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オブシディアンとラスカルズ



●とある組織の日常

 別にこいつらに恨みがあるわけじゃねぇ。
 ただ俺達の前を荷物を持って通り過ぎた、それだけだ。

 やつらは必死で命乞いをする。そりゃあもう笑えるくらいに。

「助けてくれ──」「金目のものは全てやる」「命だけは──」「誰か──」

 そうだよなぁ。そうだよなぁ。
 順風満帆な満ち足りた人生。素敵な未来が続くであろう中、突然襲われて、全てを奪われ、命まで落とす。
 そんなの嫌だよなぁ? 理不尽だよなぁ?

 だからこそ頂くぜ。お前たちの何もかもを。全てを。
 だってよぉ、それが世の中ってもんだ。これがリアルってヤツだよ。

 そりゃどこぞのヒーローがお前達を救ってくれる事もある知れねぇが、目には見えないところで悪ってのはその何十倍も弱者を蹂躙し続けてるんだぜ。
 欲しけりゃ奪う、ヤリたきゃ攫う、これまで何だって俺達はそうしてきた。
 そしてこれからもそれは変わらねぇ。

 どうやったって世代を超えられない俺達が見る夢なんて、所詮悪夢なのさ──


●演算装置が導き出したもの

 それは見るも無残な現場だった。ろくな装備も持たない商人達はその場で処刑され、全ての荷物は奪われていた。
「どうか、この惨劇を止めて欲しい。そしてもし……もし可能性が少しでもあるのであれば彼らに別の未来を与えてやってはくれまいか」
 『軍事顧問』フレデリック・ミハイロフ(nCL3000005)はそういうと深々と頭をたれた。
「わが国は様々な種族に対して寛容な国である。それは他国では忌み嫌われるマザリモノという存在についても同じだ。だが、残念ながら国としてそうであっても個人が全てそうという訳ではないのは事実だ」
 フレデリックは神妙な面持ちで言葉を続けた。
 事実イ・ラプセルという国は国策により飛びぬけて種族間のいざこざが少ない国であった。
 しかし少ないと無いには大きな違いがある。完全なる差別の根絶は長い歳月を必要とするものであることは皆が理解していた。
「襲った連中の名はラスカルズ。マザリモノだけで構成されたモッブだ。彼らの殆どが幼少より迫害を受け居場所を失った者たちだ。彼らは与えられなかった。そして全てに絶望している。彼らは自身が世界に見放されたと思っているのだ」
 彼らの置かれた状況を考えれば、確かに思うところはある。だが彼らの行っている事は間違いなく悪であり、人の道を外れている。
「彼らは自分達が起こす事件のことをラスカルズパーティと呼んでいる。その名の通りだ。彼らにとってこれはパーティ(遊び)でしかないのだ。」

 彼らの未来は階差演算装置でも導き出されてはいない。
 絶望の中に落ちた悪鬼達をどうするか、未来は自由騎士団の手に委ねられた。


†シナリオ詳細†
シナリオタイプ
通常シナリオ
シナリオカテゴリー
対人戦闘
担当ST
麺二郎
■成功条件
1.ラスカルズのパーティを阻止する
2.商人達の無事
どうも麺二郎です。今日の麺はペペロンチーノでした。

マザリモノ組織『ラスカルズ』一派の暴虐を止めてください。

以下依頼詳細になります。

●討伐対象
マザリモノ集団『ラスカルズ』の構成員 4人

ジーク・R・ロベルトドーン 21歳
ラスカルズ幹部ではありませんが今回のメンバーのまとめ役です。
ソラビトの母親がノウブルの貴族に弄ばれた結果生まれた子で、幼少期に母親に捨てられました。
それからは盗みなどをして生きてきましたが、15歳のときにラスカルズに拾われ今に至ります。
主に商人からの強奪行為を行ってきました。これまでの経験もあり他3人より若干戦闘に長けています。
基本はナイフですが銃を所持しており、1発の銃弾が込められています。
オープニングの語りは彼です。
ラスカルズの武器増強のため、黒曜石で出来た刃物を運ぶ武器商人の馬車を襲撃します。

