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愛しのあんぱん救出作戦

●ヒムラヤのあんぱん
もっちりとした歯ごたえの生地をかみ砕くと、じんわりと甘いあんこがたっぷり。
てっぺんには桜の塩漬けまで付いていて、適度な塩辛さが甘さをさらに引き立てる。
一度、食べれば、やみつきになること間違いなし。
その名は、ヒムラヤのあんぱん。
●ヒムラヤあんぱん第一工場
今やイ・ラプセルの国民食にまでなったというあんぱん。
あんぱんの歴史を紐解けば、アマノホカリまでたどり着く。
ヒムラヤあんぱんの創業者の名前は、天才ぱん職人アンザエモン・ヒムラ。
ヒムラが開いたぱん屋の会社だからヒムラヤ。
最初はアマノホカリのみにあった小さなぱん屋。
だが、今や、規模が拡大して、イ・ラプセルにも支店工場や販売先が増え続けている。
イ・ラプセル北の工業地域には、ヒムラヤあんぱんの第一工場、第一支店が存在する。
ヒムラヤの従業員たちは毎日、笑顔であんぱん製造や販売に励んでいる。
なぜなら、大好きなあんぱんのお仕事に人生を費やせるのだから。
だが、ある日、ある時を境に、ヒムラヤあんぱん第一工場に影が差す……。
『ベルトコンベヤーの調子が悪いな? どうなっているんだ!?…………。うわ! なんだこの真っ黒な変な奴!? ギャー、やめてくれ!!』
『あんぱんの発酵具合はどうだろう? 発酵室へ確認しに行こう!…………。うぎゃー!! 怪しい虫(?)みたいなのにぱん生地が全部やられている!?』
『さて、出荷に行くか。荷台の確認をしよう。…………。ぬおー!? 荷台のあんぱんが全部やられている!? ん? なんだこのゲジゲジのイガイガは!?』
『うふふ、今日もあんぱんがたくさん売れるといいわね。直売所の商品確認があったわね!…………。きゃー!! いやー!! 私たちのあんぱんがー!!』
製造室のベルトコンベヤー、発酵室、出荷トラック、オープンテラスがある直売所。
全ての箇所で「何者か」によるあんぱんへの襲撃が広がっていた。
挙句の果てには、巨大なばい菌が……。
いや、真っ黒なばい菌がイブリース化した姿だ。
バスケットボールほどの大きさでゲジゲジの顔にイガイガの棘があって浮遊している。
そいつは、手下のばい菌イブリースをたくさん連れて、製造室のあんぱんを片っ端から腐らせていた。
「貴様!! 我々の大事なあんぱんを冒涜してただでおくものかー!!」
ゴルフクラブを振り回して向かって行くのは、工場長だ。
「工場長、我々も続きます! あんぱんの仇を取りましょう!」
従業員の中でも戦える者たちはそれぞれ武器を取り、イブリースに向かって行った。
そう、俺たちのあんぱん自治は俺たちの力で守るんだ、と!
しかし、あんぱん勇士達の抵抗も虚しく、彼らはばい菌だらけになってその場で倒れた。
「ぐはっ……!? 体が変に熱い……毒か……麻痺か……」
「む、無念……。あんぱんを……守れなかった……」
「ぬぅぅ……。工場長として、こんな、最後なんて、嫌だ……。あんぱん、食いてえ……」
●クラウディアと悲劇の予知
自由騎士団が水鏡の前に集められた。
プラロークからとても大事な話があるというからだ。
「みんな、水鏡の情報だよ。今日はね~、すっごく大変!」
『元気印』クラウディア・フォン・プラテス(nCL3000004)は大慌てだ。
何がそんなに大変なのだろう!?
自由騎士たちは不可思議な顔をして、彼女の情報開示を待つ。
「突然だけれど、みんなはあんぱん好きかな? ヒムラヤのあんぱんってあるよね? 自由騎士団や国防騎士団の食堂や売店でも置いてあると思うんだけれど……」
ヒムラヤのあんぱんと言えば、国内でもとても有名なぱんだ。
自由騎士の中には、このあんぱんが大好物という人たちもたくさんいる。
「そう、そのヒムラヤのあんぱんなんだけれどね……。もしかしたら、もう食べられなくなるかもしれないんだよ!!」
あたふたと慌てるクラウディアの次の言葉を自由騎士たちは待った。
「水鏡の予知では、イ・ラプセル北にあるヒムラヤあんぱん第一工場がばい菌のイブリースに襲われるらしいんだね! その結果、自由騎士団や国防騎士団へのあんぱん供給が途絶えるみたい! しかもね、恐ろしいことはそれだけじゃないんだよ……」
あんぱん工場が襲われてあんぱんが食べられなくなるのは、たしかに恐ろしいことだろう。
だが、クラウディアの鬼気迫る表情は、さらにその先に伝えたいことがあるようだ。
「そして、そのまま放置するとね……革命が起こるらしいんだよ! どういう訳だか、イ・ラプセル全土のあんぱん工場がばい菌のイブリースによって壊滅して、あんぱんが全滅するみたいだね! あんぱんを食べられなくなった国民が怒り狂って暴動やら内乱やらが起こるそうなんだよ!」
なんということだろう?
あんぱんの全滅が国家の危機にまで繋がってしまうとは!?
「みんな、お願い! あんぱんを救って! イ・ラプセルの明日をあんぱんで救って! かく言う私もヒムラヤのあんぱん大好きなんだよ!! あんぱん食べられなくなるなんてもう死にそうだよ!!」
菓子パン大好きであんぱんももちろん大好きなクラウディアは今にも泣きそうだ。
自由騎士団のあんぱん勇士の皆さん、どうかあんぱんの危機を救って頂けないだろうか。
もっちりとした歯ごたえの生地をかみ砕くと、じんわりと甘いあんこがたっぷり。
てっぺんには桜の塩漬けまで付いていて、適度な塩辛さが甘さをさらに引き立てる。
一度、食べれば、やみつきになること間違いなし。
その名は、ヒムラヤのあんぱん。
●ヒムラヤあんぱん第一工場
今やイ・ラプセルの国民食にまでなったというあんぱん。
あんぱんの歴史を紐解けば、アマノホカリまでたどり着く。
ヒムラヤあんぱんの創業者の名前は、天才ぱん職人アンザエモン・ヒムラ。
ヒムラが開いたぱん屋の会社だからヒムラヤ。
最初はアマノホカリのみにあった小さなぱん屋。
だが、今や、規模が拡大して、イ・ラプセルにも支店工場や販売先が増え続けている。
イ・ラプセル北の工業地域には、ヒムラヤあんぱんの第一工場、第一支店が存在する。
ヒムラヤの従業員たちは毎日、笑顔であんぱん製造や販売に励んでいる。
なぜなら、大好きなあんぱんのお仕事に人生を費やせるのだから。
だが、ある日、ある時を境に、ヒムラヤあんぱん第一工場に影が差す……。
『ベルトコンベヤーの調子が悪いな? どうなっているんだ!?…………。うわ! なんだこの真っ黒な変な奴!? ギャー、やめてくれ!!』
『あんぱんの発酵具合はどうだろう? 発酵室へ確認しに行こう!…………。うぎゃー!! 怪しい虫(?)みたいなのにぱん生地が全部やられている!?』
『さて、出荷に行くか。荷台の確認をしよう。…………。ぬおー!? 荷台のあんぱんが全部やられている!? ん? なんだこのゲジゲジのイガイガは!?』
『うふふ、今日もあんぱんがたくさん売れるといいわね。直売所の商品確認があったわね!…………。きゃー!! いやー!! 私たちのあんぱんがー!!』
製造室のベルトコンベヤー、発酵室、出荷トラック、オープンテラスがある直売所。
全ての箇所で「何者か」によるあんぱんへの襲撃が広がっていた。
挙句の果てには、巨大なばい菌が……。
いや、真っ黒なばい菌がイブリース化した姿だ。
バスケットボールほどの大きさでゲジゲジの顔にイガイガの棘があって浮遊している。
そいつは、手下のばい菌イブリースをたくさん連れて、製造室のあんぱんを片っ端から腐らせていた。
「貴様!! 我々の大事なあんぱんを冒涜してただでおくものかー!!」
ゴルフクラブを振り回して向かって行くのは、工場長だ。
「工場長、我々も続きます! あんぱんの仇を取りましょう!」
従業員の中でも戦える者たちはそれぞれ武器を取り、イブリースに向かって行った。
そう、俺たちのあんぱん自治は俺たちの力で守るんだ、と!
