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Keepout! 女性の敵は立入禁止!

●なんておそろしいげんそうしゅなんだ(棒
「胸の大きさがトミナルタ洞窟の探索能力に影響する……。興味深い意見だ。封じられた幻想種の中に、そう言った能力を持つ者がいるのかもしれない!」
と、どこかの医者が憩いの広場で言ったとか言わなかったとか。その時は『ああ。色々ズレてるなぁ、この人』程度の話で終わってのだが――
その幻想種は空間を渡ってトミナルタ洞窟の外に現れた。弱まったとはいえアクアディーネの封印内でその手の術を使えば、封印の影響でどこに飛んでいくかわからない。良くて土の中、最悪はるか上空に飛ばされてしまうだろう。
しかしその幻想種はそんな危険を恐れることなく空間を渡った。無事に大地に立てたのは、幸運としか言いようがない。
「乳ィ! 尻ィ! ふとももォ!」
あるいは執念に似た精神的な活力がこの結果を引き寄せたのだ。……まあ、褒められた執念ではないかもしれないが。
複数ある腕をわきわきさせながら、その幻想種は道を進む。場所はイ・ラプセルの首都サンクディゼール。そこにいる女神アクアディーネの元に。
「ふへへへへ。女神の乳はさぞもみ心地があるんだろうなぁ」
色々駄目な幻想種だった。っていうかこれ審査通るのか?
●階差演算室
「……えーと、なんて言ったらいいんだろうね、これ……」
いつも元気な 『元気印』クラウディア・フォン・プラテス(nCL3000004)だが、今回は少し困ったような顔をしていた。咳払いをして、説明を開始する。
「トミナルタ洞窟から幻想種が出てきたんだ。で、それがサンクディゼールに向かっている。それを止めてほしいんだ」
クラウディアが羊皮紙に幻想種の姿を書き写す。大雑把な説明だが、腕が複数ある巨人と言った所だ。
「筋骨隆々だけどどっちかっていうと魔法使いで、空間を操作して配列を入れ替えたりするみたい。なので前衛を守っていた戦士が急に後ろに飛ばされるんだ。
あと腕を飛ばして後衛まで手を伸ばすことが出来るみたい」
厄介な能力である。前衛が後衛を守りつつ攻撃するというこちらの戦術が崩されてしまう。
「……あと、その、女性の身体が好きみたいで、色々触ってくるみたいだよ」
目をそらして言うクラウディア。一三歳の少女には色々刺激が強いようで。そう言った感情は理解はしても、目の当たりにはしたくないようだ。
「と、とにかく厄介な相手だから気を付けてね!」
クラウディアの言葉に頷いて、自由騎士達は階差演算室を出た。
「胸の大きさがトミナルタ洞窟の探索能力に影響する……。興味深い意見だ。封じられた幻想種の中に、そう言った能力を持つ者がいるのかもしれない!」
と、どこかの医者が憩いの広場で言ったとか言わなかったとか。その時は『ああ。色々ズレてるなぁ、この人』程度の話で終わってのだが――
その幻想種は空間を渡ってトミナルタ洞窟の外に現れた。弱まったとはいえアクアディーネの封印内でその手の術を使えば、封印の影響でどこに飛んでいくかわからない。良くて土の中、最悪はるか上空に飛ばされてしまうだろう。
しかしその幻想種はそんな危険を恐れることなく空間を渡った。無事に大地に立てたのは、幸運としか言いようがない。
「乳ィ! 尻ィ! ふとももォ!」
あるいは執念に似た精神的な活力がこの結果を引き寄せたのだ。……まあ、褒められた執念ではないかもしれないが。
複数ある腕をわきわきさせながら、その幻想種は道を進む。場所はイ・ラプセルの首都サンクディゼール。そこにいる女神アクアディーネの元に。
「ふへへへへ。女神の乳はさぞもみ心地があるんだろうなぁ」
色々駄目な幻想種だった。っていうかこれ審査通るのか?
