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パロックナイスインドアズ

●蜂起せよ!
「我々もヤケクソでオフをするです!!!」


■シナリオの詳細■
■ストーリーテラー:YAMIDEITEI  
■難易度:VERY EASY ■ イベントシナリオ
■参加人数制限: なし ■サポーター参加人数制限: 0人 ■シナリオ終了日時
 2012年12月10日(月)22:39
 YAMIDEITEIっす。
 十一月二本目、酷いの。
 公式オフに参加可能な皆さんも、公式オフに参加が難しい皆さんも!
 この機会にアークの二年について語り合ったりしませんか?
 パロックナイスインドアズ(※本来やみもこれ)公式オフ!!!
 イベントも盛り沢山でお送りします★
 以下詳細。

●任務達成条件
 ・リベリスタ(+α)の集会を楽しむ。

●会場
 東京の何処かに存在すると言われる文化会館Masahikoの大会議場で行われます。
 収容人数は220人、赤い絨毯が敷かれ、舞台が(略)
 広すぎてもめげません。机や椅子がそれなりに用意されています。

●概要
 お菓子やジュースは運営側が用意しています。
 基本的にフリートークが中心となりますが、イベントも行われます。アークでバロックがナイトでイクリプスしてきた日々を語り合うのが目的です。
 以下は(何処まで実施されるか分からない)プログラム。

・沙織と桃子の挨拶
・フリートーク(【歓談】)
・この機会に僕が私がしておきたい自己紹介・自己主張(【自己主張】)
・アーク質疑応答タイム(【質問】)
・特別ムービー『運命のリベルギア』公開(【リベルギア】)
・プレゼント抽選会

【歓談】は思い出語り、馬鹿話、NPC弄りも自由にどうぞ。
【自己主張】はPC的な発言をしようとメタファー的でも構いません。激しく弄られます。
【質問】はPC的なアークへの問い掛けでもメタファー的でも構いません。(何処まで実効的かは兎も角)何となくロール的に体裁を整えた上で沙織他が質問に答えますので程々の範囲でご自由にどうぞ。
 リベルギア『出演』を望む場合は【リベルギア】タグでプレイングを作成して下さい。基本ロボットものであり、『第三の月』エターナルムーンとの戦いの中、出会い、別れ、散っていく各国代表の少年少女の物語だそうですが投げっ放しなので何とか帳尻合わせます。基本の部分だけは抑えて好き勝手キャラ、設定を作りましょう。併せプレもどうぞ。但し、物語は委任にしてね。

 尚、プレゼント抽選はランダムで此方が選びます。
 プレゼントは何が貰えるか不明です。期待しすぎないようにしましょう。
 一切プレイングに無くても当たったり、外れたりします。
 沙織と桃子の挨拶とプレゼント抽選会以外の何某か自身の行動に近いものを選び下記の書式でプレイングを作成するようにして下さい。


(書式)
一行目:ロケーション選択
二行目:絡みたいキャラクターの指定、グループタグ(プレイング内に【】でくくってグループを作成した場合、同様のタグのついたキャラクター同士は個別の記述を行わなくてOKです)の指定等
三行目以降:自由記入

(記入例)
【自己主張】
Aさん(BNEXXXXXX)※NPCの場合はIDは不要です。
今更ちょっと言えない元・裏設定を公開します!(ロール的に言うなら「俺って本来こんなヤツだった気もするんだがそんなでも無かったのだぜ!」)

●イベントシナリオのルール
・参加料金は50LPです。
・予約期間と参加者制限数はありません。参加ボタンを押した時点で参加が確定します。
・イベントシナリオでは全員のキャラクター描写が行なわれない可能性があります。←重要!
・獲得リソースは難易度Very Easy相当(Normalの獲得ベース経験値・GPの25%)です。
・内容は絞った方が描写が良くなると思います。

●参加NPC
・桃子・エインズワース
・時村沙織
・時村貴樹
・真白智親
・真白イヴ
・将門伸暁
・天原和泉
・クラリス・ラ・ファイエット
・セバスチャン・アトキンス
・アシュレイ・ヘーゼル・ブラックモア
・千堂遼一※
・ストロベリー・キューティー・ベリーズ※

※ゲスト参加


 以上、宜しければご参加下さいませませ。

参加NPC
桃子・エインズワース (nBNE000014)
 
参加NPC
時村 沙織 (nBNE000500)
参加NPC
アシュレイ・ヘーゼル・ブラックモア (nBNE001000)
参加NPC
千堂 遼一 (nBNE000601)


■メイン参加者 110人■
インヤンマスター
朱鷺島・雷音(BNE000003)
覇界闘士
御厨・夏栖斗(BNE000004)
デュランダル
霧島・神那(BNE000009)
覇界闘士
テテロ ミーノ(BNE000011)
ナイトクリーク
星川・天乃(BNE000016)
ホーリーメイガス
悠木 そあら(BNE000020)
クロスイージス
アラストール・ロード・ナイトオブライエン(BNE000024)
デュランダル
鬼蔭 虎鐵(BNE000034)
ホーリーメイガス
来栖・小夜香(BNE000038)
マグメイガス
アリス・ショコラ・ヴィクトリカ(BNE000128)
クロスイージス
ミルフィ・リア・ラヴィット(BNE000132)
覇界闘士
ヘルマン・バルシュミーデ(BNE000166)
ソードミラージュ
カルナス・レインフォード(BNE000181)
デュランダル
結城 ”Dragon” 竜一(BNE000210)
マグメイガス
高原 恵梨香(BNE000234)
ソードミラージュ
司馬 鷲祐(BNE000288)
ホーリーメイガス
アリステア・ショーゼット(BNE000313)
ソードミラージュ
ソラ・ヴァイスハイト(BNE000329)
ホーリーメイガス
七布施・三千(BNE000346)
クリミナルスタア
エナーシア・ガトリング(BNE000422)
ホーリーメイガス
天城 櫻子(BNE000438)
クロスイージス
★MVP
新田・快(BNE000439)
ソードミラージュ
須賀 義衛郎(BNE000465)
マグメイガス
アーデルハイト・フォン・シュピーゲル(BNE000497)
デュランダル
ラシャ・セシリア・アーノルド(BNE000576)
ソードミラージュ
閑古鳥 比翼子(BNE000587)
スターサジタリー
ミュゼーヌ・三条寺(BNE000589)
覇界闘士
大御堂 彩花(BNE000609)
プロアデプト
オーウェン・ロザイク(BNE000638)
デュランダル
新城・拓真(BNE000644)
ソードミラージュ
リュミエール・ノルティア・ユーティライネン(BNE000659)
覇界闘士
鈴宮・慧架(BNE000666)
クロスイージス
ウラジミール・ヴォロシロフ(BNE000680)
クロスイージス
白石 明奈(BNE000717)
インヤンマスター
依代 椿(BNE000728)
ナイトクリーク
アンジェリカ・ミスティオラ(BNE000759)
デュランダル
一条・永(BNE000821)
プロアデプト
彩歌・D・ヴェイル(BNE000877)
ソードミラージュ
戦場ヶ原・ブリュンヒルデ・舞姫(BNE000932)
ソードミラージュ
上沢 翔太(BNE000943)
デュランダル
斜堂・影継(BNE000955)
レイザータクト
四門 零二(BNE001044)
インヤンマスター
焦燥院 ”Buddha” フツ(BNE001054)
インヤンマスター
ユーヌ・結城・プロメース(BNE001086)
ソードミラージュ
天風・亘(BNE001105)
スターサジタリー
モニカ・アウステルハム・大御堂(BNE001150)
覇界闘士
御厨・九兵衛(BNE001153)
スターサジタリー
桐月院・七海(BNE001250)
クリミナルスタア
神城・涼(BNE001343)
覇界闘士
陽渡・守夜(BNE001348)
ソードミラージュ
ルア・ホワイト(BNE001372)
デュランダル
ランディ・益母(BNE001403)
マグメイガス
風宮 悠月(BNE001450)
覇界闘士
設楽 悠里(BNE001610)
覇界闘士
祭雅・疾風(BNE001656)
覇界闘士
付喪 モノマ(BNE001658)
ホーリーメイガス
大石・きなこ(BNE001812)
覇界闘士
宮部乃宮 火車(BNE001845)
クロスイージス
カイ・ル・リース(BNE002059)
ダークナイト
山田・珍粘(BNE002078)
プロアデプト
銀咲 嶺(BNE002104)
デュランダル
小崎・岬(BNE002119)
ソードミラージュ
レイライン・エレアニック(BNE002137)
ソードミラージュ
エレオノーラ・カムィシンスキー(BNE002203)
スターサジタリー
結城・ハマリエル・虎美(BNE002216)
ナイトクリーク
三輪 大和(BNE002273)
ソードミラージュ
鴉魔・終(BNE002283)
スターサジタリー
坂東・仁太(BNE002354)
プロアデプト
酒呑 ”L” 雷慈慟(BNE002371)

エリス・トワイニング(BNE002382)
マグメイガス
宵咲 氷璃(BNE002401)
ホーリーメイガス
レイチェル・ウィン・スノウフィールド(BNE002411)
プロアデプト
レイチェル・ガーネット(BNE002439)
プロアデプト
ロッテ・バックハウス(BNE002454)
覇界闘士
焔 優希(BNE002561)
デュランダル
羽柴 壱也(BNE002639)
スターサジタリー
白雪 陽菜(BNE002652)
ソードミラージュ
リンシード・フラックス(BNE002684)
マグメイガス
ラヴィアン・リファール(BNE002787)
クリミナルスタア
タオ・シュエシア(BNE002791)
ホーリーメイガス
エルヴィン・ガーネット(BNE002792)
クリミナルスタア
桐生 武臣(BNE002824)
マグメイガス
ティオ・ココナ(BNE002829)
クリミナルスタア
晦 烏(BNE002858)
クリミナルスタア
烏頭森・ハガル・エーデルワイス(BNE002939)
マグメイガス
風見 七花(BNE003013)
ホーリーメイガス
ティアリア・フォン・シュッツヒェン(BNE003064)

高木・京一(BNE003179)
覇界闘士
クルト・ノイン(BNE003299)
ホーリーメイガス
氷河・凛子(BNE003330)
クリミナルスタア
阿倍・零児(BNE003332)
ダークナイト
熾喜多 葬識(BNE003492)
ダークナイト
スペード・オジェ・ルダノワ(BNE003654)
ソードミラージュ
セラフィーナ・ハーシェル(BNE003738)
レイザータクト
ミリィ・トムソン(BNE003772)
レイザータクト
ベルカ・ヤーコヴレヴナ・パブロヴァ(BNE003829)
スターサジタリー
巴崎・M・木市(BNE003867)
レイザータクト
テテロ ミミルノ(BNE003881)
覇界闘士
アリア・オブ・バッテンベルグ(BNE003918)
ソードミラージュ
エルヴィン・シュレディンガー(BNE003922)
クリミナルスタア
藤倉 隆明(BNE003933)
インヤンマスター
一万吉・愛音(BNE003975)
レイザータクト
神葬 陸駆(BNE004022)
スターサジタリー
柊・美月(BNE004086)
マグメイガス
コーディ・N・アンドヴァラモフ(BNE004107)
ダークナイト
紅涙・いりす(BNE004136)
ナイトクリーク
夜行 鵺(BNE004163)
クロスイージス
夜行 犀(BNE004164)
インヤンマスター
夜行 彊屍(BNE004165)
ナイトクリーク
ストロベリー・キューティ・ベリーズ(nBNE000602)

