風の吹きすさぶ遺跡
●西の遺跡の調査
奈良県のとある遺跡群。その中央に、古妖「麒麟」が鎮座する遺跡がある。
真下に自身と同じ姿をした大妖らしき存在を封じている彼は何らかの影響もあって、自我を失って荒れ狂ってしまっていた。
先日、F.i.V.E.の覚者達がこの地の調査を行う最中に麒麟を鎮め、彼と話をしたことでようやく、この遺跡群についてその存在意義などが徐々に明らかになってきつつある。
その四方にはそれぞれ、似たような構造の遺跡が確認されている。
現在、北の大亀遺跡、南の朱鳥遺跡を調査、それぞれ奥にいた妖、大亀と朱鳥を撃破しているが、まだ東西にも未調査の遺跡が確認されている。
おそらく、それぞれの遺跡の奥にいると思われる妖。それがいるのであれば、対処をして欲しいと麒麟から依頼を受けている状況だ。
この為、覚者達は西にあるという風の吹き荒れる遺跡の調査から取り掛かることにしていた。
F.i.V.E.の会議室では、遺跡盗掘を中心に活動していた隔者……もとい、今では遺跡発掘の協力者である女性覚者、MIAの2人が覚者が来るのを待っていた。
「西か……、ここもまた面倒そうな場所だね」
「風が吹く遺跡だねー」
翼人の水玉・彩矢と、酉の獣憑の荒石・成生。MIAのコンビ名は彼女達の苗字から取られている。なお、「あやや」と「なりなり」と呼ぶとものすごく怒るので注意が必要だ。
彼女達の下調べによると、風の遺跡(仮称)の構造は朱鳥遺跡とほぼ同様。
遺跡内は一辺200mの正方形の形をした通路の頂点から対角線の延長方向に通路があり、4つの小部屋が確認されている。
今回は、その底辺中心部分から垂直に伸びている入り口から入ることになる。
遺跡入り口に御札の封印があったそうだが、それは時間をかけてMIAの2人が解除してくれている。
上辺中央から奥に伸びる大部屋を目指すが、今回は風を止めるだけに留め、万全の状態で奥にいるはずの妖に臨む状況までもっていきたい。
「問題はその風なんだが……」
「びゅーびゅー風が吹いていて、吹き飛ばされちゃうんだよー」
どうやら、奥に行かせないようにと、強風が吹きつけているという。
それは侵入者が入ることで発動し、5分ごとに通路一辺に風速40mもの風が吹くという。強風を浴びると一溜まりもなく、遺跡入り口まで壁に激突させられながらも戻されてしまう。
それは、四方の部屋にある剣が仕掛けになっていると思われるが……。
「あたし達の下調べはここまでね」
「ごめんねー」
最近は、あちらこちらの遺跡に引っ張りだこな彼女達のこと。残念ながら、具体的な遺跡探索まではできていないそうだ。
「遺跡内には妖もおるから、注意が必要なのじゃ」
それまで聞き手に回っていた『薄幸の男の娘』菜花・けい(nCL2000118)が、意気込みを見せる覚者達を気遣う。
遺跡内の妖は、直径15センチほどの白い竜巻のような姿をしている。上位のランク2だと、一回り大きくなり、その中心に獣の顔が見えるのだという。
これらも襲ってくる危険がある中、手早く小部屋に向かってトラップを解除したいところだが……。
「後は、あんた達次第って所だね」
「遺跡の攻略、がんばってねー」
遺跡探索のプロフェッショナルから頑張れと言われれば、やらざるを得ない。
「怪我しないよう、気をつけての」
けいの気遣いにそれぞれ言葉を返しつつ、覚者達は出発するのだった。
奈良県のとある遺跡群。その中央に、古妖「麒麟」が鎮座する遺跡がある。
真下に自身と同じ姿をした大妖らしき存在を封じている彼は何らかの影響もあって、自我を失って荒れ狂ってしまっていた。
先日、F.i.V.E.の覚者達がこの地の調査を行う最中に麒麟を鎮め、彼と話をしたことでようやく、この遺跡群についてその存在意義などが徐々に明らかになってきつつある。
その四方にはそれぞれ、似たような構造の遺跡が確認されている。
現在、北の大亀遺跡、南の朱鳥遺跡を調査、それぞれ奥にいた妖、大亀と朱鳥を撃破しているが、まだ東西にも未調査の遺跡が確認されている。