●階差演算室
「……えーと、なんて言ったらいいんだろうね、これ……」
いつも元気な 『元気印』クラウディア・フォン・プラテス(nCL3000004)だが、今回は少し困ったような顔をしていた。咳払いをして、説明を開始する。
「トミナルタ洞窟から幻想種が出てきたんだ。で、それがサンクディゼールに向かっている。それを止めてほしいんだ」
クラウディアが羊皮紙に幻想種の姿を書き写す。大雑把な説明だが、腕が複数ある巨人と言った所だ。
「筋骨隆々だけどどっちかっていうと魔法使いで、空間を操作して配列を入れ替えたりするみたい。なので前衛を守っていた戦士が急に後ろに飛ばされるんだ。
あと腕を飛ばして後衛まで手を伸ばすことが出来るみたい」
厄介な能力である。前衛が後衛を守りつつ攻撃するというこちらの戦術が崩されてしまう。
「……あと、その、女性の身体が好きみたいで、色々触ってくるみたいだよ」
目をそらして言うクラウディア。一三歳の少女には色々刺激が強いようで。そう言った感情は理解はしても、目の当たりにはしたくないようだ。
「と、とにかく厄介な相手だから気を付けてね!」
クラウディアの言葉に頷いて、自由騎士達は階差演算室を出た。
†シナリオ詳細†
■成功条件
1.ヘカトンケイルの打破
どくどくです。
ちがうんだきいてくれこれはかかなければならないというながれであってどくどくはわるくない。でももむ。
●敵情報
・ヘカトンケイル(×1)
伝承では百本の腕を持つ巨人ですが、腕の数は十本まで減っています。四メートルの巨身を持ち、空間を操る魔術を有しています。
で、その魔術と身体能力は全てセクハラする為に使います。一応邪魔なら殴ったりしますが、基本的にセクハラ優先です。
なお参加者が全員男性だった場合、げんなりした幻想種を退治する魔物退治依頼になります。ちぇー。
目の前に人間がいれば、空間を渡って移動はしないようです。
攻撃方法
腕を伸ばす 攻遠単 腕を伸ばして殴ってきます。普通に後衛まで届きます。
色々触る 攻近範 複数の腕で色々触ってきます。【ダメージ0】【パラライズ1】
空間捜査術 P 三ターンに一度、ターンの初めに発動します。PCの隊列を強制的に移動させます。具体的には『性別:女』を前衛に、『性別:男』『性別:不明』とを後衛に移動させます。移動させられたターンは感覚が狂わされ、、隊列移動が出来ません。
●場所情報
トミナルタ洞窟近く。足場や広さは戦闘に影響しません。時刻は昼。
戦闘開始時、敵前衛に『ヘカトンケイル(×1)』がいます。事前付与などは幾らでも可能です。ホムンクルスも精製可能です。
●どーでもいい追記
プレイング及びEXプレイングに【覚悟完了】と書かれた場合、(全年齢の範疇内で)容赦なくセクハラしに行きます。また『アンラッキースケベ』『セクシー』持ちはひどい目にある可能性が高いです。
皆様のプレイングをお待ちしています。
ちがうんだきいてくれこれはかかなければならないというながれであってどくどくはわるくない。でももむ。
●敵情報
・ヘカトンケイル(×1)
伝承では百本の腕を持つ巨人ですが、腕の数は十本まで減っています。四メートルの巨身を持ち、空間を操る魔術を有しています。
で、その魔術と身体能力は全てセクハラする為に使います。一応邪魔なら殴ったりしますが、基本的にセクハラ優先です。
なお参加者が全員男性だった場合、げんなりした幻想種を退治する魔物退治依頼になります。ちぇー。
目の前に人間がいれば、空間を渡って移動はしないようです。
攻撃方法
腕を伸ばす 攻遠単 腕を伸ばして殴ってきます。普通に後衛まで届きます。
色々触る 攻近範 複数の腕で色々触ってきます。【ダメージ0】【パラライズ1】
空間捜査術 P 三ターンに一度、ターンの初めに発動します。PCの隊列を強制的に移動させます。具体的には『性別:女』を前衛に、『性別:男』『性別:不明』とを後衛に移動させます。移動させられたターンは感覚が狂わされ、、隊列移動が出来ません。
●場所情報
トミナルタ洞窟近く。足場や広さは戦闘に影響しません。時刻は昼。
戦闘開始時、敵前衛に『ヘカトンケイル(×1)』がいます。事前付与などは幾らでも可能です。ホムンクルスも精製可能です。
●どーでもいい追記
プレイング及びEXプレイングに【覚悟完了】と書かれた場合、(全年齢の範疇内で)容赦なくセクハラしに行きます。また『アンラッキースケベ』『セクシー』持ちはひどい目にある可能性が高いです。
皆様のプレイングをお待ちしています。
状態
完了
完了
報酬マテリア
6個
2個
2個
2個




参加費
100LP [予約時+50LP]
100LP [予約時+50LP]
相談日数
6日
6日
参加人数
8/8
8/8
公開日
2018年08月06日
2018年08月06日
†メイン参加者 8人†
●
「色々触ってくる幻想種かぁ……。どうなんだろうね」
『もてかわハーレム♡マスター』ローラ・オルグレン(CL3000210)は巨人の幻想種を見て想像を膨らませていた。力は強そうに見えるが手先が器用とは思えない。一応魔法使いっぽいからそこにワンチャン? 指を頬に当てそんなことを考える。
「セクハラしてくるなんて女性の敵だね! しかも巨乳が好きだなんて余計にイラッとするよ!」
怒りの感情をあらわにする『見習い騎士』シア・ウィルナーグ(CL3000028)。レースの入ったワンピースドレス。女神アクアディーネの格好を模した…………うん、胸の所が残念だけど、とりあえずアクアディーネの姿を模した格好である。
「肉体にしか興味のない女の敵め。その腕、ぶった切る」
同じく怒りに燃える『女傑』グローリア・アンヘル(CL3000214)。女性の敵である事への怒りがふつふつと湧き上がっていた。何がちちしりふとももだ。スタイルが良ければいいというわけでもあるまいし。そんな負のオーラがにじみ出ていた。
「うむ。まあ私は狙われないだろうがな!」
アマノホカリの神事服を着た『咲かぬ橘』非時香・ツボミ(CL3000086)が言って大きく頷いた。フラグである。童女といってもいい体形に東方の幻想種を思わせる角と尾。清楚さを感じさせる巫女服だ。
「女神様に手ぇ出そうとかぶっ飛ばすよ!」
ガッツポーズをして戦いの準備をする『全力全開!』カーミラ・ローゼンタール(CL3000069)。体を動かすたびに、ややはだけた胸元が大きく揺れ、スリットの入った服がそよぐように動いて健康的な足が露出した。
「豊穣・色欲の象徴、ギリギリカットのバニースーツ! 清純・節制の象徴、体の線を出さないシスター服!
