MagiaSteam
テルメ温泉に行けなったこの人↑↑が熱望しています。




 / 無いなら掘ればいいじゃない \

 どこからか聞こえてくる天の声。

「全くその通り! さぁ、みんなで温泉を掘り当てようっ!!」

『君のハートを撃ち抜くぜ』ヨアヒム・マイヤー(nCL3000006)はスコップ片手にそう言った。 
 といっても何がその通りなのか、その場にいた殆どの自由騎士たちにはわからないが、要するに温泉を掘ろうという話らしい。
 確かにイ・ラプセルには観光資源としての温泉は無い。だがしかし、それは源泉が無いという意味ではない。あくまで観光地化した場所が無いという事だ。今だ発見されておらず観光地化も視野に入れる事が出来る源泉はきっとあるはずとヨアヒムは熱く語る。

「それでさ。アカデミーの学者達に源泉がありそうな場所を聞いてみたら……覚えてるかな? オリオネスト村。君たちが消滅を防いだ村さ。あの村の近くにあるっぽいのさ♪」

 オリオネスト村──人口減少と共に消滅の危機を迎えた村であったが、自由騎士たちの活躍によって新たな資源も見つかり、村に人々が戻りつつある。

「もしかしたら村の更なる資源になるかもしれない。人助けだと思ってさ! あとはほら、掘るだけ! さぁさぁ!!」

 期待に溢れるヨアヒムの笑顔はとても眩しかった。


†シナリオ詳細†
シナリオタイプ
イベントシナリオ
シナリオカテゴリー
日常σ
担当ST
麺二郎
■成功条件
1.源泉を掘り当てる。
2.試し湯を堪能する。
麺です。お風呂上りに食べる屋台のラーメン。最高です。
シャベルとスコップ。地方によって全く呼び名が逆というのも興味深いですね。

この依頼はブレインストーミングスペース
カーミラ・ローゼンタール(CL3000069) 2018年10月21日(日) 20:47:48
猪市 きゐこ(CL3000048) 2018年10月21日(日) 21:03:10
の発言等を元に作成されました。

覗いちゃダメですよ。覗いちゃダメです。大事なことなので二度言いました。
無ければ掘ればいいじゃない。いやはや全くその通りです。
現状のイ・ラプセルには無い、新しい観光資源を皆さんで発掘していただければと思います。
無事掘り当てたあとは、一番風呂、かけ流しの源泉の試し湯と洒落込みましょう。


●ロケーション

 オリオネスト村から程近い山間部。
 アカデミーの学者による地層研究で源泉の可能性があると指摘された場所です。
 付近に住人などは居ないため、アイテムやスキル等を自由に使用して地面を掘ることができます。

・オリオネスト村。
 自由騎士たちの手によって消滅の危機を脱した村。今回掘る源泉に程近く。

・温泉リス
 温泉があるところに突如発生し、危うい部分を全て隠しきる便利な生き物。
 今回登場せざる得ない可能性を考慮し、念のため説明に追加されました。もしかしたら幻想種かもしれない。

 全員分のスコップ(シャベル)は貸し出されますが、マイスコップ(シャベル)(※アイテム所持)の方はより作業効率があります。
 プレイングには源泉を掘る方法や、試し湯の楽しみ方などをご記載ください。
 もし誰一人掘ると書かれて居なかった場合、散々辺りを掘り散らかした挙句に見つからないという悲劇が起こります。
 また試し湯は男女別々に入れ替わりで行われますが、強制ではありません。発掘で疲れきって爆睡、恥ずかしいのでといった理由で入らないのも、もちろん問題ありません。
 飲食の持ち込みは基本的にアイテム所持品を優先します。
 同行者がいる場合は名前を記載、もしくは共通のタグをご利用ください。

