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ラジヲ番組「突撃、ヨアさん!」の出演依頼

とある日の夕方、『君のハートを撃ち抜くぜ』ヨアヒム・マイヤー(nCL3000006)は酒場でラジヲ局のプロデューサーと飲んでいた。
「ヨアヒム君さあ、君って、自由騎士団の人たちとも親しくしているそうじゃないか? この前の怪談雑誌とかでも彼らと何かやっていたよね? そこでお願いなんだけれどさ、次回のラジヲ番組でね、自由騎士団の誰かをゲストで呼んでくれないかな?」
ヨアヒムはぶどう酒のグラスを置き、真顔で答える。
「ええ、まあ、自由騎士団の人たちとは割といい感じの仲かな? つまり、俺が司会をやっている次回の『突撃、ヨアさん!』の番組で、自由騎士団相手にトークでもすると? しかし、なぜ?」
プロデューサーもビールのコップを置き、笑顔で返す。
「うん、次回は、特集番組を作る予定なので、オラクルさんたちに出てもらいたいんだよね。ほら、イ・ラプセルの国民の皆さん、自由騎士団の人たちや活動に興味あるわけ! でもさ、一般人からすると、なかなかオラクルさんたちと触れ合う機会とかないじゃん? そこで、ラジヲの前の皆さんのご期待に応えつつも、オラクルさん側も自由騎士団の宣伝になっていいんじゃないかと思ってさ?」
ヨアヒムはナッツをぱりぽりとつまみ、考える。
「そうだね……。ラジヲ番組視聴者のニーズを満たすと同時に、オラクル側もラジヲで広報活動ができる……。悪くはない取引だね? んじゃ、俺の友人知人のオラクルたちを片っ端から当たってみるんで!」
プロデューサーもナッツをばりばりと頬張る。
「もぐもぐ……。出演の交渉、期待しているよ!」
「ヨアヒム君さあ、君って、自由騎士団の人たちとも親しくしているそうじゃないか? この前の怪談雑誌とかでも彼らと何かやっていたよね? そこでお願いなんだけれどさ、次回のラジヲ番組でね、自由騎士団の誰かをゲストで呼んでくれないかな?」
ヨアヒムはぶどう酒のグラスを置き、真顔で答える。
「ええ、まあ、自由騎士団の人たちとは割といい感じの仲かな? つまり、俺が司会をやっている次回の『突撃、ヨアさん!』の番組で、自由騎士団相手にトークでもすると? しかし、なぜ?」
プロデューサーもビールのコップを置き、笑顔で返す。
「うん、次回は、特集番組を作る予定なので、オラクルさんたちに出てもらいたいんだよね。ほら、イ・ラプセルの国民の皆さん、自由騎士団の人たちや活動に興味あるわけ! でもさ、一般人からすると、なかなかオラクルさんたちと触れ合う機会とかないじゃん? そこで、ラジヲの前の皆さんのご期待に応えつつも、オラクルさん側も自由騎士団の宣伝になっていいんじゃないかと思ってさ?」
ヨアヒムはナッツをぱりぽりとつまみ、考える。
「そうだね……。ラジヲ番組視聴者のニーズを満たすと同時に、オラクル側もラジヲで広報活動ができる……。悪くはない取引だね? んじゃ、俺の友人知人のオラクルたちを片っ端から当たってみるんで!」
プロデューサーもナッツをばりばりと頬張る。
「もぐもぐ……。出演の交渉、期待しているよ!」
†シナリオ詳細†
■成功条件
1.ラジヲ番組に出演して自由騎士団の広報活動をする。
<概略>
リスナー、いや、プレイヤーの皆さん、こんにちは!
ラジヲ番組大好きなST、ヤトノカミです。
今回の依頼は、題名そのまんま、ラジヲ番組に出演することです!
「ラジオ」じゃなくて「ラジヲ」、しかも蒸気の「ラジヲ」!
世界観的にそこ重要!
やることは至ってシンプル。
ヨアヒムが司会を務めているラジヲ番組「突撃、ヨアさん!」で特集される番組に出演して頂きます!
出演内容は、「自由騎士団を紹介する広報内容」であれば基本的に自由です。
このラジヲ番組は、国民と自由騎士団の架け橋になる広報活動でもあります。
ぜひ、自由騎士団の良さをイ・ラプセルの皆さんにアピールしてくださいね!
<ラジヲ局、ラジヲ番組、当日情報など>
・ラジヲ局の名前は、ラプラスラジヲ。局そのものは小規模。首都サンクディゼールの郊外にある。
・イ・ラプセル全体に流れているラジヲ番組を持つラジヲ局。
・「突撃、ヨアさん!」は割と最近できた新しい情報番組。司会進行役はヨアヒム。
・「突撃、ヨアさん!」の放送時刻は、平日の午後5時から午後7時。週1ペースの放送。
・時間帯的に視聴者はファミリーや仕事帰りの人が多い。夕食を食べながら聴く人もいる。
・2時間の番組なので、6人参加の場合、1人の持ち時間は20分程度。ちなみに今回は6人枠募集。
・今回、放送される番組は、1回限りの特集。(続編の予定はない)
・ラジヲ出演は生放送。収録場所はラプラスラジヲのラジヲ局。
・当日の天候は、秋風が気持ち良い、星のきれいな晴れた日。
<出演内容の例>
さあ、ラジヲ番組に出演だ!
と、いきなり振られても心の準備が……!
かもしれませんので、出演内容のフックとして、以下のような例を提示します。
なお、例は飽くまで一例に過ぎませんので、皆さんでアレンジしてもいいです。例にない出演内容で出演されても基本的に問題ありません。
・内容はコメディでもシリアスでも可。(例えば、コントでも演説でも可)
・自由騎士団の活動を紹介されても、自分自身について紹介されても可。
・スキル、アイテム、戦術のこだわりなどについて解説されても可。
・個別出演でも、他のオラクルたちと同時出演でも可。
・ヨアヒムと対談でも、他のオラクルと対談でも可。
・グループ出演で座談会やパフォーマンスでも可。
・音楽番組にしても可。(歌の歌唱や楽器の演奏など)
・料理やグルメの番組にしても可。
・教養番組にしても可。
・絵本、童話、詩などの朗読でも可。
・ボイスドラマでも可。
・叫びたいことがあれば叫んでも可。
など。
注:創作系披露の出演内容であれば、既存作品の著作権にはご注意くださいね。
<サポート参加の場合>
サポート要員で参加される方は、ラジヲ局の手伝いモブ、出演者のマネージャーモブ、背景となる出演者モブなどがおススメです。
<EXについて>
アドリブや他の人たちとの絡みが特に欲しい方は、EXで「アドリブ歓迎」や「絡み歓迎」など一言どうぞ。また、特殊な呼称や口調のこだわりなどもある場合、教えてくださると助かります。
解説は以上です。
では、よろしくお願いいたします。
リスナー、いや、プレイヤーの皆さん、こんにちは!
