心マックス。動機マックス。錬金術師としてというよりはミウ本人の感情が表に出ていた。
「次は林に行きましょう! もしかしたらトンボの類が見つかるかもしれません!」
野原と違って地面に落ち葉重なる林の中は、また違った虫がいる。メモを片手に虫の声帯を頭の中に思い浮かべながら、ミウは虫採集に向かうのであった。
「平和なものですね」
『未来を切り拓く祈り』アンジェリカ・フォン・ヴァレンタイン(CL3000505)はフルール・ド・プランタンの祭りを警護しながら、そんな事を呟いた。騒ぐ人こそいるが、暴動と言うレベルではない。この辺りはイ・ラプセルの国民性なのだろう。
(良かったです。空飛ぶパスタ様の御加護は必要なかったようですね。
平和な国。平和な世界。人が皆、こうであればいいのに)
騒がしい祭りを見ながら、アンジェリカは切に願う。しかしそうもいかないのが人間であることも、これまでの戦いで知っていた。人は争う。その理由は様々だ。金の為、肉欲の為、暴力に酔って、権力を欲して、数え始めればきりがない。
イ・ラプセルもそうだ。白紙の未来を回避するために剣を取り、神を滅ぼしてきた。そこに後悔はない。そうしなければ、世界はいずれ終わってしまうのだから。
「……ええ。この光景が未来永劫続きますように」
春を告げる祭り。それに喜ぶ人達。それを絶やしてはならない。
誓いを胸に、アンジェリカは祭りを見ていた――
「まさかこのような場所で通商連の議長とお会いできるとは、思いもしませんでしたな」
『智の実践者』テオドール・ベルヴァルド(CL3000375)は驚きの声を上げてカシミロ・ルンベック(nCL3000024)に目を向けた。護衛兼荷物持ちを伴った通商連の議長。フルール・ド・プランタンの空気を直で見てみたく、来訪したという。
「いえいえ。こちらこそ『ニルヴァンの杖』と呼ばれたベルヴァルド様にお会いできるとは。これも日ごろの行いですかな。同席よろしいですかな?」
テオドールの許諾を得た後に着席したカシミロは近くのウェイターに注文をする。
「であるならば素晴らしいことです。わが国では女神のご加護と言うべきでしょうか」
「通商連もそれにあやかりたいものですな。数年前までは小さな島国だったイ・ラプセルが、今や大陸を三分する大国です」
ヴィスマルク、イ・ラプセル、パノプティコン。現状この三国が大陸の覇を競っており、そして趨勢はイ・ラプセルに傾いている。正に破竹の勢いと見てもいいだろう。
「国を担う者としてありがたき賛辞。深く受け止めさせていただきます」
「はっはっは。公式の場でもない戯言ですよ。今はできれば肩書は無しにしたい……と言えないのが互いの立場ですな。
では折角です。イ・ラプセルの自由騎士としてこの祭りを紹介してください。商売になりそうなものがあればなお良し、と言うことで」
「ルンベック卿の慧眼をもってすれば、すぐに見つけられるでしょう。それでは――」
イ・ラプセル貴族と通商連議長は、歓談の後にフルール・ド・プランタンの街を練り歩く。
「……凄いことになってるね」
『紅の傀儡師』マグノリア・ホワイト(CL3000242)はメアリー・シェリー(nCL3000066)の住む部屋を尋ね……その部屋の有様にそう呟いた。
「あら、おはよう。錬金術師のラボはここにはないわよ」
コーヒーカップを片手に出迎えたメアリーの部屋は、その半分が機械の人形で埋め尽くされていた。夏に来ていた水中用防護服――彼女は水着と言い張るが――もある。
「いや、今日はフルール・ド・プランタンだからね。偶には陽の光をたっぷり浴びて、街の皆の様子を見てみない?」
分野こそ違えど同じ研究職。研究室に籠りがちな職業だが、折角の祭りだ、と言うことで外に誘いに来たのだ。
「ああ、そう言えばそんな日だったわね」
窓の外を見て頷くメアリー。そのまま朝食がてらに二人は近くの公園に赴く。ベンチに座ると、マグノリアはナッツ入りのチョコブラウニーをメアリーに渡す。
「お菓子作りは去年から興味を持ってね。最近は偶に自作するんだ。調合さえ間違えなければ簡単だからね」
