MagiaSteam
Berserker! 狂える悪夢をここに!



●黒く昏い沼の中に堕ちていく……
 ――こんな夢を見た…………。

●その幻想種の名は――
 ナイトメア。
 幻想種と呼ばれる中でも、とりわけその生態が不明な存在だ。
 黒い馬という説もあれば、馬に乗った悪魔、或いは馬の姿をした悪魔とも言われている。その姿を見た者はいない。何故ならナイトメアは悪夢を持ってのみその存在を知ることが出来るのだから。
 そう、ナイトメアは悪夢を見せる。
 それは過去に経験した傷痕だったり、今直面している耐えがたい事件だったり、未来の不安を形にした者だったりと様々だ。
 人が心を持つ以上、悪夢に怯えない事はできない。恐怖を恐怖と感じなくなった時点で、その精神は壊れてしまったのだから。怖さを認めたうえで立ち上がるのと、怖さを感じないほど壊れたのでは全く意味が異なる。
 ともあれ、ナイトメアは万人に悪夢を見せる。死と同じく平等に。男女も、老若も、種族も、身分も、財産も、善悪も関係なく。
 当然、貴方にも――

「今宵の夢は、狂気に陥った自分達だ。さあ、内なる狂気に従い派手に暴れ給え――」




†シナリオ詳細†
シナリオタイプ
通常シナリオ
シナリオカテゴリー
日常σ
担当ST
どくどく
■成功条件
1.狂った夢を見る
 どくどくです。
 シリアス飽きた!(ちゃぶ台を返すポーズ

●説明っ!
 貴方は悪夢を見ます。
 それは『貴方が狂ってしまった』夢です。どのように狂っても構いません。
 もしかしたら、内なる狂気が解放されて奇天烈な行動をとってしまうかもしれません。
 もしかしたら、溜めこんだストレスが人格を歪め、大犯罪を犯すかもしれません。
 もしかしたら、狂気に支配されて世界を征服しているかもしれません。
 もしかしたら、もともとあたまがおかしいかもしれません。
 プレイングにその悪夢の内容を書いてください。悪夢は夢です。ありえない恐怖だろうが問題はありません。ピーマン嫌い、とか書くとピーマンを滅ぼすために世界全てのピーマンに毒を撒く夢を見ます。
 コミカルになるかもしれません。シリアスになるかもしれません、それはプレイング次第です。

●禁止事項 
 禁止事項として二つ。先ずはマギアスティームの時代背景を大きく逸脱する時期や世界線は不可です。端的に言えばPCが想像しうる範囲内という事になります。そう言ったものが書かれていた場合、適当なモノに修正します。魔法って便利。
 もう一つはNPCの存在です。夢の中で登場する人物は基本靄がかかったような不明瞭な感じになります。しかしあなたにはそれが誰かわかります。メタな事を言うと、NPCの名前は描写しません。
 以上二点をご了承ください。

●夢という自由性
 ぶっちゃけ、夢オチです。
 なのでPCが世界を制覇したり、スキルにないオリジナルな術式を得ていたり、修羅になっても何の問題もありません。
 目覚めればすべて消える夢幻泡影です。

●場所情報
 夢の中。寝ているPCは普通に就寝しています。
 夢の中なので状況はプレイング次第です。禁止事項に引っかからない程度にご自由に設定してください。

 皆様のプレイングをお待ちしています。
状態
完了
報酬マテリア
1個  1個  1個  2個
2モル 
参加費
100LP [予約時+50LP]
相談日数
7日
参加人数
4/8
公開日
2021年01月01日

