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X Breed! 死の砲弾を放つ黒犬!



●喰らう都市
『ロンディアナ』はヘルメリアの街を喰らい、取り込みながら北上する。その道中にある物も、逃げ遅れれば『喰われて』しまう。
 例えば――人を襲わずひっそりと過ごしていた幻想種も。

●死の黒犬
 黒の毛並みは夜を想起させ、燃えるような赤い瞳は不吉な星を思わせる。
 ブラックドック。死の先触れとして十字路に現れる不吉な犬。または墓場を守る死の番人。どうあれが死を意味する兆しであることには変わりない。
 その報告を受けたイ・ラプセル騎士団は偵察として数名、幻想種が現れた場所に派遣した。探査系技術に長けた騎士達はすぐに目標を発見し――
「なんだあれは……?」
 その姿に驚愕した。
 黒い毛並み、赤い瞳、大きさは2mほど。そこまではいい。
 背中に生えた黒い砲塔。戦車のそれに似たあからさまな機械が背中にあった。乗せている、というようなものではない。体と一体化している。
 まるで、キジンのカタクラフトのように。
「撤退だ。戻って報告するぞ」
 騎士達の任務は斥候だ。戦闘行為は最低限にして撤退する。この情報を元に討伐作戦を考えなくてはいけないのだから。
 風下に回るようにして騎士達は撤退する。その姿が見えなくなるまで、騎士達は生きた心地がしなかったという。

●自由騎士
「幻想種に機械が融合されていた、と聞いたらお前達は何を想像する?」
『軍事顧問』フレデリック・ミハイロフ(nCL3000005)は集まった自由騎士達にそう問いかけた。その答えを返す前にフレデリックは言葉を続ける。
「現在調査中だが、移動中の『ロンディアナ』の方向から機械と融合した幻想種が現れている。幻想種本来の能力と、融合された機械の機能を持つようだ。
 暫定的だがこれらを『融合種』と命名した」
 ここまでが前置きだ、とばかりにフレデリックは羊皮紙に書かれた報告書を机の上に置く。斥候の報告書だ。ブラックドックの伝承と予測される能力、そして融合された主砲のスペックだ。
「死を告げる黒犬、ブラックドック。不吉ではあるが基本的には獣系の幻想種だ。近接戦闘を中心とした戦法を取る。それに加えてこの砲は撃つのに時間がかかるが、広範囲に弾をばらまく。注意してくれ。
 推測だが……これが『人機融合装置』によるものなら、メンテナンスを施さなければいずれ死に至るだろう。生かすつもりなら、メアリー・シェリーに一報入れておく。あとは任せたぞ」
 自由騎士達は頷き、報告書に示された場所に向かう。


†シナリオ詳細†
シナリオタイプ
通常シナリオ
シナリオカテゴリー
魔物討伐
担当ST
どくどく
■成功条件
1.『融合種』の打破
 どくどくです。
 タイトルの読み方は『クロスブリード』です(ちゅうにてきどやぁ

●敵情報
・マリス式ブラックドック(×1)
 幻想種ブラックドックの背中に、マリス式戦車の主砲が乗せられた存在です。『融合種』と命名されました。
 性格は凶暴です。人語は壊せますが、話し合いをするつもりはありません。

 攻撃方法
噛みつき 攻近単 鋭い牙で噛みついてきます。【二連】
鉤爪   攻近範 前足のかぎ爪でひっかきます。
主砲発射 攻遠全 背中に融合している主砲で戦場を穿ちます。溜1
紅き魔眼 魔遠単 死を想起させる赤の魔眼。【生命逆転】
死の咆哮 魔遠全 心を砕き、不運を呼ぶ雄叫び。【コンフェ1】【アンラック2】【ダメージ0】
墓守の犬  P  死に近づくにつれて力が増していきます。HP20%以下で攻撃力と魔法力増加

●場所情報
 ヘルメリアの荒野。時刻は夕刻。広さや明るさなどは戦闘に影響しません。
 戦闘開始時、敵前衛に『マリス式ブラックドック(×1)』がいます。
 事前付与は一度だけ可能です。

