カタコンベの一角にて

「 まあ、そうだよね。
 わかりやすく戦乱があればそこにアレは来る。
 だからこそ、わかったのだけどさ。「■」が来ることが 」

   アレイスター・クローリーはカタコンベの墓石に腰掛け、面倒くさそうにつぶやく。

  「 300年前、虹色が■■■(あっち)にいった。天秤がつりあったのさ。■■■の半分。あれはもう■■■じゃなかったのに、もう一度■■■に戻る羽目になる。はは、ヒトに似せた結果がこれだなんて傑作さ 」

 ああ、そういえばと。クローリーは先日の祭りを思い出す。

「 偶像、だったかな? 自分が否定した偶像を実像にしたくせに、結局のところ、それは所詮は偶像でしかなかった。 お笑い種だよね、非時香・ツボミ(CL3000086)  」

 思い出し、くつくつと笑う。本当に傑作だ。
 所詮、神なんてものはヒトが争うための旗印で、ヒトを治めるには至らなかったのだ。所詮は偶像。実像を伴ったところで偶像の域を超えることはなかった。

「 それが嫌になって逃げたくせに、可能性だけは落としていく。未練がましいにもほどがあるさ。 まあ、その未練が、世界を救う黄金なんだから、捨てたもんじゃないけどさ。だけどその可能性の天秤はまだまだあっちに傾いたままだ。釣り合わないままには■■■■■スは発動しない。タ■■■に至る剣にしなければ世界は破滅だ。」


「 だから、可能性<■■■■■ス>、奇跡を見せておくれ! 」

 彼は見た。マリア・ベル(CL3000145)クーレリア・フローリー(CL3000207)サクヤ ミカヅキ(CL3000006) の命の輝きを。奇跡を。
 彼は見た。ダンケル・アルトマン(CL3000010)の心の太陽を。ツツジ フェヴリエ(CL3000009)の空を。
 彼は見た。ハルト・スメラギ(CL3000083)の家族を守らんとする魂を。アダム・クランプトン(CL3000185)の挺身を。アラド・サイレント(CL3000051)の怒りを。
 それは悠久の時を生きる彼にとってまさに初めて見た光輝く宝石であった。

 カタコンベの奥深く。王の墳墓で土から這い上がる音が聞こえる。

「 こっちもこっちで、ある意味奇跡だよねぇ。僕ぁこんな成長はしてほしくはなかったんだけどさ。ゲシュペンスト。屍人還リに意思を与えるなんてね。 死人に心があるならば、そりゃあ混乱はさせやすいか。そっちはそっちで本気になったってことなんだろうさ。 ――約束の日(■)は3年後。こっちには時間的猶予はもうないんだぜ。ねえ? 可能性<■■■■■ス> 」