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<<豊穣祭WBR>>大会の秋!

●このイベントを彩る?
「さぁさぁ! 野菜で作った絵の具でお店を彩ってくれよ!」
真っ白な屋台を指しながら店主は、道行く人々に声をかけた。
「うちのも! うちのも!」
負けられない、と言わんばかりに他の店主もいつもより人で溢れている街道で声を上げる。
ずらり、と並ぶ真っ白な屋台の上で風になびく横断幕には『屋台を彩れ! 屋台芸術コンテスト!』と書かれていた。
「参加者にはうちの屋台で出す料理が食べ放題よ!」
各屋台の店主は、それぞれに参加した時のメリットを口々にすると、人々が徐々に集まり始めた。
「今年採れた野菜、果物で作った料理で大食い大会だ!! もちろん、優勝者には〜トロフィーと高級レストランの食べ放題券だ!」
少し離れた広場では、広場の広さに合わせて作られたステージにて司会者が声高らかに言った。
そう、その料理はあの時に作られたモノで、前菜、メイン、デザートそして最後に早飲みで勝者を決める様だ。
無論、未成年にはジュースで成人している人には酒となるだろうが、下戸であればジュースに変更が可能だ。
「前菜は野菜の塩漬け、メインは人参のそぼろ丼にデザートは野菜ビスケット!」
メニューを司会者が読み上げていく、ウィート・バーリィ・ライの始まりだ!
●楽しもう!
「今年も始まりましたね。ウィート・バーリィ・ライが、そして今月にとある農家の依頼で収穫を手伝った料理やアイデアが早速、このイベントに使用されているようです」
穏やかな笑みを浮かべた九重・蒼玉(nCL3000015) は、嬉しそうにウィート・バーリィ・ライで賑わう街に視線を向けた。
「そういう事で、皆さんもどうぞ楽しんできて下さい。色々と目新しいモノがアナタ達を待っていますよ」
そう言って蒼玉は、ウィート・バーリィ・ライに参加していくアナタ達を見送った。
「さぁさぁ! 野菜で作った絵の具でお店を彩ってくれよ!」
真っ白な屋台を指しながら店主は、道行く人々に声をかけた。
「うちのも! うちのも!」
負けられない、と言わんばかりに他の店主もいつもより人で溢れている街道で声を上げる。
ずらり、と並ぶ真っ白な屋台の上で風になびく横断幕には『屋台を彩れ! 屋台芸術コンテスト!』と書かれていた。
「参加者にはうちの屋台で出す料理が食べ放題よ!」
各屋台の店主は、それぞれに参加した時のメリットを口々にすると、人々が徐々に集まり始めた。
「今年採れた野菜、果物で作った料理で大食い大会だ!! もちろん、優勝者には〜トロフィーと高級レストランの食べ放題券だ!」
少し離れた広場では、広場の広さに合わせて作られたステージにて司会者が声高らかに言った。
そう、その料理はあの時に作られたモノで、前菜、メイン、デザートそして最後に早飲みで勝者を決める様だ。
無論、未成年にはジュースで成人している人には酒となるだろうが、下戸であればジュースに変更が可能だ。
「前菜は野菜の塩漬け、メインは人参のそぼろ丼にデザートは野菜ビスケット!」
メニューを司会者が読み上げていく、ウィート・バーリィ・ライの始まりだ!
●楽しもう!
「今年も始まりましたね。ウィート・バーリィ・ライが、そして今月にとある農家の依頼で収穫を手伝った料理やアイデアが早速、このイベントに使用されているようです」
穏やかな笑みを浮かべた九重・蒼玉(nCL3000015) は、嬉しそうにウィート・バーリィ・ライで賑わう街に視線を向けた。
「そういう事で、皆さんもどうぞ楽しんできて下さい。色々と目新しいモノがアナタ達を待っていますよ」
そう言って蒼玉は、ウィート・バーリィ・ライに参加していくアナタ達を見送った。
†シナリオ詳細†
■成功条件
1.ウィート・バーリィ・ライを楽しもう!
