MagiaSteam
【北方迎撃戦】闇の森




 自由騎士達が魔女狩りを撃退した後、イ・ラプセル北の森に駐留していた自由騎士の一人が、北の海にこちらへと向かってくる船団を発見した。
 同時期、水鏡が北の森に設営された新たな「聖霊門」を予知。
 これらの情報より、自由騎士団は先んじて魔女狩り第二波の到来を予見することが出来た。
 国王より魔女狩り迎撃の命令が降る。
 自由騎士達は祖国を守るため、闇深い北の森へと出撃した−−。


「お前達には森に侵入して来た魔女狩りを撃破してもらう」
『軍事顧問』フレデリック・ミハイロフ(nCL3000005)は、暗い森の中に集まった自由騎士達にそう言った。
「作戦は簡単だ。敵は船を降りて浜からこの森に入ってくる。お前達は森に潜み、近づいて来たところをぶちのめす。待ち伏せだ。おあつらえ向きに周囲はこの鬱蒼とした闇の森。隠れる場所はいくらでもある。狩りの時間だ。遠慮せずにぶち殺せ。今まで散々やられたが、今夜はいよいよお前らが主役だ。斬り飛ばし、撃ち殺し、引き千切り、奴らに恐怖を味わわせてやれ」
 さすがに自由騎士達がざわつく。一人が尋ねた。「団長。なんか……怒ってます?」フレデリックは笑って答える。
「怒ってるに決まってんだろうが。俺達の国に戦争を仕掛けて来てるやつがいるんだぞ。お前ら、敵が誰で何があったかとかそんな余計なことは考えるな。神とか魔女とかクソ喰らえだ。戦争仕掛けて来た時点でんなこたどうでもいいんだよ。こっから先はただの殺し合いだ。仲直りするのはボロカスになった相手が土下座してきてからでいい。それとも」
 フレデリックは言葉を切り、見回す。「今からでもその道を探すか? 話し合いで平和的に解決する?」
「……」
「それはない、だろ? さあ、やろう。パーティーのはじまりだ」
 言って、フレデリックは笑った。


†シナリオ詳細†
シナリオタイプ
通常シナリオ
シナリオカテゴリー
対人戦闘
担当ST
鳥海きりう
■成功条件
1.敵の全滅
 皆様こんにちは。鳥海きりうです。よろしくお願いします。
 北の森に侵入した魔女狩りとの戦闘シナリオです。敵の全滅が成功条件となります。

 敵キャラクターのご紹介です。
・魔女狩り ×7
 シャンバラから来た魔女狩り。武器は剣及び銃。
・杭槍のエカテリーナ
 森に侵入してきた魔女狩りの指揮官。大型の杭槍≪パイルランサー≫を武器とする。

 どう隠れどう戦うかは皆様の自由です。勿論、他の味方が隠れやすくするために敢えて囮になるのも一案でしょう。

 ただし一つだけ制約があります。周囲は夜の森であり、視界は悪く足場も万全ではありません。障害物も多いです。また奇襲という作戦上、照明器具及びそれに準ずるものは使用できません。照明を焚く以外の方法で敵を捕捉してください。
 勿論、前述した囮になる場合と、奇襲が失敗するなどして敵に発見された場合はこの限りではありません。

 簡単ですが、説明は以上です。
 皆様のご参加をお待ちしております。

 この共通タグ【北方迎撃戦】依頼は、連動イベントになります。同時期に発生した依頼ですが、複数参加することに問題はありません。
状態
完了
報酬マテリア
2個  6個  2個  2個
14モル 
参加費
100LP [予約時+50LP]
相談日数
7日
参加人数
8/8
公開日
2018年10月26日

†メイン参加者 8人†

『幽世を望むもの』
猪市 きゐこ(CL3000048)
『果たせし十騎士』
柊・オルステッド(CL3000152)
『黒砂糖はたからもの』
リサ・スターリング(CL3000343)



