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<<豊穣祭WBR>>ジロー、美少女になるってよ

●
WBR(ウィート・バーリィ・ライ)。
それは一年に一度の豊穣を祝う、国を挙げたお祭りである。
期間中人々は勇者や悪霊など思い思いの衣装に扮装して街に繰り出し、振舞われる食べものやお酒に舌鼓を打つ。
国民全員が参加と言っても過言ではないこの行事。もちろんそれは自由騎士たちも例外にあらず。
衣装は決まったかい? 麦は持ったかい? お菓子は?
さぁ準備は整った。街へ繰り出そう!
WBR(ウィート・バーリィ・ライ)。
それは一年に一度の豊穣を祝う、国を挙げたお祭りである。
期間中人々は勇者や悪霊など思い思いの衣装に扮装して街に繰り出し、振舞われる食べものやお酒に舌鼓を打つ。
国民全員が参加と言っても過言ではないこの行事。もちろんそれは自由騎士たちも例外にあらず。
衣装は決まったかい? 麦は持ったかい? お菓子は?
さぁ準備は整った。街へ繰り出そう!
†シナリオ詳細†
■成功条件
1.お祭りを楽しむ
麺二郎です。この日ばかりは麦二郎になる事も辞さず。
国を挙げた豊穣祭。WBR(ウィート・バーリィ・ライ)の始まりです。
飲めや歌えや騒げや踊れやをここぞとばかりに楽しみましょう。
●ロケーション
イ・ラプセル城下町の中央近くにあるミケランジェロ広場。すでに祭りの空気で熱気に包まれています。
広場には沢山の勇者と悪霊、そしてその周りには広場を取り囲むようにおいしそうな食べ物屋台とのんびりできるテーブルセットが置かれています。
皆さんには勇者もしくは悪霊、はたまたその様子を眺める観客となっていただき祭りを盛り上げていただきます。
またブレインストーミングスペースでの
イーイー・ケルツェンハイム(CL3000076) 2018年10月30日(火) 22:26:58
たまき 聖流(CL3000283) 2018年10月31日(水) 10:52:23
の発言を元に速やかな伝達が行われ、サーカス『オンリーワン』のメンバーも何名か仮装して広場に来ているようです。
・オールシーズンズ オンリーワン団長です。仮装はせず、チラシを配りながらサーカスの宣伝をしています。
・セプテンバー 大きなシーツを被り、お化けの仮装をしています。会話は苦手です。
・オーガスト フランケンシュタインの仮装をしています。
・メイ 可愛らしい魔女の仮装をしています。
・エイプリル マザリモノの特性をそのまま活かし、火の精霊の仮装をしています。
彼らはサーカスで各地を巡りますが、様々な理由からサーカスから出る事は殆どありません。
そのため今回の招待を心から喜んでいます。
●プレイング
1、【勇者】【悪霊】【観客】のどれを演じるかを選択します。
2、どういった衣装を着ているのか。
3、勇者(悪霊)もしくは観客としてどういった行動をとるのか
4、振舞われたエール(未成年は麦をいぶしたお茶かジュース)を飲んで一言どうぞ!
5、同行者が居る場合は名前とIDを記載、文字数を圧迫する場合は共通タグでOKです。
プレイング例
1 悪霊
2 ぼろぼろの服を着たゾンビ
3 「あ”---」といいながら町中を彷徨います。
4 「ぷはー! 染み渡るぅーーーっ!!!!」
5 【麺は生麺】
●同行NPC
・ジロー・R・ミタホーンテン(nCL3000027)
世にも恐ろしい悪霊【美SHOW女】となって徘徊しています。
なぜかその手にはお菓子っぽく加工された乾麺を砕いて固めたものが。
●イベントシナリオのルール
・参加料金は50LPです。
・予約期間はありません。参加ボタンを押した時点で参加が確定します。
・獲得リソースは通常依頼難易度普通の1/3です。
・特定の誰かと行動をしたい場合は『クラウス・フォン・プラテス(nCL3000003)』といった風にIDと名前を全て表記するようにして下さい。又、グループでの参加の場合、参加者全員が【グループ名】というタグをプレイングに記載する事で個別のフルネームをIDつきで書く必要がなくなります。
・NPCの場合も同様となりますがIDとフルネームは必要なく、名前のみでOKです。
・イベントシナリオでは参加キャラクター全員の描写が行なわれない可能性があります。
・内容を絞ったほうが良い描写が行われる可能性が高くなります。
・公序良俗にはご配慮ください。
・未成年の飲酒、タバコは禁止です。
皆様のご参加お待ちしております。
国を挙げた豊穣祭。WBR(ウィート・バーリィ・ライ)の始まりです。
飲めや歌えや騒げや踊れやをここぞとばかりに楽しみましょう。
●ロケーション
イ・ラプセル城下町の中央近くにあるミケランジェロ広場。すでに祭りの空気で熱気に包まれています。
広場には沢山の勇者と悪霊、そしてその周りには広場を取り囲むようにおいしそうな食べ物屋台とのんびりできるテーブルセットが置かれています。
皆さんには勇者もしくは悪霊、はたまたその様子を眺める観客となっていただき祭りを盛り上げていただきます。
またブレインストーミングスペースでの
イーイー・ケルツェンハイム(CL3000076) 2018年10月30日(火) 22:26:58
たまき 聖流(CL3000283) 2018年10月31日(水) 10:52:23
の発言を元に速やかな伝達が行われ、サーカス『オンリーワン』のメンバーも何名か仮装して広場に来ているようです。
・オールシーズンズ オンリーワン団長です。仮装はせず、チラシを配りながらサーカスの宣伝をしています。
・セプテンバー 大きなシーツを被り、お化けの仮装をしています。会話は苦手です。
・オーガスト フランケンシュタインの仮装をしています。
・メイ 可愛らしい魔女の仮装をしています。
・エイプリル マザリモノの特性をそのまま活かし、火の精霊の仮装をしています。
彼らはサーカスで各地を巡りますが、様々な理由からサーカスから出る事は殆どありません。
そのため今回の招待を心から喜んでいます。
●プレイング
1、【勇者】【悪霊】【観客】のどれを演じるかを選択します。
2、どういった衣装を着ているのか。
3、勇者(悪霊)もしくは観客としてどういった行動をとるのか
4、振舞われたエール(未成年は麦をいぶしたお茶かジュース)を飲んで一言どうぞ!