ラジヲ番組大好きなST、ヤトノカミです。
今回の依頼は、題名そのまんま、ラジヲ番組に出演することです!
「ラジオ」じゃなくて「ラジヲ」、しかも蒸気の「ラジヲ」!
世界観的にそこ重要!
やることは至ってシンプル。
ヨアヒムが司会を務めているラジヲ番組「突撃、ヨアさん!」で特集される番組に出演して頂きます!
出演内容は、「自由騎士団を紹介する広報内容」であれば基本的に自由です。
このラジヲ番組は、国民と自由騎士団の架け橋になる広報活動でもあります。
ぜひ、自由騎士団の良さをイ・ラプセルの皆さんにアピールしてくださいね!
<ラジヲ局、ラジヲ番組、当日情報など>
・ラジヲ局の名前は、ラプラスラジヲ。局そのものは小規模。首都サンクディゼールの郊外にある。
・イ・ラプセル全体に流れているラジヲ番組を持つラジヲ局。
・「突撃、ヨアさん!」は割と最近できた新しい情報番組。司会進行役はヨアヒム。
・「突撃、ヨアさん!」の放送時刻は、平日の午後5時から午後7時。週1ペースの放送。
・時間帯的に視聴者はファミリーや仕事帰りの人が多い。夕食を食べながら聴く人もいる。
・2時間の番組なので、6人参加の場合、1人の持ち時間は20分程度。ちなみに今回は6人枠募集。
・今回、放送される番組は、1回限りの特集。(続編の予定はない)
・ラジヲ出演は生放送。収録場所はラプラスラジヲのラジヲ局。
・当日の天候は、秋風が気持ち良い、星のきれいな晴れた日。
<出演内容の例>
さあ、ラジヲ番組に出演だ!
と、いきなり振られても心の準備が……!
かもしれませんので、出演内容のフックとして、以下のような例を提示します。
なお、例は飽くまで一例に過ぎませんので、皆さんでアレンジしてもいいです。例にない出演内容で出演されても基本的に問題ありません。
・内容はコメディでもシリアスでも可。(例えば、コントでも演説でも可)
・自由騎士団の活動を紹介されても、自分自身について紹介されても可。
・スキル、アイテム、戦術のこだわりなどについて解説されても可。
・個別出演でも、他のオラクルたちと同時出演でも可。
・ヨアヒムと対談でも、他のオラクルと対談でも可。
・グループ出演で座談会やパフォーマンスでも可。
・音楽番組にしても可。(歌の歌唱や楽器の演奏など)
・料理やグルメの番組にしても可。
・教養番組にしても可。
・絵本、童話、詩などの朗読でも可。
・ボイスドラマでも可。
・叫びたいことがあれば叫んでも可。
など。
注:創作系披露の出演内容であれば、既存作品の著作権にはご注意くださいね。
<サポート参加の場合>
サポート要員で参加される方は、ラジヲ局の手伝いモブ、出演者のマネージャーモブ、背景となる出演者モブなどがおススメです。
<EXについて>
アドリブや他の人たちとの絡みが特に欲しい方は、EXで「アドリブ歓迎」や「絡み歓迎」など一言どうぞ。また、特殊な呼称や口調のこだわりなどもある場合、教えてくださると助かります。
解説は以上です。
では、よろしくお願いいたします。
状態
完了
完了
報酬マテリア
1個
1個
1個
2個




参加費
100LP [予約時+50LP]
100LP [予約時+50LP]
相談日数
7日
7日
参加人数
6/6
6/6
公開日
2018年10月10日
2018年10月10日
†メイン参加者 6人†
●トミコの激励
司会の『君のハートを撃ち抜くぜ』ヨアヒム・マイヤー(nCL3000006)は、きりりと姿勢を正し、マイクに向かう。ラジヲ番組「突撃、ヨアさん!」が今宵も始まる!
「ラジヲの前のみんな、こんばんは~! 本日の晩もラジヲ番組の名の通り、司会の俺、ヨアヒムが突撃して参ろう! 今晩突撃する相手は、な、なんと、あの自由騎士団の方々! ラジヲ局には本日、6人のオラクルが参上! トップバッターは食堂のおばちゃんで有名な自由騎士のトミコおばちゃんだー!」
ヨアヒムに紹介されて、肝っ玉母さんのトミコ・マール(CL3000192)がさっそくマイクに向かって話し出す。ん? 何しているのかな?
「あーあー。これ、聞こえてるのかい?」
ヨアヒムが小声でさりげなくフォローする。
(大丈夫! ばっちり聞こえてるよ!)
「え? 大丈夫? ああ、そうなのかい。えー、こほん。この度は、このような機会にお呼び頂き誠にありがとうございます。自由騎士団のトミコ・マールでございます。本日は、どうぞ……」
トミコは緊張しているせいか、語り口が硬い。その上、口調まで変化している?
ヨアヒムが再びフォローに入る。
(ちょっと硬いね? 普段通りでいいよ!)