おそらく、それぞれの遺跡の奥にいると思われる妖。それがいるのであれば、対処をして欲しいと麒麟から依頼を受けている状況だ。
この為、覚者達は西にあるという風の吹き荒れる遺跡の調査から取り掛かることにしていた。
F.i.V.E.の会議室では、遺跡盗掘を中心に活動していた隔者……もとい、今では遺跡発掘の協力者である女性覚者、MIAの2人が覚者が来るのを待っていた。
「西か……、ここもまた面倒そうな場所だね」
「風が吹く遺跡だねー」
翼人の水玉・彩矢と、酉の獣憑の荒石・成生。MIAのコンビ名は彼女達の苗字から取られている。なお、「あやや」と「なりなり」と呼ぶとものすごく怒るので注意が必要だ。
彼女達の下調べによると、風の遺跡(仮称)の構造は朱鳥遺跡とほぼ同様。
遺跡内は一辺200mの正方形の形をした通路の頂点から対角線の延長方向に通路があり、4つの小部屋が確認されている。
今回は、その底辺中心部分から垂直に伸びている入り口から入ることになる。
遺跡入り口に御札の封印があったそうだが、それは時間をかけてMIAの2人が解除してくれている。
上辺中央から奥に伸びる大部屋を目指すが、今回は風を止めるだけに留め、万全の状態で奥にいるはずの妖に臨む状況までもっていきたい。
「問題はその風なんだが……」
「びゅーびゅー風が吹いていて、吹き飛ばされちゃうんだよー」
どうやら、奥に行かせないようにと、強風が吹きつけているという。
それは侵入者が入ることで発動し、5分ごとに通路一辺に風速40mもの風が吹くという。強風を浴びると一溜まりもなく、遺跡入り口まで壁に激突させられながらも戻されてしまう。
それは、四方の部屋にある剣が仕掛けになっていると思われるが……。
「あたし達の下調べはここまでね」
「ごめんねー」
最近は、あちらこちらの遺跡に引っ張りだこな彼女達のこと。残念ながら、具体的な遺跡探索まではできていないそうだ。
「遺跡内には妖もおるから、注意が必要なのじゃ」
それまで聞き手に回っていた『薄幸の男の娘』菜花・けい(nCL2000118)が、意気込みを見せる覚者達を気遣う。
遺跡内の妖は、直径15センチほどの白い竜巻のような姿をしている。上位のランク2だと、一回り大きくなり、その中心に獣の顔が見えるのだという。
これらも襲ってくる危険がある中、手早く小部屋に向かってトラップを解除したいところだが……。
「後は、あんた達次第って所だね」
「遺跡の攻略、がんばってねー」
遺跡探索のプロフェッショナルから頑張れと言われれば、やらざるを得ない。
「怪我しないよう、気をつけての」
けいの気遣いにそれぞれ言葉を返しつつ、覚者達は出発するのだった。

■シナリオ詳細
■成功条件
1.遺跡のトラップを解除すること。
2.なし
3.なし
2.なし
3.なし
前回、西の遺跡にという希望を踏まえまして、
今回、その攻略に臨みます。
●目的
遺跡の中で吹く風を止めることが目的です。
5分ごとに1分間の強風が吹き、入り口へと強制的に戻されます。
その際、壁などに激突してHPが50減少します。
遺跡内は一辺200mの正方形状の通路の頂点から
対角線の延長上に通路が延びており、
4つの小部屋があります。
以下、PC情報ですが、
この小部屋の中央に突き刺さる錆びた剣を全て抜くことで、
遺跡のトラップは解除されます。
剣を抜くごとに風速は
40m(0本)→35m(1本)→25m(2本)と弱まります。
3本を抜けば、風速は15m程度まで落ちますので、
その場で強風に耐えられるようになります。
4本抜いて入り口に戻れば、今回の調査は完了です。
◎妖(自然系)
○ランク2。直径20センチの白い竜巻ですが、
その内部に獣のような顔が見えます。
・噛み付き……物近単
・竜巻……特遠列・鈍化
・真空二連破……特遠単・出血
○ランク1。直径15センチ程度の白い竜巻です。
・真空破……特遠単・出血
・突撃……物近単
入り口から進んだ分岐点で確実に
ランク2が1体、ランク1が3体とエンカウント。
その後、非戦闘時、5ターン毎にランダム判定で3~5体出現します。