ウィート・バーリィ・ライ! 林檎の名前じゃなくなった紅玉です。
楽しんでいただける様に頑張ります。
食べ物や絵の具に関しては『豊穣祭の前に、収穫の手伝いはいかが?』を参考にして下さい。
参加は、『屋台芸術コンテスト』もしくは『大食い大会』の片方だけでお願いします。
楽しんでいただける様に頑張ります。
食べ物や絵の具に関しては『豊穣祭の前に、収穫の手伝いはいかが?』を参考にして下さい。
参加は、『屋台芸術コンテスト』もしくは『大食い大会』の片方だけでお願いします。

状態
完了
完了
報酬マテリア
2個
1個
1個
1個




参加費
100LP [予約時+50LP]
100LP [予約時+50LP]
相談日数
8日
8日
参加人数
5/8
5/8
公開日
2019年11月24日
2019年11月24日
†メイン参加者 5人†
●屋台芸術コンテスト
「あ、あの時の農家さんですね! お野菜や果物の消費のアイデア、生かされてる様で嬉しいです……!」
話を聞いて直ぐに分かった『その瞳は前を見つめて』ティルダ・クシュ・サルメンハーラ(CL3000580)は、オッドアイの瞳を輝かせながら嬉しそうに言うとやはりイベントを鮮やかに彩りたいという思いで芸術コンテストに参加する様だ。
「さぁ、素敵な屋台に仕上げましょう!」
意気揚々と金色の毛並みが美しい『ヤバイ、このシスター超ヤバイ』アンジェリカ・フォン・ヴァレンタイン(CL3000505)が筆とパレットを手にすると、何も書かれてない白い屋台を彩る為に野菜で出来た絵具をパレットに広げた。
「こうやって早速使ってもらってるのを見るのは嬉しいもんだな」
参加者が早速、白い屋台に絵具で色を付けて行く光景を見ながらガラミド・クタラージ(CL3000576)は、笑みを浮かべて満足げに頷きながら自身も筆とパレットを手にした。
大食い大会は味わって食べてしまい、どちらかというと速さは二の次になってしまうので品評会とかそういうのなら参加していたかもしれない。
「さーて、オレはこっちで頑張るとするか。こう、何もないまっさらな所に色を加えていくのってわくわくするよなー」
老若男女関係なく参加出来るコンテストだからだろう、ガラミドは子供たちが背伸びをして個性的な絵で彩られていく屋台を横目で見ながらエンピツを手にして下書きを書き始めた。
「野菜一つ一つの煌めきと結集パワー」
丁寧に一つ、一つ描いているのは“ほうき星”だ。
下書きを終えたら色を塗るが、流星群の様に描かれたほうき星をただ単に同じ色で彩るワケではなく、しっかりと意味を込めて鮮やかに彩ってゆく。
「WBRを意識してほうき星の描く弧が麦の穂を思わせるように」
そう呟きながらガラミドが徐々に真っ白であった屋台を華やかにしていった。
「流れ星に願いを込めるように、次の豊穣への願いも込めて」
白い屋台という名のキャンバスは鮮やかに、華やかに、そしてガラミドの思いが伝わってくる絵が着実に完成へ進む。
「よーし、これならいい感じだな」
完成した屋台を見上げながら満足げに頷くと、ガラミドは完成して行く屋台達を見つめながら赤い髪を風に靡かせながら翡翠の様な瞳に映す。
「お野菜の絵の具、色も鮮やかですし。もしも口に入っても安心ですね」
ティルダが隣で絵具塗れの子供たちを見て思わず口元を緩めると、野菜や果物が原料と聞いて好奇心の塊である年頃の子が筆なんて使わずに手でべったりと手形を付け、汚れた手を思わず口に入れても安全な事に心配せずに楽しめる。
そんな楽しく、笑い声で賑やかな会場でティルダは、パン屋の屋台に今にも動き出しそうな動物の形のお菓子の様なパン、様々な野菜や食べ物を挟んだサンドイッチや飲み物を描き、それを可愛く描かれた動物のキャラクターが食べたりと様々な色を使い楽しげで目を惹く屋台に仕上げてゆく。
(お客さんも増えて、見る人が楽しい気持ちになる屋台になっていると良いですね)
ただただ描く事を楽しみ、見る人も楽しんで欲しいという思いを込めてティルダは描く、きっと彼女の気持ちは絵に命として込められるので伝わるであろう。
「ん~……」
アンジェリカが念写で白い屋台に下書きを終えると、全体的に野菜が描かれておりデフォルメにして“蒸気機械”と“農家”たちが屋根で野菜などを収穫している場面もある。
「あとは、自由騎士を左右から……」
脳内で描かれた構図を真剣な表情で念写してゆく、その自由騎士たちはどことなくこのイベントに関わった面々に似ている気がする。
「~♪」
筆とパレットを手にし、野菜の絵具で器用に色どりながらアンジェリカは、笑顔で軽快なステップを踏みながら踊りながら作業を進める。
そう、秋のお祭りなのだからただ塗るだけではつまらない!