5、同行者が居る場合は名前とIDを記載、文字数を圧迫する場合は共通タグでOKです。
プレイング例
1 悪霊
2 ぼろぼろの服を着たゾンビ
3 「あ”---」といいながら町中を彷徨います。
4 「ぷはー! 染み渡るぅーーーっ!!!!」
5 【麺は生麺】
●同行NPC
・ジロー・R・ミタホーンテン(nCL3000027)
世にも恐ろしい悪霊【美SHOW女】となって徘徊しています。
なぜかその手にはお菓子っぽく加工された乾麺を砕いて固めたものが。
●イベントシナリオのルール
・参加料金は50LPです。
・予約期間はありません。参加ボタンを押した時点で参加が確定します。
・獲得リソースは通常依頼難易度普通の1/3です。
・特定の誰かと行動をしたい場合は『クラウス・フォン・プラテス(nCL3000003)』といった風にIDと名前を全て表記するようにして下さい。又、グループでの参加の場合、参加者全員が【グループ名】というタグをプレイングに記載する事で個別のフルネームをIDつきで書く必要がなくなります。
・NPCの場合も同様となりますがIDとフルネームは必要なく、名前のみでOKです。
・イベントシナリオでは参加キャラクター全員の描写が行なわれない可能性があります。
・内容を絞ったほうが良い描写が行われる可能性が高くなります。
・公序良俗にはご配慮ください。
・未成年の飲酒、タバコは禁止です。
皆様のご参加お待ちしております。

状態
完了
完了
報酬マテリア
0個
0個
0個
1個




参加費
50LP
50LP
相談日数
7日
7日
参加人数
13/30
13/30
公開日
2018年11月09日
2018年11月09日
†メイン参加者 13人†

●
「みんな楽しんでるかにゃー♪」
『踊り子』ミケ・テンリュウイン(CL3000238)は広場でも一際目を引いていた。
いつもの衣装もいわば政(まつりごと)寄りではあるのだが……今日は年に一度の豊穣祭。悪霊役のミケも気合が違う。普段の衣装に輪をかけて豪華に装飾された衣装。悪霊役を演出するためか少々厚めのメイク。そしてキレッキレのダンス。
『踊り魔人』を自称するミケは豊穣祭を思い切り堪能している。
その楽しそうな様子に周りの人々もいつの間にかリズムに合わせて踊りだす。
「ふふふ~♪ これがミケの踊り魔人としての能力っ♪」
勇者も、悪霊も、そしてソレを見ている観客さえも楽しそうに踊っている。
「ふぅ~~。踊りのあとの燻した飲み物は最高だにゃっ!!」
ミケは一息つくとまた踊りの輪へ戻っていった。
「ミケは踊り魔人! さぁみんなで踊りまくるのにゃっ!!」
●
『\ウィート/\バーリィ/\ライ』アダム・クランプトン(CL3000185)は九尾狐の仮装で悪霊役を買って出ていた。
アダム自身が楽しむのはもちろんなのだが、お菓子を渡すことでより多くの人に祭りを楽しんで欲しいという彼の気持ちの現れであろう。
「僕はアマノホカリの九尾狐! 我こそはという勇ましき者は正々堂々掛かって来るが良い!」
アダムは一人ひとりの年端に合わせた丁寧な対応でお菓子を配っていく。
やはり祭は良いものだ。どこもかしこも笑顔であふれている。自然とアダムも笑みがこぼれる。
「ん? そういえばジュリエットさんも悪霊役で参加してたような。確か仮装は……」
キョロキョロと当たりを見渡すが、広場は沢山の参加者でごった返している。
「おーっほほほほ!!!」
その時聞こえる、聞き覚えのある笑い声。無事見つけたようだ。
\わたくしですわ!!/
