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カルテス・リヒトを灯せ

●
「ってわけで、新人! 灯台直しにいくぞ!」
アーウィン・エピ(nCL3000022)が、微妙に偉そうに声をかける。
昨今の国際状況を見直し、イ・ラプセル沿岸部の使われていない老朽化されていない灯台の修理の仕事が舞い込む。
民間の組織にもある程度は修理を委託してはいるのだが、状況はあまり芳しくない。
おまけにその老朽化した灯台に厄介な幻想種が巣を作っているという話であれば、自由騎士団にそのお株が回ってくるのだ。
簡単な仕事ではあるので、最近増えた新人騎士教育の意味も込めて、その担当として選ばれたのが、アーウィン・エピである。
「なんか、幻想種のコカトリスが巣をつくったみたいでよ。なかなか入れなかったんだが、親鳥っていっていいのかな? 親鳥が何者かに殺されたみたいで、入れるなら対処しろって話だ」
その老朽化した灯台にはかつてコカトリスの親子が巣をつくり生息していた。追い払おうにも一般人には厄介な相手だ。そんなこんなで放棄されてしまったその灯台ではあるが、猪市 きゐこ(CL3000048) や、カスカ・セイリュウジ(CL3000019) 、アンネリーザ・バーリフェルト(CL3000017) の言葉もあり、復旧させる判断が下されたのだ。
「殺されたっていうのはどういうことなのだわ?」
「水鏡の察知がどうのこうのって言ってたが、あんま聞いてなくてよくわからねぇ」
「アホにもほどがありますね」
「うるせぇ! なんかむつかしいことは苦手なんだよ!」
きゐこがアーウィンに尋ね、あまりにもいい加減な言葉に思わずカスカが突っ込んだ。
「とにかく、まだ雛は生きてるみたいで、新人の戦闘訓練にもなるから行ってこいってよ」
「雛も殺すの?」
アンネリーザの問いにアーウィンは表情を陰らせる。
「親鳥が死んでるんだ、多かれ少なかれ放置してもいつか雛も死ぬさ。それが運命ならしかたねえ。コカトリスはヒトには慣れないだろ? もし成長してこの国の奴らを襲ってもシャレにならねえからな。可哀そうだが駆除するしかねぇな。
……まあ、コカトリスの雛は毒の石袋を取れば珍味って聞いたぜ? 殺したものはそうやって食べてやればいいのさ」
「ってわけで、新人! 灯台直しにいくぞ!」
アーウィン・エピ(nCL3000022)が、微妙に偉そうに声をかける。
昨今の国際状況を見直し、イ・ラプセル沿岸部の使われていない老朽化されていない灯台の修理の仕事が舞い込む。
民間の組織にもある程度は修理を委託してはいるのだが、状況はあまり芳しくない。
おまけにその老朽化した灯台に厄介な幻想種が巣を作っているという話であれば、自由騎士団にそのお株が回ってくるのだ。
簡単な仕事ではあるので、最近増えた新人騎士教育の意味も込めて、その担当として選ばれたのが、アーウィン・エピである。
「なんか、幻想種のコカトリスが巣をつくったみたいでよ。なかなか入れなかったんだが、親鳥っていっていいのかな? 親鳥が何者かに殺されたみたいで、入れるなら対処しろって話だ」
その老朽化した灯台にはかつてコカトリスの親子が巣をつくり生息していた。追い払おうにも一般人には厄介な相手だ。そんなこんなで放棄されてしまったその灯台ではあるが、猪市 きゐこ(CL3000048) や、カスカ・セイリュウジ(CL3000019) 、アンネリーザ・バーリフェルト(CL3000017) の言葉もあり、復旧させる判断が下されたのだ。
「殺されたっていうのはどういうことなのだわ?」
「水鏡の察知がどうのこうのって言ってたが、あんま聞いてなくてよくわからねぇ」
「アホにもほどがありますね」
「うるせぇ! なんかむつかしいことは苦手なんだよ!」
きゐこがアーウィンに尋ね、あまりにもいい加減な言葉に思わずカスカが突っ込んだ。
「とにかく、まだ雛は生きてるみたいで、新人の戦闘訓練にもなるから行ってこいってよ」
「雛も殺すの?」
アンネリーザの問いにアーウィンは表情を陰らせる。
「親鳥が死んでるんだ、多かれ少なかれ放置してもいつか雛も死ぬさ。それが運命ならしかたねえ。コカトリスはヒトには慣れないだろ? もし成長してこの国の奴らを襲ってもシャレにならねえからな。可哀そうだが駆除するしかねぇな。
……まあ、コカトリスの雛は毒の石袋を取れば珍味って聞いたぜ? 殺したものはそうやって食べてやればいいのさ」
†シナリオ詳細†
■成功条件
1.コカトリスの雛の駆除
2.灯台の修復
2.灯台の修復
ねこてんです。
