
幸運の蝶
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「例の物の解析結果だ」
中・恭介(nCL2000002)は十人の覚者を前にして、そう言った。
先日の話であるが、覚者達は黎明所属の少年『暁』の故郷にて、手の平に収まるサイズの箱を八つ手に入れて来ていた。
これはある特殊な神具であり、名を『神祝(かむはふり)』と言う。
「日本全国に散らばる特異点(パワースポット)の力を借りて、覚者の能力向上を促す事が可能なアイテムだ。
簡単に言えば、エンチャントだな。
これの力を強くするには、特異点のある場所に箱を持っていかなければいけないし、特異点には守護者である妖や古妖がいる事が多い。扱うのが難しいアイテムだな」
勝手に特異点から力を持っていこうとすれば、『妨害』は必ず入るだろう。
何故なら、特異点の力を借りるという事は、相応に特異点の力が弱まるという事だ。守護者は、恐らく納得しない。
また、妨害をしてくるのは何もその守護者だけとは限らない。
「ボクたちも、妨害受けた~もんね~、なんだっけ『八尺』? この箱の力を取り込もうとしてたのかな~」
とろんとした瞳で、八百万 円(CL2000681) は言葉を挟み、『浄火』七十里・夏南(CL2000006) が顎を指で触りながら言った。
「……『扱うのが難しいアイテム』という意味は、何も保管や強化に限らず、これが厄災を招かないかって懸念の事よね」
例えば、この箱欲しさに『何か』に襲撃されかねないか、とか。
例えば、この箱を巡って守護者と争いがおきる、とか。
「『暁』は我々に、幸運を運んできているのか、厄災を運んできているのはわからん」
深緋・幽霊男(CL2001229) も、怪我をした部位の包帯を巻き直しながら顔を傾ける。
「まあ……それ故に。此れを上手に扱え、管理できると信頼した『特異点の守護者である大蛇』は我々に託したのじゃろうな」
『木暮坂のご隠居』木暮坂 夜司(CL2000644)は、落ち着いた声色で、彼が獲得した情報を紡いだ。
「でも……神祝、に集まっていた力は、私達が、『八尺』を追い返す為に、使い切って、しまいました……よね」
『突撃巫女』 神室・祇澄(CL2000017)は不安そうな声色を放つ。確かに覚者達は、『八尺』という名の強敵を撃退する為に、この箱に残っていた力を全て使い果たしてしまった。
この街の覚者全員を賄える程の力を宿せる『神祝のエンチャント力を、全て使った事』に関しては。それは『相当な能力の向上』があったに違いない。
「『厄災級都市伝説』を追い払ったんだ。皆が無事なら何よりだ。八尺に関しては、現在情報収集と追手を出している。追手も血雨にされないように、注意は促してあるよ。
話を戻すが、五鱗は元々特異点の上に存在している。まずは自分達の場所の特異点から力を借りる事で、微量だが神祝も機能する事が可能なようだ」
「いわば、充電池、ですね」
『水天』水瀬 冬佳(CL2000762)が言い得て妙だと頷いた。鼓動するように光を魅せる箱は、確かに覚者世界での最先端器具であろう。
「それで、どう使えばいいんだよ」
『狂気の憤怒を制圧せし者』鳴海 蕾花(CL2001006) は、右手の上で弄ぶ箱を見せた。まだ彼女が触っている状態では、なんとも反応は無い。
恭介は一度頷いてから、長い指で箱をなぞる……が、何も発生しないままであった。
「俺が触ってもうんとも、すんとも言わない。覚醒していない能力者が触っても同じだ。だが、覚醒して触れてみろ」
『白焔凶刃』諏訪 刀嗣(CL2000002)の金髪が漆黒に飲まれた刹那、箱から淡い光が漏れ出し、蝶の形をした小さな光が飛び出した。消え入りそうな、小さな光だ。
蝶は、全員の周囲を守護するように飛んでから、刀嗣の肩に止まり羽を休めている。
「それが『神祝ノ光』だ。守護使役と同じく、消しておく事も可能だが……『明り』として使うには不向きなのは覚えておいてくれ」