(フレデリック団長閣下ともあろうお方が、随分と浮き足立ったご様子だったわね。怒りに震えるお気持ちはあたしにもよく分かるんだけど……)
 北の森。『ヘヴィガンナー』ヒルダ・アークライト(CL3000279)はそんなことを思いながら闇の森に潜んでいた。スニーク中なので声には出さない。声を出さずにウォーモンガーを使う。(さて……)リュンケウスの瞳。敵を捕捉した。やや広めに展開して森に入ってくる。中央に巨大な槍を携えた人影が見えた。
(頼むわよ、アリア)
(うん)
 ヒルダが『慈悲の刃、葬送の剣』アリア・セレスティ(CL3000222)の髪の毛を弄る。接触感応。テレパス。ヒルダから受け取った情報をアリアが他の味方へ発信する。
(暗闇も足場の悪さも、ソラビトで暗視持ちのあたしには関係ないわ)
『魔女狩りを狩る魔女』エル・エル(CL3000370)もまた、同じように森の中に潜んでいた。(魔女狩りは絶対に許さない。あたしは魔女で、こいつらは魔女狩りだから。そういうシンプルな理由。死んだ血族のため、なんて言わない。あたしはあたしのために、魔女狩りを狩るの。だから殺す)エルはそう考えていた。それ自体は良い。生い立ちを考えれば仕方が無い。考えながら龍氣螺合を使う。
(今回のこの構成、ヒーラーが居ないねぇ……しょうがない、あたしが一肌脱いであげよう! 危なくなったらあたしの所においで! ちなみにあたしのパナケアは高いから、ボルカスのノートルダム分で賄えるよう、みんな怪我しないよう頑張ってね!)
『子リスの大冒険』クイニィー・アルジェント(CL3000178)はアリアのテレパスにそう返した。インビンシブルでその姿は闇に溶け込んではいるが、いつも通り元気である。(……あたしは夜目も利かないし、イェソドの五感と超直感に頼るしかないから回復役くらいが丁度良いのかも知れないけど……でも、ただ回復だけしてるのはつまらないからね、やる事はやらせてもらわなきゃ……)そしていつも通り、元気な裏で色々と思案している。
(眼には眼を、歯には歯を。殴ってくるなら殴り返すのは当然だわ♪ ……ていうか、根本として宗教狂いの異端審問官なんて嫌いな人種だわ! 酷い目に合せてやるわ!)
『翠氷の魔女』猪市 きゐこ(CL3000048)もまた、いつも通り楽しげかつやる気十分だった。アニマ・ムンディを使い、魔力を高める。
(イ・ラプセルを狂信の徒が蹂躙するのを黙って許しはしないぜ。攻めこんだ事を後悔させてやるぜ!)
『エルローの七色騎士』柊・オルステッド(CL3000152)は音を立てないように注意しつつ、木の陰に隠れて敵を待ち受けていた。(さて、アリアからの連絡も来てるが……一応自分の目でも確認しないとな)リュンケウスの瞳。(……無い)柊は敵がカンテラを持っているかどうかを見ていた。−−持っていない。そして、もう一つ。
(前から何となく思ってたが……魔女狩りって亜人しかいないのか? もしそうなら夜目が効くのもそう不思議でもない……ちょっと面倒かもな)
 全員持っていないということは、この闇は敵には何の苦でもないということだ。敵は夜目の効く亜人。会話も無く、静かに前進してくる。猪武者共め、と柊は小さく呟いた。
(わたし、毎回毎回倒れて誰かのお世話になっちゃってるな……申し訳ないなあ。今回は最後まで立って、少しでも多くの敵を倒してみんなの役に立てるよう頑張るぞ!)
『いっぽいっぽすすむみち』リサ・スターリング(CL3000343)は、木陰に隠れながらそう決意を新たにしていた。地力や会得した技で言えば、彼女は確実に成長している。ルクタートルとは火力は伸びるが防御力や機動力は多職に一歩譲る、ある意味ではテクニカルな戦闘スタイルである。それを意識して仲間と助け合い、チャンスを窺う事で生存率および戦果の向上が見込めるだろう。
 そして、何よりも、諦めずに戦い続ける者を、女神は決して見捨てない。