この依頼はブレインストーミングの『猪市 きゐこ(CL3000048) 2018年09月11日(火) 23:39:03 』『カスカ・セイリュウジ(CL3000019) 2018年09月11日(火) 23:12:08 』『アンネリーザ・バーリフェルト(CL3000017) 2018年09月11日(火) 23:28:18 』の発言をもとに作成されました。
※OPに出ているPCへの参加の強制も優先権もありません。
まずは国防ということで老朽化した灯台の修理とコカトリスの雛数匹の駆除をお願いします。
アーウィンの言っている通りヒトには慣れないので育てることはできませんのでご了承ください。
エネミー
コカトリスの雛。
つっつきます。つっつかれるとその部分が石化しますがBS回復はできます。
自然回復もします。
弱いです。すぐに倒せます。
ぴいぴい鳴きます。
ロケーション
老朽化した灯台です。資材は運び込まれています。
入り口にはコカトリスの親鳥の死体が転がっています。魔法で焼かれた跡があります。
周辺を探せば何ものかの形跡はあるかもしれません。
コカトリスを駆除したあと灯台を修理をしてください。
あちこちガタがきています。ランプはつかないです。
壁の修理やはしごの修理などしてください。便利に改造していただけると(具体的な改修があれば)国防値にボーナスが入ります。
マシーナリーさんがいたら多少のボーナスもつけます。
同行
アーウィン・エピ
わりとまじめに大工をするつもりはあります。
口は悪いですけど、割と人懐っこくて、自分より後輩騎士がいることがうれしいようです。
「まあまかせろ! 俺が自由騎士のイロハを教えてやるぜ!」とかいきってますので、いい感じにパシらせるといいと思います。
新人さん用とは言ってはありますが、パイセン騎士のみなさんが来てくださってもOKです。
戦い方を教えてあげたり、気構えをおしえてあげてください。
新人さんも安心してどうぞ!
この依頼はブレインストーミングの『猪市 きゐこ(CL3000048) 2018年09月11日(火) 23:39:03 』『カスカ・セイリュウジ(CL3000019) 2018年09月11日(火) 23:12:08 』『アンネリーザ・バーリフェルト(CL3000017) 2018年09月11日(火) 23:28:18 』の発言をもとに作成されました。
※OPに出ているPCへの参加の強制も優先権もありません。
まずは国防ということで老朽化した灯台の修理とコカトリスの雛数匹の駆除をお願いします。
アーウィンの言っている通りヒトには慣れないので育てることはできませんのでご了承ください。
エネミー
コカトリスの雛。
つっつきます。つっつかれるとその部分が石化しますがBS回復はできます。
自然回復もします。
弱いです。すぐに倒せます。
ぴいぴい鳴きます。
ロケーション
老朽化した灯台です。資材は運び込まれています。
入り口にはコカトリスの親鳥の死体が転がっています。魔法で焼かれた跡があります。
周辺を探せば何ものかの形跡はあるかもしれません。
コカトリスを駆除したあと灯台を修理をしてください。
あちこちガタがきています。ランプはつかないです。
壁の修理やはしごの修理などしてください。便利に改造していただけると(具体的な改修があれば)国防値にボーナスが入ります。
マシーナリーさんがいたら多少のボーナスもつけます。
同行
アーウィン・エピ
わりとまじめに大工をするつもりはあります。
口は悪いですけど、割と人懐っこくて、自分より後輩騎士がいることがうれしいようです。
「まあまかせろ! 俺が自由騎士のイロハを教えてやるぜ!」とかいきってますので、いい感じにパシらせるといいと思います。
新人さん用とは言ってはありますが、パイセン騎士のみなさんが来てくださってもOKです。
戦い方を教えてあげたり、気構えをおしえてあげてください。
新人さんも安心してどうぞ!

状態
完了
完了
報酬マテリア
1個
1個
5個
1個




参加費
100LP [予約時+50LP]
100LP [予約時+50LP]
相談日数
5日
5日
参加人数
8/8
8/8
公開日
2018年09月20日
2018年09月20日
†メイン参加者 8人†
●
「新人研修。新人、ねえ? ずいぶん逞しいこと」
『緋色の拳』エルシー・スカーレット(CL3000368)は『ライバルは女海賊』ジュリエット・ゴールドスミス(CL3000357)の顔をみて、いぶかしげな瞳を向けた。
無理もない。彼女は自由騎士団に入団してひと月程度である。で、あるのにその練度はベテランの自由騎士たちとそれほどに変わらないほどにまで成長している。
(これが好きな人に追いつきたいっていう、乙女の恋の力ってやつなのかしらね?)
私にもそんな恋が見つけられるのかな? とエルシーは思う。
「わたくし、入団間もない新人騎士ですの!