●11/24
「何ここ、人が多いけど無駄に広いし赤絨毯だし、魔都東京怖いよ><。
 会場来るまでも人が多すぎてきょどるよ><。」
 不安気に辺りを見回す終の様子はまさに私の代弁である(個人的見解)。
 都内某所――伝説に謳われし文化会館、その名をMasahikoと呼ぶ。
 時刻は十時。予定された開場と共に列を成した人々が会場へと足を踏み入れた。
 天を高く突くビルの窓から覗く空は生憎の曇り模様。しかし、大雨に降られすぎるという事も無くコンディションはまぁ並程には十分か。十一月も終盤に差し掛かってのこの三連休に大いなる思いを馳せる面々はガヤガヤと上がる人の声を聞けば分かる通り、極々一部向けながら決して少ないものではなかった。
 赤い絨毯の敷かれた大会議場は正面に舞台と大きなプロジェクタースクリーンを臨む中々どうして立派なものである。
 二百名以上を収容する会議場に用意された椅子の数は実に百脚以上である。収容人数と参加人数には若干の差があるが、『経験則的に言うならば』結果的にこれは中々具合が良かったと言える所である。歓談であちこち動き回るならば余裕があるのは重要である。(教訓)
「はい、御来場の方、まずはこちらです。こちらですわあ!」
「こちらの用紙にお名前をお願いしますね。あ、抽選券の方もお忘れなく!」
 受付と書かれた入り口のスペースで耳につく特徴的な高音を張るのはクラリス、ボールペンを差し出してにっこりと笑うのはこちらは手慣れた和泉であった。入り口の会場案内には『パロックナイスインドアズ』の文字が躍っている。知らぬ人間にとっては何が何やら全く分からない風情であろうが、知っている人間――会場に用がある人間にとっては全く十分な一言でもあるのだ。そう、今日ここに集まっている面々は全員がリベリスタ、ないしはリベリスタに深く関わる人間――アークに纏わる人々ばかりなのだから、多くの説明は要らないというものである。
 ネットワーク上のコミュニティが『オフライン』――つまりネットワークを介さない生身の状態で親睦を深める事をオフ会と呼ぶ。
『普段から顔を合わせている筈の面々』が親睦会を『オフ』と呼ぶのも、こんな機会に挨拶をして回るのも実に奇妙ではあるのだが、そこはそれ。魚心あれば水心、これを読む読者諸兄については本企画がどういう性根で産み落とされたものであるかの説明を求める事はしないだろう。

 ――我々もヤケクソでオフをするです!!!

 桃子・エインズワースの無責任な号令から始まった今日の日はまさに現実を越えるイメージの産物である。
 何だかんだで付き合いのいいリベリスタ達は同じ馬鹿なら踊りましょうの精神か、はたまた何処か別チャンネルで同様に時間を流す今日の日を思ってか――こうしてはるばる調布までやって来たという訳である。あ、調布とか言っちゃった。
「快がさ、来ないんだよ。色紙も用意したのにさー。タイムキーパーが泣くぜ。
 なぁ、烏のおっちゃん! 昨日あれほど飲み過ぎるなっていったのにあの酒誤神は! ミドルネームつけられろ!」
 受付の手伝いをしながら落ち着き無く忙しなく携帯で頻りに時間を気にしている夏栖斗に水を向けられた烏が小さく肩を竦めた。
 浮ついた空気の中でやきもきと気を揉むのは何とも複雑なものである。ここで名の挙がった新田快が来るべき時間に姿を見せず、タイムキーパーながら自らのタイムをキープ出来なかったのは面白おかしく全く私にネタにされる為にあるが如し事実である。第一、オフの前日に飲み歩いて寝坊しましたとは何事か、ええ。新田快! 貞操は守れても時間は守れないのかおいこら、新田か――
「――直電……出ません」
 シャドーボクシングを開始した桃子に携帯を片手にした烏が悲痛な声を上げた。
「なー? 桃子さん。これは腹パンタイムだよね! それも思い切――げぶ!!!」
「新田快は後で五倍殺し!」
 人を呪わば穴二つ、イラチな桃子に豪快な打撃音をプレゼントされた夏栖斗が愉快な声を上げたのは置いといて。
「良くわからないけど集まりがあるというから来てみたのだけど……これは何をすればいいのかしら。
 オフ会? 良くわからないけど無礼講な集まり、かしら?」
「大丈夫! 為せば何とかなるものですよ!」
「桃子、大丈夫?」
「ももこさんは元気ですよ! ちょっと中の人が長引く風邪にヤケクソなだけで!」
 ティアリアに応える桃子はぐったりする夏栖斗を放り捨て、小粋に踊り出している。
 アーク本格始動の二周年を記念した(?)このパーティは実に波乱含みに始まろうとしている訳だ。多分。
「タイムキーパーが来ないとか前代未聞なのです」
「何時にも増して唐突だったわね、桃子は。沙織が参加するなら私は別に構わないけれど。
 まぁ――快には十露盤板の上で石を抱いて貰いましょうか」
 (´・ω・`)――大体こんな感じ――なそあらに嘆息した氷璃が応えた。
「それより司会なんか腹パンピンクに任せてあたしとらぶらぶするといいのですよ」
「あら、いいアイデアね」
 二人がこの時間、この場所に揃った理由はまぁ――有体に言わなくても明々白々。
 曰く『感情を素直に表に出せる子は羨ましい』という事だが、実際の所は氷璃の方も中々情熱的である。
「Salut、沙織。息の合う漫才も良いけれど――」
「さおりん! 司会はあたしをパートナーにして桃色変態娘はももんがさん(姉)を餌に撤退してもらうです!」
「……あー、腹パンピンク(19)がすげぇ目でこっち見てるから後で、な?」
 ……ともあれ、スタッフが遅刻しようと、予定の時刻に現われまいと、実際にやって来たのは始まってからだったとしても、そあらさんがそあらのテンプレに余念が無かろうと、落書きボードに『ゆうき(´・ω・`)そあら』されようと、微妙な空気に静電気が放電されようと、開場からプログラムの本格進行までには時間がある。
(アタシにはこういう催しは良く分からないけれど……)
 ちらりと沙織を確認した恵梨香はやはり何時もと同じように『彼を取り巻く時間が何事も無いもので済むように』気を配っている。
 比較的早く顔を見せた参加者達はオフ会が始まる前の一時を歓談の中で過ごそうとしていた。
「ふっふっふ! ついにあたしのじゅうようせいにきづいたですか! りべれすた!」
「あー、どうもー。バランス良く外交しに来ましたよー」
 ……実にけたたましい声の方を見やれば『アークとは本来関わりの無い』苺芸人とバランス芸人の姿も見える。
「ご機嫌いかがでしょうか、バラン……じゃなかった千堂さん。
 今日もストロベリーさんの護衛でしょうか、御苦労さまです」
「君とはこないだ振りだっけ。まぁ、そんな大事じゃないっていうか、この話自体マジで完璧思いつきだから?
 僕がここに居るのも居ないのも月末に追い立てられて一杯一杯だった沼の妖精さんの足掻きみたいなもんだから?」
「一度取材してみたかったんですよ、ゆっくり。平均のコツとかウルトラバランサーの極意とか」
「完璧なボディバランスは力こそパワーなんだよ」
 ……零児に応える千堂の分かるのだか分からないのだか分からない自己主張はそっと胸にしまっておこう。
 何故かヤケクソ気味のオフ会にヤケクソ気味な人選でゲストとされた怪盗ストロベリーと千堂遼一の周りには折角だからと日頃話す機会の無いフィクサードを構ってみる事にしたらしい複数のリベリスタ達の姿があった。
「壱子ちゃん、こちらにおいででしたか。ようこそおいでませ」
「壱子って言うなです」
「壱子ちゃん。良いお名前ではないですか。壱番の壱。ああ、いちごとも読めますね。名は体を表すと申しますか」
「だから壱子って言うなです」
「先日はお土産を頂き、ありがとうございました。つまらないものかとは存じますが、お礼をと。
 風邪の予防に効きますよ。流行る時期ですから。それと、食べ物は大事にしないと駄目ですよ。昔はこういった知恵も大切で――」
 永がお盆に用意したのはついこの間当のストロベリーが挑発代わりに置いていった『いちごのへた』を逆手に取った『いちごのへた茶』である。実際鼻をずびずびさせていた時期に心当たりがあるのか何とも微妙な顔をした彼女にマイペースな永はニコニコと笑ったままである。
「あの、すみません! もし良かったらお話を聞かせて貰っていいですか!
 私、最近戦い始めたばかりで全然さっぱり経験がなくてそこで色んな人の経験を聞いて参考にしようと思ってるんですがいいですか!」
「!!! いい心がけなのですぅ! このあたしがいちご奥義を伝授してやるのですぅ!」
『先達の経験』も聞く相手次第だとは思われるのだが……コーディの言葉は余程ストロベリーの自尊心をくすぐったらしい。小さく薄い胸を張り、あれやこれやとしたり顔で語り出した彼女に永も「あらあら」と目を丸くするばかりである。
「やれやれ……」
 何とも敵同士とは思えない牧歌的なやり取りを見つめて溜息を一つ。
 されど仕事の内と割り切っているのか鉄砲玉のようなストロベリーのお守りに余念が無い千堂もリベリスタの興味の対象である。
「千堂さんともお話してみたかったんですの♪」
「うむ。珍しい相手な気は全くしないが折角だから挨拶にお一ついかがか?」
 櫻子とユーヌ、お揃いの衣装は実は絶妙な『アンバランス』を生じさせるように用意されていた。
 櫻子の尻尾の先には大きな鈴、動く度にちりんと涼やかな音を立てるがフライエンジェであるユーヌに猫の尻尾は無い。
 微妙に結び位置の違うツインテールにやはり地味に曲がっている靴の飾り。
 ユーヌの差し出した地元の銘菓は大きな栗がごろりと入ったお饅頭。重量感のバランスは勿論とても悪い。尤も一般の人がそんな事を気にする筈も無いのだから美味しければそれでいいのは確かなのだが。地元の土産をあちらこちらへと配って回るのはオフ会特有のお約束だが、千堂に『アンバランス』を突きつける事に楽しみを見出している二人の目当ては勿論、ピクピクと引き攣る彼の眉の方である。
「ユーヌさんのお土産……栗のお饅頭……」
「わざとやってるでしょ、君達」
「気にするな」
 喋る度に微妙になる鈴の音色とユーヌの珍しい微笑みに千堂は千堂で苺に続いて何とも微妙な顔をした。
(しぇんどうに見つかるまで後ろついてまわる! ストーカーじゃないのですぅ!
 ああああああああ! しぇんどぅかっこいいしぇんどぅぉお!!!)
 そんな彼をふんすふんすと鼻息荒く見つめるのは言わずと知れたロッテ・バックハウスその人である。
 何故かどういう運命の吹き回しか一目見たその時からどうにもこうにも止まらない――全く大いに乙女振りを発揮する彼女にとって千堂がアークに関わる機会というものは伊達や酔狂で見逃せる筈も無いものだった。
「わーい! しぇんどぉおう! 逢いにきちゃった!
 えへへ、最近良く会いますねぇ!もしかして運命!?
 写真も一緒に撮っちゃったり、グフ、ハロウィンの時にわたしに!会いに来てくれたり!
 ヤバイのです! これは愛なのです! アッ! ちょっと話聞いて欲しいですぅ!
 あ! わたし今日、カメラ持ってきたのですぅ! ツーショット……撮りたい!
 返事は聞かない! 一たす一は、にしぇんどう☆なのですぅ――!」
 ……御覧の通り、ここまで息継ぎなし。この怒涛の勢い、まさに吹き荒れる愛の嵐は燎原を行く火が如しである。
「……相変わらず面白い子だねぇ」
 それはそれとして温く笑った千堂は何だかんだで良く出会う――それはロッテの努力によるものだ――はしゃぐ少女を何処と無く気に入っている風であった。恐らくは彼女の髪型が『バランスが良いから』という理由も大きいのだろうが――
 歓談を楽しんでいるのは恐山からのゲスト他ばかりではない。
『本来似つかわしくない存在ながら』場に馴染んでいると言えばアシュレイを外して語る事は出来ないだろう。
「いやー、こうして賑やかにやるのは良いですね! 歌えましたし!」
 何やら酷く上機嫌でテンション高く言うアシュレイの周りにも彩歌、九兵衛、葬識といったリベリスタ達の姿があった。
「もう二年……確かに色々あったわね。何とか生き残ってきた……って感じだけど。
 こんなイベントでないと言わないけれど、こんなイベントだからこそ言うとね。
 私が貴方を敵認定した原因の半分はそのだらしない乳だから。慎みの無い乳だから」
「酷ッ!?」
 こんな場だからド直球にそう告げた彩歌は半ば本気で半ば冗談めいている。
「もうあれから二年なのかあ、早いね。十四歳だったお姉ちゃんは十六歳だし!
 十六歳だったお姉ちゃんは十八歳だし十八歳だったお姉ちゃんは二十歳になるんだね!
 すごいや! みんなだいすき!」
「二行目と三行目が全く繋がっていませんよ!」
 律儀に突っ込みもこなすアシュレイに九兵衛は「てへ」と舌を出す。
 見た目は全くショタである。中身は結構爺さんである。
 ご丁寧にも『自前』の猫耳尻尾まで用意し、その外見と『子供の立場』を如何なく悪用しようと企む彼はしかし全く分かり易い。
(本来ワシは若作りのばーさんには興味がないところなんじゃが!
 アシュレイちゃんは聞くところによると三百歳で人智を越えとるしそこまで行くともう!
 一周回って若いんじゃないかといやなんていうか美人だしピチピチだしおっぱい! 抗えるか!? 抗えるわけなかろう!?)
 ……と、まぁ、考えている事がそこはかとなく駄々漏れになり、虎視眈々と触れる者皆滅ぼしたその魔性のおっぱいに視線が注がれている辺り、案外無害な存在であると言えるのかも知れない。そうでもないのかも知れない。
「なんていうか三高平はなんでもありだよねぇ~」
「あははー。たまに身の危険も感じますね!」
 不意に背後を取る葬識の悪癖に辟易する事も無くアシュレイは軽く応えた。
 勿論、この場合アシュレイの言葉が指すのは葬識の事。愛用の『逸脱者ノススメ』こそ『会場内への武具の持ち込みはご遠慮下さい』に引っ掛かったものの、そこはそれ。「アシュレイちゃんは俺様ちゃんがぶっ殺したいね」と公言しがちな彼である。
「アークは面白いね。殺したがりも逆もいる。
 ねぇ、魔女の占いは、この先の未来はどうでてる? 塔なら、またたくさんの人間を殺せるかな」
「さあ、どうでしょうねぇ。唯、人は沢山死ぬんじゃありません?
 ほら、だってこれ――『黙示録型伝奇アクションほにゃららら』ですしね! 黙示録はほら、カタストロフが重要ですよ!」
 物騒極まりない台詞は葬識にとっては何時もの話。ホコロビの未来を視る魔女の気楽さも際立っている。
 友好的な調子で雑談のようにそんな台詞を吐ける辺り、なかなかどうしてこの二人は似ているのかも知れなかった。
 周辺に目をやれば歓談する集まりは他にも幾つもある。
「実は以前から興味があった事がございまして。宜しければ、後学の為にお話を伺いたいのですが……」
「おお、それはそれは。私で答えられる事であれば何なりと」
 やはり同じ欧州出身の同郷というものは懐かしい空気を醸すものなのか、アーデルハイトと言葉を交わすセバスチャンは満更でもなさそうである。
「セバスチャン様と其の主であるローエンヴァイス卿。
 数多の死線を潜り抜けた彼等からすれば、私等小娘に過ぎぬでしょう。
 其の物語を――と申しましても、此度の社交界(?)で堅苦しいお話も無粋でしょうから――」
 言葉を切ったアーデルハイトはそこで少しだけ表情を悪戯気なものへと変えた。
「珍妙奇天烈摩訶不思議なエリューションやフィクサードと相見えた事はございますか?」