この2つを合わせて身にまとい、彼奴めの邪淫を断罪するのじゃ!」
概ねセリフ通りの格好をした『揺れる豊穣の大地』シノピリカ・ゼッペロン(CL3000201)が気合を入れる。バニースーツにシスターの頭巾をかぶせた格好だ。バニーシスター。あるいはシスターバニーと言えばいいのだろうか。新境地である。
「女神様を襲うなど不埒千万。その残りの腕も全て叩き切ります!」
『慈悲の刃、葬送の剣』アリア・セレスティ(CL3000222)が二刀をヘカトンケイルに向ける。アクアディーネを守る自由騎士として、斯様な幻想種は許すことはできない。ここで討ち取ってしまわなくては。
「トミナルタ洞窟の幻想種……ホントに胸の大きさなんて関係あるのかしら?」
確かに奥に行きやすいけど、と『白金の星』ヒルダ・アークライト(CL3000279)は自分の胸を確認しながら首をかしげた。家から持ってきたメイド服を着ているのだが、何故か胸元が開いていてスカートの丈が短かった。アークライト家って一体……。
「へっへっへ。女ぁ! 八人とも捕まえて楽しませてもらうぜぇ」
ヘカトンケイルは自由騎士達に向けていやらしい笑みを浮かべて近づいていく。十個の手をワキワキとさせながら、どう『料理』しようか考えていた。
やだなー、という顔をしながらしかし武器を構える自由騎士達。
自由騎士達とトミナルタ洞窟の幻想種との戦いが、今始まる。
●
「さあ、ボクの剣を……くらうですわー!」
元気よく突撃しようとして、口調を変えるシア。アクアディーネの格好をして騙そうとしているのだから、言葉使いもそれなりに上品にしないといけないと思い直したようだ。上品で難しい。
二本のレイピアを振るい、ヘカトンケイルに相対する。しなり、曲がり、そして軽いことがレイピアの特徴。自分の手の延長のようにシアはレイピアを扱っていく。硬く受け止めるのではなく、受け流し弾く。そして鋭く穿っていく。
「えーと……大人しく洞窟に帰りなさいですわ!」
(シアさん可愛い! どこぞの黒いのとは大違いです!)
そんなシアを見ながら微笑ましい気分になるアリア。っていうかそれ以前に見た自称アクアディーネが酷かったとか。『どこぞの黒いの』とは一体誰の事なんだ、まったく。充分に癒されたのちに二本の短剣を握りしめる。
とん、と地面を蹴ってアリアは駆ける。ヘカトンケイルの視線から逃れるように縦に横にと動き回り、一瞬の隙を見つけて突撃する。駆け抜け様に振るわれた二刀がヘカトンケイルの腕を裂く。女性を辱める手など斬り落としてくれよう。
「二度とセクハラ出来ないようにしてあげます!」
「ああ。慈悲などない。騎士として役目を果たすのみだ」
鉄血の意志を込めてグローリアはフランベルジュを構える。グローリアから放たれる鋭いオーラは、意志が弱い者を竦みあがらせるほどのものだ。それは彼女の強い怒りか、あるいは鋼の精神が生み出したものか。
気が付けば、ヘカトンケイルはグローリアが間合いの中に入ってきたことに気だ着いた。不動を思わせる凛とした構えが、一転して攻めに転じたのだ。巨人が反応するよりも早くグローリアの剣が一閃する。
「帰れ、とは言わん。ここで果てろ」
「すごいよねー。十本ある腕で攻めてくるなんて」
カーミラは格闘家としてヘカトンケイルの攻め方に感心していた。体の芯をずらさずに繰り出される十本の腕。単純な力技ではない。洗礼された技術がそこにあった。二本ずつの両手両足をベースとした巨人の格闘術。その動きに素直に感心する。
その動きに対抗意識を燃やしたのか、カーミラも構えなおす。脇をしめ、急所を隠すように半身を逸らす。呼吸を吐き出すと同時に一気にかけて、その勢いを拳に乗せるように突き出した。よろめく相手に追い打ちをかけるように蹴りを放つ。
「やぁ! とりゃあ! これでどうだぁ!」
「おお、やるなカーミラ殿! よし、ワシも負けてれん!」
ヘカトンケイルの巨神を見上げながらシノピリカは指を突きつける。体躯で劣るからと言って、重戦士としてパワー負けしているとは思わない。二倍の身長差を埋めるように二倍のパンチと二倍のガッツと二倍の装いで挑むまで。……装い? 装い。
左腕の機械の腕を敵に押し当て、重心を落とす。雄叫びをあげながら、シノピリカは機械の腕のリミッターを解除していく。配管連結、関節固定、蒸気充電完了。気合と共に蒸気が解放され、同時に拳を振り切る。気合と蒸気を重ねた衝撃が巨人を揺るがした。
「見たか! これが人間の成長の証じゃ!」
「確かにキジン化も成長の証といえば証だな、うん」
七割方機械の機能だよなぁそれ、というツッコミを飲み込んでツボミは頷いた。文明の発展を否定するつもりはない。簡素にお湯が沸かせるようになってから、医学も発展してきたわけだし。何故お湯で器具を洗うと成功率が高まるかの理由までは不明だが。
頭を切り開けて戦闘に意識を戻すツボミ。仲間の傷を見ながら、頭の中で数十秒後の状態を予測する。チェスの盤面を見るかのような冷静な思考。その結果を元に魔力を解放し、回復の術を放った。一手先を読み、最悪を回避する。
「よし、傷は癒すから早く戦闘不能に追い込んでくれ」
「任せて! あたしも後ろから援護するわ!」
親指を立ててヒルダがツボミの隣で頷く。ガンナーだから後衛にいるのは当たり前である。ゼロレンジバーストとかよく使うけど、後ろにいるのはガンナーだから仕方ないのである。前衛ガンナー? 知らない子です。