他3人
 軽装備にナイフを装備しています。全て攻撃要員で回復役はいません。
 ジークに何かあれば逃げ出す程度の関係性です。

●ロケーション
夜、山道。黒曜石で出来た刃物を運ぶ武器商人の2台の貨物馬車が襲われます。
(演算装置の導いた結果により、商人が襲われる直前に現地に到着します)
商人は4人、2名ずつ馬車に乗っています。

あたりに光源はありませんが、晴れているため道は月明かりで照らされています。
ですが地の利は彼らにあり、地形を利用した戦いでは苦戦を強いられる事となるでしょう。
また戦闘が長引くと彼らは馬車を破壊を試み、火をつけて逃走します。
商人が無事であれば成功には違いありませんが可能な限り阻止をお願いします。


本依頼のポイントは
・商人(と馬車)の安全確保方法
・地の利があるラスカルズへの対処
・1発のみのピストルの意味

ラスカルズはそれなりの規模を持つ組織です。
組織としての悪と、個々人ごとの与えられた環境によるそれぞれの思考。

それに干渉する事で新たな未来は生まれるのでしょうか。

皆様のご参加お待ちしております。
EXには皆さんのお好きな麺類を。
状態
完了
報酬マテリア
2個  6個  2個  2個
21モル 
参加費
100LP [予約時+50LP]
相談日数
7日
参加人数
7/8
公開日
2018年06月27日

†メイン参加者 7人†




 自由騎士団は急ぐ。目的の場所へ。
 知らされたのは未来。変えるべき未来。
『エルローの黄金騎士』アダム・クランプトン(CL3000185)は考える。
 迫害を受け、居場所を失った者達。その彼らの居場所となったラスカルズ。
 これまでの所業を考えてもラスカルズは紛う事無く悪の組織だ。
 だがもし自身の居場所がそこにしかなかったらどうだろう。唯一自身を認め必要としてくれている場所。そこに善悪は関係あるのだろうか。
 彼はなおも考える。居場所が無いならば僕が作ろう。僕の目指すやさしい世界には彼らの居場所も当然あるのだから。
 ノウブルの父とソラビトの母の間に生まれたセリア・ヤナギハラ(CL3000321)もまた思うところはあった。境遇には親近感を覚える部分もある。でもアタシには居場所が合った。傍にはいつも両親がいてくれた。父譲りの黒髪も、母譲りの羽根もアタシがアタシである証拠だ。マザリモノに未来が無いとはアタシは思わない。彼らには伝えなければならないことがある。まっすぐ前を見つめるその目には光が溢れていた。
(私も拾われる相手が悪かったら、今とは違ったのかな?)
『蒼の審問騎士』アリア・セレスティ(CL3000222)はふと思う。私も本当の両親を知らない。でも私を育ててくれた人たちはみな、本当の両親に負けないほどの愛情で私を育んでくれた。だからこそ今の私があある。
 でももし……もしも彼らと同じ境遇であったなら。アリアはあり得たかもしれない未来を想像するだけで、胸の奥が締め付けられる。この不安を彼らはずっと感じ続けている。
 私に何が出来るのか。今のアリアにはまだ答えを導きだす事は出来なかった。
「もうすぐ到着するよっ」
『マザり鴉』アガタ・ユズリハ(CL3000081)が皆に声をかける。
 それぞれがそれぞれの思いを秘めて今、戦いの場へ到着する──。


「ヒャッハ──っ!!」
 夜道を進む2台の馬車の前にそれは唐突に現れた。突然森の中からあらわれた人影に商人達はあわてて馬車を止める。
「な、なんですか!? あなた達はっ!?」
「おいおい、何だって事は無いだろう。こんな夜道を護衛も付けずにのこのこ通るなんてよぉ……まるで遊んでくださいって言ってるようなモンじゃねぇか。だからわざわざ俺達がパーリィしに来てやったんだぜ」
 馬車の前には道を塞ぐように4人の男達。少し後ろで腕を組むリーダー格の男の前には3人の男達。それぞれ手にはナイフを持ち、下種な笑みを浮かべている。リーダーが合図をすると更に男は続ける。
「なあに、何も命まで取ろうって訳じゃねぇ。馬車を荷物ごと置いていきな。それで勘弁してやるよ」
「そんな……」
 ここは人里離れた山道。助けなど来るはずもない。下手に抵抗して命まで取られては元も子もないのだ。

