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Mammals! 哺乳類の避けられぬサガ!



●章の最後にあるセリフだけ読めば、依頼の概要は解ります
 哺乳――それは乳を飲ませて子供を育てる行為である。
 哺乳類と呼ばれる脊椎動物はそうやって子供を育てる。狩ってきた餌を子供に与えるよりも、狩りによる危険性を回避して直接栄養分を与える事が出来る為、効率よく子供を育てる事が出来る種族だ。何よりも狩りが行えない寒気や夜間などでも養分が与えられるメリットは大きい。
 そして哺乳の為に身体も変化していく。凶悪な牙は収まり、唇も柔らかくなる。そうやって変化していき、哺乳類と呼ばれる種族は今なお進化していく。だがそんな中においても、哺乳の際に問題となる器官――乳房には今なお学術的に解決されない疑問があった。
 乳房とは汗腺が分化し乳腺が集合化した部位だ。端的に言えば重要なのは乳腺その物であって、乳房の形や大きさは生物学的に意味をなさない。大きい乳房を持つことが生物学的に優位であるという証明は為されていない。
 だが――哺乳類は乳房に惹かれる。その形、その大きさ、その柔らかさ。そこにおっぱいがある。それだけで哺乳類は意気揚々となる。そして興奮し、交感神経が刺激されて心臓の鼓動が速くなっていく。
 それは芸術的な観点かもしれない。或いは魂――もう少し後の時代であれば遺伝子ともいえる存在――に刻まれた本能なのかもしれない。あるいは幼少期に母体から与えられた刷り込みなのかもしれない。それを証明する術はない。
 ともあれ、哺乳類はおっぱいに惹かれる。うん、これはどうしようもない事実なのだ。証明完了。QED。ともかくこの前提は覆らない。いいね? いいね!
「おっぱいおっぱいおっぱい!」
「大きいのはいい。しかし小さくともいい」
「ああ、俺達は『欲情を掻き立てるサテュロスの魔曲』を聴いてしまったんだ。だからおっぱいを求めるのは仕方ない!」 
 ――なので、こんな奴らが現れるのは仕方のない事なのである。

●階差演算室
「相手はサテュロス。分類としては幻想種になる」
『長』クラウス・フォン・プラテス(nCL3000003)は集まった自由騎士に向けてそう告げる。
 サテュロス。半人半獣の妖精のような存在である。ような、と言ったのはサテュロスは悪戯好きで、楽器を奏でて男性の性欲を増幅させるのだ。興奮したものはワインと女性と男性(美少年)を愛するようになる。妖精の悪戯の度を超える為、警戒されている幻想種だ。
「肝試しで森に出向き、そこで音楽を聴いてしまったようだ。全員乳房に異常な執着を示し、それに触れようとする。せき止めようとしても数の多さで突破されるだろう。各自注意されよ」
 要するに、後衛に居てもおっぱいを狙われるという事だ。どう注意しろと!?
「流石に若者は殺すには忍びないので、アクアディーネの権能を持つ自由騎士に仕事が回ってきた。戦争で大変だとは思うが、国民を守るために尽力してくれ」
 確かに国民が奇行に走るのを事前に止める事は騎士の務め……なのかもしれない。内容はともかく。
 ともあれ、拒否権はない。これ以上たらい回しにする部署もない。自由騎士達は肩をすくめて現場に向かった。


†シナリオ詳細†
シナリオタイプ
通常シナリオ
シナリオカテゴリー
魔物討伐
担当ST
どくどく
■成功条件
1.若者10名とサテュロスの打破
●敵情報
・若者(×10)
 見た目は10代後半一般人男性。サテュロスの音楽の効果で女性の乳房を求めて暴力的になっています。揉んだりいろいろしたいそうです。マギアスティームは全年齢!
 多分自意識はありますが、何故か説得はできません。サテュロスの音楽のせいなんだ。魔力に逆らえないんだ。仕方ないんだー!
 なお参加者が全員男性もしくは性別不明だった場合、しょんぼりして普通に殴ってきます。なんか血走った目で。
 