 皆様のプレイングをお待ちしています。

状態
完了
報酬マテリア
6個  2個  2個  2個
10モル 
参加費
100LP [予約時+50LP]
相談日数
6日
参加人数
7/8
公開日
2020年02月20日

†メイン参加者 7人†




「機械と幻想種が融合しちゃうなんて」
 戦車の主砲と融合したブラックドッグを前にして『黒砂糖はたからもの』リサ・スターリング(CL3000343)は悲しげな眼をした。自然の中では生まれない歪んだ生命。それを為したのは間違いなくヘルメリアのヘルメス――
「どうして、そんなことが出来るんだろう……」
「融合種……ブラックドッグと戦車の、生物と無生物の……」
 セアラ・ラングフォード(CL3000634)もその姿に顔を哀しみに染めていた。背中の砲台の重さで背中が歪み、接合部分が痛むのか始終体を揺すっている。明らかに不自然な融合。しかしそれを為すのがデウスギアなのだ。
「おそらくヘルメスがあのブラックドッグをこちらに差し向けたんでしょうね」
「まったく神ってのは、どこの国でもロクなもんじゃねえなぁ」
 出奔した国のことを思い出しながら『砂塵の戦鬼』ジーニー・レイン(CL3000647)は頷いた。流れ流れてイ・ラプセルに定住したのは、アクアディーネ様がまともだというだけにすぎない。この国の神様も、酷いもんだと肩をすくめた。
「ったく。神なんか何考えてるのかわかりゃしない」
「その辺りは先の話だ。今は目の前の敵を片づけるぞ」
 槍を構えて『装攻機兵』アデル・ハビッツ(CL3000496)が呟く。包帯が取れたばかりの身体はまだ少しなまっているが、動きに支障はなさそうだ。もっとも、体を動かしておしまい、という案件ではないのが難点か。
「敵は単体。連携を取って、油断なく攻めるぞ」
「確かにな。まだ先だ。あともう少し、先の話だ」
 銃の確認をしながら『英雄殺し』ザルク・ミステル(CL3000067)は頷く。融合種、とよばれた者達を生み出しているのはヘルメスであり、人機融合装置だ。それを押さえない限り、ヘルメリアと言う国は滅びない。そこまであと、もう少し――
「後二つ――」
「気張るなよ。いや、気持ちは解るがな」
 そんなザルクに向けて肩の息を抜くようにため息をつく『キセキの果て』ニコラス・モラル(CL3000453)。焦って先走り、今まで積み上げたモノを崩してしまえば意味がない。目的を成し遂げた後も、けして楽とは言えないのだから。
「しかしまあ、気持ちのいい相手じゃないのは確かだな。ブラックドッグをどうするにせよ」
「命の価値、か」
 錬金術師の『紅の傀儡師』マグノリア・ホワイト(CL3000242)は静かに呟いた。価値観は様々だ。それぞれが思うように価値を抱けばいい。それら全てを否定せず、妥協点を見つけるしかないのだ。
「ともあれ、ブラックドッグを押さえないと、ね」
 マグノリアの言葉に頷き、自由騎士達は武器を構える。今目の前の命をどうするかは、動けなくしてからの話だ。このまま放置して人の住む場所を襲うようになれば、人を守る立場として擁護できなくなる。
 怒りの感情をぶつける様に咆哮をあげる幻想種。そのうっぷんを晴らすように突撃してくる。
 融合種と自由騎士。その二つがぶつかり合う。