 MVPは源泉を掘り当てに尽力された方や、試し湯を存分に楽しまれた方より選ばれます。
 また名前を一部拝借して温泉名が付けられます。

 EXプレイングに【覚悟完了】と書かれた方は念のためお覚悟を。


●同行NPC

・ジロー・R・ミタホーンテン(nCL3000027)
 特に指示が無ければ、皆と一緒に源泉を掘り、源泉で麺を茹で、温泉卵を作り、持参したスープでつけ麺を楽しむ気です。


●イベントシナリオのルール

・参加料金は50LPです。
・予約期間はありません。参加ボタンを押した時点で参加が確定します。
・獲得リソースは通常依頼難易度普通の1/3です。
・特定の誰かと行動をしたい場合は『クラウス・フォン・プラテス(nCL3000003)』といった風にIDと名前を全て表記するようにして下さい。又、グループでの参加の場合、参加者全員が【グループ名】というタグをプレイングに記載する事で個別のフルネームをIDつきで書く必要がなくなります。
・NPCの場合も同様となりますがIDとフルネームは必要なく、名前のみでOKです。
・イベントシナリオでは参加キャラクター全員の描写が行なわれない可能性があります。
・内容を絞ったほうが良い描写が行われる可能性が高くなります。
・公序良俗にはご配慮ください。
・未成年の飲酒、タバコは禁止です。


皆様のご参加お待ちしております。
状態
完了
報酬マテリア
0個  0個  0個  1個
13モル 
参加費
50LP
相談日数
10日
参加人数
21/30
公開日
2018年12月11日

†メイン参加者 21人†

『月光妖精の祝福を』
サラ・アーベント(CL3000443)
『異邦のサムライ』
サブロウ・カイトー(CL3000363)
『ペンスィエーリ・シグレーティ』
アクアリス・ブルースフィア(CL3000422)
『幽世を望むもの』
猪市 きゐこ(CL3000048)
『蒼光の癒し手(病弱)』
フーリィン・アルカナム(CL3000403)
『慈悲の刃、葬送の剣』
アリア・セレスティ(CL3000222)
『キセキの果て』
ニコラス・モラル(CL3000453)
『教会の勇者!』
サシャ・プニコフ(CL3000122)
『おもてなすもふもふ』
雪・鈴(CL3000447)