渡されたチョコを口にするメアリー。その様子を見ながらマグノリアは微笑んだ。
「ヘルメリアにはこういう祭りはなかったのかな?」
「祭自体はあるけど、食べ物は大味だったわ。大釜で作ったオートミールに牛乳と砂糖を混ぜたのが一番の甘味ね。こんなふうに手間暇かけて作るとかはまずないわ」
「それはそれは」
ヘルメリアは料理に関しては大雑把だったんだなぁ、と改めてマグノリアは頷いた。
「確かに料理は手間暇かかるね。正直、分量や焼き加減は今でも解ってないよ」
「? 熱なんて最大火力で一気に焼けばいいんじゃないの?」
「そこからなんだね。……うん、今度料理を教えてあげよう。もしかしたら何かの役に立つかもしれないし」
メアリーの言葉に苦笑するマグノリア。ヘルメリアとの文化の壁は大きいが、それでも理解し合えると信じて。
●愛の告白 恋の情熱
「事は進み続けている。正念場だな」
「ヴィスマルクへの進軍は順調だ。パノプティコンも首都を残すのみ。だからこそ敵国も気合を入れるだろう」
祭事出張診療の休憩室で『咲かぬ橘』非時香・ツボミ(CL3000086)は同僚の医者であるサイラス・オーニッツ(nCL3000012)と会話をしていた。
「うむ。油断ならない状況だ。だがそれで終わりではない。
情報が全て正しければ、世界――未来そのものがかかっている。水晶の国に何かしらあるかもしれないし、あのアレイスターがまだ何か隠している可能性もある。何よりも白紙の未来、と言うのがどういうコトかもわかっていない」
言ってズブロッカをグラスに注いで、口に煽るツボミ。熱い感覚が内臓に届き、アルコールが意識を揺さぶった。
「……実際、色恋にかまけている場合ではない。そうだとも、今はそちらに目を向けている余裕はないんだ。その余裕がないのは事実だからな」
ため息と共にツボミは言葉を吐き出す。何かのタガが外れたようにズブロッカをグラスに注いで、嚥下した。
「まあ仮に恋が実ったとしても次代を残せるわけではないのだからな! なのでそこまで考える必要などかけらもないわけだし!
はっはっは。なんだ好都合じゃないか! よーしこのまま忙しさにかまけるぞ!」
ツボミはアルコールの勢いに任せて呵々大笑し……空気が抜けた風船のように意気消沈した。
「そうとも、今はそんな余裕はない。色恋沙汰の優先度は低い。ついでにそちらに力を注いでも得などない。ないんだけど……。
そうと分かっていても、自分自身すら説得できないのだよなぁ……。私もアホの一人と言う事か……」
心の中にいる異性を思いながら酒を飲み、ため息をつくツボミ。
(もう告白しろよ)
サイラスは同僚の愚痴に付き合いながら、心の中でこっそりため息をついた。
イ・ラプセルの首都サンクディゼール。その郊外――
祭りから外れた場所にある墓地で『鉄腕』フリオ・フルフラット(CL3000454)はミモザの花を手に墓参りをしていた。
「あれから、もう三年になるであります」
フリオが着ているのは、祭りに合わせた白いドレス。いつもの軍服とは違った華やかな装い。戦場のフリオが持つ雄々しさは今は控え、年齢相応の女性の美しさがそこにあった。それは格好だけではない。その笑顔も、そしてその心も――
「ありがとうございます。あの時助けてもらったから、今の私があります」
フリオはミモザの花を国防騎士団の隊長の墓に沿える。自分を助けるために命を散らした男性の墓。愛を伝える黄色い花を、その気持ちを込めて添える。
「隊長の大きな手。……大好きでした」
この気持ちが届くことはないけど。
この気持ちを告げることに意味はある。
フリオがその手を握ることは永遠にないけれど、その手を想い生きてくことはできる。この想い、この哀しみ、この温もり。その全てがフリオ・フルフラットの心の中で生きている。傷として、思い出として。……戦う理由として。
遠くから祭りの喧騒が聞こえる。フルール・ド・プランタンは始まったばかりだ。
流した涙をぬぐい、フリオは未来に歩き出す。
(シミュレーションは完璧です。今日こそは完璧に!)