 例えばそれはえっちっち。
 例えばそれは┌(┌ ^o^)┐。
 例えばそれはLKK団。
 例えばそれは筋肉。
 例えばそれは更に例えば――

「……この国はどうも、複雑な運命が交差する悪癖があるようですな」
 ピンと立った髭を指先で軽く扱いたセバスチャンの完璧な居住まいが微妙に困った調子になっている事をアーデルハイトは見逃していない。
「時間が経つのは早いものです……」
 奇妙奇天烈な日々を肴にしみじみ思えば複雑な思いを抱えざるを得ない者も居ようが、話の輪に加わった大和はそれでも何でも感慨深く呟いた。
「思えば色々な事がありました」
 リベリスタとしての初めての戦闘、快哉を上げたくなるような勝利、一敗地に塗れるかのようにも思えた屈辱……
「三高平に来た頃の私は、お友達も少なくて。
 こうして、お友達とイベントシナリオに参加したり、複数ピンナップをお願いすることが、夢だったのですよ」
「素晴らしい! Loveなのでございます!」
「思い返せば、初期の頃は設定も安定していなくて
『↑胸キュンスカウター(18)』では必死すぎる自己主張をしてしまいましたね……」
 若干メタったスペードも、それに応えた愛音も他のリベリスタも恐らくはきっと大和と同じ感情を抱いている。
 何気ない日常、かけがえのない時間、もう戻らないもの。僅か二年と言ってしまえばそれまでだが、たかが二年、されど二年なのも間違いない。傷も痛みもあったけれど、辛い事ばかりだった訳では無い。
「――これからも色々と積み重ねていきましょう」
 何だかんだで上手く纏めて静かに言った大和の言葉に場が和らぎ、華やいでいる。
 やがて時計の針は進み、司会席でマイクを手にした沙織と桃子が一つ咳払いをして簡単なスピーチを始めた。
「えー、あー、テステス。
 うん、良し。じゃあ、まぁ、何だ。
 始めようと思うんだが……まずは、忙しい中、こんなに多くの人にMasahikoして貰えた事を嬉しく思う。ありがとう」
「いきなりオンラインでオフ会をやるなんて頭おかしいマトリョーシカにお付き合い頂いて嬉しいですよ!」
「やり始めたのはお前だ!」
 思わず突っ込んだ沙織が咳払いをする。
「兎に角、今日は楽しくやって貰いたいと思ってる。
 気持ちだけでも、気分だけでもMasahikoに飛ばして何て言うのかな、楽しかった空気を切り取って貰えれば」
「楽しかったですよ! 色々お話もしましたし、ゲームもありましたし、お得な物販しましたし、景品の当選率七割超えてましたし!」
「お話も抽選もまだこの後するんだよ! お前はどのチャンネルと繋がってるんだ!」
「遠い空の下、ももこさんは電気羊の夢を見る♪」
 二度目の突っ込みを余儀なくされた沙織の一方で桃子はニコニコとしたままである。
「兎に角――『第二回』パロックナイスインドアズ、これから始めようと思います!」

●アピール&クエスチョン
「今日は何でかしら?
 スピーカーから流れるさおりんの声にいつも以上にきゅんきゅんしてしまうのです。
 きゅんきゅんしすぎて倒れそうなのです。責任取って下さいです。
 さおりん。
 さおりん><
 さおりん><。
 やーん><*
 あたしのさおりんが! さおりんが!
 ごろんばたんごろんばたん。恥ずかしい。照れるのです><。」
 ……別にこの人は自己主張タイムに名乗り出た訳でも無いのだが、運営の挨拶が終われば良くあるそういう時間である。
 多人数が集まるオフ会は『知っていそうで知らない相手の事』を良く知るチャンスでもあるという事だ。自分のアピールに成功すればその後の活動の幅も広がるかも知れないし、ごろんばたんする少女のようにいい感じに芸人認知もされるというものである。
「というわけで皆でカバディやろうぜー!」
 何故か主張した岬のカバディも含め――
 ある意味、非常に注目を集めるこの場で『何かを主張したい人達』の動向をそれではざざざっと見ていく事にしよう!


・雷音ちゃん

「人前でしゃべるのは苦手ではあるが……うむ、皆にピラカンサの良さを語るのだ。
 ピラカンサは赤い実が付く素敵な樹木で……え? 違う? ボクの事を語るのか? む……」
 深呼吸、一発。
「と、朱鷺島体温は運営が気を使って直してくれたではないか!
 体温はいないのだ! 相談枠壊したのは二度あるがあれはもう、初めての依頼の敵で感極まって! いや! わざとではないのだぞ!
 あとボクはインヤンマスターだからな!
 間違ってもインヤンフライでもないし、毛糸のぱんつも履いてないしフェイト四郎なんて知り合いもいないのだ!
 今後誤字はしない! これ以上の伝説を残してたまるか! 絶対に! これ以上は何も起こさないのだ!!!」

 ――以上、インランマスター雷音ちゃんの主張でした。

「ち、違う!!!」


・天乃ちゃん

「良くある誤解、を解いておきたい」
 ほうほう。
「まず、私忍者じゃ、ない。あくまで、そう言う流れを汲む、武門ってだけ。
 それとはいてない、のは……恥ずかしくないわけじゃ、ない。
 羞恥心、が無いと成り立たない、訓練法。気にしなかったら、意味ない、し……
 戦いに、夢中になる、と意識せずにすむ事、もあるけど……それでも、見せないようには意識、してる」

 ――面接着で逆さになっても何故かスカートは落ちてこないよね!

「……そもそも、本気だと……はく、しね。
 あと、ジャック……は別に恋愛とか、そういうのじゃ、ない。
 愛すべき敵、の一人、であるのは……確か、だけど少なくとも、この熱情、は……似てはいるけど、また別物。
 死ぬまでやれない、から……余計に募る、のかもしれない、けど。
 そう言う事、だから……あ、誰か戦わない? 守護神とか、御厨とか、設楽とか、ユーヌとか……」


・小夜香ちゃん

「良く水着ではいてないとか言われるけどちゃんとはいてるからね?
 写真の写り具合でそう見えるだけであってはいてるからね?
 隠すのが悪いと言われればそうなんだけど……ほら、恥ずかしいじゃない。
 こう言う水着って買う時はテンション上がってて気にならないけどいざ着る時になると……って事があるのよ?
 皆もあるわよね、そう言う事? 友達とかと一緒だとノリとか勢いも出ちゃうしつい、みたいな、とにかく私ははいてるわよ。
 装備が水着なのはこう、能力的な問題であって……ちゃんと上は着てるからね。
 そこは私としても苦渋の決断なのよ。えっちな水着だから隠したくなるのもしょうがないわよね?
 まあ、そう言う事だから誤解しないで欲しいわ」

 ――誤解はしないです。えっちな小夜香さん。えっちっちまだー?

