MagiaSteam
【機児解放】Agony! 苦悶の機械を破壊せよ!



●機児解放
『チャイルドギア』……幼い子供を核として動く駆動系で、これにより戦車の小型化及び大量生産を可能とした画期的な発明である。
 人道を無視した大量生産。その物量を前にイ・ラプセルは劣勢が予想されたが、自由騎士の提案したドナー基地潜入作戦により『チャイルドギア』の生産を一時的に停止することに成功する。
 同時進行で進められた兵器開発により、『チャイルドギア』と『プロメテウス/ファッケル』に対抗しうる兵装『アルタイル』『ベガ』『デネブ』を起動させ、ドナー基地へと進軍する。
『チャイルドギア』を生産するドナー基地を廃するための【機児解放】作戦が勃発する!

●ドナー基地――強襲!
 先のレガート砦陥落を受け、ドナー基地――そしてそこの責任者であるジルヴェスター・エルトル・ウーリヒ少将が取った策は、徹底防衛であった。
 関係者を徹底して吟味し、近寄る不審者は一切カットする。多数の『チャイルドギア』戦車と『プロメテウス/ファッケル』を防衛に回し、同時に『チャイルドギア』を生産してイ・ラプセルを攻撃。
 生産速度を考慮すれば、もう一か月ほどあれば十分な戦力が整ったはずだ。
 だが、先の妨害工作により戦車の生産はストップ。防衛の責任者を銃殺したウーリヒ少将は更に防衛強化を試みた。『チャイルドギア』の生産速度が元に戻るまで安心はできないと、強い警戒態勢を維持させる。
 そして――イ・ラプセルが攻めてくる。
 プロメテウスに対抗するための二足歩行兵器を伴ったようだが、所詮はそれまで。基地に待機させた『プロメテウス/ファッケル』と『チャイルドギア』戦車を総動員させ、迎え撃つのみ。後は座して勝利を待つのみ。そう思っていた時に、

「少将! 基地内に自由騎士が!?」
「なんだと!? 正門を突破されたのか!」
「いいえ、空から――空から投下されているようです! 飛空船です!」
「空からだと!? 何故気付かなかった!」

 空。
 開けて身を隠すことが出来ない場所に船があるなら、誰もが目に止めるだろう。だが、襲撃の瞬間まで誰もそれに気づかなかったのだ。空中から投下されるキューブ。その中から自由騎士達が現れ、基地を占領しようと行動を開始していた。
 よもや、三重の迷彩を施した強襲用の飛行船『アルタイル』により直接基地内に自由騎士を送られようとは思いもしなかった。言うなれば、死角から心臓近くに刃を突き付けられた状態だ。
 だが――
「外の戦車をこちらに差し戻せ。第三から第五部隊は基地内のイ・ラプセル騎士の排除。プロメテウスは敵兵器を廃した後にこちらに戻せ。
『ギア』の開発スタッフは私と共に撤退。技術さえ無事なら、『チャイルドギア』の再開発は可能だ」
 ウーリヒ少将は冷徹に指示を飛ばす。ヴィスマルクにとって大事な者を最優先で守り抜くために、『チャイルドギア』の知識と技術を持つ者を最優先で撤退。同時に自由騎士掃討に力を注ぐ。
 これが最適解。それ以外の動きは認めない。冷徹して鉄血。残虐で臆病と罵られようとも、最悪を回避する動き。それがウーリヒ少将と言う軍人であった。
「奇策が通じるのは一度だけ。今を凌げば、次は対策が取れる。所詮は軍事力に劣る国の悪あがきだ。
 鉄血の軍靴を鳴らすは今だ! 進めヴィスマルク軍人!」
 そして、ドナー基地は戦場と化した。



†シナリオ詳細†
シナリオタイプ
大規模シナリオ
シナリオカテゴリー
新天地開拓σ
担当ST
どくどく
■成功条件
1.規定ターン内に【屋上】を制して、ウーリヒ少将を逃がさない
 どくどくです。
 そりゃ迷彩施した強襲用の船作ったらこうするよね。そんなわけで本体にダイレクトアタックです。

●敵情報
★【正門】
 ドナー砦正門です。既に正門は破壊され、数台の戦車が正門からやってきている状態です。
 正門の広さが大きくない(それでも戦車三台分はある)ため、基地内に入ってくる戦車の数は限られています。その地理的優位を生かして戦車を食い止めてください。
 三ターンごとに各戦車一体ずつが戦場にやってきます。破壊しなければ、どんどん増えてくる計算になります。
 戦車の合計数が一五台を超えると正門を突破された形になり、全戦場の重傷率の増加及び【屋上】に向かったキャラクターはHPとMPが半減した状態での戦闘となります(【屋上】に向かう通路で戦車に砲撃された、という演出です)。
 戦闘開始時、『バール』『ドーファン』『オルク』が各二台ずついます。

敵情報
・バール
 突撃用の小型戦車。

攻撃方法
突撃 攻近貫 突撃して、衝角を突き刺してきます。20m移動可能(100%、75%)
轢殺 攻近範 衝角を伴わない体当り。
副砲 魔遠単 備え付けられた火炎放射器。【バーン2】
 
・ドーファン
 重量系の戦車。

攻撃方法
主砲 攻遠範 主砲を放ち、敵陣を攻撃します。溜1
轢殺 攻近範 衝角を伴わない体当り。
副砲 魔遠単 備え付けられた毒霧噴出気。【ポイズン2】

・オルク
 水陸両用のバランスの取れた戦車

主砲 攻遠範 主砲を放ち、敵陣を攻撃します。
副砲 攻近範 備え付けられた機関銃。【二連】
水中適正 P 水場でも動きは損なわない。

★【基地】
 基地内部です。ヴィスマルク兵が自由騎士を討つために動いています。
『チャイルドギア』の機材や研究者などを護衛する事がメインとして動いていますが、自由機を見つければ即座に攻撃を仕掛けてきます。
 基地という広い空間ではありますが、便宜上通常戦闘同様、前衛後衛に分かれた戦場となります。この戦場で敗退した(戦闘可能な自由騎士がいなくなった)場合、【屋上】でのウーリヒ少将脱出の時間が一〇ターン短縮されます(【屋上】に到達するまでの時間がかかったという演出です)。

敵情報
・『欠けた盾』リュカ・ルベル
 ノウブル。20歳男性。ヴィスマルクに滅ぼされた国の騎士です。せめてもの矜持として、ボロボロの盾に滅んだ国のエンブレムを刻んでいます。王族でもある姉と言う人質を取られているため、逆らうことはできません。
 拙作『Jailattack! ドルヒ収容所陽動作戦!』に出ていますが、読まずとも問題ありません。敵の一人と言う事で問題ありません。
『ダブルカバーリング』『バーチカルブロウ Lv3』『ランパート(EX)』等を活性化しています。

EX:ランパート 自付 守りぬく意思が強固な城壁と化す。防御力魔抵抗増加。ブロック可能人数が5名になる。依頼専用。

『囚人』ケヴィン・ヴェベール
 ノウブル。10歳男性。戦争孤児。収容所に強制収容され、労働に伏していました。ダンサーの技法を覚えさせられ、故あってドナー基地に送られてきました。収容所に残した子供達を『チャイルドギア』にしないと言う約束を信じ、戦います。
 拙作『Jailattack! ドルヒ収容所陽動作戦!』に出ていますが、読まずとも問題ありません。敵の一人と言う事で問題ありません。
『トリコロールパーティ Lv3』『大渦海域のタンゴ Lv3』『ツイスタータップ Lv3』等を活性化しています。