『恋文したため恋せよ人魚』ジュリエット・ゴールドスミス(CL3000357)は人魚姫の仮装をしていた。
「本日のわたくしは悪霊を演じさせていただきますわ! 三日三晩夜なべをして手ずから拵えた、人魚姫の仮装ですのよ」
ジュリエットの顔にはやりきったという自信が見て取れる。
そしてジュリエットには一つの思惑。
「あ、いたいた。聞き覚えのある笑い声がしたからね」
アダムはジュリエットを見るとやっぱりか、という顔をする。
「(アダム……さぁ動けないわたくしをお姫様だっこしてくださいまし!!!)」
胸のときめきを押さえきれず思わず目を瞑って、アダムが優しく抱えあげるのを待つジュリエット。
「じゃぁいくよっ」
「(ああ……とうとうわたくしの夢が……)」
そっと目を開ける。
「えぇっ!?」
ジュリエットはアダムに俵担ぎされていた。
「どいたどいたっ! 活きの良い人魚が揚がったよっ!!」
まさかの展開に目が点になるジュリエット。
人魚を担いだお狐様はそのまま広場を走り回るのであった。
●
かなり本格的なゾンビと化している『イ・ラプセル自由騎士団』アリシア・フォン・フルシャンテ(CL3000227)。そのクオリティは他の参加者に比べ、頭一つ抜け出ている。
「のーみそーたべさしてーー」
かなり本格的なのだが……なぜか子供達にはあまり怖がられず逆に追い掛け回される始末。クオリティの高さが子供達の悪戯心に火をつけてしまったようだ。
「ふぅー。やっと逃げ切れたぁ。一体何が悪かったんや?」
一息ついたその時、麦穂の剣を持った青い鎧の勇者とピンクのマントの勇者(とたくさんのちびっこ勇者)が立ちふさがった。
『銀の癒し手』サシャ・プニコフ(CL3000122)と『わりとべろんべろんだった』フーリィン・アルカナム(CL3000403)である。
「悪いゾンビめ!! お菓子を奪い取りにきたぞ!!」
サシャの両手の袋にはすでにあふれんばかりのお菓子。でもまだまだ足りない。サシャは教会で待つ幼い弟妹に沢山にお菓子を持って帰ると約束しているのだ。
「もっとも~~~~っとお菓子をもらって帰るのだ。あとこのジュースも美味しいから持って帰りたいんだぞっ」
配られたジュースをぐびりと飲み干しながら、サシャが高らかに大量お持ち帰り宣言。
サシャの麦の剣はまだまだ悪霊に猛威を振るうようだ。
「うふふふ~♪ ちびっこ勇者の味方フーリィンさんれすよ~っ。さぁここにあくりょーがいまふよ~。 みんられやっつけまひょうっ」
登場と同時にすでにべろんべろんになっているフーリィンがこうなったのはつい先ほど手渡された飲み物のせいだ。
勇者の仮装で広場を歩いていたフーリィンは季節はずれの暑さもあり、手渡された飲み物を確認もせずに飲み干してしまう。
「ぷはぁー! 喉が渇いていたので助かりましら……はれ、これっておさけれす? まぁ、わらしはおとなですのれもんらいありませんけろぉ……ひっく」
駆けつけ一杯でこの変わりよう。酔いどれ勇者の誕生であった。
「わわ、せっかく巻いたのにっ! またかっ」
アリシアに酔いどれ勇者の連れてきた撒いたはずのちびっこ勇者達が一斉に襲い掛かる。
「わーーーーっ!! 参った参った!! もう降参やぁーーーーっ!!」
そこには持っていたすべてのお菓子を根こそぎ持っていかれたアリシアと、麦の剣を振りお菓子を集め続けるサシャ、そして先ほどの酔いどれはどこにいったやら、素に戻ったフーリィン。
「あれれ、私は何をしてたんでしたっけ? え? 飲めって? 頂きます~。ごきゅごきゅ。ふわぁぁあぁああ~~」
──酔いどれ勇者は復活した!