「――人の話を聞いてないじゃない!!!」


・カルナスくん(重傷確定)

「おいおいおいおい、なんでこの会場にプラムちゃんがいないんだよ!
 こういうお祭り騒ぎが一番似合うのは彼女だろう!
 あれか!? マスターの割り当ての都合か!?」

 ――はい、割り当ての都合です。

「いいじゃんたまには! 腹黒妹とか若作り魔女とか残念苺とかはいいいんだよ!
 オレが必要としているのはプラムちゃんなんだよ!
 さおりーん!姉妹の妹だけ呼ぶとか不公平だろ!? さあ呼べ! すぐ呼べ! 直ちに呼べー!
 理由なんてどうでもいい、とにかくエマージェンシーコールだ!
 クリスマスまでに好感度を上げておかないとフラグが立たないんだよ!
 こちとらプラムちゃんとの関係に命を懸けているんだ!
 妹に邪魔されてもフェイトを使って何度でもげふ!」

 ――あーあ……

「何度でも立ち上がぶッ!?」

 あーあ……


・鷲祐くんとエレオノーラ『ちゃん』

「スタッフの司馬だ。そして俺達はソミラのおっさんコンビだ」
「新田快代理(エレオノーラ)よ。少女っていった奴は殴る。具体的にはそこのナレーションの奴殴る」
「早速だが今回のパロックナイスインドアズ公式オフ参加者二次会を企画した。場所その他詳細は、エレ爺、頼む」
 爺じゃないモン。
「爺だもん。場所はこの文化会館masahikoからソミラ速度で十分弱くらいの『tanabe』ってお店よ」
「ちなみに俺の速度なら二分だ」
「はいはい。聞いてないから鷲祐ちゃんは荒ぶらない。
 会費は3000GP、十八時までに駅に集合ね。未成年は事前に確認させて貰うわ。
「なんでもtanabeは至極の一品を楽しめる代わりに心の傷を覚悟すべきだとか……楽しそうだな」
「ちなみにおすすめはバターチキンカレー。ナンのおかわりもくれる良心的なお店。デザートは南瓜のタルトも美味しいわよ」
「……そう言えば、新田はまだか?」
「それにしても快ちゃん遅いわね。まだ寝てるのかしら」

 ――犬でもファンネルでも特攻兵器でもなんでもやりますごめんなさい! え? 殴らせろ? シュゴシンッ!?(重傷確定)

「……今来たみたいだけどまた寝たみたいね。おやすみ快ちゃん」
「ああ。動かない肉の塊になったみたいだ」


・アリステアちゃん

「あのねっ! ……ああああああのあの……
 いつも、機会毎に、おじさまたちとのお茶会、ありがとうなのっ!
 それでねっ、お願いがあるんだけどねっ! これっ! 食べてほしいのっ!」
「綺麗なラッピングだな。うん、お前みたいだ」
「そ、そんな……それで、そのっ、他のおじさまにも、よかったら、渡してほしいのっ……!
 アリステアが、ありがとう楽しかったって言ってたって。
 私がちょこまかあちこち動いてると邪魔だと思うから、代わりにお願いしますっ! 難しい……かな?」
「いやいや、朝飯前さ。うん、上手に焼けてるね、頑張ったね。クッキー」
「えへへ……そんな事ないけど……」
「時に、一ついいかな? アリステア」
「え、なあに? 沙織おじさま」
「……俺っておじさまなの? ねぇ……」


・ソラちゃんせんせい

「みんな勘違いしてるようだから、この場を借りて言わせてもらうわ」
 何をでーすかー?

「私、ちゃんと、授業してる!!!」

 そりゃあ衝撃の新事実だネ。
「教えてるの見たことないとか働けって言われるけど……
 毎日ちゃんと学校行ってますし? そりゃあちょっと寝坊することも稀に……週四くらいであるけど!
 授業はちゃんとまじめにしてるのよ。生徒の自主性を重んじて自習にする事があるだけ。決してサボりなんかじゃないわ!
 私は――働き者!!!」

 手元の資料にはソラちゃんセンセーの授業は自習頻度がハイパーマッハ(匿名希望アイドルA・S(17))とかありますけどねー。

「――私は、働き者なの!!!」


・ラシャちゃん

「自己というか姉かわいいというのを主張したかった。
 自分の出番とかいいから姉(BNE000230)の活躍の場を増やして欲しいと思います。
 今回は頑張って説明するための姉写真のスライドなんか作ってきちゃいました。
 あー、姉かわいいなー。なんか色々気にしてなかなか外に出ない所もかわいい。
 ほら、酒を飲む姉なんかもいいね。こたつに入ってる姉もまたかわいい。
 あとは、姉の昔の写真も見てみよう。今とあまり変わらない感じでかわいい。
 そしてここからは秘蔵写真を。姉の水着写真ハァハァ……水着も姉おしゃれだよなあ。それとね、姉のね……」
「よし、貴様の想いはこのももこさんが受け取った!!!」

 ――きっと梅子は寒気がしてる。


・比翼子ちゃんかわいいよひよこぴよぴよ

「よう、くちばしのないけものども! ご存知あたしだ!
 何しに来たこの鳥類って? 人があつまってるんだぜきまってんだろ宣伝だよ!
 閑古鳥商店はなんと閑古鳥商店Fになって復活したよ! FはFenikkusuのF!
 なんとあのたわしがアーティファクトになってシードが入れられるように!
 猛烈たわしとか必殺たわしとかかっこいいだろう! ついでに在庫の数が5倍になったよ! ふざけんな!!!
 たわし2000個売れたらきっとあたしの羽毛が白銀に生え変わるからみんな協力してね!!
 ゴールドフェザーも買ってね! あんまり売れるとあたしがはげるが!
 唐揚げは売ってない。あたしは売り物じゃない。食べるな。猫、来るな!!!
 このオフ会は閑古鳥商店の提供でお送りしています! じゃあね!」

 ※以上、十五秒のCM枠でした。


・舞姫ちゃん

「右目の眼帯は、忌まわしき<邪眼>を封印する結界器で、フェイトが失われるとその封印が解けてしまうんです。
 魔族の血が目覚めて<力>が暴走するんだとか、思ってたり。伝説の聖天使ミ☆の生まれ変わりたる私は神と魔の狭間で苦悩する悲劇のヒロインでイケメンだらけの約束の十三戦士が集う時、運命に仕掛けられた最後の罠と黒幕が姿を表すんですよ!
 プレイングに書いてない事をやたらに盛られた気がするんですけど、きっと気のせいですよね!」

 ――運命の熱海プラス。

「右腕が魔族の腕になって再生するだなんて、どんなラノベですか、やだなー。
 歪曲したら、ちょっとそんな描写が見たいなんて、ちっとも思ってませんよ!
 え、アルバムにそんな感じの写真が混じってる?
 そそそそ、それは、ちょっち出来心で、あるとくんに写真を弄ってもらって……
 えーっと、ほら、当時はリアル中二でしたし!?
 若さゆえの過ちは認めないって、ウィルモフさんも言ってた気がしますし!!!」

 ――小生、そんな事言ったっけ?(無責任系バロックナイツ)


・かげつぐくん

「何故、あてつけのように俺の名だけ平仮名なんだ!?
 俺は本来もっと不良っぽくバトルマニア気質で誰彼かまわず喧嘩を吹っ掛けるような狂犬っぽい感じだった!
 触れる者皆傷付ける切れたナイフのような! 割と多くが一度は憧れ、現実の壁に叩き返されるようなそんな!」

 ――人はそれを中二病と呼ぶ。

「誰だ! 今老け顔とか、異次元テニスしてそうとか言った奴!
 気がついたら牙を抜かれた飼い犬になり下がり掛けてる始末!
 ここで本来の野生を取り戻すぜ覚悟しろセバスチャ――ぐはぁっ!」

 シャドウ、シャドウ、シャドウブレイダァ~♪


・零二くん

「四門零二、と申します。このように場を設けて頂けた事、大変有難く思っております。
 私はどこにでもいる、三十男ですので……
 一緒に任務に参加された方も印象に残っていないかもしれませんが……
 今後も依頼で御一緒させていただいた折には皆様にはよろしくお願いしたい次第であります」

 流石、大人は違うなぁ。

「さて、そんな私にも主張したい事がございます。その『自己主張』ですが随分メタくいかせて頂きたく存じます。
『得意分野:おじさん、中年、壮年』のVC様、もっとたくさんカムヒアー!
 決して、現在活動されているVC様に他意があるわけではありません。皆様素晴らしい方々だと思います。
 ……ただ、ただ……『苦手分野:おじ(以下略』を確認する度に……絶望するのです。
 深く、深く忸怩たる想いを禁じ得ないのでございます。お願……お願いいたします。切に、切に、どうか。
 ……以上です、有難うございました」

 ――来たれ、VC! バロックナイトイクリプスは新たな力を待っている!!!


・亘くん

「今日の自分は気合入ってますよ! 前の様にガチガチでなく覚悟も完了。今なら愛を叫べます!!!」

 のっけから熱いな、君は。

「主張したいのは一つそれは……そ、そのク、クククククラリスお嬢様、だいしゅきです!!!」
 少年の告白に周囲からはどよめきの声が上がる。
 例え誰がどう見ても至極分かり易くその感情と結論が駄々漏れだったとしてもである。例え彼に何の腹芸が出来よう筈も無く「皆知ってるだろ」と突っ込みたくなる位に何ら驚きのない情報だったとしてもである。自ら公開処刑場に足を踏み入れた勇者を観衆(ギャラリー)が歓迎しない筈も無い。つまる所、人はパンのみでは生きられないのだ。人には娯楽が要る。そしてここに格好の玩具がある。
「……お、おおおおおおお嬢様?」
 どれだけ覚悟を決めたとしても噛み癖と本番への弱さだけはどうにもならない。
 顔を真っ赤にした亘はそれでも堂々と胸を張り、頭の中は真っ白でもそこを一歩も退く事は無いのだ。
「大好きです!!!」
 二度目の言葉は一度目より力強く彼の気持ちをより相応しい形で表現した。
 受付でこれを聞いている『お嬢様』ことクラリスは……クラリスは?
「クラリス、逃げたよ!」
 スタッフの夏栖斗の声に荒れるギャラリー。
「とっつかまえろ」、「連れて来い」のシュプレヒコールはいいとして……
「ディフェンスに定評のあるリアルフィクサード呼んで来い!」
「逃げて! 逃げてクラリス!」
 誰かが言ったこの言葉には夏栖斗、本気で泣き入る――

※御厨・夏栖斗(BNE000004)さんの中の人は第一回公式オフで自己紹介を振られ、本気で逃走。追撃したらるとSTに拿捕されました。
※※らるとSTは目がとっても優しいナイスガイです。唯ちょっと天狗でフィクサードです。


・『進研』涼くん

「非リアとか言ってるヤツらがさー。
 皆恋人いたりするんだけどどういうことなの……いや、いまさらの極みなんだけれども、此処で俺は主張したいね!

 ウム。

「『作ろうと思えば恋人も作れるけど一人でいる奴』と『マジでぼっちで恋人とか美味しいの? なにそれ』ってのでは重みが違うと言うか!
 こう、アレ、前者的なヤツが非リアとか非モテとか言わないで下さい。
 泣くぞ! いい年してるのに泣いちゃうぞ!
 ……って言うかむしろそっち側のポジションに行きたいんですがどうすりゃいいですかね!?
 ツボとか買えばいいすか? いや、若干! マジで!
 と言う訳で彼女募しゅ……とかすると哀れまれそうだよなあ。俺の! 明日は! どっちだ!」

 ――LP一杯買うとステップアップ青春、ワンチャンあるでってアシュレイちゃんが言ってたよ!(ステマ)


・疾風くん

「普段は三高平アクションクラブ所属アクション俳優、主に特撮番組のスーツアクターをしている祭雅・疾風です。宜しく。
 スーツアクターってのは所謂特撮でアクションしてる時の『中の人』ね。お仕事としては、ベテランがヒーローの中の人を演じる事が多いから、ぶっちゃけ怪人や戦闘員を演じる事が多いかな」

 成る程、やっぱ序列みたいなのがあるのね。

「祭雅・疾風というのは芸名で本名は別。
 元々は他PBWのとある持ちPCが最終回後に芸能界入りしたというメタフィクション的設定だった。
 当初、中国武術で戦うという案もあり、使用する流派(太極拳、八極拳、六合大槍、劈掛掌等)を考えていた時期があってね。
 ミニセットのBUが拳法着なのはその名残って訳」

 ――人にはそれぞれの歴史がありますなぁ。


・なゆなゆ

「この場で皆様にお伝えしたい事、それは私の名前の事です。
 宜しいでしょうか。私の名前は那由他です。那由他ですからね。
 私があの名前で呼ばれる度にどれだけ悲しい思いを……う、意識が……」

 ――どうしたんだ、なゆなゆ!