・ヴィスマルク兵(×30)
 ドナー基地で陣取る兵士です。重戦士十名。ガンナー十名。防御タンク五名。ヒーラー五名。
 それぞれランク2までのスキルを活性化しています。

★【屋上】
 ドナー基地の屋上です。脱出用の中型飛空艇があります。ウーリヒ少将及び研究者、『チャイルドギア』の機材や資料などを運ぶ予定です。30ターン後に飛空艇は飛び立ちます。
 この場所を制圧できなかった場合、ウーリヒ少将は生存します。『チャイルドギア』の知識と資料や機材(誘拐した子供たち含む)は、ヴィスマルク本土に送られ、『チャイルドギア』の研究は更に突き進むことになります。

・ジルヴェスター・エルトル・ウーリヒ(×1)
 ヴィスマルク少将。50代男性。『チャイルドギア』の発案者です。
『冷徹な科学者』タイプ。軍事的采配も低くはなく、『彼に従っていれば負けはない』と思わせる指揮官です。……善悪と倫理観はともかく。 
 戦闘力はなく、安全な場所に隠れています。戦闘可能なヴィスマルク兵がいなくなれば、宣言だけで捕らえられます。

・『赤斧』ロミー・アインハルト(×1)
 ヴィスマルク軍人。中佐。ノウブル男性27歳。蒸気騎士。開発段階の『チャイルドギア』を組み込んだ蒸気鎧(大きさ3mほど)を着こんでいます。その為、通常の蒸気騎士よりもスペック高め。
 この戦いで功績を出せば、『チャイルドギア』蒸気鎧の第一パイロットそして名が残せると意気込んでいます。
『ジャヴァウォック Lv3』『クイーンオブハート Lv4』『ドーマウス Lv4』『ギアマックス(EX)』等を活性化しています。
 権能により防御力無視と魔抵抗無視を無効化します。

EX:ギアマックス P 駆動系を暴走させるほど回転させ、各種身体能力を増します。

・『青衣』レミー・アインハルト(×1)
 ヴィスマルク軍人。少佐。ノウブル女性27才。ダンサースタイル。子供が苦しむ様を見ると興奮するサディスト。『チャイルドギア』開発現場をうっとりとした顔で見ていたとか。
『カルテットアーツ Lv4』『大渦海域のタンゴ Lv3』『タイムスキップ Lv4』『サディスティック13(EX)』を活性化しています。
 権能により防御力無視と魔抵抗無視を無効化します。

EX:サディスティック13 P 血と悲鳴を求め、理性のブレーキを吹き飛ばす。戦闘不能者が出るにつれて、攻撃力が上昇。(STはプレイングによってはこのスキルが『発現しなかった』として構わない)

・『黄羽』アイラ
 レミーの奴隷。10歳女性。ソラビト。レミーに色々されて、精神的に屈服しています。
『ヒポクラテスの誓い Lv4』『ヒュギエイアの杯 Lv3』『ハーベストレイン Lv4』等を活性化しています。

・ヴィスマルク兵(×20)
 ドナー基地で陣取る兵士です。軽戦士十名。ガンナー五名。呪術師五名。
 それぞれランク2までのスキルを活性化しています。


●場所情報
 便宜上、戦場を【正門】【基地】【屋上】に分けます。プレイング内、及びEXプレイング内にどこに向かうかを示してください。示さなかった場合、ランダムな戦場に向かわせます(人が少ない所に行く。『特定のNPC』を殴る、など書かれてあってもです)。
 他戦場への移動は時間的かつ距離的な問題で不可能です。


●決戦シナリオのルール
・参加料金は50LPです。
・予約期間はありません。参加ボタンを押した時点で参加が確定します。
・獲得リソースは通常依頼相当です。
・特定の誰かと行動をしたい場合は『アクアディーネ(nCL3000001)』といった風にIDと名前を全て表記するようにして下さい。又、グループでの参加の場合、参加者全員が【グループ名】というタグをプレイングに記載する事で個別のフルネームをIDつきで書く必要がなくなります。

 皆様からのプレイングをお待ちしています。

状態
完了
報酬マテリア
3個  3個  3個  7個
3モル 
参加費
50LP
相談日数
9日
参加人数
40/∞
公開日
2020年12月26日

†メイン参加者 40人†

『戦場に咲く向日葵』
カノン・イスルギ(CL3000025)
『みつまめの愛想ない方』
マリア・カゲ山(CL3000337)
『幽世を望むもの』
猪市 きゐこ(CL3000048)
『天を癒す者』
たまき 聖流(CL3000283)
『祈りは歌にのせて』
サーナ・フィレネ(CL3000681)
『明日への導き手』
フリオ・フルフラット(CL3000454)
『平和を愛する農夫』
ナバル・ジーロン(CL3000441)
『望郷のミンネザング』
キリ・カーレント(CL3000547)
『stale tomorrow』
ジャム・レッティング(CL3000612)
『神落とす北風』
ジーニー・レイン(CL3000647)
『鬼神楽』
蔡 狼華(CL3000451)
『おもてなしの和菓子職人』
シェリル・八千代・ミツハシ(CL3000311)