太陽の様に熱く、輝ける命の光の様に踊っていたかと思うと、軽やかにそして素早く疾風の如く舞うと屋根の上に移動していたりと見ている人々から歓声が上がる程のパフォーマンスを見せる。
「さぁ、真っ白な世界に私達の手で命を与えていきましょう!」
声高らかに言いながらアンジェリカの屋台は着々と完成へ近付き、そして最後に目に色を入れ終えると完成した屋台の前で軽やかに踊り終えると観客に向かって一礼をした。
「皆で楽しいお祭りにしましょうね!」
そう言いながら手を振ってアンジェリカは、完成した事を店主に伝えるた。
「ありがとうねぇ、これでも食べてて」
「ありがとうございます。うん、野菜のビスケットと飲み物が美味しいですね」
店主がお礼に出してくれた野菜のビスケットと飲み物を口にすると、アンジェリカは笑顔で噛み締めながらこくりと頷いた。
●大食い大会
「うわー、あの時カノン達が作ったお料理の大食い大会なんだね。これは楽しみだなー。勿論やるからには全力全開、一位目指して頑張るよ!」
赤い二つのおさげを揺らしながら『太陽の笑顔』カノン・イスルギ(CL3000025)は、シトリンの様な金色の瞳で会場に漂う美味しい匂いと並べられた料理を見て嬉しそう声を上げた。
「おにくの方が好きなんだけど、野菜も食べるぞ! サシャは好き嫌いしないえらい子なんだぞ!!」
銀の毛並み、否髪が美しい『教会の勇者!』サシャ・プニコフ(CL3000122)は、胸を張って言いながら柔らかそうな尻尾をぶんぶんと左右に振る。
「そして、高級レストランの食べ放題をゲットするぞ!!!」
大食い大会で料理食べ放題の景品である、高級レストランの食べ放題券を得るのがサシャの本当の目的でもある。
「さぁ! さぁ! 大食い大会が始まりますので、参加者はステージに上がって座って下さい!」
陽気な声で司会者が言うと、参加する人々に紛れてカノンとサシャもステージ上がって座ると目の前に料理が運ばれてきた。
前菜は野菜の塩漬けだ、薄く切られておるが作るのが簡単な故に量は前菜とは思えない位の量であるが、塩分の取り過ぎは良くないので大会用に薄味になっている。
「ほどよく塩味がきいていてとってもおいしいんだぞ! いくらでもたべられるぞ!」
大根を丸ごと塩漬けされたのを齧りつくとサシャは、ぽりぽりと美味しそうな音を立てながら次々と塩漬けを口の中へ消えて行く。
「塩気が野菜の甘みを引き出していて美味しい!」
水を片手に齧りつくカノンは、早く食べる事よりも塩漬けされた色んな野菜の味を楽しみにながら美味しく頂いた。
そして、前菜を全員が食べ終えるとメインが運ばれて来たと同時にカノンは、嬉しそうに笑みを浮かべながら“人参のそぼろ”丼を見る。
「あ、カノンが作ったそぼろかな?」
カノンの母親が残したレシピに書かれているのを彼女が作ったモノだ。
スプーンで一口分を掬って頬張ると、懐かしい味が口の中に広がる。
(かーさまが作ってくれた味だ♪)
落ちそうになる頬を手で支えながらカノンは、同じ味に作ってくれた事に感謝しながら味わう。
「人参でそぼろができるってすごいんだぞ! おにくじゃなくてもいくらでもはいるんだぞ!」
見た目は卵に似ているのでコレが人参だと聞かされたサシャは、少し驚きつつも食べた味は何処か懐かしくもあり何よりも美味しい。
一皿食べ終えると、思わず『おかわり!』と声を上げながら皿を掲げる程に。
サシャがそんな事を言っている間に、デザートとして野菜のビスケットが皿の上に山積みになったのが出された。
(これは焼いた人はかなりの腕だねー)
野菜の香り、甘みや色をそのまま使ったビスケットをカノンは一枚齧ると、思わず感嘆した様子でもう一枚と自然と手が伸びる。
