MagiaSteam
サードニクスと未知なる洞窟




 オォォォオオオオオオォォォォ──

 数日前に起こった局地的な地震。
 地震自体は大きな被害などは無く、周辺住民も安堵していたのだが。
 村の住人が異変に気づいたのはその数日後だった。
「大変だ!! キカタタ山の中腹にでっかい穴が!!」
「なんだと!?」
「どうやら地震で今まで埋もれていた洞窟の入り口がでてきたみてぇだ」
「しかも中から魔物が……魔物たちが次々現れて家畜や農地を荒らしまわってやがる!!」
 洞窟から現れる魔物は日に日に増えているという。
「一体どうすれば……」
「今からでも遅くは無い。救援要請をするしかあるまい」
 村長の決断により、すぐに救援要請は成された。──しかし時は既に遅かった。救援要請により現地へたどり着いた王国騎士達が見たもの。それは死肉の匂い漂う元は確かに村であった場所だった。



「地震後に現れた洞窟から出てくる魔物によって、近隣の村が一つ消滅する」
『演算士』テンカイ・P・ホーンテン(nCL3000048)はそういった。
「今からすぐに向かえば地震直後でまだ魔物が外へ出始める前に洞窟にはたどり着くはずだ。それに……どうもこの洞窟怪しい。見た事が無い鉱石が眠っているかもしれない。余裕があれば魔物退治と共に中も調査してみてくれないか? それじゃ期待してるぜ」
 そういうとテンカイはいつものごとく手をひらひらと振りながら演算室の奥へと消えていった。


†シナリオ詳細†
シナリオタイプ
通常シナリオ
シナリオカテゴリー
資源発掘β
担当ST
麺二郎
■成功条件
1.可能な範囲での洞窟の探索
2.イブリース化した魔物の討伐
業務用てんかす(1kg)を買いました。使い切るためには一体どれだけの脂分(カロリー)を体内に摂取しなければいけないのか……そう考えるとゾクゾクします。麺二郎です。

地震によって新たな洞窟がぽっかりと口をあけました。
魔物が次々と現れる洞窟のその奥には一体何があるのでしょうか。
調査と討伐をお願いいたします。


●ロケーション

 イラプセル北の山間部、クルマーヤ村ほど近く。
 地震によって突然現れた洞窟です。明かりなどはもちろん無く、どの程度の広さがあるのかなど一切不明です。唯一確認されている事は複数の魔物が洞窟から出てくるという点です。
 中の状態は一切不明です。様々な状況に対応する準備があればあるほど奥に進める可能性が高くなります。
 またメイン、サポート参加キャラクターのステータスの傾向はこの洞窟探索の方向性にある程度影響を与える事になります。


●敵(わらわら系)

 ブラッドバット 吸血コウモリ
 ブラッドコヨーテ 吸血コヨーテ
 ブラッドリーチ 吸血ヒル
 ポイズントード 毒蛙
 ポイズンスネーク 毒蛇

 どれも通常の大きさよりも3~10倍程度の大きさがありますが、自由騎士にとって見れば個々は大して強くありません。強力なスキルなどで一撃で屠れるものが殆どです。が、敵は集団で現れ、また攻撃を受ければ出血や毒もあるので油断は禁物です。
 イブリース化した敵は凡そ200程度と思われ、殆どが洞窟の浅い層にいます。


皆様のご参加お待ちしております。
状態
完了
報酬マテリア
2個  6個  2個  2個
10モル 
参加費
100LP [予約時+50LP]
相談日数
6日
参加人数
6/6
公開日
2019年02月15日