●正門Ⅰ
 爆音が響き、ドナー砦の門が破られる。入ってくるのは『チャイルドギア』を搭載した戦車。空中から降下した自由騎士達を討つべく、展開していく。
「先ずはここを押さえなければ意味がないからな」
 眼鏡を押し上げ、マータを展開する『現実的論点』ライモンド・ウィンリーフ(CL3000534)。この降下作戦の目標はウーリヒ少将を捕らえることだが、その為には正門から入ってくる戦車を押さえなければならない。マータに命令し、戦車を攻撃していく。
「燃やせ燃やせ、お前がヴィスマルクの戦車より優れている事を証明してやろう」
「ほんま、えげつないこと考えるわ」
『カタクラフトダンサー』アリシア・フォン・フルシャンテ(CL3000227)は『チャイルドギア』のことを思い、ため息をつく。まだ幼い子供を核として兵器にする。命を使い捨てにする悪辣な兵器。
「子供らの未来のために、ここできっちりカタつけとかんとな!」
 言って戦車に向かうアリシア。機械の足を振るい、高速で動き回って打撃を加えていく。常に走り回って狙いを定めさせず、同時に移動の勢いをつけて攻撃を加えていく。戦車の装甲は硬いが、それでも確かにダメージは通っている。
「そんな兵器なんかなくてもうちらは勝てるで!」
(……まあねぇ。戦争に子供を使うのは結構あることなんだけどね)
 猛る自由騎士を見ながらリィ・エーベルト(CL3000628)はこっそりそんなことを思っていた。戦争。それは常識が全く通じない戦いの場。そこに巻き込まれてしまえば、大人も子供ない。事実、流浪の最中でそういった場面を何度も見てきた。
「それはそれ。頑張りましょう」
 基本的に厄介な相手からは逃げるリィだが、逃げられないと判断すれば容赦はしない。今回の件も、放置すればいずれこちらに害をなすと判断しての行動だ。一歩引いた場所に陣取り、錬金術を使って仲間をサポートする。
「あ、いらなかったら拒否してね」
「いるぜいるぜ! お陰で前のめりにいけるからな!」
『砂塵の戦鬼』ジーニー・レイン(CL3000647)は仲間のサポートを受けて、笑みを浮かべた。手にした斧は既に戦車に何度も振るわれていることを示すかのように傷つき、油にまみれている。ジーニー自身も傷だらけだ。
「倒れるまで何台倒せるかな! いっくぜー!」
 斧を振るい、息を整え、さらに斧を振るう。ジーニーの戦い方はまさに暴風。自分の身長ほどの斧を豪快に振るい、ヴィスマルクの戦車に叩きつける。ぶつかり合う金属と金属の音。その手ごたえを確認し、さらにジーニーは笑みを浮かべて斧を振るう。
「お前らみたいなやつらは、絶対に許しちゃいけないんだよ!」
「ですねぇ~。派手に行きましょう~」
 炎の魔術を放ちながら『食のおもてなし』シェリル・八千代・ミツハシ(CL3000311)はそう言った。間延びした言葉だが、放たれる魔力は鋭く戦車に穿たれる。体内で魔力を増幅する術式を展開し、それにより先鋭化された炎を解き放つ。
「これ以上はお断りですぅ~。ご退場くださいねぇ~」
 広い視野を確保し、見える戦車を一気に焼き払う。できるだけ多くの戦車を範囲に捕らえるようにしながらシェリルは呪文を展開する。位置取りや呪文の速度を計算に入れ、最大効率を常に考えながら動いていた。
「ドッカンドッカンいきますよぉ~」
「分かってはいるけど、数が多いね」
 門から新たに入ってくる戦車群を確認しながら、セーイ・キャトル(CL3000639)は呟いた。この『チャイルドギア』の計画が進めば、その数で蹂躙されていたのだと思うと恐ろしい。今ここで計画を絶たなくては。
「さすが戦車だ。どれもこれもヤバい。確実に倒していこう!」
 硬い装甲と高性能な攻撃兵装。戦車の動きを前にセーイは気を引き締める。五秒後の未来を見てそこから敵の攻撃を仲間に伝える。そうしながら呪文を唱え、戦車に炎を叩き込んでいく。ダメージに足を止めている余裕などない。今が踏ん張り時なのだ。
「ここが突破されたら他の場所に向かった人達の危険が高まる。 絶対通さない様に頑張ろう!」
「はい。今の、そして未来の子供達の為に」
 セーイの言葉に頷く『円卓を継ぐ騎士』たまき 聖流(CL3000283)。あの戦車の中には、まだ幼い子供達が苦しんでいる。そしてこの戦いで敵少将を逃がしたのなら、未来の子供達が苦しむことになる。そんな未来はあってはならない。
「皆さんを癒します。倒れさせたりは、しません」
 言って癒しの術式を解き放つたまき。今ここで戦う仲間達を癒し、そして戦いが終われば仲間と、戦車に捕らわれた子供達を癒す。だから倒れるわけにはいかないのだ。自らに活を入れ、気力を振り絞って戦いに挑む。
「救える命は、全て救います……!」
 命を救う。敵を倒す。
 様々な思いが、戦場に交錯する。

●基地Ⅰ
 ドナー基地内は潜入した自由騎士と、それを迎え撃つヴィスマルク軍との戦いが交錯していた。
「これ以上、大切な命を無碍にする行為を赦すわけにはいきません……!」
『毎日が知識の勉強』ナーサ・ライラム(CL3000594)はヴィスマルク兵に向かい、魔術を解き放っていた。重戦士を主な目標として氷の弾丸を放ち、敵陣を打ち崩していく。チャイルドギアをこれ以上作らせるわけにはいかない。
(いくら新しい技術だからと言って、チャイルドギアが良くない事は確かです!)
 新しい技術や知識を取り込むことに精力的なナーサだが、子供を犠牲にする技術は封じなければならない事は分かる。それがどれだけ効率的かつ有力であったとしても、子供の未来を奪うことを認めてはいけないのだ。
「陣形は私が崩します。突破をお願いします!」
「了解……一気に……行く」
 ヴィスマルク軍の陣形のスキを縫うようにノーヴェ・キャトル(CL3000638)が刃を振るう。高速で基地内を動き回り、出会い頭に刃を振るって敵を一体ずつ沈めていく。瞳に魔力を通し、未来を見据えてさらに踏み込む。
「大きい……のは、小さいの、を……守らない、とダメ……」
 大人は子供を守る。そうあるべきだとノーヴェは語る。だが現実はそこまで優しくはない事も、同時に知っていた。だからこそそれを守るためにノーヴェは刃を振るう。力無き子供が平和に笑える未来を作るために。
「上に、行く人……大丈夫に、する。その為に……つめたく、する」
「望んでヴィスマルクに協力する人ばかりじゃないんですね……」
 同じく戦場を走り回りながら『祈りは歌にのせて』サーナ・フィレネ(CL3000681)は悲しげな瞳を向ける。様々な理由でヴィスマルクに協力せざるを得ない人達。悲しくは思うが、しかし敵対する以上手加減はできない。
「……アクアディーネ様の権能があれば、殺さずに倒すことはできます」
 子供を犠牲にするヴィスマルク軍は、かつてヨウセイをエネルギーとしてきたシャンバラに似ている。だがそれを理由に殺そうとはサーナは思わない。アクアディーネ様が生かしてほしいというのなら、その意に従う。握った刃は、その為にあるのだ。
「この基地を占拠すれば、子供達の犠牲は収まります。今はそれで」
「はい。チャイルドギアなんてひどい兵器、これ以上作らせちゃダメです!」
 怒りを露わにする『その瞳は前を見つめて』ティルダ・クシュ・サルメンハーラ(CL3000580)。かつてのシャンバラのように何かを犠牲にして栄華を得る。そんな事を許してはいけない。そんな兵器はここで止めなくてはいけない。
「様々な思いはあるのでしょうけど、それはわたしも同じです」
 呪力を展開しながらティルダは言葉を放つ。望まずヴィスマルクに協力する者も、ヴィスマルクの兵士達も、それぞれの想いや理由があって武器を持っている。それを否定はしない。それを認めたうえで、自らの想いを押し通すためにティルダは呪力を解き放つ。
「さあ、大人しくしてください。命までは奪いません」
「まあ、殺してもいいんだけどね。敵対する以上は、命を奪われても仕方ないわよ」
 肩をすくめるように『日は陰り、されど人は歩ゆむ』猪市 きゐこ(CL3000048)は言い放つ。故郷ではそれなりに悪事を行って来た事もあり、生命に対する感情はどこかドライである。奪うのなら、奪われて当然。そんな死生観だ。
「人質を取られても気にせずに、むしろ人質取った相手をボコボコにすればいいのにね」
 にこにこ笑いながらそんな事を言うきゐこ。自分勝手ではあるが、自分本位であれば他人に操られないと言う意味では正しい。そんな自分勝手ではあるが、仲間の武器に鬼の力を与え、盾兵を展開して仲間を護ったりと集団戦を意識して動いていた。
「裏切るなら何時でも受け入れるわよ。人質なんか見捨てて」
「断る」「アイツラを守るんだ!」
 きゐこの非道な誘いはあっさり断られた。然もありなん、と肩をすくめるきゐこ。
 基地内の戦いは加速していく。