「色んな色でいろんな味になっているんだぞ! 可愛くておいしくていくらでも食べられるぞ!」
口いっぱいにビスケットを詰め込んだサシャは、まるで冬篭り前のリスの様に頬を膨らませながら美味しそうに頬張る。
口の中がビスケットにより水分が奪われてしまい、飲み物が欲しいなーと思っている所にぶどうジュースが出された。
「まだまだ!」
ジョッキになみなみと注がれたぶどうジュースを手にすると、カノンは口に含むと花の様な甘い香りと共にブドウの甘酸っぱく濃厚な味が口の中を潤す。
「甘くておいしいぞ!」
一口飲んだ瞬間、サシャは耳と尻尾をピーンと立てると大きな瞳を輝かせながら声を上げた。
「サシャはぶどうのジュースがすっごく気に入ったぞ!」
ぐいっとジョッキを煽るとぶどうジュースはあっという間にサシャの胃袋へ消えてしまう。
「や、やりきった」
ドン、とジョッキをテーブルに置くと達成感と、胃が満たされた幸福感に包まれながら口を3の様な形にしながら息を吐いた。
「あー美味しかったんだぞ!」
隣のサシャも満足そうに笑みを浮かべ、食べ物が詰め込まれた胃を撫でながら尻尾をゆらりと軽く振る。
(そういえば勝負だったのを忘れて普通に楽しく食べてしまったんだぞ! 他の皆がどれくらい食べたか全くわからないんだぞ……でも、楽しかったから良いんだぞ!)
ふと、オレンジ色に染まる空を見上げながらサシャは、これが大食い大会だという事を思い出したがそんな事よりも美味しいモノをお腹いっぱい食べれて、笑顔で溢れている祭りを見て満足していた。
●結果は?
「そうだ! 皆で食べにいかない?」
カノンが大食い大会で優勝して得た『高級レストラン食べ放題券』を見せながら皆に言う。
「あ、あの……よろしいのですか?」
少し申し訳なさそうにティルダが言うと、彼女の手にはパン屋の一週間食べ放題券を握られていた。
これは、“屋台芸術コンテスト”で担当した屋台のお店がくれたお礼でもある。
「それならばー今日は食べ放題で、明日はパン屋で……色々と食べ放題でサシャは楽しみだぞ!」
断る、なんて無碍な事はせずにサシャは、相手の好意を受け取って楽しむ様子だ。
「良いんじゃないか? オレは~バーの1日飲み放題チケットだ」
ガラミドは貰ったチケットを読み上げると、皆に見える様に眼前に差しだした。
「私はお菓子屋さんの1日食べ放題ですよ。ウィート・バーリィ・ライはこれからですし、皆さんと楽しむのが妥当だと思います」
アンジェリカも貰ったチケットを見せながら言うと、サシャは早く食べに行きたそうにうずうずしている様子で皆の顔を見回す。
「よし! なら、皆で食べに行こう! そういえば、屋台芸術コンテストって結果はどうなったの?」
意気揚々と拳を振り上げながらカノンが声を上げるが、ふと疑問に思った事を口にする。
「ふふ、それがですね。参加してくれた皆が優勝だ! と、元から野菜の絵具を宣伝する為の大会だったからそういう事に」
アンジェリカは笑いを堪えながら言うと、担当した屋台のお店から景品を出される事を聞いて薄々感づいていた様だ。
「でも、少しでも知って貰えたから農家の方たちや、この街の人々に感謝だな」
ガラミドがオレンジ色から藍色に変わってゆく空を見上げると、嬉しそうに呟いた。
電飾で彩られた屋台は、コンテストに参加した人たちの気持ちが篭った鮮やかな色どりは見ていて飽きない。
美味しい匂いが広場に充満してきた、仲間と共に食べに行く為に笑顔が溢れる街中を歩く。
「どうか、来年も皆で豊穣祭が楽しめますように」
シスター服の裾を少し冷たい風に揺らしながらアンジェリカは、空を色どり始めた星を見上げながら心の底から願いながら呟いた。
「あ、あの時の農家さんですね! お野菜や果物の消費のアイデア、生かされてる様で嬉しいです……!」