●発掘パート

 自由騎士改め温泉発掘隊一行はオリオネスト村ほど近くの山間部へ来ていた。
「えっしょい! うーぃ、寒くなって参りましたなあ……」
 そう言って鼻をすするのは『異邦のサムライ』サブロウ・カイトー(CL3000363)。
 しかし、いかなオラクルとは言え手掘りで出るものだろうか。そんな事を考えながらもサブロウは真面目に掘り始める。だがこの真面目が怖い。勘の良い方はお気づきであろう。彼はやる時はやる男である事を。
「温泉掘りだー! ふふー、テルメ島のよりすっごい温泉郷を作っちゃうぞー!」
『全力全開!』カーミラ・ローゼンタール(CL3000069)はくんくんと匂いをかいだり、地面にほっぺたをくっつけて温かさを確認したり場所の調査に余念が無い。うん、可愛い。その小動物のような行動は周囲を和ませる。
「それにしても……自由騎士を土木作業員か何かと勘違いしてないかい?」
『真実までは後少し』アクアリス・ブルースフィア(CL3000422)はそう言いながらも地質学者としての血が疼いている。すでに気持ちは温泉が出た後の事を考えているようで、地熱が……エネルギー効率が……と専門用語を呟きながら黙々と作業を続けている。
「まったく、その通りですねぇ」
 その横では一緒にニコラス・モラル(CL3000453)が地面を掘っている。楽して生きるがモットーのはずのニオラスだが、その顔は結構な重労働に見合わないほどに満面の笑み。……この笑顔なんだか怪しい。ぁゃνぃぞ。
「さて、どこから掘っていいものやら」
 悩んでいるのは『貫く正義』ラメッシュ・K・ジェイン(CL3000120)。国が潤うためにも、新しい産業が出来る事は良いことだと思ってはいるものの、闇雲に掘っても徒労に終わるのは目に見えている。仕方ないと呟くとラメッシュは周りの者たちの様子を見て回ることにした。
『教会の勇者!』サシャ・プニコフ(CL3000122)も頑張って掘っている。
(温泉掘る→観光地になる→温泉肉まんじゅうが名物になる→サシャ、食べまくり!!)
 どうやらサシャはだいぶ先の未来を見据えているようだ。
「オンセン? 地面を掘ったらお湯が出る? あはははは! 都会の人は夢のあることを考えるもんだなあ」
 超がつくほどの田舎から来た『新米兵士』ナバル・ジーロン(CL3000441)はそもそも温泉というものを知らない。
 だがナバルは思いもよらない能力を発揮する。土を掘るという行為は畑仕事をしてきたナバルにとってはもはや日常ともいえる行為。早々にコツを掴んだナバルは見る見る土を積み上げていく。
 盛られた土という意味では『挺身の』アダム・クランプトン(CL3000185)の発想もまた面白い。
 自前のシャベル片手に掘り出したアダムは一考する。掘った土をあんぱん状にすればもっと楽しくなるのでは、と。
「おぉ、おおおお!すごいよ!やる気がぐんぐん湧いてくる! やるぞアダム・クランプトン! ここが勝負時だ!」
 アダムの掘った穴の周りはアンパン状の土が量産されていく。
「温泉掘って、ただ寛ぎたいだけじゃないわよね、アイツ」
 そんな文句を言いながらも『水の国の騎士』ライカ・リンドヴルム(CL3000405)はリュンケウスの瞳と己の直感を元に源泉を探す。
「まぁ……運よく温泉が出れば今後の活動にもハリが出るかもね」
 こういうの得意じゃないんだけど。そう言いながらもライカが仲間に見せる顔は穏やかだ。
「がんばれ♪ がんばれ♪」
 そんな皆の様子を応援するのは『蒼光の癒し手(病弱)』フーリィン・アルカナム(CL3000403)。その横では『慈愛の剣姫』アリア・セレスティ(CL3000222)が皆の分の飲み物やタオルの準備をしている。2人とも温泉が出るのを心待ちにしているようだ。
「あんまりお役に立てないかもしれませんが……」
 そう言いながら自分の身長とさほど変わらないすこっぷで地面を掘っているのは雪・鈴(CL3000447)。すこっぷで地面を掘るたびに頭の触覚がふるふると揺れている。一緒に掘っている『踊り子』ミケ・テンリュウイン(CL3000238)もすでに泥だらけだ。
「イ・ラプセルには温泉がなかったのですね。掘って出てくるでしょうか?」
 普通は火山などの山の近くにあったりするんですよね。『蒼の彼方の傍観者』サラ・アーベント(CL3000443)はそう思いながらもスコップを手に取る。他のメンバーの様子を見ながら予想を立てているようだ。
 一方『楽器と共に歩むもの』ドロテア・パラディース(CL3000435)は張り切っていた。
 髪の毛を纏め、汚れてもいい動きやすい服装に着替え準備万端だ。事前情報で掘り方のコツなどはばっちり予習済みだ。
『緋色の拳』エルシー・スカーレット(CL3000368)はお手製のL字に曲げた2本の金属の棒を手に持ち、辺りを歩き回っている。
「私の奥の手! ダウジングよ!」
 そのまま周囲を彷徨うが……反応は無い。
「……反応がないわね。ここよ! ここを掘ればきっと源泉が湧くわ! 根拠はないけど!」
 最終的には勘頼りでその場を掘り始める。
 同じダウジングでも変わったものを使っているのは『有美玉』ルー・シェーファー(CL3000101)だ。その手には愛用のトンファー。果たしてトンファーダウジングの精度や如何に。
「専門では無いが……」
 そう言いながらも図書館で集めた資料片手に場所を割り出そうとするのは『咲かぬ橘』非時香・ツボミ(CL3000086)だ。
「このあたりが怪しいな」
「私もそう思うわ」
 ツボミに同意するのは『真理を見通す瞳』猪市 きゐこ(CL3000048)。きゐこの目星はなかなかに鋭い。
 温泉ってそんなに簡単に出る物なのかしら。そんな事を考えつつも、よくよく考えればここは水の国。
「……何より観光資源が増える事は良い事だわ!」
 リュウケンスの瞳を使い、先んじて地下の様子を確認しながら指示を出すきゐこは宛ら現場監督のようだ。
「マイスコップとはまた指名してくれてんじゃねえの、なあヨアヒム……ってあいつ現場にいねえのかよ!」
 ツボミの資料、きゐこの目星、そしてこの日のために用意したダウジングを駆使して掘る場所を決めたのは『アーマーブレイク銃士』ザルク・ミステル(CL3000067)だ。なんと携帯用の折り畳み式のマイスコップも持参している。
 ザルクは周囲も驚くほどのスピードで地面を掘り進み始めた。
 