しかし、あんぱん勇士達の抵抗も虚しく、彼らはばい菌だらけになってその場で倒れた。
「ぐはっ……!? 体が変に熱い……毒か……麻痺か……」
「む、無念……。あんぱんを……守れなかった……」
「ぬぅぅ……。工場長として、こんな、最後なんて、嫌だ……。あんぱん、食いてえ……」
●クラウディアと悲劇の予知
自由騎士団が水鏡の前に集められた。
プラロークからとても大事な話があるというからだ。
「みんな、水鏡の情報だよ。今日はね~、すっごく大変!」
『元気印』クラウディア・フォン・プラテス(nCL3000004)は大慌てだ。
何がそんなに大変なのだろう!?
自由騎士たちは不可思議な顔をして、彼女の情報開示を待つ。
「突然だけれど、みんなはあんぱん好きかな? ヒムラヤのあんぱんってあるよね? 自由騎士団や国防騎士団の食堂や売店でも置いてあると思うんだけれど……」
ヒムラヤのあんぱんと言えば、国内でもとても有名なぱんだ。
自由騎士の中には、このあんぱんが大好物という人たちもたくさんいる。
「そう、そのヒムラヤのあんぱんなんだけれどね……。もしかしたら、もう食べられなくなるかもしれないんだよ!!」
あたふたと慌てるクラウディアの次の言葉を自由騎士たちは待った。
「水鏡の予知では、イ・ラプセル北にあるヒムラヤあんぱん第一工場がばい菌のイブリースに襲われるらしいんだね! その結果、自由騎士団や国防騎士団へのあんぱん供給が途絶えるみたい! しかもね、恐ろしいことはそれだけじゃないんだよ……」
あんぱん工場が襲われてあんぱんが食べられなくなるのは、たしかに恐ろしいことだろう。
だが、クラウディアの鬼気迫る表情は、さらにその先に伝えたいことがあるようだ。
「そして、そのまま放置するとね……革命が起こるらしいんだよ! どういう訳だか、イ・ラプセル全土のあんぱん工場がばい菌のイブリースによって壊滅して、あんぱんが全滅するみたいだね! あんぱんを食べられなくなった国民が怒り狂って暴動やら内乱やらが起こるそうなんだよ!」
なんということだろう?
あんぱんの全滅が国家の危機にまで繋がってしまうとは!?
「みんな、お願い! あんぱんを救って! イ・ラプセルの明日をあんぱんで救って! かく言う私もヒムラヤのあんぱん大好きなんだよ!! あんぱん食べられなくなるなんてもう死にそうだよ!!」
菓子パン大好きであんぱんももちろん大好きなクラウディアは今にも泣きそうだ。
自由騎士団のあんぱん勇士の皆さん、どうかあんぱんの危機を救って頂けないだろうか。
†シナリオ詳細†
■成功条件
1.あんぱん工場を救出する。
2.セレモニーであんぱんを美味しく召し上がる。
3.あんぱんへの愛と正義を貫く。
2.セレモニーであんぱんを美味しく召し上がる。
3.あんぱんへの愛と正義を貫く。
突然ですが、皆さんは、あんぱんはお好きですか?
あんぱん大好きなST、ヤトノカミです。
あんぱんは戦争とも深い関係がありますね。
日清戦争でも兵士にあんぱんが支給されたという話もあります。
<概略>
この依頼は、イブリース化したばい菌によってジャックされたあんぱん工場を救出するお話です。要するに、正義のあんぱんを守るために悪いばい菌を倒す勧善懲悪ものです。なぜ、ばい菌を倒すのかと? リスペクトすべきかの古典的名作からの伝統ですね。
この依頼は、戦闘もありますが、どちらかと言うと救出後にお礼のあんぱんを食べる方がメインです。難易度は「イージー」ですし、敵はあまり強くありません。また、国のあんぱんを守ることは「自国防衛強化」に繋がるのでこのタグです。
皆さんのあんぱんへの愛と正義に期待しています!
<あんぱんデータ>
今回の救出対象であるあんぱんについての詳細データです。
銘柄:ヒムラヤ(アマノホカリから伝わるあんぱんの老舗。創業者はアンザエモン・ヒムラ)
特徴:糖度45度の適度に甘いこしあんこ。酒種酵母と特製小麦粉のふっくらしたぱん。桜の花びらの塩漬け付き。(注:酒種とは米と麹と水から作られた発酵種です)
大きさ:手のひらサイズ程度。あんこは多め。
工場:イ・ラプセル北にヒムラヤの工場(イ・ラプセル支店)が複数あります。(本店はアマノホカリにあります)
販売先:自由騎士団や国防騎士団の食堂や売店でも販売されています。イ・ラプセル全土でも販売されている人気のあんぱんです。
その他:ヒムラヤやヒムラヤのあんぱんと既知設定OK。
<場所や状況など>
場所:ヒムラヤあんぱん第一工場(イ・ラプセル第一支店)
時間帯:朝から昼にかけて。
天候:一日中、晴れ。
気温:冬らしい寒さ。
状況:水鏡の予知により、自由騎士団が到着する頃、イブリース化したばい菌が工場ジャックを始めます。工場の人たちは戦闘を開始したり逃げたりしますが、逃げ遅れた人も何人かいます。避難誘導もして下さると助かります。
<戦場>
戦場は2か所に分かれます。「プレイング」ではどちらのエリアへ向かうか選んで入力お願いします。(余力があっても、なるべくならどちらかのエリアに絞り込んで下さる方が助かります)
補足となりますが、どちらの戦場であっても、今回は戦闘前に事前付与できます。
【A】工場外
工場外は、いわゆる工場出入り口周辺です。
出入り口周辺には、あんぱん直売所とその場で飲食できるオープンテラスがあります。
付近には、大型トラックも3台ほど停車しています。
このトラックはあんぱんを出荷するための車です。
直売所にもトラック荷台にもあんぱんがたくさんありますが、ばい菌イブリースがだめにしています。
自由騎士団到着頃、このエリアのばい菌イブリースが暴れ始めますので、皆さん、逃げ回ります。直売所とトラック付近で何人か逃げ遅れます。逃げ遅れた人たちを助け、イブリースを全て倒しましょう。
イブリースの数(ザコ)は総菌数40個体です。このエリアにボスはいません。
【B】工場内
工場内は、工場出入り口から内部へ入って以降のエリアです。
このエリアは主にあんぱんを造るための製造エリアです。
ベルトコンベヤー(あんぱんが成形されたり焼かれたり冷却されたり包装されたり)や発酵室(あんぱんを発酵したり)などがあります。
当然、ベルトコンベヤーにも発酵室にもたくさんの製造中のあんぱんがあります。
ばい菌イブリースがこれらをだめにしています。
このエリアも自由騎士団到着同時にイブリースが暴れ出します。製造エリアではちょうど工場長たちの戦闘が発生する頃です。皆さん、戦うなり逃げるなりしています。工場長や逃げ遅れた人たちを助け、イブリースを全て倒しましょう。
イブリースの数(ザコ)は総菌数20個体です。このエリアにボスがいます。
<敵対NPC>
●バイキーン
エリアAとBのどちらにもいるザコです。ばい菌がイブリース化しました。野球ボールぐらいの大きさです。ゲジゲジの顔とトゲトゲがついています。
デフォルト攻撃は、近接攻撃の「ばい菌アタック」です。スキルは、「ばい菌振り撒きアタック」です。(【ポイズン1】、【パラライズ1】、【バーン1】のどれかをデフォルト攻撃に加えます)
エリアAに40個体、Bに20個体いますが、デフォルト攻撃1発で倒れます。
●バイキーング
エリアBにいるボスです。イブリース化したばい菌が最大に合体した姿とも言います。バスケットボールぐらいの大きさです。ゲジゲジの顔とトゲトゲがついています。
デフォルト攻撃は、近接攻撃の「ばい菌アタック」です。スキルは、「ばい菌振り撒きアタック」です。(【ポイズン1】、【パラライズ1】、【バーン1】のどれかをデフォルト攻撃に加えます)EXスキルは、「倍々菌」です。(遠距離範囲攻撃。【ポイズン2】、【パラライズ2】、【バーン2】を同時に放ちます)
ボスですが、強さはお察しの程です。ボスを倒しても残っているザコは依然と暴れています。(全滅必須)
<攻略後>
自由騎士団や国防騎士団にとって重要なあんぱんを救出したので褒美が出ます。
後日、工場外のオープンテラスで皆さんが祝福されながらセレモニーが行われます。
工場外のオープンテラスでヒムラヤのあんぱんを好きなだけ食べ放題+飲み放題(ソフトドリンクのみ)です!
