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深緑の塞

●
深い山中にあり、サウサロンと呼ばれたその塞は、かつての大戦時に激戦の末放棄され、今もそのままにされているという。
山林の中に、緑に飲み込まれるようにして静かに立つサウサロン塞。
多くの傷痕を抱え、殆どのものは失われたが−−まだ何か、残っているかもしれない。
かつて燃えていた焔を思い出させる、小さな残り火が−−
●
「で、今回お前達には、そのサウサロン塞の復旧作業を頼みたい」
『軍事顧問』フレデリック・ミハイロフ(nCL3000005)は、集まった自由騎士達にそう言った。話を続ける。「本来もっと早く取り掛かるべき作業だったが、人手が足りなくてな。ここまでの、そしてこれからの戦いの激化に備えて、出来ることはやらねばならない。現地へ赴いて塞を修復し、兵が駐屯できる状態にしてほしい」
「−−塞の修復作業なんて、完遂できるような技術も知識もありませんが」
「壁の穴を埋めるとか、失われた階段とか門とか構造物の再構築とか、そういう専門的な作業は後続の騎士団がやる。勿論、できるのであればやってもらっても構わんがな。お前達にはもっと簡単な作業を先に終わらせておいてほしい。絡みついてる蔓や雑草の草むしり、塞及びその周辺の清掃、内部の損害状況の調査及び片付け。力仕事が得意な者は資材の運搬もしてもらおうか。それから弁当は支給されないから、自分達で何か用意するように。あと、もし内部や周辺に動物が住み着いているようなら、追い出してもらって構わん。熊や狼がいたら、退治してもらう必要があるな」
「−−人間が住み着いている可能性は?」
「そこまではない。サウサロンは人里離れた位置にあるからな。わざわざあんなところに行く者も、そこから狙えるような町も無い。−−人間には見棄てられた場所なんだよ、あそこは」
フレデリックは呟くようにそう言って、それから気分を変えるように悪戯っぽく笑った。
「お前らも連戦で疲れたろ? ちょっと軽めの運動で骨休めしてこい。周りは森になってるから、夏の森林浴にもぴったりだぞぜ」
「骨休めっつって、結局仕事じゃないですか」
自由騎士の一人に言われ、フレデリックはがははと笑った。−−笑ってごまかした。
深い山中にあり、サウサロンと呼ばれたその塞は、かつての大戦時に激戦の末放棄され、今もそのままにされているという。
山林の中に、緑に飲み込まれるようにして静かに立つサウサロン塞。
多くの傷痕を抱え、殆どのものは失われたが−−まだ何か、残っているかもしれない。
かつて燃えていた焔を思い出させる、小さな残り火が−−
●
「で、今回お前達には、そのサウサロン塞の復旧作業を頼みたい」
『軍事顧問』フレデリック・ミハイロフ(nCL3000005)は、集まった自由騎士達にそう言った。話を続ける。「本来もっと早く取り掛かるべき作業だったが、人手が足りなくてな。ここまでの、そしてこれからの戦いの激化に備えて、出来ることはやらねばならない。現地へ赴いて塞を修復し、兵が駐屯できる状態にしてほしい」
「−−塞の修復作業なんて、完遂できるような技術も知識もありませんが」
「壁の穴を埋めるとか、失われた階段とか門とか構造物の再構築とか、そういう専門的な作業は後続の騎士団がやる。勿論、できるのであればやってもらっても構わんがな。お前達にはもっと簡単な作業を先に終わらせておいてほしい。絡みついてる蔓や雑草の草むしり、塞及びその周辺の清掃、内部の損害状況の調査及び片付け。力仕事が得意な者は資材の運搬もしてもらおうか。それから弁当は支給されないから、自分達で何か用意するように。あと、もし内部や周辺に動物が住み着いているようなら、追い出してもらって構わん。熊や狼がいたら、退治してもらう必要があるな」
「−−人間が住み着いている可能性は?」
「そこまではない。サウサロンは人里離れた位置にあるからな。わざわざあんなところに行く者も、そこから狙えるような町も無い。−−人間には見棄てられた場所なんだよ、あそこは」
フレデリックは呟くようにそう言って、それから気分を変えるように悪戯っぽく笑った。
「お前らも連戦で疲れたろ? ちょっと軽めの運動で骨休めしてこい。周りは森になってるから、夏の森林浴にもぴったりだぞぜ」
「骨休めっつって、結局仕事じゃないですか」
自由騎士の一人に言われ、フレデリックはがははと笑った。−−笑ってごまかした。
†シナリオ詳細†
■成功条件
1.サウサロン塞の復旧
皆様こんにちは。鳥海きりうです。よろしくお願いします。
放棄されたサウサロン塞(とりで)を復旧する作業シナリオです。復旧作業が進めば進むほど成功度が高くなります。
