アレイスター・クローリー

「世界は動き始めた」
 アレイスター・クローリーはくつくつと嗤う。
「神の蠱毒は始まった。あのとき、20年前になし得ることができなかった、それが今回こそは。
 ああ、僕ぁ満足だ。
 エドワード・イ・ラプセル。
 ヴィスマルク5世。
 チャールズ・バベッジ。
 ヨハネス・グレナデン。
 ……王族1687、というより赤の■■■■は何を考えてるか僕にもわからないけど。
 そして、カシミロ・ルンベックに、アルウィダ・スカンディナとヘンリー・モーガン
 みんなみんな、動きはじめた。世界は変わるよ。
 ねえ、青の■■■。どうだい? 見ているのだろう? 未来予測(みかがみ)に映るのだろう?
 君の願いに反して、世界は戦に乱れる。これは止められない。
 世界の意思が選択したんだ。
 蒸奇と魔法と神の戦争だ。
 この世界は頑固者さ。だからね、世界の意思を捻じ曲げておくれよ。
 僕ぁ、それをまっているんだ」
 愛おしそうにクローリーは嗤う。
 彼にとってもこのビオトープは愛すべき世界である。アレイスター・クローリーは嘘偽りなく世界を愛している。そして、同時に憎んでもいるのだ。
 彼が神殺しの儀式を使って世界を救おうとしているのは、紛れもなく真実。
 正気の沙汰であり、狂気の沙汰でもある。

「聞こえるかい? 可能性<■■■■■ス>。僕ぁね。君たちに期待している。僕ぁ君たちが大好きだよ」