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言えない想いを、小瓶に詰めて

●
雨降りの日は憂鬱だ。
外には出られない。洗濯物は乾かない。食べ物は傷みやすくなるし、髪形も決まらない。
だからといって部屋に籠もりきりになっていたら、心までもがじとじとしてしまいそうだ。
部屋で過ごす時間も楽しいものにはならないだろうかと、どこかの誰かは考えた。
どこかの誰かは、窓を叩く雨音を聞きながらペンを取る。
あて先のない手紙を書いたそのひとは、書いた手紙を小瓶に詰めると水路へ投げた。
思いつきで書かれた手紙を、どこかで別の誰かが拾って。そのひともまた手紙を書くと、小瓶に詰めて水路へ投げた。
それが、『コトノハ流し』と呼ばれるイベントのはじまりだったそうな。
●
「いえない想いって、だれにでもあるとおもうの。それを、形にするのはどうかしら」
ふわふわ微笑んだ『ふわふわ演算士』ペコラ・ココペコラ(nCL3000060) が告げたのは、なんとも抽象的な言葉だった。首を傾げた自由騎士たちを見て、ペコラは言葉を続ける。
「コトノハ流し、というイベントがあるの。手紙を小瓶に詰めて、……いわゆるボトルメールなのよ」
雨の日も楽しく過ごしたい。どこかの誰かが思いつきで始めたそれは、いつのまにやらちょっとしたイベントに。
基本的にはボトルメールを流すというイベントだが、特定の誰かに手紙を書いたり、普段は言えない気持ちを伝えたりするひともいるそうだ。
「たくさんの想いが水路に浮かぶの。なんだか、とってもとっても、すてきよね」
この日、イ・ラプセルの水路には、いくつものいくつもの小瓶が浮かんで、普段とはすこし違う姿をみせる。
ボトルの浮かぶ水路を思い浮かべたペコラは、ふふふ、と楽しそうに笑う。
「どんな想いでも、誰に宛ててでもいいの。……もう、いないひとへの手紙でも、いいのよ」
そう告げるペコラの顔は、すこしだけ寂しそうで。けれど、すぐにいつものようなふわふわ笑顔を浮かべると、自由騎士たちへ紙とペンを差し出した。
雨降りの日は憂鬱だ。
外には出られない。洗濯物は乾かない。食べ物は傷みやすくなるし、髪形も決まらない。
だからといって部屋に籠もりきりになっていたら、心までもがじとじとしてしまいそうだ。
部屋で過ごす時間も楽しいものにはならないだろうかと、どこかの誰かは考えた。
どこかの誰かは、窓を叩く雨音を聞きながらペンを取る。
あて先のない手紙を書いたそのひとは、書いた手紙を小瓶に詰めると水路へ投げた。
思いつきで書かれた手紙を、どこかで別の誰かが拾って。そのひともまた手紙を書くと、小瓶に詰めて水路へ投げた。
それが、『コトノハ流し』と呼ばれるイベントのはじまりだったそうな。
●
「いえない想いって、だれにでもあるとおもうの。それを、形にするのはどうかしら」
ふわふわ微笑んだ『ふわふわ演算士』ペコラ・ココペコラ(nCL3000060) が告げたのは、なんとも抽象的な言葉だった。首を傾げた自由騎士たちを見て、ペコラは言葉を続ける。
「コトノハ流し、というイベントがあるの。手紙を小瓶に詰めて、……いわゆるボトルメールなのよ」
雨の日も楽しく過ごしたい。どこかの誰かが思いつきで始めたそれは、いつのまにやらちょっとしたイベントに。
基本的にはボトルメールを流すというイベントだが、特定の誰かに手紙を書いたり、普段は言えない気持ちを伝えたりするひともいるそうだ。
「たくさんの想いが水路に浮かぶの。なんだか、とってもとっても、すてきよね」
この日、イ・ラプセルの水路には、いくつものいくつもの小瓶が浮かんで、普段とはすこし違う姿をみせる。
ボトルの浮かぶ水路を思い浮かべたペコラは、ふふふ、と楽しそうに笑う。
「どんな想いでも、誰に宛ててでもいいの。……もう、いないひとへの手紙でも、いいのよ」
そう告げるペコラの顔は、すこしだけ寂しそうで。けれど、すぐにいつものようなふわふわ笑顔を浮かべると、自由騎士たちへ紙とペンを差し出した。
†シナリオ詳細†
■成功条件
1.コトノハ流しを楽しむ
雨の日は雨の日で楽しみたい。あまのいろはです。
すこし、しっとり(湿気)としたイベントのお誘いです。よろしければ。
●コトノハ流し
ボトルメールを水路に投げ、それを拾う、それだけのイベントです。
これはと文具店や雑貨屋が乗った結果、いつのまにかちょっとしたイベントに。
水路に問題が起きないよう、有志のひとたちが協力してくれています。
当日の天気は晴れ。今年は運よく、天候にも恵まれて開催されるようです。
●できること
【1】どこかの室内で、ボトルメールを書く
自分の家、お気に入りのカフェ、お世話になっている教会、どこでも構いません。
お手紙を書いたら小瓶に詰めて、水路へえいっと投げてください。
【2】イ・ラプセルの街でボトルメールを流す・拾う
室内ではなく、街に出てイベントに参加します。
知らなかったけどなんとなくイベントに遭遇した、みたいな感じでもOKです。
【3】ゴンドラに乗って水路を巡る
ボトルメールが浮く水路をゴンドラで巡ります。
いくつもの小瓶が浮かぶ水路は、いつもと違う景色で面白いと思います。
もちろん、こちらでもボトルメールを拾うことが出来ます。
【4】その他
有志のひとのお手伝いをしたり、商売してみたり。
上の項目ではしっくりこない時にどうぞ。
ですが、出来るのはイベントに関連する出来事のみです。
闘技大会行うぜ!とか、そういうのは出来ません。
●おねがい
EXプレイングにお手紙を書いて頂けると、ランダムで参加者の誰かに拾われます。
例:『靴磨きならお任せあれ! サミュエル』
『裏通りの菓子やさんのクッキーがオススメ!良かったら食べてみて。 ひつじ』
書いた手紙の内容は、誰かに拾われるという形でリプレイ内で公開されます。
●参加NPC
サミュエル(nCL3000049) と、ペコラ(nCL3000060) のふたりが同行します。
サミュエルは、水路の整備のお手伝い。こんな日まで仕事です。
ペコラは、ボトルメールの流れる水路を眺めながら散歩しています。
お誘い頂ければどこにでも顔を出しますので、どうぞお声掛けください。
●イベントシナリオのルール
・参加料金は50LPです。
・予約期間はありません。参加ボタンを押した時点で参加が確定します。
・獲得リソースは通常依頼難易度普通の1/3です。
・特定の誰かと行動をしたい場合は『クラウス・フォン・プラテス(nCL3000003)』といった風にIDと名前を全て表記するようにして下さい。
又、グループでの参加の場合、参加者全員が【グループ名】というタグをプレイングに記載する事で個別のフルネームをIDつきで書く必要がなくなります。
・NPCの場合も同様となりますがIDとフルネームは必要なく、名前のみでOKです。
・イベントシナリオでは参加キャラクター全員の描写が行なわれない可能性があります。
・内容を絞ったほうが良い描写が行われる可能性が高くなります。
・公序良俗にはご配慮ください。
・未成年の飲酒、タバコは禁止です。
情報は以上となります。皆様のすてきなプレイング、お待ちしております。