1回の戦闘でランク2が1体と他個体がランク1の編成です。
それでは、
よろしくお願いいたします。
状態
完了
完了
報酬モルコイン
金:0枚 銀:1枚 銅:0枚
金:0枚 銀:1枚 銅:0枚
相談日数
6日
6日
参加費
100LP[+予約50LP]
100LP[+予約50LP]
参加人数
5/6
5/6
公開日
2018年01月25日
2018年01月25日
■メイン参加者 5人■

●風の遺跡(仮称)に臨む
奈良県某所、西の遺跡。
F.i.V.E.の覚者達はこの手前に立っていた。
まだ、遺跡はほとんど手がついていない状況となっており、これまでいた考古学者達の姿も見受けられない。
「大妖の存在がちらつくとはな……」
「そっかー、あの遺跡には麒麟が同じ姿をした大妖がいるのか」
呟く『守人刀』獅子王 飛馬(CL2001466) に、『探偵見習い』工藤・奏空(CL2000955)が探偵見習いらしく唸りながら考える。あの遺跡とは、ここから東、4つの遺跡に囲まれる麒麟のいた遺跡だ。
「周りの遺跡は増幅装置だったか……」
『冷徹の論理』緒形 逝(CL2000156) も折角だからと、考えを巡らす。
「んー、それは転用出来る物だねえ。妖にとっても、ヒトにとっても実に都合が良い」
獣だって学習する。ちょっと頭の回る存在や、まして大妖ならなおのこと思いつくことだろう。
「……『増幅できるなら減衰させる事もできる』んだろう、ってね」
逝が見るに、麒麟も瀬戸際っぽい状況だったが、果たして何の干渉を疑えばいいのかと口走った直後に笑い出して。
「アハハ! 気の所為であって欲しいさね」
とはいえ、どう見ても笑える状況でないのは間違いなく。
「封印が解かれたら、かなり厄介な事になるね」
もし、大妖が解き放たれたならば。考えるだけでも大変な事になるのは間違いない。
「遺跡の攻略には大事な意味がありそうだとは常々思ってたけど、想像以上だったぜ」
出し惜しみはなし。全力でいくぜと、飛馬は意気込みを見せる。
「とにかく、今回はこの遺跡を調査してみないとね」
奏空も目の前の遺跡を見つめる後ろで、『在る様は水の如し』香月 凜音(CL2000495)が現状を確認していた。
「遺跡探索に来るのは、久しぶりだな……。なんだっけ。四神に因んだ妖が出るんだったか?」
「ここには、虎っぽい奴がいるのかもしれねーな」
以前の探索から遺跡について思い出す凜音に、飛馬がこの遺跡の状況を説明する。報告書もう少ししっかり読めばよかったかと、凜音は少し悔やむ。
「何にせよ。謎を解き明かすために、精々頑張りますかね」
所々で確認しながら進もうと、凜音は考えていたようだった。
さて、覚者達は遺跡に突入するわけだが、やはり面倒なのは遺跡のトラップ。
事前情報によれば、5分ごとに入り口へと押し戻されるほどの強風が遺跡内に吹き荒れると言う。
「戦い以外は基本、全力移動しようと思うぜ」
飛馬は仲間達へと呼びかけると、頷くメンバー達も、飛馬の提案を受け入れる。
チーム唯一の女性、芦原 ちとせ(CL2001655)などは、ストレッチをしていて。
「学生の時以来の久しぶりの全力ダッシュ数本、しかもご丁寧に障害物を加えてってメニューね」
ジュニアアイドル出身の中学校教師であるちとせは、運動が得意だったとあってやる気満々。
「恥ずかしところは見せられないわ。しっかり準備しなくちゃ」
妖が出たら、自身は頑丈が取り得だからと、足止め役を請け負うと言う。
「だから、他の方は小部屋に直行でお願いするわ」
状況によるだろうが、最悪、足の速いメンバー、もしくは手隙の者だけで向かうといった手段を講じる必要も出て来るだろう。
両腕を戦闘機の両翼のように変化させた逝は鎧のように岩を纏い、赤い髪を灰色の変色させた凜音も英霊の力を引き出して準備を整える。
準備運動で身体を温めたちとせも赤い刺青を輝かせ、体内の炎を燃え上がらせることで細胞を活性化させていく。
互いの準備が整ったことを確認し、メンバー達は遺跡内へと突入していくのである。
●遺跡をダッシュ!