†メイン参加者 6人†




 近隣の村人に案内され自由騎士が向かったのはキカタタ山の中腹。
 そこには漆黒の闇へと続く大穴がぽっかりと口を開けていた。
「ここがその新しい洞窟ね!」
 声の主は『ヘヴィガンナー』ヒルダ・アークライト(CL3000279)。女神の用意したダンジョンをすべて制覇した彼女にとってこの新しい洞窟の発見は願っても無いものだった。
「今私達が入れるダンジョンはもう全部最深部まで制覇しちゃったから、ちょっと最近物足りな……」
 そう言い掛けたヒルダだったが、両手でぱんぱんと頬を叩き、気合を入れなおす。
「っと。浮かれる前にまずはここの調査をしっかりこなさないとね」
「ふふー、ダンジョン探索は得意~!」
『薔薇の谷の騎士』カーミラ・ローゼンタール(CL3000069)はわくわくが止まらないといった感じだ。
「いつもはトミナルタ洞窟を攻撃重視でガンガンいってる! ケイブマスターとは私のことだー!」
 トミナルタ洞窟──今は自由騎士の鍛錬のために解放されている無限に続くとも言われている洞窟だ。その洞窟を何層まで進んだかは、密かに自由騎士達の強さのバロメータとしても重宝されている。そんな洞窟で数々の最長記録を競っていた1人がカーミラだった。そんな彼女が新しい洞窟に心逸るのは無理も無い。
「地震とは……この国にも大鯰はいるという事ですなぁ」
 瑠璃彦 水月(CL3000449)は顎に手を当て、うんうんと頷いている。大鯰? と思った自由騎士もいたかもしれない。瑠璃彦のこの発言には理由がある。アマノホカリでは古来より地震は龍、大鯰といった伝説の生物が起こすものと言われている為だ。
「それはさておき、未知の洞窟に200を超える敵とはなんとも豪華な! いやぁ腕が鳴りますなぁ」
 なぜかあふれ出る涎を拭う瑠璃彦。
「ふむふむ、コウモリと蛙と蛇は食べれるとして……コヨーテとヒルは果たして食べられるものでござろうか?」
 え。食べるの? 食べる気なの? この子。もしかして食べ放題に来た位の気分なの?
 瑠璃彦……恐ろしい子。
「出てくる魔物は吸血型に毒型か。洞窟奥の環境となにか関連があるのかな?」
 湧き出る魔物について冷静に分析しているのは『緋色の拳』エルシー・スカーレット(CL3000368)。
「それに見た事が無い鉱石が眠っているかもしれないって。見つけられれば新しい道具や武器の開発にも役に立つかも。それに私としては──」
 お宝も眠っていて欲しいわ、なんて事をエルシーが思っていると、隣にいた『達観者』テオドール・ベルヴァルド(CL3000375)が声を掛ける。
「見た事が無い鉱石には確かに興味があるな。ぜひ持ち帰って調査したいものだ」
 そう言うテオドールの手荷物の中には、長丁場の探索を見越してかお酒とお菓子。そしてダンジョンの必需品と太鼓判を押され購入した10フィートの棒。棒? しかも……必需品……だと……。うわまじだ。説明に書いてる。むしろ説明にはそれしか書いてない!
 どのあたりが必需品なのかはこのあとの探索で明らかになる。明らかになる予定だ。明らかになるかもしれない。……明らかになるといいなぁ。
「……なわばりをあらそうとするてきはゆるさない」
 少々わかりにくいかもしれないがリムリィ・アルカナム(CL3000500)の言う縄張りとは、つまるところ自由騎士の守るべき土地、そしてそこに暮らす人々の事だ。だが、リムリィにとって縄張りとは、ほんの少し前までは自身が暮らす孤児院のみだったのだ──大好きな姉を追いかけるように自由騎士となったリムリィ。大好きなお姉ちゃんの傍にいたい。幼いリムリィにとって自由騎士になった理由などそれが全てだった。しかし自由騎士としての活動を行っていく事で、その幼い心に変化が生まれつつあった。孤児院のみを対象としていた縄張り意識が変わったのはその一端。今リムリィの視野は大きく広がりを見せようとしている。
「カンテラももってきた。……おわったらそのままたんけん。とてもたのしそう」
 そういうとリムリィはカバンに目を向ける。その中には姉の手作りのお弁当と水筒。普段どおり無表情のように見えるリムリィだが、口角がわずかに上がっている。本当に楽しみなのだろう。
「では目が利く私とヒルダ嬢、それに瑠璃彦殿が前をいく。あとのメンバーはカンテラを持ち、足元に気をつけながら付いて来てくれたまえ」
 この先何が起こるかわからない。若干の緊張感に包まれながら、自由騎士達は突如現れた洞窟の奥へと進んでいくのであった。