「え、硬い? ああ、もうめんどうだねっ! ……まぁ、アタシが言えるのは一つだね。自由騎士団はその名の通り、自由だよ。とてもね!」
トミコの方も心の準備が整ったようで、ヨアヒムも会話を繋ぐために質問する。
「ふむ? 自由騎士団は自由である、と。何とも観念的な話だね? 具体的にどう自由なのかな?」
トミコは咳払いした上で、答えを続ける。
「アタシみたいな食堂のおばちゃんでも、やる気と資質があれば入団を許してもらえるんだからねぇ。こんなすごいことがあるかい?」
「そうだね? そう言えばトミコおばちゃんは、元がトラットリア マールの料理人だよね? 他にもどんな人がいるのかな?」
やり取りが軌道に乗って来た。
「騎士団本業の人もいれば、兼業で料理人、学生、芸術家、政治家、色々いるさ。普段なら関わることもなさそうな人たちと同じ仲間として行動ができる。こんな面白いことはなかなかないと思うんだよ、アタシは!」
ここでヨアヒム、気になることを質問。
「へえ、色んな人がいるんだね? でも当然、戦闘依頼だってあるよね? 危ないことはないの?」
「そりゃもちろん危険ことだって、いっぱいあるさ。怪我の一つや二つしょっちゅうさ。それは否定しない。だけどね。その危険の先にしか真の平和はないんじゃないかって、アタシは思うんだよ!」
ヨアヒムも真顔になってまとめに入る。
「自由騎士団の皆さんは平和のために危険を承知で戦っているんだね! では、最後に一言どうぞ!」
トミコは深呼吸した後、一気にしゃべる。
「自由騎士団のドアを叩いてみないかい? みんなで待ってるさ! もちろんアタシだっている! 来たれ! 自由騎士団へ!」
●カノンの劇団紹介
トミコの番が終わり、お次は『太陽の笑顔』カノン・イスルギ(CL3000025)の番が来た。
(うー、舞台でのお芝居とはまた違ってラジヲ出演はドキドキするなー。でも役者として見事やり遂げてみせるんだよ!)
カノンが着席すると、ヨアヒムが紹介を始める。
「お次は、自由騎士団で演劇人でもあるカノンちゃんのご登場! さて、カノンちゃんはどんな感じで紹介してくれるのかな?」
「今日はねー、カノンが所属している劇団『アマリリス』で上演中のお芝居、『竜殺しの英雄と自由騎士団』を紹介するよー!」
ヨアヒムは、ふうむ、と頷く。
「そう? 自由騎士団員の人が演技する出し物ってのもまた気になるね? ねえ、どんなお話なの?」
カノンは演技モードに入る。ナレーターの声色を出しながら、低い声で淡々と語り出す。
「神暦1818年夏。伝説の英雄が復活。英雄の亡霊は、かつて主君を護りきれなかったことを死後も後悔していた。次こそは、今度こそは、と護るべき主君のため、彼は蘇る。しかし、今さら蘇ったところで、今の王国にとって『還りビト』は災いでしかない。悲しくも、かつての英雄を討ち果たすため、自由騎士団が立ち上がった!」
カノンの演技力に押され、ヨアヒムは興味深く聴き入っていた。
「へえ? 面白い劇になりそうだね? で、見所はどんな感じ?」
カノンが突然、何かが乗り移ったかのように叫び出す!
「えい、やぁ! さすが『竜殺し』! 伝説の英雄はやはり強い!」
騎士っぽく叫んだかと思ったら、今度は……。
「今の世に生きる騎士たちよ。互いの護るべき王のため、国のため、全力を賭けて戦おうぞ!」
伝説の英雄っぽい語り口でカノンが自分自身に叫び返した。
一人二役の演技である。
「わわ! すごい迫力だね? それが目玉のシーンのキャッチなわけか?」
驚いているヨアヒムに向かって、カノンは歌唱用マイクを向けてもらった。
そして、歌もあるよ、と一言断ってから、歌い出す。
「ああ この国を イ・ラプセルを守りたい♪ 同じ思い ぶつかる信念♪ その果てに何があるのか♪~ ららら~……」
カノンはそのスキルの名の通り、「歌姫」となった。劇中歌をテンポよく楽しそうに歌うカノンに魅入られて、ヨアヒムは手を叩いて上機嫌だ。
「いよっ! カノンちゃん、サイコー!! いいぞ、もっと歌ってー! ……ん? おおっと? そろそろお時間だね? では、最後に一言どうぞ!」
カノンは再び英雄のしゃがれた声を出して宣伝をする。
「英雄の亡霊と自由騎士団、その戦いの先にあるものは一体!? そして、それぞれが抱えている想いとは!? 詳しい内容は、ぜひお芝居で! Welcome to the Freedom Knights!(来たれ! 自由騎士団へ!)」
●シェリルのお店紹介
カノンの番が終わり、今度は、『商売繁盛どどんこどん』シェリル・八千代・ミツハシ(CL3000311)と入れ替わった。
「ラジヲをお聴きの皆さんこんばんは〜。シェリル・ミツハシと申します〜。今日はぁ〜、自由騎士の一人としてお呼ばれされました〜。よろしくお願いしまぁ〜す」
シェリルの挨拶が終わると、さっそくヨアヒムが質問。
「どーも、こちらこそよろしくね! さてさて、シェリルちゃんのご登場となるけど、君は確か、お店やってたよね?」
シェリルはにこりと答え返す。
「うふふ、そうなんですよね~。わたしは自由騎士としてお国のためにがんばっていますが〜。元々は和菓子屋さんなんですぅ! ちなみに、和菓子と言うのは~、アマノホカリのお菓子の総称なのですけどぉ、主にあずきを使った物が多くてぇ、夕食後のデザートにもぴったりなんですよ〜!」
彼女は袋に入った包をがさごそと取り出す。
「ヨアヒムさんやラジヲ局の皆さんにお持ちしましたのは~、こちらの栗羊羹(ようかん)です~! どうぞ召し上がってください〜!」
羊羹の包は2つあった。
ひとつは、ラジヲを収録しているプロデューサーに渡した。
もうひとつは、ヨアヒムに手渡し。
ヨアヒムが包を開くと、包に入った羊羹は既に切られていた。
シェリルが爪楊枝をヨアヒムに渡し、彼は切り分けられた羊羹一切れをあんぐりと口に入れる。
「もぐもぐ……。ん? こ、これは!?」
加速度が付いたヨアヒムは、バクバクと食べだす。
それを笑いながら見ていたシェリルは解説を加える。
「今が旬の大きな栗をひとつ丸々使った贅沢な逸品です〜! 羊羹とは、小豆と寒天を合わせたものでぇ、プルンとした食感のお菓子なのですけどぉ、とぉ〜っても上品なお味がするんですよ〜! ヨアヒムさん、お味はいかがですか〜?」
あまりにもの美味しさに心を奪われ、ヨアヒムはついつい完食してしまった!