 皆が彫り始めて1時間ほど立った頃。
「まだ? まだ??? まだぁぁぁ????」
「温泉が観光化されて開発されれば、きっとショーも開かれるにゃっ!!」
 サシャとミケはヘロヘロになりながらも掘り続けているが一向に温泉が湧き出る気配は無い。
「つ、疲れましたわ……」
『高潔たれ騎士乙女』ジュリエット・ゴールドスミス(CL3000357)は掘れども掘れども一向に出る気配の無い作業に辟易していた。
(こうなったらもうヤケですわっ!!)
 ジュリエットが集中を始める。次の瞬間、大きな爆発音と共に土煙が舞う。しばらくして土煙が収まるとそこには……土砂に塗れたジュリエットの姿。
「もう散々ですわ~~っ」
 ちょっと涙目のジュリエットがふぇぇとなったその時。
「……あっ!」
 アリアの目の前には温泉リスの姿。
「でたぞっ!!」
「こちらもでましたっ!!」

 続々と聞こえてくる温泉発見の声々。
 するとみるみる辺りは温泉の心地よい蒸気で満たされていく。
 温泉発掘は成った。さぁ試し湯の時間だ。


●試し湯

 ここからの実況は『麺と共に生きる』麺二郎でお送りいたします。

 あーっと! ここで速報が入りました!
 何々……諸所の事情により男子試し湯シーンはカットされました。との事です!
 これには場内騒然、全国のぼーいずがらぶな皆様には大変ショックなお知らせだぁーーー!!
 メンバーこそ少ないものの、純真田舎ボーイ、異国から来たサムライ、哀愁漂うダンディ、アウトローな青年、褐色肌の年齢不詳、そして正統派騎士にもふももふのショタ……え、雪君は試し湯NG? え、うそー! 残念ながら一部事務所からのNGが出ていた模様ですがそれでも粒揃いのラインナップだったのだが──!!
 男子試し湯は今後に期待、という事で……気を取り直して女子試し湯に戻りましょう。