すこし、しっとり(湿気)としたイベントのお誘いです。よろしければ。
●コトノハ流し
ボトルメールを水路に投げ、それを拾う、それだけのイベントです。
これはと文具店や雑貨屋が乗った結果、いつのまにかちょっとしたイベントに。
水路に問題が起きないよう、有志のひとたちが協力してくれています。
当日の天気は晴れ。今年は運よく、天候にも恵まれて開催されるようです。
●できること
【1】どこかの室内で、ボトルメールを書く
自分の家、お気に入りのカフェ、お世話になっている教会、どこでも構いません。
お手紙を書いたら小瓶に詰めて、水路へえいっと投げてください。
【2】イ・ラプセルの街でボトルメールを流す・拾う
室内ではなく、街に出てイベントに参加します。
知らなかったけどなんとなくイベントに遭遇した、みたいな感じでもOKです。
【3】ゴンドラに乗って水路を巡る
ボトルメールが浮く水路をゴンドラで巡ります。
いくつもの小瓶が浮かぶ水路は、いつもと違う景色で面白いと思います。
もちろん、こちらでもボトルメールを拾うことが出来ます。
【4】その他
有志のひとのお手伝いをしたり、商売してみたり。
上の項目ではしっくりこない時にどうぞ。
ですが、出来るのはイベントに関連する出来事のみです。
闘技大会行うぜ!とか、そういうのは出来ません。
●おねがい
EXプレイングにお手紙を書いて頂けると、ランダムで参加者の誰かに拾われます。
例:『靴磨きならお任せあれ! サミュエル』
『裏通りの菓子やさんのクッキーがオススメ!良かったら食べてみて。 ひつじ』
書いた手紙の内容は、誰かに拾われるという形でリプレイ内で公開されます。
●参加NPC
サミュエル(nCL3000049) と、ペコラ(nCL3000060) のふたりが同行します。
サミュエルは、水路の整備のお手伝い。こんな日まで仕事です。
ペコラは、ボトルメールの流れる水路を眺めながら散歩しています。
お誘い頂ければどこにでも顔を出しますので、どうぞお声掛けください。
●イベントシナリオのルール
・参加料金は50LPです。
・予約期間はありません。参加ボタンを押した時点で参加が確定します。
・獲得リソースは通常依頼難易度普通の1/3です。
・特定の誰かと行動をしたい場合は『クラウス・フォン・プラテス(nCL3000003)』といった風にIDと名前を全て表記するようにして下さい。
又、グループでの参加の場合、参加者全員が【グループ名】というタグをプレイングに記載する事で個別のフルネームをIDつきで書く必要がなくなります。
・NPCの場合も同様となりますがIDとフルネームは必要なく、名前のみでOKです。
・イベントシナリオでは参加キャラクター全員の描写が行なわれない可能性があります。
・内容を絞ったほうが良い描写が行われる可能性が高くなります。
・公序良俗にはご配慮ください。
・未成年の飲酒、タバコは禁止です。
情報は以上となります。皆様のすてきなプレイング、お待ちしております。
状態
完了
完了
報酬マテリア
1個
0個
0個
0個




参加費
50LP
50LP
相談日数
7日
7日
参加人数
19/30
19/30
公開日
2019年07月08日
2019年07月08日
†メイン参加者 19人†

●
ゆらゆら、ゆらゆら、ゆらゆらと。
水路を流れるいくつものボトルには、誰かへの想いを綴った言の葉が込められている。
――――コトノハ流し。ボトルメールを水路に流すだけのイベント。
誰かが言の葉をひとつ拾うその横で。またひとつ、言の葉が水路へと投げ入れられていた。
「そういえばコトノハ流しは今日だったか」
イベントが楽しめる程度に平和なのはよいことだ、とアリスタルフ・ヴィノクロフ(CL3000392)はボトルメールをひとつ拾い上げる。
彼は、今日も街の警邏中。けれど、ちょっとだけひと休み。ボトルを手に、馴染みの喫茶店に立ち寄る。
『師匠へ。
あなたを追って、今はイ・ラプセルに居る。元気にやっているぞ。事情があったのかもしれないが、師匠に再び会えることを望んでいる。それまでどうか健勝にて。 四ツ日』
この手紙の相手は、今は消息が分からないということだろうか。自由騎士団でも情報を共有すれば―――。休憩中でも、仕事のように考えてしまう。
「ついでに自分も何か書いてみるか」
紅茶を待つ間、アリスタルフが手紙を綴る。この喫茶店について。雰囲気がよくて落ち着けるし、紅茶の味もよい。とても、いい場所だ。
「雨の多い時期だからこそ薦めたい紅茶もあるんだ」
アリスタルフの顔がほんの僅かに、やわらかく微笑んだ。手紙を書いて紅茶を飲んだら、さあ、お仕事再開だ。
月ノ輪・ヨツカ(CL3000575)はアマノホカリからの流れ者である。
イ・ラプセルの暮らしにはまだ慣れておらず、ボトルメールというものも、初めて知った。
コトノハ流しを知ったヨツカは、自室で師匠に向けての手紙をしたためる。
必要最低限のものしか置かれていない部屋に、ヨツカの唸る声と、くしゃりとゴミ箱へ放る音がして。そうしてなんとか手紙を書き上げる。
「届くかもわからない、が、届くかもしれない」
水路へ放ったボトルを、アマノホカリ流に手を合わせて見送っていたら、背後から声がする。
「だれに書いたの?」
彼に、ボトルメールについて教えたペコラだ。ヨツカの真似をして手を合わせている。
「ペコラか。誰に書いたかは、拾ったヤツの楽しみだ」
教えてくれてありがとう、というヨツカの言葉にどういたしまして、と返して。嬉しそうにふわりと笑う。
「誰かの手を渡り続けて、このコトノハが届くと期待して。まあ、願掛けのようなものだろうか」
「うんうん、すてき。とどくといいね」
ふたりでボトルを見送って。すっかり見えなくなったころ、そう言えば、とヨツカが拾った手紙を取り出す。
「どうやらこの国の文字ではなさそうだ。ペコラは分かるか?」
『魔女狩りに倒れた同胞達、聖柩の動力としてその命を散らした同胞達へ。
ミトラースは倒した。ミトラースを失った魔女狩りもその数を減らした。
だが、まだこれからだ。俺達の子孫が安心して暮らせる世界を作る。
そのときが来たら、転生してきてほしい。歓迎するぜ。 オルパ』
「ええ、と。ペコラ、読み書きはにがて、で……」
申し訳なさそうな彼女を見て、気にするな、とヨツカは笑う。
そして、またそれを懐へと仕舞った。読めなくとも、きっと誰かの大切な想いなのだから。
賑やかな雰囲気とは打って変わって。
エルシー・スカーレット(CL3000368)は、頭を抱えていた。彼女の悩みは、昨晩流したボトルメールのことだ。
シラフで書いた手紙ならよかった。けれど、その時エルシーにはお酒が入っていた。
いつもなら文房具屋のいいカモにされているような気がして気が乗らないのだけれど、ちょっと乗ってみる気分になって。
「おやじさん! 葡萄酒をボトルで頂戴! あと紙とペンを貸して」
今思うと飲みすぎていた。酒は飲んでも飲まれるな。後悔するのは、いつだって遅いのだ。
エルシーは葡萄酒を飲み干したボトルに、手紙を入れて流したのだった。
「……酔った勢いで陛下に手紙を書いて、それを水路に流すなんて、私は何という事を……」
でも、陛下に届く訳がないし?
