支援・1





「そっちそっち! 可燃物は撤去!」
急襲されたアデレードの港はまるで蜂の巣をつついたかのような騒ぎである。
「きれいな布は? 医療品も! はやく」
傷ついた国防騎士団を即席のバリケードの内側に引っ張り込み治療を施す。
「オオバコのエキスでこれ、止血できるから。とまったらこのクリームで仕上げて!」
戦闘に向かう国民だけではなく、一般人も、そして自由騎士団のオラクルたちも自分にできることはないかと東奔西走する。
ひとつひとつの行動はとてもとても小さなものだ。
だからこそ。
だからこそ、その小さな力がまとまった時に大きな力になる。
「港町に住んでるからねー、裏道のマップとか作ったからこれをみて」
「ロープとか投網とかで罠をはれるんじゃないかな?」
裏道には、イ・ラプセルの民がわかるような目印をつけて、必要になるだろう道具を配備していく。
見つかれば敵にも利用されるだろう。だからこそ繊細に。
「おーい!! 強襲艇の近くに敵の一団が! 軍勢がきたぞ!」
「火事だって! 強襲艇が焼かれてるってー!」
デマゴーグの流布。それも、特にアデレードを襲うヴェーアヴォルフ隊という士気も練度も低い彼らにとっては有効に働く。ともすればそれを利用して帝国から逃げることも可能なのだ。
「イ・ラプセルは差別とかないんだよ」
そんな言葉を聞かせられたら心が揺れないはずもない。己の手首に巻かれる囚人の証を是としているわけではないのだ。
一方北側のフレデリックの部隊にも薬品が送られる。
煙幕などの支援物資も届けられていく。敵蒸気船に対して眼のいいモノがあつまり密な情報報告も集まってきている。
けが人の移送の準備も整えられた。
「イ・ラプセルにおける亜人の扱いは良い」そんな噂も飛び交う。実際に彼ら亜人たちはイ・ラプセルの騎士団が自分たちのように『弾除け』に使われていないことなんて明白だ。
ごく単純に戦うことではないその行動は少しずつ、少しずつ効果を見せていく。
★皆様の工作により、一次ボーナスが加えられました。
A『マギアスティームグランドオープニング 神殺し 』
薬品の搬入により此方の回復力が向上しています。入り口近くの火災の発生で、入り口近くの兵が少人数対処に回りました。
B『Attack!竜牙艦隊を止めろ!』
煙幕などの支援物資により、此方の回避力が向上しています。
C『駆逐せよ、餓狼の群れ』
ヴェーアヴォルフ隊の兵の数人の離脱が確認されました。