突き刺さる視線を思いっきり無視して、散弾銃を構える。高い集中よりもしっかり銃を構えること。近距離ならともかく、距離が離れればわずかなブレで弾丸は当たらないのだ。ヒルダは両手で銃を構え、衝撃を肩で受け流すようにしながら引き金を引いた。
「なんか性に合わない……けど前には出る気はないわ! ないんだからね!」
「援護射撃、頑張ってねー」
応援するかのようにローラは手を振る。回復役なのだが、敢えて前に出てヘカトンケイルの気を引くようにしていた。レースのローレグパンティ&透け透けベビードール&ガーターベルトストッキングと言った……際どい、ていうか色々ギリギリの格好である。
その恰好のままヘカトンケイルの目前に飛び出し、胸元に手をやるローラ。ベビードールの胸元を引っ張って見せようとしたり、裾を持ち上げてローレグパンティを露出したり。あ、一応回復はしています。のーとるだむー。
「ローラ、素人さんじゃないからある程度なら乱暴でもオッケーだよ」
おい、これ審査通るのか。
そんなどくどくSTの不安をよそに、自由騎士達はセクハラ巨人を追い込んでいく。
●
自由騎士達はヘカトンケイルの拳を回避するために、あえてセクハラを誘発するように動いていた。つまりオールオッケーということである。何がだ。
あとサポートの24さいのおとなのれでぃー(胸控えめ)が相手にされず落ち込んだり、食堂のおばちゃんが心を癒すためにご飯を用意したり、お尻が可愛い盾っ娘が事後用のタオルを用意したり、くまくまが念写でセクハラの様子を記録したりしていた。
「ひっ……!」
まさか触られるとは思っていなかったグローリアが、ヘカトンケイルの手に触れられて悲鳴を上げる。殴られるのとは別の悪意。同時に体を走る未知の感覚。軍務に身を投じると決意した時に捨てた『女性』の感覚。
女神を狙う悪辣な幻想種。その幻想種の手がグローリアを弄るように攻め立てる。倒さなくてはいけない相手にいいように体をいじられ、悔しさと恥辱に苛まれる。どうかしたいのにどうにもできない。それでも体は巨人の手に反応してしまうのだ。
「離せ! それ以上、私を辱めるな! ま、まて! そこは、ぁ、……いっそ殺せ!」
「三十路前にもなって今更胸の足の触られた程度できゃわわわわっ!?」
平然と受け流そうとしたツボミは、最初のタッチであっさりと乙女な声をあげてしまう。半泣きになりながら必死に逃れようとするが、力と経験の差からただもがいているだけになっていた。まるで生娘のような反応を繰り返す。
二本の腕で大事な部分を必死に庇うが、ツボミの腕は全てをガードするには小さすぎる。ガードしきれない太ももを指でなぞるようにヘカトンケイルがなぞる。ツボミの反応を楽しむように、ゆっくりと。その度に腕の力が緩まり、指はそこに滑り込んでいく。
「ちょ、ま、待て貴様……っ! 反則! それ、はんそ、きゃうん!?」
「あはははははは! くすぐったい!」
体中を触られて、カーミラはくすぐったそうに笑っていた。性的な知識が乏しいこともあり、恥ずかしいという感覚がないため受けた感覚をストレートに表現しているのだ。続々と走る感覚を嫌悪感なく受け止める。
ヘカトンケイルの手がカーミラの豊満な胸に触れる。まるでお湯につかったかのような脱力感がカーミラを襲った。体中の力が抜ける甘い感覚。ふわふわするような浮遊感にさらに力が抜けていく。
「んー。なんだろうこれ……すごくふわふわするー」
「ちょ、こら、待つじゃ! 確かにワシの体なら望めばいくらでも触らせてくれようとはいうたが!」
シスターバニーのシノピリカはヘカトンケイルの御さわりを逃げることなく受け入れていた。濃い色のレオタードに黒タイツな格好のシスターは、どこか背徳感を誘発させる。神に仕えるものを穢す罪悪感がこういを加速させていた。
軍人としてよく鍛えられたシノピリカの身体は武器のような美しさがあった。だがそれが少しずつ巨人の手により浸食されていく。最初は激しい抵抗があったが、少しずつ行為を受け入れるように弱々しくなっていく。
「こ、この程度では屈せぬ……屈せぬが……、っ!」
「あーっ! お尻触ったなーっ! こんちくしょー、でございますわ!」
おしりを触られて怒るシア。叫んだ後で思い出したかのように上品な言葉をつける。触られた部分を庇うようにしながら、レイピアを振るう。胸の発達が不十分だと言わんがばかりに足やお尻を狙ってくるのが、またシアの怒りを誘発させていた。
空間を操作されて、シアの三半規管が狂っている隙を狙うようにヘカトンケイルが手を伸ばす。膝から太ももを伝って臀部に伸びる手。芋虫のような何かが温もりと悪意をもってシアに触れ、這い上がっていく。
「ひゃ、わわっ! いい加減にしろ、ですわよ!」
「いやホントもうマジで無理だから勘弁して!」
迫るヘカトンケイルの手を拒絶しながら下がるヒルダ。スライムとかなら人外ということで割り切れるが、人間の手を思わせる巨人の手はいろいろ想像してダメなのだそうだ。いやよくわからん。そして巨人もそんな事情を組むはずもなかった。
ヒルダの胸とお尻にヘカトンケイルの手が触れる。その指が動くたびに体中に走る熱い電流。そしてその感覚が男に攻められているのだと、ヒルダの中で強く意識させられる。肉体と精神の両方から、ヒルダは追い込まれていく。
「ひゃぁあぁっ!? だめだめっ、生々しい手つきで揉み揉みしちゃダメっ……!」
「触らないで! いやあああああ!」