悪霊(すでにお菓子は底をついている!)と2人の勇者(とちびっこ勇者達)の戦いはまだまだ終わらない。
「まだ続くんっ!?」
\もう許したってぇーーーっ!!/
悪霊の(本気の)悲鳴が聞こえた気がした。
●
『緋色の拳』エルシー・スカーレット(CL3000368)は仮装するまでも無くセクシーである。その容姿もさることながら均整の取れた引き締まった肢体。その体のラインを惜しみなく曝け出すようなぴったりとフィットしたバトルコスチュームを常日頃より身に着けている。そんな彼女が更に際どいせくすぃな衣装を身に着け、セクシーサキュバスに扮している。注目を浴びないわけも無かった。
「(おぉ……)」
屋台を食べ歩きするエルシーの歩く先々で観客(主に男性、どきどき女性)の感嘆のどよめきが起こる。
そんなエルシーの前にアイツが現れた。『ヌードルサバイバー』ジロー・R・ミタホーンテン(nCL3000027) である。
そう、依頼発出より先にWBRの仮装が公開され、始まる前にオチと化した彼である。
「美SHOW女? 美少女ってのは、私みたいなのを言うのよ。まぁ、自分で言っちゃうと若干の照れはあるのだけれど……」
「むむむ、エルシーどのにそう言われてしまうと身も蓋もありませんな……このジローまだまだ修行が足りませぬ」
「どうしたらもっと美少女になれるか、私が教えてあげるわ。その代わり……屋台、一緒に巡らない? 貴方麺に詳しいでしょう?」
「なんと! 麺食のお誘いなら喜んでお供しますぞっ!」
ジローは満面の笑みとポージング。いやポージングはこういう時はいらないぞジロー。
その後、様々な麺の食べ歩きを堪能したエルシーは飲んだ勢いも相まって、ジローへメイク指南をする事となる。エルシーの施したメイクは……彼女と周りで見ていた観客を爆笑の渦へ巻き込んだという。
●
「まさか俺達が……こんなお祭りに招待してもらえるなんてな」
フランケンシュタインに扮したオーガストがかみ締めるように言った。
「おんと、うれいい……。こんあの、はじえて……」
話すことが苦手なセプテンバーも気持ちを素直に言葉にする。
「そうね……アタシたちみたいなマザリモノは人目を避けるのが定石。賑やかなお祭りに参加するなんて考えもし無かった」
火の精霊の仮想をしたエイプリルも心から喜んでいるセプテンバーを見ながら思う。
この国は今までのどの国や地域とも違う。人々が……空気が……優しい。
「ねぇねぇっ!! 見てみてっ!! おいしそうな屋台があるよっ! ん~~~~~おいしそうな匂いっ」
魔女に扮したメイが興奮気味に皆の服を引っ張る。メイの引っ張る手の袖口からは虹色の鱗がのぞいている。魔女の仮装は彼女の容姿を隠すにはうってつけだった。
だがメイが屋台に走って向かおうとしたときにソレは起こってしまった。
前を見ずに走り出したメイが観客にぶつかって転んでしまったのだ。フードが外れメイの鱗に覆われた素顔が晒される。
「え……」「なんなのあれ……」
ざわつく周りの観客達。
囲まれるメイを他の団員が助けに行こうとしたその時だった。
「どうだい? この子の仮装メイク。シンプルな魔女の仮装と見せかけての二段構えの仮装なんて早々見れるもんじゃないぜっ」
そんな観客の輪を押しのけてメイの元へ歩み寄ったのは『ペストマスクの被害者(壁ドン)』ボルカス・ギルトバーナー(CL3000092)だった。
横柄な態度で笑いながら広場を練り歩いていたボルカス。その最中、持ちきれんばかりに用意したお菓子を勇敢な勇者達に配り歩いていた。
そんな中、ざわつきに気づいた彼はすぐに行動した。
「そうそう、すっごいでしょ!! その仮装っ!!」
そこには紙製の微笑ましい騎士甲冑を身につけ、麦の穂を持った『見習い銃士』グリッツ・ケルツェンハイム(CL3000057) 。
ウィート・バーリィ・ラーイ! そう叫びながら悪霊を退治した証でもある、沢山のお菓子を抱えている。
「そう……おれとグリの友達の仮装……ほんとにすごい」
グリッツの横には『異国のオルフェン』イーイー・ケルツェンハイム(CL3000076)。ぼろぼろのシーツを頭から被っている。いうなればシーツのお化けといったところだろうか。シーツに空けた穴から目がのぞく。
「そうだよな」「言われてみれば……綺麗よね」
自由騎士達の言葉に観客の空気が一気に変わる。
「「「ウィート・バーリィ・ラーイ!」」」
場はすぐにもとのお祭りの雰囲気に戻る。もう大丈夫そうだ。
「大丈夫ですか? どこかお怪我はありませんか?」
『聖き雨巫女』たまき 聖流(CL3000283)は転んでしまったメイを優しく引き起こす。
