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ZyaaanZyaaan! げえっ、夢オチ!?

●
喜べ自由騎士。キミの願いはかなう――
喜べ自由騎士。キミの願いはかなう――
†シナリオ詳細†
■成功条件
1.夢を見る
どくどくです。
構想二秒! 文章作成十五分!
●説明っ!
ゴールドティアーズです。星に願いをかなえると、叶うかもしれないというイ・ラプセルのお祭りです。
しかし、このシナリオでは本当に夢がかないます。ただし、夢の中でですが。
理由が欲しい人は、幻想種ナイトメアのいたずらだと思ってください。或いはアマノホカリから紛れ込んだタヌキの幻覚とか、とにかくそんなものと。
神になりたいと願えば、神になれます。
空を飛びたいと願えば、空を飛べます。
世界最強になりたいと願えば、世界最強になれます。
恋人と添い遂げたいと願えば……まあ、コンセンサス取れてれると判断できればOKとします。互いの了承超大事。どくどくNPCはオールOKです。公式NPCはこれまでのシナリオを鑑みて判断します。
要するに、夢の中なので好き勝手やりましょう! というシナリオです。
●特殊ルール
プレイング中、もしくはEXプレイングに【悪夢】とタグをつけられたキャラは、どくどくが悪意を持って願いをかなえます。
神になりたいと願えば、2コマ目で自由騎士に討たれます。
空を飛びたいと願えば、人間大砲に詰め込まれます。
世界最強になりたいと願えば、自分以外が全員死にます。
恋人と添い遂げたいと願えば、魔術蒸気技術フル稼働で洗脳されていう事を聞く人形になります。あ、相手の了承は取ってね。
まあ、概ねひっどい目に遭います。加減しません夢だしね!
●イベントシナリオのルール
・参加料金は50LPです。
・予約期間はありません。参加ボタンを押した時点で参加が確定します。
・獲得リソースは通常依頼難易度普通の33%です。
・特定の誰かと行動をしたい場合は『クラウス・フォン・プラテス(nCL3000003)』といった風にIDと名前を全て表記するようにして下さい。又、グループでの参加の場合、参加者全員が【グループ名】というタグをプレイングに記載する事で個別のフルネームをIDつきで書く必要がなくなります。
・NPCの場合も同様となりますがIDとフルネームは必要なく、名前のみでOKです。
・イベントシナリオでは参加キャラクター全員の描写が行なわれない可能性があります。
・内容を絞ったほうが良い描写が行われる可能性が高くなります。
・公序良俗にはご配慮ください。
・未成年の飲酒、タバコは禁止です。
皆様のプレイングをお待ちしています。
構想二秒! 文章作成十五分!
●説明っ!
ゴールドティアーズです。星に願いをかなえると、叶うかもしれないというイ・ラプセルのお祭りです。
しかし、このシナリオでは本当に夢がかないます。ただし、夢の中でですが。
理由が欲しい人は、幻想種ナイトメアのいたずらだと思ってください。或いはアマノホカリから紛れ込んだタヌキの幻覚とか、とにかくそんなものと。
神になりたいと願えば、神になれます。
空を飛びたいと願えば、空を飛べます。
世界最強になりたいと願えば、世界最強になれます。
恋人と添い遂げたいと願えば……まあ、コンセンサス取れてれると判断できればOKとします。互いの了承超大事。どくどくNPCはオールOKです。公式NPCはこれまでのシナリオを鑑みて判断します。
要するに、夢の中なので好き勝手やりましょう! というシナリオです。
●特殊ルール
プレイング中、もしくはEXプレイングに【悪夢】とタグをつけられたキャラは、どくどくが悪意を持って願いをかなえます。
神になりたいと願えば、2コマ目で自由騎士に討たれます。
空を飛びたいと願えば、人間大砲に詰め込まれます。
世界最強になりたいと願えば、自分以外が全員死にます。
恋人と添い遂げたいと願えば、魔術蒸気技術フル稼働で洗脳されていう事を聞く人形になります。あ、相手の了承は取ってね。
まあ、概ねひっどい目に遭います。加減しません夢だしね!