「んごんぐ……。ぷはあ、美味かった! 淡い甘さと口当たりの軽さがなんとも言えないね? 栗のアクセントもグッド!」
シェリルは、目をキラリと光らせて宣伝のラストスパートに入る。
「当店はアマノホカリ出身の祖母から三代続く和菓子屋でしてぇ、製法は変わらず受け継がれてきたものなのです〜! なのでぇ、本場アマノホカリの味を楽しめちゃいますよ〜! お持帰りはもちろんです~! 店内でもぉ、アマノホカリでよく飲まれるグリーンティーと一緒に召し上がって頂くこともできます〜! 皆さま~! ぜひ明日のティータイムやディナーのデザートにでもぉ、サンクディゼールの和菓子屋『八千代堂』をよろしくお願いいたしますぅ〜!」
ヨアヒムが、そろそろ時間だね、と合図を出すと、シェリルは慌ててもう一言。
そう、自由騎士団のあのキャッチも入れなくては!
「あ、自由騎士も随時募集中です〜! 興味と資質がある方は、ぜひどうぞ〜。来たれ! 自由騎士団へ!」
●ウェルスのお店紹介
番組前半が終わり、お次は熊さん、いや、『星達の記録者』ウェルス ライヒトゥーム(CL3000033)の登場だ。
ウェルスはマイクに向かって元気よく挨拶と紹介を始める。
「どうも! 武器防具から各種資材、雑貨まで幅広く取り揃えてるアデレード港町の何でも屋、ウルスス商店の店長ウェルスだ!」
「おう! よろしく!」
(え? よろしく、ってそれだけか? 進行役の旦那、男には適当だからなぁ……。やる気なさそーな態度だな? よし、作戦決行!)
「なあ、旦那? これ見てくれねえか?」
ウェルスは、自店用の5%割引券を5枚取り出して、手元でひらひらさせた。
「お? それは何かな、ウェルス店長?」
ウェルスは牙をギラりと光らせた。
「ラジヲ出演を記念してウルスス商店より……。女性限定! ヨアヒムの旦那に話しかけて当店専用の割引券をもらおうキャンペーン開催! 先着5名様! なお、割引券は一部高額商品を除いて5%割引、1回分の買い物で1枚使用可能、使用期限は1か月なので、ご注意!」
ヨアヒムは割引券5枚を渡されて、にやにやしていた。
そして、小声でウェルスに聞く。
(なかなか美味しいキャンペーンだね!?)
ウェルスも小声でこっそり返す。
(これで旦那は、街を歩いてるだけで可愛い(とは限らないけど)女性に話しかけられる(かもしれない)て訳だ! あとは手持ちの割引券をチラっと見せれば……つまり、わかるな旦那?)
(了解! ありがとー!)
いつまでも小声でやり取りしていると怪しいので、ヨアヒムは司会モードに戻る。
なお、この小声のやり取りはオンエアされていたらしいので、そこは後日、お察しを。
「さて、ウェルス店長は、熊な訳だ? 熊絡みのエピソードとかある?」
熊語りをするヨアヒムに対し、ウェルスの方も、これは避けては通れない問題だと思い、答えることにした。
「俺は見た目どおり熊のケモノビト。ほとんど熊だ。どれくらいかって言えば、森で間違えられて猟師に撃たれたぐらいにな!」
「なるほど? 熊に変身してたんだね?」
「いいや、もちろん獣化変身なんて使ってない真昼間に! いやー死ぬかと思ったね、あの時は! 俺もガンナーなんで、撃ち返したら、熊が撃って来るって言うんだ!? で、猟師が大勢で押し寄せてきたからな!」
そいつはまた、大変だったね、と司会がコメントする。
ウェルスは、今度は、ポケットからがさごそと別の割引券を取り出した。
「ええ、ここにあるのは……。武器、防具、資材、雑貨、何でも、各5種類に関する5%割引券、5枚ずつだ! どうだろう? せっかくのラジヲ番組だし、抽選で応募者に当たるという企画は?」
ヨアヒムの目もとがキラリと光った。
「いいね、それ! んじゃあ、5種類の券があるんで、抽選で視聴者5名様にプレゼントだ! そうだね……。応募の宛先は、当番組局のラプラスラジヲへ、と。当選者の発表は後日発送にて代えさせて頂きます、と!」
そろそろ時間も迫って来た。
ヨアヒムが軽く合図をする。
「ま、俺の店も自由騎士団の方も今後ともよろしく! 来たれ! 自由騎士団へ!」
●アダムとジュリエットの恋の話
いよいよ最後のゲストだ。ウェルスと入れ替わり、『高潔たれ騎士乙女』ジュリエット・ゴールドスミス(CL3000357)と『挺身の』アダム・クランプトン(CL3000185)が収録部屋に入って来た。
「さあて、今宵の『突撃、ヨアさん!』、泣いても笑っても次でおしまいだ! 最後を飾るのは、美少女騎士と好青年騎士のコンビ! では、ご紹介どうぞ~!」
ヨアヒムに促されて、まずはジュリエットの方が元気よく挨拶を始める。
「おーっほほほほほ!! ごきげんよう、視聴者の皆さん!! わたくしの名はジュリエット・ゴールドスミス。自由騎士団に所属する、高潔で! 可憐な! 騎士ですわ!! 今回はアダムと一緒に出演ですわよ!」
彼女に続き、アダムの方もはにかんだ表情で挨拶をする。
「秋の夜長、皆さんどうお過ごしでしょうか。こんばんは、ゲストのアダム・クランプトンです。今回は同僚であり後輩でもあるジュリエットさんと一緒にお送りさせて頂きます!」
アダム君、ちょっと硬いよ、とヨアヒムが小声で助言した。
アダムの方も、これではいけない、と気合を入れ直す。