気を取り直して、水路を流れるボトルのひとつを手に取る。そこには、教訓めいたことが書かれていた。
『これを読んでるヤツへ。デカい後悔しても引き摺り過ぎんなよ。それは決して変わらない過去、自分の歩みの一つだ』
なんて、今の自分にぴったりなメッセージだろう。エルシーはまた頭を抱える。
さて、そしてそんな彼女の手紙は誰に拾われたかというと。
「ん?」
非時香・ツボミ(CL3000086)が、水路を流れるボトルに気付いて拾い上げる。
「……ああ。そうか、『コトノハ流し』の時期か……。参加した事は無かったが……、成る程面白い催しだな」
随分ポエミーな催しだが、伝えられずに悶々とため込むより、瓶詰でも何でも外に出せる方が心身の為にもきっとずっといいだろう。
「こうして誰かに拾われれば、無関係な他者にとは言えちゃんと伝わるのだし。そうする事で、少なくとも己の中からは出て世界に触れる訳だ」
それにしても。このボトル、すこし大きすぎやしないだろうか。お酒の瓶、のような。
すこし気にはなるけれど、蓋をきゅぽんと外して手紙を取り出す。
「………どれ、この瓶にはどんな想いが仕舞われていたのかな、と……」
『エドワード陛下
いつもお疲れ様です。あまり無理をなされず、お身体をお労り下さい。 エルシー』
「………………ふむ」
それが、お酒の入った状態で書かれたものだなんて、ツボミが知るよしもなく。
「……よし、街の掲示板に張り出しといたろ」
そうすれば、この手紙も陛下に届くかもしれないし。
そう、親切心。悪戯心なんて、そんなこと。親切心だよ。たぶん、きっと、めいびー。
デボラ・ディートヘルム(CL3000511)は、人気のすくない路地でひと休み。
「うまく撒けたでしょうか」
デボラは使用人から逃げてきたところだ。人が多いと撒きやすくていい。お天気もいいし最高です!と上機嫌。
そんな彼女は水路へ流れるボトルに目を奪われる。何をする催しかと聞けば、言えぬ想いを綴ったりするのだと教えられた。
「難しいですね。でも言えぬ想いというならコレでしょう!」
デボラはさらさらと手紙を綴り、ボトルに詰めると振り被る。ん? 振り被る?
「では、張り切って流しましょう! そおおおぉぉぉぉいっっ!!!」
高く飛んだボトルが、日の光を浴びてきらりと輝いた。ぼっちゃんと勢いよく水のおとが響く。
折角だから私もひとつとボトルに手を伸ばしたら、見知った顔が人込みのむこうに見えた。
「……はっ! あ……あー……。あー……私はこれでっ!
『私がもっともっと自分を好きになれますように』
デボラが駆け出す。ボトルのなかに込められたメッセージは、走るデボラにあわせて揺れていた。
地図を広げたカーシー・ロマ(CL3000569)は、屋台が並んでる辺りにぐるりとマル印。
その横に『助けて!』のメッセージを添えれば、救いを求める手紙の出来上がり。
もちろん、助けを求めているひとなんていない。これは、カーシーによるお祭りに便乗タダ飯ゲット大作戦!
さて、ターゲットは誰にしよう。きょろきょろと街を行けば、ルーク・H・アルカナム(CL3000490)が、ひとり煙草をくゆらせていた。
ああ見えて付き合いがいいことは知っている。よし決めた、とカーシーの頬が楽しそうにゆるむ。
「名探偵ー! 意味深なメッセージみつけたよー!」
「………カーシーか。意味深なメッセージ? ……見せてみろ」
吸って、吐いて。事件を解決したばかりの彼は、気持ちを切り替える儀式の途中。
けれど、割り込まれたことを気にする様子もなく、気だるげにメッセージに視線を移した。
それを見たのは一瞬で。すぐにカーシーへと視線を戻す。何かを期待したようにルークを見ていたカーシーの表情は一変。何か誤魔化すように視線が泳いでいる。
「えっ、えっ、なに?」
ルークの視線がカーシーの顔からゆっくりと下ろされたところで、―――きゅるると、お腹が鳴った。
「反応を見るに、考えるまでも無さそうだな」
「えー!? ちょっと、視線だけで訴えないで名探偵!」
探偵を相手にしたのが悪かった。カーシーの目論見はすっかり見破られてしまったらしい。
賑やかな声は、警邏の最中のオスカー・バンベリー(CL3000332)の耳にも届いたようで。
「……ルークとカーシーか。どうした?」
「しまったオスカーもきた!」
治安維持のために街に出ていたオスカーが、ルークの手に握られたそのメッセージを見逃すはずがない。
「―――救助を求められているのか。助力は必要か?」
「えっ!? いやいや救助が必要とかそーゆーんじゃなくてー」
あまりにも真面目に受け取られたものだから、すべて説明することになってしまったカーシーの耳と尻尾がしなしなと垂れる。これなんて罰ゲーム?
「助ける対象はホラ、俺の胃がってゆーか……」
ごにょごにょごにょ。段々ちいさくなっていく声にオスカーが首を傾げた。
「……ルーク。カーシーが落ち込んでいるが、俺が何か余計な事でも言っただろうか」
「いや、お前は別に悪くない。悪かったのはタイミングだな」
「……そうか。いい大人にする説教ではないが、悪戯は程々にな」
「てへぺろ! ごめん! 反省したから何かおごって!」
どちらが年上なのやら。そんなことを思いながらルークが吸殻を携帯灰皿に捻じ込んだ。妙な縁が出来たもんだ。――まぁ、悪くは無いけれど。
「行くぞ。カーシー、店選びは任せる。オスカーも付き合え、治安維持なら賑やかなところでやればいい」
「それ奢ってくれるってこと? やったー!」
「ルークがカーシーに奢るのか。では、騙された慰謝料に、俺がカーシーに奢って貰うか」
「えっ!?」
「はは、冗談だ。良い息抜きになった」
オスカーが微笑めば、心臓に悪い!とカーシーは唇を尖らせて。
ふたりを追いかけるカーシーのポケットのなかで、もう届くことのない相手へ書いた手紙が、かさりと揺れていた。
●
街へ出なくとも、お祭りの日はどこだって賑やかだ。
『父様へ。ご心労は察しています。
けど、私は私に嘘をつきたくない。母様の次に貴方を慕い尊敬しています』
サシャ・プニコフ(CL3000122)が拾ったのは、家族へ宛てた手紙だった。
サシャは両親の顔は分からない。教会で一緒に過ごす弟や妹たちも、似たような境遇の子ばかりだ。だから、家族への手紙はなんだかとっても、きらきらしてみえる。
教会に戻ったサシャは、弟や妹たちに紙とペン、それから色鉛筆を渡す。尻尾をぶぶぶんと振りながら、いっぱいの笑顔で告げた。
「一緒にボトルメールを書くぞ! 文字が書けない子は絵を描くといいぞ」
自分も文字が書けないころは絵を描いていた。それも、サシャの大切な、大切な想い出。
「サシャへの感謝の気持ちをお手紙にしてもいいぞ!」
えっへんとふんぞり返りながら宣言すれば、どこからかええーと抗議の声が上がる。
「そこ、嫌そうな顔するんじゃないぞ!!」
がおーと威嚇するように見せれば、きゃあきゃあ楽しそうな笑い声が上がった。
年長者として皆のお世話をしていたから、なかなか自分の手紙が書けないサシャだったが、これもきっと、幸せだと思うのだ。
「皆が書き終わったらボトルに詰めて一緒に流しにいくぞ!!」
おおーと声が上がって。ふふふと笑うサシャの、尻尾が楽しそうに揺れていた。
サロン・シープでは、今日賑やかでありながらもしっとりとした空気が流れていた。