●イベントシナリオのルール
・参加料金は50LPです。
・予約期間はありません。参加ボタンを押した時点で参加が確定します。
・獲得リソースは通常依頼難易度普通の33%です。
・特定の誰かと行動をしたい場合は『クラウス・フォン・プラテス(nCL3000003)』といった風にIDと名前を全て表記するようにして下さい。又、グループでの参加の場合、参加者全員が【グループ名】というタグをプレイングに記載する事で個別のフルネームをIDつきで書く必要がなくなります。
・NPCの場合も同様となりますがIDとフルネームは必要なく、名前のみでOKです。
・イベントシナリオでは参加キャラクター全員の描写が行なわれない可能性があります。
・内容を絞ったほうが良い描写が行われる可能性が高くなります。
・公序良俗にはご配慮ください。
・未成年の飲酒、タバコは禁止です。
皆様のプレイングをお待ちしています。
状態
完了
完了
報酬マテリア
1個
0個
0個
0個




参加費
50LP
50LP
相談日数
6日
6日
参加人数
11/∞
11/∞
公開日
2021年07月20日
2021年07月20日
†メイン参加者 11人†

●ウェルス ライヒトゥーム(CL3000033)の見た夢
目の前に広がる地平線。そして真っすぐに伸びた一本の道。
運転するのは二人用の旅行用蒸気バイク。排気量と音量の少なさ、そして搭乗の快適さを重視してウェルスが大金用いて購入した物だ。
「どうだい、佐クラ嬢。乗り心地は」
「ええ、あんじょうしてます」
ウェルスの後ろには佐クラがいた。あんじょう、とは馬の鞍の上を指す。バイクの上で快適であることを示すのに適した言葉だ。
自由騎士としての立場も、商人としての財やコネも全て投げうっての二人旅。戦争ばかりでろくに見ることのなかった大陸各地の旅行。朝露とさわやかな風、体中乾燥しそうな太陽の熱気、満天の夜空。時には雨に足止めされ、時には同じ旅行者と交流し。
「次はどこに行こうか」
「風の吹くまま気の向くまま、でええよ」
「じゃあコインで決めるか」
コイントスの表裏。そんな運任せで次の目的地を決めることもある。
そんな目的もなく、だけど彼女といるから満ち足りた旅。
●『智の実践者』テオドール・ベルヴァルド(CL3000375)の見た夢
「こんな所か」
テオドールは書類を前にため息をつく。
戦争は終わった。剣は鍬に変わり、魔法は炎ではなく灯となった。平和な時代になり、テオドールの戦は書類と交渉により行われることとなった。
「平和になったとはいえ、問題はまだまだ山積みか。まだまだ隠居はできそうにないな」
疲れを解すように身体を伸ばす。少し休んだらシャンバラに移動しなくては。こちらは問題というよりは祭りの顔出しだ。戦争終結功労者の代表として、元気な姿を見せなくては。平和の象徴が疲れたような顔をしては、要らぬ波紋を呼んでしまう。
「世は並べて事もなし、か」
忙しくはあるが、それでも戦争で人が死ぬよりはずっといい。血の流れない世界を護るため、テオドールは日常を戦う。
●『全ての人を救うために』アンジェリカ・フォン・ヴァレンタイン(CL3000505)の見た夢
寄せては返す波の音。潮風が頬を撫で、鼻腔をくすぐる潮の香。
ここはアーリオオーリオ島の波打ち際。アンジェリカは一人、岩に座って海を見ていた。
戦いは終わった。世界をめぐる戦いに決着はつき、自由騎士の戦いは終わりを告げたのだ。
「戦いは終わったのです。もう、武器を持つことはないでしょう」
そう言ってアンジェリカは自らが購入した島でのんびり過ごしていた。島で教会を立て、戦災孤児を引き取って教育をする。大陸からも物理的に離れ、自給自足の平和な生活。
「あんじぇりかせんせー」
子供達が呼んでいる。そうだ、今は収穫期。そろそろ麦を刈り入れなくては。
奇跡も神も必要ない。ただヒトが立って歩いていく世界。だから食べ物も自分達で作らなければ。
「はい。今行きますね」
アンジェリカは歩き出す。――未来へと。
●『天を征する盾』デボラ・ディートヘルム(CL3000511)の見た【悪夢】