†メイン参加者 4人†



●『その過去は消えぬけど』ニコラス・モラル(CL3000453)の狂気
 蒸気機関が発達して空を飛ぶ船が生まれてきているとはいえ、大型流通の大半はやはり海路である。他の大陸の輸送物を運ぶことが出来れば一儲け。故に人は海に出て、故に海賊は横行する。
「つまり、海路を押さえれば流通は止まる。流通を止めたくなければ、通行料を払ってもらう。
 それだけだ。たったそれだけで、これだけの儲けが出る」
 ニコラスは床一面の金銀財宝を見下ろしながら、笑みを浮かべていた。船を沈没させて得た金。沈没寸前まで追い込んで脅迫した美術品と奴隷。海路を確保するために渡された賄賂。その他さまざまな非合法な手段を用いて得た財産。
 ミズビトであるニコラスにとって、海での戦いはお手の物だ。そしてこういった悪事を粉うための知識とコネがあった。なかったのは、それを行うだけの一歩。その一歩を踏み出せば、こうなるのだ。
「今日のアガリは?」
「へい。船三隻。ヒトが五十六名。財宝が――」
 ニコラスの言葉に反応するのは、部下の幻想種だ。この辺りの近海に住む幻想種は皆ニコラスに従っていた。その魔力、その行動力、その奸智。それら全てがカリスマとなっていた。そしてそれら幻想種を上手く扱い、ニコラスは更に『事業』を拡大する。
 もちろん、幻想種たちもただカリスマだけに従っているわけではない。
「それで……ニコラス様。私達の方には……」
「ああ、分かってる。好みのヒトがいれば持っていけ。好きにしていいけど、壊すなよ。壊していいのは身代金が払えないと判断してからだ。
 だがまあ、命があればいい」
「へっへっへ。ニコラス様は分かってらっしゃる!」
「おい! 宴の始まりだ!」
「ヒャッホーイ!」
 騒ぎ立てる幻想種達。その様子を冷淡な目で見ながら、ニコラスは鎖の一つを軽く引いた。そこに繋がれたミズビトの女が、歩いてくる。その瞳は虚ろで、自らの意思を持っているかも妖しい。
「今日の相手はお前か」
「あ……お……お……」
 忘我する女は、ニコラスの声に反応して唇の形を変える。ニコラスの姿を見て、言葉を紡ごうとする。この人の名前。この人を呼ぶ言葉。それを思い出そうと――
「黙れ。お前……誰だったか? とにかくお前に喋る権利はない。
 俺を楽しませることが出来なかったらどうなるか。散々その身と心に刻んでいるはずだ」
「…………ッ! ……はい」
 しかしそれは痛みと共に霧散する。そうだ、この人は主。逆らえない。それ以上考えることは、許されない。
 ニコラスは従うミズビトの女を見て、つまらなそうに息を吐く。退屈だ。この程度を征服しても、満たされない。
「次は。イ・ラプセルの貿易を止めてみるか。あの島を干上がらせて、じわじわと苦しめてみよう」
 それはとても楽しそうだ。ニコラスは愉悦の笑みを浮かべた。

●『積み上げていく価値』フリオ・フルフラット(CL3000454)の狂気
 四肢を失い、機械の腕を換装したフリオ。
 失ったモノは大きく、それを埋めた四肢は冷たく。自らを助けてくれた人達は亡く、そんな自分にどんな価値があると言うのか。
 なんでこんなことになってしまったのだ。どうしたらあのひとたちにむくいられるのか。
「……そうだ、簡単な事じゃないですか」
 彼らは自分を救った。自分を救うほどに強かった。
 なら、彼らのように強くなればいい。力をつければいい。
 そうだ、剣を振るおう。毎日一万回剣を振るおう。いいや、二万回? 三万回? 五万回? 寝る間も惜しんで剣を振るおう。機械の腕が壊れそう? ならもっと強い腕にすればいい。身体が壊れそう? ならその部分も機械にしよう。
 剣では届かない? なら銃だ。
 銃では届かない? なら魔法だ。
 魔法でも届かない? なら数を増やそう。
 ヘルメリアの亜人奴隷を買おう。数を増やして選択肢を増やせ。ああ、ヴィスマルクのチャイルドギアなんてあるじゃないか! なんて合理的! 自らの駆動システムにそれを組み込めば、さらなる力が手に入る!
 強くなる。そうだ。そうしなければならない。フリオはひたすら力を求めた。
 亜人を従えて兵団にし、子供を歯車にしてパワーを得て。まだ足りない。まだまだ足りない! ならどうしよう?
「……そうだ。神の力を得るであります」
 妖精をエネルギーに変換する聖櫃システム。無機物を人をより良く融合させる人機融合。支配した奴隷達を効率よく管理できる国民管理機構。そして――未来を見通せる水鏡運命階差演算装置!
「天候を意のままに操る力! 都市さえもと取り込み自らの手足とする融合! 万を超える奴隷を完全管理する管理力! そしてあらゆる未来を見ることが出来る運命視力!
 力! 力! チカラ! チkラ! まだ足りない! もっとヨウセイをくべろ! もっと無機物を喰らえ! もっと奴隷をよこせ! もっと未来を見せろ! それが私の力になるであります!」
 フリオは力を求めた。自らが知る限り、全ての力を。それをどん欲に取り込み、そして効率よく使っていく。
 フリオは強い。もう誰もフリオに適うものはないだろう。それでもなおフリオは力を求めた。力を。力を。力を。力を。力を。力を。力を。力を。力を。力を。力を! 力を! 力を! 力を! 力を! 力を! 力を! 力を! 力力力力力TiカラチカRAチKAラちかラちからちからちから―――――――――