敵及びサブキャラクター……は、今回はいません。こんなこともあるんだなあ。
だいたいフレデリックの言った通りです。骨休め的な依頼ですが、本気でやろうとしたらやることはたくさんあると思います。本気でやってもいいですし、やらなくても構いません。何をどこまでやるかも皆さんの自由です。全員が全員獣と戦っててもいいですし、全員が全員森林浴してても構いません。……それで大成功になるかどうかはおおいに議論の余地がありますが。
作業が早く終わったりやることが無かったりしたら、塞の探検や森林浴などいかがでしょうか。ゆっくり遊んで激戦の疲れを癒してください。
簡単ですが、説明は以上です。
皆様のご参加をお待ちしております。
放棄されたサウサロン塞(とりで)を復旧する作業シナリオです。復旧作業が進めば進むほど成功度が高くなります。
敵及びサブキャラクター……は、今回はいません。こんなこともあるんだなあ。
だいたいフレデリックの言った通りです。骨休め的な依頼ですが、本気でやろうとしたらやることはたくさんあると思います。本気でやってもいいですし、やらなくても構いません。何をどこまでやるかも皆さんの自由です。全員が全員獣と戦っててもいいですし、全員が全員森林浴してても構いません。……それで大成功になるかどうかはおおいに議論の余地がありますが。
作業が早く終わったりやることが無かったりしたら、塞の探検や森林浴などいかがでしょうか。ゆっくり遊んで激戦の疲れを癒してください。
簡単ですが、説明は以上です。
皆様のご参加をお待ちしております。
状態
完了
完了
報酬マテリア
2個
2個
6個
2個




参加費
100LP [予約時+50LP]
100LP [予約時+50LP]
相談日数
7日
7日
参加人数
8/8
8/8
公開日
2018年08月25日
2018年08月25日
†メイン参加者 8人†
●旅路の果て
「塞の復旧作業だよー♪ 自慢の力で運んじゃうよー♪ 石材、丸太、どんとこーい! いっぱい担いでじゃんじゃん運ぶよー!」
『全力全開!』カーミラ・ローゼンタール(CL3000069)は両手に大量の資材を抱え、歌いながら緑深い山道を歩いていた。「細かい作業は苦手だからそーゆーのは後に任せるよ! 使いやすいように、種類とか大きさで大まかに分けて置いとくね!」後ろを振り返ってそう言う。
「にしても、敵もいない、明確な目的もないとなると中々に悩みますね。今回ばかりは剣客稼業はお休みで、たまには騎士団でも庭師として働いてみましょうかね」
『天辰』カスカ・セイリュウジ(CL3000019)もそんな事を言いながら山道を歩く。険しい山道にも息を乱した様子も無いのは、フォレストマスターたる所以だろうか。
「砦の修復ですかぁ〜、骨の折れそうな大変な任務ですねぇ〜……力仕事は苦手ですが、みなさんの邪魔にだけはならないよう心して励みます!」
「骨休めとはいえ依頼は依頼、いつかこの砦にもお世話になるかもしれないからな。程々に頑張らせてもらうぜ」
『商売繁盛どどんこどん』シェリル・八千代・ミツハシ(CL3000311)と『クマの捜査官』ウェルス ライヒトゥーム(CL3000033)もそう言いながら山道を歩く。
「人間に見捨てられた塞……それはそれで退廃的で魅力的ではありますよね、ふふ。が! それが再度人の手により蘇るのも、また美しいものですよね。再度、有効活用できますようにタマちゃん、ハリきってお掃除をさせていただきますね、ふふ……!」
『ノンストップ・アケチ』タマキ・アケチ(CL3000011)も、そう言いながらいつものバラを手に楽しげに歩く。いつも通り妖しげだが、言ってる事は極めてマトモである。−−彼は一度記憶を無くしているらしいが、どちらが『過去』で、どちらが『現在』なのだろうか。
「少々変わり種の仕事のようだね。僕は差し当たり書類仕事を担当させて貰おう。砦である以上、のべつまくなし脆い箇所を修繕しておけば良いと言う物でもないだろう。正直切りがないしね」
『極彩色の凶鳥』カノン・T・ブルーバード(CL3000334)もそう言いながら歩いていた。何か明確なプランがあって参加しているらしい。斜に構えた芸術家肌に見えるが、発言自体は極めて積極的かつ建設的である。
「あいたたた……結構無理しちゃったな……」
『慈悲の刃、葬送の剣』アリア・セレスティ(CL3000222)は、まだ包帯の巻かれた二の腕の調子を確かめながら歩いていた。王都、山脈、北の村、カタコンベ決戦。彼女が駆けた連戦の苦しさを考えれば、名誉の負傷という言葉すら生温いだろう。休める時に休んでおくのは正しい判断である。
「皆ー、見えたよー!」