遺跡内通路は奥側から出口方面に向かい、緩やかな風が流れている。
それを感じながら全力で進む一行だったが、すぐの分岐点にて妖の群れが待ち構えていた。
「ん」
第六感を働かせた逝が前方を見ると、そこには直径15センチほどの竜巻のような敵が3体。
そして、一回り大きな20センチほどの渦巻きの中に、獣の顔のようなものが浮かび上がた妖も1体いる。
「戦わざるを得ないな。面倒くさいこった」
走っていた凜音が足を止め、身構えた。彼は仲間の後方に布陣する形だ。
「妖4体……。工藤ちゃん、頼むわよ」
逝の言葉に応じ、髪を金色に輝かせた奏空だけが再び走り出す。
「ごめんね、後はよろしく!」
妖をすり抜け、奏空が分岐を右に折れて走り去っていく。
この場から1人も逃がさじと妖どもは真空破や竜巻を起こすが、覚者達が壁となってそれを防ぐ。
「おっと、お前の相手はおっさんよ」
その手前に立ち塞がる逝が刃の如き真空破を食らいながらも、しばし考える。
相手は見るからに、自然系の妖。物理攻撃の効果が薄い相手。
無駄に時間を浪費すると、ほとんど進めぬままに強風で入り口まで押し戻されかねない。
「みずたまや。悪食じゃあ分が悪いから、黒沙纒刃をお出し」
応じた守護使役より逝が取り出したのは、護符と封印符を透漆で固めた鞘に納められた三尺程の剣だ。
手前の小型目掛け、彼は腕を金属のように硬化させて攻め入る。
「風の妖は、地獄の黒い沙とやらで埋めてやろう」
そして、彼は鞘から剣を抜き、因子の力を込めて相手に切りかかっていく。
同じく、前線に立つちとせは、一際大きな敵……獣の顔が浮かぶ妖を狙う。
「頭を狙うのは、喧嘩の極意ってね。昔から言うもんさ」
そして、ちとせはここぞとギュスターブ……鱗の紋様とワニの歯の如きギザギザ状の刃がついた斧を振り下ろす。
その刃を受けた妖は自然系にもかかわらず、傷口より血のような液体を流す。
見た目は変化が見られないが、覚醒状態となった飛馬も一歩後ろから仕掛ける。
普段、守りに徹することも多い彼だが、今回は時間との勝負。仲間の状況を見て布陣しつつ、相手を抑えるべく攻め立てる。
「行くぜ。巌心流攻めの型奥義、飛天!」
裂帛の気合を込めて妖全てに自前の刀、『厳馬悠馬』の刃で斬りつけていった。
渦巻く妖の竜巻だが、その勢いが弱まっていく。
(剣を抜くのは、他の奴に任せようか)
まだまだ、探索は始まったばかり。凜音も津波のような炎を巻き起こし、妖達へと浴びせかけていた。
その場を抜けた奏空は通路を駆け抜ける。目指すは右手前の小部屋だ。
超直感を働かせ、彼は小部屋を一通り見回す。
風化して散り散りになった装飾が散らばっており、中央のせり上がった床に剣が突き刺さっている。
「そういえば……」
奏空は朱鳥遺跡で鏡を入手している。そして、その前の大亀遺跡では、当時の探索メンバーが勾玉を取得したという報告があった。
彼はそういった物品を気にかけながら、目に付いた剣に駆け寄る。
地面に突き刺さった一振りの錆びた剣に、奏空は手をかけて。
「か、堅い……」
錆びたことで引き抜きにくくなっていた剣を、彼は力任せに抜き去った。
カタン……。
何かが作動する音。おそらくはトラップの一つを解除できたのだろう。
「ちゃっちゃとトラップ解除して進まないとね!」
その為にも、奏空は妖と戦う仲間の下へと戻っていく。
戻る途中で、5人の覚者は合流する。そのまま、入り口左手側に向かおうとするのだが……、通路に突如としてものすごい風が吹き始めた。
それは、台風を思わせる豪風。覚者達は一溜まりもなく飛ばされてしまい、壁に激突させられながらも遺跡の入り口側へと押し戻されていく。
「これは……、無理ね」