●屋上Ⅰ
 十二月の風が屋上に吹き荒れる。寒波を含んだ風は肌を切り裂くように鋭く冷えていた。
 だがそれを打ち消すほどの熱気が屋上に満ちている。飛行用の小型蒸気船の排熱。護衛用の蒸気兵器。そして兵士達の熱意と武技。
「ヒャッハァァァァァッ! 俺様はシルヴァネール公爵家が嫡男、クレヴァニール・シルヴァネールなりぃぃぃぃぃっ!」
 叫びながら魔術を解き放つ『水銀蛇と共に』クレヴァニール・シルヴァネール(CL3000513)。インディオから伝わった精霊を行使して敵の動きを封じながら、ヴィスマルク兵全てを巻き込むように弾丸を撃ち放つ。
「弱いものを苛める者に未来はありません。真に栄える国とは如何なるものか……思い知らせて差し上げましょう!」
 言って精霊に命令するクレヴァニール。弱いものから搾取する国は多い。シャンバラもヘルメリアもそうだった。だからこそ栄え、だからこそ滅んだ。それらを救おうとするイ・ラプセルの手によって。そしてヴィスマルクも今、イ・ラプセルの攻撃を受けることとなる。
「子供達を苛める者には、お仕置きだァァァァァ!」
「小さい子供たちを道具にするなんてゆるせないんだぞ!」
『教会の勇者!』サシャ・プニコフ(CL3000122)は熱く叫ぶ。子供を犠牲にして動くチャイルドギア。マザリモノであるがゆえに子供のころ捨てられ、教会に拾われたサシャにとって、子供は保護すべきもの。兵器に利用するなど、言語道断だ。
「チャイルドギアとやらの色々なのは運ばせないんだぞ! でもサシャはあまり攻めるのは得意じゃないから任せるぞ!」
 後衛から回復を飛ばすサシャ。ヴィスマルクに対して怒ってはいるが、殴りに行くような事はしない。仲間を信じ、その仲間を守るために癒しの術を行使する。そうすることで子供達を護れると信じているから。
「いっぱいいっぱい回復して援護するんだぞ!」
「ありがたい。俺もアイツラには怒りを感じている」
 サシャの回復を受けた水底に揺れる』ルエ・アイドクレース(CL3000673)もまた、孤児。ギアの開発がもう十年程早ければ、ルエもチャイルドギアの犠牲になっていたのかもしれない。孤児と言う仲間意識もあり、剣を握る手に力がこもる。
「孤児としての生活が楽だったとは言わないけど、兵器にされて利用されるよりはマシだ」
 言って剣に魔力を込め、敵に迫る。ルエの魔力を帯びた剣が黒く光を放ち、振るうと同時に黒光が敵陣に向かって飛び、そして爆ぜる。圧縮された魔力の解放が爆発となってヴィスマルク兵を穿っていく。
「誰一人逃がしはしない! 全部まとめてぶっ飛ばす!」
「おじさんは若くないんで、そこまで熱くなれないやね」
 頭を掻きながら『キセキの果て』ニコラス・モラル(CL3000453)がぼやく。元工作兵だったこともあり、戦争の残虐性や人間の罪深さは知っている。チャイルドギアに関してもえげつないとは思うが、その有用性は納得できる。それでも――
(自分の娘が『そうなる』ってことになれば、身を犠牲にしてでも止めたくはなるわな)
 親として子を思う。その気持ちはニコラスも理解できる。自分に出来ることは血気盛んな若者を支えることだけだ。回復術を展開し、傷ついた仲間達を癒していく。冷静に、一歩引いたスタンスだからこそ見える局面もある。
「おじさんが楽するためにも、キリキリ頑張ってくれよな。よし、後はツボミに任せた」
「そうはいかん。人手は多いに越したことはない。戦争は数だ」
 サボろうとするニコラスを止める『咲かぬ橘』非時香・ツボミ(CL3000086)。戦争は数。それは癒しという面でも変わらない。有能な癒し手は多いに越したことはないのだ。事実、ここは最前線。苛烈さも増しているのだ。
「まったく面倒だな、戦争は。何もかもが足りんときた」
 癒しを行使しながら愚痴るツボミ。敵には冷酷非道な研究者も、その非人道な研究結果を喜ぶ者も、加虐性の高い者もいる。どれも戦争に適した人材で、自由騎士にはいないだろう。だからこそ、個人が奮闘してその穴を埋めなくてはいけない。
「まあ、なるようになる。殺し合いに倫理観を持ち込みはしないが、倫理がやる気に繋がるのなら幾らでも利用するぞ」
「そうだね……理由は重要だ。戦う意思になる」
 ツボミの意見に同意する『紅の傀儡師』マグノリア・ホワイト(CL3000242)。研究職として合理性を追求すれば、ウーリヒの行為には一理ある。だがそれを認めるわけにはいかない。
「チャイルドギアに反対するヴィスマルク兵達の代理で来た。『愚策』を潰す為にね」
 宣言と同時に錬金術を展開して敵を弱体化していくマグノリア。脳内で地図を作り、周囲を警戒しながらの錬金術を展開していた。やるべきことが多いが、不測の事態に備えての行動だ。仲間を信じてはいるが、もし制圧に失敗すればこの場での戦いは大きく変化する。警戒に越したことはない。
「『力』で抑えつけられるものは長続きしない。 ……歴史に……学ばなかったのか? 君達が作り上げた流れ……其れを僕等は必ず断つ」
「そちらこそ、歴史に学ばなかったのか? 人は戦いを繰り返し、そのたびに技術は発展していく。戦争こそ、文明を大きく発展させる起因なのだ」
 マグノリアの言葉に聞こえてくる声。伝声管を使っているのか、正確な場所は分からないが恐らくこの声がジルヴェスター・エルトル・ウーリヒ少将のモノだ。
「うんうん、そう言う所はあたしも同意かな。蒸気機関なんかはそうやって発達していったわけだし」
 伝声管の一部を開き、『トリックスター・キラー』クイニィー・アルジェント(CL3000178)はウーリヒに話しかける。出来れば直接話をしたかったが、この乱戦を回避してウーリヒを探すのは現実的ではない。顔は見えないが、会話が出来ればいいやと妥協した。
「戦争しているんだから、使える者は使う。体制とか世間体とかは後に任せればいい。今勝たないと国がなくなるもんね。
 それが分からずヤサシイ感情だけ反論するのは、目先が見えてないだけだと思うよ」
「以外だな。ならその意見で仲間達を黙らせてくれないか」
「無理。打ちの国のオヤサシイ人はこーゆー非人道的な事を見ると怒っちゃうから。それに気づかなかったのが少将の敗因じゃない?」
「勝ち負けはまだ決まっていない。この場を収めれば、それで私の勝ちだ」
「だよね。精々頑張ってね」
 言ってクイニィーは会話終了とばかりに伝声管を閉じる。やるべきことは終わった、とばかりににこにこと笑みを浮かべていた。