「あ、どうも皆さんこんにちは。山田珍粘の中に潜む悪魔です。
 STの方々におかれましては、何時もふざけた名前を書いて頂き御苦労をおかけします。
 しかし、山田珍粘って酷いですよね。可愛い女の子に付ける名前じゃないですよ。
 もし私が親だったら、刺されても仕方ないですね。
 基本的に悪いのは全部、父親である山田 茅根 (BNE002977)なので責めるのなら、どうぞ彼を責めて上げて下さい。
 私は何も悪くない」

 お前が全部悪いんだ!


・虎美ちゃん(クライマックス)

「お兄ちゃんだけじゃなく皆にもこの際はっきり言っておく!
 お兄ちゃんは私のもの! お兄ちゃんは誰にも譲らない! 他の誰にも渡さない!
 そうだよねお兄ちゃんうん私もお兄ちゃんだけのもの嬉しい愛してるお兄ちゃん今日も一緒にお風呂入って寝ようね晩御飯は何が良いかなリクエストがあればってそれより私が欲しいってやだお兄ちゃん皆の前で大胆すぎるよでも好き早く結婚しようね法律投げ捨ててさ子供は何人がいい授かりものだから決めなくても良いかなお兄ちゃんお兄チゃんオ兄ちゃんオニイチャ……」
 句読点なくてとっても怖い、脳内会話はマスターテレパスで一同全てに一斉送信。
「SUN値直葬☆これぞ虎美式EXブレイン・アウト・ラヴァー!」

 ――技の開発に余念がないなア。


・仁太くん

「よく、ガチホモって言われとるけんど、わし自体はどっちもいけるし年齢幅もかなり広いけんな!?
 ガチホモなのは後ろの人ぜよ。しかも老け、デブ、ケモノ好きとかいう超ニッチな嗜好ぜよ。
 あれ、わっしケモノしかあてはまっとらん……他の持ちキャラと被りすぎてたんでたまには萌え要素減らしていってみよう! やってさ。
 とりあえずさ。みんなもっとジジイとかケモノとかデブ作ろうず!
 描けるVCあんまりおらんけん詰みかねんけど。
 もっとオヤジとか描けるVC来て欲しいところやね。わしが武器持つだけでアウトー! になる人多いし……」

 ――何だか知らんが凄い自信だ! いいのか、そんなカミングアウト!!!


・優希くん

「俺は焔優希。復讐に燃えるクールストイックな覇界闘士である。
 そんな俺の初依頼は『針の数だけ抱きしめて』という針鼠を抱擁する仕事であった。
 その後もマッチョなカエルマンに抱擁されたり巨大な猫に魅了されたり羊の群れに突撃したりと、気づいたらそんな依頼を受けている事が多かった。何が起こっているのか理解不能である。
 俺は復讐に燃える、血みどろで殺伐とした戦いを好む焔優希である。
 今後も理不尽な現象に巻き込まれるやもしれん。だが俺は! 殺伐を好むのだ!
 萌え系の依頼でもし俺を見かけたら出来ればそっとしておいて欲しい。
 それは本来の俺の姿ではない。悪魔の力で動かされた、仮初の姿なのだから。
『復讐に燃える紅蓮の炎・焔優希』を今後とも宜しく頼む」

 ――ところでふわもこ依頼出てるけど行かないの?


・エルヴィンくん

「最初は『一見不良っぽいけど実は結構まじめな好青年』だったはずなんだ……
 それが、たまたま余ったSP1で魔眼の前提用にテンプテーションを取っちまって……
 それが、すべての始まりだった。もともと硬派のはずだったんだ、それがどうしてこうなった!」

 うーん。

「いや、まあ別にナンパキャラなのは良いんだけどさ。
 どうしてアザーバイド等の人外でも構わない節操なしの変態になったのか……
 俺はただ! 女性であれば一声かけるのが礼儀のひとつだって事と。
 外見がどうであろうと、それにとらわれず誠意を持って接したい。そう思って……!
 …………ああうん、自分で言っててダメだこりゃ自業自得じゃねーかと思った……」

 ……お前がそんなだからッ! 妹(黒レイチェル)がリベルギアで百合に走ったんだあ!!!(八つ当たり)


・武臣くん

「桐生だ。別にどこにでもいるクリミナルスタア(893)だ。
 言いてぇ事は背後にある。御法度だって分かってる。だが今回ばかりは言わせて貰う。言わせろよ。
 てめぇ、このヤロウ……そりゃぁ確かにオレは三人目だ。
 レベルあげんのもめんどくせぇよな、LPも無限じゃねぇしな。動きが遅くなるのもしょうがねぇ。
 無理しろって言うのは酷って分かってる。だがな……
 えれぇ久し振りに動かした理由が『みんなが動かした方がいいって言うんだもん』だぁ!?
 てめぇにゃ自分ってもんがねぇのか!? あげくのはてにゃ、他人に指摘されて『やべ、フェイトいつのまにか半分切ってた、黄色wwwっうぇwwっうぇ』。ふ・ざ・け・ん・な !!!」

 ――魂の細分化は時に凍り付く時を招く……長生きしろよ。(中二風)


・七花ちゃん

「ジャーナリスト志望、マグメイガス、風見です。
 今日はとても大切な事を主張しようと思います。つまりそれは――
 アークに所属して結構経っていて、今更コーポ勧誘募集スレッドに書き込める気がしません!
 自分から乗り込んでいく勇気はありません…!
 この機会を逃せません! 勧誘希望です、所属コーポ探しています……! よろしくお願いします!」

 ――マジで誰か宜しくしてあげてね! 皆で仲良くBNE! 何なら公式コーポでやみと遊ぶ?

「ついでになにか恰好良い称号ください!」

 ――じゃあ『人見知りシャイナリスト』←抉った


・てんさいども

「もちろんこのアークに僕がIQ53万をもつ天才だと知らないものはいないだろうが、天才たるもの時にアピールも重要なのだ」
「アークに来て半年以上が過ぎたが、こんなにも天才が集まっている組織だとは思いもよらなかったのだ。ここで一つ天才を集うのだ」
「ふっふっふ、りべれすたもあたしのつよさにきづいたですか!」
 人の話を聞かない『てんさい』が三人。
 壇上で好き勝手に喋る陸駆とアリアといちご、三人合わせて『てんさいども』。
「僕は学校のテストでは常に100点を取れるし、円周率も53万まで言える天才的IQなのだ。
 しかし、貴様らに対してフルIQで戦うことはない! 好きなヒーローはバランスマンだ」
「英才教育を受けた天才的覇界闘士、アリア・オブ・バッテンベルグなのだ!
 陸駆と同じくテストでは100点以外はありえないのだ。ピーマンもにんじんも残さず食べられるし大学も卒業していきているのだ。
 そして憧れのヒーローはバランスマンなのだ。
 アークには天才が沢山いるらしいので、我らチーム天才として頑張ろう! 仲間にいれてやるのだ!」
「しょくん! あたしはいちごが好きです!
 しょくん! あたしはいちごが大好きですぅ!
 とちおとめが好きです!
 あまおーが好きです!
 とよのかが好きです!
 この地上でさいばいされているありとあらゆる種類のいちごが大好きですぅ!
 えっと……次はなんだったかわすれたですからもういいのです!
 ――このよのいちごはあたしのものですぅ!!!
 どうだ! おどろいたか! りべれすたども!!!(`・ω・´)」

 ――おい、保護者何処だよ!!!


・クルトくん

「あまり大きな声では言えないが、ニートはいい。素晴らしいよ。
 朝起きる時間も寝る時間も、任務に支障がなければライフサイクルは全て自由!
 ニートでもディレッタントでも、高等遊民でも貴族でも呼び方はなんでもいい。とにかくニートいいよニート。
 アザーバイドに働けと言われても断る位いいよ」
「いぇあ!」
「うん、賛同してわかってくれそうなのは一人だね。
 そう、君だ。君だよ、アシュレイだ。アシュレイならきっと自堕落な私生活の良さをわかってくれるだろう。
 半分ニートみたいなもんだと思うし」
「……人生に疲れたOL(女捨て気味)みたいだと言われた事もあるんですけど……」


・愛音ちゃん

「愛音は! 友人との合作らしいのでございます!
 どんな子を作ろうかと相談した時に、信仰者とかヒントを貰ってそれなら愛を信仰する子にしようと愛音が生まれたのでございます!
 そして友達にお礼を言ったところ、こういうキャラのつもりで言ったのにと友達が描いた絵は、メガネのゴリマッチョで顔が四角くて歯をむき出しにして笑っている青いウェーブ髪の斧使いで、名前が『モズグス・バルバトス・アンデルセン』と書いてございました!
 そんな愛音だったとしても大好きになってくれるでございますかスペード殿ぉ!」

 ――スペードちゃんの笑顔が気のせいか引き攣ってるよ><。


・美月ちゃん

「うっかり最初の子は某NPCさんと下の名前が一緒だったのでお蔵入りした私です。
 でも、皆が楽しそうにやってるのでふらふらっと復活しました。
 皆のレベルが高いのですが頑張ってやってますよー。目指せ、インドラの矢♪」

 うん、これから宜しくね♪


・いりすちゃんくん

「小生、アイテムが大好きなわけだよ。変な物とか。面白い物とか。使えるモノなら、尚イイって話で。
 なので、生まれ変わってもアイテムを狩るのです。
『0』にいくら『1』を足しても、『0』の価値はゼロなのです。例え、自己満足だろうが。錯覚だろうが。それに耐えられないならば、価値ある物を集め続けるしかないのです。物の価値は、大抵において、時とともに劣化するのだから。
 なので、STさんから、嫌われても。ダメだしされても。アイテムを狩り続けるのです。
 生き様なのです。あいてむのために生きて。あいてむのために死ぬのです。なので、素敵アイテムください。_(ΦwΦ_【わに革


 玉の緒よ 絶えなば絶えね ながらへば 忍ぶることの 弱りもぞする


・夜行さん家の鵺ちゃんくん、犀くん、あと彊屍ちゃん

「皆さんこーんにーちはー! あれあれー? 私のところまで皆の声が聞こえないZO? さんはいっ、こーんにーちはー!」

 ――こんにちわー!