超直感で踏ん張ることが難しいと感じ、ちとせは流れに身を任せて飛ばされることにしていた。
彼女は余計なダメージを受けぬようにと、できるだけ受身をとるなど上手に飛ばされるよう心がけていたようだ。
「振り出しに戻る、ってすごろくかよ!」
思いっきり遺跡外へと吹っ飛ばされた凜音が叫ぶ。強制的に入り口に戻されるというのは、さすがに気分が悪い。
「この風は厄介だね。何度も壁ドンは勘弁だよ」
奏空も打ちつけた体を気にかけつつ、仕切り直し。癒力活性など使いつつ態勢を整え直す。
「風で入口に戻される回数が多いほど連戦になるし、ジリ貧になっていきそうだ」
できるだけ早めに決着をつけていく必要があるかもしれないと、飛馬は語りながらも、仲間に回復を頼む。
「つっても、時間制限があるわけでもなし。ゆっくり攻略していこうか……」
凜音も、仲間達の会話を聞いて冷静さを取り戻して。
「入る前に、体力回復するからちょっと待ってくれな」
皆に癒しの雨を降らす。それを浴び、体力を回復させていた飛馬も一呼吸置いていたようだ。
再度、逝は岩を纏い、ちとせが体内の炎を燃え上がらせる。
いざ突入すれば、時間制限が付きまとうが、こうして遺跡外で万全の準備をする分には問題はない。
「準備が整ったら、再チャレンジだな」
皆の状態を確かめた凜音の声によって、一行は再び遺跡へと全力疾走を始めたのだった。
●強風に飛ばされながらも……
2回目の突入も、覚者達は1回目とほぼ同じ工程を繰り返すこととなる。
最初の分岐点での交戦中、奏空が左手前の小部屋へ急行。他メンバーが妖の殲滅といった形だ。
ただ、1回目と異なるのは、奏空が剣を抜いた直後に小部屋で妖とエンカウントしてしまったこと。
今度は他メンバーが先に駆けつけて、交戦となった。
5人で戦い、妖を撃破していくが、全てを倒す前に強風に飛ばされて入り口へと戻されることとなる。なお、妖がついてくることはなかったようだ。
壁に打ち付けられ、うんざりとしていた凜音は首を振りながら立ち上がって。
「3本目の剣を抜いたら戻されることはなくなるらしいし、そこまでは辛抱しますか」
飛ばされるのに次はないと考えたいところ。準備を整えたメンバーは右奥の小部屋を目指し、全力疾走を始める。
3度目となれば、慣れたもの。正面で交戦するメンバーが戦う隙に、奏空が飛び出す。
逝が黒沙纒刃で切り裂き、凜音が炎を浴びせかけ妖の数を減らす。
飛馬が投げ付けた種で縛りつけた1体を霧散させると、最後の1体はちとせがギュスターブの刃でかち割り、完全に沈黙させる。
問題は、3本目の剣が抜けているかどうか。
4人は奏空がうまくやっていることを信じ、右奥小部屋を目指して走る。
距離にして、300mと数十メートル。その通路を駆け抜けたメンバー達の先で、奏空が交戦していた。
ほぼ、囲まれる形となっていた彼は、激しい雷鳴を起こして応戦している。
「早く行かないといけないのに、邪魔だよ!」
ランク2以下の妖とはいえ、5体に囲まれればさすがに苦しい。
ともあれ、そこに逝が飛び込み、妖のアシストへと動こうとする。
逝は少し軸をずらし、豪腕の一撃を叩き込み、妖を纏めて殴り倒そうと動く。
ちとせも相手に近づきつつ、ランク2の妖を狙って炎の固まりを連続して飛ばす。それらをしっかり炸裂させるも、相手は事も無げに浮かぶ獣の顔でちとせを睨む。
「相手が妖の風じゃなきゃ、熱を受けて軽くなってくれそうなんだけどな……」
そんな呟きと共にちとせも接敵していくが、次の風が吹くまでの時間が気になるところ。
「悪いが、頼むぜ」
この場のすり抜けをはかるのは、飛馬だ。
奏空に気を取られている妖が動こうとするが、もう遅い。飛馬がうまくやり過ごして小部屋へと向かう。