「大人しくしてもらうぞ」
 短く言い放ち、アデルがブラックドッグの前に立つ。愛用の槍を手にして、ここから先は通さないと言わんがばかりに真正面に立つ。うなりをあげる幻想種の怒りの感情を真っ向から受け止め、それに屈しぬとばかりに穂先を向ける。
 隙ともいえぬ小さな意識の差。その差をついたのはアデルの方だった。ブックドッグが僅かに逸らした死線を突くように踏み込み、真っ直ぐに槍を突き出す。それを避けた幻想種の動くを追うように穂先を向け、今度こそ槍は黒い肌に突き刺さった。
「前には俺が立つ。皆、展開だ」
「こいつもヘルメスの犠牲者なんだよな」
 融合された戦車砲を見てザルクは奥歯を噛みしめる。ヘルメリアの神、ヘルメス。この国の在り方はあの神が全て関わっている。自分が受けたことを思い出し、心の中に炎が燃える。この炎が向かう先は――
 呼気を整え、銃を構えるザルク。動き回るブラックドッグを追い詰める様に二挺の拳銃を同時に撃ち、退路を狭める様に弾丸を放っていく。動きを予測し、相手の動きの更に策を狙う。ガンナーとしての経験がそれを為していた。
「融合か。ここを何とかしないとな」
「確かに。でも現状、出来る事は多くないけど。ね」
 ザルクの言葉に頷いてから答えるマグノリア。現状、人機融合装置によって融合させられた者に対してできるアプローチは少ない。ヘルメスのオルクスが持つ権能で、メンテナンスが出来る程度だ。それとて現状維持でしかない。
 そこがスタートライン。事実を認め、そこからどうするかを考えるのが錬金術。とにかく今はおとなしくさせることが第一優先だ。蒼のマナを解き放ち、乾いた空気を低温の風に変える。生まれる氷の檻がブラックドッグを閉じ込めていく。
「どういう意見であっても、否定はしないよ。それが『命』なのだから」
「……まあ、論理的ではあるわな」
 マグノリアの言葉を聞いてニコラスは苦笑する。その意見は正しい。だからと言って受け入れられるかというとそれは別問題だ。身内が人機融合のメンテナンスを必要としている現状、過剰にその問題を掘り起こされたくはない。下手をすれば娘は――
 最悪の未来を振り払うように首を振り、意識を戦闘に向けるニコラス。『不浄の鍵剣』を手にして魔力を練り上げ、仲間達に癒しの術式を解き放つ。風に乗って運ばれる細かな白きマナ。マナが仲間の傷口に触れ、痛みを和らげていく。
「とまれ仕事仕事。倒れない程度にがんばりますよー」
「はい。頑張りましょう!」
 ニコラスの隣で回復に勤しむセアラ。融合したブラックドッグに思うとことはあるが、自分一人ではどうにかできるものではない。今は自分に出来る事を精一杯。そう心に決めて武器を握りしめた。
 呼吸を整え、背筋を伸ばす。肺の中を満たす空気をゆっくり吐き出すようにしながら呪文を唱える。音律と言葉の意味、それらがマナと結びつき光り輝く粒子となる。優しく光るマナの輝きが、仲間の精神を落ち着かせて混乱を押さえていく。
「でも、巻き込まれたブラックドッグにしてみれば、ヘルメリアと戦争をする私たちも似たようなものでしょうね」
「だからと言って見捨てていいってわけじゃねーからな!」
 弱気になるセアラにジーニーが言い放つ。管理社会且つ実力重視主義のパノプティコンでは他人を助けるような人間は少ない。ジーニーはそんな社会に嫌気がさして出奔したのだ。だから伸ばせるなら手を伸ばす。
 まっすぐ行ってぶっとばす。それだけを心に秘め、ジーニーはブラックドッグに迫る。巨大な斧を両手に抱え、ただ一撃を叩きつける為に全身を振るう。重戦士なら誰もが持ちうる技。そんな基本だからこそ、その一撃は強い。
「イ・ラプセル流に行くなら、種族関係なくみな平等に、だろ?」
「うん、そうだね。下を向いている場合じゃない!」
 ジーニーの言葉に頷くリサ。融合種の誕生はヘルメスを追い詰めたからだと陰うつになっていたリサだが、それはただの結果論だ。悪いのは幻想種と機械を融合させたヘルメスであり、それをどうにかできるのは自分達なのだから。
 ブラックドッグの動きに合わせるようにステップを踏み、構えを崩さないようにしながら相手との間合いを詰めるリサ。黒犬の爪と牙をかいくぐり、ナックルを幻想種に叩き込む。貫くような衝撃にブラックドッグは唸りをあげた。
「大人しくしてもらうよ! 今は痛いかもしれないけど――」
 もしかしたら、救いがあるかもしれない。
 一縷の望み。クモの糸のような細い糸。それがある限り、自由騎士の心は折れない。
『ルガアアアアアアアア!』
 叫ぶブラックドッグ。その叫びに宿る戦意に衰えはない。野生と、そして怒りを含んだ死の運び手の咆哮。
 震える空気を感じながら、自由騎士達は更に戦いに没頭していく。