「はいはーい夜行一家でぇす、んふふ。
 えっとお、ついこの間アークに引っ捕らえられたばっかりなのでこの機会にジコショしちゃいますね!
 おいたんが長女だか長男だかの鵺さんだよん、うっふん」
「お、おい……あんま目立ちすぎんなって…ハハーどうも夜行でェす、はじめましてェ。
 俺、夜行一家の中子! 神様の使い犀くんさァ。
 魔とかお祓いしちゃうよォ!なんかあったら俺んとこおいでね! 但しカワイー女の子限定な!」
「アイヤー あたし末っ子きょーちゅあんネ! 死んでるヨあっはーン!」
 ある意味、真っ当な『自己紹介』には違い無いのだが、何とも言えない異質な空気が漂っている。
「彊ちゃん、棺背負ったまま飛ぶと人に怪我させグフゥッ! 言った側から飛ぶなバカ!」
「アッ、にーちゅあんどーしたネ!」
 棺やら何やらこう、三高平市には良くある『本来ないアイテム』がその特殊性を際立たせているのだろうか……


 何とも言えない空気を笑顔のまま切り裂いたのはやはりあの人、ももこさんであった。
「――はい! 新しく入った変な人達でした!」
 身も蓋も無く余りにも的確な彼女はボロ雑巾のようなタイムキーパー(笑)をちらりと確認した。
 口から泡を噴き、ぐったりとしながらも『押してます』の看板を上げた反省中に頷いた彼女は……
「これから、ちょっと巻く感じで質問タイムに入ります! 具体的に言うとあと五時間位しか執筆時間が無く、このままのペースで進めるとマジで三万文字千切っちゃうので背に腹は変えられないのです。いいですか、いきますよ。ビシバシと!」
 お気遣い頂いて助かります。
「では、最初の質問だ。ええと、騎士子さん」
「はい。では、取り敢えず凡人凡庸。背後烏合のアラストールです。
 毎回、後悔しっ放しで黒歴史だらけですが死なない限り最後まで付き合う所存ですので、皆宜しく」
「弱気な騎士子さんキタ!」
「何となく新鮮だね。凛とした子をこう折ってるみたいで」
「沙織さん……というか沼の妖精さんの性癖はどうでもいいんですよ!」
 閑話休題。
「では質問を。まず、アシュレイに」
「はいはい」
 水を向けられた「アシュレイが私ですかあ」という顔をする。
「現状好感度が高いPCの名前を数人聞いてみたい、注目度でも良い」
「そうですねぇ……」
 人差し指を唇に当てたアシュレイは宙を睨んでややあざとい『思案中』の顔をする。
「アシュレイちゃんはぁ、皆のアシュレイちゃんなので皆だーいすき、ですよ!」
「うわぁ」
 誰かが場の一同の気持ちを概ねいい感じで代弁した。
「うわぁ、とか言われても! そりゃ特定の親し気な人とか好みのタイプとかは居ますけど!
 こういう場でメタ的に答えちゃうと趣ってものがですね! 私のフラグとか作中最大イヴェントじゃないですか!」
「自称ですけどね」
 桃子は辛辣である。確かにこれは自称である。
「……気を取り直してもう一点」
「名声と善悪ゲージは今後具有効活用出来ないのだろうか」
 これには沙織が答え出す。
「名声は結構してるでしょ。カオスゲージについては今後次第。『存在している』という事は未来の拡張への可能性なのよ。じゃあ、次」
「ちょいと沙織に確認しておきたいことがあったんだよね。
 多分皆も気になることじゃねぇかなっと思うので答えて欲しいんだが良いか?」
 切り出したのは翔太である。沙織が頷くのを確認した彼はその先を話し出した。
「報告書(完了一覧)の上がる時間、夜以外は無理なのか?
 早めの時間(午前~夕方まで)に内容確認(審査)になっているのもあるが、それらも全て夜遅くに上がる印象があってよ。
 特にかなり遅い時もあるし、早めに貰えるとありがたいなっと思う時があるんだ。
 種類によるだろうけど、この辺どうなのか確認しておきたいと思ってな」
「無理だな。業務上の都合。と言うか、この場合、最大一日位は待てば良いと思うよ」
 沙織の返答は早い。無い袖は振れぬと言うかどうしようもないものはどうしようもないのは世の常である。
「まぁ、そうか」と然して気落ちもせずニュートラルを保ったまま着席した翔太に代わり、今度は火車が席を立つ。やみはげほりと咳をする。
「余りにも強すぎて仕方が無い業炎撃をこよなく好んで振り回してる訳だが。技の熟練度とかってねぇモンかな?」
「何それ」
「システマチックに捕らえればコレ程面倒な話は無いと思うんだが、パッシブに囚われない熟練度があるのは不思議じゃねぇかなぁとか思う訳だ。
 寧ろ業炎撃強すぎるんでもう一個下の業炎撃があると嬉しいんだが? ジャブ的なの」
「火炎シードでも積んでろ」
 沙織はやはりにべもなく、世知辛い現実に火車は「その通りだったわ!」と納得した。したよな!?
 基本的にシステムの導入やスキルの設計というのは『出来るだけ多数に有用であるべき』であり、個人的に「俺、この機体に乗り続けるわ型落ちだけど知らね!」ってタイプは自発的に重い胴着を着ている訳だから強さがどうこう、報われたいどうこうという話じゃないんじゃないかなかな? とか沼の妖精さんがアビスから何か言ってた。アップグレードの焔腕あるんだから我侭言うんじゃありません。
「ハイッ、ハイハイ! 質問なのデスよ、さあ沙織、ワタシを当てるデス!」
「はいはい、じゃーシュエシアどうぞ。想像つくけど」
『可愛い年頃の女の子の挙手に微妙な顔で対応する沙織』というのは中々レアリティの高い状況である。
「ズバリ! 貴樹の愛人って何をすれば良いと思いますか?
 ワタシ、愛人経験あまりないデス。けどどうせなら相手の望んでることをしたいデスからね!
 ならば近しい者に聞くのが一番でしょう、ってことで回答プリーズなのデスよ、沙織! さあさあ!」
「老い先短い爺の青春がどーだろーと俺は知らねーからそんなもんそこで爆笑してる本人にでも聞け!」
 げんなりした沙織がどういう受け取り方をしているのか大笑いしている父親に舌を打つ。
 まさか時村貴樹もいい歳をしてそこまで軽挙に突っ走る人物ではあるまいが『血は争えない』という言葉には大いに不安が過ぎる所。
「次! 次! 次は……」
「ボクで。えっとね、事故にあってリベリスタになってからあんまり背が伸びないんだよね。
 なんでかなぁ? お胸は大きくなっているのにねぇ。誰かわかる人はいないかなぁ?
 ボクも桃子やアシュレイみたいに大人の女性になりたいよ~」
「勝手な見識を述べるなら諦めた方が良いだろうな。恐らくロリ巨乳好きな造物主の性癖の産物だから。
 お前が乳だけ育つのは桃子が全てにヒネくれ、アシュレイが超ド級悪女なのと同じ理由だ。つまり単なる趣味に他ならない」
 ティオの言葉にド直球を投げる沙織は本企画同様にヤケクソの雰囲気を醸している。
 聞かれても知るか! としか言えない質問の数々はまぁ、本会場通りに想定の範囲内である。
 実際の現場も大体こんな感じである。誤解の無いように言っておくが、突き放しているのではなく遊んでいる。
「じゃあ、おじさんも。沙織君に一つ。沙織君は財閥の一人息子で長男だと許嫁とかいないの?」
 烏のこの問い掛けに会場の極々一部の霊圧が上昇する。気にしない人もいるが、気にする人もいる。
「お見合いの候補なら年間百人位は見てるけどね。当の俺にその気が無いし、お約束系はもっと若い頃に逃げ切った」
「成る程。アシュレイ君にも一つ。レディに不躾な質問かもしれないがさ。あー、ちょいとやつれたんじゃねぇ?
 左手な。黒の手袋を水着着用時点でも付けてたのには何か理由があるのかい?」
「あっはっは! BNE関連の情報兎に角全部引っ繰り返して漁って想像とかすればいいんじゃないですか!」
 コホンと咳払いをした桃子が溜息を吐く。
「やつれるならやつれるで、痩せるなら痩せるで胸から痩せればいいんですよ。この超時空運気低迷女は!」
「まずはお疲れ様と言わせて貰おう、アーク戦略司令室室長、時村 沙織。尤も、男に言われても嬉しくはないだろうが」
 きゃいのきゃいの煩い桃子(声がかわいい)を遮るようにエルヴィン・シュレディンガーが席を立った。
「単刀直入に聞こう。アークの目指す未来と、一人のヒトとしての時村沙織の考えを。
 立場もあるだろう、答えられる範囲で構わない。お前が救いたいのは、世界か? ヒトか? それともリベリスタか?」
「俺がどうにかしたいのは俺個人の事情に過ぎねぇよ」
「……それはどういう?」
「『俺という人間』の意見を聞いたんだろ? だから、俺は俺のしたい以上にする気は無いって答えてる。
 崩界を何とかしなけりゃ人類がヤバイ。まぁ、そりゃそうだな。俺はもう少し長生きしたいからあんなのを放置は出来ない。
 R-typeがその最たるものだと言われりゃイエスだな。だが、俺がアレを特別な的にしてるのは『時村家の復讐の問題』も否めない。
 お前の聞きたいような言い方で答えるなら『俺が救いたいのは俺に纏わる事情だが、結果的に世界も救われるだろう』って事。
 アークの運営は慈善事業でもねぇし、全て世界の為、皆の為って言えば俺は大いに歯が浮くぜ」
 呆れたように肩を竦める沙織である。
「質問は今のでラストか。ええと、次は……」
「お待ちかね、特別上映のお時間ですよ! 態々センターに鎮座しているスクリーンが今こそ唸る!」
 露骨にテンションを上げだした桃子はきらきらと瞳を輝かせている。
「いぇあ!」と拳を突き上げたアシュレイがおっぱいをぷるんふよよんと揺らしている。←無意味なサービスカット
「始まりますよ、いよいよ! ミュゼーヌさんのエイプリルフールの嘘ピンナップをやみが気に入って勝手に話を広げた『運命のリベルギア』が!」
 歓声が上がった。会場の照明が絞られる。ぼんやりと光を放つスクリーンの前に伸びる影。
「えな!!! ちゃん!!!」
「私が歌うのです!? 衣装サイズも完璧バッチリピッタリなんだけど!」
「てれってー! 『魔女の瞳』~♪」
「姉さん以外に使うとかぬかったわ><。」
「でも、もう着ていてマイク握っているのでした!」
「仕事の依頼は(へっちなの以外は)どんな内容であろうと請けるのがJOATの流儀。独を喰らわば日本まで、コーラスは任せたのだわ! 桃子さん!」
 舞台の上に万全準備を整えてその歩を進めたのは――エナーシア。
 会場に響くイントロ、マイクを握る天使のえなちゃん。


 ソラからの使者が降り注ぐ
 あの日、裏切った『誰か』に代わり
 希望さえ、消え逝く夜も
 深き闇に僕は足掻く
 遠い夢信じて

 いにしえの約束
 天使は
 鎖されるまま墜ちるでしょう
 無力な道化達が踊り笑い果てて禁を破る

 運命を下してリベルギア
 乙女
 傷付き泣いても立ち上がり

 今夜全てが終わろうとそれでも諦めないわ

 運命を飲み干せリベルギア
 人間よ・一夜(ひとよ)
 吠える鼓動(ビート)に身を焦がし

 蒼く褪めて月よ
 想い永久に閉じぬ世界まで
 侵して……


 曲、第二回BNEオフ記念セットを聞きなせえ。(※歌えるよ)
 詞、沼野陽生(※YAMIDEITEI)
 歌、エナちゃん・ガトんがんぐ><。(※アイドル仕様)!


 快「そう言えば、知ってる? リベルギアの予告映像が上映されていたよね! これは要チェックだね!」←ステマ

 運命のリベルギア(劇場予告)
 ニコニコ動画:http://goo.gl/wkzUb
 ミラー:http://goo.gl/eHOS1

 やっと仕事しやがったか!