「じゃあ、箱はあくまで蝶が帰るお家なのね」
三島 椿(CL2000061) の周囲では、青色の蝶が一匹飛んでいた。
「そういう事だ。本体である箱は、本部で管理する。光が力の原動力で、これが欲しい人には支給する形で検討している。
蝶の色によって、強化可能な能力が変わるようだ。その赤色の蝶は、主に物理的な力を司っているみたいだな。他の色の蝶もいるから、また機会があれば見てみてくれ」
呼応するように、蝶は羽を上下させた。
「成程な! これがあれば一層、依頼でも敵に引けをとらないぜ。だから暁ってやつは、故郷に招いたのか……俺等を『強くしたいという言葉は嘘では無い』んだろうな!」
無邪気に笑う『想い受け継ぎ‘最強’を目指す者』天楼院・聖華(CL2000348)は、暁の嘘では無い部分を語る。
「そういえば。あの時、紫雨からの手紙を拾いました。見て頂けましたか……?」
冬佳は恭介に視線を移す。対して彼は、苦笑いを含んだ表情を見せてから、手を横に振った。
「見た。だが、そっちはまた追って知らせる。今は身体を休めてくれ。古妖狩人の事も気がかりだしな」
逢魔ヶ時が訪れてから、厄は付き並ぶように闇を深めていた。
しかし、一筋の希望でもある蝶は、力強く空を舞った。まるで闇を、引き裂くように――。
古神具発見により装身具開発が行われ神秘解明度が『 1 』上昇しました。(14→15)
神具庫にて装身具「神祝ノ光」の取り扱いが開始されました。
報告資料:『<黎明>白は嗤って回帰せん』(ST:工藤狂斎)
参加メンバー: 諏訪 刀嗣(CL2000002) 、 深緋・幽霊男(CL2001229) 、 八百万 円(CL2000681) 、 木暮坂 夜司(CL2000644) 、 七十里・夏南(CL2000006) 、 水瀬 冬佳(CL2000762) 、 天楼院・聖華(CL2000348) 、 鳴海 蕾花(CL2001006) 、 三島 椿(CL2000061) 、 神室・祇澄(CL2000017)
中・恭介(nCL2000002)は十人の覚者を前にして、そう言った。
先日の話であるが、覚者達は黎明所属の少年『暁』の故郷にて、手の平に収まるサイズの箱を八つ手に入れて来ていた。
これはある特殊な神具であり、名を『神祝(かむはふり)』と言う。
「日本全国に散らばる特異点(パワースポット)の力を借りて、覚者の能力向上を促す事が可能なアイテムだ。
簡単に言えば、エンチャントだな。
これの力を強くするには、特異点のある場所に箱を持っていかなければいけないし、特異点には守護者である妖や古妖がいる事が多い。扱うのが難しいアイテムだな」
勝手に特異点から力を持っていこうとすれば、『妨害』は必ず入るだろう。
何故なら、特異点の力を借りるという事は、相応に特異点の力が弱まるという事だ。守護者は、恐らく納得しない。
また、妨害をしてくるのは何もその守護者だけとは限らない。
「ボクたちも、妨害受けた~もんね~、なんだっけ『八尺』? この箱の力を取り込もうとしてたのかな~」
とろんとした瞳で、八百万 円(CL2000681) は言葉を挟み、『浄火』七十里・夏南(CL2000006) が顎を指で触りながら言った。
「……『扱うのが難しいアイテム』という意味は、何も保管や強化に限らず、これが厄災を招かないかって懸念の事よね」
例えば、この箱欲しさに『何か』に襲撃されかねないか、とか。
例えば、この箱を巡って守護者と争いがおきる、とか。
「『暁』は我々に、幸運を運んできているのか、厄災を運んできているのはわからん」
深緋・幽霊男(CL2001229) も、怪我をした部位の包帯を巻き直しながら顔を傾ける。
「まあ……それ故に。此れを上手に扱え、管理できると信頼した『特異点の守護者である大蛇』は我々に託したのじゃろうな」
『木暮坂のご隠居』木暮坂 夜司(CL2000644)は、落ち着いた声色で、彼が獲得した情報を紡いだ。