ぜひともアーウィンから自由騎士のイロハとやらをご教授頂きたいですわ」
そんなエルシーの思いも気にせず当の本人は、エルシーとくらべてささやかな胸にてをあてて、自信満々にジュリエットはアーウィン・エピ(nCL3000022)に声をかけた。
「ああ、新人、俺が教えてやるよ……! って熊! 黙れ!」
先輩風を吹かせたその直後熊の騎士におだてられてさすがに恥ずかしいのかアーウィンは真っ赤になる。
「アーウィン君は後輩に優しいわねぇ。頼りにしてるわよ、先輩」
『梟の帽子屋』アンネリーザ・バーリフェルト(CL3000017)がにやにや笑えば、てめえのが先輩だろ! とアーウィンは律義にも答える。
「さてと。うわ、重っ」
漆喰に補修材に工具。そういったものをバッグに目いっぱいつめてきたエルシーは持ち上げようとしてその重量に目を白黒させた。
「……エルシー嬢、荷物を此方に。持とう」
『砕けぬ盾』オスカー・バンベリー(CL3000332)は紳士らしく騎士らしく。その荷物を自分が運ぶという。
「おやおや、オスカー坊や、なんと美しい少女と知り合いなのか。ああ、私がもう少し若ければ! オスカー坊や、何をぐずぐずしているんだ? 私に紹介はしないのかね?」
オスカーに同行してきたは、『有閑紳士』ウィルフレド・ダリオ・オルドニェス(CL3000384)。
どうにも一筋縄ではいかない大伯父上殿だ。
「大伯父上……」
「あら、素敵な紳士。エルシー・スカーレットです。オスカーとは久々にあった友人同士です」
「それはそれは、坊やも隅におけない」
言って、ウィルフレドは自然にエルシーの手を取ると、その細い手の甲に落とされる尊敬と信愛の証。
「ま、ミスターが30歳若ければ、恋に落ちていたかもしれませんね」
「それは手厳しい、レディ、これからもオスカーと仲良くしてあげてください」
「ええ、もちろん」
オスカーは大伯父上なら大丈夫とは思ってはいても、やはりハラハラとしてしまう。友人が大伯父上と結婚してしまったら何と呼べばいいのだろうか? そんなことをつい考えてしまう彼は根が生真面目なのだろう。
ジュリエットはその様子を見てくすりとわらう。だからあの方とこの人は仲がよいのだろうと。あの人からよく聞く名前の一つだ。
「エルシー、耳がまっかですわよ」
友人をからかいつつ、彼女もまたオスカーとウィルフレドに挨拶をした。
「うーむ、新人かと言われれば……」
もともと騎士団には所属していたサブロウ・カイトー(CL3000363)は眉根を寄せる。
オラクル兵団が解散され国防騎士兼自由騎士。いわゆる「街のおまわりさん」になった彼にとって戦闘が慣れてないかどうかといわれれば微妙な話だ。
「まあいいか! よろしくお願いしますね、エビ先輩!」
あっさりとその悩み? もどこへやら。サブロウはアーウィンに水を向けた。
「エビちゃうわ! 俺はシュリンプか! それともブラックタイガーか! ……いやそれはちょっとかっこいい」
「まあまあ」
突っ込みまくるアーウィンをサブロウがなだめる。どっちが先輩か分かったものではない。
「焼かれた跡、というのが気になるな。魔導士の仕業?」
こちらもまたむつかしい顔の『女傑』グローリア・アンヘル(CL3000214)が灯台の入り口に横たわる母鳥であるコカトリスを検分しながらつぶやいた。
「ん? なんかわかったか? 女傑様」
「それだ?」
「どれだよ」
「前から思っていたが、その女傑様というのやめてくれないだろうか? こう、なんというか嫌味に聞こえてよい気分ではない」
前々からその呼び名は気に入らなかった。だからアーウィンに対してグローリアはとげとげしくなる。
「いや、その、あんた戦い方がほら、豪快で話に聞く女傑ってやつにみえてさ……ああ、でも気分悪かったのならすまん」
「名前で呼べ。そう呼ばれるほうが嬉しいし、子供のころはローリィと呼ばれていた。そう呼んでくれてかまわない」
家族に愛情を込められて、そう呼ばれた記憶が彼女の中に深く根差している。しかしその家族はもういない。自分をローリィと呼んでくれるものはいない。だから誰かが、そう呼んでくれるのなら――。
「ローリィ……」
呼ばれて心臓がドクンと跳ねた。
「って、なんか恥ずかしいな。グローリア。やっぱこっちのがしっくりくるわ、ってわけでグローリアなんかわかったか?」
その気持ちを知るはずもなく、アーウィンは問いかける。いや、別にかまわない。グローリアで問題ない。そういったの自分だし? 別に愛称で呼ばれるほど仲がいいわけでもないし?