先を歩いていた『太陽の笑顔』カノン・イスルギ(CL3000025)がそう言って手を振る。仲間達がその後を追い−−深い森が途切れ、視界が開けた。
森の中で少しだけ開けた空間に、陽光に照らされて『それ』は待っていた。背の高い雑草に鬱蒼と囲まれ、黒ずんだ緑の蔦に絡め取られるようにして眠っている−−サウサロン塞。
●作業開始
塞に着くなり、早速カーミラは持っていた資材を整理して並べ始めた。
「このところ、物騒な空気が続いてるから、塞を直してみんなを安心させてあげたいね! こう、トゲとかツノとか付いてると強そうじゃないかな!」
言うと、カーミラは一番大きな石材を前にうーん、と唸り始めた。ツノ。ツノですか。そしてトゲ。
「わー、ボロボロだねー」
「手分けして塞内を探索しよう。要修理箇所があれば念写も使ってわかり易く記録していくぜ。行こうカノン嬢」
「うん! 世間には廃墟マニアなんてのもいるらしーけど、当の廃墟にしたらいい迷惑だよね。ここはこれから復活するんだから! お手伝い頑張るよ!」
「あ、私も行きます。中のお掃除は任せてください」
言って、カノンとウェルスは塞内に入っていった。アリアもその後についていく。
「私も多くはないなりに戦地や修羅場を見てきたほうだとは思いますが……この塞にも熾烈な戦火の痕が垣間見えます。ま、まずは蔦や雑草を排除していきましょう」
言って、カスカはククリ刀と高枝切り鋏を取り出した。しばし無言で周辺の草むしりに精を出す。
「草むしりと侮ってはなりませんよぉ! 草は根を張りなかなか抜けてくれないですし、根が残るとそこからまたにょきにょき生えてきちゃいますからねぇ〜! うんとこしょ、どっこいしょ〜!」
その傍でシェリルも草むしりを始める。「ああ、これは!?」「どうしました?」「お料理に使えそうなハーブですねぇ! お昼はこれを使ってお料理を作りましょう!」「……ほほう」
「私もお手伝い致しますよ、何でもお申し付けください。スイート・タマちゃん・メイドフォーム!★」
早着替え。タマキはどこからともなく現れたメイド服に一瞬にして着替えた。艶々黒髪ロングのウイッグを被り、アクセを着け、マスカラとリップを塗って微笑む。それはどこに持ってたんだよと言いたくなるがまあ今日は休暇シナリオだしいいか。「やはり服装を変えると更に気合が入りますよね……! ご安心ください、ムダ毛の処理は済んでおります、ふふ 」どうでもいいけど昨今の変身シーンは着替えより振り付けとメイクアップに比重が置かれているようですね。服を変えることよりもおしゃれをすることが重要であるというのが製作者のアーティスト的センスの発現であるならば、そのインスピレーションがどこから来たのかを探るのは有意義なことかもしれません。あとカスカとシェリルは特にリアクションも無く作業を続けています。
「あぁ、こんな風に蔦に絡められたら……!」
言いながら、タマキは身悶え&うっとりした表情を見せつつテキパキと蔦を切り、雑草を抜く。いつものバスタードソードを細々と使って蔦を切り取っていく。
「ふふ、綺麗になっていく様は楽しいですよね」
意外とマメである。−−やはり気になる。
●崩れた牙城
塞の内部は薄暗かったが、照明が必要なほどではなかった。壁や天井が所々崩れ、陽光が差し込んでいたからである。内部にはその残骸や倒れた戸棚、無数の塵が散乱していた。
「まずは陽の光を入れないとね」
言って、アリアが短剣で窓にかかる蔦を斬り落としていった。陽光が差し込む箇所が増え、内部がにわかに明るくなる。
「−−よっし、だいたい分かった! どこの修理にどのくらい資材がいるかはメモしたよー!」
「念写で現状の写真も作ったぜ。これで後続の作業もスムーズになるはずだ」
カノンは羊皮紙に修繕箇所と必要な資材のリストを作り、ウェルスが念写で作った写真を添付する。
「お二人とも、ありがとうございます。私は引き続きお掃除しますね」
「じゃ、カノンはちょっと一狩りいってくるね! ご飯は期待してて!」
「俺は地下の方を見てくる。またな、アリア嬢」
言って、カノンとウェルスはその場を離れた。アリアは作業を続行する。降り積もった埃を払い、邪魔な瓦礫を片付けていく。
と−−瓦礫の隙間から、体長5センチほどの虫が現れた。アリアが固まる。固まりながらも思考は高速で回転していた。大丈夫。出てきただけだ。まだ大丈夫。敵意は無い。敵意は無いことを示せば関わらずに済む。落ち着いて、冷静に、少しづつ、距離を
虫が飛んだ。
「ひいいいやああああああああああ!」
●森の住人達
「おー! 川だ!」
ひとしきり作業を終えたカーミラは、周辺の森へと散策に出ていた。そして森を抜けたところに、静かに流れる小川を発見したのである。微かに聞こえる水音と、透き通った川面が涼しげだ。