提供はヒムラヤ、飲食費を支払うのは国です。(ちょっとした英雄扱いです)
セレモニーにも「プレイング」を自由にかけられます。
祝辞をさらっと述べてもいいですし、熱く演説されてもいいです。
あんぱんを早食いしても、大食いしても、じっくり味わっても、愛でてもいいです。
<EX>
アドリブを特に入れたい人は、「アドリブ多め」とご入力を。あんぱんで例えると、「あんこ多め」みたいなものです。
<サポート>
救出作戦を少しでも手伝って下さったら、セレモニーであんぱん出します。
解説は以上です。
よろしくお願いいたします。
あんぱん大好きなST、ヤトノカミです。
あんぱんは戦争とも深い関係がありますね。
日清戦争でも兵士にあんぱんが支給されたという話もあります。
<概略>
この依頼は、イブリース化したばい菌によってジャックされたあんぱん工場を救出するお話です。要するに、正義のあんぱんを守るために悪いばい菌を倒す勧善懲悪ものです。なぜ、ばい菌を倒すのかと? リスペクトすべきかの古典的名作からの伝統ですね。
この依頼は、戦闘もありますが、どちらかと言うと救出後にお礼のあんぱんを食べる方がメインです。難易度は「イージー」ですし、敵はあまり強くありません。また、国のあんぱんを守ることは「自国防衛強化」に繋がるのでこのタグです。
皆さんのあんぱんへの愛と正義に期待しています!
<あんぱんデータ>
今回の救出対象であるあんぱんについての詳細データです。
銘柄:ヒムラヤ(アマノホカリから伝わるあんぱんの老舗。創業者はアンザエモン・ヒムラ)
特徴:糖度45度の適度に甘いこしあんこ。酒種酵母と特製小麦粉のふっくらしたぱん。桜の花びらの塩漬け付き。(注:酒種とは米と麹と水から作られた発酵種です)
大きさ:手のひらサイズ程度。あんこは多め。
工場:イ・ラプセル北にヒムラヤの工場(イ・ラプセル支店)が複数あります。(本店はアマノホカリにあります)
販売先:自由騎士団や国防騎士団の食堂や売店でも販売されています。イ・ラプセル全土でも販売されている人気のあんぱんです。
その他:ヒムラヤやヒムラヤのあんぱんと既知設定OK。
<場所や状況など>
場所:ヒムラヤあんぱん第一工場(イ・ラプセル第一支店)
時間帯:朝から昼にかけて。
天候:一日中、晴れ。
気温:冬らしい寒さ。
状況:水鏡の予知により、自由騎士団が到着する頃、イブリース化したばい菌が工場ジャックを始めます。工場の人たちは戦闘を開始したり逃げたりしますが、逃げ遅れた人も何人かいます。避難誘導もして下さると助かります。
<戦場>
戦場は2か所に分かれます。「プレイング」ではどちらのエリアへ向かうか選んで入力お願いします。(余力があっても、なるべくならどちらかのエリアに絞り込んで下さる方が助かります)
補足となりますが、どちらの戦場であっても、今回は戦闘前に事前付与できます。
【A】工場外
工場外は、いわゆる工場出入り口周辺です。
出入り口周辺には、あんぱん直売所とその場で飲食できるオープンテラスがあります。
付近には、大型トラックも3台ほど停車しています。
このトラックはあんぱんを出荷するための車です。
直売所にもトラック荷台にもあんぱんがたくさんありますが、ばい菌イブリースがだめにしています。
自由騎士団到着頃、このエリアのばい菌イブリースが暴れ始めますので、皆さん、逃げ回ります。直売所とトラック付近で何人か逃げ遅れます。逃げ遅れた人たちを助け、イブリースを全て倒しましょう。
イブリースの数(ザコ)は総菌数40個体です。このエリアにボスはいません。
【B】工場内
工場内は、工場出入り口から内部へ入って以降のエリアです。
このエリアは主にあんぱんを造るための製造エリアです。
ベルトコンベヤー(あんぱんが成形されたり焼かれたり冷却されたり包装されたり)や発酵室(あんぱんを発酵したり)などがあります。
当然、ベルトコンベヤーにも発酵室にもたくさんの製造中のあんぱんがあります。
ばい菌イブリースがこれらをだめにしています。
このエリアも自由騎士団到着同時にイブリースが暴れ出します。製造エリアではちょうど工場長たちの戦闘が発生する頃です。皆さん、戦うなり逃げるなりしています。工場長や逃げ遅れた人たちを助け、イブリースを全て倒しましょう。
イブリースの数(ザコ)は総菌数20個体です。このエリアにボスがいます。
<敵対NPC>
●バイキーン
エリアAとBのどちらにもいるザコです。ばい菌がイブリース化しました。野球ボールぐらいの大きさです。ゲジゲジの顔とトゲトゲがついています。
デフォルト攻撃は、近接攻撃の「ばい菌アタック」です。スキルは、「ばい菌振り撒きアタック」です。(【ポイズン1】、【パラライズ1】、【バーン1】のどれかをデフォルト攻撃に加えます)
エリアAに40個体、Bに20個体いますが、デフォルト攻撃1発で倒れます。
●バイキーング
エリアBにいるボスです。イブリース化したばい菌が最大に合体した姿とも言います。バスケットボールぐらいの大きさです。ゲジゲジの顔とトゲトゲがついています。
デフォルト攻撃は、近接攻撃の「ばい菌アタック」です。スキルは、「ばい菌振り撒きアタック」です。(【ポイズン1】、【パラライズ1】、【バーン1】のどれかをデフォルト攻撃に加えます)EXスキルは、「倍々菌」です。(遠距離範囲攻撃。【ポイズン2】、【パラライズ2】、【バーン2】を同時に放ちます)
ボスですが、強さはお察しの程です。ボスを倒しても残っているザコは依然と暴れています。(全滅必須)
<攻略後>
自由騎士団や国防騎士団にとって重要なあんぱんを救出したので褒美が出ます。
後日、工場外のオープンテラスで皆さんが祝福されながらセレモニーが行われます。
工場外のオープンテラスでヒムラヤのあんぱんを好きなだけ食べ放題+飲み放題(ソフトドリンクのみ)です!