 ──俺の居場所はここにしかない──

「わかりました……」
 商人達が馬車を降り、荷物をあきらめ離れようとしたその時だった。
「なんてーなっ! 全部嘘に決まってるだろぉぉ──っ!! 誰も生かしちゃ帰さねぇよっ!!」
 馬車から離れようとする商人へ、男の一人がナイフで襲い掛かる。
「ひぃぃぃぃーーーっ」
 商人は死を覚悟し、目を瞑る──。がその瞬間は訪れなかった。恐る恐る目を開けると男のナイフを持つ手には炎。
「うおぉっ!? 熱っ!?」
 男の右腕が衝撃と炎に包まれる。
 それは今まさに到着せんとする、自由騎士団『灰の探索者』アラド・サイレント(CL3000051)の放った炎の一撃と夜目の利く『エルローの七色騎士』柊・オルステッド(CL3000152)の遠当てが男のナイフと腕に命中した瞬間だった。
 突然の出来事に少なからず動揺したラスカルズは陣形を乱し、馬車と商人を守るように自由騎士団のメンバーがラスカルズと対峙する。
「ふっっざけんなよぉ!! テメェら何者だっ!? せっかくのパーリィが台無しじゃねぇか」
 ようやく炎を鎮火した男は苛立ちを隠さずにそう言った。

 ──これは俺達を捨てたこの世界への復讐なんだ──

「オレたちは自由騎士団。お前達を討伐する」
 柊は悪漢達を前に一歩も引かずそう言い放つ。
「アガタさん参上っ! 商人の人たち、もう大丈夫だよっ」
 アガタもそれに続く。
「キミ達マザリモノ? 奇遇だね、アガタさんもだよ! マザリモノって大変だよね~わかるわかる。でもココはヒトの世、ヒトのルールは守ろうね! ……お互いに!」
 アガタが言葉巧みに気を引いている間にアダムは商人達に出来るだけ集るよう指示を出していた。護衛するにしても分散していては守りきれない。そう判断しての的確な指示だ。
 少しの時間が立ち、雲の切れ間から照らす月明かりとメンバーの持つカンテラに照らされ、自由騎士団の面々を男達もようやく認識する。
「……ん? よく見たらそっちの野郎以外は女子供ばっかりじゃねぇか」
「おいおいハーレムに囲まれた王子様が何の様だい?」
「こいつぁ笑えるぜ。なぁジーク。ついでにこいつらも攫っちまおうぜ。帰ってからのお楽しみだ」
「……好きにしろ。オレは指示されたブツさえ手に入れば後はどうでもいい」
 ジークと呼ばれたリーダー格の男がそう言うと、男達はぐへへ、と下卑た笑みを浮かべながらナイフを構えた。彼らにとってこれは遊び。人々を蹂躙し、陵辱する事で得るひと時の快感を満たすだけの遊び。自分達が負けるなど微塵も思っていないのであろう。
「ヒャッハーっ!!」

 ──こいつらはやっと手に入れた俺の居場所をまた奪うのか──

 かくしてラスカルズと自由騎士団の戦いの幕は開ける。
『護神の剣』カスカ・セイリュウジ(CL3000019)は戦闘開始後、すぐに山道から森へ移動する。それに気づいた男が一人、すぐにカスカを追った。彼等にとって森は勝手知ったる場所。そこへわざわざ入り込むカモがいるのだ。1対1なら負けるなど毛ほども思っていない彼らだったが数では自由騎士団が上回っている。数を減らす意味でメンバーと離れたカスカを狙うのは当然だった。
 得意、というだけの事はあった。森に入るとすぐに男は容易にカスカへ接近し、付かず離れずナイフによる攻撃を幾度と無く振り下ろす。カスカもスキルを駆使し、男へ仕掛けるが木々や森独特の地形もあり、防戦が続く。
「ぐへへ……アジトに帰ったらたっぷり可愛がってやるからなぁ」 
 男が勝利を確信し、一撃を見舞おうとしたその瞬間。カスカの姿が消えた。
「っ!? どこに行きやがった!? ぐふっ……」
 自然を巧みに利用し、瞬時に後ろをとったカスカの背後からの高速の一撃をまともにくらい、男はそのまま気を失った。
「残念でしたね。私も森は得意なのですよ。久々だったので少し勘を取り戻すのに時間はかかりましたけどね」