(……そろそろいいんじゃない、アリア? 1時の方向、10メートル)
(わかった。−−行きます)
 短く言い、アリアは疾った。天羽の剣舞・流星。流星の如く眩い剣閃が敵を撃ち抜く。混乱。敵の魔女狩りは刀傷を負い、周囲を落ち着きなく見回す。アリアを見失ったというよりも、まるで周囲が見えていないという風だった。
「始まった……とりあえず、近いのからいくか!」
 続いて柊が動いた。ヒートアクセル。手近の魔女狩りを攻撃する。命中。反撃。振るわれた剣を柊はバックステップでかわし、近くの茂みに飛び込んだ。「ふふふ。次はどこだかわかるかな?」
「逃しはしない……!」
 エルが飛翔し、負傷した敵に銃を構える。ダブルシェル。命中。撃破。撃ち抜かれた敵が倒れ、動かなくなる。「ふん。これで終わりじゃないわよ……」
「そうね」
「!?」
 エルの視界が塞がれた。命中。エルの身体が地面に打ち落とされ−−否、突き立てられる。
「撃っていいのは撃たれる覚悟のあるやつだけだ−−って知ってる?」
「な、に……!?」
「この言葉は本当は、『お前はまだ下手くそだから実戦で撃つのはやめときな』ぐらいの意味なんですって。だから、今の貴女への言葉としては当たら−−ない、かなあ?」
「この……!」
 抜槍。槍を払い、女はエルに手招きする。「とんだ拾い物だわ。時間を割くに足る獲物。翼持つ魔女よ。魔女狩りが一人、杭槍のエカテリーナが受けて立ちます。−−立てる?」
「ば、馬鹿にして……!」
 エルは傷を庇いながらも立ち上がる。
「うおおおおおおお!」
「「!?」」
 バッシュ。命中。槍の一撃をエカテリーナはやはり槍で防いだ。踏みしめた足が地面を削る。「邪魔が入ったわね」
「まったく……どいつもこいつも面倒な」
「はい?」
『折れぬ傲槍』ボルカス・ギルトバーナー(CL3000092)は槍を担ぎ、エカテリーナを睨めつけた。「ヒーラー代わりに回復して前線にも立って壁役になって魔女狩り狩りな味方も止める。−−俺がこんな忙しい目に遭うのも、そもそもシャンバラの連中が攻め入ってきたからじゃねぇか! 団長みたいにぶち殺してやるとまでは言わんが、その杭槍は絶対へし折ってやる!!」
「この子を殺してからじゃ遅い?」
「遅いな!」
 エカテリーナが襲いかかる。ボルカスは杭槍を己の槍で逸らした。「この女は殺させんぞ、エル! 貴重な情報源だ!」
「知るか!」
 エルの銃撃。回避。エカテリーナは半歩引いてかわす。「仲良くしたら?」「「黙れ!」」
「あー、盛り上がってるとこ邪魔する気は無いが、一応回復な?」
 後詰めの自由騎士が遠距離からエルの傷を癒す。
「さあて、いくわよ……エネルギー充填、120%!」
 バレッジファイヤ。魔力強化された銃弾の雨が森と敵を撃ち抜き、灼き払う。相変わらず自由な攻撃だが、敵への被害もさることながら、意外に良かったのは森全体が燃えたことによってある程度視界が改善されたことだった。
「回復は……よさそうだね! スパルトイ!」
 戦況を見て、クイニィーは攻撃を選択した。手近な魔女狩りに人形兵を差し向ける。命中。反撃。「おっと! そうはいかないよ!」回避。放たれた銃弾をクイニィーは木に隠れて避けた。
「さあて、どの魔女狩りからいこうかしら……♪」
 エネミースキャン。きゐ子は敵の能力を解析し、回復役を探す。発見。「そこね……! 雷光よ、鏃となりて降り注げ!」
 鵺泣く空の霹靂鏃。天から降り注ぐ雷矢が世界を滅ぼす。無数の雷矢に敵が射抜かれ、一体が倒れた。
「だいぶ崩れた……行く時は行こう!」
 戦況を見て、リサは攻撃を選択した。手近な一体に震撃を撃ち込む。命中。ヒルダときゐ子の攻撃で負傷していた敵は堪らず倒れた。二体撃破。
 敵が動く。二体がアリア、二体がヒルダに向いた。銃による一斉射撃。アリアは敵の攻撃を一発はかわし、一発は被弾する。ヒルダは回避に成功せず、二発とも被弾した。
「くっ……ヒルダちゃん!」
「まーかーせーて! この火力、この範囲で連発できるとは……思わないでしょ!」
 バレッジファイヤ。反撃の一斉射が四体を一挙に沈めた。自刃。残った一体はすでにアリアに混乱させられており、自らの剣を胴に突き刺し、果てた。