メイは少し泣きそうな顔をしていたが、優しく微笑むたまきを見て「大丈夫っ!!」と元気よく答えた。
むむ。よく見ると……たまきはかなりセクシーな格好をしている。
たまきも最初はおとなしめの魔女の仮装をするつもりだった。しかし前情報でサーカスの子が小さな魔女をすると聞き、悩みに悩んだ結果、大胆不敵にもサキュバスにチャレンジしたのだ。
いつもの彼女とは全く印象が違う。その豊満な肢体はサキュバスの衣装を纏い際立ち、その柔らかな双丘は今にも零れ落ちんばかりだ。
最初は恥ずかしがりながら歩いていたたまきも、程なく慣れてきたのか観客に投げキッスを送る。いつもの彼女からは想像もできない姿。きっとお祭りの熱気がそうさせるのであろう。
「ありがとう! ……セクシーなおねえさんっ!!」
メイに唐突にそう言われ、急に恥ずかしさが戻ってきたのか、たまきは胸元を隠しながら身をよじる。その姿もまた観客を沸かせるのだ。豊穣祭、バンザイ!!と。
『相棒捜索中』英羽・月秋(CL3000159)もまた、その輪の中にいた。
英羽は勇者であるもの、麦の穂の変わりに自身の武器でもあるカワホリとタタラバを巧みに操って観客を沸かせている。
「やぁやぁ我こそはイ・ラプセル一の勇者、カワホリであるぞ!」
「わはははは!! 我は大悪霊タタラバ!! この地の人々など全てくってしまうぞ!!」
2体の人形はそれぞれ勇者と悪霊となり、そこはさながら即興の人形劇場。
瞬く間に観客を魅了し、やんややんやの大喝采。人形劇場は大盛況だった。
「今日という日に、乾杯っ!!」
人形劇を終えた英羽は、なみなみ注がれたドリンクを一気に飲み干す。
「ん~っ。のど越し爽やかっ(キリッ)」
英羽のキメ顔がばっちり決まる。さてお客さんも待ってるみたいだし、もう一幕いこう。英羽は確かな充実感を感じていた。
それからしばらく自由騎士とサーカスの団員は一緒に豊穣祭を楽しんだ。
悪霊を演じて勇者にお菓子を渡しては、また悪霊を演じる。
「セプテンバー、元気になった。おれ嬉しい」
イーイーはおなじシーツのお化けに扮したセプテンバーに話しかける。
「あ……あいがとう……イーイー、ボクのともらち……みんなも」
シーツを被っているので2人とも目しか見えない。でもその目が物語っている。シーツの下の心からの笑顔を。
「ウィート・バーリィ・ラーイ! お菓子ゲットーーッ!!」
そんな2人のすぐ傍では、お祭りの熱気に当てられて一人周囲の悪霊を倒して周り、お菓子を沢山集めるグリッツ。
「で、これはお前たちの分だ」
唐突にボルカスがサーカスのメンバーにお菓子を手渡していく。その息は僅かに荒い。
そのお菓子は……それぞれの好みにあったもの。団長に団員のお菓子の好みを聞いたボルカスは、広場中の屋台をめぐり好みに合ったお菓子を探してきたらしい。
「えっ……。だって俺たちは悪霊役。お菓子をあげる方なんじゃ……」
オーガストがそう言うと皆も戸惑っているようだった。
「いいんだ。お前達は招待を受けてくれた。これまでの事を考えればこんな大勢の人前に出ること自体、とんでもなく勇気が必要だったはず。そんな勇気を持つお前達が勇者でなくてなんだというのだ」
悪霊役はお菓子をあげる立場。呼ばれはしたものの、お菓子を用意するのもこの子達にとっては大変なことだったはず。それでも彼らは参加してくれたのだ。その気持ちに答えたいではないか。
「……ありがとう」
一人の傲慢な男の全てに気遣う行動により、サーカスのメンバーの笑顔はより一層輝いた。
「うぃ~~ひっく、ぱ~りぃ~~~ら~~~~い」
あ。酔いどれ勇者も合流したっぽい。
●
『道化の機械工』アルビノ・ストレージ(CL3000095)はそんな皆の様子をテーブルに座りゆっくりと眺めていた。
普段は工場に篭って機械いじりばかりのアルビノはこの雰囲気の中に自身がいること自体を楽しく感じていた。
「……これは美味しい。さすがは毎年豊穣を祝うだけの事はあるね」
注がれたエールを飲み干すとアルビノはすっと立ち上がる。
「見ているだけでよいと思っていたけれど……ワタシも参加したくなってしまったみたいだよ」
誰に言うでもなく、アルビノはそう言うと皆の輪の中へ。
アルビノもまた祭の熱気に当てられたのだろう。
●
祭りの帰り道。考える男が一人。
いくら仲のよい後輩とはいえ女性を俵担ぎはさすがにどうだったのだろう。
お酒も飲んでないのに……明日、きちんと謝ろう。
また別の帰り道。
絶好のチャンスだと思いましたのに……現実は非常ですわ。
でも、こんなことではめげませんわ。
わたくしの戦いは、まだ始まったばかりなのですわー!!!(?)