あとは彼に任せて、妖の討伐を。
凜音が癒しの雨を降らし、なんとか持ち直した奏空がインドラの矢を思わせる雷鳴をこの場に轟かせる。
逝、ちとせも攻撃を繰り返して、迅速な殲滅を図っていく。
逝が水の滴を投げつけて小型を倒し、ちとせもギュスターブで薙ぎ倒して、なんとか最後の妖を撃破する。
「とったぞ、これでいいんだな?」
丁度戻ってきた飛馬が奏空に錆びた剣を見せ付けるが、タイミング悪く遺跡内に風が吹き荒れ始めた。
「大丈夫、いけるわ」
超直感で察したちとせが仲間に呼びかけ、皆その場でじっと堪える。
確かに風が強いが、その勢いは前回2度と比べればかなり弱まっており、堪えられない風速ではなくなった。
「ふー、何とかいけそうさね」
フルフェイス内で一息つく逝。残る左奥の小部屋を目指し、彼は仲間と共にハイバランサーを働かせて進むのだった。
●引き抜いた剣を手にして
その後、メンバーは2度の交戦を経て、最後の小部屋へとたどり着く。
逝が4本目を引き抜いたことで、遺跡に流れる風が完全に停止した。
「ふぃ~、久しぶりの全力ダッシュはやっぱこたえるねぇ……」
ちとせはその場で身体をほぐしつつ、クールダウンする。
「この後はここ探索……っていうか、もう一度見直しするんだよね?」
ちとせはそう問いかけるものの、やはり、メンバーに疲労の色が見られる。
また、風は止まったとはいえ、妖の気配が消えたわけではなさそうだ。帰りも妖と遭遇する可能性があることを考えれば、さほど長くは探索できない。
「めぼしいものは剣だけかなー」
4部屋見て、それ以外の物を発見することができなかったと、奏空は考える。
ところで、3、4本目に抜かれた剣は、それぞれ飛馬、逝が持ったままだ。
「F.i.V.E.に持ち帰ろうと思っているぜ」
「なんか分かるかもしれないからねえ」
それを聞いた奏空も、回収しとけばよかったかと少し後悔していたようだった。
「古妖、麒麟ねぇ……。こいつが頑張ってる間、大妖は出ないんだったか」
合間合間に状況を仲間に伝え聞いていた凜音が、何気なく独りごちる。
「できれば、そのまま眠っていてもらいたいもんだな」
一抹の不安を抱きつつも、凜音は仲間と共に遺跡から撤収していく。
その後、入り口までの間に妖と1度交戦したが、左手前の小部屋だけ再び立ち寄り、奏空が剣を回収して外に出ることなる。
全力疾走に壁への激突。疲労感を覚えながらも、覚者達はF.i.V.E.へと戻るのだった。
奈良県某所、西の遺跡。
F.i.V.E.の覚者達はこの手前に立っていた。
まだ、遺跡はほとんど手がついていない状況となっており、これまでいた考古学者達の姿も見受けられない。
「大妖の存在がちらつくとはな……」
「そっかー、あの遺跡には麒麟が同じ姿をした大妖がいるのか」
呟く『守人刀』獅子王 飛馬(CL2001466) に、『探偵見習い』工藤・奏空(CL2000955)が探偵見習いらしく唸りながら考える。あの遺跡とは、ここから東、4つの遺跡に囲まれる麒麟のいた遺跡だ。
「周りの遺跡は増幅装置だったか……」
『冷徹の論理』緒形 逝(CL2000156) も折角だからと、考えを巡らす。
「んー、それは転用出来る物だねえ。妖にとっても、ヒトにとっても実に都合が良い」
獣だって学習する。ちょっと頭の回る存在や、まして大妖ならなおのこと思いつくことだろう。
「……『増幅できるなら減衰させる事もできる』んだろう、ってね」
逝が見るに、麒麟も瀬戸際っぽい状況だったが、果たして何の干渉を疑えばいいのかと口走った直後に笑い出して。
「アハハ! 気の所為であって欲しいさね」
とはいえ、どう見ても笑える状況でないのは間違いなく。
「封印が解かれたら、かなり厄介な事になるね」