 簡易的な囲いによって区切られた空間。今まさにそこは楽園と呼ぶにふさわしい風景が広がっている。
「ふう、とても心地いいのであります~~♪ ……ふんふふ~♪」
 初出場のドロテア選手なんと温泉に浸かりながら、鼻歌を口ずさんでいるぞーー!
 やや色白の艶やかな肌と白く美しい羽と髪、さらには耳に心地よい歌声。
 これは……まさにトップバッターに相応しい仕上がりっぷりだーーっ!!
「ふぅぅ生き返るぅ~。もうクッタクタだわ」
 次に湯煙の中から現れたのはぼんきゅっぼんでお馴染みのエルシー選手だーーーーー!!
 ……おぉっと? どうした事だ、エルシー選手なんと水着を着用していますねぇ。
 これにはモニター越しのため息が全国から聞こえてくるようです。
 今入った情報によりますと……皆さん朗報です!! 【覚悟完了】頂いておりました!
(ドンドンドンパフパフパフパフ!!)←安い効果音
 今後の活躍に期待しましょう!!
「はふ~~。いいお湯だにゃ~……ぐぅ」
「気持ちいいんだぞ……(うとうと)」
 おっとミケ選手とサシャ選手はあまりの心地よさに眠ってしまった模様です。
「てやー!」
 この声は!? 温泉リスに愛されし者カーミラ選手の入場だーっ!!
 コンプライアンスとのガチ格闘、ギリギリの戦いが今日も繰り広げられてしまうのか!?
 ……いや、これは!? なんとカーミラ選手水着を着用していますっ!!
 これはナイスプレイですねー。場内からは拍手が沸き起こっております。
 このまま何事も無い事を祈りたいところですが……。
 おっと、続いて現れたのはアクアリス選手ですね。
 華奢ではあるものの均整の取れたそのプローポーションには定評があるようです。
「……あー(ぐびり)。んんんんー……(ぐびり)」
 おっと、ツグミ選手ですが……すでにいい感じに出来上がっているようです! 大量に持参したお酒も半分以上空にしたとの情報が入りました!
 目の前の眼福を満喫して今日は一段とペースが速いようですねえ。
 隣にいるきゐこ選手にも酒を勧めているようだが……おっとこれは断られた模様!
 きゐこ選手は温泉の成分を調べようとしているようですが……その手には血染権杖がしっかりと握られているーーっ!!
 ヤる気は十分だっ!!
『地面を掘って温泉が出なければお尻でも掘ってみたら──』
 意味もわからずに発掘時にこんな事を言ってしまったライカ選手もいるぞっ!
 後でこっそり意味を教えられて一人恥ずかしそうにしていたのは秘密だぁーーっ!!
「お風呂は好きですよ。少し浸かっていっても良いですか?」
 そういいながらお湯の温度を確かめるようにサラ選手だ! 手にはラッキーアイテムの海苔をもっているぞ!
「ンー、炭酸泉? 硫化泉?」
 源泉の放出口でお湯のテイスティングをしているのはルー選手だ!
 行商人故のサービス精神は発揮されるのか!? いわば台風の目ともいえる存在です!!
 そして……控えめに最後に現れたのはアリア選手だっ! 沢山の温泉リスを引き連れていますねぇ。これはどういうことだっ!?
(BGM)
 依頼の中で、悪漢に、嬲られること幾星霜。例えこの身は穢れども、心までは堕ちないわ。
 ……思わず昭和歌謡の前説のような説明を入れてしまったワケだが。彼女の奮闘にも期待がかかります。
  
 おっとここで朗報です! 湯煙に導かれし勇者達の準備が終わったようです!!
 それでは紹介いたしましょう!! 物陰に潜む5人の戦士──。

「今回は真面目にと思っていたのですが……二度も念押しされればね。……フリですかね?」
 一体誰に聞いているんだい、サブロウ君。
「さすがに……どうかと思うぞ」
 でも付いてきちゃったのね、ザルク君。
「綺麗なおねーさんの●●●な姿や■■■なシーン、見たい!」
 労働の対価。はてさてそう上手くいくかな、ニコラス君。
「これは一体どういうことなんだい?」
 そのすっとぼけアイコンずるいと思う、アダム君。
「これが都会の流儀でしたか……」
 断じて違うぞ、ナバル君。
 雪とラメッシュを除く男子全員大集合……その心意気に我々は熱い声援を送らずにいれられません!!