「お魚が獲れたらご飯の足しにできるかな! がんばるぞー!」
言って、カーミラは着ていた央華麗装≪チャイナドレス≫をすぽーんと脱ぎ捨てた。そのまま川にダイブする。
「動物動物いないかなーっと……」
言いながらカノンは森の中を散策していた。鬱蒼とした獣道を草叢を分ける音を立てながら進む。
不意に、目の前を何かが横切った。「わ!?」カノンは半歩下がり、現れたものを確認する。けたたましい音と共に現れたのは、カノンの半分ぐらいの背丈の猪だった。(はっけ〜ん……!)思ったが、声には出さない。拳を握りつつ、様子を伺う。
カノンがすぐに仕掛けてこないのを見て、猪はすぐさま逃げを打った。「あ! 待っ」
追おうとしたカノンの後ろで、雄叫びが響く。カノンが振り返ると、彼女の倍ぐらいの背丈の熊がいた。「そういうことね!」熊の腕が振り下ろされ、カノンは避ける。震撃。命中。熊が呻きを上げてよろめく。
「いけそうな気もするけど……今日は猪の気分かな!」
言って、カノンは踵を返して駆け出した。熊が咆哮を上げて追う。ほどなくしてカノンは前を走る猪に追いついた。並走し、猪が横目にカノンを見る。カノンは笑った。
「後で話し合おう! あのクマさんがいなくなったら!」
どうせ食うんだろ、とばかりに猪は嫌そうな顔をした。スピードを上げる。カノンも負けじと足を速めた。
背後に聞こえる熊の咆哮は、徐々に小さくなっていった。
「……お」
「あらぁ〜」
雑草除去の作業を続けるカスカとシェリルの前に、どこからか白い兎が現れた。兎はカスカ達を見て、心底意外そうな顔をする。「おやおや、可愛いお客様ですね」メイド服のタマキも寄ってくる。あんまり違和感を感じないのが逆に気持ち悪い。
兎は三人の足元に寄ってきて、気持ち小さく丸まるような動きをした。「おお」「可愛えわぁ〜。人に慣れとりますねえ」「ふふ、もうすぐ此処には人々がやってきますよ。どうぞ森へお帰りください……」しかし、様子がおかしい。慣れてるとか懐いているとかとは違う気がする。どちらかというと−−
「……あらあらぁ〜」
動物交流。シェリルが別の動物の気配を察知した。カスカとタマキも彼女の視線を追う。
塞の外苑跡から、熊がのそりと現れた。兎はあれに追われて此処に入ったらしい。「隠れる場所を探しとったんですねぇ〜」「で、今私達の後ろに隠れてると」
「ならば、こちらのお客様にはお帰り頂きましょう。タチサレ……ココカラタチサレ……」
ウォーモンガー。タマキは剣を構えて熊を威嚇する。熊はたじろいだが、立ち去る気は無いようだった。身を低くし、タマキ達の出方を伺う。「帰ってくれませんねぇ〜」「決めかねているのかもしれませんね。只者でないのは分かるが、リターンを考えると見逃すのも惜しい、というところでしょうか」
「無益な殺生は趣味じゃありませんが、判断ミスは教えといてあげましょうか」
抜刀。ヒートアクセル。カスカの斬撃が熊を袈裟斬りにする。大ダメージを負った熊は苦悶の呻きを上げ、そそくさとその場を立ち去った。
「うまくいきましたねぇ〜」
「……追撃します。周辺の索敵もしておきますね」
「え?」
驚くシェリルを置いて、カスカは森へ入っていった。中途半端はよくない。後続の騎士達が熊に遭遇する可能性もある。何かあってから後悔するよりは。
(……それも、エゴですけどね)
「では、私もお供致しましょう! 何なりとお申し付けください、お嬢様!」
メイド服のタマキがついてきた。それを見て、カスカはため息混じりに笑った。
●残された者
ウェルスは地下室を発見したが、目ぼしいものは残っていなかった。武器庫、あるいは食料庫と思われる場所は上よりもゴミや瓦礫が少なく、損傷も小さい。放棄する時にきっちり運び出したのだろう。−−あるいは、自らの手で破壊したか。「さすが国防騎士団。抜け目無いぜ……」
「っと」
ウェルスの前に、暗がりから一匹の蛇が現れた。ウェルスは驚くが、落ち着いて蛇に語りかける。動物交流。「よお」
「ここは長いのか? ええと−−旦那」
蛇がシーッと唸る。
「ああ待て、邪魔しにきたわけじゃない。もうすぐ人間共が戻ってくるぜ。引越しを考えたほうがいい」
蛇が舌を出して短く唸る。
「関係無い、ここが好きだ? じゃあええと−−どうすっかな」
思わぬ強敵の登場に、ウェルスは思わず座り込んだ。交渉は難航しそうである。
アリアは空中二段飛びで破損した階段を飛び越え、上階の片付けと探索を行っていた。決して虫にびびって全力逃走してきたわけではない。
「塞を放棄するときに、色々回収を諦めたものがあるんじゃないかな。激戦だったって聞いたし、あるいは−−」
呟きながら探索する。『まだ残っている者』がいたら、丁重に本国に送り届けなければならない。