「実は僕、口下手でね。ここからは砕けた口調で話させてもらうよ? ふふ、何分こういったお仕事は初めてだからね。緊張で汗ダラダラさ。コレがラジヲ放送で助かったよ。さて、そろそろ本番トークといこうか?」
そこでジュリエットの方から、本日のテーマが発表された。
「さて、今回のトークのテーマですけれど……。それはズバリ、『恋』ですわ!! わたくしたち自由騎士団員も、騎士である前に一人の人間。今回は一人の女性として、恋のお話をさせて頂きますわよ!」
アダムがぎょっとした。
一緒にトークでもして出演しようという話ではあったが、彼にとってまさかのテーマだった。
「おや、『恋』の話かい? これは困ったな、僕の苦手な分野だ。とは言え、ジュリエットさんはやる気満々みたいだね?」
ヨアヒムが進行のため、間に入る。
「へえ、そう来るか? 番組のクライマックスでお二人が語るテーマは、『恋』、と。いやいや、俺的には大歓迎さ! 自由騎士団も恋をするんだ?」
では、わたくしから、と顔をやや赤らめてジュリエットがマイクに向かって語り出した。
「わたくしは……今、一人の殿方に恋をしておりますの。その方はわたくしと同じ自由騎士団員で、わたくしの先輩で……例えるなら、王子様のような方ですわ。まるで絵本の中から飛び出してきたかのような、素敵な容姿をしていらっしゃいますのよ。その方の澄んだ瞳で見つめられるだけで、わたくしは胸の高鳴りが収まらなくて……」
ジュリエットはそう熱く語りながらも、アダムの顔を愛しそうにちらちらと何度も見る。
アダムの方は感心しているようで、うんうん、と頷いている。
恋に鋭いヨアヒムは何かを察したようで、にやにやしていた。
ジュリエットの熱い恋語りは続く。
「その方はわたくしの気持ちには気づいていらっしゃいませんの。いつかこの想いをお伝えすることができればいいのですけれど……。今は、ただ先輩後輩として共に時を過ごせるだけで幸せですわ」
「いいね、ジュリエットちゃんの情熱的な恋! で、アダム君の方はどうなの? ぜひ君の恋の話も聴かせてもらいたいな!」
にやけ顔のヨアヒムに促され、アダムもいよいよ恋を語る!
「さっき苦手とは言ったけど、実は、僕も恋をしているんだ! 相手はズバリ『あんパン』さ! もともとパンが好きで巡回中も食べ歩きを……っと、コレは聞かなかったことにしておくれ! 例えるなら、外側のパンと中のあんこが合わさる時、ソレはまるでオーケストラの重奏のような美味なのさ! この放送を聴いている君もぜひ一度食べてみて欲しい! そこにはきっと、感動が待っているよ!」
この発言は、何かを期待していたヨアヒムとジュリエットの両者を驚愕させた。
いや、もしかすると、視聴者までもが驚いたことだろう。
「な、な、なんと……!! アダムの恋の相手は『あんパン』ですの! おのれー、憎きあんパンめー!! わたくしも今にあんパンの甘さや味を超える女になってやりますわよ!」
「まあまあ、ジュリエットちゃん! 気持ちは察するよ! でも、ヒトは、どんなにがんばっても『あんパン』にはなれないよ」
「いや、君ならなれるさ、ジュリエットさん! 『あんパン』の高みを目指して共にがんばろう!」
ラジヲ局のスタッフや今まで出演していたオラクルたちからも、がんばれ、ジュリエット、がんばれ、アダム! と応援の声が入った。
さてさて、番組が盛り上がってきたところで、締めに入ろう。
「んじゃ、最後に一言どうぞ!」
ジュリエットからまとめに入る。
「恋をすると気持ちがとっても華やぎますのよ。視聴者の皆さんも、自分だけの大切な人を見付けてごらんなさいな」
アダムもまとめる。
「ここまで僕たち二人で『恋』の話をしてきたワケだが、どうだったろうか? 僕たちも君たちと変わらない、この国を愛するただの人間なんだ。だからいつでも気軽に話しかけて欲しい!」
そして、二人で声を揃えて叫ぶ。
『来たれ! 自由騎士団へ!』
以上で本日のラジヲ番組は無事に終了した。
後日、わかったことだが、当番組は視聴者の間でも大好評だったようだ。
今回の広報活動は、自由騎士団と一般人が互いに歩み寄るきっかけの一つになったことだろう。
了
司会の『君のハートを撃ち抜くぜ』ヨアヒム・マイヤー(nCL3000006)は、きりりと姿勢を正し、マイクに向かう。ラジヲ番組「突撃、ヨアさん!」が今宵も始まる!
「ラジヲの前のみんな、こんばんは~! 本日の晩もラジヲ番組の名の通り、司会の俺、ヨアヒムが突撃して参ろう! 今晩突撃する相手は、な、なんと、あの自由騎士団の方々! ラジヲ局には本日、6人のオラクルが参上! トップバッターは食堂のおばちゃんで有名な自由騎士のトミコおばちゃんだー!」
ヨアヒムに紹介されて、肝っ玉母さんのトミコ・マール(CL3000192)がさっそくマイクに向かって話し出す。ん? 何しているのかな?
「あーあー。これ、聞こえてるのかい?」
ヨアヒムが小声でさりげなくフォローする。
(大丈夫! ばっちり聞こえてるよ!)
「え? 大丈夫? ああ、そうなのかい。えー、こほん。この度は、このような機会にお呼び頂き誠にありがとうございます。自由騎士団のトミコ・マールでございます。本日は、どうぞ……」
トミコは緊張しているせいか、語り口が硬い。その上、口調まで変化している?
ヨアヒムが再びフォローに入る。
(ちょっと硬いね? 普段通りでいいよ!)