●幕間
 ドナー基地内のヴィスマルク兵達は、急襲されてその対応に追われていた。戦う者、重要物を運搬する者、連絡を取る者。
「援軍はまだか!?」
「無理だ。自由騎士が降下したのは基地だけじゃない。
 補給ポイントや戦車部隊にも兵が向かったらしい。連絡が途絶えている!」
「プロメテウスはどうした! あの鉄血軍曹が負けるなんてことは――」
「……応答はない。イ・ラプセルの新型兵器とぶつかり、沈黙した」
「くそ! 本格的にマズいぞ、これは!」
 完全に孤立したことを知り、必死になるヴィスマルク兵。
 戦いの天秤は、大きく揺れていた。

●正門Ⅱ
 正門の戦いは佳境に迫ってきていた。戦車を廃する自由騎士と、絶え間なく門をくぐってくる戦車との戦いだ。
「…………」
 フロレンシス・ルベル(CL3000702)は傷つきながらも、悲鳴一つ上げることなく仲間を癒し続けていた。父が戦死し、自由騎士に入ったと言う経緯を持つフロレンシス。父の命を奪った戦争には思う所があるが、今は仕事こなすのみ。黙々と魔導書に魔力を注いでいた。
「回復感謝であります! さあ、自由騎士の矜持を示す時でありますよ!」
 回復を受けた『積み上げていく価値』フリオ・フルフラット(CL3000454)は手にした武器を戦車に向ける。防御を固めて戦車に迫り、蒸気騎士のギアを全開にして、一気に切りかかる。ここより先は透さないとばかりに戦車の前に立ちふさがる。
「チャイルドギアをもって勝利を求めるのがヴィスマルクなら、捕らわれた子供を開放して自由を与えるのが自由騎士の務め!」
 叫び、そして突撃する。フリオの動きによどみはない。そうすることが正しいと信じている歩みだ。心の思うままにまっすぐ進み、迷いなく武器を振るう。その先に捕らわれた子供達の解放があると信じているからだ。
「さあ、ここは私に任せて先に行くであります!」
「おおっと、それはオレのセリフだぜ。だれも通しやしない!」
 フリオのセリフに『命の価値は等しく。されど』ナバル・ジーロン(CL3000441)が反応する。手にした盾は多くの戦場を潜り抜けてきた傷が数多あり、鎧もまた同様だ。その傷はナバルが守ってきた証。彼にとっては勲章の数に等しい。
「盾兵隊のみんな! 祖国のため、世界の未来を担う子供たちのため、絶対強固な盾になるぞ!」
 盾兵隊に命令し、戦車を止める為に前に出るナバル。突撃用戦車の衝角を受け止めながら、足を強く踏ん張る。ここで戦車を止めることが仲間の為になり、その仲間がチャイルドギア発案者を捕まえてくれると信じている。
「この戦車の中にいる子たちも、護るべき対象……これ以上彼らに罪も、苦しみも、味わわせるものか!」
「戦いが終われば解体に行けます。それまでは!」
『SALVATORIUS』ミルトス・ホワイトカラント(CL3000141)は拳を振りながらそう叫ぶ。可能なら今この瞬間にでもチャイルドギアに捕らわれた子供達を解放したいが、戦車の攻撃が止まぬ以上はそれも難しい。早くこの戦いを制さなければならない。
「個人的には色々満足しているのですが……いえいえ、気は抜きませんよ」
 ミルトスはこの砦に攻め入る前の戦いを思い出し、燃え尽きるように満足していた。だからと言ってここで手を抜くと言う事はない。腕に装着している『ブラキウム・トゥーレ』に魔力を集め、構えと共に突き出した。宿った魔力が螺旋を描き、戦車を貫く。
「ここは通しません。全て足止めして、その後に子供達を解放します」
「この悪夢のような技術を作り出す人を、これ以上野放しには出来ません……!」
 武器を振るいながら叫ぶ『救済の聖女』アンジェリカ・フォン・ヴァレンタイン(CL3000505)。チャイルドギアの犠牲になった子供はどれだけいるのだろうか? 最低でも、今迫ってくる戦車全てはそうなのだ。それを思うだけで、怒りがこみあげてくる。
「できるだけ長く耐え、そして戦車を討つ。屋上に向かった皆さん、任せましたよ」
 足止めを買って出たアンジェリカは、真っ直ぐ最前線に進んで武器を振るう。戦車の猛攻を受けて流れる血は多いが、行動不能にした戦車の数も多い。裂帛と共に振るった武器が衝撃波を放ち、多くの戦車の動きを封じていく。
「全て救います。その為にも、倒れるわけにはいきません!」
 奮戦する自由騎士達。しかしウーリヒが作ったチャイルドギアは多く、その戦車も同様に多い、尽きぬ鋼鉄の波。戦車が増えるたびにヴィスマルクの火力は増し、自由騎士のダメージも増えていく。
「これは厳しいですわね。下手すると押し切られちゃうかも? その前に私が倒れそうかも?」
『ベルなんとかオリジナル』エリシア・ブーランジェ(CL3000661)は増えつつある戦車を前にそう呟く。肉体的に強くないエリシアは、元より乱戦には向いていない。一歩引いたところから魔術を放っているが、それでも砲撃から逃れることはできないでいた。
「なので魔力とか残っているのに倒れちゃう前に、全開で行きますわね。はい、それでは行きますわよー!」
 全開。小渡場通りにエリシアは全ての魔力を解放し、解き放っていた。それは水道の蛇口を全開にする――のではない。水道管を破壊して解き放つほどの全開。自らの安全を全く考慮しない行動。
「やっちゃいますわ全力で! やり切って斃れたならまーそれも?」
 エリシアの言葉に嘘はない。彼女は言葉通り全力で力を放出し、言葉通りやり切って力尽きても構わないと思っている。否、事実そうなる程の力を放出している。生まれた炎は戦場を蹂躙し、鋼鉄の進軍を押し返す。正門にそろいつつある戦車を、一気に動けなくしたのだ。
「どーせならやり切って斃れましょー! どっかああああああああああ…………――」
 言って糸が切れた人形のように、エリシアは倒れる。全てを放出し、命そのものを削って火力を増し、場を覆すほどの魔力を解き放ったのだ。無論、代償は軽くはない。身体は大きく傷つき、魔力を放出する機構は暫く不具合を起こし、意識も暫くははっきりとはしなかったと言う。
 だが――その成果は大きい。自由騎士達は戦車の進軍を、確かに押し返したのだ。