●運命のリベルギア
 西暦2072年、遥か宇宙の果てより飛来した星はまさに眠っていた人類を目覚めさせるだけのインパクトを秘めていた。
『第二の月』と呼ばれた謎の星が何故突如地球の付近まで飛来し、何故月の丁度裏側で地球の周囲を回転し始めたのか……その理由と理屈を解明出来る科学者は存在せず、全ては謎に包まれたままではあったのだが……人類にとってそれはまさに全ての可能性を秘めた奇跡のギフトだったのである。
『第二の月』に地球科学の常識を覆す超革新エネルギーと特殊鉱石が存在する事を掴んだ先進各国はアメリカ、ロシアを筆頭に半ば凍結されていた宇宙開発プロジェクトを本格再始動し、次々と新たな試みを成功させた。
 かくて始まった『大航海時代』ならぬ『大航宙時代』はまさに人類の叡智を示す赫々とした栄華の歴史そのものであった。『第二の月』のもたらした科学的恩恵と共に人類の技術を飛躍的に進化せしめる事に成功する。
 生活はより豊かに、便利に、まさに西暦が2121年を数えた頃、まさに人類は栄華を極めていた。
 人類はある種の理想を結実し――人々の多くは明るい未来に疑問を抱く事は無かった。

 ――『あの日』が、来るまでは。(ナレーションCV:ウラミジール・ヴォロシロフ)

「……嫌ね。またあの夢を見るなんて」
 ミュゼーヌが目を覚ましたのは屋敷の柔らかなベッドの上では無い。
 自分が目を覚ますのを何時も待っていたかのように飛び込んでくる頭のいい『ダルタニアン』の温もりも、少しの寝坊を優しく叱るばあやの姿も、そんな光景をハラハラと見守るメイド達も――そして何より大好きな父と母の笑い声も無い。
 無機質な『アーク本部』のベッドが眠りを浅くしているのかも知れないと彼女は思った。
 愛すべき祖国、新フランスから遥か極東の日本に来てどれ位になるのだろうか。
 振り返ってもそこに道は無く、先を眺めてもそこに道は無い。些か文学的な思考だが、これが今の『現実』である。

(中略)

 嫌でも聞こえてくる『聞きたくないニュース』は誰の心をも荒ませる。
「お嬢様育ちの代表か。女共何て――戦えるのかよ」
「私だって……英国代表として、立派に戦えます!」
 竜一の悪態に可憐な主立ちを興奮で赤く染めたのは英国はヴィクトリカ財閥の令嬢、アリス・ショコラ・ヴィクトリカだった。
「どうだかな。リベルギアの開発に随分と金出してんだろ、お宅の家はさ!」
「アリスお嬢様と当家へのそれ以上の侮辱は決闘の白い手袋を投げたと看做しますが、構いませんか?」
「そうよ、そうよ、このろりこんめっ!」
「今日の俺はシリアスだろ、常識的に考えて!」
「や、やめましょうよ! み、皆仲良く……!
 ね、ね! 何なら私をいじめてもいいですから、やめて! 仲良く!」
 ルアが嘴を突っ込む。息巻いた側近のミルフィに鼻を鳴らした竜一は追い詰められた新日本の『暗部』――第四十九実験部隊が作り出した『深淵に到らん為の混沌の怪物』である。尖って新イギリス代表に突っ掛かる新日本代表を気弱な新アメリカ代表――ヘルマンが嗜めるという非常に隔世の感があるシーンに周囲からは苦笑が漏れていた。
 アーク本部のブリーフィングルームに彼等が集められたのは突然の出来事だった。
(……ボクは……再びあの人に巡り会う事が出来るのかな。この、戦いの中で……)
「……どうぞ、何なりと。私は全てご命令のままに、御主人様(マスター)」
「やっぱやるなら正義の味方、主人公サイドだよな!
 火力が正義! 威力が万歳! いやー、武者震いするぜ! 実戦が超楽しみじゃん!」
 自分の頭を優しく撫でた在りし日の『神父様』を脳裏に描き、ぎゅっと服の裾を握る新イタリア代表の歌姫アンジェリカ、『人形のように』感情を表に表さぬ新ルーマニア代表のリンシード、対照的に殆ど気負い無くゲーム感覚にも見える新スペイン代表のラヴィアン。他にもコマンドサンボを嗜む新ロシア代表ベルカや、「ワタシのDVD好評発売中だから!」と我関せぬ明奈の姿も見える。
 まさに人類の箱舟として用意された『アーク』の最深部は人種の坩堝の様相を呈していた。
 無国籍感溢れる集まりは逆を言えばそれだけ人類が結束しているという事実の証明でもある。しかし、人種の坩堝は人種の坩堝でありながら、一様に奇妙な共通項を持っていた。それはこれより始まる大作戦に身を投じんとする者達の殆どが少年、少女という若年であるという奇妙であった。彼等は余りにも歳若く、人類の未来をその双肩に背負うという場には余りにも未熟であるというのは改めて言うまでもない事実であろう。
「静かに。これより今回、アークに下された初の実戦任務についてのブリーフィングを開始する。
 具体的な内容については――銀咲一佐、お願いします」
「ありがとうございます、須賀二佐。
 本日未明、今から七時間程前に遂に『逆十字円卓会議』がアークの実戦始動を承認し、フィクサギア、エターナルムーン勢力の破壊を命令しました。この絶対命令を受け、これよりアークは戦闘態勢に突入する事となります」
 現場の責任者の一人である嶺の言葉を受け、少年少女達から声が漏れた。
「改めて説明するまでもないと思いますが、これまで抵抗を続けていたアメリカ軍、ロシア、中国軍、EU連合、自衛隊――もう、これは人類の連合軍と言っても過言ではありませんね――は『第三の月』の猛威に既に大半の戦力を喪失しています。
 何故、彼等誇りある歴戦の軍人達が命を賭して、これまで時間稼ぎに徹してきたのか――それはこのアークが明白に人類最後の希望だからです」
 少年少女に聞かせるには余りに辛辣で余りに厳しい言葉を嶺は躊躇わずに言った。義衛郎は『年下で幼馴染の上官』のその辺りの機微の足りなさに少しだけ内心で苦笑いを浮かべたが、これを素知らぬ顔で飲み込んだ。
「人類は、この――アークとリベルギアに『全てを託した』のです」
 人類が出遭ってしまった『あの日』――つまり『ナイトメア・ダウン』を一言で表現するならば『終末』である。
 人類が謳歌した繁栄の時間は空から舞い降りた『使者』達によって完全に終焉を迎えたのである。
 古今東西総ゆるSF小説が、映画が語り尽くした『ステロタイプ』は全く冗談のように現実のものへと姿を変えた。
 遥か暗黒宇宙よりやって来た『第三の月』の観測は当初『第二の月』と同様に――大きな期待を持たれて歓迎されたいたものだ。そこに何が存在するのかも知らずに――人類は結果としてパンドラの箱を『開けてしまった』。
 永遠の眠りを妨げられた『第三の月』の主人――通称エターナルムーンは人類へ敵対の姿勢を示したのである。
 下された審判は圧倒的な有罪(ギルティ)。大型フィクサギア――R-typeの暴威の前に人類の軍事力は緒戦で40%以上を消失。伝説的エース――ハインツ・クェーサーやロゼット・真白等の奮闘でこれを一時押し返すも、それより始まった『第三の月』の猛攻はまさに熾烈を極め、人類の生存圏は最早一部地域に限られるまでに減少の一途を辿っていた。
 箱舟計画――つまりこのアークと少年少女達は――そんな余りにも絶望的な戦況の中、人類が温め続けたまさに乾坤一擲の大作戦であった。
 圧倒的破壊力と機動性を誇る『第三の月』のフィクサギアに対抗するには地球の現代兵器は余りにも無力過ぎた。
 謎の博士『Dr.Unknown(オーウェン・ロザイク)』――その実、彼は『第三の月』との接触がもたらしたほぼ唯一の利益とも言える地球への亡命者である――の設計開発プランを時村財閥を中心に大御堂重工、ヴィクトリカ財閥等が実現した人類の最後の希望こそまさにこの人類最後の戦力拠点であるアーク本部に集められた新兵器『リベルギア』であった。
 しかし、この新兵器にはある『欠陥』が存在していたのである。
「その機体に選ばれた奴しか乗れないか。人類を救う若い奴等が死んでいくってのは辛いねえ……」
 忸怩たる想いを隠さずにそう口にしたのは兵器研究科所属のメカニック、七海だった。
 彼女が告げた事実こそまさにこの人類最大の作戦の主力に少年少女が置かれた最大の要因である。
 リベルギアはその搭乗と操作に厳格な適性を求める兵器だった。何を尋ねても薄笑みを浮かべるばかりの『Dr.Unknown』は「本当の力とは使い手を選択するべきだとは思わないかね?」と笑っていたが、これは極めて重大な事実であった。
『選択』される乗り手は理屈は不明ながら殆どが若年。当然戦闘経験等は度外視である。パイロットの養成と戦力の実戦段階への昇華――双方のバランスと人類軍の戦力限界が完全なトライアングルを作り出したのが今日だったという訳である。
「大丈夫ですよ、情報はちゃんと集めてきましたから!」
 ざわめくパイロット達に命賭け、洋服賭けての諜報「服は取られても、奪った情報は必ず持ち帰ります!」が信条のきなこが優しく語り掛ける。
「生憎と簡単にいい所は譲らない。機体の性能差が全てじゃないってトコを一つ先輩が見せてやるよ」
「機械だって、愛を込めれば応えてくれるんですよ? 大丈夫、頑張って作りましたから!」
「……戦おう、『共に』。我々が勝利しなくては、先往く勇者達へ何の報いも与えられん!」
 少年少女のみに任せるのは軍人の名折れと軍に掛け合い『戦闘機』で空を飛ぶ残された最後のエースパイロット――木市も、戦場に立つ事叶わぬセラフィーナや雷慈慟も、戦場を駆ける少年少女達も運命は一にして全である。
 何時の頃から結束の意味で人類軍に広がった『フュリエ』の合言葉を胸に誰もが粟立つような時間に昂揚していた。
『出撃準備を』
 アーク本部に搭載されたリベルギア感応戦術演算ユニット『万華鏡』――その人工知能の一足るコード・ミリィが少女の声で語り掛けた。
『この戦いに希望を見ています。この戦いが人類の分岐路足るように希望を見ています……』
 心無い筈のミリィまでもが心を一にして、鉄に滾る少年少女達は弾かれたように駆け出した。
「正直コレで戦場に出るとは思ってもナカッタミーノは喜ンデイル」
「ちょうかっこいいがったいロボ! そのなはっ!」
「スヴィエート・ローズ」
 テテロ・ミーノとリュミエールの愛機は狐タイプの美しい少女のようなフォルムである。
「さぁさぁさぁ、悪い奴らを懲らしめに行くぜぇ~!」
「神那ちゃんといっしょにしゅつじん! ちょうはいてくでりしゃすぐれーとはいぱーろぼっ! がったいしょうにん!」
「行くぜ! 全世界をワタシの歌声で癒す為! 全力全開! 『アキナ・ドラマティカ』!」
 神那やテテロ・ミミルノ、明奈。ペアもソロも。
「よしッ! やってやるぜ――!」
 性格は真っ直ぐに戦いは冷静に、気を吐く守夜も気合は十分。
 専用の搭乗コースターに飛び込んだ面々は繰り返された訓練と同じように――それ以上に機敏に、今日の戦いを望んでいた!

 機体名 ソード・レイライン
 形式番号 ARC-2137-60WP
 動力源 Fate・ジェネレーター
 武装 ネイリング・W
 防御装備 残像装置
 搭乗者 レイライン・エレアニック曹長……

「にゃはは、オールグリーンじゃ。さて暴れてやるとするかの」
 搭乗席に点るランプを確認し、操縦システムに自身の神経系列を接続したレイラインは小さく呟いた。
「負けませんよ!」
 短距離通信が入り、モニターにヘルマンの笑顔が浮かんだ。
「えへへ、任せといてくださいよ! わたくしだってもう立派なパイロットなんですからね!」



 †CM†CM†CM†CM†CM†CM†

 情報管理コーポ『中二病の集い』では、情報提供して下さる方を大募集中です!!

 特に<千葉炎上>に深くかかわった皆さん!
 是非あなたの視点で情報をまとめてみませんか? 詳しくはWEBで!

