レタル

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「皆、おかえりなさい! 友ヶ島は楽しかった?」
 日焼けした者もちらほらと見える覚者の一同を出迎えたのは、カムイノミ・レタル(nCL2000161)である。
 里からFiVEへの移住のあれこれで、レタルはここに護衛の覚者と共に残っていた。
 とは言え、近代の街並みを見るとあまりに精巧な世界に酔ってしまうのだとか。
 各々違った反応が見えるのは十人十色といったものだが、特に際立っていたのは 坂上 懐良(CL2000523)である。
「おぅ、楽しかったけどレタルちゃんがいなかったのは残念だったぜ。ところでどうだ、FiVEには馴染めたか?」
 反応もそこそこに、傍にいたレタルへ心配する言葉と共に近づいていく。
 西園寺・護(nCL2000129)は、海辺での記憶を脳裏によみがえらせる。
 報告書の中でも、懐良がレタルをよく気遣ってくれたと書いてあったが、己の目で見れば気遣うというよりは、それ以外の意志を実感していく。
 レタルもレタルで、外界から迎えに来た彼らの中でも一番気にかけてくれる懐良に、信頼しているのか微笑みながら答えているのが見えた。
「……何か、意外だね?」
 ふと、護が呟いた言葉に覚者達の視線が彼に向かう。
 何が意外なのか、問いかける視線にきょとんとしたまま軽く首を傾けた。
「ん? あれ……もしかして、気づいているの自分だけなのかな」
 それならこの状況も理解できる。
 一人なるほどと何度か頷いた後、困ったように眉をひそめながら笑みを浮かべると、懐良へ視線を重ねた。
「レタルは男だよ?」
 晩夏に響く蝉の声だけが会議室に響き渡る。
 残暑の日中に凍りついた空気だが、肌に触れる風は湿気って纏わりついていた。
 数秒ほどだろうか、一同を見渡した護が小さくため息を零す。
「信じられないみたいだね。じゃあ、証拠見せたほうが早いかな?」
 早速とレタルに近づく護だが、まるで流れが分かっていないレタルは不思議そうに彼を見つめる。
「証拠って何するの?」
「見せたら早いでしょ」
 真顔でしれっと呟いた瞬間、レタルは真っ赤になって慌てふためきその場を逃げ出そうとする。
 動きづらそうな格好の割に、護は機敏に力強くレタルの肩を掴まえ、室内は阿鼻叫喚の如く、混沌としていく。
「そんなのやだよっ! そもそも何で君はボクが異質の巫女って分かったのっ!?」
「だって同族だもん、妙だなって思ったら気づけるよ?」
 男らしい部分を隠す無意識の仕草や、音や表情。
 微細な違いを読み取れたのは、同じく性を偽る格好をしているからか。
 ともかく薄ら笑みを浮かべながら、スカート部分の裾を掴んだり、そこを払おうとしたら下穿きに手を伸ばそうとしたりと、本気で脱がせる気はなく遊んでいるのだろう。
 さて、懐良はそれどころではないかもしれない。
 失恋と涙を流すか、アラタナル世界の扉を開くか。
 それは膝から崩れて、力なく項垂れる彼のみぞ知ることだろう。


カムイノミ・レタル(nCL2000161)がFiVEの正式メンバーとなりました!】


関連依頼:『【五行巡りて】変異の猟犬』(ST:常陸岐路
参加メンバー: 坂上 懐良(CL2000523)栗落花 渚(CL2001360)緒形 逝(CL2000156)葉柳・白露(CL2001329)トール・T・シュミット(CL2000025)春野 桜(CL2000257)桂木・日那乃(CL2000941)坂上・御羽(CL2001318)


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