フルール・ド・プランタン前日、脳内でキチンと計画を立てていた『春近し乙女』デボラ・ディートヘルム(CL3000511)は、
「ジョン様! ……あっ! ……おっ!」
ジョン・コーリナー(nCL3000046)を目の前にして、全ての計画は崩れ去った。赤面してしまい何も言葉が出ない。家に置いてきたはずの要らんことを喋る人形を喋る寸前に止めることが出来たのは、むしろ奇跡的と言えただろう。
「本日は良い良いお日柄で。フルール・ド・プランタンを祝うにはいい天気です。黄色い花がよくお似合いですよ」
「はっ、はい。ありがとうございます!」
朗らかに言ってミモザの花を渡されるデボラ。あ、ノルマ達成した。ジョンもここでミモザの花を渡す意味を理解していないわけではないはずだ。それはつまりそう言う事で、でもこれで終わりと言うのもなんというか!
「おや。お身体の調子が悪そうですね。連日の戦いでお疲れでしたら、今日はゆっくり休んだ方が――」
「いえ、大丈夫! 鍛えてますので!」
赤面と挙動不審を怪しんだジョンの気遣いを、自分の胸を叩いて否定するデボラ。そうだ、大丈夫。ここで終わるなんてもったいない! そうですよ、折角計画を立てたんです。それをどうにか思い出して――
「いえいえ。無理はなさらない方がいいですよ。今日はゆっくりしましょう」
「へ? あの――」
言ってデボラの肩に手を回し、誘導するジョン。男性の手を意識するデボラ。そのまま誘導されるままに近くのレストランで食事をとる。
「今日は戦いを忘れ、ゆっくり心と体を癒しましょう。戦争は正念場です。
貴女を過酷な戦いに向かわせるのは、忸怩たる思いがあるのですが」
「ジョン様、それは……。いいえ、大丈夫です!」
労いの中に聞こえたジョンの言葉。それを受けてデボラは笑みを浮かべる。
「貴方の言葉があれば、どんな死地でも耐え抜くことが出来ますとも」
ジョンから受け取ったミモザの花を手にして、デボラははっきりと言い放つ。
受け取った思いは胸に。騎士の誓いと恋する乙女の情熱を込めて、デボラは微笑んだ。
●
「さあ、アンセムさん。行きましょう」
「うん……ねむ……」
「ゆっくりでいいですよ。アンセムさんのペースに合わせますから」
『天を癒す者』たまき 聖流(CL3000283)はアンセム・フィンディング(nCL3000009)の手を引いて外に出る。フルール・ド・プランタンの華やかな通り。黄色いミモザの花が並ぶ明るい祭りの光景。
「はい、皆さん。色とりどりのキジンのパーツをお売りします。後、着色の様子を皆さんに見てもらいます」
たまきは自分が作ったキジンの手足のパーツに色を塗り、ファッションとして売っていた。厳密には装飾を施したのはアンセムだ。そしてアンセムはその隣で実際にパーツに色を塗っていた。
「漢なら燃えるような赤だな! カッチェー!」
「あの騎士様のような白色をお願いします!」
「……黒。漆黒にして暗黒。闇夜にして宵闇。それこそが我が色――」
と言った単色の希望もあれば、
「オレの名前とか書けるか? スペルは――」
「家紋を書いてくれ。形は……」
「子供が怯えないように、ウサギの絵を描いてほしい」
「やっぱりミモザの花だよな、時期的に!」
と言った芸術的な装飾を求める声もあった。
アンセムは寝ぼけ眼をこすりながらその要望に応え、たまきは描いた絵の上からコーティングして絵が落ちないようにしていた。
「いろんな……注文が、あるね……はふ……」
「ふふ。大丈夫ですか? 少し休憩します?」
うつらうつらと眠そうに頭を動かすアンセムを見ながら、たまきが心配そうに声をかける。