「ボトルメールは浪漫だよな浪漫」
「アマノホカリにも、矢の先に手紙を括り付け、遠くから射る矢文というのがありましたから、おそらくそれと似たようなものですな?」
ボトルを用意するニコラス・モラル(CL3000453)の声は、少年のように楽しそうに弾む。
その横でペンの先を舐めていた瑠璃彦 水月(CL3000449)は、遠い故郷に想いを馳せていた。
「文字を書くのは、すきです。いつも書いているので」
話を聞いていた雪・鈴(CL3000447)は、蚕蛾の触覚を揺らしながらこてりと首を傾げる。
「でも、特定の誰かに宛てたものじゃないんですよね?」
「誰かが拾って読むもんなんやろ? そんなら店の宣伝するんが一等有用やないん?」
「やっぱりサロン・シープの宣伝、です? 皆さんは何を書くんでしょう?」
空中に文字を書くように。気だるげに羽根ペンをくるくるさせながら答えた蔡 狼華(CL3000451) は、書くメッセージは既に決まっていたようで、さらさらと流れるように文字を綴っていく。
羽根ペンを置いた狼華は、仕上げに香水をシュッとひと吹き。手早くくるりと丸めると、あまい香りもそのまま一緒にボトルのなかへと閉じ込めた。
一仕事終えた狼華は、さて、とゆったり微笑む。
「あんたらは何を書いてるん? ええやん、ちょぉ見せてよ、減るもんやあらへんやろ?」
「おじさんも何書いたか気になるけど、おじさんも言われて見せれるもんじゃないなー」
ニコラスは書き掛けの手紙を折り畳むようにして、狼華の視界から遮る。狼華はいけず、と軽く頬を膨らませてみせた。
「うーん、やっぱり宣伝? それとも自分のお気に入りのなにかを伝える、とか?」
「どこまで流れるかも分からないから、あまり変なことは書けないですなぁ」
触覚をぴぴぴと揺らして悩み続ける雪を見て瑠璃彦が微笑むけれど。瑠璃彦の尻尾も、何かを考えるようにゆらゆらと揺れている。
「瑠璃彦さんは、なに書くか、もうきまりました?」
「あっしはとりあえず、故郷で眠る母への手紙を書くつもりですにゃあ」
見世物小屋や貴族のもとで下働きをしてきた雪には、故郷と言われてもぴんとこない。
「難しく考えなくても大丈夫だぜ、ほら、楽しんだもの勝ちってな」
「……えと、えと、あ、じゃあ、これにします……!」
ニコラスの言葉を聞いて、悩んでいた雪もさらさらと文字を書き始めた。
暫くすれば、よっつのボトルが並ぶ。自分のボトルを手にとって、羊の子らは街へ出る。
「ぼとるさん、いってらっしゃい」
「てっきり狼華殿は、マダムへの手紙を書くのかと思いましたぞ」
「読んで欲しい人には直接渡すもん! 戻ったらマダムへ親愛の手紙を書いて渡さな!」
水路へ流れていくボトルを見送りながら。ニコラスがボトルをひとつ、拾い上げた。
『大通りから西側へ1本入った通りにある『黄金時間』という喫茶店がお勧め。
茶葉も買うことが出来て、この時期は紫陽花の絵が描かれた紅茶缶が目を惹く。
雨の日も楽しくなるような香りと味なので試して欲しい』
手紙はオススメのお店についてだったようだ。手紙をボトルへ戻すと、ニコラスは羊の子らへ声を掛ける。
「なあ、寄り道してから戻ろうぜ。おじさん、いいお店を教えてもらったからさ」
劇団の楽屋にて。カノン・イスルギ(CL3000025)は、ペンを舐めつつ考える。
「ボトルメールかー。何を書こうかな」
次から次へと書きたいことが浮かんで、すぐには纏まらない。まずは宛名だけ書いてみる。
『はいけい、天国のとーさま、かーさま……』
ああ、でもぜんぶ書いたらいいんじゃないか。伝えたいことも、時間もたくさんあるのだ。
『カノンは元気だよ。
劇団でのお芝居は大変だけどお客様が喜んでくれたら凄く嬉しーんだよ。団長や団員の皆も良い人ばかりだよ。
それにちゃんと拳法の練習も頑張ってるよ。センセーは厳しいけど、その分強くなってるよー。そのうちとーさまより強くなっちゃうよ』
ペンが止まる。また、暫く考えて。もう一度ペンを取る。続きを書き終えたカノンは、よし!とペンを置いた。
大切なふたりへの、大切な想い。宝物を仕舞うように、ボトルに詰めて。
えいっと水路へ投げれば、ぽちゃんと音がした。流れていく姿を見送ってから、カノンも拾ったボトルを開ける。
『羊が見せるは夢のひととき。
お茶会、お食事会等各種パーティー、ご休憩、ご宿泊、承ります。(従業員随時募集中)
サロン・シープ』
なんのお店?とカノンが首を傾げる。彼女にはまだちょっと早いかもしれないね!
手紙を綴る、リリアナ・アーデルトラウト(CL3000560)の机の上には、水路で拾ったボトルメールが置かれている。
『司祭様へ。
サシャは自分の親の顔は全然知らないけれど、司祭様はお父さんのように厳しくてお母さんのように優しくしてくれていつも感謝しているんだぞ!
大きくなったらサシャも立派なシスターになって身寄りのない子に手を差し伸べたいって思うぞ』
ボトルに込められた言葉は、とてもきらきらしていた。リリアナは、自分の書く内容について考える。
私の願いはなんだろう。私が描く未来ってなんだろう。私の望みはなんだろう。
考えれば考えるほど、頭のなかがぐるぐるぐる。紙の上にも、気持ちを表すようにぐるぐる言葉にならない模様が増えていく。
「……やっぱり先ずはこれ。これから始めないと」
暫く悩んでいたリリアナだが、決めてしまえばさらりと書くことが出来た。
ボトルに手紙を込めたリリアナは、決意の表明をするように、きゅっと強くボトルの蓋を締めるのだった。
●
「とある依頼で行動を共にした、あの方へお礼を書きたいの、頑張って書くのよ……!」
『このお手紙をひろったかた、ぼくとお友達になってくれたら嬉しいです。 雪』
水路で拾ったボトルには、そんな手紙が入っていた。だから、自分も行動してみようと思ったのだ。
決意を込めて、ぎゅっとこぶしを握る。お手紙だって、まずは挨拶から。拝啓、硬いかな。ご機嫌麗しゅう、絶対違う。ハロー、論外だ。
「お手紙って難しいわ……」
ぐるぐるぐる。考えれば考えるほど、分からなくなってくる。本が散らばりクローゼットは閉まりきっていない、そんなキリの部屋よりも、思考が纏まらない。
だったら。もう気持ちを込めて書くしかないんじゃないか。
かりかりと文字を綴る音が部屋に響いて。暫くしてキリはぱっと顔を上げた。
「書けた! シンプルだわ」
文字は間違ってないかな、変なことは書いてないかな。きっと大丈夫。たぶん大丈夫。
キリは街へ繰り出すと、水路へそっと浮かべる。流れていくボトルを見送りながら、はたと気付く。
「……はっ。あの方に届く確率ってどのくらい?」
気付いた時には既に手遅れ。ボトルはもう、手の届かないところへ。あわわと慌てていると、声を掛けられた。
「おや、アレは?」
オルパ・エメラドル(CL3000515)が、流れるボトルを見ながら首を傾げている。キリは慌てながらもコトノハ流しについて説明した。
「イ・ラプセルにはそんな風習があるのか。センチメンタルな事だな」
ありがとう、とお礼を告げて。雑貨店に入ったオルパはボトルと紙、ペンを購入する。
何を書くかは悩まなかった。故郷に伝わる文字で、さらさらと言葉を綴っていく。
「………いつになるかはわからない。だが、待っていてくれ」
オルパは書き上げたそれを水路へ投げて。代わりにとひとつ、ボトルを拾う。