 洞窟を進む自由騎士達。
「そういえば未知の鉱石ってぱっと見でわかるのかしら?」
 エルシーの素朴な疑問。だが心配無用なようだ。
「大丈夫よ」
「まかせろー!」
 声の主はヒルダとカーミラ。彼女達は洞窟を知り尽くしている。それは地形に対する対応力だけではない。その洞窟に対する深い知識は土や砂、石にも及ぶ。何故なら洞窟がどのような構成物で出来ているかを知る事で得られる情報は多岐にわたり、それによってさまざまな危険を未然に察知する事も出来るためだ。ケイブマスターの名は伊達では無い。
「何かはわからなくても、違和感は感じる事が出来ると思う」
「そうそう。なんか違うって感じ」
 洞窟を知り尽くす者の存在により、珍しい鉱石の判別自体は何とかなりそうだ。
「前方に多数の動くものがいるな。皆、来るぞっ!!」
 テオドールの目は暗闇から向かってくる魔物たちの姿を正確に捉えていた。
「あっしにも見えやした!! コウモリとヘビの……大群だにゃぁぁあああああ!!!」
 少し遅れて瑠璃彦の暗視が敵を捉える。その数は20ほど。
「くるわよっ!!」
 ヒルダが勢いよく銃を構える。そして放ったのはバレッジファイヤ。灼熱の弾幕は迫り来る敵全てに降り注ぐ。が、全滅とはいかない。ヒルダの攻撃を掻い潜った1/3程の魔物たちはそのまま突っ込んでくる。
「そういう時のために我々がいる」
「任せるでござるっ」
 テオドールの緋文字がコウモリを打ち抜き、瑠璃彦が地面を打ち抜き、放たれた衝撃波は残るヘビたちを一掃する。
 それでも数匹残ってはいたものの、万全の体勢で待ち構えるエルシー、カーミラ、リムリィの敵ではなかった。
「ふむふむ、確かにこれはやっかいでござるな」
 瑠璃彦は倒したヘビの口を開き、その鋭い牙を観察していた。個体としては弱かろうが毒は別問題である。回復手段を持たなければ、徐々に体を蝕まれそのまま倒れる事もありえるのだ。
「これで20匹くらいはやっつけたかなー?」
 カーミラはリムリィと一緒にイブリース化の解けたコウモリとヘビを数え始めた。
「12、13、14……全部で15匹。思ったより少ないなー?」
 カーミラが首をかしげる。よく見るんだ。瑠璃彦のズボンのポケットから何かはみ出しているぞ。
「まぁ、へったのはたしか。もんだいない」
 リムリィの言葉にそだねーと答えるとカーミラもそれ以上気にもせず、また歩を進め始める。

 瑠璃彦 は 食料 を ゲットした!

「今回は長丁場になりそうだから……出来るだけ消費は抑えていきたいわね」
 広範囲への高い攻撃力を持つヒルダだが、その威力に比例するように消費も激しい。
「そうでござるな。特にテオドール殿は貴重な回復手である故」
 ヒルダの言葉に瑠璃彦も同意し、テオドールのほうを見る。
「確かにそのとおりだ。出来る限り温存に勤めよう」
 テオドールも自らの役割を再認識する。自身の回復が要なのだ。万が一にも自身が最初に倒れるわけにはいかない。
「この層にはもう魔物はいないみたいね。……先ずは近隣の村が襲われないよう魔物たちを全て倒さないと」
 エルシーの言葉に全員が頷く。
「それが一番の目的でござるからな!」
「こくこく。そしてそれがおわったらたんけん」
「みんなっ。ここから下に行けそうだよっ」
 カーミラがカンテラで照らす先には下へと伸びる横穴。自由騎士達は周囲に注意しながら先へ進む。

「前から何か……この足音、コヨーテねっ!!」
 ヒルダが前方から迫るコヨーテに気づいた時、後方でも何かが近づいてきていた。
「ちょっと待って。後ろからも何か……」
 カンテラで照らされた先の暗闇。そこから来るなにかに耳を澄まし、目を凝らすカーミラ。その目に映ったものは……。
「カエルだーーー!!」
 ポイズントード。全身がイボイボと毒の粘液で包まれた女子には少々受けが悪そうなフォルム。
(うわぁ……いかにもばっちそう……触りたくないなー……)
 性格的に普段はあまりそれを感じさせないカーミラだが、やはり年頃の女の子。思っている事が表情に出ている。
「確かにあれはちょと嫌ね……」
 エルシーも少し困り顔。カーミラとエルシーは共に拳や蹴りによる直接打撃が攻撃の基本。必然的に対象に触る事になる。そんな2人にとってあのフォルムは由々しき問題だ。
「だいじょうぶ。わたしのぶきならいちげき」
 少しばかり躊躇していた2人と対照的に、特に変わる様子も無く戦闘体勢をとるリムリィ。その手には背丈と同じくらいのサイズの巨大なメイス。これでも子供用だという。子供用って一体……。
「わたしのぶきはおおきい。だからまとめてたおすにはちょうどいい」
 そう言うとリムリィは勢いよくメイスを地面に振り下ろした。オーバーブラスト──武器を地面に叩きつけ、その衝撃で周囲の敵をなぎ倒す大技だ。その衝撃は敵にダメージを与えつつ、敵をじわりと後退させる。
「まかせて。わたしはへいき」
 1人蛙を相手するリムリィ
「そうもいかないわよねぇ」
「ばっちいけどしょうがないかー」
 同時に戦闘態勢に入った2人はリムリィの元へ。そこには両の拳を蛙の粘液で汚しながらも、リムリィに寄り添うように戦う2人の姿があった。
「コヨーテは片付きましたぞ~~っ」
 真っ暗な前方から瑠璃彦の声がした。