迫る手に武器を振りながら抵抗するアリア。しかしいやらしく迫る巨人の手に困惑しているのか、その狙いは甘い。手首を掴まれて動きを押さえられ、その隙を縫うように胸に手が伸びてくる。
少しずつ大胆になっていく巨人の手の動き。それに翻弄されるアリア。最初は強気で抵抗していたが、少しずつその抵抗も弱まり身体の力が抜けていく。そうなればさらに巨人は大胆にアリアを責めていく。呼吸が少しずつ荒くなり、瞳に涙がにじんできた。
「この、変態……っ、離しなさ、ぁ!」
「どんなコトされちゃうのかなぁ……ウフフ」
期待に満ちた目でローラはヘカトンケイルを受け入れるように手を指し伸ばす。周りの自由騎士達の反応を見る限りでは、それなりに女性の身体に触り慣れている様だった。ヘカトンケイルの手を取り、胸に誘導する。
太い指と力強さを感じさせる手の平。それがローラの胸を包み込む。弾力を楽しむように手を動かしていたかと思えば、力強く攻めてくる。そうやって相手の反応を調べ、最適と思われる動きでローラの胸を揉みしだいていく。
「んー、うーん……変態ってゆーけどそこまで突き抜けてなくて中途半端だし。普通?
正直言うね、ヘタクソ」
「へ、下手……!」
ショックを受けるヘカトンケイル。追い打ちをかけるようにため息と共にローラは続けた。
「もうすこしこー、幻想種ならではの攻めとか期待してたのに。両手両足を押さえられて無理やり×××××させられるとか、巨人の力で強引に×××されるとか。
こんな感じに……」
「ちょ、おま――!」
「ローラがお手本見せたげる。それに一応戦いなんだし、まさか自分だけが無条件で責め役やれるなんて思ってないよねぇ?」
「そ、そこは……力が抜け……はうぅん!」
「ガマンなんてしなくていーからね? 気持ち良さに身を任せて……このまんま天国にイッちゃえ」
「もう、もう……らめええええええ!」
かくして自由騎士達はヘカトンケイルを屈したのであった。
…………これはひどい。
●
戦いが終わり平静を取り戻した自由騎士達は、ヘカトンケイルとの戦闘中の事を一切忘れようと心に誓った。女神を狙う幻想種は倒したのだ。それでいいではないか。
「それでこれ……どうする?」
地面に倒れ、ヒクヒクしているヘカトンケイルを見下ろしながら自由騎士達は考えに耽る。途中色々セクハラされたこともあり、闇に葬ってもいいかもと半ば思ってはいる。
「殴って浄化したら綺麗なヘカトンケイルになるとかないかな?」
「いやぁ、浄化ってイブリース解除というだけで、そういう効果はないじゃろうからなぁ」
「トミナルタ洞窟の転送サービスとかどうです?」
「報酬に胸を触らせろ、とか言いかねないわよ」
「逆にその程度でこの戦力が入るのならありかも……いや、無し」
喧々諤々と続く自由騎士達の話し合い。そんな中、ヘカトンケイルが目を覚ます。自由騎士達を見て、顔を青ざめさせた。
「お……」
「お?」
「女怖いいいいいいいいいいい! 助けてえええええええええ!」
言ってヘカトンケイルは空間を操作して自らの姿を消した。
「……むぅ、あの様子ならアクアディーネ様を狙うということはなさそうだな」
「怪我の功名……かな?」
言って自由騎士達はローラの方を見た。
「うん? そんなに見つめないでよ、ローラ照れちゃう」
頬を押さえながら恥ずかしがるローラ。その仕草はあどけない給仕娘そのものだった。
かくしてトミナルタ洞窟からの悪意は去った。
その後、山の中で『女人禁制』の看板を立てて住んでいる十本腕の巨人を見たという噂が広まったが、その真意は不明である。
あとクマのケモノビトが念写で記録していた用紙は、制裁(物理)の後にすべて没収されてしまいましたとさ。
めでたしめでたし。
「色々触ってくる幻想種かぁ……。どうなんだろうね」
『もてかわハーレム♡マスター』ローラ・オルグレン(CL3000210)は巨人の幻想種を見て想像を膨らませていた。力は強そうに見えるが手先が器用とは思えない。一応魔法使いっぽいからそこにワンチャン? 指を頬に当てそんなことを考える。
「セクハラしてくるなんて女性の敵だね! しかも巨乳が好きだなんて余計にイラッとするよ!」
怒りの感情をあらわにする『見習い騎士』シア・ウィルナーグ(CL3000028)。レースの入ったワンピースドレス。女神アクアディーネの格好を模した…………うん、胸の所が残念だけど、とりあえずアクアディーネの姿を模した格好である。
「肉体にしか興味のない女の敵め。その腕、ぶった切る」
同じく怒りに燃える『女傑』グローリア・アンヘル(CL3000214)。女性の敵である事への怒りがふつふつと湧き上がっていた。何がちちしりふとももだ。スタイルが良ければいいというわけでもあるまいし。そんな負のオーラがにじみ出ていた。
「うむ。まあ私は狙われないだろうがな!」
アマノホカリの神事服を着た『咲かぬ橘』非時香・ツボミ(CL3000086)が言って大きく頷いた。フラグである。童女といってもいい体形に東方の幻想種を思わせる角と尾。清楚さを感じさせる巫女服だ。
「女神様に手ぇ出そうとかぶっ飛ばすよ!」
ガッツポーズをして戦いの準備をする『全力全開!』カーミラ・ローゼンタール(CL3000069)。体を動かすたびに、ややはだけた胸元が大きく揺れ、スリットの入った服がそよぐように動いて健康的な足が露出した。
「豊穣・色欲の象徴、ギリギリカットのバニースーツ! 清純・節制の象徴、体の線を出さないシスター服!
