常陸岐路 (ひたちきろ)

クリエイター登録:2014-12-13 19:59:38
自己紹介 2016年09月13日 更新
 どうも、初めましての方はお初にお目にかかります。
 そして、再びの方はこちらでもよろしくお願い致します。

 常陸岐路ともうします。

・作品傾向
 どんなジャンルでもいけます。
 好みとしては、戦闘ならミリタリーな雰囲気が好きです。
 心情関連なら恋愛モノ、甘ったるいのから悲愛なものも。
 お色気は得意なのでお任せください。


・プレイングについて
 判定という部分で言いますと、状況にあった行動をしてもらえれば特に問題はないかと思っています。

 参加されたキャラクターの心情や、雰囲気を深く感じながら書ければと思いますので、セリフやキャラ口調の文面が多いと嬉しいです。

 プレイングはなるべく限界まで詰めて頂くことをおすすめします。


 また何かありましたら追加していきますので、よろしくお願い致します。
担当NPC
戦況予報するよ
西園寺・護(nCL2000129)
エチオカイ エプンキネ カムイコル エトゥタン カラ
カムイノミ・レタル(nCL2000161)
雑記 2016年09月13日 更新
護の手記 #3
 夏のひと時のイベント、社員の皆に手伝うと言ったものの、社長はゆっくりしていて欲しいと追いやられてしまい、パラソルの下で過ごすことにした。
 こうして海に来たのは久しぶりな気がした、遠くに見える親子連れを見るたび、脳裏に砂嵐に包まれた記憶が蘇る。
 僕がまだ白かった頃の記憶……。

 ――数年前。
「あれ? 護は?」
 着替え終えた愛留が父が立てたパラソルの下にやってくると、いるはずの姿が見当たらなかった。
 黒髪に少々仏頂面で硬そうな雰囲気を感じさせる父、護紳だが、娘の言葉に薄っすらと笑みを浮かべる。
「あぁ、お母さんと一緒だ。今着替えているはずだ」
 なるほどと納得した様子を見せた愛留だが、ぴたりと動きを止めてから父へと向き直った。
「何でお父さんとじゃなくてお母さんとなのよ?」
「水着をちゃんと着るのが初めてらしいからな」
 何時も着てたじゃないと思うものの、砂を踏みしめる音に振り返るとその理由に納得していく。
「おまたせ~、どう? 護ちゃん、ばっちりでしょ?」
 母、ちあきは癖の強い黒髪を揺らし、満足気に赤い目を細めてたわわな胸を張った。
 その隣りにいた護は真っ白なワンピースの水着に身を包み、二人の視線に気恥ずかしそうに視線を散らす。
「……やっぱさ、護のアレ取らせちゃおうよ」
「お姉ちゃんストレート過ぎるよっ!?」
 半目閉じた視線で父を見上げ、護を指差す愛留。
 間髪言わずに真っ赤になったままツッコミの言葉を吐き出す護だが、思案顔で顎に手を当て見下ろしてくる父に気づくと、しどろもどろに縮こまっていく。
「……やっぱ変だよね、僕」
 男なのに可愛らしい自分に惹かれていく、最初は母の悪戯だったが、開いてはいけない扉を開いたのは間違いない。
 ずっと女の子の格好を続けることに、今まで何も言わなかった父へ、自らその心中を問うのはまるで罰を求めるような心地だった。
 しかし、護紳はかわらぬ笑みのまま護の髪をくしゃりと優しく撫でる。
「変じゃない。護は魂の器が少しずれてしまっただけだ、それは神様の失敗だろう。俺は護に紳士として人を護れる男とになれと願ったけれど、女の子の護としてでいい、誰かを護る人になってほしい。心からそう思う」
 父は自分を認めてくれた、それが何よりも嬉しい。
 その瞬間無意識のままに頬を伝う滴、そして歪む世界。
「……すまない、またズケズケと言ってしまったか」
「違うわよ、貴方の鈍感さは父親になっても変わらないわね」
 やれやれと言いたげに、小さくため息を零すちあきは軽く肩をすくめる。
 愛留が泣かないのとハンドタオルで護の目元を拭うと、ウォータープルーフの日焼け止めが少し剥がれ落ちてしまった。
「あらら、塗り直しね。日焼けは女の子の大敵よ?」
「うん……っ」

 ――もうあの日は戻らない。
 両親は破綻者の事件に巻き込まれ、僕と姉を庇って死んでいった。
 二人が願ったのはきっと、僕らの幸せだと思う。
 けれど、僕らが望む答えは二度と交わることはない。
 たとえ一人になっても……あの姉を地獄へ葬る。
 思い出と決意の施行をめぐる最中、僕に掛かる見覚えのある人影。
 笑わなきゃ、僕の心を知られるわけには行かないのだから。
依頼結果
完了依頼数:8 ( 普通:7  楽:1)
成功:7  失敗:1  MVP:4
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