やがてアリアは屋上に出た。すでに陽は傾きかけている。「……いた」屋上の端に、寄りかかるように倒れる人影があった。アリアは近寄る。白骨死体だ。
「……?」
しかし、アリアは思わず首を傾げた。想像と違う。てっきり騎士か兵士の死体があると思っていたが、目の前のそれはローブを着ていた。マギアス? しかしかつての騎士団にマギアスなどいたのだろうか。
ローブの胸元に目が止まる。紅い徽章≪バッジ≫。剣を象るそれは騎士隊の一員であることを表す。−−紅蓮騎士隊の徽章。しかしアリアは小首を傾げた。何か、おかしい気もする。
しかし−−やることは同じだ。
「お迎えにあがりました、護国の騎士。さあ、帰りましょう」
徽章は取らずに、そのままにした。紅蓮騎士隊の最後の一人に、アリアは敬礼した。
●夕餉
作業もあらかた片付き、陽も傾いて夕飯時になった。シェリルが外に簡易竃を作り、夕飯もそこで取ることになった。ウェルスが塞から使えそうなテーブルと椅子を運び出してセットする。
調理はカノンが中心に行なった。充分な下処理がされた猪肉を解体し、一度茹でてからスライスしてフライパンで油が出て反り返るまで炒める。途中採取したキクラゲとシェリルが持参した米を投入して甘味噌で味付けし、さらに炒める。付け合わせには途中採取した赤ミズを湯掻いてお浸しにした。
「出来た! 回鍋肉風チャーハン! さあ、食べてみてよ♪」
「おにぎりとお魚も出来ましたよ〜。ご一緒にどうぞ〜」
シェリルもおにぎりとカーミラが獲ってきた川魚の煮物を卓に置いた。おにぎりは疲労回復のために塩が少し強目に振られており、魚はハーブを使用してしっかり臭みを除去されている。
「ソーセージとフルーツもあるよ! 皆で食べよー! でもってチャーハン美味しー!」
言いながらカーミラはすでに食べている。
「労働疲れに空腹のときに食べる握り飯ほど美味いものはこの世にありませんよね。煮魚もこんな廃墟で作ったとは思えない完成度です」
カスカもそう言ってもくもくと食べる。
「私も飲み物をお持ちしましたよ。お注ぎ致しましょう。あぁ、ピクニックのようで楽しいですね、ふふ……!」
言いながらタマキは飲み物を注いで回る。違和感が仕事しない。
「生肉でいい、塊でよこせ? 我儘だな旦那−−食ったら俺の話も聞いてくれよ」
ウェルスは何故か肩の上に蛇を乗せて食っている。懐かれた、と言うべきなのだろうか。
「ふふ、皆喜んでくれてよかった。−−『キミ』はどう?」
調理を終えて卓に着き、カノンは塞を見上げた。笑う。
「生まれ変わった姿、見に来るからね」
カノンが見上げるサウサロン塞には−−カーミラが資材を(主に拳で)削って作った、立派なツノとトゲがついていた。
「塞の復旧作業だよー♪ 自慢の力で運んじゃうよー♪ 石材、丸太、どんとこーい! いっぱい担いでじゃんじゃん運ぶよー!」
『全力全開!』カーミラ・ローゼンタール(CL3000069)は両手に大量の資材を抱え、歌いながら緑深い山道を歩いていた。「細かい作業は苦手だからそーゆーのは後に任せるよ! 使いやすいように、種類とか大きさで大まかに分けて置いとくね!」後ろを振り返ってそう言う。
「にしても、敵もいない、明確な目的もないとなると中々に悩みますね。今回ばかりは剣客稼業はお休みで、たまには騎士団でも庭師として働いてみましょうかね」
『天辰』カスカ・セイリュウジ(CL3000019)もそんな事を言いながら山道を歩く。険しい山道にも息を乱した様子も無いのは、フォレストマスターたる所以だろうか。
「砦の修復ですかぁ〜、骨の折れそうな大変な任務ですねぇ〜……力仕事は苦手ですが、みなさんの邪魔にだけはならないよう心して励みます!」
「骨休めとはいえ依頼は依頼、いつかこの砦にもお世話になるかもしれないからな。程々に頑張らせてもらうぜ」
『商売繁盛どどんこどん』シェリル・八千代・ミツハシ(CL3000311)と『クマの捜査官』ウェルス ライヒトゥーム(CL3000033)もそう言いながら山道を歩く。
「人間に見捨てられた塞……それはそれで退廃的で魅力的ではありますよね、ふふ。が! それが再度人の手により蘇るのも、また美しいものですよね。再度、有効活用できますようにタマちゃん、ハリきってお掃除をさせていただきますね、ふふ……!」
『ノンストップ・アケチ』タマキ・アケチ(CL3000011)も、そう言いながらいつものバラを手に楽しげに歩く。いつも通り妖しげだが、言ってる事は極めてマトモである。−−彼は一度記憶を無くしているらしいが、どちらが『過去』で、どちらが『現在』なのだろうか。