『母上へ。 色々あり思えば遠くまで来てしまいましたが、我輩は元気ですぞ。どうか安らかに天から見守っててくだされ。 瑠璃彦』
この手紙を書いた誰かも、今は亡きひとのことを想っている。ふ、と微笑んだその顔は、どこか寂しげで。
「ふん、今日の俺はどうかしているな。……りんご酒でも飲みに行くか」
久しぶりに深酒してしまいそうだ、とオルパはひとりごちる。けれど、こんな日くらいはいいだろう。
買い物の帰り道。
水路へ流れるボトルを見て、アリシア・フォン・フルシャンテ(CL3000227)が首を傾げる。
ボトルのなかに、何か入っている。不思議に思いながらひとつ拾い上げて、アリシアははたと思い出す。
「あ、そうやった『コトノハ流し』の時期やったなぁ」
ボトルを覗き込めば、なかでかさりと手紙が揺れている。
「うちも小さい頃はお母さんやお父さんや叔母さんあてに、色々書いて流したっけなぁ……」
そんなことを思い出しながら手紙を取り出して開いてみた。
『リリアナさんへ
この間のお薬の依頼で、キリのギターに合わせて踊ってくれて、とても嬉しくて、楽しかったです。ありがとうございました! キリ』
可愛い猫のシルエットが描かれた便箋には、そんな秘密の想いが綴られていた。
「ふむふむ、なるほどなぁ。うちはとんだヒミツを見てしまったかもしれん」
この子を探して手紙を届けてあげようか。でもでもそれはお節介かも? アリシアが腕を組んでむむむと悩む。
悩んだ結果、アリシアは手紙をもう一度ボトルへ戻す。きっと、どこかで会えるだろう。この手紙を書いた誰かが、仲良くなれればいいとアリシアは想うのだった。
ゆらゆら揺れるゴンドラの上で、ミスリィ・クォード(CL3000548)がリラを爪弾いている。
水路には、誰かの言の葉が込められたボトルメールがゆらゆら揺れていて。まるで自分もボトルメールになったようだと、ミスリィは思う。
「あの、ゴンドラから手を伸ばしてボトルを拾っても? 気をつけます」
ミスリィの問いにゴンドリエーレは微笑んでもちろん、と答えた。ミスリィもふわりと微笑みを返して、ボトルへ手を伸ばす。
「誰かの元へ辿りつく旅の途中……。どれか私に拾われてくれませんか?」
水路の水は澄んでいて、ちゃぷりと触れれば気持ちいい。指先に触れたボトルを拾い上げて、手紙を取り出した。
『―――……そうそう、カノンは自由騎士になったんだよ。色んな所で色んな経験をしたんだ。 いつかその事をお芝居にして皆にみてもらいたい。その時はとーさま、かーさまも天国から見ていてね。
PS そうそう、センセーのおヨメさんになるってカノンの夢は現在進行中だよー。夢が叶ったその時はとーさま、天国で泣かないでねー(笑)』
手紙を書いたひとの楽しそうな雰囲気が伝わってくるようで。これを書いたひとと、いつか出会えるといい。ミスリィはくすりと微笑む。
「ゴンドリエーレさん、リラの伴奏でカンツォーネなんて如何ですか?」
ミスリィの演奏に合わせて、ゴンドリエーレが歌いだす。やさしい音色が、ボトルと一緒に水路を流れていく。
ゆらゆら、ゆらゆら、ゆらゆらと。
やさしい音色とともに、誰かの想いを込めたコトノハがいくつも流れていく。
届けたいひとへ、必ずしも届くとは限らない。けれど、ボトルに込められた大切な言の葉は、誰かのもとで大切にされることだろう。
ゆらゆら、ゆらゆら、ゆらゆらと。
水路を流れるいくつものボトルには、誰かへの想いを綴った言の葉が込められている。
――――コトノハ流し。ボトルメールを水路に流すだけのイベント。
誰かが言の葉をひとつ拾うその横で。またひとつ、言の葉が水路へと投げ入れられていた。
「そういえばコトノハ流しは今日だったか」
イベントが楽しめる程度に平和なのはよいことだ、とアリスタルフ・ヴィノクロフ(CL3000392)はボトルメールをひとつ拾い上げる。
彼は、今日も街の警邏中。けれど、ちょっとだけひと休み。ボトルを手に、馴染みの喫茶店に立ち寄る。
『師匠へ。
あなたを追って、今はイ・ラプセルに居る。元気にやっているぞ。事情があったのかもしれないが、師匠に再び会えることを望んでいる。それまでどうか健勝にて。 四ツ日』
この手紙の相手は、今は消息が分からないということだろうか。自由騎士団でも情報を共有すれば―――。休憩中でも、仕事のように考えてしまう。
「ついでに自分も何か書いてみるか」
紅茶を待つ間、アリスタルフが手紙を綴る。この喫茶店について。雰囲気がよくて落ち着けるし、紅茶の味もよい。とても、いい場所だ。
「雨の多い時期だからこそ薦めたい紅茶もあるんだ」
アリスタルフの顔がほんの僅かに、やわらかく微笑んだ。手紙を書いて紅茶を飲んだら、さあ、お仕事再開だ。
月ノ輪・ヨツカ(CL3000575)はアマノホカリからの流れ者である。
イ・ラプセルの暮らしにはまだ慣れておらず、ボトルメールというものも、初めて知った。
コトノハ流しを知ったヨツカは、自室で師匠に向けての手紙をしたためる。
必要最低限のものしか置かれていない部屋に、ヨツカの唸る声と、くしゃりとゴミ箱へ放る音がして。そうしてなんとか手紙を書き上げる。
「届くかもわからない、が、届くかもしれない」
水路へ放ったボトルを、アマノホカリ流に手を合わせて見送っていたら、背後から声がする。
「だれに書いたの?」
彼に、ボトルメールについて教えたペコラだ。ヨツカの真似をして手を合わせている。
「ペコラか。誰に書いたかは、拾ったヤツの楽しみだ」
教えてくれてありがとう、というヨツカの言葉にどういたしまして、と返して。嬉しそうにふわりと笑う。
「誰かの手を渡り続けて、このコトノハが届くと期待して。まあ、願掛けのようなものだろうか」
「うんうん、すてき。とどくといいね」
ふたりでボトルを見送って。すっかり見えなくなったころ、そう言えば、とヨツカが拾った手紙を取り出す。
「どうやらこの国の文字ではなさそうだ。ペコラは分かるか?」
『魔女狩りに倒れた同胞達、聖柩の動力としてその命を散らした同胞達へ。
ミトラースは倒した。ミトラースを失った魔女狩りもその数を減らした。
だが、まだこれからだ。俺達の子孫が安心して暮らせる世界を作る。
そのときが来たら、転生してきてほしい。歓迎するぜ。 オルパ』
「ええ、と。ペコラ、読み書きはにがて、で……」
申し訳なさそうな彼女を見て、気にするな、とヨツカは笑う。
そして、またそれを懐へと仕舞った。読めなくとも、きっと誰かの大切な想いなのだから。
賑やかな雰囲気とは打って変わって。
エルシー・スカーレット(CL3000368)は、頭を抱えていた。彼女の悩みは、昨晩流したボトルメールのことだ。
シラフで書いた手紙ならよかった。けれど、その時エルシーにはお酒が入っていた。
いつもなら文房具屋のいいカモにされているような気がして気が乗らないのだけれど、ちょっと乗ってみる気分になって。
「おやじさん! 葡萄酒をボトルで頂戴! あと紙とペンを貸して」
今思うと飲みすぎていた。酒は飲んでも飲まれるな。後悔するのは、いつだって遅いのだ。
エルシーは葡萄酒を飲み干したボトルに、手紙を入れて流したのだった。
「……酔った勢いで陛下に手紙を書いて、それを水路に流すなんて、私は何という事を……」
でも、陛下に届く訳がないし?