「ああ、魔導士にやられた跡だな。最近この森にシャンバラの輩が入ってきたと聞く」
「ですね、雛をかたずけたら調査でもしますか」
『一刃にて天つ国迄斬り往くは』カスカ・セイリュウジ(CL3000019)もまたこの状況を憂うもの。
「ああ、カスカ。私はちょっとこの辺りを先に調べるわ。何かあればみんなにもつたえるわ」
「私もアンネリーザについていこう。もしもの時はボディーガードにもなれる。それに私も気になる」
「まあ、大丈夫だとは思いますが、くれぐれも油断しないように」
アンネリーザはカスカに伝えると梟の羽根をはためかせ宙に浮かぶ。
「さて、さっさと大工の準備運動代わりの駆除ですね」
カスカの言葉にアンネリーザとグローリアを除く一行は灯台の中にはいる。
閑散とした灯台の内部は薄暗くじっとりとしている。雨風をしのげるだろうそこは巣の場所としては十分だ。親鳥が餌を森にとりに行くにしてもちょうどいい。
彼らが進めば奥から雛のぴいぴいという鳴き声が聞こえ、油断なく武器を構える。
奥から雛が数匹小さな翼をはためかせ、おなかがすいたと大声で催促する。同行してきた自由騎士の一人がかわいい……!とつぶやいた。
「いいか、おまえら! 油断するなよ!」
アーウィンパイセンが声をかければ、自由騎士たちは各々の武器をとり構える。
「ではエピ殿のお力拝見いたします」
ルクタートルならではのステップを踏み、ウィルフレドは龍氣をたぎらせていく。
「怪我も石化もわたくしにおまかせください!」
後衛からジュリエットがガッツポーズでアニマムンディを展開し共鳴増幅する。
「うん、ジュリエット頼りにしてる。もちろんオスカーもよ」
「も、もちろんだとも」
からかうようなエルシーの言葉にオスカーは盾たらんと前に出て、気を引くかのようにコルウスを掲げ、戦いの叫び声を上げれば雛たちは侵入者が明確な敵だと理解し、甘えた鳴き声が鋭いものに変わった。
「つつかれてはかないませんな」
サブロウもまた三白眼を鋭く雛を見つめラピッドジーンで強化すると油断なく構える。ヒトの都合で誠に恐縮極まるがしかたない。これもまた運命。次の世あらば、苦しい生にあらざるように。
故郷の祈りの文句をつぶやく。
「いくぜ!」
パイセンことアーウィンは拳を握りしめ、見本であるといわんがばかりに雛を攻撃範囲にとらえると。
「できねええええええ、こんなかわいいんだぞ!! やばいじゃん! かわいそうじゃん!」
皆に振り向くパイセン。
「だと思いました」
カスカはダン、と踏み込み風のようにアーウィンの隣を抜けると一刀両断に雛を切り捨てた。
「すごい。カスカ!」
「教鞭をとれるほどではありませんが。まあそれなりには」
「カスカ嬢。見事な切り口ですね。なるほど。このように剣をふるうと」
「ブラボー! ハラショー! 素晴らしい。この老骨こんな鮮やかな剣みたことありませぬ」
「ほら、みなさま! 油断してはいけませんわ」
カスカの妙技に後輩たちが沸き上がる。
アーウィンには誰も目もくれない。
あまりにも哀れにおもったのかサブロウが、エビ先輩。大丈夫ですから。となんのフォローにもなってないフォローで肩をぽんとたたいた。
戦闘は多少の石化はあったとはいえ誰も怪我をすることなく順調に終わった。
死骸は後程、親鳥と合わせて墓を作ることになった。
一方アンネリーザとグローリアである。
「これは……」
「この衣装はシャンバラの魔女狩りだな」
周辺を探索すれば、ほどなくして石化した黒装束の魔導士が発見された。
石像は首が見事に折れ、たとえ石化を解いたとしても生きてはいないだろう。
「おそらくこの入り江から彼らは侵入してきたということね」
「ああ、壊れた灯台の下なんて、灯台下暗しどころか灯されてもいない、いい侵入経路だったということか」
この入り江から上陸した彼らはおそらく、コカトリスと遭遇し戦闘になったのだろう。
コカトリスはあっという間に倒され、運の悪いこの男は石化され、放置されたということか。
「これは周辺の灯台の修理に警備、それにきちんとした地形観測、ひいては北部の開拓も必要になってくるかもしれないわね」
「腰の重い元老院に、国防騎士たちもせっつかないといけないな。うんざりする話だ」
国家事業としての開拓には元老院の許可も必要になってくる。イ・ラプセル北部は住人も少なくうっそうとした森がある区域だ。自然が深いといえば耳障りもいいが、とどのつまりは開発されていない田舎であるということだ。
ある程度の灯台はあるとはいえ、壊れているものもある。
これはこの場所にある灯台には徹底的に手を入れ、直していく必要があるのかもしれない。
●
合流した彼らは今度は大工の仕事だ。
カーペンターの技能をもつグローリアを中心にまずは灯台の外側の修復から始める。
カスカはハイバランサーも利用して、小器用に修復していく。
「モノ作りは嫌いではないが、まあ素人の道楽だからね」
かくいうウィルフレドは昔取った杵柄。新しい技術には興味津々のようで、グローリアの手元をみては嬉しそうにしている。