 自由騎士達はアデル、サラ、ジーニーを前衛に敷いて、後衛にいるマグノリア、ニコラス、ザルク、セアラを守るようにして戦いを挑んでいた。
 ブラックドッグに確実にダメージを積みかねているが、墓守ともいえる幻想種は容易には崩せない。そのかぎ爪が、そして主砲が自由騎士達の体力を奪っていく。魔眼で回復を封じ、前衛に一気に襲い掛かる。
「うわぁ!」
「やるじゃないか! 大した魔眼だ!」
「この程度では……倒れません!」
 リサとジーニー、そしてセアラがフラグメンツを削られるほどの傷を負う。
「ここからが本番だぜ!」
 傷ついたジーニーの体に熱がこもる。血を失い、朦朧としながらも闘志だけは高まっていく。マザリモノとして持っている精霊の血か、はたまた生後に会得した努力の結果か。戦斧を持つ手に力がこもり、雄叫びと共に狂戦士は疾駆する。
「魔眼の呪いは私が解除します。ニコラス様は皆様の傷を癒してください!」
 ブラックドッグの赤い魔眼は生命の流れを狂わせる。仲間にかけられたその力をセアラは癒し、正しい肉体の流れを取り戻す。救える命は全て救おう。自分も、仲間も、そしてできるならこの幻想種も。
「何とか殺さずに捕らえて、そして――!」
 肩で呼吸をしながら、リサはブラックドッグを見る。戦車の砲台を無理やりつけられ、苦しそうに暴れる幻想種。現状できる事は、ヘルメスの権能でその痛みを和らげる程度だ。それでも希望はきっとある。そう信じて、拳を握りしめた。
「主砲、装填確認。守りに入る」
 ブラックドッグの背中に弾丸が装填される。それを確認したアデルは皆に声をかけ、癒し手のセアラを守るために後ろに下がった。槍を縦に構えて地面に突き立て、吹き飛ばされないように杭にする。襲い掛かる衝撃にフラグメンツを燃やし、なんとか意識を保つ。
「流石デウスギア。並大抵のことじゃ融合は解けないか」
 ブラックドッグの生体部分と主砲部分の境目。そこに弾丸を叩き込むザルクだが、いい結果が出ない事を察して舌打ちする。元より期待はしていなかったが、やはりヘルメスをどうにかしないと人機融合装置はどうにもならないようだ。
「それでどうにかなるのなら、おじさんは楽が出来たんだけどな」
 ザルクの隣でため息をつくニコラス。先の戦いで投降した『兵站軍』と同じようにキジン部位のメンテナンスを受けている娘。もし自分の手で救えるのならと、何度思った事だろうか。楽はできない、ともう一度呟き癒しの魔力を解き放つ。
「そうだね。人機融合装置の原理が分かれば……あるいは可能性も、かな」
 頷くマグノリア。その事象がどのような原理で発生したのかが分かれば、その原理から解決策が見いだせるかもしれない。力技で駄目なら知恵を使う。どちらが先かはともかく、優氏から人間は様々な手法で壁を乗り越えてきた。おそらくは、今回も。
 ニコラスとセアラの回復を基点にして、自由騎士達はブラックドッグを攻め立てる。いかに相手が強かろうと、数は一匹。連携だって動く自由騎士を前に、少しずつ追い込まれていく。
「流石、誇り高い猟犬だ! だがこれで決めさせてもらうぜ!」
 砲撃の煙を切り裂くようにジーニーの斧が振るわれる。ブラックドッグが距離を取ろうと跳躍するが、それを追うようにジーニーも踏み込んだ。
「これでもくらいな!」
 力強い戦斧の振り下ろし。その一撃が気合と融合させられた幻想種の意識を刈り取った。