考える男と決意する女。その行く末が語られるのはまだまだ先のお話か。
来年の豊穣祭まであと──364日。
「みんな楽しんでるかにゃー♪」
『踊り子』ミケ・テンリュウイン(CL3000238)は広場でも一際目を引いていた。
いつもの衣装もいわば政(まつりごと)寄りではあるのだが……今日は年に一度の豊穣祭。悪霊役のミケも気合が違う。普段の衣装に輪をかけて豪華に装飾された衣装。悪霊役を演出するためか少々厚めのメイク。そしてキレッキレのダンス。
『踊り魔人』を自称するミケは豊穣祭を思い切り堪能している。
その楽しそうな様子に周りの人々もいつの間にかリズムに合わせて踊りだす。
「ふふふ~♪ これがミケの踊り魔人としての能力っ♪」
勇者も、悪霊も、そしてソレを見ている観客さえも楽しそうに踊っている。
「ふぅ~~。踊りのあとの燻した飲み物は最高だにゃっ!!」
ミケは一息つくとまた踊りの輪へ戻っていった。
「ミケは踊り魔人! さぁみんなで踊りまくるのにゃっ!!」
●
『\ウィート/\バーリィ/\ライ』アダム・クランプトン(CL3000185)は九尾狐の仮装で悪霊役を買って出ていた。
アダム自身が楽しむのはもちろんなのだが、お菓子を渡すことでより多くの人に祭りを楽しんで欲しいという彼の気持ちの現れであろう。
「僕はアマノホカリの九尾狐! 我こそはという勇ましき者は正々堂々掛かって来るが良い!」
アダムは一人ひとりの年端に合わせた丁寧な対応でお菓子を配っていく。
やはり祭は良いものだ。どこもかしこも笑顔であふれている。自然とアダムも笑みがこぼれる。
「ん? そういえばジュリエットさんも悪霊役で参加してたような。確か仮装は……」
キョロキョロと当たりを見渡すが、広場は沢山の参加者でごった返している。
「おーっほほほほ!!!」
その時聞こえる、聞き覚えのある笑い声。無事見つけたようだ。
\わたくしですわ!!/
『恋文したため恋せよ人魚』ジュリエット・ゴールドスミス(CL3000357)は人魚姫の仮装をしていた。
「本日のわたくしは悪霊を演じさせていただきますわ! 三日三晩夜なべをして手ずから拵えた、人魚姫の仮装ですのよ」
ジュリエットの顔にはやりきったという自信が見て取れる。
そしてジュリエットには一つの思惑。
「あ、いたいた。聞き覚えのある笑い声がしたからね」
アダムはジュリエットを見るとやっぱりか、という顔をする。
「(アダム……さぁ動けないわたくしをお姫様だっこしてくださいまし!!!)」
胸のときめきを押さえきれず思わず目を瞑って、アダムが優しく抱えあげるのを待つジュリエット。
「じゃぁいくよっ」
「(ああ……とうとうわたくしの夢が……)」
そっと目を開ける。
「えぇっ!?」
ジュリエットはアダムに俵担ぎされていた。
「どいたどいたっ! 活きの良い人魚が揚がったよっ!!」
まさかの展開に目が点になるジュリエット。
人魚を担いだお狐様はそのまま広場を走り回るのであった。
●
かなり本格的なゾンビと化している『イ・ラプセル自由騎士団』アリシア・フォン・フルシャンテ(CL3000227)。そのクオリティは他の参加者に比べ、頭一つ抜け出ている。
「のーみそーたべさしてーー」
かなり本格的なのだが……なぜか子供達にはあまり怖がられず逆に追い掛け回される始末。クオリティの高さが子供達の悪戯心に火をつけてしまったようだ。
「ふぅー。やっと逃げ切れたぁ。一体何が悪かったんや?」
一息ついたその時、麦穂の剣を持った青い鎧の勇者とピンクのマントの勇者(とたくさんのちびっこ勇者)が立ちふさがった。
『銀の癒し手』サシャ・プニコフ(CL3000122)と『わりとべろんべろんだった』フーリィン・アルカナム(CL3000403)である。
「悪いゾンビめ!! お菓子を奪い取りにきたぞ!!」
サシャの両手の袋にはすでにあふれんばかりのお菓子。でもまだまだ足りない。サシャは教会で待つ幼い弟妹に沢山にお菓子を持って帰ると約束しているのだ。
「もっとも~~~~っとお菓子をもらって帰るのだ。あとこのジュースも美味しいから持って帰りたいんだぞっ」
配られたジュースをぐびりと飲み干しながら、サシャが高らかに大量お持ち帰り宣言。
サシャの麦の剣はまだまだ悪霊に猛威を振るうようだ。
「うふふふ~♪ ちびっこ勇者の味方フーリィンさんれすよ~っ。さぁここにあくりょーがいまふよ~。 みんられやっつけまひょうっ」
登場と同時にすでにべろんべろんになっているフーリィンがこうなったのはつい先ほど手渡された飲み物のせいだ。
勇者の仮装で広場を歩いていたフーリィンは季節はずれの暑さもあり、手渡された飲み物を確認もせずに飲み干してしまう。
「ぷはぁー! 喉が渇いていたので助かりましら……はれ、これっておさけれす? まぁ、わらしはおとなですのれもんらいありませんけろぉ……ひっく」
駆けつけ一杯でこの変わりよう。酔いどれ勇者の誕生であった。
「わわ、せっかく巻いたのにっ! またかっ」
アリシアに酔いどれ勇者の連れてきた撒いたはずのちびっこ勇者達が一斉に襲い掛かる。
「わーーーーっ!! 参った参った!! もう降参やぁーーーーっ!!」
そこには持っていたすべてのお菓子を根こそぎ持っていかれたアリシアと、麦の剣を振りお菓子を集め続けるサシャ、そして先ほどの酔いどれはどこにいったやら、素に戻ったフーリィン。
「あれれ、私は何をしてたんでしたっけ? え? 飲めって? 頂きます~。ごきゅごきゅ。ふわぁぁあぁああ~~」
──酔いどれ勇者は復活した!