「デボラさん、結婚しましょう」
「はい!」
戦争終了後五秒でプロポーズされたデボラ。それを驚くことなく了承し、二人は軍を引退。ヘルメリアにて平和な日々を過ごすのであった。
それから数年後――
「ドゥ・スタリオン!」「ラムレイ!」「スピュメイダー!」「オーバギュ!」「パッスランド!」
「五馬そろって、ウマムスm――ぎゃああああああ!」
「それ以上喋ることは許しません! 私とジョン様の平和とか、その他いろいろなコトのために!」
デボラはウマレースを荒らそうとする馬っ娘(こ)を一撃のもとに吹き飛ばす。巨額が動くウマレースを狙う悪党達。大事件を起こされる前に沈静化し、平和を維持するのだ。
「二人でつつましく平和に生きたいのに、どうして戦ってるんでしょう……」
「はっはっは。これも平和の為です」
「そうですね! 頑張ります!」
共に戦うジョンの労いの言葉を受け、デボラは元気よく拳をあげる。チョロくない、この子。
平和な日々は、まだまだ遠い。
●『轍を辿る』エリシア・ブーランジェ(CL3000661)の見た夢
(あ……死ぬんだ、私)
エリシアは自分の受けた傷を見て、確信した。これは致命傷だ。もう助からない。流れる血は止める事はできず、四肢は少しずつ緩慢になっていく。即死ではないが、助かるような傷でもない。うん、死ぬ。それを理解して――
(……やったあ)
エリシアは幸せそうに笑った。傷の痛みも、薄れゆく意識も、何もかもを受け入れて渡った。
(ねえ、お兄ちゃん……私にもできたよ。人の為に、ちゃんと逃げずに自分を使い切れたよ)
兄――エリシアを救うために命を失った兄を想いながら、暗闇に意識を埋没させる。もうこれで自分は、兄の命と引き換えに生きた卑怯者じゃない。自分の命に価値はある。少なくとも、その成果は残せたのだ。だから――
「良かった……」
心からの安堵の言葉を吐き、エリシアの魂は虚無の海に旅立った。
●『紅の傀儡師』マグノリア・ホワイト(CL3000242)の見た夢
「アクアディーネ……」
マグノリアは女神アクアディーネの手を取る。白いタキシードを着たマグノリアは、白いウェディングドレスを着たアクアディーネと共に赤い絨毯の上を歩く。
「見てごらん。これが平和になったイ・ラプセルだよ」
神殿の外の光景を見て、アクアディーネの表情がほころぶ。神と言う立場から離れ、神殿の外に出る。それがどれだけ難しく、そしてどれだけ彼女が望んだことか。この笑顔こそが、マグノリアの最大の報酬だった。
そして場面は転換し。
「アレイスター……」
マグノリアはアレイスターの手を取る。先ほどとは逆に白いウェディングドレスを着たマグノリアは、白いタキシードを着たアレイスターに手を取られて赤い絨毯を歩く。
「君の孤独を、僕は埋めたい」
長き時を一人で生きてきた孤独な魔術師。終わりを渇望する旅人。その旅の終わりまで、孤独を埋めてあげたい。
思いを込めて、繋がった手を強く握った。
●『キセキの果て』ステラ・モラル(CL3000709)の見た【悪夢】
「ああ……」
それは幸せな夢だった。
ステラ・モラルはノウブルだ。父は真面目なヘルメリアの騎士で国から逃げることなく娘を養い、ステラ本人も歯車騎士団の一員として国防の任についていた。
「行くぞ、ステラ」
自分の手を取ってくれる上司。抱いた恋心が揺れる。その背中を見ながら任務に就き、日々を生きていく。ヘルメリアの騒がしくともそれでいて愛おしい毎日。そうだ。望んだのはこれなんだ。いずれ結婚し、つつましい家庭を――
「工作員用のミズビト奴隷だ。教育はお前に任せた」
そんなステラに、ミズビトの奴隷が宛がわれる。自我を失ったような、虚ろな目をした女の子。
だめ、この子はだめ。私は恐怖した。私はノウブルで、歯車騎士団で、だからこの子と出会っちゃ、駄目――
「名前は、ステラ。逃亡した前任者工作兵の娘だ。しっかり育ててくれ」
私は、私の幸せのために、この子を不幸にする。しなくちゃいけない。
だってステラ・モラルは、わたしの、はず、だがら――じゃあ、わたし/この子は、だあれ?