「え、硬い? ああ、もうめんどうだねっ! ……まぁ、アタシが言えるのは一つだね。自由騎士団はその名の通り、自由だよ。とてもね!」
トミコの方も心の準備が整ったようで、ヨアヒムも会話を繋ぐために質問する。
「ふむ? 自由騎士団は自由である、と。何とも観念的な話だね? 具体的にどう自由なのかな?」
トミコは咳払いした上で、答えを続ける。
「アタシみたいな食堂のおばちゃんでも、やる気と資質があれば入団を許してもらえるんだからねぇ。こんなすごいことがあるかい?」
「そうだね? そう言えばトミコおばちゃんは、元がトラットリア マールの料理人だよね? 他にもどんな人がいるのかな?」
やり取りが軌道に乗って来た。
「騎士団本業の人もいれば、兼業で料理人、学生、芸術家、政治家、色々いるさ。普段なら関わることもなさそうな人たちと同じ仲間として行動ができる。こんな面白いことはなかなかないと思うんだよ、アタシは!」
ここでヨアヒム、気になることを質問。
「へえ、色んな人がいるんだね? でも当然、戦闘依頼だってあるよね? 危ないことはないの?」
「そりゃもちろん危険ことだって、いっぱいあるさ。怪我の一つや二つしょっちゅうさ。それは否定しない。だけどね。その危険の先にしか真の平和はないんじゃないかって、アタシは思うんだよ!」
ヨアヒムも真顔になってまとめに入る。
「自由騎士団の皆さんは平和のために危険を承知で戦っているんだね! では、最後に一言どうぞ!」
トミコは深呼吸した後、一気にしゃべる。
「自由騎士団のドアを叩いてみないかい? みんなで待ってるさ! もちろんアタシだっている! 来たれ! 自由騎士団へ!」
●カノンの劇団紹介
トミコの番が終わり、お次は『太陽の笑顔』カノン・イスルギ(CL3000025)の番が来た。
(うー、舞台でのお芝居とはまた違ってラジヲ出演はドキドキするなー。でも役者として見事やり遂げてみせるんだよ!)
カノンが着席すると、ヨアヒムが紹介を始める。
「お次は、自由騎士団で演劇人でもあるカノンちゃんのご登場! さて、カノンちゃんはどんな感じで紹介してくれるのかな?」
「今日はねー、カノンが所属している劇団『アマリリス』で上演中のお芝居、『竜殺しの英雄と自由騎士団』を紹介するよー!」
ヨアヒムは、ふうむ、と頷く。
「そう? 自由騎士団員の人が演技する出し物ってのもまた気になるね? ねえ、どんなお話なの?」
カノンは演技モードに入る。ナレーターの声色を出しながら、低い声で淡々と語り出す。
「神暦1818年夏。伝説の英雄が復活。英雄の亡霊は、かつて主君を護りきれなかったことを死後も後悔していた。次こそは、今度こそは、と護るべき主君のため、彼は蘇る。しかし、今さら蘇ったところで、今の王国にとって『還りビト』は災いでしかない。悲しくも、かつての英雄を討ち果たすため、自由騎士団が立ち上がった!」
カノンの演技力に押され、ヨアヒムは興味深く聴き入っていた。
「へえ? 面白い劇になりそうだね? で、見所はどんな感じ?」
カノンが突然、何かが乗り移ったかのように叫び出す!
「えい、やぁ! さすが『竜殺し』! 伝説の英雄はやはり強い!」
騎士っぽく叫んだかと思ったら、今度は……。
「今の世に生きる騎士たちよ。互いの護るべき王のため、国のため、全力を賭けて戦おうぞ!」
伝説の英雄っぽい語り口でカノンが自分自身に叫び返した。
一人二役の演技である。
「わわ! すごい迫力だね? それが目玉のシーンのキャッチなわけか?」
驚いているヨアヒムに向かって、カノンは歌唱用マイクを向けてもらった。
そして、歌もあるよ、と一言断ってから、歌い出す。
「ああ この国を イ・ラプセルを守りたい♪ 同じ思い ぶつかる信念♪ その果てに何があるのか♪~ ららら~……」
カノンはそのスキルの名の通り、「歌姫」となった。劇中歌をテンポよく楽しそうに歌うカノンに魅入られて、ヨアヒムは手を叩いて上機嫌だ。
「いよっ! カノンちゃん、サイコー!! いいぞ、もっと歌ってー! ……ん? おおっと? そろそろお時間だね? では、最後に一言どうぞ!」
カノンは再び英雄のしゃがれた声を出して宣伝をする。
「英雄の亡霊と自由騎士団、その戦いの先にあるものは一体!? そして、それぞれが抱えている想いとは!? 詳しい内容は、ぜひお芝居で! Welcome to the Freedom Knights!(来たれ! 自由騎士団へ!)」
●シェリルのお店紹介
カノンの番が終わり、今度は、『商売繁盛どどんこどん』シェリル・八千代・ミツハシ(CL3000311)と入れ替わった。
「ラジヲをお聴きの皆さんこんばんは〜。シェリル・ミツハシと申します〜。今日はぁ〜、自由騎士の一人としてお呼ばれされました〜。よろしくお願いしまぁ〜す」
シェリルの挨拶が終わると、さっそくヨアヒムが質問。
「どーも、こちらこそよろしくね! さてさて、シェリルちゃんのご登場となるけど、君は確か、お店やってたよね?」
シェリルはにこりと答え返す。
「うふふ、そうなんですよね~。わたしは自由騎士としてお国のためにがんばっていますが〜。元々は和菓子屋さんなんですぅ! ちなみに、和菓子と言うのは~、アマノホカリのお菓子の総称なのですけどぉ、主にあずきを使った物が多くてぇ、夕食後のデザートにもぴったりなんですよ〜!」
彼女は袋に入った包をがさごそと取り出す。
「ヨアヒムさんやラジヲ局の皆さんにお持ちしましたのは~、こちらの栗羊羹(ようかん)です~! どうぞ召し上がってください〜!」
羊羹の包は2つあった。
ひとつは、ラジヲを収録しているプロデューサーに渡した。
もうひとつは、ヨアヒムに手渡し。
ヨアヒムが包を開くと、包に入った羊羹は既に切られていた。
シェリルが爪楊枝をヨアヒムに渡し、彼は切り分けられた羊羹一切れをあんぐりと口に入れる。
「もぐもぐ……。ん? こ、これは!?」
加速度が付いたヨアヒムは、バクバクと食べだす。
それを笑いながら見ていたシェリルは解説を加える。
「今が旬の大きな栗をひとつ丸々使った贅沢な逸品です〜! 羊羹とは、小豆と寒天を合わせたものでぇ、プルンとした食感のお菓子なのですけどぉ、とぉ〜っても上品なお味がするんですよ〜! ヨアヒムさん、お味はいかがですか〜?」
あまりにもの美味しさに心を奪われ、ヨアヒムはついつい完食してしまった!