 攻撃方法
ぼでぃたっち 攻近単 『サテュロスに操られ』身体を色々さわってきます。
いいわけ   自付  「音楽で操られてるから仕方ないよね!」 命中増加
熱い思い   P    本能丸出しの為、挑発に乗りやすいです。プレイングやセリフ等により攻撃対象を集中させることが出来るかもしれません。

・サテュロス(×1)
 上半身少年下半身山羊の妖精です。身長1mほど。ずっとバグパイプを吹いています。
 直接攻撃はしませんが、曲を聞いていると無性に欲情が湧いてきます。プレイング次第では奇行に走るかもしれません。全員奇行に走ったら……まあ、どうにかなります。きっと。メイビー。


●場所情報
 イ・ラプセル郊外にある森。そこにある小さな広場。時刻は夜。明かりは若者がランタンを持っています。広さや足場などは戦闘に支障なし。
 戦闘開始時、敵前衛に『若者(×10)』、敵後衛に『サテュロス(×1)』がいます。
 事前付与は一度だけ可能です。ホムンクルスも作成可能です。

 皆様のプレイングをお待ちしています。
 
状態
完了
報酬マテリア
5個  1個  1個  1個
8モル 
参加費
100LP [予約時+50LP]
相談日数
6日
参加人数
7/8
公開日
2019年12月10日

†メイン参加者 7人†




「おー、テンション爆上げしてるー! そんなにおっぱい触りたいの?」
『一番! ロリ巨乳ウシガール『たゆんイズパワー!』カーミラ・ローゼンタール(CL3000069)! 小さなボディにあふれんばかりの可能性! 性的な恥じらいはないからこそ、白を黒に染める背徳感が楽しめるぜベイベー!』
「そんな熱い視線で見られると……」
『二番! モフモフウサギは常時発情中! 『ラビットレディ!』ティラミス・グラスホイップ(CL3000385)! アイテム欄に輝く『花柄のワンピース』『網タイツとガーターベルト』『首輪』とかいろいろ狙いすぎだろーが! だがそれがいい! イエアー!』
「分かりました、この若者たちが二度と女性の胸に興味を示せれなくなるくらいに叩きのめせばいいのですね」
『三番! 年下には容赦ねぇ! 『戦姫』デボラ・ディートヘルム(CL3000511)! 質実剛健な柄にして持ちうる華はまさに豪華絢爛! ハイスペックながら心のガードも高めなおねーさんだ! だが『弱点:おじさま属性』の脆さもあるぜ、グレイト!』
「女の魅力は胸だけじゃないのよっ! あたしのお尻と太ももの素晴らしさを教えてあげるわっ!」
『四番! 天才ヨウセイは下半身で勝負! 『極光の魔法少女』モニカ・シンクレア(CL3000504)! 歌って踊れるアイドルヨウセイのチャームポイントはその可愛らしいヒップにある! 華麗なプロレス技にチェケラァ!』
「洗脳されているのであれば、少々強めの衝撃を与えなければいけませんね!」
『五番! 断罪(物理)、救済(物理)! 『救済の聖女』アンジェリカ・フォン・ヴァレンタイン(CL3000505)! モフモフ枠二つ目にしておしとやかなシスター! 全てを赦し全てを受け止める。だけど神罰必定なのでご注意を! デンジャー!』
「触ると言う事は触り返される覚悟も当然あるのだろうな!」
『六番! 医者だから人体には触り慣れている(自称)! 『咲かぬ橘』非時香・ツボミ(CL3000086)! どうして出来もしない事をドヤ顔で宣言するんですか? 防御力ゼロの三十路医者とかアレかと思うんですけど? アウチ!」
「逆に考えるのヨ。『絶対に触られる』のならタダで触らせなければいいの! アンダスタン?」
『七番! おさわり一回1000GP! 『有美玉』ルー・シェーファー(CL3000101)! マーチャントだからお金にうるさくても仕方ないよね! 金勘定は金感情。お金に心動く悲しき商人のサガ! そこから堕ちていくかもよ? オッケー?』
『以上! 七名の自由騎士の参戦だー! 解説はツボミ先生が持ってきた<女心チェッカー>がさせてもらったぜ。ん? どくどくの素じゃね? こまけーことは忘れナー!』
 ツボミは女心チェッカーのスイッチをオフにする。他意はない。なんとなく目の前の被害者に説明をしておくのは大事だな、と思っただけである。
「おねーさん!」
「可愛い……」
「モフモフ……」
 サテュロスに操られた(と思われる)男性たちは興奮したように歩みを進める。なんかそれぞれの属性を刺激されたかのようだ。うーん、この。
 ともあれ幻想種が起こす事件には違いない。自由騎士達は武器を構えて戦いに挑む。