「少々変わり種の仕事のようだね。僕は差し当たり書類仕事を担当させて貰おう。砦である以上、のべつまくなし脆い箇所を修繕しておけば良いと言う物でもないだろう。正直切りがないしね」
『極彩色の凶鳥』カノン・T・ブルーバード(CL3000334)もそう言いながら歩いていた。何か明確なプランがあって参加しているらしい。斜に構えた芸術家肌に見えるが、発言自体は極めて積極的かつ建設的である。
「あいたたた……結構無理しちゃったな……」
『慈悲の刃、葬送の剣』アリア・セレスティ(CL3000222)は、まだ包帯の巻かれた二の腕の調子を確かめながら歩いていた。王都、山脈、北の村、カタコンベ決戦。彼女が駆けた連戦の苦しさを考えれば、名誉の負傷という言葉すら生温いだろう。休める時に休んでおくのは正しい判断である。
「皆ー、見えたよー!」
先を歩いていた『太陽の笑顔』カノン・イスルギ(CL3000025)がそう言って手を振る。仲間達がその後を追い−−深い森が途切れ、視界が開けた。
森の中で少しだけ開けた空間に、陽光に照らされて『それ』は待っていた。背の高い雑草に鬱蒼と囲まれ、黒ずんだ緑の蔦に絡め取られるようにして眠っている−−サウサロン塞。
●作業開始
塞に着くなり、早速カーミラは持っていた資材を整理して並べ始めた。
「このところ、物騒な空気が続いてるから、塞を直してみんなを安心させてあげたいね! こう、トゲとかツノとか付いてると強そうじゃないかな!」
言うと、カーミラは一番大きな石材を前にうーん、と唸り始めた。ツノ。ツノですか。そしてトゲ。
「わー、ボロボロだねー」
「手分けして塞内を探索しよう。要修理箇所があれば念写も使ってわかり易く記録していくぜ。行こうカノン嬢」
「うん! 世間には廃墟マニアなんてのもいるらしーけど、当の廃墟にしたらいい迷惑だよね。ここはこれから復活するんだから! お手伝い頑張るよ!」
「あ、私も行きます。中のお掃除は任せてください」
言って、カノンとウェルスは塞内に入っていった。アリアもその後についていく。
「私も多くはないなりに戦地や修羅場を見てきたほうだとは思いますが……この塞にも熾烈な戦火の痕が垣間見えます。ま、まずは蔦や雑草を排除していきましょう」
言って、カスカはククリ刀と高枝切り鋏を取り出した。しばし無言で周辺の草むしりに精を出す。
「草むしりと侮ってはなりませんよぉ! 草は根を張りなかなか抜けてくれないですし、根が残るとそこからまたにょきにょき生えてきちゃいますからねぇ〜! うんとこしょ、どっこいしょ〜!」
その傍でシェリルも草むしりを始める。「ああ、これは!?」「どうしました?」「お料理に使えそうなハーブですねぇ! お昼はこれを使ってお料理を作りましょう!」「……ほほう」
「私もお手伝い致しますよ、何でもお申し付けください。スイート・タマちゃん・メイドフォーム!★」

早着替え。タマキはどこからともなく現れたメイド服に一瞬にして着替えた。艶々黒髪ロングのウイッグを被り、アクセを着け、マスカラとリップを塗って微笑む。それはどこに持ってたんだよと言いたくなるがまあ今日は休暇シナリオだしいいか。「やはり服装を変えると更に気合が入りますよね……! ご安心ください、ムダ毛の処理は済んでおります、ふふ 」どうでもいいけど昨今の変身シーンは着替えより振り付けとメイクアップに比重が置かれているようですね。服を変えることよりもおしゃれをすることが重要であるというのが製作者のアーティスト的センスの発現であるならば、そのインスピレーションがどこから来たのかを探るのは有意義なことかもしれません。あとカスカとシェリルは特にリアクションも無く作業を続けています。
「あぁ、こんな風に蔦に絡められたら……!」
言いながら、タマキは身悶え&うっとりした表情を見せつつテキパキと蔦を切り、雑草を抜く。いつものバスタードソードを細々と使って蔦を切り取っていく。
「ふふ、綺麗になっていく様は楽しいですよね」
意外とマメである。−−やはり気になる。
●崩れた牙城
塞の内部は薄暗かったが、照明が必要なほどではなかった。壁や天井が所々崩れ、陽光が差し込んでいたからである。内部にはその残骸や倒れた戸棚、無数の塵が散乱していた。
「まずは陽の光を入れないとね」
言って、アリアが短剣で窓にかかる蔦を斬り落としていった。陽光が差し込む箇所が増え、内部がにわかに明るくなる。
「−−よっし、だいたい分かった! どこの修理にどのくらい資材がいるかはメモしたよー!」
「念写で現状の写真も作ったぜ。これで後続の作業もスムーズになるはずだ」
カノンは羊皮紙に修繕箇所と必要な資材のリストを作り、ウェルスが念写で作った写真を添付する。
「お二人とも、ありがとうございます。私は引き続きお掃除しますね」