●『天を癒す者』たまき 聖流(CL3000283)の見た夢
陽光指すなだらかな丘。気が付く手寝てしまいそうな陽気。
たまきが目を開けると、そこにはアンセムがいた。キャンバスを前に丘を描いている。
寝起きで気が緩んでいるたまきは、アンセムの横顔をじっと見ていた。寝ぼけたようで、それでいて鋭い雰囲気。絵を描いている時のアンセム。自分が知っている、他の誰も知らない側面。
(ああ、アンセムさん……)
ずっとこうしていた。ずっと一緒にいたい。たまきはそう思いながらアンセムの横顔を見ていた。戦いもなく、自分達を縛る地位もしがらみなく、ただ毎日絵を描くアンセムとその傍にいる自分。それだけで心が満ち足りていく。
「……おはよう、おきたの?」
じっと見つめる視線に気づいたのか、アンセムが作業を止めて振り向く。たまきは『はい』と頷いて、言葉を続けた。
「きょうは、怖い夢を見ませんでした。アンセムさんが近くにいてくれたおかげです」
「そう。ならよかった」
ほんわかと笑うアンセム。ああ、この笑顔。この笑顔と一緒に生きて居たい――
●『咲かぬ橘』非時香・ツボミ(CL3000086)の見た夢
「あー、ひっどい夢見た。今日は気分悪いから任せるわ」
ツボミは診療所に入るなりそんな事を言い放った。診療所にいるジャンはいきなりの会話の出だしに眉をひそめて問い返す。
「サボり宣言とか、医者としてどーよ。っていうか酷いってどんな夢だよ」
「戦争の夢だよ。世界中巻き込んだ大戦争で、しかも何でか私も前線で働いてて戦功稼いでんの。怖いわ。
戦争終わっても特に非難とかされず、英雄として扱われてたな」
女神がいたり、敵国の捕虜との関係にモヤモヤしたり、他にもそんな事もあったが色々面倒なので端折った。
「功績稼いでるならいい夢じゃねーの」
「馬鹿か。戦の名声等欲しくない、っつーか邪魔だ。
戦争なんてない方がいいんだよ。怪我人も出ないし死人も出ない。その方がずっと幸せ……くそ、なんだか知らんが涙出てきた。やっぱりサボるわ」
理由も分からず涙をぬぐい、診療所を出て行くツボミ。ジャンは『え、マジデ!?』と叫んでその背中を見送った。
●『すちーむばにーだぴょん』フリオ・フルフラット(CL3000454)の見た【悪夢】
神と人の戦争は終わった。
世界は神の手を離れ、人が生きる世界となった。終末の世界はなく、ヒトがヒトとして生きていく世界。そう、無限に繰り返す世界は終わったのだ。文明は進化し、ヒトによるより良い世界ができるのだ。
その為に戦ってきた。神の終わりを回避し、平和な人の世界を築くために――
「ヴェスパー、クリオル、デーバストの三国同盟軍が挙兵しました! 『ベビー・ギア』による航空部隊、止められません!」
「旧シャンバラ大陸でベクレル術式発動! 2500年は強力な放射線によりに生物は生息できません!」
「洗脳イッカククジラにの魚影確認! F式爆弾を撒きつけられています! 大規模輸送船『ノア』に接触……! 民間人10万人の生存は、絶望的です……」
創造神の言う通り、人は世界を戦争で染めた。ホメオスタシスの呪いはなくなり、文明は大きく発展し、その結果生まれた凶悪な兵器が世界を蹂躙していく。
「……ああ、これが、ヒトの世界」
フリオはその未来に機械の膝をつく。
一部のヒト以外の命は塵芥。限られたヒトだけが繁栄する世界。
これが、人の世界。自由騎士が勝ち取った、未来――
●『大いなる盾』ナバル・ジーロン(CL3000441)の見た夢
鶏の鳴き声と同時に目を覚まし、顔を洗って畑に出る。
畑を耕し、種を植える。大地と共に生き、大地に恵みを貰う。ナバルはそうやって生きてきた。そしてこれからもそうやって生きていくのだろう。
「お、パノプティコンの人は真面目だな。時間通りじゃないか」
「やめてくださいよ、ジーロンさん。もう同じイ・ラプセル人じゃないですか」