 そして戦いが始まり――
「にゃあああああああああああ!」
「ふぇえええええええええ!」
 殺到した男達に胸をもまれ、悲鳴を上げる自由騎士達。操られているとは思えないほど素早く動き、そして的確な手つきで胸を揉み上げる。
「一回1000GPアルヨ! 毎度どーも……ってわああああああ!?」
 ルーじゃ触られに来ましたとばかりのバニースタイル。胸を強調する衣服はそれだけで男心を煽情する。バニーに惹かれない男はいないのだ(断言)。そんな一例を示すかのように真っ先にルーに向かって男達は手を伸ばす。
「ちょ、待つアルネ!? お金! 1000GP払うアル! え、親が出す? しかも三倍? ……ナシ………いいや、アリ!」
 頭の中で『金』と『羞恥』で天秤が揺れ、あっさり『金』に傾くルー。男達が歓声を上げると同時に胸を掴む手に力がこもる。男達の情熱が手の平から伝わってくるかのような、熱い感覚にルーは声を我慢するように唇を結ぶ。
「……っ! お、お金本当に払うアルヨネ!? 回数、覚えておく……んっ!」
「魔曲でムラムラしないと胸も触れない軟弱者どもが! 私は逃げも隠れもせんぞ!」
 と言って胸を張るツボミ。親の幻想種所以か、はたまた不健康な生活態度ゆえか。目立った凹凸らしいものはその胸に見られなかった。残念そうな顔をする男もいたが、それがいいという男もいたらしい。で、
「ひゃう! ん、馬鹿も、の! 洒落になって、ひぃ!」
 即落ち二コマとばかりに男の掌の動きに翻弄されるツボミ。先ほどまでの態度は何処絵やら。悪態をつこうにもまともに口が利けないようなほど、男達に揉まれて体を震わせていた。振り払おうと手を振るうが、POW8なのでお察しください。
「あ、あほー! お前のかーちゃんでべ、ッ! 手を動かすなー!」
「折角ですのでアクアディーネ様の幻影を……胸も少しもって映し出しましょう」
 アンジェリカは些かセクシーなアクアディーネの幻影を出し、男性たちを引き寄せようとした。が、
「偽乳に誤魔化せる俺達じゃないぜ!」
 あっさり幻影を見破って、アンジェリカに殺到する。あらあらと口に手を当てて相手の鑑定眼に勝算を送る。そのままやってくる男達を抱き寄せるように迎え入れた。
「もふもふ……それでいて柔らかい……ああ、これぞケモノビトおっぱい……!」
「可哀想に……音楽で操られてこんなことをしているんですね」
「そうなんですー! サテュロスの音楽だから仕方ないんですー!」
「ええ、分かってますわ。聖職者として慈悲を差し上げます。物理で」
「ごふぅ!」
「胸ばっかり触るな! モニカのお尻と太ももを……ってひゃあああ!?」
 胸を狙う男に怒りの声をあげるモニカ。確かにモニカの魅力はそのお尻にあるだろう。だがしかし、男達の興味は胸にあった。森の種族ともいえる神秘の種族ヨウセイ。その胸を我が物にしようと、我先にと殺到する。
「もー、怒った! これでもくらいなさい!」
 怒りに任せて男の手を振り払ったモニカは、相手を突き飛ばして距離を生む。僅か2歩だがそれだけあれば間合は十分。反転するように回転しながら跳躍し、熟れた桃を思わせる弾力あるヒップアタックを相手の顔に叩き込んだ。
「これからお尻の魅力をたーっぷり教えてあげるから。覚悟なさい!」
「……っ! いい加減に……! ちょ!?」
 殺到する男達怒りの声をあげるデボラ。豊満な肉体を求めて殺到してくる若者は、かつてキジン化したことを理由に婚約破棄された事を思い出させる。体しか求めてこない男性。その態度に怒りを感じていた。
「違うんです! おねーさんのこのおっぱいに誘われたんです! あ、でもあっちの子も――」
「はい! 手加減なしです!」
 何か言い訳をしようとした男性に容赦なく鉄槌を喰らわせるデボラ。権能あるから死なないとね。そんな容赦のなさであった。敵兵相手でもあそこまで殺意は乗せまい。その一撃はそう言われるほどのモノであった。
「二度と触りたいなんて思わせないようにトラウマを植え付けてあげます!」
「むにむに掴んでるー。ぱんつどろぼーとかいるけど、そっちは興味ないの?」
 言いながら央華大陸風格闘服の下半身部分をめくるカーミラ。スリットの奥に見える純白の薄い布地が垣間見える。だがしかし彼らはそこに目を向けず、カーミラの弾力あるおっぱいに夢中であった。
「スジガネイリってヤツだね! たのしそーだなぁ」
 片手に収まらないほどのカーミラの乳房とその感覚を堪能する男達。あくまで対象はおっぱいなのである。それがサテュロスに操られた影響なのか、あるいは彼ら本来の性癖なのか。それは解らない。だがその情熱がカーミラに伝わっていく。
「ふひゃ、くすぐったーい。もー、そんなに揉んでもミルクは出ないよー」
「ふふふ。邪魔が入らないようにあっちの茂みに行きません?」
 情熱的な瞳を男性に向け、戦場から離れるように誘うティラミス。もじもじと恥じらうような態度。上目使いのうるんだ瞳。衣服では隠し切れない成長した胸。健康的なウサギの足。その全てが男を刺激する。
「そう。茂みの奥で、もう少し突っ込んだことをしましょう……」
 甘い吐息を男の耳にかける様に囁くティラミス。とろけるような声で相手の心を弛緩させ、誘われるままにティラミスと共に茂みの奥に入っていく。男の手がティラミスの服に手をかける。そのまま脱がそうとする手を制することなく、紅顔してほほ笑んだ。
「子ウサギだから、優しくしてくださいね」
 まあ、一応は相手一人を無力化している……のかな?
 ともあれ自由騎士達はサテュロスに操られた者達を相手取り、アクアディーネの権能を用いて一人ずつ無力化していく。戦争に赴く騎士とただの一般人。その実力差は明白だ。戦いは自由騎士に軍配が上がることは解り切っていた。
 問題はそれまでの間にどれだけの被害…………つまり、自由騎士のおっぱいが揉まれるかという事である。