●基地Ⅱ
「あちゃあ……道に迷ったか?」
『ウインドウィーバー』リュエル・ステラ・ギャレイ(CL3000683)は頭をかいて、現状を悟る。目的の場所に向かいたかったが、混戦もあってたどり着けそうにない。やむなく基地内で戦うこととなった。
「ま、ここにも悲劇に捕らわれている人がいるみたいだからな。そいつらの為に踊るとするか!」
 言ってリュエルはリュカに迫る。動かず盾を持ち構えるリュカに対し、左右に動き回って隙を見つけては攻撃を繰り返す。一定のリズムに乗って動くリュエルの動きは、舞うが如く。戯曲を奏でるように、攻撃は繰り返される。
(ぶっちゃけると、人道的とかは私どうでもいいです。しょせん他人ですし)
 敢えて言葉には出さずに『みつまめの愛想ない方』マリア・カゲ山(CL3000337)はそんなことを思う。自由騎士の多くがチャイルドギアの停止を掲げて戦ってはいるが、マリアは所詮は他国の事だと割り切っていた。そのスタンスもあって、冷静に敵を処理している。
「戦車の大量生産は困りますので、基地は占拠させてもらいますね」
 言いながら雷撃を討ち放つマリア。回復を封じるためにヒーラーから狙い、敵の継戦能力を奪っていく。そして自由騎士側のダメージが増えてきたのを確認すると、攻撃を止めて回復に移行する。
「魔術師の層は厚いので後はお任せします。セアラさん、手分けして癒していきましょう」
「了解しました。よろしくお願いします」
 マリアに一礼するセアラ・ラングフォード(CL3000634)。敵の数が多いため、回復の手が回らなくなってきたと思ったときの援軍だ。正直ありがたい。戦場全てを把握しながら、どこに何をすればいいのかを指示しながら回復を行使していく。
「回復を拒否する方は……いらっしゃらないようですね」
 仲間の意思を確認しながら、セアラは回復を行使していく。呼吸を整え、戦場と言う空くすべてを浄化するように息を吐く。白く輝く癒しのマナがセアラの手から広がり、ヴィスマルクと戦う仲間達を癒していく。
「人質を取られて戦わせている……。人質はこの基地内に居るのでしょうか? それとも……」
「ヴィスマルクの人じゃなさそうだね。何か訳がありそうだけど絶対退かない覚悟の眼をしてる」
 盾を構えるリュカに対し、『戦場に咲く向日葵』カノン・イスルギ(CL3000025)は拳を構えて答える。多くを語るつもりはない。相手の瞳、相手の構え、そして打ち合った時の強さ。その全てが覚悟を示している。
「自由騎士、カノン・イスルギ。その意思に敬意を称し、挑ませてもらうよ」
 一度間合を取り、一礼した後に再度カノンは戦い挑む。盾を用いた戦闘術。防御よりだが、それでも攻めを忘れない盾の格闘術。カノンはその動きを理解し、一手先を読み身体を動かす。拳と盾。点と面。異なる打撃が交錯する。
「うん、さすがだね。だけど倒させてもらうよ!」
「多く動かず、しかし堅牢。そうして守ってきたのですね、貴方は」
 仲間を守りながら、『戦姫』デボラ・ディートヘルム(CL3000511)はリュカの動きに注目する。足を動かして多くの仲間を守るデボラに対し、しっかり足を止めることで威圧するように相手を足止めするリュカ。同じ護り手なのに、その在り方は真逆だ。
「私の動きを笑いますか。多くを守ろうと足を動かす様を」
「まさか。私は大事な姉上を護れなかった。その経緯を知っているのだろう。無様は私の方だ」
「いいえ。例え国破れても残る者はあります。人も、心も、技術も!
 リュカ様が築き上げた事はけして無駄ではありません!」
 シャンバラやヘルメリア。イ・ラプセルが滅ぼしてきた国は多い。だが、その国全てが消えてなくなったわけではない。例え消えても、残る者はあるのだ。
(護りの意志と技術は、しかと受け継ぎました)
 デボラはしっかりと心に刻む。戦いの最中でなければ、敬礼をしていた所だ。
 だが、それで戦いが終わるわけではない。
「どうして……? 彼らに手を指し伸ばすことはできないの?」
 ヴィスマルクに人質を取られて戦っているリュカやケヴィンを見ながら、『ピースメーカー』アンネリーザ・バーリフェルト(CL3000017)は悲しげに声をあげる。彼らが戦う理由は理解できる。だが、それでもアンネリーザは迷っていた。
「貴方達がここで勝っても、ヴィスマルクが人質を解放するとは限らないわよ!」
「だが、従っている限りは姉上は殺されはしない」
「この戦いが終わったら、私達が人質を探して解放してあげる! 信じて!」
「ここで負けるか、お前達を信じて裏切れば確実に姉上は殺される。――終わってから探してもらっても、間に合わない」
「そんな……!?」
 言っていることは理解できる。ヴィスマルクなら確実にそうするだろう。リュカ達を繋ぎとめるのが人質の役目。それが意味を成さないのなら、不要なら、どうするか。
「……それでも、私達は負けるわけにはいかない」
 もしかしたら、人質を殺さないかもしれない。もしかしたら、助けられるかもしれない。私達が勝利して、彼らの大事な人達を救えるかもしれない。その希望にかけて――
「私達は勝たなきゃならない……!」
 迷いを振り切ったアンネリーザの弾丸が、リュカの盾を貫いた。その一撃で膝をつくリュカ。最大の護り手を失ったヴィスマルク軍は押し込まれることになる。
「これで……よかったのよね?」
 自分に言い聞かせるように、アンネリーザは呟きライフルを抱きしめていた。