提供はヒムラヤ、飲食費を支払うのは国です。(ちょっとした英雄扱いです)
セレモニーにも「プレイング」を自由にかけられます。
祝辞をさらっと述べてもいいですし、熱く演説されてもいいです。
あんぱんを早食いしても、大食いしても、じっくり味わっても、愛でてもいいです。
<EX>
アドリブを特に入れたい人は、「アドリブ多め」とご入力を。あんぱんで例えると、「あんこ多め」みたいなものです。
<サポート>
救出作戦を少しでも手伝って下さったら、セレモニーであんぱん出します。
解説は以上です。
よろしくお願いいたします。
状態
完了
完了
報酬マテリア
1個
1個
5個
1個




参加費
100LP [予約時+50LP]
100LP [予約時+50LP]
相談日数
6日
6日
参加人数
6/8
6/8
公開日
2018年12月22日
2018年12月22日
†メイン参加者 6人†
●工場外
自由騎士団が到着した頃、ヒムヤラあんぱん第一工場はパニック状態だった。
工場外では、ばい菌のイブリースが従業員を襲い、あんぱんを腐らせ、暴れ回っている。
もはや見てはいられない!
『挺身の』アダム・クランプトン(CL3000185)が正々堂々と名乗りを上げた。
「我が名は、あんぱんのガーディアン、アダム・クランプトン! あんぱんを愛する同志達よ! バイキーンを恐れる必要はない! 君達のあんぱんを愛する心さえあれば、僕達は無敵の勇気を得られる! さぁ、慌てず落ち着いて下がって!」
アダムの名乗りは、正面でバイキーンに囲まれていた3人の従業員たちの希望の光となった。まさかのオラクル登場だ!
アダムは残影をまとい接近しながら、素早く揺らぎ、さっそく1個体を拳で仕留める。
そして、従業員たちの前に立ち、敵勢の攻撃を漏れなくガードした。
「半々に分かれよう! この場は僕に任せて欲しい! 少なくとも内3人は工場内へ急いで!」
水鏡の予知にあった未来を許してはいけない。
仲間の内、3人が全力で走り出し、工場内へ駆け込んだ。
***
(わたしだって……皆の大好きなあんぱん工場を守りたい!)
『黒砂糖はたからもの』リサ・スターリング(CL3000343)は、出荷トラックに向かって全力で走った。
トラックの近くで逃げ遅れている人たちがいるからだ!
リサは、バイキーンたちの怪しい菌攻撃をすらりと避けながら重い拳で衝撃を放つ!
余りある衝撃は貫通し、後部にいるバイキーンすらも浄化した。
「工場の人達、大丈夫!? わたし達は自由騎士団だよ! 助けに来たよ!」
アダムが真正面へ、リサがトラックへ、そして『貫く正義』ラメッシュ・K・ジェイン(CL3000120)は、直売所とオープンテラスへ駆け付けた。
ラメッシュは、目の前の数個体のバイキーンと対峙する。
バイキーンの背後には、怯えて震えている従業員たちがいる。
「これほど有名な工場だ。ここの工場が動かなければ、国にとっても大きな影響が出るだろう。奴らの悪事を止めない理由はない。我が正義の下で朽ち果てるといい!」
ラメッシュが拳に力を込めて全力で殴りにかかる!
バイキーンらは、打撃の衝撃で朽ち果て、浄化される。
「ワタシは戦うヒーラー、ラメッシュ。怪我をしているようだな? 今、治そう……」
従業員はバイキーンにやられて右腕に炎症を起こしていた。
もう一人の従業員は毒を盛られたようで苦しそうだ。
ラメッシュは、彼らの状態異常を取り除き、回復に努める。
もちろん、バイキーンも黙って見ている訳がない。
ラメッシュは、イェソドの加護で不意打ちを回避しつつ、鋭い拳で打ち返す。
さらに、ぱぱっと敵勢をスキャン。
(ふむ……。ザコの群れだな。ザコはザコだが、状態異常攻撃がやっかいだ。ポイズン、パラライズ、バーンか……)
ラメッシュは、やや遠くで戦っているアダムとリサに向かって大声で叫ぶ。
『気を付けろ! 敵は状態異常攻撃を3種類も持っているぞ!』
***
バイキーンは、1個体ずつは弱い。
アダムが普通に攻撃するだけで軽く倒される。
だが、多勢に無勢だ。
倒しても、続々と現れて、アダムは周辺をバイキーンに囲まれていた。
おまけに彼は菌によって火傷までしていた。
従業員たちが泣き顔でアダムの背後で怯えている。
アダムは同志3人を庇いながら戦っているが、こうも囲まれてしまっては!?
バイキーンたちは、次の攻撃でアダムを始末するつもりのようだ。
危うい菌をちらつかせながら総攻撃に入る!
「ははは! 引っ掛かったね!? もらったあああ!!」
アダムは怯むどころか笑っていた。
彼の体内で圧縮された気力が、蒸気の身体や鎧を通して、一気に解き放たれる!
バチバチバチバチ……!!
圧倒的な気のオーラが炸裂し、周辺にいたバイキーン10数個体を一撃で全滅させた。
もちろん、従業員が零れ弾をもらうなんてことはなく。
「おや!? まだいるみたいだね!? あんぱああん、がああでぃあああん、ぱあああんち!!」
アダムの右腕が蒸気と魔導の力で最大限に煌めく。
必殺の拳からは鮮やかな山吹色が放射された!
どかああああん!!
≪山吹色の掌撃≫がきれいに決まった瞬間であった。
敵勢を滅し、アダムはきらりと笑う。
「正義は負けない!! あんぱんは正義!!」
***
アダムが正面の敵を全滅させている頃、リサは苦戦していた。
トラックの方もそれなりに敵が多い。
リサは一人で10個体程度の数を相手にしていたのだ。
「はあ、はあ……。なんか、体が、つらいね……」
バイキーンからの菌攻撃を受け、猛毒が彼女の体に回っていた。
体力がじわじわと削られる。
「ま、負けるものか……。ばい菌を倒して……工場の人やあんぱんを守らないと!」
リサの拳を回避し、バイキーンたちは嘲笑うかのように集り出す。
だが、バイキーンの悪が実現することはなかった。
正義のあんぱん、いや、正義のラメッシュ登場!
「成敗!! 正義の邪魔をするな!!」
ラメッシュの衝撃の蹴りを受けて、バイキーン2個体が消えて浄化。
そして、即座にリサの異常をすっきりと治す。
「ふう、ありがとう。直売所の方はもういいの?」
「うむ。あちらは数が少なくて制圧がすぐに終わった。さて、ここもさっさと片付けるぞ!」
リサとラメッシュが背向かいにコンビを組んで、正義の格闘技をもって、悪を迎え撃つ。
バイキーンたちは次第に数を減らし、ばったばったと倒されていった。
工場外、制圧完了!
●工場内
工場外でアダムたちが暴れ始めた頃、友軍の3人は正面玄関から工場内へ突入していた。
工場内でも既に戦闘が開始されていて、玄関で従業員たちがバイキーンに襲われていた。
「ちぇすとおおお!!」
全力速度の刃の一撃で突っ込んで来たのは『異邦のサムライ』サブロウ・カイトー(CL3000363)だ。
「遅い!!」
猛速度の拳の刃で突進して来たもう一人は『水の国の騎士』ライカ・リンドヴルム(CL3000405)だ。
二人の先手攻撃を受けて、バイキーン2個体が浄化された。
さらに敵陣の後衛にいたバイキーンの1個体は、友軍の後衛にいた『まいどおおきに!』シェリル・八千代・ミツハシ(CL3000311)の魔炎によって焼かれて追加浄化。
「ばい菌、許すまじですぅ〜!」
倒し終えると、シェリルは怯えている従業員に向かって優しく話しかける。
「はい〜! 従業員の皆さん、危ないですのでぇ、あとは自由騎士にお任せ下さいねぇ〜! ヒムラヤのあんぱんは、わたし達が守りますぅ〜!!」
その声を聴いて軽く歓声が上がった。
もうダメかと思っていたからだ。
サブロウが若い従業員ににこやかに問いかける。
「君たちは工場内の構造を熟知しておられるでしょうね。よかったら、おじさんに製造室の場所を教えてくれませんか?」
あちらです、と若手たちは指をまっすぐの方向に指した。
同時に、ライカが目利きのスキルで前方を透視して見通した。
「いた! でかい敵……おそらくボスね。いけない! 工場長たちの戦闘が始まるわ! 早く駆け付けないと!!」
さて、従業員たちはどうしたものか。
避難させたいのだが、今は工場外も内も激戦中だ。
彼らを守るという前提で、案内も任せ、一緒に来てもらうことにした。
***
「貴様!! 我々の大事なあんぱんを冒涜してただでおくものかー!!」
工場長達が、武器を振り回して向かって行くあのシーンが現実に再現される。
バイキーングは不敵に下品な笑いを浮かべていた。
怪しくふりふりと踊る。
倍々菌、倍々菌、倍々菌……!!