この2つを合わせて身にまとい、彼奴めの邪淫を断罪するのじゃ!」
概ねセリフ通りの格好をした『揺れる豊穣の大地』シノピリカ・ゼッペロン(CL3000201)が気合を入れる。バニースーツにシスターの頭巾をかぶせた格好だ。バニーシスター。あるいはシスターバニーと言えばいいのだろうか。新境地である。
「女神様を襲うなど不埒千万。その残りの腕も全て叩き切ります!」
『慈悲の刃、葬送の剣』アリア・セレスティ(CL3000222)が二刀をヘカトンケイルに向ける。アクアディーネを守る自由騎士として、斯様な幻想種は許すことはできない。ここで討ち取ってしまわなくては。
「トミナルタ洞窟の幻想種……ホントに胸の大きさなんて関係あるのかしら?」
確かに奥に行きやすいけど、と『白金の星』ヒルダ・アークライト(CL3000279)は自分の胸を確認しながら首をかしげた。家から持ってきたメイド服を着ているのだが、何故か胸元が開いていてスカートの丈が短かった。アークライト家って一体……。
「へっへっへ。女ぁ! 八人とも捕まえて楽しませてもらうぜぇ」
ヘカトンケイルは自由騎士達に向けていやらしい笑みを浮かべて近づいていく。十個の手をワキワキとさせながら、どう『料理』しようか考えていた。
やだなー、という顔をしながらしかし武器を構える自由騎士達。
自由騎士達とトミナルタ洞窟の幻想種との戦いが、今始まる。
●
「さあ、ボクの剣を……くらうですわー!」
元気よく突撃しようとして、口調を変えるシア。アクアディーネの格好をして騙そうとしているのだから、言葉使いもそれなりに上品にしないといけないと思い直したようだ。上品で難しい。
二本のレイピアを振るい、ヘカトンケイルに相対する。しなり、曲がり、そして軽いことがレイピアの特徴。自分の手の延長のようにシアはレイピアを扱っていく。硬く受け止めるのではなく、受け流し弾く。そして鋭く穿っていく。
「えーと……大人しく洞窟に帰りなさいですわ!」
(シアさん可愛い! どこぞの黒いのとは大違いです!)
そんなシアを見ながら微笑ましい気分になるアリア。っていうかそれ以前に見た自称アクアディーネが酷かったとか。『どこぞの黒いの』とは一体誰の事なんだ、まったく。充分に癒されたのちに二本の短剣を握りしめる。
とん、と地面を蹴ってアリアは駆ける。ヘカトンケイルの視線から逃れるように縦に横にと動き回り、一瞬の隙を見つけて突撃する。駆け抜け様に振るわれた二刀がヘカトンケイルの腕を裂く。女性を辱める手など斬り落としてくれよう。
「二度とセクハラ出来ないようにしてあげます!」
「ああ。慈悲などない。騎士として役目を果たすのみだ」
鉄血の意志を込めてグローリアはフランベルジュを構える。グローリアから放たれる鋭いオーラは、意志が弱い者を竦みあがらせるほどのものだ。それは彼女の強い怒りか、あるいは鋼の精神が生み出したものか。
気が付けば、ヘカトンケイルはグローリアが間合いの中に入ってきたことに気だ着いた。不動を思わせる凛とした構えが、一転して攻めに転じたのだ。巨人が反応するよりも早くグローリアの剣が一閃する。
「帰れ、とは言わん。ここで果てろ」
「すごいよねー。十本ある腕で攻めてくるなんて」
カーミラは格闘家としてヘカトンケイルの攻め方に感心していた。体の芯をずらさずに繰り出される十本の腕。単純な力技ではない。洗礼された技術がそこにあった。二本ずつの両手両足をベースとした巨人の格闘術。その動きに素直に感心する。
その動きに対抗意識を燃やしたのか、カーミラも構えなおす。脇をしめ、急所を隠すように半身を逸らす。呼吸を吐き出すと同時に一気にかけて、その勢いを拳に乗せるように突き出した。よろめく相手に追い打ちをかけるように蹴りを放つ。
「やぁ! とりゃあ! これでどうだぁ!」
「おお、やるなカーミラ殿! よし、ワシも負けてれん!」
ヘカトンケイルの巨神を見上げながらシノピリカは指を突きつける。体躯で劣るからと言って、重戦士としてパワー負けしているとは思わない。二倍の身長差を埋めるように二倍のパンチと二倍のガッツと二倍の装いで挑むまで。……装い? 装い。
左腕の機械の腕を敵に押し当て、重心を落とす。雄叫びをあげながら、シノピリカは機械の腕のリミッターを解除していく。配管連結、関節固定、蒸気充電完了。気合と共に蒸気が解放され、同時に拳を振り切る。気合と蒸気を重ねた衝撃が巨人を揺るがした。
「見たか! これが人間の成長の証じゃ!」
「確かにキジン化も成長の証といえば証だな、うん」
七割方機械の機能だよなぁそれ、というツッコミを飲み込んでツボミは頷いた。文明の発展を否定するつもりはない。簡素にお湯が沸かせるようになってから、医学も発展してきたわけだし。何故お湯で器具を洗うと成功率が高まるかの理由までは不明だが。