「じゃ、カノンはちょっと一狩りいってくるね! ご飯は期待してて!」
「俺は地下の方を見てくる。またな、アリア嬢」
言って、カノンとウェルスはその場を離れた。アリアは作業を続行する。降り積もった埃を払い、邪魔な瓦礫を片付けていく。
と−−瓦礫の隙間から、体長5センチほどの虫が現れた。アリアが固まる。固まりながらも思考は高速で回転していた。大丈夫。出てきただけだ。まだ大丈夫。敵意は無い。敵意は無いことを示せば関わらずに済む。落ち着いて、冷静に、少しづつ、距離を
虫が飛んだ。
「ひいいいやああああああああああ!」
●森の住人達
「おー! 川だ!」
ひとしきり作業を終えたカーミラは、周辺の森へと散策に出ていた。そして森を抜けたところに、静かに流れる小川を発見したのである。微かに聞こえる水音と、透き通った川面が涼しげだ。
「お魚が獲れたらご飯の足しにできるかな! がんばるぞー!」
言って、カーミラは着ていた央華麗装≪チャイナドレス≫をすぽーんと脱ぎ捨てた。そのまま川にダイブする。
「動物動物いないかなーっと……」
言いながらカノンは森の中を散策していた。鬱蒼とした獣道を草叢を分ける音を立てながら進む。
不意に、目の前を何かが横切った。「わ!?」カノンは半歩下がり、現れたものを確認する。けたたましい音と共に現れたのは、カノンの半分ぐらいの背丈の猪だった。(はっけ〜ん……!)思ったが、声には出さない。拳を握りつつ、様子を伺う。
カノンがすぐに仕掛けてこないのを見て、猪はすぐさま逃げを打った。「あ! 待っ」
追おうとしたカノンの後ろで、雄叫びが響く。カノンが振り返ると、彼女の倍ぐらいの背丈の熊がいた。「そういうことね!」熊の腕が振り下ろされ、カノンは避ける。震撃。命中。熊が呻きを上げてよろめく。
「いけそうな気もするけど……今日は猪の気分かな!」
言って、カノンは踵を返して駆け出した。熊が咆哮を上げて追う。ほどなくしてカノンは前を走る猪に追いついた。並走し、猪が横目にカノンを見る。カノンは笑った。
「後で話し合おう! あのクマさんがいなくなったら!」
どうせ食うんだろ、とばかりに猪は嫌そうな顔をした。スピードを上げる。カノンも負けじと足を速めた。
背後に聞こえる熊の咆哮は、徐々に小さくなっていった。
「……お」
「あらぁ〜」
雑草除去の作業を続けるカスカとシェリルの前に、どこからか白い兎が現れた。兎はカスカ達を見て、心底意外そうな顔をする。「おやおや、可愛いお客様ですね」メイド服のタマキも寄ってくる。あんまり違和感を感じないのが逆に気持ち悪い。
兎は三人の足元に寄ってきて、気持ち小さく丸まるような動きをした。「おお」「可愛えわぁ〜。人に慣れとりますねえ」「ふふ、もうすぐ此処には人々がやってきますよ。どうぞ森へお帰りください……」しかし、様子がおかしい。慣れてるとか懐いているとかとは違う気がする。どちらかというと−−
「……あらあらぁ〜」
動物交流。シェリルが別の動物の気配を察知した。カスカとタマキも彼女の視線を追う。
塞の外苑跡から、熊がのそりと現れた。兎はあれに追われて此処に入ったらしい。「隠れる場所を探しとったんですねぇ〜」「で、今私達の後ろに隠れてると」
「ならば、こちらのお客様にはお帰り頂きましょう。タチサレ……ココカラタチサレ……」
ウォーモンガー。タマキは剣を構えて熊を威嚇する。熊はたじろいだが、立ち去る気は無いようだった。身を低くし、タマキ達の出方を伺う。「帰ってくれませんねぇ〜」「決めかねているのかもしれませんね。只者でないのは分かるが、リターンを考えると見逃すのも惜しい、というところでしょうか」
「無益な殺生は趣味じゃありませんが、判断ミスは教えといてあげましょうか」
抜刀。ヒートアクセル。カスカの斬撃が熊を袈裟斬りにする。大ダメージを負った熊は苦悶の呻きを上げ、そそくさとその場を立ち去った。
「うまくいきましたねぇ〜」
「……追撃します。周辺の索敵もしておきますね」
「え?」
驚くシェリルを置いて、カスカは森へ入っていった。中途半端はよくない。後続の騎士達が熊に遭遇する可能性もある。何かあってから後悔するよりは。
(……それも、エゴですけどね)
「では、私もお供致しましょう! 何なりとお申し付けください、お嬢様!」
メイド服のタマキがついてきた。それを見て、カスカはため息混じりに笑った。
●残された者
ウェルスは地下室を発見したが、目ぼしいものは残っていなかった。武器庫、あるいは食料庫と思われる場所は上よりもゴミや瓦礫が少なく、損傷も小さい。放棄する時にきっちり運び出したのだろう。−−あるいは、自らの手で破壊したか。「さすが国防騎士団。抜け目無いぜ……」
「っと」