「ああ、ごめんごめん。つい癖で」
かつて、戦争があった。五つの国による戦争が。思想や支配の違いにより相容れなかった各国は、イ・ラプセルの名のもとに統合された。
今はシャンバラ人も、ヘルメリア人も、ヴィスマルク人もいない。ただ得意分野が違うだけの『イ・ラプセル』人だ。機械が壊れたら頼る人。魔法が得意な人。村を守る兵士の人。ただそれだけの、同じヒト。
「今日もいい天気だ。しっかり働くぞー!」
手には何年も使っている鍬。それを握りしめて、ナバルは今日も土を耕す。
1200年後のカッタイト星間条約で『ブルースター』に統合されるまで、イ・ラプセルという人種は歴史に残り続けたという――
目の前に広がる地平線。そして真っすぐに伸びた一本の道。
運転するのは二人用の旅行用蒸気バイク。排気量と音量の少なさ、そして搭乗の快適さを重視してウェルスが大金用いて購入した物だ。
「どうだい、佐クラ嬢。乗り心地は」
「ええ、あんじょうしてます」
ウェルスの後ろには佐クラがいた。あんじょう、とは馬の鞍の上を指す。バイクの上で快適であることを示すのに適した言葉だ。
自由騎士としての立場も、商人としての財やコネも全て投げうっての二人旅。戦争ばかりでろくに見ることのなかった大陸各地の旅行。朝露とさわやかな風、体中乾燥しそうな太陽の熱気、満天の夜空。時には雨に足止めされ、時には同じ旅行者と交流し。
「次はどこに行こうか」
「風の吹くまま気の向くまま、でええよ」
「じゃあコインで決めるか」
コイントスの表裏。そんな運任せで次の目的地を決めることもある。
そんな目的もなく、だけど彼女といるから満ち足りた旅。
●『智の実践者』テオドール・ベルヴァルド(CL3000375)の見た夢
「こんな所か」
テオドールは書類を前にため息をつく。
戦争は終わった。剣は鍬に変わり、魔法は炎ではなく灯となった。平和な時代になり、テオドールの戦は書類と交渉により行われることとなった。
「平和になったとはいえ、問題はまだまだ山積みか。まだまだ隠居はできそうにないな」
疲れを解すように身体を伸ばす。少し休んだらシャンバラに移動しなくては。こちらは問題というよりは祭りの顔出しだ。戦争終結功労者の代表として、元気な姿を見せなくては。平和の象徴が疲れたような顔をしては、要らぬ波紋を呼んでしまう。
「世は並べて事もなし、か」
忙しくはあるが、それでも戦争で人が死ぬよりはずっといい。血の流れない世界を護るため、テオドールは日常を戦う。
●『全ての人を救うために』アンジェリカ・フォン・ヴァレンタイン(CL3000505)の見た夢
寄せては返す波の音。潮風が頬を撫で、鼻腔をくすぐる潮の香。
ここはアーリオオーリオ島の波打ち際。アンジェリカは一人、岩に座って海を見ていた。
戦いは終わった。世界をめぐる戦いに決着はつき、自由騎士の戦いは終わりを告げたのだ。
「戦いは終わったのです。もう、武器を持つことはないでしょう」
そう言ってアンジェリカは自らが購入した島でのんびり過ごしていた。島で教会を立て、戦災孤児を引き取って教育をする。大陸からも物理的に離れ、自給自足の平和な生活。
「あんじぇりかせんせー」
子供達が呼んでいる。そうだ、今は収穫期。そろそろ麦を刈り入れなくては。
奇跡も神も必要ない。ただヒトが立って歩いていく世界。だから食べ物も自分達で作らなければ。
「はい。今行きますね」
アンジェリカは歩き出す。――未来へと。
●『天を征する盾』デボラ・ディートヘルム(CL3000511)の見た【悪夢】
「デボラさん、結婚しましょう」
「はい!」
戦争終了後五秒でプロポーズされたデボラ。それを驚くことなく了承し、二人は軍を引退。ヘルメリアにて平和な日々を過ごすのであった。
それから数年後――