「やめるんだ、バイキーング!!」
「間に合って!!」
製造室に着くや否や、サブロウとライカが急いで戦闘中の従業員たちの間に割り込む。
そして、前衛に入り込み、≪倍々菌≫をブロックする。
「うぎゃあああ!!」
サブロウが菌の炎症に焼かれる。
「くっ!!」
ライカは猛毒がぐるぐると回り膝を就く。
「ぬおお!?」
ブロックが間に合わず、工場長も攻撃を受け、下半身が痺れて動けなくなる。
シェリルは、連れて来ていた背後の従業員たちを守るのがやっとだった。
魔導で手前のイブリースたちを焼却除菌しても、続々と湧いてくる。
サブロウは焼かれた左腕を押さえながらも、虎視眈々としている。
(はあ、はあ……。やってくれますね……。ヒムラヤのあんぱんが危機という話は、全くもって……聞き捨てなりませんでした。僕などは、あんぱんに何度、命を救われたか……わかりません……。そのあんぱんが……救いを求めている。ここで倒れる訳には行きません!)
ライカも毒気でふらつきながらも眼光は鋭さを保っている。
(あんぱんにばい菌……しかもそれがイブリース化……。恐ろしい敵ね……。でも、絶対に、素早く倒して……あんぱんを救わなきゃ! あんぱんをばい菌ごときに汚されてなるものですか!! あんぱんを汚す敵に容赦はしないわ!!)
サブロウとライカはお互いに伝えたいことがあった。
アイコンタクトを取るや否や、うん、と頷く。
そう、反撃だ!!
残像を散らせながら、龍が牙を剥くかのように突撃するのはライカだ。
龍の名を冠する二つの籠手を両手に構え、バイキーングの右側面へ打撃・貫通撃で裁く。
ゆらりと揺れながら、まるで強風に吹かれたように太刀を振るのはサブロウだ。愛刀を突きの構えにて、真正面からバイキーングを刺殺、天誅。
きらきら、と眩い光が飛び出して、バイキーングは浄化され散って行った……。
「ふう、大将の首、取りましたね……」
「なんとか、ね……」
サブロウやライカが安堵していたのも束の間。
シェリルはザコたちの相手をしていたが、袋叩きにされて火傷していた。
「こらぁ~!! 近寄るんじゃありませ~ん!!」
魔導書を両手に持って、ばたばたとバイキーンたちを叩き落とす。
さすがに弱いのか、通常攻撃でも普通に倒されていた。
もちろん、サブロウとライカがすぐに加勢に入る。
(工場の皆さんでバイキーン1個体を囲んで叩いて欲しかったのですが、奴らは状態異常攻撃もあるようですね……)
サブロウが指示を迷っていると、ライカが助言した。
「シェリル、ここにいる人達を連れて撤退して! 残党はアタシたちが引き受けるから……げほ、げほ」
状態異常回復ができる人もいないのであれば、足手まといの工場の人達は逃がして、速攻で残党を叩いた方が良策という判断だ。
「わっかりましたぁ~! 工場の皆さんはぁ、わたしに続いてぇ、くださ~い!!」
シェリルに率いられて、工場長や従業員は速やかに撤退した。
工場外までエスコートしたが、幸い、道中に新しいバイキーンが現れることはなかった。
「リンドヴルム卿、大丈夫ですか?(ま、僕もまだ腕が熱いですが)残すところ、あと10個体もいなそうですね……。んじゃ、僕は発酵室で隠れている奴らの始末に行きましょう」
「ふん、誰が大丈夫よ? ぴんぴんしているわ! いいわ、ベルトコンベヤー周辺にいる全部の敵はアタシが引き受けるわよ!(く、毒が抜けない! 早めに倒さないと!)」
その後、二人の迅速な対応により、残りわずかなイブリースも全て退治されたのであった。
工場内も制圧完了!
●セレモニー
自由騎士団がヒムラヤの工場を救出して数日後……。
ぱんぱかぱ~ん!!
本日は、自由騎士たちを祝福するあんぱんのセレモニーが工場で開催されている。
救出された工場長と従業員が主催して、国が後援している。
工場長に開会の挨拶を促されて、アダムが席を立つ。
アダムは演説の講壇に立ち、あんぱんを壇上にそっと置き、愛しくなでなでする。
そして襟を正し、堂々とした声と表情で会場に語りかける。
「本日は、僕達、自由騎士団の活動を祝福する祭典を催して頂き、誠にありがとうございます。僕は、今日、改めてこの場でヒムラヤの人達に日頃の感謝を述べたい! ヒムラヤの皆さんのあんぱんへの不断の愛がこの素晴らしいあんぱんを作っているのだと。このあんぱんはこの国の、いや世界の誇りだ! 色々と伝えたい言葉はあるけれど今はこの一言だけ。あんぱんは美味しい! 美味しいは正義!」
『あ・ん・ぱ・ん!!』
『あーんーぱーんー!!』
『それは美味。美味は正義!!』
国民はあんぱんコールで熱狂した。
アダムの次にサブロウが壇上に上がって来た。
工場長に紹介され、熱く語り出す。
「あんぱんと言えば、牛乳。しかし、牛乳ですが、僕はこちらに来てから馴染みましたね。故国にもハイカラを謳って売り出す者はいたようですが、如何せん高くついたもので……。一日の活力にもなるのが牛乳ですが、あんぱんと同時に喫することでその滋味は倍増されるのです。警察任務に就く国防騎士の間では、『長時間の張り込みにはあんぱんと牛乳』と言う定番が存在するのは有名な話ですね……」
サブロウはあんぱんを持ち上げて空高く掲げる。
「そして、もちろん僕も大好物です。王都の平和に貢献するあんぱんに、感謝と敬意を込めて……。さあ、みんなで言いましょう! 頂きます!」
『頂きます!!』
サブロウの呼びかけと共に、会場の全員が「頂きます」を叫び、あんぱんに噛り付く。
アダムもサブロウもあんぱんをじっくり味わい幸せそうだ。
***
リサは、あんぱんの登場にわくわくどきどきしていた。
(わたし、あんぱんって食べたことないんだよね……。どんな味がするのかな? すっごく楽しみ!)
リサが座っている席のテーブルには、出来立てアツアツのあんぱんが大盛で乗せられた。
リサは涎を垂らしそうになりながら、あんぱんをそっと手に取り、噛り付く。
「ん~!! 生地のもっちもち感、なんという優しい膨らみ方なの! あんもじんわりと甘くて、口いっぱいに広がるよ! 何このてっぺんのお花? 桜かな? あれ? 塩味……。あ、程よい塩辛さが甘さをさらに引き出しているのね!!」
リサがぱくぱくと食べ続けていると、アマノホカリの温かいお茶も出された。
「ずずず……。ううん、緑色のお茶の苦みとあんぱんの甘みが完全にマッチしているね! いくらでも食べられそう~!!」
リサはこの瞬間、フードファイターの因子を覚醒させた。
凄まじい勢いで、ばくばくと、食べる、食べる、食べる!!