 おぉっと!! ここで勇者達が動いた!! これは……正攻法……正攻法です!!
 古より脈々と受け継がれる障害物を乗り越えて上からの見物を洒落込もうというのでしょうか!!
 うまく言いくるめられたアダム、ザルク、ナバルの3人が足場となり、サブロウとニコラスが先鋒を勤めるようです。
 これは……なんと美しいスクラムだ!! 下を支える3人の熱い友情が、上の2人をしっかりと支えているーー!!
「この向こうには……楽園が……」
「いざ参りましょうぞ。極楽浄土へ」
 囲いを乗り越えたその先には……湯気。一面の湯気で視界はゼロ。
 楽しげな女子の声のみが聞こえる生殺しの状態だ!!!
 またも血涙を流すサブロウ。打つ手無し。誰しもがそう思ったときだった。
「(俺に任せておけ……ノートルダムの息吹!!)」
 そう。ニコラスの唱えたスキルはノートルダムの『息吹』。癒しの風が湯船全体に広がる。
「あら……心地よい風……」
 湯気が……晴れるっ!!
「おぉぉぉぉぉぉ……」

 =ここからはイメージ映像でお楽しみください=

 大きなお饅頭がふたつ! あっちにもふたつ。おや、こっちのお饅頭はミニサイズかな。
 お饅頭がぽよんぽよんと揺れている……あっちもこっちも……ここは夢のお饅頭工場っ!!

 =以上イメージ映像でお送りしました=

「……っはぁー♪(ふにゃー)。それにしてもいい湯か……きゃぁぁぁぁぁぁーーーーっ!!!」
 おぉーーっと!!!!
 視線にいち早く気づいたフーリィン選手、顔を真っ赤にして身を隠しているっ!!
 荒ぶる好奇心がさせた覚悟、無駄にはしないっ!!
 
 /見られて減るもんじゃ無し\

 すかさず天の声が次の展開を熱望している!! さぁフーリィン選手どうするのか!?
「……へ、減りますよ、いろいろっ……その、羞恥心とか希少性とかっ!」
 フーリィン選手顔だけでなく全身を真っ赤にしながら必死の抵抗ぉぉぉ!!
 これはうまく切り返しました……いい表情と台詞回しですねぇ。これは基礎点に加えて芸術点も加算されます。
 HA・JI・RA・Iは、O・MO・TE・NA・SHIにも通じるアマノホカリの文化ですからねぇ。
 これは高得点が期待されます!
「アンタ達はまた性懲りも無く……(ゴゴゴゴゴゴゴゴゴ)」
 きゐこのねぇさん出番です! そこにいたのはもちろんきゐこ。フードこそ被っているものの下は生まれたままの姿だ。だがしかしその手には血染権杖がしっかりと握られている。血染……まさにこれから起こる惨劇を表しているっ!! 
「え、ちょ、見えっ」
「問答無用!!! 食らえっ!! 籠目の中の燐火ぁあああああ!!!!」
 叫びと共にきゐこが放つその技は対象を籠に閉じ込め灼熱の炎で焼き尽くす。
「ぎぃぃやぁぁぁぁあああああああああああ!!!!!」
 因果応報。サブロウとニコラスは焼かれて当然である。罰である。ほら、説明でも2回言ったでしょ。ダメって!!
「「「え!?」」」
 割を食ったのは下の3人。3人は何も見ていない。しかし3人はしっかり籠の中にいた。
「な、なぜ俺たちまで……」
「な、一体何が起こってるんですっ!? 都会……怖い……っ」
「今回は恥ずかしい目には合いませんように! 合わない……よね?」