気を取り直して、水路を流れるボトルのひとつを手に取る。そこには、教訓めいたことが書かれていた。
『これを読んでるヤツへ。デカい後悔しても引き摺り過ぎんなよ。それは決して変わらない過去、自分の歩みの一つだ』
なんて、今の自分にぴったりなメッセージだろう。エルシーはまた頭を抱える。
さて、そしてそんな彼女の手紙は誰に拾われたかというと。
「ん?」
非時香・ツボミ(CL3000086)が、水路を流れるボトルに気付いて拾い上げる。
「……ああ。そうか、『コトノハ流し』の時期か……。参加した事は無かったが……、成る程面白い催しだな」
随分ポエミーな催しだが、伝えられずに悶々とため込むより、瓶詰でも何でも外に出せる方が心身の為にもきっとずっといいだろう。
「こうして誰かに拾われれば、無関係な他者にとは言えちゃんと伝わるのだし。そうする事で、少なくとも己の中からは出て世界に触れる訳だ」
それにしても。このボトル、すこし大きすぎやしないだろうか。お酒の瓶、のような。
すこし気にはなるけれど、蓋をきゅぽんと外して手紙を取り出す。
「………どれ、この瓶にはどんな想いが仕舞われていたのかな、と……」
『エドワード陛下
いつもお疲れ様です。あまり無理をなされず、お身体をお労り下さい。 エルシー』
「………………ふむ」
それが、お酒の入った状態で書かれたものだなんて、ツボミが知るよしもなく。
「……よし、街の掲示板に張り出しといたろ」
そうすれば、この手紙も陛下に届くかもしれないし。
そう、親切心。悪戯心なんて、そんなこと。親切心だよ。たぶん、きっと、めいびー。
デボラ・ディートヘルム(CL3000511)は、人気のすくない路地でひと休み。
「うまく撒けたでしょうか」
デボラは使用人から逃げてきたところだ。人が多いと撒きやすくていい。お天気もいいし最高です!と上機嫌。
そんな彼女は水路へ流れるボトルに目を奪われる。何をする催しかと聞けば、言えぬ想いを綴ったりするのだと教えられた。
「難しいですね。でも言えぬ想いというならコレでしょう!」
デボラはさらさらと手紙を綴り、ボトルに詰めると振り被る。ん? 振り被る?
「では、張り切って流しましょう! そおおおぉぉぉぉいっっ!!!」
高く飛んだボトルが、日の光を浴びてきらりと輝いた。ぼっちゃんと勢いよく水のおとが響く。
折角だから私もひとつとボトルに手を伸ばしたら、見知った顔が人込みのむこうに見えた。
「……はっ! あ……あー……。あー……私はこれでっ!
『私がもっともっと自分を好きになれますように』
デボラが駆け出す。ボトルのなかに込められたメッセージは、走るデボラにあわせて揺れていた。
地図を広げたカーシー・ロマ(CL3000569)は、屋台が並んでる辺りにぐるりとマル印。
その横に『助けて!』のメッセージを添えれば、救いを求める手紙の出来上がり。
もちろん、助けを求めているひとなんていない。これは、カーシーによるお祭りに便乗タダ飯ゲット大作戦!
さて、ターゲットは誰にしよう。きょろきょろと街を行けば、ルーク・H・アルカナム(CL3000490)が、ひとり煙草をくゆらせていた。
ああ見えて付き合いがいいことは知っている。よし決めた、とカーシーの頬が楽しそうにゆるむ。
「名探偵ー! 意味深なメッセージみつけたよー!」
「………カーシーか。意味深なメッセージ? ……見せてみろ」
吸って、吐いて。事件を解決したばかりの彼は、気持ちを切り替える儀式の途中。
けれど、割り込まれたことを気にする様子もなく、気だるげにメッセージに視線を移した。
それを見たのは一瞬で。すぐにカーシーへと視線を戻す。何かを期待したようにルークを見ていたカーシーの表情は一変。何か誤魔化すように視線が泳いでいる。
「えっ、えっ、なに?」
ルークの視線がカーシーの顔からゆっくりと下ろされたところで、―――きゅるると、お腹が鳴った。
「反応を見るに、考えるまでも無さそうだな」
「えー!? ちょっと、視線だけで訴えないで名探偵!」
探偵を相手にしたのが悪かった。カーシーの目論見はすっかり見破られてしまったらしい。
賑やかな声は、警邏の最中のオスカー・バンベリー(CL3000332)の耳にも届いたようで。
「……ルークとカーシーか。どうした?」
「しまったオスカーもきた!」
治安維持のために街に出ていたオスカーが、ルークの手に握られたそのメッセージを見逃すはずがない。
「―――救助を求められているのか。助力は必要か?」
「えっ!? いやいや救助が必要とかそーゆーんじゃなくてー」
あまりにも真面目に受け取られたものだから、すべて説明することになってしまったカーシーの耳と尻尾がしなしなと垂れる。これなんて罰ゲーム?
「助ける対象はホラ、俺の胃がってゆーか……」
ごにょごにょごにょ。段々ちいさくなっていく声にオスカーが首を傾げた。
「……ルーク。カーシーが落ち込んでいるが、俺が何か余計な事でも言っただろうか」
「いや、お前は別に悪くない。悪かったのはタイミングだな」
「……そうか。いい大人にする説教ではないが、悪戯は程々にな」
「てへぺろ! ごめん! 反省したから何かおごって!」
どちらが年上なのやら。そんなことを思いながらルークが吸殻を携帯灰皿に捻じ込んだ。妙な縁が出来たもんだ。――まぁ、悪くは無いけれど。
「行くぞ。カーシー、店選びは任せる。オスカーも付き合え、治安維持なら賑やかなところでやればいい」
「それ奢ってくれるってこと? やったー!」
「ルークがカーシーに奢るのか。では、騙された慰謝料に、俺がカーシーに奢って貰うか」
「えっ!?」
「はは、冗談だ。良い息抜きになった」
オスカーが微笑めば、心臓に悪い!とカーシーは唇を尖らせて。
ふたりを追いかけるカーシーのポケットのなかで、もう届くことのない相手へ書いた手紙が、かさりと揺れていた。
●
街へ出なくとも、お祭りの日はどこだって賑やかだ。
『父様へ。ご心労は察しています。
けど、私は私に嘘をつきたくない。母様の次に貴方を慕い尊敬しています』
サシャ・プニコフ(CL3000122)が拾ったのは、家族へ宛てた手紙だった。
サシャは両親の顔は分からない。教会で一緒に過ごす弟や妹たちも、似たような境遇の子ばかりだ。だから、家族への手紙はなんだかとっても、きらきらしてみえる。
教会に戻ったサシャは、弟や妹たちに紙とペン、それから色鉛筆を渡す。尻尾をぶぶぶんと振りながら、いっぱいの笑顔で告げた。
「一緒にボトルメールを書くぞ! 文字が書けない子は絵を描くといいぞ」
自分も文字が書けないころは絵を描いていた。それも、サシャの大切な、大切な想い出。
「サシャへの感謝の気持ちをお手紙にしてもいいぞ!」
えっへんとふんぞり返りながら宣言すれば、どこからかええーと抗議の声が上がる。
「そこ、嫌そうな顔するんじゃないぞ!!」
がおーと威嚇するように見せれば、きゃあきゃあ楽しそうな笑い声が上がった。
年長者として皆のお世話をしていたから、なかなか自分の手紙が書けないサシャだったが、これもきっと、幸せだと思うのだ。
「皆が書き終わったらボトルに詰めて一緒に流しにいくぞ!!」
おおーと声が上がって。ふふふと笑うサシャの、尻尾が楽しそうに揺れていた。
サロン・シープでは、今日賑やかでありながらもしっとりとした空気が流れていた。
「ボトルメールは浪漫だよな浪漫」
「アマノホカリにも、矢の先に手紙を括り付け、遠くから射る矢文というのがありましたから、おそらくそれと似たようなものですな?」