「大丈夫……いろんな人が……刺激になるから……」
「そうですか。では、もう少し頑張りましょう」
外に出て、様々な色彩を見ようとするアンセム。それを見てたまきは小さく笑みを浮かべた。もっと明るい所に出てきてほしい。もっといろんなところを一緒に見たい。そんな小さな願いが叶った気がしたから。
「ほいほい。語り手がおっさんですまんね」
『キセキの果て』ニコラス・モラル(CL3000453)はそんな言葉と共に、魔術によるパフォーマンスを始める。
「しんしんと降る雪が冬を告げる。それは沈黙の時。自然の牙が大地を冷やし、生命を喰らおうと吹雪が荒れる。ああ、残酷なる自然かな」
言いながらニコラスはサンダーバードを呼び出し、ヤ=オ=ガーを召喚する。荒れ狂う雷光と冷たい北風。それが冬の厳しさを示すかのようだった。――言うまでもないが、精霊が周りを巻き込まないように調整している。
「全ての生命は閉じこもり、眠りにつく。冬がこのまま続くならこの世は白く閉ざされてしまうだろう。
だが春は来る。温かい希望の風はいつか必ず吹くのだ」
「いえーい!」
ニコラスの台詞と共にアミナ・ミゼット(nCL3000051)が乱入してくる。ミモザの花をあしらった踊り子の衣装を着て、舞う度に籠から黄色い花びらを舞い散らせる。
予想外のアドリブに動じることなくニコラスは四季の女神を召喚し、周囲を灯りに満たした。春の訪れを示すかのような光が場を照らす。
「さあ、歌おう。踊ろう。春の訪れを。
冬はいつかは終わる。暗い時代はいつかは晴れる。輝かしい明日が待っている。空を見て、太陽の温かさを感じるんだ。横を見て、隣人の笑顔を見るんだ。大地を見て、育む作物を手にするんだ。春は、そこにあるのだから」
ニコラスの言葉と共に歓声が上がる。そして精霊たちの乱舞に負けじと踊りだす。
「ふぃー。綺麗なおねーちゃんが踊り子になってくれてよかったぜ」
「には。何時かは娘さんと祭りに出れるよいいね」
「そいつが許されるなら、だが」
二重の意味でそう呟くニコラス。娘が元気になるかどうか。自分が許されるかどうか。過去は消せない。ヘルメリアで行った事は償えるのだろうか?
「ニコっち、今自分がなんて言ったか忘れた? 春はいつか来るんだよ」
「……そうだな」
冬は終わり、春は来る。それはきっとニコラスにも――
●
温かい陽光。長閑な青空。風にそよぐ草原。
春を顕すようなロケーション。祭りの喧騒から離れたそんな場所に、
「春……と言えば虫です!」
ミウ・ムー(CL3000697)の声が響き渡った。
「虫取りですよ。標本用と飼育用の虫取りですよ! うっひょ〜〜!」
野外用の肌を隠す服装と、虫を取るための道具が複数。取った虫を納める為の虫かご。そう言った完全武装でミウは叫ぶ。どこからどう見ても虫を取りに来たと分かる。なおなんで虫を取りに来たのかと言うと、言葉の通り錬金術の標本と個人で飼育するためである。
「春の虫と言えば、チョウ、ハチ、ダンゴムシ、そしてテントウムシ! さーて、どこにいるのかなー。大丈夫ですよ、優しくしますからねー」
普段のミウを知る者からすれば、信じられないほどのハイテンションである。周りにだれもいない事もあってか、素のミウがそこにあった。
「あれは……もしかしたら新しいチョウ!? じっくり観察しなくてはぁ……」
好奇心マックス。動機マックス。錬金術師としてというよりはミウ本人の感情が表に出ていた。
「次は林に行きましょう! もしかしたらトンボの類が見つかるかもしれません!」
野原と違って地面に落ち葉重なる林の中は、また違った虫がいる。メモを片手に虫の声帯を頭の中に思い浮かべながら、ミウは虫採集に向かうのであった。