 一方、山道でも戦いは続いていた。
「おおおおおおおおおぉぉぉぉぉぉぉーーーーーーっ!!!!」
 アダムが咆える。守るべき者へ向け、対峙する敵へ向け、そして自身へ向けて。
 誰よりも優しい彼がどこよりも優しい世界を作るための力強き咆哮だった。商人と馬車は絶対に守りきる。その思いは確かにメンバー全員に伝わっている。アダムの傍にはセリアの造ったホムンクルスも待機する。守りは完璧だ。
 その間もセリアとアリアは男二人と交戦していた。
 アリアも自由騎士団に入ってからは幾度の依頼をこなしてきた。軽戦士としての戦い方も日々実感共に感じつつある。それでも男達の連携には苦戦を強いられていた。セリアもロングスピアを使い果敢に攻めるが、元来アルケミーは補助や回復を得意としている。槍のリーチを利用して少し距離をとって攻撃するも、戦闘では男達の方が一枚上手。決定打を与えられないでいた。前で二人を同時に相手するアリアも男達の息の合った連携にじりじりと後れをとり始めていた。男達のナイフは弄ぶように執拗にアリアの衣服を切り裂いていく。
「くっ……」
 自身の柔肌が傷つき、晒される度にアリアの顔には恥辱の表情が浮かぶ。
「ヒャッハーっ!! いい様だな、ネーちゃんよぉ!」
「最後の一枚までひん剥いてやるぜぇ!!」
 まるで品定めでもするような男達の目線と恫喝にアリアの動きは見る見る鈍くなる。アリアは騎士団の戦士だ。だが戦士である前に一人の女の子でもある。様子を察知した男達は顔を見合わせにたりと口元を歪ませる。生かさず殺さず嬲るように執拗な攻撃を繰り返しアリアを言葉と暴力で追い込んでいく。
(くっ……このままじゃ……。こんなやつらに……っ)
 アリアの瞳から光が失われるまさにその直前、声がした。
「全く。あなた達には品性というものはないのですか」
 そこに現れたのはカスカ。森での戦闘を終え戻ってきたのだった。
 男達は驚愕する。なぜアイツが戻ってきた? 森での戦闘で仲間が負けた……? 
 動揺は瞬時に体に伝わり、男達の連携が乱れ始める。
 頭数が揃ったことでセリアは回復に専念できるようになり、形勢は一気に逆転する。
「ふざける……なっ!! 俺達がこんなガキどもに……っ」
「くそったれがぁ……」
 程なく男達は地に伏した。

 ──なぜこいつらは他人のためにこんなに必死になるんだ──

「きみを止めるよ。だってお仕事だもん」
 そう言うとアラドは緋き炎と蒼き氷を交互に放つ。
 リーダー格であるジークには柊、アガタ、アラドの3人が対峙していた。
 柊はラピッドジーンで自身の速度を限界まで上げ、ジークに流れるような攻撃を行う。
 アガタも人形兵士を作り出しそれをサポートするが、ジークの俊敏な動きをなかなか捉えきれない。
「お前達の気持ちがわからんとはいわない。だけど俺は俺でこの国の行く末に賭けた。その邪魔はさせないぜ」 
 柊は戦闘中も語りかける。アガタもそれに続く。
「今の王様になって、ボクらみたいなのも生き易くなったって知ってる?」
 ふとジークの動きが止まる。
「……それはどういう意味だ」
 ジークか放たれる殺気がふと緩んだ気がした。アガタが更に言葉を続ける。
「そのままの意味だよ。この国ではマザリモノへの迫害はきっと無くなる」
「俺たちのようなマザリモノ(半端者)には未来なんて無い。搾取され、略奪されるだけだ」
「そんな事は無いと思うぜ。少なくとも今の王様はそんな事考えちゃいねぇ」
「ならそれを力で示して見せろ。俺は口先だけの言葉なんて信じない」
「わかんねーヤツだな。お前のそのヒネた根性ごとぶっ倒してやるよ」
 ジークに、柊に、アガタに、そしてアラドにも力が漲る。それはまるでそれぞれの信じるものが形となっている様だった。