ボトルを用意するニコラス・モラル(CL3000453)の声は、少年のように楽しそうに弾む。
その横でペンの先を舐めていた瑠璃彦 水月(CL3000449)は、遠い故郷に想いを馳せていた。
「文字を書くのは、すきです。いつも書いているので」
話を聞いていた雪・鈴(CL3000447)は、蚕蛾の触覚を揺らしながらこてりと首を傾げる。
「でも、特定の誰かに宛てたものじゃないんですよね?」
「誰かが拾って読むもんなんやろ? そんなら店の宣伝するんが一等有用やないん?」
「やっぱりサロン・シープの宣伝、です? 皆さんは何を書くんでしょう?」
空中に文字を書くように。気だるげに羽根ペンをくるくるさせながら答えた蔡 狼華(CL3000451) は、書くメッセージは既に決まっていたようで、さらさらと流れるように文字を綴っていく。
羽根ペンを置いた狼華は、仕上げに香水をシュッとひと吹き。手早くくるりと丸めると、あまい香りもそのまま一緒にボトルのなかへと閉じ込めた。
一仕事終えた狼華は、さて、とゆったり微笑む。
「あんたらは何を書いてるん? ええやん、ちょぉ見せてよ、減るもんやあらへんやろ?」
「おじさんも何書いたか気になるけど、おじさんも言われて見せれるもんじゃないなー」
ニコラスは書き掛けの手紙を折り畳むようにして、狼華の視界から遮る。狼華はいけず、と軽く頬を膨らませてみせた。
「うーん、やっぱり宣伝? それとも自分のお気に入りのなにかを伝える、とか?」
「どこまで流れるかも分からないから、あまり変なことは書けないですなぁ」
触覚をぴぴぴと揺らして悩み続ける雪を見て瑠璃彦が微笑むけれど。瑠璃彦の尻尾も、何かを考えるようにゆらゆらと揺れている。
「瑠璃彦さんは、なに書くか、もうきまりました?」
「あっしはとりあえず、故郷で眠る母への手紙を書くつもりですにゃあ」
見世物小屋や貴族のもとで下働きをしてきた雪には、故郷と言われてもぴんとこない。
「難しく考えなくても大丈夫だぜ、ほら、楽しんだもの勝ちってな」
「……えと、えと、あ、じゃあ、これにします……!」
ニコラスの言葉を聞いて、悩んでいた雪もさらさらと文字を書き始めた。
暫くすれば、よっつのボトルが並ぶ。自分のボトルを手にとって、羊の子らは街へ出る。
「ぼとるさん、いってらっしゃい」
「てっきり狼華殿は、マダムへの手紙を書くのかと思いましたぞ」
「読んで欲しい人には直接渡すもん! 戻ったらマダムへ親愛の手紙を書いて渡さな!」
水路へ流れていくボトルを見送りながら。ニコラスがボトルをひとつ、拾い上げた。
『大通りから西側へ1本入った通りにある『黄金時間』という喫茶店がお勧め。
茶葉も買うことが出来て、この時期は紫陽花の絵が描かれた紅茶缶が目を惹く。
雨の日も楽しくなるような香りと味なので試して欲しい』
手紙はオススメのお店についてだったようだ。手紙をボトルへ戻すと、ニコラスは羊の子らへ声を掛ける。
「なあ、寄り道してから戻ろうぜ。おじさん、いいお店を教えてもらったからさ」
劇団の楽屋にて。カノン・イスルギ(CL3000025)は、ペンを舐めつつ考える。
「ボトルメールかー。何を書こうかな」
次から次へと書きたいことが浮かんで、すぐには纏まらない。まずは宛名だけ書いてみる。
『はいけい、天国のとーさま、かーさま……』
ああ、でもぜんぶ書いたらいいんじゃないか。伝えたいことも、時間もたくさんあるのだ。
『カノンは元気だよ。
劇団でのお芝居は大変だけどお客様が喜んでくれたら凄く嬉しーんだよ。団長や団員の皆も良い人ばかりだよ。
それにちゃんと拳法の練習も頑張ってるよ。センセーは厳しいけど、その分強くなってるよー。そのうちとーさまより強くなっちゃうよ』
ペンが止まる。また、暫く考えて。もう一度ペンを取る。続きを書き終えたカノンは、よし!とペンを置いた。
大切なふたりへの、大切な想い。宝物を仕舞うように、ボトルに詰めて。
えいっと水路へ投げれば、ぽちゃんと音がした。流れていく姿を見送ってから、カノンも拾ったボトルを開ける。
『羊が見せるは夢のひととき。
お茶会、お食事会等各種パーティー、ご休憩、ご宿泊、承ります。(従業員随時募集中)
サロン・シープ』
なんのお店?とカノンが首を傾げる。彼女にはまだちょっと早いかもしれないね!
手紙を綴る、リリアナ・アーデルトラウト(CL3000560)の机の上には、水路で拾ったボトルメールが置かれている。
『司祭様へ。
サシャは自分の親の顔は全然知らないけれど、司祭様はお父さんのように厳しくてお母さんのように優しくしてくれていつも感謝しているんだぞ!
大きくなったらサシャも立派なシスターになって身寄りのない子に手を差し伸べたいって思うぞ』
ボトルに込められた言葉は、とてもきらきらしていた。リリアナは、自分の書く内容について考える。
私の願いはなんだろう。私が描く未来ってなんだろう。私の望みはなんだろう。
考えれば考えるほど、頭のなかがぐるぐるぐる。紙の上にも、気持ちを表すようにぐるぐる言葉にならない模様が増えていく。
「……やっぱり先ずはこれ。これから始めないと」
暫く悩んでいたリリアナだが、決めてしまえばさらりと書くことが出来た。
ボトルに手紙を込めたリリアナは、決意の表明をするように、きゅっと強くボトルの蓋を締めるのだった。
●
「とある依頼で行動を共にした、あの方へお礼を書きたいの、頑張って書くのよ……!」
『このお手紙をひろったかた、ぼくとお友達になってくれたら嬉しいです。 雪』
水路で拾ったボトルには、そんな手紙が入っていた。だから、自分も行動してみようと思ったのだ。
決意を込めて、ぎゅっとこぶしを握る。お手紙だって、まずは挨拶から。拝啓、硬いかな。ご機嫌麗しゅう、絶対違う。ハロー、論外だ。
「お手紙って難しいわ……」
ぐるぐるぐる。考えれば考えるほど、分からなくなってくる。本が散らばりクローゼットは閉まりきっていない、そんなキリの部屋よりも、思考が纏まらない。
だったら。もう気持ちを込めて書くしかないんじゃないか。
かりかりと文字を綴る音が部屋に響いて。暫くしてキリはぱっと顔を上げた。
「書けた! シンプルだわ」
文字は間違ってないかな、変なことは書いてないかな。きっと大丈夫。たぶん大丈夫。
キリは街へ繰り出すと、水路へそっと浮かべる。流れていくボトルを見送りながら、はたと気付く。
「……はっ。あの方に届く確率ってどのくらい?」
気付いた時には既に手遅れ。ボトルはもう、手の届かないところへ。あわわと慌てていると、声を掛けられた。
「おや、アレは?」
オルパ・エメラドル(CL3000515)が、流れるボトルを見ながら首を傾げている。キリは慌てながらもコトノハ流しについて説明した。
「イ・ラプセルにはそんな風習があるのか。センチメンタルな事だな」
ありがとう、とお礼を告げて。雑貨店に入ったオルパはボトルと紙、ペンを購入する。
何を書くかは悩まなかった。故郷に伝わる文字で、さらさらと言葉を綴っていく。
「………いつになるかはわからない。だが、待っていてくれ」
オルパは書き上げたそれを水路へ投げて。代わりにとひとつ、ボトルを拾う。
『母上へ。 色々あり思えば遠くまで来てしまいましたが、我輩は元気ですぞ。どうか安らかに天から見守っててくだされ。 瑠璃彦』
この手紙を書いた誰かも、今は亡きひとのことを想っている。ふ、と微笑んだその顔は、どこか寂しげで。
「ふん、今日の俺はどうかしているな。……りんご酒でも飲みに行くか」