「んごんぐ……。ぷはあ、美味かった! 淡い甘さと口当たりの軽さがなんとも言えないね? 栗のアクセントもグッド!」
シェリルは、目をキラリと光らせて宣伝のラストスパートに入る。
「当店はアマノホカリ出身の祖母から三代続く和菓子屋でしてぇ、製法は変わらず受け継がれてきたものなのです〜! なのでぇ、本場アマノホカリの味を楽しめちゃいますよ〜! お持帰りはもちろんです~! 店内でもぉ、アマノホカリでよく飲まれるグリーンティーと一緒に召し上がって頂くこともできます〜! 皆さま~! ぜひ明日のティータイムやディナーのデザートにでもぉ、サンクディゼールの和菓子屋『八千代堂』をよろしくお願いいたしますぅ〜!」
ヨアヒムが、そろそろ時間だね、と合図を出すと、シェリルは慌ててもう一言。
そう、自由騎士団のあのキャッチも入れなくては!
「あ、自由騎士も随時募集中です〜! 興味と資質がある方は、ぜひどうぞ〜。来たれ! 自由騎士団へ!」
●ウェルスのお店紹介
番組前半が終わり、お次は熊さん、いや、『星達の記録者』ウェルス ライヒトゥーム(CL3000033)の登場だ。
ウェルスはマイクに向かって元気よく挨拶と紹介を始める。
「どうも! 武器防具から各種資材、雑貨まで幅広く取り揃えてるアデレード港町の何でも屋、ウルスス商店の店長ウェルスだ!」
「おう! よろしく!」
(え? よろしく、ってそれだけか? 進行役の旦那、男には適当だからなぁ……。やる気なさそーな態度だな? よし、作戦決行!)
「なあ、旦那? これ見てくれねえか?」
ウェルスは、自店用の5%割引券を5枚取り出して、手元でひらひらさせた。
「お? それは何かな、ウェルス店長?」
ウェルスは牙をギラりと光らせた。
「ラジヲ出演を記念してウルスス商店より……。女性限定! ヨアヒムの旦那に話しかけて当店専用の割引券をもらおうキャンペーン開催! 先着5名様! なお、割引券は一部高額商品を除いて5%割引、1回分の買い物で1枚使用可能、使用期限は1か月なので、ご注意!」
ヨアヒムは割引券5枚を渡されて、にやにやしていた。
そして、小声でウェルスに聞く。
(なかなか美味しいキャンペーンだね!?)
ウェルスも小声でこっそり返す。
(これで旦那は、街を歩いてるだけで可愛い(とは限らないけど)女性に話しかけられる(かもしれない)て訳だ! あとは手持ちの割引券をチラっと見せれば……つまり、わかるな旦那?)
(了解! ありがとー!)
いつまでも小声でやり取りしていると怪しいので、ヨアヒムは司会モードに戻る。
なお、この小声のやり取りはオンエアされていたらしいので、そこは後日、お察しを。
「さて、ウェルス店長は、熊な訳だ? 熊絡みのエピソードとかある?」
熊語りをするヨアヒムに対し、ウェルスの方も、これは避けては通れない問題だと思い、答えることにした。
「俺は見た目どおり熊のケモノビト。ほとんど熊だ。どれくらいかって言えば、森で間違えられて猟師に撃たれたぐらいにな!」
「なるほど? 熊に変身してたんだね?」
「いいや、もちろん獣化変身なんて使ってない真昼間に! いやー死ぬかと思ったね、あの時は! 俺もガンナーなんで、撃ち返したら、熊が撃って来るって言うんだ!? で、猟師が大勢で押し寄せてきたからな!」
そいつはまた、大変だったね、と司会がコメントする。
ウェルスは、今度は、ポケットからがさごそと別の割引券を取り出した。
「ええ、ここにあるのは……。武器、防具、資材、雑貨、何でも、各5種類に関する5%割引券、5枚ずつだ! どうだろう? せっかくのラジヲ番組だし、抽選で応募者に当たるという企画は?」
ヨアヒムの目もとがキラリと光った。
「いいね、それ! んじゃあ、5種類の券があるんで、抽選で視聴者5名様にプレゼントだ! そうだね……。応募の宛先は、当番組局のラプラスラジヲへ、と。当選者の発表は後日発送にて代えさせて頂きます、と!」
そろそろ時間も迫って来た。
ヨアヒムが軽く合図をする。
「ま、俺の店も自由騎士団の方も今後ともよろしく! 来たれ! 自由騎士団へ!」
●アダムとジュリエットの恋の話
いよいよ最後のゲストだ。ウェルスと入れ替わり、『高潔たれ騎士乙女』ジュリエット・ゴールドスミス(CL3000357)と『挺身の』アダム・クランプトン(CL3000185)が収録部屋に入って来た。
「さあて、今宵の『突撃、ヨアさん!』、泣いても笑っても次でおしまいだ! 最後を飾るのは、美少女騎士と好青年騎士のコンビ! では、ご紹介どうぞ~!」
ヨアヒムに促されて、まずはジュリエットの方が元気よく挨拶を始める。
「おーっほほほほほ!! ごきげんよう、視聴者の皆さん!! わたくしの名はジュリエット・ゴールドスミス。自由騎士団に所属する、高潔で! 可憐な! 騎士ですわ!! 今回はアダムと一緒に出演ですわよ!」
彼女に続き、アダムの方もはにかんだ表情で挨拶をする。
「秋の夜長、皆さんどうお過ごしでしょうか。こんばんは、ゲストのアダム・クランプトンです。今回は同僚であり後輩でもあるジュリエットさんと一緒にお送りさせて頂きます!」
アダム君、ちょっと硬いよ、とヨアヒムが小声で助言した。
アダムの方も、これではいけない、と気合を入れ直す。
「実は僕、口下手でね。ここからは砕けた口調で話させてもらうよ? ふふ、何分こういったお仕事は初めてだからね。緊張で汗ダラダラさ。コレがラジヲ放送で助かったよ。さて、そろそろ本番トークといこうか?」
そこでジュリエットの方から、本日のテーマが発表された。
「さて、今回のトークのテーマですけれど……。それはズバリ、『恋』ですわ!! わたくしたち自由騎士団員も、騎士である前に一人の人間。今回は一人の女性として、恋のお話をさせて頂きますわよ!」