隣で見ていたラメッシュは、わはは、と笑っていた。
「いやあ、見事な食べっぷり。美味しいあんぱんを美味しく食すことはまさに正義! では、ワタシも遠慮なく頂こう!」
ラメッシュは、まさか豊穣祭の早食い大食い大会で選手だったリサとは競争しない。
彼は彼なりに味わって美味しく頂く。
今回の事件における自身の正義に納得しながら、沈黙したまま食べ続けるのであった。
***
シェリルは、出来立てあんぱんを受け取りにこにこしていた。
(ヒムラヤのあんぱんを頂けるなんてありがたいですねぇ〜。アマノホカリの和菓子を扱う者として、大手ヒムラヤのセレモニーに参加できるのはちょっと役得ですぅ! わたしも国民に愛される和菓子作りをもっともーと研究しなければなりませんね〜!)
もぐもぐ……。
さっそく、あんぱんを楽しそうに食べだす。
「ふぅ〜。美味しいですねぇ〜。……あら? 美味しすぎてついペロッと食べてしまいました〜。もう一個……あー美味しいですぅ〜。……あらら? また一個? ダイエットしていたのにぃ、これ以上はぁ、ダメぇ~!!」
そこに工場長がやって来た。
「おや? 改めて、八千代堂の店主ではありませんか? 私、こういう者です!」
「あら? あなたは、ええと~!?」
シェリルは、一度、食べるのを止めて、工場長と名刺交換した。
「この度は、不肖私共の工場を助けて頂き感謝しております。いやあ、私、和菓子が大好きでしてね。貴店の和菓子にはよく世話になっておるのですよ」
「いえいえ~、そんなぁ! 大手のヒムラヤさんからぁ、そう言って頂けるなんてぇ~!! こちらこそぉ、どうぞ今後ともぉ、よろしくお願いいたしますねぇ~!!」
二人が会話している横で、ライカもあんぱんをもぐもぐと満足そうに食べていた。
あんこの秘密について「教えてくださぁい」「いえいえ企業秘密です」みたいなやり取りがされている中、ライカがさりげなく会話に入る。
「あんぱんと一口に言っても、奥が深いのよね。餡の種類だけでもこし餡、つぶ餡、白餡、うぐいす餡とかもあるわね。あんこと生クリームも合うし、ゴマ餡なんてものもあるけれど。楽しみ方は様々だわ。キミらの会社では、他の種類のあんぱんを扱ってはいないのかしら? もしあれば、せっかくだから食べ比べとかしたいわ!」
工場長がにこやかに答える。
「はい、もちろん私共の会社ではそのようなあんぱんも扱っております。ただ、私共は、イ・ラプセル支店の第一工場でして、元祖ヒムラヤのあんぱんを扱うレーンでございます。よろしかったら、いずれ他のレーンのあんぱんもご賞味ください」
シェリルがにやにやとライカに問う。
「甘い物が相当ぅ、お好きなんですねぇ~?」
ライカが照れて答える。
「って、別に甘いものが大好きとかじゃないわよ!? これはこっちに来てから世話してもらった人からの受け売りっていうか!」
あはは、とみんなで笑えてセレモニーもめでたく幕を閉じた。
イ・ラプセルのあんぱんの愛と正義はこうして無事に守られたのであった。
了
自由騎士団が到着した頃、ヒムヤラあんぱん第一工場はパニック状態だった。
工場外では、ばい菌のイブリースが従業員を襲い、あんぱんを腐らせ、暴れ回っている。
もはや見てはいられない!
『挺身の』アダム・クランプトン(CL3000185)が正々堂々と名乗りを上げた。
「我が名は、あんぱんのガーディアン、アダム・クランプトン! あんぱんを愛する同志達よ! バイキーンを恐れる必要はない! 君達のあんぱんを愛する心さえあれば、僕達は無敵の勇気を得られる! さぁ、慌てず落ち着いて下がって!」
アダムの名乗りは、正面でバイキーンに囲まれていた3人の従業員たちの希望の光となった。まさかのオラクル登場だ!
アダムは残影をまとい接近しながら、素早く揺らぎ、さっそく1個体を拳で仕留める。
そして、従業員たちの前に立ち、敵勢の攻撃を漏れなくガードした。
「半々に分かれよう! この場は僕に任せて欲しい! 少なくとも内3人は工場内へ急いで!」
水鏡の予知にあった未来を許してはいけない。
仲間の内、3人が全力で走り出し、工場内へ駆け込んだ。
***
(わたしだって……皆の大好きなあんぱん工場を守りたい!)
『黒砂糖はたからもの』リサ・スターリング(CL3000343)は、出荷トラックに向かって全力で走った。
トラックの近くで逃げ遅れている人たちがいるからだ!
リサは、バイキーンたちの怪しい菌攻撃をすらりと避けながら重い拳で衝撃を放つ!
余りある衝撃は貫通し、後部にいるバイキーンすらも浄化した。
「工場の人達、大丈夫!? わたし達は自由騎士団だよ! 助けに来たよ!」
アダムが真正面へ、リサがトラックへ、そして『貫く正義』ラメッシュ・K・ジェイン(CL3000120)は、直売所とオープンテラスへ駆け付けた。
ラメッシュは、目の前の数個体のバイキーンと対峙する。
バイキーンの背後には、怯えて震えている従業員たちがいる。
「これほど有名な工場だ。ここの工場が動かなければ、国にとっても大きな影響が出るだろう。奴らの悪事を止めない理由はない。我が正義の下で朽ち果てるといい!」
ラメッシュが拳に力を込めて全力で殴りにかかる!
バイキーンらは、打撃の衝撃で朽ち果て、浄化される。
「ワタシは戦うヒーラー、ラメッシュ。怪我をしているようだな? 今、治そう……」
従業員はバイキーンにやられて右腕に炎症を起こしていた。
もう一人の従業員は毒を盛られたようで苦しそうだ。
ラメッシュは、彼らの状態異常を取り除き、回復に努める。
もちろん、バイキーンも黙って見ている訳がない。
ラメッシュは、イェソドの加護で不意打ちを回避しつつ、鋭い拳で打ち返す。
さらに、ぱぱっと敵勢をスキャン。
(ふむ……。ザコの群れだな。ザコはザコだが、状態異常攻撃がやっかいだ。ポイズン、パラライズ、バーンか……)
ラメッシュは、やや遠くで戦っているアダムとリサに向かって大声で叫ぶ。
『気を付けろ! 敵は状態異常攻撃を3種類も持っているぞ!』
***
バイキーンは、1個体ずつは弱い。
アダムが普通に攻撃するだけで軽く倒される。
だが、多勢に無勢だ。
倒しても、続々と現れて、アダムは周辺をバイキーンに囲まれていた。
おまけに彼は菌によって火傷までしていた。
従業員たちが泣き顔でアダムの背後で怯えている。
アダムは同志3人を庇いながら戦っているが、こうも囲まれてしまっては!?
バイキーンたちは、次の攻撃でアダムを始末するつもりのようだ。
危うい菌をちらつかせながら総攻撃に入る!
「ははは! 引っ掛かったね!? もらったあああ!!」
アダムは怯むどころか笑っていた。
彼の体内で圧縮された気力が、蒸気の身体や鎧を通して、一気に解き放たれる!
バチバチバチバチ……!!
圧倒的な気のオーラが炸裂し、周辺にいたバイキーン10数個体を一撃で全滅させた。
もちろん、従業員が零れ弾をもらうなんてことはなく。
「おや!? まだいるみたいだね!? あんぱああん、がああでぃあああん、ぱあああんち!!」
アダムの右腕が蒸気と魔導の力で最大限に煌めく。
必殺の拳からは鮮やかな山吹色が放射された!
どかああああん!!