「平和なものですね」
『未来を切り拓く祈り』アンジェリカ・フォン・ヴァレンタイン(CL3000505)はフルール・ド・プランタンの祭りを警護しながら、そんな事を呟いた。騒ぐ人こそいるが、暴動と言うレベルではない。この辺りはイ・ラプセルの国民性なのだろう。
(良かったです。空飛ぶパスタ様の御加護は必要なかったようですね。
平和な国。平和な世界。人が皆、こうであればいいのに)
騒がしい祭りを見ながら、アンジェリカは切に願う。しかしそうもいかないのが人間であることも、これまでの戦いで知っていた。人は争う。その理由は様々だ。金の為、肉欲の為、暴力に酔って、権力を欲して、数え始めればきりがない。
イ・ラプセルもそうだ。白紙の未来を回避するために剣を取り、神を滅ぼしてきた。そこに後悔はない。そうしなければ、世界はいずれ終わってしまうのだから。
「……ええ。この光景が未来永劫続きますように」
春を告げる祭り。それに喜ぶ人達。それを絶やしてはならない。
誓いを胸に、アンジェリカは祭りを見ていた――
†シナリオ結果†
成功
†詳細†
称号付与
『嚥下する想いとズブロッカ』
取得者: 非時香・ツボミ(CL3000086)
『この気持ちが届くことはないけど』
取得者: フリオ・フルフラット(CL3000454)
『義肢に描かれし色彩』
取得者: たまき 聖流(CL3000283)
取得者: 非時香・ツボミ(CL3000086)
『この気持ちが届くことはないけど』
取得者: フリオ・フルフラット(CL3000454)
『義肢に描かれし色彩』
取得者: たまき 聖流(CL3000283)
特殊成果
『ミモザの花』
カテゴリ:アクセサリ
取得者:アンジェリカ・フォン・ヴァレンタイン(CL3000505)
『ミモザの花』
カテゴリ:アクセサリ
取得者:非時香・ツボミ(CL3000086)
『ミモザの花』
カテゴリ:アクセサリ
取得者:テオドール・ベルヴァルド(CL3000375)
『ミモザの花』
カテゴリ:アクセサリ
取得者:デボラ・ディートヘルム(CL3000511)
『ミモザの花』
カテゴリ:アクセサリ
取得者:フリオ・フルフラット(CL3000454)
『ミモザの花』
カテゴリ:アクセサリ
取得者:ニコラス・モラル(CL3000453)
『春の虫』
カテゴリ:アクセサリ
取得者:ミウ・ムー(CL3000697)
『ミモザの花』
カテゴリ:アクセサリ
取得者:マグノリア・ホワイト(CL3000242)
『ミモザの花』
カテゴリ:アクセサリ
取得者:たまき 聖流(CL3000283)
カテゴリ:アクセサリ
取得者:アンジェリカ・フォン・ヴァレンタイン(CL3000505)
『ミモザの花』
カテゴリ:アクセサリ
取得者:非時香・ツボミ(CL3000086)
『ミモザの花』
カテゴリ:アクセサリ
取得者:テオドール・ベルヴァルド(CL3000375)
『ミモザの花』
カテゴリ:アクセサリ
取得者:デボラ・ディートヘルム(CL3000511)
『ミモザの花』
カテゴリ:アクセサリ
取得者:フリオ・フルフラット(CL3000454)
『ミモザの花』
カテゴリ:アクセサリ
取得者:ニコラス・モラル(CL3000453)
『春の虫』
カテゴリ:アクセサリ
取得者:ミウ・ムー(CL3000697)
『ミモザの花』
カテゴリ:アクセサリ
取得者:マグノリア・ホワイト(CL3000242)
『ミモザの花』
カテゴリ:アクセサリ
取得者:たまき 聖流(CL3000283)
†あとがき†
そして、春は訪れる――
FL送付済