もし、大妖が解き放たれたならば。考えるだけでも大変な事になるのは間違いない。
「遺跡の攻略には大事な意味がありそうだとは常々思ってたけど、想像以上だったぜ」
出し惜しみはなし。全力でいくぜと、飛馬は意気込みを見せる。
「とにかく、今回はこの遺跡を調査してみないとね」
奏空も目の前の遺跡を見つめる後ろで、『在る様は水の如し』香月 凜音(CL2000495)が現状を確認していた。
「遺跡探索に来るのは、久しぶりだな……。なんだっけ。四神に因んだ妖が出るんだったか?」
「ここには、虎っぽい奴がいるのかもしれねーな」
以前の探索から遺跡について思い出す凜音に、飛馬がこの遺跡の状況を説明する。報告書もう少ししっかり読めばよかったかと、凜音は少し悔やむ。
「何にせよ。謎を解き明かすために、精々頑張りますかね」
所々で確認しながら進もうと、凜音は考えていたようだった。
さて、覚者達は遺跡に突入するわけだが、やはり面倒なのは遺跡のトラップ。
事前情報によれば、5分ごとに入り口へと押し戻されるほどの強風が遺跡内に吹き荒れると言う。
「戦い以外は基本、全力移動しようと思うぜ」
飛馬は仲間達へと呼びかけると、頷くメンバー達も、飛馬の提案を受け入れる。
チーム唯一の女性、芦原 ちとせ(CL2001655)などは、ストレッチをしていて。
「学生の時以来の久しぶりの全力ダッシュ数本、しかもご丁寧に障害物を加えてってメニューね」
ジュニアアイドル出身の中学校教師であるちとせは、運動が得意だったとあってやる気満々。
「恥ずかしところは見せられないわ。しっかり準備しなくちゃ」
妖が出たら、自身は頑丈が取り得だからと、足止め役を請け負うと言う。
「だから、他の方は小部屋に直行でお願いするわ」
状況によるだろうが、最悪、足の速いメンバー、もしくは手隙の者だけで向かうといった手段を講じる必要も出て来るだろう。
両腕を戦闘機の両翼のように変化させた逝は鎧のように岩を纏い、赤い髪を灰色の変色させた凜音も英霊の力を引き出して準備を整える。
準備運動で身体を温めたちとせも赤い刺青を輝かせ、体内の炎を燃え上がらせることで細胞を活性化させていく。
互いの準備が整ったことを確認し、メンバー達は遺跡内へと突入していくのである。
●遺跡をダッシュ!
遺跡内通路は奥側から出口方面に向かい、緩やかな風が流れている。
それを感じながら全力で進む一行だったが、すぐの分岐点にて妖の群れが待ち構えていた。
「ん」
第六感を働かせた逝が前方を見ると、そこには直径15センチほどの竜巻のような敵が3体。
そして、一回り大きな20センチほどの渦巻きの中に、獣の顔のようなものが浮かび上がた妖も1体いる。
「戦わざるを得ないな。面倒くさいこった」
走っていた凜音が足を止め、身構えた。彼は仲間の後方に布陣する形だ。
「妖4体……。工藤ちゃん、頼むわよ」
逝の言葉に応じ、髪を金色に輝かせた奏空だけが再び走り出す。
「ごめんね、後はよろしく!」
妖をすり抜け、奏空が分岐を右に折れて走り去っていく。
この場から1人も逃がさじと妖どもは真空破や竜巻を起こすが、覚者達が壁となってそれを防ぐ。
「おっと、お前の相手はおっさんよ」
その手前に立ち塞がる逝が刃の如き真空破を食らいながらも、しばし考える。
相手は見るからに、自然系の妖。物理攻撃の効果が薄い相手。
無駄に時間を浪費すると、ほとんど進めぬままに強風で入り口まで押し戻されかねない。
「みずたまや。悪食じゃあ分が悪いから、黒沙纒刃をお出し」
応じた守護使役より逝が取り出したのは、護符と封印符を透漆で固めた鞘に納められた三尺程の剣だ。
手前の小型目掛け、彼は腕を金属のように硬化させて攻め入る。