 どぉおおおん!! と大きな爆発音と共に囲いが吹き飛ばされた!!
 さぁここからが正念場、勇者よ、生きよ!! ここからはその結末を語ろう。

「うぅ。痛てて……」
 爆発のショックで吹き飛ばされたナバルは背中に柔らかい感触を感じていた。
 そこに居たのは……ドロテアとサラの2人。勢いよく飛んできたナバルを思わず受け止めた2人はそのまましりもちをつき、倒れこむ形になっていた。
「んん……っ」
「んはぁ……っ」
 なんとも言えぬその柔らかな感触と艶っぽい声に思わず振り向くナバル。
 そこには……一糸纏わぬ都会の女性の姿が! だが安心して欲しい! サラの持っていた海苔! これが良い仕事をした。さすがはラッキーアイテムである。しかしそれでも9割以上肌色の光景には変わりない。
「色っぺーーーー!!」
 ワタ……ナバルはそのまま鼻血を吹いて気絶。
「ちょっと!! 大丈夫!?」
 その場には心配そうに体を揺するドロテアと何事も無かったかのようにそれを傍観するサラの姿があった。
 ザルクとサブロウは死地に居た。
「む、この饅頭は一体……」
 サブロウの両の掌を包み込むような感触。(片方は若干控えめ)
「アナタ! この肉饅頭はお高いヨ~?」
「サブロウ……一度ならず二度までも……」
 ザルクが吹き飛んだ先にはアリアとアクアリス。
「ん……きゃあ!?」
 何が起こったわからないアリアとアクアリス。気づけば隠しようも無い状態でザルクに押し倒されていた。
「みみみみみ……見られたっ(赤面)」 ←温泉リスが守ったのでセーフ
「痛てて、キミー? 今は女子の時間だよーっ」
 顔を真っ赤にして体を小さくし、蹲るアリアと冷静(眼は笑ってない)なアクアリス。
(ゴゴゴゴゴゴゴゴ)
 ザルクはもちろん、さすがのサブロウもあまりの殺気に後ずさる。
 目の前には手で隠しながらも一糸纏わぬきゐこ、アリア、ルー、アクアリスの4人。みなぷるぷると震えている。 
「えー……これは眼福。違う違う僕の説明に耳を傾けていただける心優しき淑女はいらっしゃいますか」
「これは……違うんだっ。俺は……」
 言いたい事はそれだけか。そう言わんばかりに4人の目が光る。
「「「「問答無用っ!!!」」」」
「ぎょわぁぁぁあああああーーーーー!!!」
 本日二度目の大爆発。それぞれの必殺技が炸裂する。
 その後2人はそのショックからか見たもの触ったものすべてを忘れていたという。
 ニコラスは……気づくと飲んでいた。いや呑まされていた。
 飛んだ先にはツボミとカーミラ。
 酒を飲んでいる事で年齢的にはOKそうだが……なツボミ。見た目はOKだがなぜか温泉リスが大量に懐いているカーミラ。
 特に温泉リスが懐いている方はまずい。ニコラスの本能がそう告げている。
「ろめ(呑め)~」
 完全に出来上がったツボミに言われるがままに飲み干す。
 ニコラスはそのまま意識がなくなるまで呑まされる事になる。
 そして我らが正統派騎士アダムはといえば。エルシーとライカの元に舞い降りた。
「まさか貴方まで」
「こういう事をするのはあまり感心しないな」
 説教。アダムに浴びせられたのは……圧倒的説教!!
 しかもエルシーは水着を着てるからまだ良いものの、ライカはタオルを一枚巻いているだけである。濡れたタオル越しに隠しようの無いその艶やかな体のラインがアダムの目の前にあるのだ。
 アダムはとても目線を向ける事は出来ない。
「す、すみません……」
「全く、貴方の素直すぎる部分は良い部分でもあるけど……こういうと」
 ビリッ。布が裂けるような音と共にエルシーの水着の肩の部分が千切れ、ぷるんと揺れた。
「きゃぁぁぁぁぁあああああああ!?」
 思わずエルシーが放った緋色の衝撃はアダムの意識を遥か遠くへ誘った。
 
 こうして崇高なる戦いは幕を閉じた。終わってみれば勇者は全滅である。
 勇者にだって出来ない事はあるのだ。彼らはそれを教えてくれた。ありがとう勇者達!!