≪山吹色の掌撃≫がきれいに決まった瞬間であった。
敵勢を滅し、アダムはきらりと笑う。
「正義は負けない!! あんぱんは正義!!」
***
アダムが正面の敵を全滅させている頃、リサは苦戦していた。
トラックの方もそれなりに敵が多い。
リサは一人で10個体程度の数を相手にしていたのだ。
「はあ、はあ……。なんか、体が、つらいね……」
バイキーンからの菌攻撃を受け、猛毒が彼女の体に回っていた。
体力がじわじわと削られる。
「ま、負けるものか……。ばい菌を倒して……工場の人やあんぱんを守らないと!」
リサの拳を回避し、バイキーンたちは嘲笑うかのように集り出す。
だが、バイキーンの悪が実現することはなかった。
正義のあんぱん、いや、正義のラメッシュ登場!
「成敗!! 正義の邪魔をするな!!」
ラメッシュの衝撃の蹴りを受けて、バイキーン2個体が消えて浄化。
そして、即座にリサの異常をすっきりと治す。
「ふう、ありがとう。直売所の方はもういいの?」
「うむ。あちらは数が少なくて制圧がすぐに終わった。さて、ここもさっさと片付けるぞ!」
リサとラメッシュが背向かいにコンビを組んで、正義の格闘技をもって、悪を迎え撃つ。
バイキーンたちは次第に数を減らし、ばったばったと倒されていった。
工場外、制圧完了!
●工場内
工場外でアダムたちが暴れ始めた頃、友軍の3人は正面玄関から工場内へ突入していた。
工場内でも既に戦闘が開始されていて、玄関で従業員たちがバイキーンに襲われていた。
「ちぇすとおおお!!」
全力速度の刃の一撃で突っ込んで来たのは『異邦のサムライ』サブロウ・カイトー(CL3000363)だ。
「遅い!!」
猛速度の拳の刃で突進して来たもう一人は『水の国の騎士』ライカ・リンドヴルム(CL3000405)だ。
二人の先手攻撃を受けて、バイキーン2個体が浄化された。
さらに敵陣の後衛にいたバイキーンの1個体は、友軍の後衛にいた『まいどおおきに!』シェリル・八千代・ミツハシ(CL3000311)の魔炎によって焼かれて追加浄化。
「ばい菌、許すまじですぅ〜!」
倒し終えると、シェリルは怯えている従業員に向かって優しく話しかける。
「はい〜! 従業員の皆さん、危ないですのでぇ、あとは自由騎士にお任せ下さいねぇ〜! ヒムラヤのあんぱんは、わたし達が守りますぅ〜!!」
その声を聴いて軽く歓声が上がった。
もうダメかと思っていたからだ。
サブロウが若い従業員ににこやかに問いかける。
「君たちは工場内の構造を熟知しておられるでしょうね。よかったら、おじさんに製造室の場所を教えてくれませんか?」
あちらです、と若手たちは指をまっすぐの方向に指した。
同時に、ライカが目利きのスキルで前方を透視して見通した。
「いた! でかい敵……おそらくボスね。いけない! 工場長たちの戦闘が始まるわ! 早く駆け付けないと!!」
さて、従業員たちはどうしたものか。
避難させたいのだが、今は工場外も内も激戦中だ。
彼らを守るという前提で、案内も任せ、一緒に来てもらうことにした。
***
「貴様!! 我々の大事なあんぱんを冒涜してただでおくものかー!!」
工場長達が、武器を振り回して向かって行くあのシーンが現実に再現される。
バイキーングは不敵に下品な笑いを浮かべていた。
怪しくふりふりと踊る。
倍々菌、倍々菌、倍々菌……!!
「やめるんだ、バイキーング!!」
「間に合って!!」
製造室に着くや否や、サブロウとライカが急いで戦闘中の従業員たちの間に割り込む。
そして、前衛に入り込み、≪倍々菌≫をブロックする。
「うぎゃあああ!!」
サブロウが菌の炎症に焼かれる。
「くっ!!」
ライカは猛毒がぐるぐると回り膝を就く。
「ぬおお!?」
ブロックが間に合わず、工場長も攻撃を受け、下半身が痺れて動けなくなる。
シェリルは、連れて来ていた背後の従業員たちを守るのがやっとだった。
魔導で手前のイブリースたちを焼却除菌しても、続々と湧いてくる。
サブロウは焼かれた左腕を押さえながらも、虎視眈々としている。
(はあ、はあ……。やってくれますね……。ヒムラヤのあんぱんが危機という話は、全くもって……聞き捨てなりませんでした。僕などは、あんぱんに何度、命を救われたか……わかりません……。そのあんぱんが……救いを求めている。ここで倒れる訳には行きません!)
ライカも毒気でふらつきながらも眼光は鋭さを保っている。
(あんぱんにばい菌……しかもそれがイブリース化……。恐ろしい敵ね……。でも、絶対に、素早く倒して……あんぱんを救わなきゃ! あんぱんをばい菌ごときに汚されてなるものですか!! あんぱんを汚す敵に容赦はしないわ!!)
サブロウとライカはお互いに伝えたいことがあった。
アイコンタクトを取るや否や、うん、と頷く。
そう、反撃だ!!
残像を散らせながら、龍が牙を剥くかのように突撃するのはライカだ。
龍の名を冠する二つの籠手を両手に構え、バイキーングの右側面へ打撃・貫通撃で裁く。
ゆらりと揺れながら、まるで強風に吹かれたように太刀を振るのはサブロウだ。愛刀を突きの構えにて、真正面からバイキーングを刺殺、天誅。
きらきら、と眩い光が飛び出して、バイキーングは浄化され散って行った……。
「ふう、大将の首、取りましたね……」
「なんとか、ね……」
サブロウやライカが安堵していたのも束の間。
シェリルはザコたちの相手をしていたが、袋叩きにされて火傷していた。
「こらぁ~!! 近寄るんじゃありませ~ん!!」
魔導書を両手に持って、ばたばたとバイキーンたちを叩き落とす。
さすがに弱いのか、通常攻撃でも普通に倒されていた。
もちろん、サブロウとライカがすぐに加勢に入る。
(工場の皆さんでバイキーン1個体を囲んで叩いて欲しかったのですが、奴らは状態異常攻撃もあるようですね……)
サブロウが指示を迷っていると、ライカが助言した。
「シェリル、ここにいる人達を連れて撤退して! 残党はアタシたちが引き受けるから……げほ、げほ」
状態異常回復ができる人もいないのであれば、足手まといの工場の人達は逃がして、速攻で残党を叩いた方が良策という判断だ。
「わっかりましたぁ~! 工場の皆さんはぁ、わたしに続いてぇ、くださ~い!!」
シェリルに率いられて、工場長や従業員は速やかに撤退した。
工場外までエスコートしたが、幸い、道中に新しいバイキーンが現れることはなかった。
「リンドヴルム卿、大丈夫ですか?(ま、僕もまだ腕が熱いですが)残すところ、あと10個体もいなそうですね……。んじゃ、僕は発酵室で隠れている奴らの始末に行きましょう」
「ふん、誰が大丈夫よ? ぴんぴんしているわ! いいわ、ベルトコンベヤー周辺にいる全部の敵はアタシが引き受けるわよ!(く、毒が抜けない! 早めに倒さないと!)」
その後、二人の迅速な対応により、残りわずかなイブリースも全て退治されたのであった。
工場内も制圧完了!
●セレモニー
自由騎士団がヒムラヤの工場を救出して数日後……。
ぱんぱかぱ~ん!!