「恐るべしサテュロスの魔曲! 僕は自由騎士のおっぱいをもむなんてしたくないのにー!」
「ふへへへ。仕方ないよなー。僕らは被害者なんだからー」
 どこか棒読みな口調で男達は胸を触ってくる。
「己の信念の元に行動し、諦めない人は好きですよ。慈悲はありませんが」
 倒れながらも手を胸に伸ばして触れてくる男に対し、アンジェリカは微笑んで巨大な十字架を叩き込んだ。迷える子には優しさを。サテュロスに操られた憐れな者に、救いという名の鈍器が振るわれる。
「そう。そんなあなたにパスタです」
「ぱすた?」
「はい。パスタは神の料理。パスタは肉、トマトは血、ガーリックはヴァンパイアを退ける聖なる心だと。すなわち人を構成するモノはパスタであり、パスタこそ天地創造の最初にあった生物なのです」
 真摯で真面目にそんなことを言うアンジェリカ。その優しい瞳と言葉、あとふくよかな胸の感覚でFPM信者を一人獲得したアンジェリカであった。
「いいですか! 女性の胸を! みだりに! 触っては! いけません!」
 一字一句きりながら、デボラは武器を振るう。防御タンクスタイルなんだけど、今回ばかりは防御に回るつもりはない。積極的に攻めに回り、説教と共に若者たちを打ち倒していく。
「触れた手はこの手ですか? 盾で潰されたいですか? それとも剣で指を切られたいですか?」
「じ、自由騎士ってそんなに残酷な組織だっけ!?」
「大丈夫です! アクアディーネ様の権能で死ぬことはありません! きちんと医者もいますから!」
 医者いればケガさせてもいいわけではないのだが、デボラ的にはOKらしい。
「ストップストップストップ! それ以上はまずい……!」
 その医者はというと瞳に涙を浮かべてガチで男達の行為を拒否していた。戦闘前のふてぶてしい態度は何処へ行ったのやら。ツボミは今にも泣きだしそうな顔でじりじりと下がっていく。
「お、おたんこなす!  ゴリラゴリラ!」
「えーと、語彙が消失してますけど、マジで大丈夫っすか? まあ揉むけど」
「心配される方が空しいわ! っていうかそれでも揉むとかやっぱり冷静だろ、んんんっ!」
 自分の人生の半分ぐらいしか生きていない若者相手に心配され、それでも何もできないツボミであった。
「このお尻と太ももを駆使した、華麗なるコンビネーションを見せてあげるわ!」
 モニカは言うなり助走をつけてヒップアタックを叩き込む。そして相手がよろけた隙を逃すことなく跳躍し、立っている状態の相手の顔を太ももで挟み込むようにして固定し、そのままバク転ように回転して男の頭を地面にたたきつけた。
 ヒップアタックからのフランケンシュタイナー。ふとももで挟み込み、お尻を梃子の支点とした正にモニカの為にあるコンビネーションである。
「このまま顔面騎乗してあげる。合法的に美少女のお尻を押し付けられるなんて、光栄でしょ!」
「むぐむぐむぐむぐ………!」
「ふふ、ギブアップしたら許してあげる。あ、許してもお尻は退けないけどね」
「プロレス……! イ・ラプセルで流行らせれば興行的には……ひゃうぅ!」
 モニカの技に何か商売のアイデアが浮かびそうになったルーだが、男に胸を揉まれて霧散した。
「5000GP払うから……バニー服を脱いでくれないか!」
「だめアル! そんな程度で服を脱ぐなんて――」
「7000GP!」「8500GP!」「9000GPでどうだ!」
 つり上がっていく値段。脱ぐだけ。触らないから。一秒だけでいいから。上がっていく値段と下がっていく条件。しかし『服を脱ぐ』という一点は譲らない。その状況にルーは混乱していた。
「これも普段のセクシー商売の考えれば、布一枚ぐらいは延長戦……ネ! 15000GPで、一秒だけなら……!」
「12000GPで3秒!」「11000GPで両手ガードなし一秒!」
 白熱する交渉。ルーの金銭欲と貞操観念が激しく揺れていた。
「なんかおっぱいふわふわしてきたー……ってうきゃあ!」
 触られるままに胸を触らせていたカーミラは、その刺激で力が少し抜けてきた。その隙をつかれたのか偶然か。男は力を込めてカーミラを押し倒す。男の体重が手の平に強く乗り、カーミラの胸を手のひらが押しつぶす。
 興奮する男の吐息。性的な知識がないにも関わらす、豊満な胸を持つ少女を前に男の理性は砕かれていく。大きな胸、格闘技のスリットから伸びたふともも、無垢な表情、元気はつらつと言わんがばかりの体を好きにできれば。男は力を込めてカーミラの胸を覆う服を破――
「ちょいさー!」
「おぶぅ!」
「駄目だよー。寝技はすぐに極めないと」
 カーミラの膝蹴りが男の急所を穿つ。何処までいっても戦う事が価値観の中心なカーミラでした。
 周りを見れば、男達は全て倒れていた。残ったサテュロスはそれに気づいたのか曲を止めて、逃亡しようと踵を返す。
「逃がすかー!」
 怒りに燃える自由騎士はすぐに追いかけ、そしてサテュロスを捕まえた。戦闘力はないようで、あっさりお縄となる。
 こうして自由騎士達の地獄のような戦いは幕を下ろしたのであった。