 そんなドタバタ劇があったにもかかわらず。
 たった一人何事もなかったかのように湯船に浸かるつわものが一人。
 ──ジュリエットである。

「温泉はいいものですわね……もしこの温泉が混浴になったら……わたくしとアダム、二人で一緒に温泉に入ったり……して……!!! きゃーーーー!!! 破廉恥ですわ!!!」
 こうしてジュリエットは湯に浸かってすぐに妄想の世界へ。

 お互い付かず離れず、程よい距離を保ったまま湯に浸かる。
 上気する頬は温泉の熱さによるものなのか、それとも恥じらいによるものなのか。
 初々しい二人は視線を交わすこともできずお互いに背中を向け、ただ湯船に浸かる。
「きゃっ」
「どうしたんだい!」
「急に風が吹いて……埃が目に……」
「あっ……」
「えっ……」
 見つめあう二人。そして2人は──。

 妄想劇場。そんな妄想の中に彼女は(今も)いた。
 彼女が戻ってきたのは、更にそこから1時間後。のぼせて倒れ、介抱された後である。 

「みなさん、ジロー特製のつけ麺ができましたぞ~~~っ!!」
『ヌードルサバイバー』ジロー・R・ミタホーンテン(nCL3000027)の声がした。

 なお、温泉の成分は雪の温泉解析能力によりすぐに解明。疲労回復や美肌効果がある事が報告されたという。

†シナリオ結果†

成功

†詳細†

称号付与
『妄想(ゆめ)見る乙女』
取得者: ジュリエット・ゴールドスミス(CL3000357)
『ダウジンガー(水着)』
取得者: エルシー・スカーレット(CL3000368)
『続・温泉リスに愛されし者』
取得者: カーミラ・ローゼンタール(CL3000069)
『星詠みの淑女』
取得者: サラ・アーベント(CL3000443)
『アタックオブザキラー饅頭』
取得者: サブロウ・カイトー(CL3000363)
『博学の君』
取得者: アクアリス・ブルースフィア(CL3000422)
『帰ってきた!の ん べ い』
取得者: 非時香・ツボミ(CL3000086)
『現場監督(控えめ)』
取得者: 猪市 きゐこ(CL3000048)
『スコップの達人』
取得者: ザルク・ミステル(CL3000067)
『荒ぶる好奇心』
取得者: フーリィン・アルカナム(CL3000403)
『温泉リスを愛せし者』
取得者: アリア・セレスティ(CL3000222)
『本音が建前を凌駕する男』
取得者: ニコラス・モラル(CL3000453)
『茹だり姫』
取得者: サシャ・プニコフ(CL3000122)
『おもてなすもふもふ』
取得者: 雪・鈴(CL3000447)
『ホる!』
取得者: ライカ・リンドヴルム(CL3000405)
『まじめさん』
取得者: ラメッシュ・K・ジェイン(CL3000120)
『大興奮であります!』
取得者: ドロテア・パラディース(CL3000435)
『狙うは温泉イチの踊り子』
取得者: ミケ・テンリュウイン(CL3000238)
『覚悟の男』
取得者: アダム・クランプトン(CL3000185)
『気分は大金持ち!』
取得者: ナバル・ジーロン(CL3000441)
『にくまんふたつ(高級)』
取得者: ルー・シェーファー(CL3000101)
特殊成果
『湯の花』
カテゴリ:アクセサリ
取得者:全員

†あとがき†

皆さんの活躍でイ・ラプセルの源泉は無事発掘されました。
今後、イ・ラプセル初の観光温泉地になるべく更なる開発が行われていくことでしょう。
そしてこの依頼を吹っかけた『君のハートを撃ち抜くぜ』ヨアヒム・マイヤー(nCL3000006)はたいそう喜んだそうです。
なんでも町のかわい子ちゃんに温泉いこうよと声を掛けまくるとかなんとか。

MVPは迷いすぎたためノリと勢いで決めさせていただきました。

なお、温泉名はファミリーネームの頭文字を頂きミステル・スカーレット・アルカナム温泉。通称MSA(ミシャ)温泉と命名されました。

皆様の覚悟っぷりには、麺もこの上ない無い喜びと恐怖を覚えました。
ご参加誠にありがとうございました。
FL送付済