悪霊(すでにお菓子は底をついている!)と2人の勇者(とちびっこ勇者達)の戦いはまだまだ終わらない。
「まだ続くんっ!?」
\もう許したってぇーーーっ!!/
悪霊の(本気の)悲鳴が聞こえた気がした。
●
『緋色の拳』エルシー・スカーレット(CL3000368)は仮装するまでも無くセクシーである。その容姿もさることながら均整の取れた引き締まった肢体。その体のラインを惜しみなく曝け出すようなぴったりとフィットしたバトルコスチュームを常日頃より身に着けている。そんな彼女が更に際どいせくすぃな衣装を身に着け、セクシーサキュバスに扮している。注目を浴びないわけも無かった。
「(おぉ……)」
屋台を食べ歩きするエルシーの歩く先々で観客(主に男性、どきどき女性)の感嘆のどよめきが起こる。
そんなエルシーの前にアイツが現れた。『ヌードルサバイバー』ジロー・R・ミタホーンテン(nCL3000027) である。
そう、依頼発出より先にWBRの仮装が公開され、始まる前にオチと化した彼である。
「美SHOW女? 美少女ってのは、私みたいなのを言うのよ。まぁ、自分で言っちゃうと若干の照れはあるのだけれど……」
「むむむ、エルシーどのにそう言われてしまうと身も蓋もありませんな……このジローまだまだ修行が足りませぬ」
「どうしたらもっと美少女になれるか、私が教えてあげるわ。その代わり……屋台、一緒に巡らない? 貴方麺に詳しいでしょう?」
「なんと! 麺食のお誘いなら喜んでお供しますぞっ!」
ジローは満面の笑みとポージング。いやポージングはこういう時はいらないぞジロー。
その後、様々な麺の食べ歩きを堪能したエルシーは飲んだ勢いも相まって、ジローへメイク指南をする事となる。エルシーの施したメイクは……彼女と周りで見ていた観客を爆笑の渦へ巻き込んだという。
●
「まさか俺達が……こんなお祭りに招待してもらえるなんてな」
フランケンシュタインに扮したオーガストがかみ締めるように言った。
「おんと、うれいい……。こんあの、はじえて……」
話すことが苦手なセプテンバーも気持ちを素直に言葉にする。
「そうね……アタシたちみたいなマザリモノは人目を避けるのが定石。賑やかなお祭りに参加するなんて考えもし無かった」
火の精霊の仮想をしたエイプリルも心から喜んでいるセプテンバーを見ながら思う。
この国は今までのどの国や地域とも違う。人々が……空気が……優しい。
「ねぇねぇっ!! 見てみてっ!! おいしそうな屋台があるよっ! ん~~~~~おいしそうな匂いっ」
魔女に扮したメイが興奮気味に皆の服を引っ張る。メイの引っ張る手の袖口からは虹色の鱗がのぞいている。魔女の仮装は彼女の容姿を隠すにはうってつけだった。
だがメイが屋台に走って向かおうとしたときにソレは起こってしまった。
前を見ずに走り出したメイが観客にぶつかって転んでしまったのだ。フードが外れメイの鱗に覆われた素顔が晒される。
「え……」「なんなのあれ……」
ざわつく周りの観客達。
囲まれるメイを他の団員が助けに行こうとしたその時だった。
「どうだい? この子の仮装メイク。シンプルな魔女の仮装と見せかけての二段構えの仮装なんて早々見れるもんじゃないぜっ」
そんな観客の輪を押しのけてメイの元へ歩み寄ったのは『ペストマスクの被害者(壁ドン)』ボルカス・ギルトバーナー(CL3000092)だった。
横柄な態度で笑いながら広場を練り歩いていたボルカス。その最中、持ちきれんばかりに用意したお菓子を勇敢な勇者達に配り歩いていた。
そんな中、ざわつきに気づいた彼はすぐに行動した。
「そうそう、すっごいでしょ!! その仮装っ!!」
そこには紙製の微笑ましい騎士甲冑を身につけ、麦の穂を持った『見習い銃士』グリッツ・ケルツェンハイム(CL3000057) 。
ウィート・バーリィ・ラーイ! そう叫びながら悪霊を退治した証でもある、沢山のお菓子を抱えている。
「そう……おれとグリの友達の仮装……ほんとにすごい」
グリッツの横には『異国のオルフェン』イーイー・ケルツェンハイム(CL3000076)。ぼろぼろのシーツを頭から被っている。いうなればシーツのお化けといったところだろうか。シーツに空けた穴から目がのぞく。
「そうだよな」「言われてみれば……綺麗よね」
自由騎士達の言葉に観客の空気が一気に変わる。
「「「ウィート・バーリィ・ラーイ!」」」
場はすぐにもとのお祭りの雰囲気に戻る。もう大丈夫そうだ。
「大丈夫ですか? どこかお怪我はありませんか?」
『聖き雨巫女』たまき 聖流(CL3000283)は転んでしまったメイを優しく引き起こす。
メイは少し泣きそうな顔をしていたが、優しく微笑むたまきを見て「大丈夫っ!!」と元気よく答えた。
むむ。よく見ると……たまきはかなりセクシーな格好をしている。