アダムがぎょっとした。
一緒にトークでもして出演しようという話ではあったが、彼にとってまさかのテーマだった。
「おや、『恋』の話かい? これは困ったな、僕の苦手な分野だ。とは言え、ジュリエットさんはやる気満々みたいだね?」
ヨアヒムが進行のため、間に入る。
「へえ、そう来るか? 番組のクライマックスでお二人が語るテーマは、『恋』、と。いやいや、俺的には大歓迎さ! 自由騎士団も恋をするんだ?」
では、わたくしから、と顔をやや赤らめてジュリエットがマイクに向かって語り出した。
「わたくしは……今、一人の殿方に恋をしておりますの。その方はわたくしと同じ自由騎士団員で、わたくしの先輩で……例えるなら、王子様のような方ですわ。まるで絵本の中から飛び出してきたかのような、素敵な容姿をしていらっしゃいますのよ。その方の澄んだ瞳で見つめられるだけで、わたくしは胸の高鳴りが収まらなくて……」
ジュリエットはそう熱く語りながらも、アダムの顔を愛しそうにちらちらと何度も見る。
アダムの方は感心しているようで、うんうん、と頷いている。
恋に鋭いヨアヒムは何かを察したようで、にやにやしていた。
ジュリエットの熱い恋語りは続く。
「その方はわたくしの気持ちには気づいていらっしゃいませんの。いつかこの想いをお伝えすることができればいいのですけれど……。今は、ただ先輩後輩として共に時を過ごせるだけで幸せですわ」
「いいね、ジュリエットちゃんの情熱的な恋! で、アダム君の方はどうなの? ぜひ君の恋の話も聴かせてもらいたいな!」
にやけ顔のヨアヒムに促され、アダムもいよいよ恋を語る!
「さっき苦手とは言ったけど、実は、僕も恋をしているんだ! 相手はズバリ『あんパン』さ! もともとパンが好きで巡回中も食べ歩きを……っと、コレは聞かなかったことにしておくれ! 例えるなら、外側のパンと中のあんこが合わさる時、ソレはまるでオーケストラの重奏のような美味なのさ! この放送を聴いている君もぜひ一度食べてみて欲しい! そこにはきっと、感動が待っているよ!」
この発言は、何かを期待していたヨアヒムとジュリエットの両者を驚愕させた。
いや、もしかすると、視聴者までもが驚いたことだろう。
「な、な、なんと……!! アダムの恋の相手は『あんパン』ですの! おのれー、憎きあんパンめー!! わたくしも今にあんパンの甘さや味を超える女になってやりますわよ!」
「まあまあ、ジュリエットちゃん! 気持ちは察するよ! でも、ヒトは、どんなにがんばっても『あんパン』にはなれないよ」
「いや、君ならなれるさ、ジュリエットさん! 『あんパン』の高みを目指して共にがんばろう!」
ラジヲ局のスタッフや今まで出演していたオラクルたちからも、がんばれ、ジュリエット、がんばれ、アダム! と応援の声が入った。
さてさて、番組が盛り上がってきたところで、締めに入ろう。
「んじゃ、最後に一言どうぞ!」
ジュリエットからまとめに入る。
「恋をすると気持ちがとっても華やぎますのよ。視聴者の皆さんも、自分だけの大切な人を見付けてごらんなさいな」
アダムもまとめる。
「ここまで僕たち二人で『恋』の話をしてきたワケだが、どうだったろうか? 僕たちも君たちと変わらない、この国を愛するただの人間なんだ。だからいつでも気軽に話しかけて欲しい!」
そして、二人で声を揃えて叫ぶ。
『来たれ! 自由騎士団へ!』
以上で本日のラジヲ番組は無事に終了した。
後日、わかったことだが、当番組は視聴者の間でも大好評だったようだ。
今回の広報活動は、自由騎士団と一般人が互いに歩み寄るきっかけの一つになったことだろう。
了
†シナリオ結果†
成功
†詳細†
称号付与
『自由騎士団ラジヲ広報部』
取得者: ジュリエット・ゴールドスミス(CL3000357)
『自由騎士団ラジヲ広報部』
取得者: アダム・クランプトン(CL3000185)
『自由騎士団ラジヲ広報部』
取得者: カノン・イスルギ(CL3000025)
『自由騎士団ラジヲ広報部』
取得者: シェリル・八千代・ミツハシ(CL3000311)
『自由騎士団ラジヲ広報部』
取得者: トミコ・マール(CL3000192)
『自由騎士団ラジヲ広報部』
取得者: ウェルス ライヒトゥーム(CL3000033)
取得者: ジュリエット・ゴールドスミス(CL3000357)
『自由騎士団ラジヲ広報部』
取得者: アダム・クランプトン(CL3000185)
『自由騎士団ラジヲ広報部』
取得者: カノン・イスルギ(CL3000025)
『自由騎士団ラジヲ広報部』
取得者: シェリル・八千代・ミツハシ(CL3000311)
『自由騎士団ラジヲ広報部』
取得者: トミコ・マール(CL3000192)
『自由騎士団ラジヲ広報部』
取得者: ウェルス ライヒトゥーム(CL3000033)
†あとがき†
シナリオへのご参加ありがとうございました。
皆さんのお陰で楽しいラジヲ番組になりました。
MVPは、ジュリエットさんです。
ラジヲ番組で熱く恋を語る姿が勇ましかったです。
皆さん全員、「自由騎士団ラジヲ広報部」認定です!
新称号の配布となりました。
では、またイ・ラプセルのどこかでお会いできれば幸いです
皆さんのお陰で楽しいラジヲ番組になりました。
MVPは、ジュリエットさんです。
ラジヲ番組で熱く恋を語る姿が勇ましかったです。
皆さん全員、「自由騎士団ラジヲ広報部」認定です!
新称号の配布となりました。
では、またイ・ラプセルのどこかでお会いできれば幸いです
FL送付済