 †CM†CM†CM†CM†CM†CM†



「ヘルマン――ッ!」
 誰かの叫び声が虚しく響く。
 紅蓮の花は赤々と宙を彩り、原型を留めぬ『リベルギアであったもの』に構うフィクサギアは最早無い。
「ちょっ、この愚鈍なロボは……!」
 大凡、速度というものを全く考えていない『モニカロボ』に彩花の苛立ちがマックスになっている。
 何故開発元の一つである大御堂重工のお嬢様にこんな機体が割り当てられたのかは知らないが、
「『姫神装攻ダイモニカー』ですよー」
「要するに『モニカロボ』ですね」
 と小声で抗議する慧架との連携はさて置いて、操作に戸惑っているのは事実である。
『ガシャーン、ガシャーン。メイドロボデスヨ。ツヨクテトッテモモエキュンデスヨ』
「あああああああ、駄作ッ!」
 ドラム缶のような体型は某スーパーロボットゲーにおける全くもってアレである。
 閑話休題、彼女等の状況は現在アークの部隊が置かれた苦境を端的に表していた。
 母艦『ペリステラ』とリベルギア部隊を中核とするアーク部隊、人類史上最初にして最後の大反抗作戦は圧倒的戦闘力を誇るフィクサギアを圧倒し破るかに見えたのだが……
「ネオシベリア代表ベルカいきまーす! ウワァー!!!」
 格闘戦を挑むベルカの機体が朽ちたビルに叩きつけられた。
「ええい、しつこいッ! 数が多い!」
 可変型リベルギア『スカーレットカメル』を空挺からロボットタイプに変化させた椿が臍を噛んで地上に降りた。
 個々の性能はどうあれ、数で勝る『第三の月』を前に戦い慣れぬ少年少女が『ボロ』を出すのは存外に早かったのだ。
(……チッ、集られてる。まずいな……)
 愛機で空を滑る木市が激しいドッグファイトを敢行し、僚機のリベルギアを救う。
「頼られるってのはわるくないもんだ。心なしか機体の調子がいい。こんな気持ちで戦えるんだ、怖い事なんて何もないな」
 木市の感覚は最高に澄み切っていた。こんなに心が躍る戦いは――『あの日』以来初めてだった。
 しかし、彼の愛機の尾翼がフィクサギアの装甲を掠め、機体の平衡は失われる。
「これが終わったらステーキを約束してたんだけど、な」
「巴崎少尉――ッ!」
 ミサイルを抱えてフィクサギアとランデブー。
 約束のディナーは無理でも、男の生き様はデザートまで鮮やかだった。
 幾多の犠牲が産み落とされる。幾多の痛みが産み落とされた。
 無慈悲な世界は――物語の優しさを知らない。どれ程までの想いがあろうとも、どれ程までの決意があろうとも。
「カイ・ル・リース――ッ!」
「三十年近く前の映画の登場人物の名前なんテ、誰も知らないだろウ。有名なのはロボットの方だしナ~
 ……と思ってつけた名前なのだガ、続編の4で思い切り主役級になっててビックリなのダッター!」
 未来人とか何とかも『今までと同じように大切な誰かを飲み込んでいく』。
(この戦いが終ったら船を下りようって、アイツと一緒になろうって思ってたのに、よ――)
 反撃に『ペリステラ』の第三艦橋が火を噴いた。爆風に吹き飛ばされたのは遠く誰かを想った隆明だけではない。
「こんなの……」
「ミュゼーヌさん……」
「こんなの、無いわッ――」
 腹座のリベルギアを駆る新フランス代表ミュゼーヌはパートナーである三千に慟哭するように声を発しそれでも振り返る事をしていない。
 そしてそれは誰しもが同じだった。壮絶な戦いは休む事無く繰り広げられ、乾いた廃墟を爆花と死の香りで彩った。
「ちっ、もう弾切れかっ! 戻ってる暇はねぇなっ!」
「必ず生きて帰りましょう! 先輩が望むのなら、わたしは道を開くだけ――!」
『一番槍』を是とするモノマはその実、一番槍だけで満足する程甘くは無い。
「良く言った! 弾が無いなら、叩き潰せ――!」
 自身と共に奮戦を見せる壱也の気合に一瞬だけ微笑んだ彼は目前の敵へ肉薄する。
 驚異的な速度で戦闘に習熟していくリベルギア。押し返し始めたアーク。
 しかし、空からは全てを嘲笑う新たな災厄が降ってくる――
「あれは――」
 空を見上げて息を呑んだのは殆ど、全員だった。
「――四天王、シンヤ殺し!!!」
「ぶっちゃけ僕は嫁さんが超絶宇宙一スーパー可愛い天使なので色んな人の嫉妬を買ってる。でもその呼び名はやめてくれないかな!」
 最大級フィクサギア『ティターン』を駆るシタラユウリ・ロボダイスーキは『第三の月』でも有名を馳せる『四天王』の一人。
「ふははははははははは!」
「設楽悠里滅びろ」
「設楽悠里滅びろ」
「設楽悠里滅びろ」
「設楽悠里が許されるのは本編までだよねー」
 吹き荒れる暴虐、戦いはこれから。
「ふははははははははは! 全然効かないぞ! むしろ嫉妬が気持ちいい!」
 ちゅどーん!
 えー、この辺からもうダイジェストね!



「設楽悠里が敗れたか……」
「しかし、奴は一番の小物だぜ!」
「……何にせよ、甘く見れる相手ではない」
「フフン。この俺の『グレイトランデンⅡ世』の前に、連中等木っ端に過ぎんよ!」
 四天王の一人である新城拓真は目の前で「次は俺の番だ!」と腕をぶすランディを静かに見つめていた。
 人間の身でありながら『第三の月』に与した彼の目は深い悲しみを湛えていた。
(……これでいいのか。分からない、だが俺は……エターナルムーンを……『悠月』を……)
 彼こそ、あの忌まわしい『ナイトメア・ダウン』の前――『第三の月』に最初に接触した人間の一人である。

 ――さあ、正しましょう。全て歪められたこの、運命を――

 脳裏に過ぎるエターナルムーンは全てを見通す魔女である。
 全てを見通す魔女で、全てを支配する魔王である。だが、それでも彼にとって彼女は『それだけの存在では無い』。
「……戦いは、近いのかも知れんな」
 裏切りの騎士が剣を持つ時、運命は大いなる流転の時を迎えるのだろう。
 加速する。眠っていた時間はこれより、まさに迸るように宙を焼く!



「レーダーに反応! これは……超弩級戦艦『グレイトランデンⅡ世』です!」
 黒レイチェルの声を追い、ワープで出現する無敵不沈の超弩級戦艦。
 最新鋭フィクサギア『バンゾック』を備えたランディ軍の破壊力に抗し得る者は居ない。
「ぐはははははははは! 斧だ! 斧はいいぞぅ! 美しいぞぅ!!!」
 迎え撃つ運命の総量は少なく……どれ程の攻撃を束ねようとも倒せぬならば、犠牲も全ては仇花である。
 いや、しかし、違う。違うのだ!
(敵は強大、状況は絶望的……でも、二人でなら!
 彼女が私を活かし、私が彼女を活かす。唯一無二の、大切なパートナー。私は、ううん。『私達』は一人じゃない!)
「レイ、愛してるよ」
「私も、愛しています、レイチェル」
 微笑と共にそっとキス。触れ合うだけの口付けは複座の二人に許された最期の猶予。
 覚悟を決めた二人は美しくも悲しく、儚い運命の黙示録を奏でるのだ。
 艶に乱れ花よ。月に赤く、咲いて眠るまで。
「……チッ、十六機のバンゾックが……驚かせやがって!」
「総員……退艦してください……これより本艦は敵艦に突撃を敢行します!」
 二人のレイチェルがこじ開けた僅かな風穴を、機動母艦『スノーホワイト』――陽菜の想いが受け継いだ。
「バカな、空母が特攻だと――!?」



「ふふ……結局最後は桃子様の計画通り……」
 暗躍するエーデルワイス。
「俺はリベルギアハンターだ……出会ってしまったテメェが悪い」
 人でありながら人を捨てた『リベルギアハンター』虎鐵の目的は?
「お前達に出会って気付いた事がある。死者にもまだ、この世界でできることがあるのかも知れないな」
 アークと邂逅する謎の坊主・焦燥院フツ、彼がもたらす奇跡と運命が蛇のように絡み合う。
「どんな力であっても、人を救う意思が、人を救うんだああああ!」
「この戦いが終わったら……ただの少女として、生きていくのも……いえ、冗談です。さあ、行って」
 絶叫する竜一、微笑むリンシード(デレ)。友の死が、愛する者の喪失がその魂に悲しい音色で火を点ける――!
「人の力では『第三の月』を砕く事は出来ません。
 つまり、その儚き抵抗は『幻の月』落としにより唯胡乱に廃滅する――!」
 遂に動き出すエターナルムーン。絶望、絶望、それは絶望――否!
「“聖カトレアの翼”……展開! “聖マルグリットの鎧”……展開!
 エネルギー充填120%! 最終リミッター解除! システム“ラ・ピュセル”起動……いけますっ!」
「貴方と一緒なら、私は運命を燃やし尽くせるわ。最後まで、一緒に」
「勿論です、ミュゼーヌさん――!」
 炎に包まれるコックピットの中で少女と少年は宿命の蒼き流星となる――!



 ――戦禍の中起る新たなる世界の胎動が仕組まれた運命の子供達を翻弄する。
   その使者は何の為に? エターナルムーンの真意は? あの時、新城拓真は何を視たのか?
   約束の苺の塔に抱かれて眠り、悠木そあらは唯さおりんの夢を見る……!
   
   次回、劇場版長編アニメーション『運命のリベルギアII』(CV:ウラジミール)


「この運命を……侮らないで!」(CV:ミューたん)



 ……ごめん、もうこれで許して。むり。しぬ><。

●そんでもって〆る。
 湧き上がる万雷の拍手。
「私はロボット等は余り得意ではないのですが……科学者としての見解はどうなのですか?」
 リベルギア(パイロット版)の上映終わり熱気冷めやらぬ会場で凛子は気付けば近くにいた智親にそんな風に問い掛けた。
「いやー、まぁ。夢があるというか何と言うか……あんな兵器があったら話は早いんだけどよ」
「そうですねぇ」
 しみじみと話し合う二人はこれはこれで中々話す機会が無い相手と歓談するオフを楽しんでいるらしい。
「まー、兎に角そんな感じです! はい、熱演の皆さんと製作協力の新田・“遅刻者”快さんに拍手!」
 桃子が音頭を取ると周りの空気も綺麗に緩んだ。
 
「さー、次はプレゼント抽選しますよ! 私が引くと塔しか出ませんけど!」
 アシュレイの声に悲鳴が上がった。
 オフ会はまだまだ続く。オンラインでオフ会を為す、更にそこに作中作等という史上稀に見るメタファー塗れの馬鹿企画は恐らくBNE以外でやろうとすると完膚なきまでに怒られて面倒臭い代物である。でもまぁ、楽しそうだからいいじゃんか!



 ……な!

■シナリオ結果■
成功
■あとがき■
 YAMIDEITEIっす。

 もう無理。ぐぇぇ。
 白紙以外は全員描写したと思います。抜けてたらお知らせ下さい。
 MVPはまぁ、うん。凄い笑わせて貰ったので。
 二度同じ理由では出しませんが、まぁ。
 アイテムの抽選はホントにランダムの数字で適当に選びました。

 シナリオ、お疲れ様でした。

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ミドルネーム『DT』授与!

新田・快(BNE000439)


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レアドロップ:『PNIオフ会頒布セット』
カテゴリ:アクセサリー
抽選会当選者:アリステア・ショーゼット(BNE000313)
白石 明奈(BNE000717)
レイチェル・ガーネット(BNE002439)