話を聞いて直ぐに分かった『その瞳は前を見つめて』ティルダ・クシュ・サルメンハーラ(CL3000580)は、オッドアイの瞳を輝かせながら嬉しそうに言うとやはりイベントを鮮やかに彩りたいという思いで芸術コンテストに参加する様だ。
「さぁ、素敵な屋台に仕上げましょう!」
意気揚々と金色の毛並みが美しい『ヤバイ、このシスター超ヤバイ』アンジェリカ・フォン・ヴァレンタイン(CL3000505)が筆とパレットを手にすると、何も書かれてない白い屋台を彩る為に野菜で出来た絵具をパレットに広げた。
「こうやって早速使ってもらってるのを見るのは嬉しいもんだな」
参加者が早速、白い屋台に絵具で色を付けて行く光景を見ながらガラミド・クタラージ(CL3000576)は、笑みを浮かべて満足げに頷きながら自身も筆とパレットを手にした。
大食い大会は味わって食べてしまい、どちらかというと速さは二の次になってしまうので品評会とかそういうのなら参加していたかもしれない。
「さーて、オレはこっちで頑張るとするか。こう、何もないまっさらな所に色を加えていくのってわくわくするよなー」
老若男女関係なく参加出来るコンテストだからだろう、ガラミドは子供たちが背伸びをして個性的な絵で彩られていく屋台を横目で見ながらエンピツを手にして下書きを書き始めた。
「野菜一つ一つの煌めきと結集パワー」
丁寧に一つ、一つ描いているのは“ほうき星”だ。
下書きを終えたら色を塗るが、流星群の様に描かれたほうき星をただ単に同じ色で彩るワケではなく、しっかりと意味を込めて鮮やかに彩ってゆく。
「WBRを意識してほうき星の描く弧が麦の穂を思わせるように」
そう呟きながらガラミドが徐々に真っ白であった屋台を華やかにしていった。
「流れ星に願いを込めるように、次の豊穣への願いも込めて」
白い屋台という名のキャンバスは鮮やかに、華やかに、そしてガラミドの思いが伝わってくる絵が着実に完成へ進む。
「よーし、これならいい感じだな」
完成した屋台を見上げながら満足げに頷くと、ガラミドは完成して行く屋台達を見つめながら赤い髪を風に靡かせながら翡翠の様な瞳に映す。
「お野菜の絵の具、色も鮮やかですし。もしも口に入っても安心ですね」
ティルダが隣で絵具塗れの子供たちを見て思わず口元を緩めると、野菜や果物が原料と聞いて好奇心の塊である年頃の子が筆なんて使わずに手でべったりと手形を付け、汚れた手を思わず口に入れても安全な事に心配せずに楽しめる。
そんな楽しく、笑い声で賑やかな会場でティルダは、パン屋の屋台に今にも動き出しそうな動物の形のお菓子の様なパン、様々な野菜や食べ物を挟んだサンドイッチや飲み物を描き、それを可愛く描かれた動物のキャラクターが食べたりと様々な色を使い楽しげで目を惹く屋台に仕上げてゆく。
(お客さんも増えて、見る人が楽しい気持ちになる屋台になっていると良いですね)
ただただ描く事を楽しみ、見る人も楽しんで欲しいという思いを込めてティルダは描く、きっと彼女の気持ちは絵に命として込められるので伝わるであろう。
「ん~……」
アンジェリカが念写で白い屋台に下書きを終えると、全体的に野菜が描かれておりデフォルメにして“蒸気機械”と“農家”たちが屋根で野菜などを収穫している場面もある。
「あとは、自由騎士を左右から……」
脳内で描かれた構図を真剣な表情で念写してゆく、その自由騎士たちはどことなくこのイベントに関わった面々に似ている気がする。
「~♪」
筆とパレットを手にし、野菜の絵具で器用に色どりながらアンジェリカは、笑顔で軽快なステップを踏みながら踊りながら作業を進める。
そう、秋のお祭りなのだからただ塗るだけではつまらない!