「でも……神祝、に集まっていた力は、私達が、『八尺』を追い返す為に、使い切って、しまいました……よね」
『突撃巫女』 神室・祇澄(CL2000017)は不安そうな声色を放つ。確かに覚者達は、『八尺』という名の強敵を撃退する為に、この箱に残っていた力を全て使い果たしてしまった。
この街の覚者全員を賄える程の力を宿せる『神祝のエンチャント力を、全て使った事』に関しては。それは『相当な能力の向上』があったに違いない。
「『厄災級都市伝説』を追い払ったんだ。皆が無事なら何よりだ。八尺に関しては、現在情報収集と追手を出している。追手も血雨にされないように、注意は促してあるよ。
話を戻すが、五鱗は元々特異点の上に存在している。まずは自分達の場所の特異点から力を借りる事で、微量だが神祝も機能する事が可能なようだ」
「いわば、充電池、ですね」
『水天』水瀬 冬佳(CL2000762)が言い得て妙だと頷いた。鼓動するように光を魅せる箱は、確かに覚者世界での最先端器具であろう。
「それで、どう使えばいいんだよ」
『狂気の憤怒を制圧せし者』鳴海 蕾花(CL2001006) は、右手の上で弄ぶ箱を見せた。まだ彼女が触っている状態では、なんとも反応は無い。
恭介は一度頷いてから、長い指で箱をなぞる……が、何も発生しないままであった。
「俺が触ってもうんとも、すんとも言わない。覚醒していない能力者が触っても同じだ。だが、覚醒して触れてみろ」
『白焔凶刃』諏訪 刀嗣(CL2000002)の金髪が漆黒に飲まれた刹那、箱から淡い光が漏れ出し、蝶の形をした小さな光が飛び出した。消え入りそうな、小さな光だ。
蝶は、全員の周囲を守護するように飛んでから、刀嗣の肩に止まり羽を休めている。
「それが『神祝ノ光』だ。守護使役と同じく、消しておく事も可能だが……『明り』として使うには不向きなのは覚えておいてくれ」
「じゃあ、箱はあくまで蝶が帰るお家なのね」
三島 椿(CL2000061) の周囲では、青色の蝶が一匹飛んでいた。
「そういう事だ。本体である箱は、本部で管理する。光が力の原動力で、これが欲しい人には支給する形で検討している。
蝶の色によって、強化可能な能力が変わるようだ。その赤色の蝶は、主に物理的な力を司っているみたいだな。他の色の蝶もいるから、また機会があれば見てみてくれ」
呼応するように、蝶は羽を上下させた。
「成程な! これがあれば一層、依頼でも敵に引けをとらないぜ。だから暁ってやつは、故郷に招いたのか……俺等を『強くしたいという言葉は嘘では無い』んだろうな!」
無邪気に笑う『想い受け継ぎ‘最強’を目指す者』天楼院・聖華(CL2000348)は、暁の嘘では無い部分を語る。
「そういえば。あの時、紫雨からの手紙を拾いました。見て頂けましたか……?」
冬佳は恭介に視線を移す。対して彼は、苦笑いを含んだ表情を見せてから、手を横に振った。
「見た。だが、そっちはまた追って知らせる。今は身体を休めてくれ。古妖狩人の事も気がかりだしな」
逢魔ヶ時が訪れてから、厄は付き並ぶように闇を深めていた。
しかし、一筋の希望でもある蝶は、力強く空を舞った。まるで闇を、引き裂くように――。
古神具発見により装身具開発が行われ神秘解明度が『 1 』上昇しました。(14→15)
神具庫にて装身具「神祝ノ光」の取り扱いが開始されました。
報告資料:『<黎明>白は嗤って回帰せん』(ST:工藤狂斎)
参加メンバー: 諏訪 刀嗣(CL2000002) 、 深緋・幽霊男(CL2001229) 、 八百万 円(CL2000681) 、 木暮坂 夜司(CL2000644) 、 七十里・夏南(CL2000006) 、 水瀬 冬佳(CL2000762) 、 天楼院・聖華(CL2000348) 、 鳴海 蕾花(CL2001006) 、 三島 椿(CL2000061) 、 神室・祇澄(CL2000017)