久しぶりに深酒してしまいそうだ、とオルパはひとりごちる。けれど、こんな日くらいはいいだろう。
買い物の帰り道。
水路へ流れるボトルを見て、アリシア・フォン・フルシャンテ(CL3000227)が首を傾げる。
ボトルのなかに、何か入っている。不思議に思いながらひとつ拾い上げて、アリシアははたと思い出す。
「あ、そうやった『コトノハ流し』の時期やったなぁ」
ボトルを覗き込めば、なかでかさりと手紙が揺れている。
「うちも小さい頃はお母さんやお父さんや叔母さんあてに、色々書いて流したっけなぁ……」
そんなことを思い出しながら手紙を取り出して開いてみた。
『リリアナさんへ
この間のお薬の依頼で、キリのギターに合わせて踊ってくれて、とても嬉しくて、楽しかったです。ありがとうございました! キリ』
可愛い猫のシルエットが描かれた便箋には、そんな秘密の想いが綴られていた。
「ふむふむ、なるほどなぁ。うちはとんだヒミツを見てしまったかもしれん」
この子を探して手紙を届けてあげようか。でもでもそれはお節介かも? アリシアが腕を組んでむむむと悩む。
悩んだ結果、アリシアは手紙をもう一度ボトルへ戻す。きっと、どこかで会えるだろう。この手紙を書いた誰かが、仲良くなれればいいとアリシアは想うのだった。
ゆらゆら揺れるゴンドラの上で、ミスリィ・クォード(CL3000548)がリラを爪弾いている。
水路には、誰かの言の葉が込められたボトルメールがゆらゆら揺れていて。まるで自分もボトルメールになったようだと、ミスリィは思う。
「あの、ゴンドラから手を伸ばしてボトルを拾っても? 気をつけます」
ミスリィの問いにゴンドリエーレは微笑んでもちろん、と答えた。ミスリィもふわりと微笑みを返して、ボトルへ手を伸ばす。
「誰かの元へ辿りつく旅の途中……。どれか私に拾われてくれませんか?」
水路の水は澄んでいて、ちゃぷりと触れれば気持ちいい。指先に触れたボトルを拾い上げて、手紙を取り出した。
『―――……そうそう、カノンは自由騎士になったんだよ。色んな所で色んな経験をしたんだ。 いつかその事をお芝居にして皆にみてもらいたい。その時はとーさま、かーさまも天国から見ていてね。
PS そうそう、センセーのおヨメさんになるってカノンの夢は現在進行中だよー。夢が叶ったその時はとーさま、天国で泣かないでねー(笑)』
手紙を書いたひとの楽しそうな雰囲気が伝わってくるようで。これを書いたひとと、いつか出会えるといい。ミスリィはくすりと微笑む。
「ゴンドリエーレさん、リラの伴奏でカンツォーネなんて如何ですか?」
ミスリィの演奏に合わせて、ゴンドリエーレが歌いだす。やさしい音色が、ボトルと一緒に水路を流れていく。
ゆらゆら、ゆらゆら、ゆらゆらと。
やさしい音色とともに、誰かの想いを込めたコトノハがいくつも流れていく。
届けたいひとへ、必ずしも届くとは限らない。けれど、ボトルに込められた大切な言の葉は、誰かのもとで大切にされることだろう。
†シナリオ結果†
成功
†詳細†
称号付与
『カワイイ悪戯っ子』
取得者: カーシー・ロマ(CL3000569)
『名探偵の休息』
取得者: ルーク・H・アルカナム(CL3000490)
『楽しく見守り隊』
取得者: オスカー・バンベリー(CL3000332)
取得者: カーシー・ロマ(CL3000569)
『名探偵の休息』
取得者: ルーク・H・アルカナム(CL3000490)
『楽しく見守り隊』
取得者: オスカー・バンベリー(CL3000332)
特殊成果
『ボトルメール』
カテゴリ:アクセサリ
取得者:サシャ・プニコフ(CL3000122)
『ボトルメール』
カテゴリ:アクセサリ
取得者:ミスリィ・クォード(CL3000548)
『ボトルメール』
カテゴリ:アクセサリ
取得者:リリアナ・アーデルトラウト(CL3000560)
『ボトルメール』
カテゴリ:アクセサリ
取得者:カノン・イスルギ(CL3000025)
『ボトルメール』
カテゴリ:アクセサリ
取得者:アリシア・フォン・フルシャンテ(CL3000227)
『ボトルメール』
カテゴリ:アクセサリ
取得者:月ノ輪・ヨツカ(CL3000575)
『雨降り紅茶』
カテゴリ:アクセサリ
取得者:ニコラス・モラル(CL3000453)
『ボトルメール』
カテゴリ:アクセサリ
取得者:アリスタルフ・ヴィノクロフ(CL3000392)
『ボトルメール(酒瓶)』
カテゴリ:アクセサリ
取得者:非時香・ツボミ(CL3000086)
『ボトルメール』
カテゴリ:アクセサリ
取得者:デボラ・ディートヘルム(CL3000511)
『雨降り紅茶』
カテゴリ:アクセサリ
取得者:蔡 狼華(CL3000451)
『雨降り紅茶』
カテゴリ:アクセサリ
取得者:雪・鈴(CL3000447)
『ボトルメール』
カテゴリ:アクセサリ
取得者:キリ・カーレント(CL3000547)
『雨降り紅茶』
カテゴリ:アクセサリ
取得者:瑠璃彦 水月(CL3000449)
『ボトルメール』
カテゴリ:アクセサリ
取得者:エルシー・スカーレット(CL3000368)
『ボトルメール』
カテゴリ:アクセサリ
取得者:オルパ・エメラドル(CL3000515)
カテゴリ:アクセサリ
取得者:サシャ・プニコフ(CL3000122)
『ボトルメール』
カテゴリ:アクセサリ
取得者:ミスリィ・クォード(CL3000548)
『ボトルメール』
カテゴリ:アクセサリ
取得者:リリアナ・アーデルトラウト(CL3000560)
『ボトルメール』
カテゴリ:アクセサリ
取得者:カノン・イスルギ(CL3000025)
『ボトルメール』
カテゴリ:アクセサリ
取得者:アリシア・フォン・フルシャンテ(CL3000227)
『ボトルメール』
カテゴリ:アクセサリ
取得者:月ノ輪・ヨツカ(CL3000575)
『雨降り紅茶』
カテゴリ:アクセサリ
取得者:ニコラス・モラル(CL3000453)
『ボトルメール』
カテゴリ:アクセサリ
取得者:アリスタルフ・ヴィノクロフ(CL3000392)
『ボトルメール(酒瓶)』
カテゴリ:アクセサリ
取得者:非時香・ツボミ(CL3000086)
『ボトルメール』
カテゴリ:アクセサリ
取得者:デボラ・ディートヘルム(CL3000511)
『雨降り紅茶』
カテゴリ:アクセサリ
取得者:蔡 狼華(CL3000451)
『雨降り紅茶』
カテゴリ:アクセサリ
取得者:雪・鈴(CL3000447)
『ボトルメール』
カテゴリ:アクセサリ
取得者:キリ・カーレント(CL3000547)
『雨降り紅茶』
カテゴリ:アクセサリ
取得者:瑠璃彦 水月(CL3000449)
『ボトルメール』
カテゴリ:アクセサリ
取得者:エルシー・スカーレット(CL3000368)
『ボトルメール』
カテゴリ:アクセサリ
取得者:オルパ・エメラドル(CL3000515)
†あとがき†
コトノハ流しの様子をお届けです。
誰のもとへボトルメールが届くかは、アミダで決めさせて頂きました。
神様の悪戯が発動している。
確認は致しましたが、抜け等ございましたらご連絡ください。
ご参加、ありがとうございました。楽しんで頂ければ幸いです。
誰のもとへボトルメールが届くかは、アミダで決めさせて頂きました。
神様の悪戯が発動している。
確認は致しましたが、抜け等ございましたらご連絡ください。
ご参加、ありがとうございました。楽しんで頂ければ幸いです。
FL送付済