 その後も自由騎士達は迫り来る魔物を倒しながら奥へと進んでいく。瑠璃彦はハイバランサーで壁や天井を練り歩き、抜け穴などをくまなく調べる。リムリィはその小柄な体型を生かして、他のメンバーが入れないような小さな隙間などを隈なく捜索する。特に風が流れてくる場所は先がある可能性も高い。怪しい場所があればメイスをツルハシのように使いながら怪しい場所を掘り起こす。一方ヒルダとカーミラはその豊富な洞窟の知識を利用して、洞窟の構造を理解し、進むべき道の予想を立てていた。
 途中魔物に攻撃を受け毒を受ける者もいたが、回復の要であったテオドールが魔力を温存し続けた事も功を奏し、大事に至る事は無かった。それでも大量の魔物を相手に戦ってきた自由騎士達の疲労は少しずつ蓄積されていく。
 中でも頭上から突然数十匹の巨大なヒルが降ってきた時は、さすがの自由騎士達も大声を上げて冷静さを失いかけたのだが──
「い……いやぁぁぁあああああーーーー!!!!!」
「ふ、降ってきたでござるーーーっ!!!」
 そんな中、全くいつも変わらない様子で立ち尽くしていたリムリィ。その身体には無数のヒルが吸い付いている。
「わーーっ!!! リムリィ殿が吸われてるでござるっ!!!」
 そんな様子を見た自由騎士達。すぐに冷静さを取り戻し、皆でヒルを退治したものの、リムリィの全身からは血が滲む。さぞかし重症かと思いきや「かゆい」の一言。もちろんテオドールがすぐさま飛んできて回復した。

 5層、6層と順調に進んでいく自由騎士達。深く潜るにつれ、魔物の数は目に見えて減っていった。
「魔物がいるのは浅い層とはいっていたけど……本当みたいね」
「そうですね。元々いるといわれていた数よりは少しばかり足りない気もしますが……」
 ヒルダの問いかけに、使用したロープを巻き取りながらエルシーが答える。
「まぁ、きっと誤差もあるんでござろう。気にする事もないですにゃぁ」
 ポケットが更に膨らんだ瑠璃彦はそ知らぬ顔。
 すでに7層にたどり着いた自由騎士達だったが、この層では数匹の魔物を見かけたのみだった。
「でも結構な数相手したよねー。もう倒し終わったのかもー?」
 最初は倒した数を1匹ずつ数えていたカーミラだったが、毎度大量に襲い掛かってくる魔物たち。面倒になったのか100を超える頃には「沢山倒した」に集約されていた。
「まぁ確かに明らかに出現数は減った。魔物に関してはここまでの階層でほぼ倒し終えたのだろう」
「なら、あとはたんけん」 
 少し楽しそうな雰囲気を見せるそうなリムリィ。そうだな、と皆が頷いた。