 アクアディーネの権能により、首を断ってもおかしくないほどのジーニーの一撃でも死ぬことなく倒れ伏すブラックドッグ。
 だが、人機融合装置の性質が幻想種にも適応されるのなら、ヘルメスのオラクルの権能を定期的に受けなければ死を迎える。これはアクアディーネの権能で命を繋いだとしても別問題なのだ。
「現状、分かっていることだが」
 ニコラスは確認のため、と前置きして言葉を続ける。
「メアリーのメンテナンスはあくまで現状維持だ。人機融合に対する決定的な解決にはならない」
「うん。……でも、生きていれば希望が繋がるかもしれない」
 ニコラスの言葉に頷きながら、リサは抗うように言葉を返す。ヘルメスを倒し、人機融合装置をどうにかすれば、或いは。
「私も生きていてほしいです。……戦争に巻き込んで、勝手な言い草だとは思いますが」
 セアラもリサと同じく生きてほしいと主張する。死は終わりだ。医者として直視してきた。だから安易に殺して終わりにはしたくない。
「元々人を襲うような幻想種じゃないんだろ? だったらこいつも犠牲者だ」
 ブラックドッグの伝承を思い出しながらジーニーが頷く。墓荒らし以外は襲わない墓守の黒犬。ここまで狂暴になったのは、やはり機械と融合させられたからか。
 自由騎士の意見は、ブラックドッグを生かす方向で統一されていた。問題点があるならば、
「あとはコイツの意見だな。さて、人語は解るな。お前が生きられる可能性についての話だ。大人しく聞いてもらうぞ」
 ブラックドッグの挙動に注意しながら、アデルが言葉を放つ。ブラックドッグ自身に起きたこと。これから起こる事。その対処法。自分達が知っているすべてを。
『真実 ノ ヨウダナ』
 ブラックドッグも警戒心をむき出しにしてはいるが、話は聞いてくれるようだ。
「個人的な事を言うと、君の生死はどうでもいい。君の身体から『君をこのようにした』仕組みや手掛かりが欲しいだけだ。その相手を殺すために。
 君個人の気持ちはどうなんだい?」
 マグノリアの問いかけに自由騎士の何名かが反応しかけるが、かろうじて押さえ込んだ。
『叶ウ ナラ 喉笛ヲ 引キチギリタイ』
「おっかねえが交渉成立、かな。メアリーにはしばらく頑張ってもらわないとな」
 ブラックドッグの言葉を聞き、ザルクはため息をつく。しばらく。それがどれだけの時間かはわからない。だけど足踏みしているよりは前に進んでいるはずだ。
「そう信じたいもんだ。なぁ、メアリー」
 蒸気自動車の排気音が遠くから聞こえてくる。メアリーを乗せた車だ。
 ブラックドッグは、とりあえず延命される――


 遠く『ロンディアナ』が消えた方向を見ながら、ニコラスは静かに思う。
(もしあの時ネッドを逃してたらステラはロンディアナにいたかもしれないのか……)
 人機融合装置により、命を得た首都。そこに住む者は果たしてどうなっているか。
(なら、俺の判断は間違ってなかった……? ステラを守るために、ネッドを――)
 後悔はない。
 だけど、想う所はある。もしも、ああしていたら。もし、こうなっていたら。年を重ねるという事は、失敗と後悔を重ねることだ。掌から取りこぼすものは多く、残ったモノを取りこぼさないように必死になる。
「……いけねぇなぁ。肩の力抜け、って言ったのは俺なのに」
 自嘲するようにため息を吐き、そのまま背を向けて帰路につく。
 守るべき者が待つ場所へと――


†シナリオ結果†

成功

†詳細†


†あとがき†

どくどくです。
あれ、ブラックドッ『ク』……?(OPを見て青ざめた
BlackDogだからドッグですよねー!(開き直った
(土下座した)

以上のような結果になりました。
皆様の融合種に対する思いが様々で、どくどくとしては少し意外。いーじゃん、敵なんだからサクッと倒せば(外道)。
皆様のキャラ建の役に立てれれば、幸いです。

MVPはブラックドッグのやる気を引き起こしたホワイト様へ。
他の方々の優しさも心に届きましたが、やる気と言う意味で。

それではまた、イ・ラプセルで。
FL送付済