「そうだな、この灯台に灯台守を置くとして、非常時の脱出路の確保もしておいたほうがいいだろう。窓という窓に地面までの縄梯子を用意しておこう。とはいえ、それを敵に利用されないように、関係者ならわかる程度の偽装は必要かもしれんな」
「なるほど大伯父上。では緊急信号なども用意しておいたほうがいいかと。
……信号の符号を理解するためのコード表も用意すべきか。
通信士を双方向にはむつかしいか……」
ウィルフレドに相槌しながらオスカーも自らのアイデアを披露する。
ジュリエットは正直どんな修理をすればいいのか見当もつかない。なればと、あちらこちらで資材の受け渡しに東奔西走している。
「ジュリエット、狼煙台にもなるように煙をたく場所を増設するわよ! グローリア、強度ってどれくらいあればいい?」
「ああ、その程度なら、それほどなくてもいいと思うぞ、焚きやすいように風向きも考えることだ」
「ねえ、知ってる? 狼煙ってその名前のとおり狼の糞を燃やすものに混ぜるのよ。そうするとまっすぐあがるんですって!」
「本当ですの?!」
「カスカー! そっちはどう? 変なところはない?」
窓から顔を出して、外で作業中のカスカにアンネリーゼが尋ねた。
「老朽化している部分は補強しています。まあ、まったく使ってなかったせいもあって、ずいぶんあちこちが痛んでいますよ。特にかがり火を焚く蒸気瓦斯台が。これは付け替えないと使い物にはなりませんね。
ついでに窓口を拡大して光源として強化できるようにしておきます」
「おっけーよろしく! そっちに内側からジュリエット向かわせるわ。ってわけでジュリエット! カスカを手伝ってあげて!」
「あ、はい、わかりましたわ!」
「あと、狼煙の煙、まっすぐにあがるかどうかは天候次第だから、海風の通り道は避けたほうがいいわね」
「ああ、そうね。了解よ!」
少女たちは意外にもこの大工作業を楽しく行っているようだ。
「やつら、この灯台の内部には特に痕跡を残してはいないようですね。バーリフェルトさんたちの情報から察するに魔女狩りたちの仕業で間違いないとは思いますが。どんな魔法で殺されていたんでしたっけね?」
「スカーレットレターだな。あとは……スクラッチのあと……? 魔法攻撃とはおもうのだが……。まあ、魔女狩りのなかでも能力は低く、運も悪かったものなのだろう」
「わかりました。後でもう一度みておくかな? 瓦斯台直すなら僕もお手伝いします。高いところ! 好きなんですよ!」
言ってサブロウも登っていく。
「うっわー、見晴らしよくて潮風が気持ちいいですねー! そうだ! 一番上に鳥に近づかれないように、とげとげつけておきましょうよ! トゲトゲ!」
上階ではたのしそうなサブロウの声が聞こえた。高いところが好きな彼は大はしゃぎでまるで少年にもどったかのようである。
その様子を見ながらサブロウに頼まれた、保存食の数をアーウィンは数えながら、グローリアに聞く。
「なあ、グローリア、この数なら箱の大きさどうするよ、念のため大きいのつくっとくか?」
「うひゃあ」
「なんだよ!? びっくりすんだろ!」
思いのほか近くから聞こえてきた声にグローリアは変な声をあげてしまい、釘を打ち損ねて釘の頭が曲がってしまった。
「驚かされたのはこっちだ! ああ、そうだな、大きめので頼む」
まったく、あいつは! 距離が近い! 近すぎる!
意味不明ないら立ちがグローリアの中で渦巻いている。これくらいの近さなんてなんてことはないがそれなりに心の準備だってひつようなのだ。というか、女性に対してあいつは距離が近い。水着姿に逃げ出してたくせに! 破廉恥なのはおまえだ!!
(あらあら)
なんとはなしに気づくものがあったのかエルシーはにこにこ顔でその様子を眺めている。もちろんどちらにも何にもいわない。
だってそのほうがおもしろいから!
友人に、彼らに。どうにもエルシーの周りには素敵なお話がいっぱいだ。ああ! ほんとうに! 私にもそういうのがあればいいのにな!
「よし!」
物見台には新品の望遠鏡。これで遠くの船や脅威もしっかりと確認できるはずだと設置した頑丈な望遠鏡をアンネリーザはぽんぽんとたたく。
念のための医療品も用意して棚の奥にしまう。
彼らの尽力もあり、灯台にはまばゆい光がともる。
煤で真っ黒になった彼らは、その充実感に微笑みあった。
そこには先輩後輩もない。年齢の差もない。出身地の差も。
仲間という強い繋がりがあるのだ。
もちろんほかにも修繕すべき場所はこのイ・ラプセルには多い。
今回はそのうちのたった一つに過ぎない。
しかし、こうした小さな一歩ずつが、この国を変えていくのだろう。
「新人研修。新人、ねえ? ずいぶん逞しいこと」
『緋色の拳』エルシー・スカーレット(CL3000368)は『ライバルは女海賊』ジュリエット・ゴールドスミス(CL3000357)の顔をみて、いぶかしげな瞳を向けた。
無理もない。彼女は自由騎士団に入団してひと月程度である。で、あるのにその練度はベテランの自由騎士たちとそれほどに変わらないほどにまで成長している。
(これが好きな人に追いつきたいっていう、乙女の恋の力ってやつなのかしらね?)
私にもそんな恋が見つけられるのかな? とエルシーは思う。
「わたくし、入団間もない新人騎士ですの!