たまきも最初はおとなしめの魔女の仮装をするつもりだった。しかし前情報でサーカスの子が小さな魔女をすると聞き、悩みに悩んだ結果、大胆不敵にもサキュバスにチャレンジしたのだ。
いつもの彼女とは全く印象が違う。その豊満な肢体はサキュバスの衣装を纏い際立ち、その柔らかな双丘は今にも零れ落ちんばかりだ。
最初は恥ずかしがりながら歩いていたたまきも、程なく慣れてきたのか観客に投げキッスを送る。いつもの彼女からは想像もできない姿。きっとお祭りの熱気がそうさせるのであろう。
「ありがとう! ……セクシーなおねえさんっ!!」
メイに唐突にそう言われ、急に恥ずかしさが戻ってきたのか、たまきは胸元を隠しながら身をよじる。その姿もまた観客を沸かせるのだ。豊穣祭、バンザイ!!と。
『相棒捜索中』英羽・月秋(CL3000159)もまた、その輪の中にいた。
英羽は勇者であるもの、麦の穂の変わりに自身の武器でもあるカワホリとタタラバを巧みに操って観客を沸かせている。
「やぁやぁ我こそはイ・ラプセル一の勇者、カワホリであるぞ!」
「わはははは!! 我は大悪霊タタラバ!! この地の人々など全てくってしまうぞ!!」
2体の人形はそれぞれ勇者と悪霊となり、そこはさながら即興の人形劇場。
瞬く間に観客を魅了し、やんややんやの大喝采。人形劇場は大盛況だった。
「今日という日に、乾杯っ!!」
人形劇を終えた英羽は、なみなみ注がれたドリンクを一気に飲み干す。
「ん~っ。のど越し爽やかっ(キリッ)」
英羽のキメ顔がばっちり決まる。さてお客さんも待ってるみたいだし、もう一幕いこう。英羽は確かな充実感を感じていた。
それからしばらく自由騎士とサーカスの団員は一緒に豊穣祭を楽しんだ。
悪霊を演じて勇者にお菓子を渡しては、また悪霊を演じる。
「セプテンバー、元気になった。おれ嬉しい」
イーイーはおなじシーツのお化けに扮したセプテンバーに話しかける。
「あ……あいがとう……イーイー、ボクのともらち……みんなも」
シーツを被っているので2人とも目しか見えない。でもその目が物語っている。シーツの下の心からの笑顔を。
「ウィート・バーリィ・ラーイ! お菓子ゲットーーッ!!」
そんな2人のすぐ傍では、お祭りの熱気に当てられて一人周囲の悪霊を倒して周り、お菓子を沢山集めるグリッツ。
「で、これはお前たちの分だ」
唐突にボルカスがサーカスのメンバーにお菓子を手渡していく。その息は僅かに荒い。
そのお菓子は……それぞれの好みにあったもの。団長に団員のお菓子の好みを聞いたボルカスは、広場中の屋台をめぐり好みに合ったお菓子を探してきたらしい。
「えっ……。だって俺たちは悪霊役。お菓子をあげる方なんじゃ……」
オーガストがそう言うと皆も戸惑っているようだった。
「いいんだ。お前達は招待を受けてくれた。これまでの事を考えればこんな大勢の人前に出ること自体、とんでもなく勇気が必要だったはず。そんな勇気を持つお前達が勇者でなくてなんだというのだ」
悪霊役はお菓子をあげる立場。呼ばれはしたものの、お菓子を用意するのもこの子達にとっては大変なことだったはず。それでも彼らは参加してくれたのだ。その気持ちに答えたいではないか。
「……ありがとう」
一人の傲慢な男の全てに気遣う行動により、サーカスのメンバーの笑顔はより一層輝いた。
「うぃ~~ひっく、ぱ~りぃ~~~ら~~~~い」
あ。酔いどれ勇者も合流したっぽい。
●
『道化の機械工』アルビノ・ストレージ(CL3000095)はそんな皆の様子をテーブルに座りゆっくりと眺めていた。
普段は工場に篭って機械いじりばかりのアルビノはこの雰囲気の中に自身がいること自体を楽しく感じていた。
「……これは美味しい。さすがは毎年豊穣を祝うだけの事はあるね」
注がれたエールを飲み干すとアルビノはすっと立ち上がる。
「見ているだけでよいと思っていたけれど……ワタシも参加したくなってしまったみたいだよ」
誰に言うでもなく、アルビノはそう言うと皆の輪の中へ。
アルビノもまた祭の熱気に当てられたのだろう。
●
祭りの帰り道。考える男が一人。
いくら仲のよい後輩とはいえ女性を俵担ぎはさすがにどうだったのだろう。
お酒も飲んでないのに……明日、きちんと謝ろう。
また別の帰り道。
絶好のチャンスだと思いましたのに……現実は非常ですわ。
でも、こんなことではめげませんわ。
わたくしの戦いは、まだ始まったばかりなのですわー!!!(?)
考える男と決意する女。その行く末が語られるのはまだまだ先のお話か。
来年の豊穣祭まであと──364日。
†シナリオ結果†
成功
†詳細†
称号付与
特殊成果
『お菓子?』
カテゴリ:アクセサリ
取得者:全員
カテゴリ:アクセサリ
取得者:全員
†あとがき†
豊穣祭は無事終了しました。
きっと来年も豊作に恵まれることでしょう。
プロージット!!
ご参加ありがとうございました。
きっと来年も豊作に恵まれることでしょう。
プロージット!!
ご参加ありがとうございました。
FL送付済