本日は、自由騎士たちを祝福するあんぱんのセレモニーが工場で開催されている。
救出された工場長と従業員が主催して、国が後援している。
工場長に開会の挨拶を促されて、アダムが席を立つ。
アダムは演説の講壇に立ち、あんぱんを壇上にそっと置き、愛しくなでなでする。
そして襟を正し、堂々とした声と表情で会場に語りかける。
「本日は、僕達、自由騎士団の活動を祝福する祭典を催して頂き、誠にありがとうございます。僕は、今日、改めてこの場でヒムラヤの人達に日頃の感謝を述べたい! ヒムラヤの皆さんのあんぱんへの不断の愛がこの素晴らしいあんぱんを作っているのだと。このあんぱんはこの国の、いや世界の誇りだ! 色々と伝えたい言葉はあるけれど今はこの一言だけ。あんぱんは美味しい! 美味しいは正義!」
『あ・ん・ぱ・ん!!』
『あーんーぱーんー!!』
『それは美味。美味は正義!!』
国民はあんぱんコールで熱狂した。
アダムの次にサブロウが壇上に上がって来た。
工場長に紹介され、熱く語り出す。
「あんぱんと言えば、牛乳。しかし、牛乳ですが、僕はこちらに来てから馴染みましたね。故国にもハイカラを謳って売り出す者はいたようですが、如何せん高くついたもので……。一日の活力にもなるのが牛乳ですが、あんぱんと同時に喫することでその滋味は倍増されるのです。警察任務に就く国防騎士の間では、『長時間の張り込みにはあんぱんと牛乳』と言う定番が存在するのは有名な話ですね……」
サブロウはあんぱんを持ち上げて空高く掲げる。
「そして、もちろん僕も大好物です。王都の平和に貢献するあんぱんに、感謝と敬意を込めて……。さあ、みんなで言いましょう! 頂きます!」
『頂きます!!』
サブロウの呼びかけと共に、会場の全員が「頂きます」を叫び、あんぱんに噛り付く。
アダムもサブロウもあんぱんをじっくり味わい幸せそうだ。
***
リサは、あんぱんの登場にわくわくどきどきしていた。
(わたし、あんぱんって食べたことないんだよね……。どんな味がするのかな? すっごく楽しみ!)
リサが座っている席のテーブルには、出来立てアツアツのあんぱんが大盛で乗せられた。
リサは涎を垂らしそうになりながら、あんぱんをそっと手に取り、噛り付く。
「ん~!! 生地のもっちもち感、なんという優しい膨らみ方なの! あんもじんわりと甘くて、口いっぱいに広がるよ! 何このてっぺんのお花? 桜かな? あれ? 塩味……。あ、程よい塩辛さが甘さをさらに引き出しているのね!!」
リサがぱくぱくと食べ続けていると、アマノホカリの温かいお茶も出された。
「ずずず……。ううん、緑色のお茶の苦みとあんぱんの甘みが完全にマッチしているね! いくらでも食べられそう~!!」
リサはこの瞬間、フードファイターの因子を覚醒させた。
凄まじい勢いで、ばくばくと、食べる、食べる、食べる!!
隣で見ていたラメッシュは、わはは、と笑っていた。
「いやあ、見事な食べっぷり。美味しいあんぱんを美味しく食すことはまさに正義! では、ワタシも遠慮なく頂こう!」
ラメッシュは、まさか豊穣祭の早食い大食い大会で選手だったリサとは競争しない。
彼は彼なりに味わって美味しく頂く。
今回の事件における自身の正義に納得しながら、沈黙したまま食べ続けるのであった。
***
シェリルは、出来立てあんぱんを受け取りにこにこしていた。
(ヒムラヤのあんぱんを頂けるなんてありがたいですねぇ〜。アマノホカリの和菓子を扱う者として、大手ヒムラヤのセレモニーに参加できるのはちょっと役得ですぅ! わたしも国民に愛される和菓子作りをもっともーと研究しなければなりませんね〜!)
もぐもぐ……。
さっそく、あんぱんを楽しそうに食べだす。
「ふぅ〜。美味しいですねぇ〜。……あら? 美味しすぎてついペロッと食べてしまいました〜。もう一個……あー美味しいですぅ〜。……あらら? また一個? ダイエットしていたのにぃ、これ以上はぁ、ダメぇ~!!」
そこに工場長がやって来た。
「おや? 改めて、八千代堂の店主ではありませんか? 私、こういう者です!」
「あら? あなたは、ええと~!?」
シェリルは、一度、食べるのを止めて、工場長と名刺交換した。
「この度は、不肖私共の工場を助けて頂き感謝しております。いやあ、私、和菓子が大好きでしてね。貴店の和菓子にはよく世話になっておるのですよ」
「いえいえ~、そんなぁ! 大手のヒムラヤさんからぁ、そう言って頂けるなんてぇ~!! こちらこそぉ、どうぞ今後ともぉ、よろしくお願いいたしますねぇ~!!」
二人が会話している横で、ライカもあんぱんをもぐもぐと満足そうに食べていた。
あんこの秘密について「教えてくださぁい」「いえいえ企業秘密です」みたいなやり取りがされている中、ライカがさりげなく会話に入る。
「あんぱんと一口に言っても、奥が深いのよね。餡の種類だけでもこし餡、つぶ餡、白餡、うぐいす餡とかもあるわね。あんこと生クリームも合うし、ゴマ餡なんてものもあるけれど。楽しみ方は様々だわ。キミらの会社では、他の種類のあんぱんを扱ってはいないのかしら? もしあれば、せっかくだから食べ比べとかしたいわ!」
工場長がにこやかに答える。
「はい、もちろん私共の会社ではそのようなあんぱんも扱っております。ただ、私共は、イ・ラプセル支店の第一工場でして、元祖ヒムラヤのあんぱんを扱うレーンでございます。よろしかったら、いずれ他のレーンのあんぱんもご賞味ください」
シェリルがにやにやとライカに問う。
「甘い物が相当ぅ、お好きなんですねぇ~?」
ライカが照れて答える。
「って、別に甘いものが大好きとかじゃないわよ!? これはこっちに来てから世話してもらった人からの受け売りっていうか!」
あはは、とみんなで笑えてセレモニーもめでたく幕を閉じた。
イ・ラプセルのあんぱんの愛と正義はこうして無事に守られたのであった。
了
†シナリオ結果†
成功
†詳細†
称号付与
『あんぱんのサムライ』
取得者: サブロウ・カイトー(CL3000363)
『隠れあんぱんマニア』
取得者: ライカ・リンドヴルム(CL3000405)
『あんぱんのガーディアン』
取得者: アダム・クランプトン(CL3000185)
『ヒムラヤ工場長のお得意様』
取得者: シェリル・八千代・ミツハシ(CL3000311)
『あんぱんは正義』
取得者: ラメッシュ・K・ジェイン(CL3000120)
『あんぱんファイター』
取得者: リサ・スターリング(CL3000343)
取得者: サブロウ・カイトー(CL3000363)
『隠れあんぱんマニア』
取得者: ライカ・リンドヴルム(CL3000405)
『あんぱんのガーディアン』
取得者: アダム・クランプトン(CL3000185)
『ヒムラヤ工場長のお得意様』
取得者: シェリル・八千代・ミツハシ(CL3000311)
『あんぱんは正義』
取得者: ラメッシュ・K・ジェイン(CL3000120)
『あんぱんファイター』
取得者: リサ・スターリング(CL3000343)
特殊成果
『ヒムラヤのあんぱん』
カテゴリ:アクセサリ
取得者:全員
カテゴリ:アクセサリ
取得者:全員
†あとがき†
あんぱん工場の救出&セレモニー参加、お疲れ様です。
皆さんのご活躍でイ・ラプセルのあんぱんの明日が守られました。
MVPは、リサさん。
いい食べっぷりでした。あんぱんの方も幸せでしょう。
称号は、皆さん。
それぞれの活動内容にちなんだあんぱん称号が配布されました。
ドロップも皆さん。
もちろん、ヒムラヤのあんぱんがお土産です。
ではまた、イ・ラプセルのどこかで。
皆さんのご活躍でイ・ラプセルのあんぱんの明日が守られました。
MVPは、リサさん。
いい食べっぷりでした。あんぱんの方も幸せでしょう。
称号は、皆さん。
それぞれの活動内容にちなんだあんぱん称号が配布されました。
ドロップも皆さん。
もちろん、ヒムラヤのあんぱんがお土産です。
ではまた、イ・ラプセルのどこかで。
FL送付済