ぜひともアーウィンから自由騎士のイロハとやらをご教授頂きたいですわ」
そんなエルシーの思いも気にせず当の本人は、エルシーとくらべてささやかな胸にてをあてて、自信満々にジュリエットはアーウィン・エピ(nCL3000022)に声をかけた。
「ああ、新人、俺が教えてやるよ……! って熊! 黙れ!」
先輩風を吹かせたその直後熊の騎士におだてられてさすがに恥ずかしいのかアーウィンは真っ赤になる。
「アーウィン君は後輩に優しいわねぇ。頼りにしてるわよ、先輩」
『梟の帽子屋』アンネリーザ・バーリフェルト(CL3000017)がにやにや笑えば、てめえのが先輩だろ! とアーウィンは律義にも答える。
「さてと。うわ、重っ」
漆喰に補修材に工具。そういったものをバッグに目いっぱいつめてきたエルシーは持ち上げようとしてその重量に目を白黒させた。
「……エルシー嬢、荷物を此方に。持とう」
『砕けぬ盾』オスカー・バンベリー(CL3000332)は紳士らしく騎士らしく。その荷物を自分が運ぶという。
「おやおや、オスカー坊や、なんと美しい少女と知り合いなのか。ああ、私がもう少し若ければ! オスカー坊や、何をぐずぐずしているんだ? 私に紹介はしないのかね?」
オスカーに同行してきたは、『有閑紳士』ウィルフレド・ダリオ・オルドニェス(CL3000384)。
どうにも一筋縄ではいかない大伯父上殿だ。
「大伯父上……」
「あら、素敵な紳士。エルシー・スカーレットです。オスカーとは久々にあった友人同士です」
「それはそれは、坊やも隅におけない」
言って、ウィルフレドは自然にエルシーの手を取ると、その細い手の甲に落とされる尊敬と信愛の証。
「ま、ミスターが30歳若ければ、恋に落ちていたかもしれませんね」
「それは手厳しい、レディ、これからもオスカーと仲良くしてあげてください」
「ええ、もちろん」
オスカーは大伯父上なら大丈夫とは思ってはいても、やはりハラハラとしてしまう。友人が大伯父上と結婚してしまったら何と呼べばいいのだろうか? そんなことをつい考えてしまう彼は根が生真面目なのだろう。
ジュリエットはその様子を見てくすりとわらう。だからあの方とこの人は仲がよいのだろうと。あの人からよく聞く名前の一つだ。
「エルシー、耳がまっかですわよ」
友人をからかいつつ、彼女もまたオスカーとウィルフレドに挨拶をした。
「うーむ、新人かと言われれば……」
もともと騎士団には所属していたサブロウ・カイトー(CL3000363)は眉根を寄せる。
オラクル兵団が解散され国防騎士兼自由騎士。いわゆる「街のおまわりさん」になった彼にとって戦闘が慣れてないかどうかといわれれば微妙な話だ。
「まあいいか! よろしくお願いしますね、エビ先輩!」
あっさりとその悩み? もどこへやら。サブロウはアーウィンに水を向けた。
「エビちゃうわ! 俺はシュリンプか! それともブラックタイガーか! ……いやそれはちょっとかっこいい」
「まあまあ」
突っ込みまくるアーウィンをサブロウがなだめる。どっちが先輩か分かったものではない。
「焼かれた跡、というのが気になるな。魔導士の仕業?」
こちらもまたむつかしい顔の『女傑』グローリア・アンヘル(CL3000214)が灯台の入り口に横たわる母鳥であるコカトリスを検分しながらつぶやいた。
「ん? なんかわかったか? 女傑様」
「それだ?」
「どれだよ」
「前から思っていたが、その女傑様というのやめてくれないだろうか? こう、なんというか嫌味に聞こえてよい気分ではない」
前々からその呼び名は気に入らなかった。だからアーウィンに対してグローリアはとげとげしくなる。
「いや、その、あんた戦い方がほら、豪快で話に聞く女傑ってやつにみえてさ……ああ、でも気分悪かったのならすまん」
「名前で呼べ。そう呼ばれるほうが嬉しいし、子供のころはローリィと呼ばれていた。そう呼んでくれてかまわない」
家族に愛情を込められて、そう呼ばれた記憶が彼女の中に深く根差している。しかしその家族はもういない。自分をローリィと呼んでくれるものはいない。だから誰かが、そう呼んでくれるのなら――。
「ローリィ……」
呼ばれて心臓がドクンと跳ねた。
「って、なんか恥ずかしいな。グローリア。やっぱこっちのがしっくりくるわ、ってわけでグローリアなんかわかったか?」
その気持ちを知るはずもなく、アーウィンは問いかける。いや、別にかまわない。グローリアで問題ない。そういったの自分だし? 別に愛称で呼ばれるほど仲がいいわけでもないし?