「ドゥ・スタリオン!」「ラムレイ!」「スピュメイダー!」「オーバギュ!」「パッスランド!」
「五馬そろって、ウマムスm――ぎゃああああああ!」
「それ以上喋ることは許しません! 私とジョン様の平和とか、その他いろいろなコトのために!」
デボラはウマレースを荒らそうとする馬っ娘(こ)を一撃のもとに吹き飛ばす。巨額が動くウマレースを狙う悪党達。大事件を起こされる前に沈静化し、平和を維持するのだ。
「二人でつつましく平和に生きたいのに、どうして戦ってるんでしょう……」
「はっはっは。これも平和の為です」
「そうですね! 頑張ります!」
共に戦うジョンの労いの言葉を受け、デボラは元気よく拳をあげる。チョロくない、この子。
平和な日々は、まだまだ遠い。
●『轍を辿る』エリシア・ブーランジェ(CL3000661)の見た夢
(あ……死ぬんだ、私)
エリシアは自分の受けた傷を見て、確信した。これは致命傷だ。もう助からない。流れる血は止める事はできず、四肢は少しずつ緩慢になっていく。即死ではないが、助かるような傷でもない。うん、死ぬ。それを理解して――
(……やったあ)
エリシアは幸せそうに笑った。傷の痛みも、薄れゆく意識も、何もかもを受け入れて渡った。
(ねえ、お兄ちゃん……私にもできたよ。人の為に、ちゃんと逃げずに自分を使い切れたよ)
兄――エリシアを救うために命を失った兄を想いながら、暗闇に意識を埋没させる。もうこれで自分は、兄の命と引き換えに生きた卑怯者じゃない。自分の命に価値はある。少なくとも、その成果は残せたのだ。だから――
「良かった……」
心からの安堵の言葉を吐き、エリシアの魂は虚無の海に旅立った。
●『紅の傀儡師』マグノリア・ホワイト(CL3000242)の見た夢
「アクアディーネ……」
マグノリアは女神アクアディーネの手を取る。白いタキシードを着たマグノリアは、白いウェディングドレスを着たアクアディーネと共に赤い絨毯の上を歩く。
「見てごらん。これが平和になったイ・ラプセルだよ」
神殿の外の光景を見て、アクアディーネの表情がほころぶ。神と言う立場から離れ、神殿の外に出る。それがどれだけ難しく、そしてどれだけ彼女が望んだことか。この笑顔こそが、マグノリアの最大の報酬だった。
そして場面は転換し。
「アレイスター……」
マグノリアはアレイスターの手を取る。先ほどとは逆に白いウェディングドレスを着たマグノリアは、白いタキシードを着たアレイスターに手を取られて赤い絨毯を歩く。
「君の孤独を、僕は埋めたい」
長き時を一人で生きてきた孤独な魔術師。終わりを渇望する旅人。その旅の終わりまで、孤独を埋めてあげたい。
思いを込めて、繋がった手を強く握った。
●『キセキの果て』ステラ・モラル(CL3000709)の見た【悪夢】
「ああ……」
それは幸せな夢だった。
ステラ・モラルはノウブルだ。父は真面目なヘルメリアの騎士で国から逃げることなく娘を養い、ステラ本人も歯車騎士団の一員として国防の任についていた。
「行くぞ、ステラ」
自分の手を取ってくれる上司。抱いた恋心が揺れる。その背中を見ながら任務に就き、日々を生きていく。ヘルメリアの騒がしくともそれでいて愛おしい毎日。そうだ。望んだのはこれなんだ。いずれ結婚し、つつましい家庭を――
「工作員用のミズビト奴隷だ。教育はお前に任せた」
そんなステラに、ミズビトの奴隷が宛がわれる。自我を失ったような、虚ろな目をした女の子。
だめ、この子はだめ。私は恐怖した。私はノウブルで、歯車騎士団で、だからこの子と出会っちゃ、駄目――
「名前は、ステラ。逃亡した前任者工作兵の娘だ。しっかり育ててくれ」
私は、私の幸せのために、この子を不幸にする。しなくちゃいけない。
だってステラ・モラルは、わたしの、はず、だがら――じゃあ、わたし/この子は、だあれ?