 そしてたどり着いたのは13層。自由騎士達は休憩もかねて、火を囲んでいた。リムリィはもぐもぐとお弁当を食べている。その顔は満足げだ。
「皆の残りの魔力はどうだろう」
 テオドールが皆に問いかける。8層以降は魔物を見かける事は無かった。だが、ここは先の見えぬ未踏の洞窟。何が起こるかわからない暗闇の中を進む事は、体力魔力はもちろんだが精神的にも消費するものが大きい。
 更には8層以降は目に見えて地形的な危険が増える。突然の落石や、まるで落とし穴のような崩落。沼のように沈む地面、洞窟一面から突出する刃物のように鋭い岩。アップダウンの激しさ。未知への対応が増えていた事も精神力の消費に拍車をかけていた。
 リュンケウンスの瞳やケイブマスターの能力による危険回避はもちろん、各々の攻撃スキルで対応などして、それでも何とか進み続けた自由騎士達。だがその精神的疲労は大きい。
 だが一つ大きな収穫があった。10フィートの棒の活躍だ。ダンジョン必須アイテムと佐クラに薦められ購入したエルシーとテオドール。いまいちどんな役に立つのかわからないままの2人だったが、魔物が減り純粋な洞窟探検になると状況は変わる。罠や仕掛けの確認に大活躍したのだ。水溜りや沈む地面の深さを調べるもよし、怪しい場所をつついてみるもよし、絶妙な長さのその棒は幾多の罠から自由騎士たちを事前に回避させていた。さすがはさる筋では脈々と語り継がれる10フィートの棒。超便利。
 ちなみに誰も気づいていないがもう一つ役立っているものがあった。それはヒルダの強運。何気なしに選んだルートが安全だったり、「ヒルダ! うしろうしろ!!」って場面においても、気づかないまま危険を回避していたり──運って思いのほか重要なのかもしれない。
「ほら、わたしって運まかせで高難易度のダンジョンクリアした事あるし?」
 いや……だからヒルダさん、こっちと会話しちゃダメだってば。ほら、こっち見ない! ウィンクしない! 
「20%ってとこかなー」
 カーミラが答える。皆も大体同じくらいのようだ。
「ここまでの大まかな洞窟の見取り図はこんな感じよ。ここと……ここ。皆はどう思う?」
 エルシーはここまで書き留めていた洞窟の地図を皆に見せる。殆どが天然と思われる形状の洞窟ではあるが、明らかに不自然な形状の部分がある。それに深く潜るにつれ増えた明らかに侵入者を狙うように起こる危機。この洞窟には人の手が加えられた形跡があると自由騎士達に思わせるには十分だった。
「ただの自然洞窟じゃないって事ね」
「ああ、私もそう思う」
 この洞窟には何かある──自由騎士達皆がそう考えていた。
「ところで瑠璃彦殿は何を焼いているんだい? なにやら良い匂いがしているが……」
 テオドールが尋ねる。
「あぁ、これでござるか。これは──」
 その後、女性陣の悲鳴が聞こえたのは言うまでもない。

 そして15層にたどり着いた自由騎士達だったのだが。
「ん? 何だろー。何かこの層今までと違うなー」
 最初に気づいたのはカーミラ。
「確かに。洞窟を構成する石の雰囲気が……変わった気がするわ」
 ヒルダも違和感を感じ、足元にある石を割ってみる。割った石の断面を見ると……紅色と白色の美しい縞目。
「たぶん……これっぽいわね」
 エルシーは鉱石を布で包む。持ち帰って確認を行うためだ。この
「洞窟はまだ先がありそうだが……残りの魔力、食料的にも無理はできまい。魔物退治に新しい鉱石の発見と、一定の成果は挙げている。今回はここまでにするのが良いかと思うがどうだろう」
 状況を総合的に判断したテオドール。
「確かにそうでござるな。報告しておけばまた探検は出来るでござろうし」
「うーん、お宝が無かったのは少し名残惜しいけど仕方ないわね。じゃぁこの層を隅々まで調べて帰りましょう」
 自由騎士達は15層を隅々まで調査した。その結果、まずはさらに奥へと続く道を発見。16層以降の存在を確認した。
「それじゃぁ戻りましょうか。この続きはまたの機会ね」
「うー。泥だらけ。帰ったらお風呂に入りたいわ」
「いやー思ったより美味しかったでござるな」
「10フィートの……棒……とは……」
「この骨、何の骨だー?」
「きょうはがんばってたんけんした。おなかすいた」
 人一倍食べていたような気がするリムリィのお腹がくぅと鳴った。
 さぁ帰ろう。今日のご飯はきっと美味しいはずだ。

†シナリオ結果†

成功

†詳細†

称号付与
『ケイブガンナー』
取得者: ヒルダ・アークライト(CL3000279)
『10フィートの誘惑』
取得者: エルシー・スカーレット(CL3000368)
『ヒーリングマギアス』
取得者: テオドール・ベルヴァルド(CL3000375)
『食への渇望』
取得者: 瑠璃彦 水月(CL3000449)
『ケイブファイター』
取得者: カーミラ・ローゼンタール(CL3000069)
『リムリィたんけんたいたいちょう』
取得者: リムリィ・アルカナム(CL3000500)
特殊成果
『鉱石の欠片』
カテゴリ:アクセサリ
取得者:エルシー・スカーレット(CL3000368)
『こんがり焼けたアレ』
カテゴリ:アクセサリ
取得者:瑠璃彦 水月(CL3000449)
『何かの骨』
カテゴリ:アクセサリ
取得者:カーミラ・ローゼンタール(CL3000069)

†あとがき†

大量のイブリース化した魔物は浄化(一部食料化)され、近隣の村の危機は去りました。
テンカイが気にしていた未知の鉱石も発見され、今後何かに活用されるかもしれません。
この洞窟は調査が行われ、程なく自由騎士の鍛錬の場として解放される予定です。

MVPは様々な対応がなされていた貴方へ。

ご参加ありがとうございました。
FL送付済