 ──俺は……俺の居場所は──

 気づけばジークは空を仰いでいた。柊の高速の一撃に。アガタの人形兵士の打撃に。そしてアラドの炎と氷の連撃に。すべての攻撃から感じ取れるソレはジークの幾層にも守られた『ラスカルズのみが唯一のよりどころである』という呪縛から彼を解き放った。
「参ったか! このやろーーっ!」
 ジークが倒れたのを確認すると、もう限界だとばかりに柊も倒れこむ。
 アガタとアラドは肩で息をしながらもなんとか立っている。
 ラスカルズとの月夜の中での戦いは終結した。


「探してみたけどいなかったわ。逃げたみたいね」
 カスカはあきれたようにそう言った。すべてに決着がついた後、森で倒した男を探したがその姿は無かった。
 逃げた一人以外のラスカルズはロープで縛られ、到着後の適切な指示やアダムの身を挺した守りにより、商人に怪我は無く、場所も荷物もすべて無事だった。
「俺達をどうする気だ」
「どうもしない。だけど償いはしてもらうよ」
 アダムはゆっくりと語りかける。他にも道がある事を。そしてその道を自らも一緒に歩みたいと。その顔は戦闘開始直後に雄たけびを上げた人物とは思えないほど穏やかだった。
 柊もラスカルズについて情報を聞き出そうとしたが、ジークは盗賊まがいのことをしているグループのリーダでしかない。組織の全貌はもちろん、その規模や首領の名前すら知らされてはいなかった。
 唯一ジークから聞き出せたのはラスカルズの活動範囲はこの国だけではないらしいという情報だけだった。
「そういえばこの銃、結局使わなかったな。一体なんだんだこれ?」
 取り上げた銃をくるくると回しながらセリアがジークへ話しかける。
「私達てっきり自決用かと思ったのだけど」
 セリアやアガタも顔を見合わせる。その様子を見たジークはゆっくりと口を開く。
「それは自決用じゃねぇ。自決するならナイフで自分の胸を刺せばいいだけだ。……それは道連れさ。自分がもし殺されかけたら、そいつを必ず道連れにしろ。そうすることでファミリーの危険が一つ減る……ってな」
 思っても見ないジークの言葉に一同は顔を見合わせる。ラスカルズ。この組織は危険だ。
 組織自体を何より重んじ、組織の永続のためには構成員の死さえも利用する。
「とりあえず、君達にはちゃんと償ってもらわないとね。今いろんなところでちょー人手不足なんだよね、お仕事いっぱいあるし」
「ルールはあるけどさ。ソレさえ守った上なら善くある事もワルくある事もボクみたくどっちも選ばない事も自分で決められるんだよ」
 アラドやアガタの言葉にカスカとアリアも頷いた。
「好きにしろ。俺たちは負けた。勝ったやつがすべてを決めればいい」
 ジークは計画に失敗した。そしてこれまで唯一と思っていた居場所を失った。もう帰る場所は無い。
 それなのに。なぜか彼は安堵とも思える開放感に包まれていた。 

†シナリオ結果†

成功

†詳細†


†あとがき†

ジークの中での葛藤や絶望のすべてが消えたわけではありません。
ですが彼は唯一つと思っていた生きる道に複数の選択肢がある事に気づきました。
その道を模索する中で、きっとこれまでとは違う生き方を見つけていくはずです。

MVPはカスカさんへ。
森が得意という彼らの特性を逆に利用した戦略、お見事でした。

皆さん麺もお好きなようで、愛を感じました。
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