太陽の様に熱く、輝ける命の光の様に踊っていたかと思うと、軽やかにそして素早く疾風の如く舞うと屋根の上に移動していたりと見ている人々から歓声が上がる程のパフォーマンスを見せる。
「さぁ、真っ白な世界に私達の手で命を与えていきましょう!」
声高らかに言いながらアンジェリカの屋台は着々と完成へ近付き、そして最後に目に色を入れ終えると完成した屋台の前で軽やかに踊り終えると観客に向かって一礼をした。
「皆で楽しいお祭りにしましょうね!」
そう言いながら手を振ってアンジェリカは、完成した事を店主に伝えるた。
「ありがとうねぇ、これでも食べてて」
「ありがとうございます。うん、野菜のビスケットと飲み物が美味しいですね」
店主がお礼に出してくれた野菜のビスケットと飲み物を口にすると、アンジェリカは笑顔で噛み締めながらこくりと頷いた。
●大食い大会
「うわー、あの時カノン達が作ったお料理の大食い大会なんだね。これは楽しみだなー。勿論やるからには全力全開、一位目指して頑張るよ!」
赤い二つのおさげを揺らしながら『太陽の笑顔』カノン・イスルギ(CL3000025)は、シトリンの様な金色の瞳で会場に漂う美味しい匂いと並べられた料理を見て嬉しそう声を上げた。
「おにくの方が好きなんだけど、野菜も食べるぞ! サシャは好き嫌いしないえらい子なんだぞ!!」
銀の毛並み、否髪が美しい『教会の勇者!』サシャ・プニコフ(CL3000122)は、胸を張って言いながら柔らかそうな尻尾をぶんぶんと左右に振る。
「そして、高級レストランの食べ放題をゲットするぞ!!!」
大食い大会で料理食べ放題の景品である、高級レストランの食べ放題券を得るのがサシャの本当の目的でもある。
「さぁ! さぁ! 大食い大会が始まりますので、参加者はステージに上がって座って下さい!」
陽気な声で司会者が言うと、参加する人々に紛れてカノンとサシャもステージ上がって座ると目の前に料理が運ばれてきた。
前菜は野菜の塩漬けだ、薄く切られておるが作るのが簡単な故に量は前菜とは思えない位の量であるが、塩分の取り過ぎは良くないので大会用に薄味になっている。
「ほどよく塩味がきいていてとってもおいしいんだぞ! いくらでもたべられるぞ!」
大根を丸ごと塩漬けされたのを齧りつくとサシャは、ぽりぽりと美味しそうな音を立てながら次々と塩漬けを口の中へ消えて行く。
「塩気が野菜の甘みを引き出していて美味しい!」
水を片手に齧りつくカノンは、早く食べる事よりも塩漬けされた色んな野菜の味を楽しみにながら美味しく頂いた。
そして、前菜を全員が食べ終えるとメインが運ばれて来たと同時にカノンは、嬉しそうに笑みを浮かべながら“人参のそぼろ”丼を見る。
「あ、カノンが作ったそぼろかな?」
カノンの母親が残したレシピに書かれているのを彼女が作ったモノだ。
スプーンで一口分を掬って頬張ると、懐かしい味が口の中に広がる。
(かーさまが作ってくれた味だ♪)
落ちそうになる頬を手で支えながらカノンは、同じ味に作ってくれた事に感謝しながら味わう。
「人参でそぼろができるってすごいんだぞ! おにくじゃなくてもいくらでもはいるんだぞ!」
見た目は卵に似ているのでコレが人参だと聞かされたサシャは、少し驚きつつも食べた味は何処か懐かしくもあり何よりも美味しい。
一皿食べ終えると、思わず『おかわり!』と声を上げながら皿を掲げる程に。
サシャがそんな事を言っている間に、デザートとして野菜のビスケットが皿の上に山積みになったのが出された。
(これは焼いた人はかなりの腕だねー)
野菜の香り、甘みや色をそのまま使ったビスケットをカノンは一枚齧ると、思わず感嘆した様子でもう一枚と自然と手が伸びる。
「色んな色でいろんな味になっているんだぞ! 可愛くておいしくていくらでも食べられるぞ!」