(――――――――――なんの、ために?)
 一秒だけ、首をかしげるフリオ。
 しかしすぐに狂気に飲まれていく。

●『救済の聖女』アンジェリカ・フォン・ヴァレンタイン(CL3000505)の狂気
「■■■■■■■!」
 ■■、■――■、■■!
 アンジェリカ■■■■■、■■■■■■■■■■■■■■■、■■■■■!
 ■■■■■■■■■■■■■、■■■■■■■■■■■■■■■■■、パスタ■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■!
「■■■■■!」
 ■■■■■■■■■■■■■■■、■■■■■■!
 ■■■■■■■■■■■■■■■、■■■■■■!!
 ■■■■■■■■■■■■■■■、■■■■■■!!!
「■■■■■■■■■■、■■■■■■! ■■■■■■■■■■■、■■■■■■!」
 ■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■。
 ■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■、■■■■■■■■■■■■■!
「パスタ!」
 ■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■パスタ!
 ■■■■■■■■■■■■■■■アンジェリカはパスタと言った。
 混沌の中にパスタが生まれた。小麦粉は■■■■■■■■■■■■。
「パスタ! パスタ!」
 激しき怒りと苦き思いを胸に秘めながら。
 恐ろし非情に、しかも何の実もなき虚しい運命よ。
「パスタ! パスタ! パスタ!」
 アンジェリカは歌う。プレイングが■■■■■■■のみで書かれていて、日本語で書かれていないプレイングは採用する義務はない。なのでこのままアンジェリカパートは全文字■■■■■■■で埋め尽くされる運命なのだ。だとしても。
「パスタ、パスタ、パスタ! 愛しきパスタの神よ来ずば焦れて死のうもの――」
 謳う。パスタを参加する言葉を。そして世界はパスタに変わる。
 世界に小麦粉が生まれ、そして麵が生まれた。
 そこから生まれるパスタの可能性は無限。それは世界の可能性にも似て、世界はパスタであると言う証明でもあった。人の生み出すパスタの可能性。それは世界の可能性と同じなのだと。
 パスタ神はここに降臨する。
 人はパスタを喰らい、ソースを味わい、世界を喰らうと同時に世界と同一化し、世界の生物全てはパスタと同義になる。
 世界はパスタであり、パスタは世界である。
 貴方はパスタであり、パスタもまた貴方なのだ。
 全てがパスタであり、全てが貴方となる。これにより全ての争いは消え、全てのパスタは恒久的な平和を得ることが出来る。

「即ち、楽園(パスタ)なのです――」
 アンジェリカはそう言って、世界(パスタ)の中で聖書(パスタ)を閉じた。

●『ただ真っ直ぐに』デボラ・ディートヘルム(CL3000511)
「来年五月よりイ・ラプセル全国民に義務教育を課します! 
 生徒は男女別学の全寮制。教員は前もって来年1月、オラトリオオデッセイ後に試験を実施し選抜するものとします!」
 デボラは己が持ちうるすべての権限とコネと金を使い、イ・ラプセルの教育機構を我が物とする。教育。それは未来を育む為の投資だ。古今東西、教育を疎かにした国の末路は悲惨である。デボラは貴族として教育を先導し――
「コレですよ、コレ。私好みのおじs……げふん、男性を作るにはコレしかないのです!」
 拳を握って叫ぶデボラ。…
「いいですか。思い通りにならないのが恋愛というものですが、やはり理想というものは存在するのです。ならばどうすれば己の理想に近付ける事が出来るのか。そう、やはり教育なのです。自分が異性に求める理想を分析し、そこからどう教育を施せば理想のおじs……げふん、男性が出来上がるのか。チャイルドギアは拷問と暴力で必要とする理想に近付けていましたが、伴侶となる殿方ですからそうはいきません。そうなるとやはり教育ですね。学問、儀典、一般教養、運動、美容、そして学問は専科するものを2つ程選んでいただきましょう。ハードルが高い? そんな事はありません。幼少期からみっちりねっちり仕込めば成人する頃には立派な紳士、おじさま候補に仕上がるというもの!」
 プレイングまるまるコピペ。いやだって熱意凄いし。
 理想の異性。それは簡単には現れない。ならば一から作ってしまえ! 子供のころから教育を重ね、自分の恋人にするのだ!
 ……と、これだけ聞くとデボラがショタコンに思われてしまうので誤解なきように言っておくと、デボラは拗らせた――この拗れ方は狂気のせいだと思いたい――年上嗜好である。
 彼女は『子供は子供のままでいてほしい』『年端のいかぬ子供を愛したい』という願望はもっていない。むしろ立派な紳士として育ってほしい。そして理想のおじさまとして自らを慕ってほしいだけなのだ。
 無論、計画は教育機関だけではない。
 親子ともいえる程の年齢差の恋を正当化するための法規制。それら恋愛を深いと思わないような倫理の改変。そう言った社会的な下地も同時に作っていく準備を進めていた。教育機関を押さえたのも、それが理由だ。抜かりなどない。全ては理想のおじさまと添い遂げるため!
「失礼します。デボラ様、『あの御方』を確保しました」
「ご苦労様です。では計画の始まりです! さあ、明るい未来のために!」

 こうして、イ・ラプセル全てを巻き込んだ逆光源氏計画は動き出すのである。
 後にこれら教育機関は多くの有能な人材を生み出し、デボラの元には昼行燈オジサン、腹黒オジサン、紳士オジサン、裏は殺し屋オジサン、動物好きオジサン、老獪オジサン、胡散臭い系オジサン、寡黙剣士オジサンといった様々な壮年男子が集うのであった。

●そんな悪夢を見た
 この内容を覚えているかどうかは、自由騎士次第である。

†シナリオ結果†

成功

†詳細†


†あとがき†

どくどくです。
新年あけましておめでとうございます。

久しぶりに何も考えずに、思うままにキーボードを叩きました。いえい。
FL送付済