頭を切り開けて戦闘に意識を戻すツボミ。仲間の傷を見ながら、頭の中で数十秒後の状態を予測する。チェスの盤面を見るかのような冷静な思考。その結果を元に魔力を解放し、回復の術を放った。一手先を読み、最悪を回避する。
「よし、傷は癒すから早く戦闘不能に追い込んでくれ」
「任せて! あたしも後ろから援護するわ!」
親指を立ててヒルダがツボミの隣で頷く。ガンナーだから後衛にいるのは当たり前である。ゼロレンジバーストとかよく使うけど、後ろにいるのはガンナーだから仕方ないのである。前衛ガンナー? 知らない子です。
突き刺さる視線を思いっきり無視して、散弾銃を構える。高い集中よりもしっかり銃を構えること。近距離ならともかく、距離が離れればわずかなブレで弾丸は当たらないのだ。ヒルダは両手で銃を構え、衝撃を肩で受け流すようにしながら引き金を引いた。
「なんか性に合わない……けど前には出る気はないわ! ないんだからね!」
「援護射撃、頑張ってねー」
応援するかのようにローラは手を振る。回復役なのだが、敢えて前に出てヘカトンケイルの気を引くようにしていた。レースのローレグパンティ&透け透けベビードール&ガーターベルトストッキングと言った……際どい、ていうか色々ギリギリの格好である。
その恰好のままヘカトンケイルの目前に飛び出し、胸元に手をやるローラ。ベビードールの胸元を引っ張って見せようとしたり、裾を持ち上げてローレグパンティを露出したり。あ、一応回復はしています。のーとるだむー。
「ローラ、素人さんじゃないからある程度なら乱暴でもオッケーだよ」
おい、これ審査通るのか。
そんなどくどくSTの不安をよそに、自由騎士達はセクハラ巨人を追い込んでいく。
●
自由騎士達はヘカトンケイルの拳を回避するために、あえてセクハラを誘発するように動いていた。つまりオールオッケーということである。何がだ。
あとサポートの24さいのおとなのれでぃー(胸控えめ)が相手にされず落ち込んだり、食堂のおばちゃんが心を癒すためにご飯を用意したり、お尻が可愛い盾っ娘が事後用のタオルを用意したり、くまくまが念写でセクハラの様子を記録したりしていた。
「ひっ……!」
まさか触られるとは思っていなかったグローリアが、ヘカトンケイルの手に触れられて悲鳴を上げる。殴られるのとは別の悪意。同時に体を走る未知の感覚。軍務に身を投じると決意した時に捨てた『女性』の感覚。
女神を狙う悪辣な幻想種。その幻想種の手がグローリアを弄るように攻め立てる。倒さなくてはいけない相手にいいように体をいじられ、悔しさと恥辱に苛まれる。どうかしたいのにどうにもできない。それでも体は巨人の手に反応してしまうのだ。
「離せ! それ以上、私を辱めるな! ま、まて! そこは、ぁ、……いっそ殺せ!」
「三十路前にもなって今更胸の足の触られた程度できゃわわわわっ!?」
平然と受け流そうとしたツボミは、最初のタッチであっさりと乙女な声をあげてしまう。半泣きになりながら必死に逃れようとするが、力と経験の差からただもがいているだけになっていた。まるで生娘のような反応を繰り返す。
二本の腕で大事な部分を必死に庇うが、ツボミの腕は全てをガードするには小さすぎる。ガードしきれない太ももを指でなぞるようにヘカトンケイルがなぞる。ツボミの反応を楽しむように、ゆっくりと。その度に腕の力が緩まり、指はそこに滑り込んでいく。
「ちょ、ま、待て貴様……っ! 反則! それ、はんそ、きゃうん!?」
「あはははははは! くすぐったい!」
体中を触られて、カーミラはくすぐったそうに笑っていた。性的な知識が乏しいこともあり、恥ずかしいという感覚がないため受けた感覚をストレートに表現しているのだ。続々と走る感覚を嫌悪感なく受け止める。
ヘカトンケイルの手がカーミラの豊満な胸に触れる。まるでお湯につかったかのような脱力感がカーミラを襲った。体中の力が抜ける甘い感覚。ふわふわするような浮遊感にさらに力が抜けていく。
「んー。なんだろうこれ……すごくふわふわするー」
「ちょ、こら、待つじゃ! 確かにワシの体なら望めばいくらでも触らせてくれようとはいうたが!」
シスターバニーのシノピリカはヘカトンケイルの御さわりを逃げることなく受け入れていた。濃い色のレオタードに黒タイツな格好のシスターは、どこか背徳感を誘発させる。神に仕えるものを穢す罪悪感がこういを加速させていた。
軍人としてよく鍛えられたシノピリカの身体は武器のような美しさがあった。だがそれが少しずつ巨人の手により浸食されていく。最初は激しい抵抗があったが、少しずつ行為を受け入れるように弱々しくなっていく。
「こ、この程度では屈せぬ……屈せぬが……、っ!」
「あーっ! お尻触ったなーっ! こんちくしょー、でございますわ!」