ウェルスの前に、暗がりから一匹の蛇が現れた。ウェルスは驚くが、落ち着いて蛇に語りかける。動物交流。「よお」
「ここは長いのか? ええと−−旦那」
蛇がシーッと唸る。
「ああ待て、邪魔しにきたわけじゃない。もうすぐ人間共が戻ってくるぜ。引越しを考えたほうがいい」
蛇が舌を出して短く唸る。
「関係無い、ここが好きだ? じゃあええと−−どうすっかな」
思わぬ強敵の登場に、ウェルスは思わず座り込んだ。交渉は難航しそうである。
アリアは空中二段飛びで破損した階段を飛び越え、上階の片付けと探索を行っていた。決して虫にびびって全力逃走してきたわけではない。
「塞を放棄するときに、色々回収を諦めたものがあるんじゃないかな。激戦だったって聞いたし、あるいは−−」
呟きながら探索する。『まだ残っている者』がいたら、丁重に本国に送り届けなければならない。
やがてアリアは屋上に出た。すでに陽は傾きかけている。「……いた」屋上の端に、寄りかかるように倒れる人影があった。アリアは近寄る。白骨死体だ。
「……?」
しかし、アリアは思わず首を傾げた。想像と違う。てっきり騎士か兵士の死体があると思っていたが、目の前のそれはローブを着ていた。マギアス? しかしかつての騎士団にマギアスなどいたのだろうか。
ローブの胸元に目が止まる。紅い徽章≪バッジ≫。剣を象るそれは騎士隊の一員であることを表す。−−紅蓮騎士隊の徽章。しかしアリアは小首を傾げた。何か、おかしい気もする。
しかし−−やることは同じだ。
「お迎えにあがりました、護国の騎士。さあ、帰りましょう」
徽章は取らずに、そのままにした。紅蓮騎士隊の最後の一人に、アリアは敬礼した。
●夕餉
作業もあらかた片付き、陽も傾いて夕飯時になった。シェリルが外に簡易竃を作り、夕飯もそこで取ることになった。ウェルスが塞から使えそうなテーブルと椅子を運び出してセットする。
調理はカノンが中心に行なった。充分な下処理がされた猪肉を解体し、一度茹でてからスライスしてフライパンで油が出て反り返るまで炒める。途中採取したキクラゲとシェリルが持参した米を投入して甘味噌で味付けし、さらに炒める。付け合わせには途中採取した赤ミズを湯掻いてお浸しにした。
「出来た! 回鍋肉風チャーハン! さあ、食べてみてよ♪」
「おにぎりとお魚も出来ましたよ〜。ご一緒にどうぞ〜」
シェリルもおにぎりとカーミラが獲ってきた川魚の煮物を卓に置いた。おにぎりは疲労回復のために塩が少し強目に振られており、魚はハーブを使用してしっかり臭みを除去されている。
「ソーセージとフルーツもあるよ! 皆で食べよー! でもってチャーハン美味しー!」
言いながらカーミラはすでに食べている。
「労働疲れに空腹のときに食べる握り飯ほど美味いものはこの世にありませんよね。煮魚もこんな廃墟で作ったとは思えない完成度です」
カスカもそう言ってもくもくと食べる。
「私も飲み物をお持ちしましたよ。お注ぎ致しましょう。あぁ、ピクニックのようで楽しいですね、ふふ……!」
言いながらタマキは飲み物を注いで回る。違和感が仕事しない。
「生肉でいい、塊でよこせ? 我儘だな旦那−−食ったら俺の話も聞いてくれよ」
ウェルスは何故か肩の上に蛇を乗せて食っている。懐かれた、と言うべきなのだろうか。
「ふふ、皆喜んでくれてよかった。−−『キミ』はどう?」
調理を終えて卓に着き、カノンは塞を見上げた。笑う。
「生まれ変わった姿、見に来るからね」
カノンが見上げるサウサロン塞には−−カーミラが資材を(主に拳で)削って作った、立派なツノとトゲがついていた。
†シナリオ結果†
成功
†詳細†
称号付与
特殊成果
『川魚の干物』
カテゴリ:アクセサリ
取得者:カーミラ・ローゼンタール(CL3000069)
『猪の干し肉』
カテゴリ:アクセサリ
取得者:カノン・イスルギ(CL3000025)
『天然ドライハーブ』
カテゴリ:アクセサリ
取得者:シェリル・八千代・ミツハシ(CL3000311)
『蛇の脱け殻』
カテゴリ:アクセサリ
取得者:ウェルス ライヒトゥーム(CL3000033)
『変身用ウイッグ』
カテゴリ:アクセサリ
取得者:タマキ・アケチ(CL3000011)
カテゴリ:アクセサリ
取得者:カーミラ・ローゼンタール(CL3000069)
『猪の干し肉』
カテゴリ:アクセサリ
取得者:カノン・イスルギ(CL3000025)
『天然ドライハーブ』
カテゴリ:アクセサリ
取得者:シェリル・八千代・ミツハシ(CL3000311)
『蛇の脱け殻』
カテゴリ:アクセサリ
取得者:ウェルス ライヒトゥーム(CL3000033)
『変身用ウイッグ』
カテゴリ:アクセサリ
取得者:タマキ・アケチ(CL3000011)
FL送付済