●屋上Ⅱ
 屋上の戦いは激しいものとなっていた。
 中でもロミー・アインハルトとレミー・アインハルトの周囲は激戦となっていた。
「鍛えられし鉄鋼! 最新鋭の蒸気システム! そしてチャイルドギアによる高機動性! 戦乙女の加護に護られし歴戦の鉄血兵士!
 どうしたどうした自由騎士! 俺を倒せるものはいるか!」
 ロミーは己を誇示しながら戦っていた。チャイルドギアを登用した蒸気騎士鎧。その分一回り巨大となった鎧を駆りながら、イ・ラプセル軍を打ち払っていく。
「その程度で強者気取りか。ヴィスマルクにこそ、俺を倒せるものはいないようだ」
 挑発を返すように『装攻機兵』アデル・ハビッツ(CL3000496)はロミーに語りかける。低ランクの挑発だが、相手が乗ればそれでいい。事実、ロミーはアデルに刃を向けた。
「いいだろう。このロミー・アインハルトの栄光の一つとして刻んでやる!」
「軍人の本分を失い子供を戦場で盾にした汚名を、お前の死とともに歴史に刻んでやる」
「ハッ、軍人の本分は勝つことだ! 勝利すれば何をしてもいいんだよ!」
「クズが」
 それ以上語ることはない、とばかりにアデルは槍を振るう。ロミーの蒸気斧と交差し、激しい音をたてた。一打ごとに互いが傷つき、鋼と鋼がぶつかる音が響き渡る。
「やはりあなたはここで止めておくべきです」
 ロザベル・エヴァンス(CL3000685)はロミーに近づき、武器を振るう。チャイルドギアに関わる多くの苦しみと、多くの痛み。それを知りながら、それを勝利の為だと言い放つ軍人。それを赦すことはできなかった。
「チャイルドギア。あんなものを認めるわけにはいきません」
「認めない? つまらんな。少ないコストでここまでの生産性と威力を生み出せるんだ。それを認めないなんざ、馬鹿のやることだ。
 子供が死にそうになるぐらい、よくある事だろうが」
「……そうですね。よくある事です」
 ロミーの言葉に頷くロザベル。
 事実、ロザベル自身も身を削るような戦い方をしてきた。自らの命を顧みない戦闘法。それが『効率がいいから』だ。だからそうした。
(ヴィスマルクも『その方は効率がいい』から、チャイルドギアを導入したのだ。
 私が身を削ることをよく思っていない人もいる。それでも、私は――)
 意識して蒸気機関のリミッターを外し、自らの意志で生命を削る。ロザベルの生命に反応するようにタービンが回転し、爆発的なパワーが生まれた。その力を四肢に乗せ、一気に打ち下ろす。
「私は、自分の意志でこの嘆きを止める。その為なら――!」
「まさか……ッ! 戦乙女の権能を、撃ち貫いた……だと!?」
 自らの鎧を貫いたヘビィブレードを信じられないと言う目で見るロミー。そのまま蒸気を吐き出し、動かなくなる。
 そして――
「んー。私にべったりくっついてくるなんて、カワイイ子ね。食べちゃいたいわ」
「……ッ!」
 レミーの攻撃を受けながら『戦塵を阻む』キリ・カーレント(CL3000547)は背筋に則理と来るものを感じた。言葉に含まれる嗜虐的な意図。獲物を甚振るクモのような、そんなイメージ。それを振り切りながらローブを振るい、隙を見て背後に居るアイラに語りかける。
「その手は止めなくていいです。でも、聞いてください」
 ヴィスマルク兵を回復するアイラ。キリからすれば邪魔な相手だが、それを止めることはしなかった。
「キリたちは、あなたも、子どもの皆も、虐めません。戦いが終わったら、今まで辛かったコト、断れなかったコト、この先やりたいコトとか、何でも話してくれたら嬉しいです。
 お友達として、いくらでも聞きますから、ね!」
 明るく。日のような笑顔でアイラを救おうと声をかけるキリ。
「…………む、り……だって……」
「何言ってるのよ。お友達がああ言ってるのよ。漬け込んで攫ってヴィスマルクに誘拐しなさい。命令よ」
「ひぃ……! あの、あの……!」
 だが、サディスティックな鎖はアイラに自由を与えない。キリの優しささえも苦しみに変え、その様子を見て悦ぶレミー。
「大丈夫! キリは、頑丈ですから!」
「ついでに言えば、子供を苦しめる奴は見逃せなくてね!」
 言葉と共に弾丸を飛ばす『永遠の絆』ザルク・ミステル(CL3000067)。狙うは足。ステップを踏むダンサーの要となる部位を痛めつければ、動きも鈍くなる。それを狙っての狙撃だ。
「二度と愉悦に浸れないようにしてやるよ」
「ふふ。一度やってみたらわかるわ。抵抗できない者傷つけるあの感覚。許しを請うあの顔。その栄光が少しずつ絶望に変わっていく様。あれを知れば、そんな事も言えなくなるわ」
「そうかい。だったらお前で試してやるよ!」
 聞く耳など持たない、とばかりにザルクは銃を撃ち放つ。炎の弾丸で周囲を焼きながら、狙いすました一撃を放つ。
「チャイルドギアの発案者もそうだが、お前らのようなやつらも逃がすわけにはいかないな!」
「そうね。その名前を聞くのも嫌だけど!」
『緋色の拳』エルシー・スカーレット(CL3000368)は言いながらレミーに近づき、拳を振るう。ダンサーであるレミーの動きに合わせるように足を動かし、拳を振るう。その瞳には強い戦意がこもっていた。子供を傷つける輩を許しておけないと言う意志。
「子供を……未来を築き上げる子供達をなんだと思ってるのよ!」
「玩具。ああ、一応言っておくけど軍務を逸脱して子供を苛めたりはしていないわ。不要な殺戮はしていない。ただ、趣味と実益が一致しただけよ」
 言いながらアイラの頬を撫でるレミー。回復役として必要だからアイラの心を壊し、逆らえない様にしたのだ。チャイルドギアもそれと同じ。軍に必要だからそうした。ただ、そこに個人的思考が絡んだだけ。
「安心しなさい。貴女が死ぬ事はないわ。ただ『死んだ方がマシ』って事にはなるかもしれないけどね」
 言いながら拳を放つエルシー。女神の権能がある限り、その一撃で死ぬことはない。だが痛みは残る。怒りの拳を喰らわせ、痛みの中で償ってもらう。
「オマエ、倒ス」
『竜天の属』エイラ・フラナガン(CL3000406)は乱戦の中移動しながら、レミーを狙っていた。高速の三連撃で矢を撃ち放ち、レミーを攻撃し続ける。強い殺気を放って自分に意識を向けるようにしながら攻め続ける。
「サディスティック。危険。後に残セば残ス程強クなる類」
「へぇ。マザリモノのくせに頭が回るじゃないの。それともそういうご主人様がいるのかしら?」
「イナイ。ここに居ルの仲間。自由騎士、エイラの仲間。
 オマエに聞かセるスル血も悲鳴モ。オマエのダケで良イ」
 言いながらエイラは攻撃の手を休めない。倒せば倒すほど高揚し、手が付けられなくなるレミー。その嗜好をどうこう言うつもりはないが、だからと言って優先順位を下げるつもりもない。
「だけど及第点は上げられないわ。戦闘において最初に倒すのはヒーラーでしょうに。ほら、庇ったりしないから早くこの子を殺しなさい」
「回復、無視。……回復スル以上に、撃ツダケ。厄介デ強イヤツから、倒ス。ソレダケ」
「ま、回復はあたしが封じるんで。一回だけだから機会は選ばせてもらうっすけど」
 レミーから離れた場所で『stale tomorrow』ジャム・レッティング(CL3000612)が銃を構えて呟く。レミーの残虐な性格が戦闘に加味されると、後々厄介になる。それを考慮しての狙撃だ。
「出来ればその場で倒れて、地べたと自分の血だけ眺めて自分の呻き声だけ聞いてて欲しいっすねー」
「いい趣味してるわね。アナタ、コッチに来ない? 色々楽しめそうよ」
「いやぁ、お断りっす。趣味悪いから嫌いとかいうのもあるけど、戦争なんで」
 冷淡に、そして冷静に告げるジャム。戦争。それは命のやり取りでもあり、同時に国の趨勢を決める為の『交渉』でもある。この結果が数十年の未来を決定すると言っても過言ではない。故に、私怨のみで動くことはあってはならない。
「ふぅん。自由騎士は殺されてくれないのね。じゃあ――役立たずは死ね」
 言うと同時、レミーは振り向いて回復役のアイラを蹴り飛ばす。ジャムのオニビトの力で一瞬動き止まり、回復が滞った事に怒りを感じての一撃だ。不自然な角度で倒れ伏し、そのままけいれんする自らの奴隷を見て、うっとりと笑みを浮かべた。
「仲間を殺して、サディスティックを発動させたのか!?」
「仲間? ただの奴隷よ。替えは効くわ」
 驚く自由騎士に、笑みを浮かべるレミー。そのままアイラを踏みつけ、その感触を楽しむ。
「いいわぁ、最高。子供はこうでなくちゃ」
「――子供が苦しむ姿を見るのがお好きやなんて、気ぃが合いますなぁ」
 愉悦に浸るレミーを前に『虚実の世界、無垢な愛』蔡 狼華(CL3000451)が一礼する。レミーの行動に激し怒りを感じながら、しかし声と表情は優雅に動く。ああ、身勝手な大人は大嫌いだ。
「うちも不細工な女が苦しんでいる姿を見るのが好きですの。舞の美しさを精々引き立てておくれやす」
「あはぁ。そうやって粋がる子供を屈服させるのも、楽しいのよね」
 興が乗ってきた、とばかりに笑みを浮かべるレミー。その動きは軽やかで、そして精神的なブレーキが壊れているのか動きに躊躇がない。狼華はレミーの蹴りを避けることなく受け――たかのように自ら回転する。そのまま地面に手を突き、回転しながら足を払う。
「そないな蹴りでは、うちの舞には追いつけへんよ」
 刃が翻る。
 そうとしか表現できない狼華の舞。気が付けば立ち上がり、気が付けば歩を進め、そして刃が翻る。ただそれだけの動きを優雅に行う。正しい姿勢、正しい角度、正しい表情。舞とはすなわち、動作の先鋭。一つ一つの動作をきちんと行い、そして――
「ウソ……私が、負けるの……?」
 信じられない、という表情のままレミーは崩れ落ちた。
「やっぱ、気変わったわ。苦しむ姿を見る気失せたんで、はよう去になはれ」
 納刀。そして残心。最後の最後を決めてこそ、舞。
「まさかあの二人を廃するとはな」
「ここまでだウーリヒ卿。帰還はさせぬよ」
 ヴィスマルク兵を呪力で封じ、或いは昏倒させながら『智の実践者』テオドール・ベルヴァルド(CL3000375)は前に出た。戦いの趨勢はほぼ決した。テオドール自身もかなり無茶をしたが、その甲斐あってこうしてウーリヒを押さえるに至ったのだ。
「チャイルドギアの研究は必ず潰す。ここが貴殿の終着だ」
「つまらん倫理観で勝利への近道を閉ざすか。貴殿らも神へ勝利を捧げる為に戦っているのではないのか?」
 テオドールの言葉に落胆したとばかりに表情で告げるウーリヒ。
「神への勝利はこのような形で捧げるものではない」
「過程に意味などない。結果だけがあればいい。貴殿も国政に関わるなら理解できよう? 国民に必要なのは苦労したと言う過程ではない。勝ったという結果なのだ。
 ならば、チャイルドギアによる戦車のコスト削減及び大量生産は国にとって有益な事項だ」
 ウーリヒの言葉は、ある意味正しい。国民は苦労話を聞きたいのではない。富が欲しいのだ。欲を満たしてほしいのだ。それは政治に関わっている以上、痛感する。
 テオドールはそれを認めたうえで、
「だが貴殿は負けた。それが結果だ」
 ばっさりとその言葉を切り捨てる。
 そのような物はなくとも、女神に勝利を捧げることはできるのだと。
 例え理解はされずとも、その過程に意味はあるのだと。
 