「ああ、魔導士にやられた跡だな。最近この森にシャンバラの輩が入ってきたと聞く」
「ですね、雛をかたずけたら調査でもしますか」
『一刃にて天つ国迄斬り往くは』カスカ・セイリュウジ(CL3000019)もまたこの状況を憂うもの。
「ああ、カスカ。私はちょっとこの辺りを先に調べるわ。何かあればみんなにもつたえるわ」
「私もアンネリーザについていこう。もしもの時はボディーガードにもなれる。それに私も気になる」
「まあ、大丈夫だとは思いますが、くれぐれも油断しないように」
アンネリーザはカスカに伝えると梟の羽根をはためかせ宙に浮かぶ。
「さて、さっさと大工の準備運動代わりの駆除ですね」
カスカの言葉にアンネリーザとグローリアを除く一行は灯台の中にはいる。
閑散とした灯台の内部は薄暗くじっとりとしている。雨風をしのげるだろうそこは巣の場所としては十分だ。親鳥が餌を森にとりに行くにしてもちょうどいい。
彼らが進めば奥から雛のぴいぴいという鳴き声が聞こえ、油断なく武器を構える。
奥から雛が数匹小さな翼をはためかせ、おなかがすいたと大声で催促する。同行してきた自由騎士の一人がかわいい……!とつぶやいた。
「いいか、おまえら! 油断するなよ!」
アーウィンパイセンが声をかければ、自由騎士たちは各々の武器をとり構える。
「ではエピ殿のお力拝見いたします」
ルクタートルならではのステップを踏み、ウィルフレドは龍氣をたぎらせていく。
「怪我も石化もわたくしにおまかせください!」
後衛からジュリエットがガッツポーズでアニマムンディを展開し共鳴増幅する。
「うん、ジュリエット頼りにしてる。もちろんオスカーもよ」
「も、もちろんだとも」
からかうようなエルシーの言葉にオスカーは盾たらんと前に出て、気を引くかのようにコルウスを掲げ、戦いの叫び声を上げれば雛たちは侵入者が明確な敵だと理解し、甘えた鳴き声が鋭いものに変わった。
「つつかれてはかないませんな」
サブロウもまた三白眼を鋭く雛を見つめラピッドジーンで強化すると油断なく構える。ヒトの都合で誠に恐縮極まるがしかたない。これもまた運命。次の世あらば、苦しい生にあらざるように。
故郷の祈りの文句をつぶやく。
「いくぜ!」
パイセンことアーウィンは拳を握りしめ、見本であるといわんがばかりに雛を攻撃範囲にとらえると。
「できねええええええ、こんなかわいいんだぞ!! やばいじゃん! かわいそうじゃん!」
皆に振り向くパイセン。
「だと思いました」
カスカはダン、と踏み込み風のようにアーウィンの隣を抜けると一刀両断に雛を切り捨てた。
「すごい。カスカ!」
「教鞭をとれるほどではありませんが。まあそれなりには」
「カスカ嬢。見事な切り口ですね。なるほど。このように剣をふるうと」
「ブラボー! ハラショー! 素晴らしい。この老骨こんな鮮やかな剣みたことありませぬ」
「ほら、みなさま! 油断してはいけませんわ」
カスカの妙技に後輩たちが沸き上がる。
アーウィンには誰も目もくれない。
あまりにも哀れにおもったのかサブロウが、エビ先輩。大丈夫ですから。となんのフォローにもなってないフォローで肩をぽんとたたいた。
戦闘は多少の石化はあったとはいえ誰も怪我をすることなく順調に終わった。
死骸は後程、親鳥と合わせて墓を作ることになった。
一方アンネリーザとグローリアである。
「これは……」
「この衣装はシャンバラの魔女狩りだな」
周辺を探索すれば、ほどなくして石化した黒装束の魔導士が発見された。
石像は首が見事に折れ、たとえ石化を解いたとしても生きてはいないだろう。
「おそらくこの入り江から彼らは侵入してきたということね」
「ああ、壊れた灯台の下なんて、灯台下暗しどころか灯されてもいない、いい侵入経路だったということか」
この入り江から上陸した彼らはおそらく、コカトリスと遭遇し戦闘になったのだろう。
コカトリスはあっという間に倒され、運の悪いこの男は石化され、放置されたということか。
「これは周辺の灯台の修理に警備、それにきちんとした地形観測、ひいては北部の開拓も必要になってくるかもしれないわね」
「腰の重い元老院に、国防騎士たちもせっつかないといけないな。うんざりする話だ」
国家事業としての開拓には元老院の許可も必要になってくる。イ・ラプセル北部は住人も少なくうっそうとした森がある区域だ。自然が深いといえば耳障りもいいが、とどのつまりは開発されていない田舎であるということだ。
ある程度の灯台はあるとはいえ、壊れているものもある。
これはこの場所にある灯台には徹底的に手を入れ、直していく必要があるのかもしれない。
●
合流した彼らは今度は大工の仕事だ。
カーペンターの技能をもつグローリアを中心にまずは灯台の外側の修復から始める。
カスカはハイバランサーも利用して、小器用に修復していく。
「モノ作りは嫌いではないが、まあ素人の道楽だからね」
かくいうウィルフレドは昔取った杵柄。新しい技術には興味津々のようで、グローリアの手元をみては嬉しそうにしている。
「そうだな、この灯台に灯台守を置くとして、非常時の脱出路の確保もしておいたほうがいいだろう。窓という窓に地面までの縄梯子を用意しておこう。とはいえ、それを敵に利用されないように、関係者ならわかる程度の偽装は必要かもしれんな」
「なるほど大伯父上。では緊急信号なども用意しておいたほうがいいかと。
……信号の符号を理解するためのコード表も用意すべきか。
通信士を双方向にはむつかしいか……」