「おれはしょうきにもどった!」
「全部サテュロスがわるいんだー!」
 男達は声をそろえて自由騎士達に弁明する。
「本当に正気に戻ったのかな? えい」
「うおおおおおおおお! 誰か、誰かメセグリンを! HP回復させてくれー!」
 そんな男達にカーミラはむにゅ、と自分の胸を押し当てる。途端に元気になって叫び始める男達。戦闘不能でなければ飛びかかっていただろう勢いだ。
「やっぱりまだ戻ってないみたい。えい」
 そしてカーミラの拳で沈黙させられる。いとあわれ。
「…………別に、泣いてないからな…………」
 そしていつもなら怪我人を癒しているはずのツボミは、色々ショックを受けて立ち直れないでいた。ぶつぶつと何かを呟きながら体を震わせる様子を見て、そっとしておこうと皆の意見が一致する。
「サテュロス。角とか毛とか笛とか金になりそうな匂いがするネ」
 捕まえたサテュロスを見ながらルーが瞳の色をGPに変えていた。
「具体的にはは強精剤として好事家に売る」
「身柄売買とかやっていることがヘルメリアと同じだぞ」
「はっ! ではヘルメリアに売れば合法……!」
 おちつけ、と全員でルーを押しとどめる。売るはともかく、このまま放置はできまい。
「ホント、ただのバグパイプよね」
 モニカはバグパイプを鑑定しながら首をひねった。音感に鋭いモニカが聞く限りでは、サテュロスが奏でた曲は普通のもので楽器も普通のものだ。となると魔曲の効果は種族特有のものなのかもしれない。
「ふふふ。悪い子供はお尻ぺんぺんの刑です」
 罰とばかりにアンジェリカはサテュロスを抱えてお尻を叩く。攻撃スキル使って。ランク3重戦士スキル使って。もうぺしぺしと容赦なく。加減なく。慈悲もなく。素手でもなく。骨が砕けるような音が聞こえた気が、気のせいだろう。
「今回はこれで勘弁してあげます」
 デボラはため息をついて、サテュロスに告げる。……ロープで逆さ吊りにしてハチミツを塗った状態で。夜になったらハチミツを求めてさぞ虫がたかるだろう。『これで』勘弁してあげます、とデボラは不承不承頷いた。
「ご馳走様でした!」
 ふう、と一息ついてティラミスが茂みから出てくる。そう言えば茂みに入った後、今まで出てこなかったよなぁ。茂みに隠れてナニしてたんだろう? あえてカタカナで表記してみました。ナニしてたんだろう。
 自由騎士達は無言で頷きあい、追及を避けた。