 ウーリヒ少将が捕まり、ドナー砦は事実上陥落する。
 逃げるヴィスマルク兵を、追う余裕はない。今はそれよりも怪我人の治療や戦車に接続された子供達の解放に手一杯だった。
 かくして時間にすれば三時間足らずの強襲作戦は、イ・ラプセルの勝利となった。この電撃作戦は尾ひれを付けてヴィスマルク中に伝わり、それを為したイ・ラプセルの兵器、『アルタイル』『ベガ』『デネブ』もまた、語られる。
 だが、最も語られることは自由騎士と言う騎士団だ。
 鉄血国家ヴィスマルクを揺るがしかねない戦力。圧倒的不利を覆す行動力。それは広く語られていく。

 時に一八九〇年一二月――
 歴史に機児解放と呼ばれる対戦は、日をまたぐことなく集結した。


†シナリオ結果†

成功

†詳細†

称号付与
『機児解放者』
取得者: マグノリア・ホワイト(CL3000242)
『女神に勝利を捧げし者』
取得者: テオドール・ベルヴァルド(CL3000375)
『機児解放者』
取得者: アンジェリカ・フォン・ヴァレンタイン(CL3000505)
『機児解放者』
取得者: カノン・イスルギ(CL3000025)
『機児解放者』
取得者: マリア・カゲ山(CL3000337)
『受け継がれる技術』
取得者: デボラ・ディートヘルム(CL3000511)
『機児解放者』
取得者: ニコラス・モラル(CL3000453)
『機児解放者』
取得者: クレヴァニール・シルヴァネール(CL3000513)
『機児解放者』
取得者: ミルトス・ホワイトカラント(CL3000141)
『機児解放者』
取得者: 猪市 きゐこ(CL3000048)
『機児解放者』
取得者: たまき 聖流(CL3000283)
『機児解放者』
取得者: サーナ・フィレネ(CL3000681)
『機児解放者』
取得者: 非時香・ツボミ(CL3000086)
『機児解放者』
取得者: エルシー・スカーレット(CL3000368)
『機児解放者』
取得者: セーイ・キャトル(CL3000639)
『機児解放者』
取得者: ノーヴェ・キャトル(CL3000638)
『捧げるは我が身』
取得者: エリシア・ブーランジェ(CL3000661)
『機児解放者』
取得者: ナーサ・ライラム(CL3000594)
『機児解放者』
取得者: リィ・エーベルト(CL3000628)
『機児解放者』
取得者: サシャ・プニコフ(CL3000122)
『機児解放者』
取得者: ライモンド・ウィンリーフ(CL3000534)
『機児解放者』
取得者: ザルク・ミステル(CL3000067)
『機児解放者』
取得者: セアラ・ラングフォード(CL3000634)
『機児解放者』
取得者: フリオ・フルフラット(CL3000454)
『機児解放者』
取得者: ナバル・ジーロン(CL3000441)
『捧げるは我が身』
取得者: ロザベル・エヴァンス(CL3000685)
『機児解放者』
取得者: エイラ・フラナガン(CL3000406)
『機児解放者』
取得者: キリ・カーレント(CL3000547)
『機児解放者』
取得者: リュエル・ステラ・ギャレイ(CL3000683)
『機児解放者』
取得者: ティルダ・クシュ・サルメンハーラ(CL3000580)
『機児解放者』
取得者: ルエ・アイドクレース(CL3000673)
『機児解放者』
取得者: ジャム・レッティング(CL3000612)
『機児解放者』
取得者: フロレンシス・ルベル(CL3000702)
『機児解放者』
取得者: ジーニー・レイン(CL3000647)
『鬼神楽』
取得者: 蔡 狼華(CL3000451)
『機児解放者』
取得者: シェリル・八千代・ミツハシ(CL3000311)
『機児解放者』
取得者: クイニィー・アルジェント(CL3000178)
『盾砕きし弾丸』
取得者: アンネリーザ・バーリフェルト(CL3000017)
『機児解放者』
取得者: アリシア・フォン・フルシャンテ(CL3000227)

†あとがき†

どくどくです。
くそ……ネームド一人ぐらいは逃げられると思ったのに……!

以上のような結果になりました。
ラーニングに関しては、理由は十分と言う事で。アニムスを使用されていないので、個人所得ではなく全員所得可能という扱いにいたしました。
サディスティック13いらない? 皆で残虐人やらない?(やらない

ともあれ、チャイルドギアに関する戦いはひとまずここで幕が下ります。
まだまだ戦いは続きますが、とりあえず皆様、お疲れさまでした。ゆっくり体を休めてください。

それではまた、イ・ラプセルで。
FL送付済