●『天を癒す者』たまき 聖流(CL3000283)の見た夢
陽光指すなだらかな丘。気が付く手寝てしまいそうな陽気。
たまきが目を開けると、そこにはアンセムがいた。キャンバスを前に丘を描いている。
寝起きで気が緩んでいるたまきは、アンセムの横顔をじっと見ていた。寝ぼけたようで、それでいて鋭い雰囲気。絵を描いている時のアンセム。自分が知っている、他の誰も知らない側面。
(ああ、アンセムさん……)
ずっとこうしていた。ずっと一緒にいたい。たまきはそう思いながらアンセムの横顔を見ていた。戦いもなく、自分達を縛る地位もしがらみなく、ただ毎日絵を描くアンセムとその傍にいる自分。それだけで心が満ち足りていく。
「……おはよう、おきたの?」
じっと見つめる視線に気づいたのか、アンセムが作業を止めて振り向く。たまきは『はい』と頷いて、言葉を続けた。
「きょうは、怖い夢を見ませんでした。アンセムさんが近くにいてくれたおかげです」
「そう。ならよかった」
ほんわかと笑うアンセム。ああ、この笑顔。この笑顔と一緒に生きて居たい――
●『咲かぬ橘』非時香・ツボミ(CL3000086)の見た夢
「あー、ひっどい夢見た。今日は気分悪いから任せるわ」
ツボミは診療所に入るなりそんな事を言い放った。診療所にいるジャンはいきなりの会話の出だしに眉をひそめて問い返す。
「サボり宣言とか、医者としてどーよ。っていうか酷いってどんな夢だよ」
「戦争の夢だよ。世界中巻き込んだ大戦争で、しかも何でか私も前線で働いてて戦功稼いでんの。怖いわ。
戦争終わっても特に非難とかされず、英雄として扱われてたな」
女神がいたり、敵国の捕虜との関係にモヤモヤしたり、他にもそんな事もあったが色々面倒なので端折った。
「功績稼いでるならいい夢じゃねーの」
「馬鹿か。戦の名声等欲しくない、っつーか邪魔だ。
戦争なんてない方がいいんだよ。怪我人も出ないし死人も出ない。その方がずっと幸せ……くそ、なんだか知らんが涙出てきた。やっぱりサボるわ」
理由も分からず涙をぬぐい、診療所を出て行くツボミ。ジャンは『え、マジデ!?』と叫んでその背中を見送った。
●『すちーむばにーだぴょん』フリオ・フルフラット(CL3000454)の見た【悪夢】
神と人の戦争は終わった。
世界は神の手を離れ、人が生きる世界となった。終末の世界はなく、ヒトがヒトとして生きていく世界。そう、無限に繰り返す世界は終わったのだ。文明は進化し、ヒトによるより良い世界ができるのだ。
その為に戦ってきた。神の終わりを回避し、平和な人の世界を築くために――
「ヴェスパー、クリオル、デーバストの三国同盟軍が挙兵しました! 『ベビー・ギア』による航空部隊、止められません!」
「旧シャンバラ大陸でベクレル術式発動! 2500年は強力な放射線によりに生物は生息できません!」
「洗脳イッカククジラにの魚影確認! F式爆弾を撒きつけられています! 大規模輸送船『ノア』に接触……! 民間人10万人の生存は、絶望的です……」
創造神の言う通り、人は世界を戦争で染めた。ホメオスタシスの呪いはなくなり、文明は大きく発展し、その結果生まれた凶悪な兵器が世界を蹂躙していく。
「……ああ、これが、ヒトの世界」
フリオはその未来に機械の膝をつく。
一部のヒト以外の命は塵芥。限られたヒトだけが繁栄する世界。
これが、人の世界。自由騎士が勝ち取った、未来――
●『大いなる盾』ナバル・ジーロン(CL3000441)の見た夢
鶏の鳴き声と同時に目を覚まし、顔を洗って畑に出る。
畑を耕し、種を植える。大地と共に生き、大地に恵みを貰う。ナバルはそうやって生きてきた。そしてこれからもそうやって生きていくのだろう。
「お、パノプティコンの人は真面目だな。時間通りじゃないか」
「やめてくださいよ、ジーロンさん。もう同じイ・ラプセル人じゃないですか」
「ああ、ごめんごめん。つい癖で」
かつて、戦争があった。五つの国による戦争が。思想や支配の違いにより相容れなかった各国は、イ・ラプセルの名のもとに統合された。
今はシャンバラ人も、ヘルメリア人も、ヴィスマルク人もいない。ただ得意分野が違うだけの『イ・ラプセル』人だ。機械が壊れたら頼る人。魔法が得意な人。村を守る兵士の人。ただそれだけの、同じヒト。
「今日もいい天気だ。しっかり働くぞー!」
手には何年も使っている鍬。それを握りしめて、ナバルは今日も土を耕す。
1200年後のカッタイト星間条約で『ブルースター』に統合されるまで、イ・ラプセルという人種は歴史に残り続けたという――
†シナリオ結果†
成功
†詳細†
†あとがき†
そんな夢を見た――
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