ウィルフレドに相槌しながらオスカーも自らのアイデアを披露する。
ジュリエットは正直どんな修理をすればいいのか見当もつかない。なればと、あちらこちらで資材の受け渡しに東奔西走している。
「ジュリエット、狼煙台にもなるように煙をたく場所を増設するわよ! グローリア、強度ってどれくらいあればいい?」
「ああ、その程度なら、それほどなくてもいいと思うぞ、焚きやすいように風向きも考えることだ」
「ねえ、知ってる? 狼煙ってその名前のとおり狼の糞を燃やすものに混ぜるのよ。そうするとまっすぐあがるんですって!」
「本当ですの?!」
「カスカー! そっちはどう? 変なところはない?」
窓から顔を出して、外で作業中のカスカにアンネリーゼが尋ねた。
「老朽化している部分は補強しています。まあ、まったく使ってなかったせいもあって、ずいぶんあちこちが痛んでいますよ。特にかがり火を焚く蒸気瓦斯台が。これは付け替えないと使い物にはなりませんね。
ついでに窓口を拡大して光源として強化できるようにしておきます」
「おっけーよろしく! そっちに内側からジュリエット向かわせるわ。ってわけでジュリエット! カスカを手伝ってあげて!」
「あ、はい、わかりましたわ!」
「あと、狼煙の煙、まっすぐにあがるかどうかは天候次第だから、海風の通り道は避けたほうがいいわね」
「ああ、そうね。了解よ!」
少女たちは意外にもこの大工作業を楽しく行っているようだ。
「やつら、この灯台の内部には特に痕跡を残してはいないようですね。バーリフェルトさんたちの情報から察するに魔女狩りたちの仕業で間違いないとは思いますが。どんな魔法で殺されていたんでしたっけね?」
「スカーレットレターだな。あとは……スクラッチのあと……? 魔法攻撃とはおもうのだが……。まあ、魔女狩りのなかでも能力は低く、運も悪かったものなのだろう」
「わかりました。後でもう一度みておくかな? 瓦斯台直すなら僕もお手伝いします。高いところ! 好きなんですよ!」
言ってサブロウも登っていく。
「うっわー、見晴らしよくて潮風が気持ちいいですねー! そうだ! 一番上に鳥に近づかれないように、とげとげつけておきましょうよ! トゲトゲ!」
上階ではたのしそうなサブロウの声が聞こえた。高いところが好きな彼は大はしゃぎでまるで少年にもどったかのようである。
その様子を見ながらサブロウに頼まれた、保存食の数をアーウィンは数えながら、グローリアに聞く。
「なあ、グローリア、この数なら箱の大きさどうするよ、念のため大きいのつくっとくか?」
「うひゃあ」
「なんだよ!? びっくりすんだろ!」
思いのほか近くから聞こえてきた声にグローリアは変な声をあげてしまい、釘を打ち損ねて釘の頭が曲がってしまった。
「驚かされたのはこっちだ! ああ、そうだな、大きめので頼む」
まったく、あいつは! 距離が近い! 近すぎる!
意味不明ないら立ちがグローリアの中で渦巻いている。これくらいの近さなんてなんてことはないがそれなりに心の準備だってひつようなのだ。というか、女性に対してあいつは距離が近い。水着姿に逃げ出してたくせに! 破廉恥なのはおまえだ!!
(あらあら)
なんとはなしに気づくものがあったのかエルシーはにこにこ顔でその様子を眺めている。もちろんどちらにも何にもいわない。
だってそのほうがおもしろいから!
友人に、彼らに。どうにもエルシーの周りには素敵なお話がいっぱいだ。ああ! ほんとうに! 私にもそういうのがあればいいのにな!
「よし!」
物見台には新品の望遠鏡。これで遠くの船や脅威もしっかりと確認できるはずだと設置した頑丈な望遠鏡をアンネリーザはぽんぽんとたたく。
念のための医療品も用意して棚の奥にしまう。
彼らの尽力もあり、灯台にはまばゆい光がともる。
煤で真っ黒になった彼らは、その充実感に微笑みあった。
そこには先輩後輩もない。年齢の差もない。出身地の差も。
仲間という強い繋がりがあるのだ。
もちろんほかにも修繕すべき場所はこのイ・ラプセルには多い。
今回はそのうちのたった一つに過ぎない。
しかし、こうした小さな一歩ずつが、この国を変えていくのだろう。
†シナリオ結果†
成功
†詳細†
†あとがき†
灯台の修繕おつかれさまでした。
思いのほかしっかりと修繕されて、いろいろな部分がしっかりとなったので、灯台守は騎士団のほうに出すように指示がでました。
光や狼煙での合図についてもちゃんと指導が入るようです。
なので、国防値にプラス補正が入ります。
この修繕方法もしっかりと広められていきますので、ほかの灯台も修繕されていくこととなります。
MVPはしっかりといろいろ考えてくださったカスカさんへ。
ほかのみなさまのアイデアも素晴らしかったです。
今回はご参加ありがとうございました。
思いのほかしっかりと修繕されて、いろいろな部分がしっかりとなったので、灯台守は騎士団のほうに出すように指示がでました。
光や狼煙での合図についてもちゃんと指導が入るようです。
なので、国防値にプラス補正が入ります。
この修繕方法もしっかりと広められていきますので、ほかの灯台も修繕されていくこととなります。
MVPはしっかりといろいろ考えてくださったカスカさんへ。
ほかのみなさまのアイデアも素晴らしかったです。
今回はご参加ありがとうございました。
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