「高いけど貸す時は貸したげるよ! パナケア!」
「ぼ、ボクからも! ハーベストレイン!」
 クィニィーと後詰めの自由騎士がアリアとヒルダの傷を癒す。「ありがとう!」「センキュー!」
「さあ、踊りましょう」
 オーバーブラスト。エカテリーナの槍がエルとボルカスを薙ぎ払う。命中。「ぐっ……!」「まだよ!」反撃。エルの銃が近距離で放たれる。回避。エカテリーナは首を反らして避け「うらぁ!」「おおっと」ボルカスの槍をバックステップで避ける。「それ」オーバーブラスト。再びエカテリーナの槍が二人を襲う。命中。呻きながらもエルが反撃し、エカテリーナがその銃弾をかわしながら踏み込む。ボルカスがそれを迎え撃ち、二人の槍が打ち合った。
「死にたくなるほど、痛い目に合わせてやろう……!」
「そこまでいけるかな?」
「その前に、私が!」
 エルの銃撃。弾がエカテリーナの腕を削ぎ、エカテリーナはボルカスを抑えながらエルを蹴り飛ばす。ボルカスが槍を払い、炎を纏わせた。「この槍が、お前の煉罪を量る……ギルティ・オア・ノットギルティ!」罪焼き。ボルカスが槍をエカテリーナに繰り出す。回避。反撃。エカテリーナの槍がボルカスの脇腹を貫く。「ぐお−−っ!?」「そうそう上手くはいかないわ」
「寝てなさい、ボルカス!」
 エルが銃撃し、エカテリーナはジャンプでかわしてエルに槍を突き立てる。「っ−−!」「そろそろギブアップしたら?」「だ、誰が−−!」なおも銃口を向けるエルにエカテリーナは笑い、バックステップで距離を
「ぬあああああ!」
「−−」
 そこへボルカスが踏み込んだ。エカテリーナは寸前で身を翻し、打ち払う。「タフね」「っ−−ノートルダムを、掛け直す−−!」「だったら、私がやるわ−−寝てなさい−−!」「……二人とも、その意気は買うわ」
「じゃ、ペース上げるわよ」
「「−−!」」
 エカテリーナがボルカスに踏み込む。エルの銃撃。弾をかわし、ボルカスはバックステップで下がる。エカテリーナはその場で急ターンをかけ、横薙ぎの槍でエルを狙う。エルはそれをかわしながら銃撃し、エカテリーナはジャンプで避けてボルカスに襲いかかる。ボルカスの腕から鮮血が飛び、エルがエカテリーナを銃撃する。エカテリーナはわざとバランスを崩してかわし、片手で着地して腕のバネでもう一度跳ぶ。ボルカスがそこへ槍を突き入れ、エカテリーナは空中回転して槍でそれを払い着地する。エルの銃撃。かわしてエルへ向かうと見せかけて槍を横にしてボルカスに突き入れる。ボルカスは槍で防ぐが力が入りきらず肩口を斬られる。さらなるエルの銃撃を槍を回転させて打ち払い、「やるわね。ていうか、一瞬危なかったわ。すごいね」「こ、これが……」「あ、あと何分やれって……?」
「お二人共、今行きます!」
「邪魔しないでくれる?」
 アリアがまず追いついてきた。コンフュージョンセル。回避。反撃。「あうっ!?」命中。エカテリーナの槍がアリアの肩を貫く。
「取ったぜ……急いては事を仕損じるんだよ!」
「−−!」
 背後に回った柊が仕掛けた。デュアルストライク。命中。柊のレイピアがエカテリーナの背を突き刺す。「邪魔と言った!」「うお!?」反撃。命中。エカテリーナの槍が柊の脇腹を抉る。
 銃声。「−−」
「−−終わったわね」
 撃ったエルが呟く。エカテリーナは大きく傾ぎながらも、振り返ってエルを見た。「一死一殺。命に貴賎無し。賤人の首を貴人の墓に捧げよ。明鏡映水。清き心は清き水を映し、暗き心は暗き泥を映す」
 槍を払い、構える。その刃に白い光が灯る。「我が槍は浄化の杭。瀉血にて吐き出されし悪しき血は母なる土に還り、血を失いし空の肉は灰となりて父なる空へ還る。命に貴賎無し。裁きを受け入れれば、魔女にも救い有り」
 槍を持ち上げ、視線を上げて自由騎士達を見る。「総ての魔女よ−−潰滅すべし」
「な、何……?」「ま、まずい……!」
「的殺浄炎槍≪マルチロック・バンカーバスター≫!」
 四つの光の槍が生まれ、飛んだ。エル、ボルカス、アリア、柊が貫かれ−−槍が、爆発した。悲鳴も無く四人は吹き飛び、倒れる。