口いっぱいにビスケットを詰め込んだサシャは、まるで冬篭り前のリスの様に頬を膨らませながら美味しそうに頬張る。
口の中がビスケットにより水分が奪われてしまい、飲み物が欲しいなーと思っている所にぶどうジュースが出された。
「まだまだ!」
ジョッキになみなみと注がれたぶどうジュースを手にすると、カノンは口に含むと花の様な甘い香りと共にブドウの甘酸っぱく濃厚な味が口の中を潤す。
「甘くておいしいぞ!」
一口飲んだ瞬間、サシャは耳と尻尾をピーンと立てると大きな瞳を輝かせながら声を上げた。
「サシャはぶどうのジュースがすっごく気に入ったぞ!」
ぐいっとジョッキを煽るとぶどうジュースはあっという間にサシャの胃袋へ消えてしまう。
「や、やりきった」
ドン、とジョッキをテーブルに置くと達成感と、胃が満たされた幸福感に包まれながら口を3の様な形にしながら息を吐いた。
「あー美味しかったんだぞ!」
隣のサシャも満足そうに笑みを浮かべ、食べ物が詰め込まれた胃を撫でながら尻尾をゆらりと軽く振る。
(そういえば勝負だったのを忘れて普通に楽しく食べてしまったんだぞ! 他の皆がどれくらい食べたか全くわからないんだぞ……でも、楽しかったから良いんだぞ!)
ふと、オレンジ色に染まる空を見上げながらサシャは、これが大食い大会だという事を思い出したがそんな事よりも美味しいモノをお腹いっぱい食べれて、笑顔で溢れている祭りを見て満足していた。
●結果は?
「そうだ! 皆で食べにいかない?」
カノンが大食い大会で優勝して得た『高級レストラン食べ放題券』を見せながら皆に言う。
「あ、あの……よろしいのですか?」
少し申し訳なさそうにティルダが言うと、彼女の手にはパン屋の一週間食べ放題券を握られていた。
これは、“屋台芸術コンテスト”で担当した屋台のお店がくれたお礼でもある。
「それならばー今日は食べ放題で、明日はパン屋で……色々と食べ放題でサシャは楽しみだぞ!」
断る、なんて無碍な事はせずにサシャは、相手の好意を受け取って楽しむ様子だ。
「良いんじゃないか? オレは~バーの1日飲み放題チケットだ」
ガラミドは貰ったチケットを読み上げると、皆に見える様に眼前に差しだした。
「私はお菓子屋さんの1日食べ放題ですよ。ウィート・バーリィ・ライはこれからですし、皆さんと楽しむのが妥当だと思います」
アンジェリカも貰ったチケットを見せながら言うと、サシャは早く食べに行きたそうにうずうずしている様子で皆の顔を見回す。
「よし! なら、皆で食べに行こう! そういえば、屋台芸術コンテストって結果はどうなったの?」
意気揚々と拳を振り上げながらカノンが声を上げるが、ふと疑問に思った事を口にする。
「ふふ、それがですね。参加してくれた皆が優勝だ! と、元から野菜の絵具を宣伝する為の大会だったからそういう事に」
アンジェリカは笑いを堪えながら言うと、担当した屋台のお店から景品を出される事を聞いて薄々感づいていた様だ。
「でも、少しでも知って貰えたから農家の方たちや、この街の人々に感謝だな」
ガラミドがオレンジ色から藍色に変わってゆく空を見上げると、嬉しそうに呟いた。
電飾で彩られた屋台は、コンテストに参加した人たちの気持ちが篭った鮮やかな色どりは見ていて飽きない。
美味しい匂いが広場に充満してきた、仲間と共に食べに行く為に笑顔が溢れる街中を歩く。
「どうか、来年も皆で豊穣祭が楽しめますように」
シスター服の裾を少し冷たい風に揺らしながらアンジェリカは、空を色どり始めた星を見上げながら心の底から願いながら呟いた。
†シナリオ結果†
成功
†詳細†
†あとがき†
この度、シナリオに参加していただきありがとうございました。
そして、大幅に遅れてしまい申し訳ありません。
少しでも楽しんで頂けたら幸いです。
そして、大幅に遅れてしまい申し訳ありません。
少しでも楽しんで頂けたら幸いです。
FL送付済