おしりを触られて怒るシア。叫んだ後で思い出したかのように上品な言葉をつける。触られた部分を庇うようにしながら、レイピアを振るう。胸の発達が不十分だと言わんがばかりに足やお尻を狙ってくるのが、またシアの怒りを誘発させていた。
空間を操作されて、シアの三半規管が狂っている隙を狙うようにヘカトンケイルが手を伸ばす。膝から太ももを伝って臀部に伸びる手。芋虫のような何かが温もりと悪意をもってシアに触れ、這い上がっていく。
「ひゃ、わわっ! いい加減にしろ、ですわよ!」
「いやホントもうマジで無理だから勘弁して!」
迫るヘカトンケイルの手を拒絶しながら下がるヒルダ。スライムとかなら人外ということで割り切れるが、人間の手を思わせる巨人の手はいろいろ想像してダメなのだそうだ。いやよくわからん。そして巨人もそんな事情を組むはずもなかった。
ヒルダの胸とお尻にヘカトンケイルの手が触れる。その指が動くたびに体中に走る熱い電流。そしてその感覚が男に攻められているのだと、ヒルダの中で強く意識させられる。肉体と精神の両方から、ヒルダは追い込まれていく。
「ひゃぁあぁっ!? だめだめっ、生々しい手つきで揉み揉みしちゃダメっ……!」
「触らないで! いやあああああ!」
迫る手に武器を振りながら抵抗するアリア。しかしいやらしく迫る巨人の手に困惑しているのか、その狙いは甘い。手首を掴まれて動きを押さえられ、その隙を縫うように胸に手が伸びてくる。
少しずつ大胆になっていく巨人の手の動き。それに翻弄されるアリア。最初は強気で抵抗していたが、少しずつその抵抗も弱まり身体の力が抜けていく。そうなればさらに巨人は大胆にアリアを責めていく。呼吸が少しずつ荒くなり、瞳に涙がにじんできた。
「この、変態……っ、離しなさ、ぁ!」
「どんなコトされちゃうのかなぁ……ウフフ」
期待に満ちた目でローラはヘカトンケイルを受け入れるように手を指し伸ばす。周りの自由騎士達の反応を見る限りでは、それなりに女性の身体に触り慣れている様だった。ヘカトンケイルの手を取り、胸に誘導する。
太い指と力強さを感じさせる手の平。それがローラの胸を包み込む。弾力を楽しむように手を動かしていたかと思えば、力強く攻めてくる。そうやって相手の反応を調べ、最適と思われる動きでローラの胸を揉みしだいていく。
「んー、うーん……変態ってゆーけどそこまで突き抜けてなくて中途半端だし。普通?
正直言うね、ヘタクソ」
「へ、下手……!」
ショックを受けるヘカトンケイル。追い打ちをかけるようにため息と共にローラは続けた。
「もうすこしこー、幻想種ならではの攻めとか期待してたのに。両手両足を押さえられて無理やり×××××させられるとか、巨人の力で強引に×××されるとか。
こんな感じに……」
「ちょ、おま――!」
「ローラがお手本見せたげる。それに一応戦いなんだし、まさか自分だけが無条件で責め役やれるなんて思ってないよねぇ?」
「そ、そこは……力が抜け……はうぅん!」
「ガマンなんてしなくていーからね? 気持ち良さに身を任せて……このまんま天国にイッちゃえ」
「もう、もう……らめええええええ!」
かくして自由騎士達はヘカトンケイルを屈したのであった。
…………これはひどい。
●
戦いが終わり平静を取り戻した自由騎士達は、ヘカトンケイルとの戦闘中の事を一切忘れようと心に誓った。女神を狙う幻想種は倒したのだ。それでいいではないか。
「それでこれ……どうする?」
地面に倒れ、ヒクヒクしているヘカトンケイルを見下ろしながら自由騎士達は考えに耽る。途中色々セクハラされたこともあり、闇に葬ってもいいかもと半ば思ってはいる。
「殴って浄化したら綺麗なヘカトンケイルになるとかないかな?」
「いやぁ、浄化ってイブリース解除というだけで、そういう効果はないじゃろうからなぁ」
「トミナルタ洞窟の転送サービスとかどうです?」
「報酬に胸を触らせろ、とか言いかねないわよ」
「逆にその程度でこの戦力が入るのならありかも……いや、無し」
喧々諤々と続く自由騎士達の話し合い。そんな中、ヘカトンケイルが目を覚ます。自由騎士達を見て、顔を青ざめさせた。
「お……」
「お?」
「女怖いいいいいいいいいいい! 助けてえええええええええ!」
言ってヘカトンケイルは空間を操作して自らの姿を消した。

「……むぅ、あの様子ならアクアディーネ様を狙うということはなさそうだな」
「怪我の功名……かな?」
言って自由騎士達はローラの方を見た。
「うん? そんなに見つめないでよ、ローラ照れちゃう」
頬を押さえながら恥ずかしがるローラ。その仕草はあどけない給仕娘そのものだった。
かくしてトミナルタ洞窟からの悪意は去った。
その後、山の中で『女人禁制』の看板を立てて住んでいる十本腕の巨人を見たという噂が広まったが、その真意は不明である。
あとクマのケモノビトが念写で記録していた用紙は、制裁(物理)の後にすべて没収されてしまいましたとさ。
めでたしめでたし。