 こうして、事件は終結する。
 操られていた若者達は無事に…………『シスター、もう殴らないで』『子ウサギなのにテクニックが!』『自由騎士こわい。おっぱいこわい』『お尻って……いいよな』等と精神に異常をきたしたようなことを言っていたとか。全部サテュロスのせいという事で片がついた。
 だが、これが最後の事件とは限らない。哺乳類が乳房に惹かれる限り――そしてどくどくが飽きない限り、似たような事件が起こらないとは限らないのだ。
 頑張れボクらの自由騎士! 負けるな僕らの自由騎士!


†シナリオ結果†

成功

†詳細†

称号付与
『ろりっぱい!』
取得者: カーミラ・ローゼンタール(CL3000069)
『ナニしてたんすか?』
取得者: ティラミス・グラスホイップ(CL3000385)
『おじさま以外に触らせません!』
取得者: デボラ・ディートヘルム(CL3000511)
『桃尻ヨウセイタイフーン』
取得者: モニカ・シンクレア(CL3000504)
『慈悲(物理)』
取得者: アンジェリカ・フォン・ヴァレンタイン(CL3000505)
『泣いてないからな!』
取得者: 非時香・ツボミ(CL3000086)
『ぱいたっち1000GP』
取得者: ルー・シェーファー(CL3000101)
特殊成果
『借用書』
カテゴリ:アクセサリ
取得者:ルー・シェーファー(CL3000101)

†あとがき†

マギアスティームは全年齢!
FL送付済