「アリア−−この、クソ女−−!」
「−−距離を、詰めましょうか」
 ヒルダがバレッジファイヤを放つ。エカテリーナは槍でガードしつつ前進した。
「さ、さすがに怖いけど−−放っとけないよ!」
 リサが追い縋り、震撃を放つ。命中。エカテリーナは方向転換して槍で受けた。「まだ子供ね。魔女でもない。−−邪魔しないでね?」「あうっ!」エカテリーナは槍を横薙ぎにしてリサを打ち据えた。
「ど、どうしよっか−−リサ! 頑張って!」
「う、うん!」
 クイニィーがパナケアでリサの傷を癒す。
「み、皆! 相手はバケモノじみてるけどバケモノじゃないわ! あの技は連発してこないし、攻撃を当てさえすればそう時間はかからない!」
「……目がいいわね」
 きゐ子が言い、エカテリーナが振り返る。「というわけで、当てるわ!」「惜しいけど、『魔女』ではないわね。小さいし。ここは回避に専念しましょう」コキュートス。回避。放たれた凍気をエカテリーナはサイドロールで避ける。「……うん?」強力な凍気の奔流を横目で見て、エカテリーナはきゐ子を見る。
「……貴女、おいくつ?」
「こないだ68になりました!」
「ろくじゅうはち? ……それは、おめでとう。……魔女じゃないのよね?」
「人は私を『翠氷の魔女』と呼ぶわ!」
「??? ……いいわ。追求すると長くなる。後にしましょう」
「むー!? 中途半端ね! 気になるなら追求しなさいよ!」
 憤慨してぴょんぴょん跳ぶきゐ子を尻目に、エカテリーナはヒルダに向き直る。
「さて−−話が途中だったわね」
「ええそうね! 言いたい事が山ほどあるわ!」
 エカテリーナはヒルダに向かって疾る。攻撃。命中。エカテリーナの槍がヒルダの腹を貫く。
「ぐっ……受けなさい、アリアの仇! 私の2枚目の切り札≪ジョーカー≫を!」
「何−−?」
 織女星の弾丸≪アークライト・バレット≫。金の弾丸と化したヒルダがエカテリーナと共に飛ぶ。螺旋を描いて大きく飛んでからエカテリーナを地面に叩きつけ、ヒルダは宙返りして着地した。廃莢。
「っ……さすがに疲れてきたわね。もう年かな……」
「まだ動く……!?」
 エカテリーナが頭を振りながら立ち上がり、ヒルダは驚愕と共に振り返る。エカテリーナも振り返り、肩を竦めた。「ねえ、金髪さん? 話の続きをしてもいい?」
「……許可するわ」
「私としては、思わぬところで『魔女』が拾えたから、正直もう帰ってもいいんだけど。やられた数で言えば六対四。ちょっとキツい条件だけど、魔女の代金と思えば腹も立たないわ。−−今仲直りするなら、私は喜んでもう帰るけど?」
「アリアがやられた以上、私の答えは常にノーよ!」
「あっそ。なら」
 笑い、エカテリーナが槍を構え直す。ヒルダも銃を構え直した。
 鈍い音がして、エカテリーナの身体が揺れる。「−−」エカテリーナが振り返る。
「……意外ね」
「ヒルダちゃんが頑張ってるのに、寝てるわけにはいきませんから」
「ミリ残ったんだよ。猪武者め。油断禁物だ」
 アリアと柊が剣をエカテリーナの背中から引き抜く。エカテリーナが崩れ落ち、二人も後を追うように倒れた。
「アリア! 柊ちゃん!」
 ヒルダが駆け寄る。他の仲間も駆け寄ってくる。戦いは−−否、まだ終わってはいない。それを暗示するように、森はまだ煌々と燃えていた。

†シナリオ結果†

成功

†詳細†

称号付与
『闇の森の観察者』
取得者: 柊・オルステッド(CL3000152)

†あとがき†

皆様お疲れ様でした並びにご参加ありがとうございました。

 執筆中に全治3日のウイルス性腸炎にかかるとかいうポカをやらかしました。正直もっと遅れると思っていたのですが……こういう時に限って筆が乗るのは何なんでしょう。
エカテリーナ「これからの季節、氷と風邪にはご注意ください、って?」
私「……すみません」

 MVPは柊・オルステッド様。隠れるプレイング、敵を観察するプレイング、攻撃するプレイング、全てにおいて非の打ち所がありませんでした。

 改めまして、皆様お疲れありがとうございました。
FL送付済