「風の妖は、地獄の黒い沙とやらで埋めてやろう」
そして、彼は鞘から剣を抜き、因子の力を込めて相手に切りかかっていく。
同じく、前線に立つちとせは、一際大きな敵……獣の顔が浮かぶ妖を狙う。
「頭を狙うのは、喧嘩の極意ってね。昔から言うもんさ」
そして、ちとせはここぞとギュスターブ……鱗の紋様とワニの歯の如きギザギザ状の刃がついた斧を振り下ろす。
その刃を受けた妖は自然系にもかかわらず、傷口より血のような液体を流す。
見た目は変化が見られないが、覚醒状態となった飛馬も一歩後ろから仕掛ける。
普段、守りに徹することも多い彼だが、今回は時間との勝負。仲間の状況を見て布陣しつつ、相手を抑えるべく攻め立てる。
「行くぜ。巌心流攻めの型奥義、飛天!」
裂帛の気合を込めて妖全てに自前の刀、『厳馬悠馬』の刃で斬りつけていった。
渦巻く妖の竜巻だが、その勢いが弱まっていく。
(剣を抜くのは、他の奴に任せようか)
まだまだ、探索は始まったばかり。凜音も津波のような炎を巻き起こし、妖達へと浴びせかけていた。
その場を抜けた奏空は通路を駆け抜ける。目指すは右手前の小部屋だ。
超直感を働かせ、彼は小部屋を一通り見回す。
風化して散り散りになった装飾が散らばっており、中央のせり上がった床に剣が突き刺さっている。
「そういえば……」
奏空は朱鳥遺跡で鏡を入手している。そして、その前の大亀遺跡では、当時の探索メンバーが勾玉を取得したという報告があった。
彼はそういった物品を気にかけながら、目に付いた剣に駆け寄る。
地面に突き刺さった一振りの錆びた剣に、奏空は手をかけて。
「か、堅い……」
錆びたことで引き抜きにくくなっていた剣を、彼は力任せに抜き去った。
カタン……。
何かが作動する音。おそらくはトラップの一つを解除できたのだろう。
「ちゃっちゃとトラップ解除して進まないとね!」
その為にも、奏空は妖と戦う仲間の下へと戻っていく。
戻る途中で、5人の覚者は合流する。そのまま、入り口左手側に向かおうとするのだが……、通路に突如としてものすごい風が吹き始めた。
それは、台風を思わせる豪風。覚者達は一溜まりもなく飛ばされてしまい、壁に激突させられながらも遺跡の入り口側へと押し戻されていく。
「これは……、無理ね」
超直感で踏ん張ることが難しいと感じ、ちとせは流れに身を任せて飛ばされることにしていた。
彼女は余計なダメージを受けぬようにと、できるだけ受身をとるなど上手に飛ばされるよう心がけていたようだ。
「振り出しに戻る、ってすごろくかよ!」
思いっきり遺跡外へと吹っ飛ばされた凜音が叫ぶ。強制的に入り口に戻されるというのは、さすがに気分が悪い。
「この風は厄介だね。何度も壁ドンは勘弁だよ」
奏空も打ちつけた体を気にかけつつ、仕切り直し。癒力活性など使いつつ態勢を整え直す。
「風で入口に戻される回数が多いほど連戦になるし、ジリ貧になっていきそうだ」
できるだけ早めに決着をつけていく必要があるかもしれないと、飛馬は語りながらも、仲間に回復を頼む。
「つっても、時間制限があるわけでもなし。ゆっくり攻略していこうか……」
凜音も、仲間達の会話を聞いて冷静さを取り戻して。
「入る前に、体力回復するからちょっと待ってくれな」
皆に癒しの雨を降らす。それを浴び、体力を回復させていた飛馬も一呼吸置いていたようだ。
再度、逝は岩を纏い、ちとせが体内の炎を燃え上がらせる。
いざ突入すれば、時間制限が付きまとうが、こうして遺跡外で万全の準備をする分には問題はない。
「準備が整ったら、再チャレンジだな」
皆の状態を確かめた凜音の声によって、一行は再び遺跡へと全力疾走を始めたのだった。
●強風に飛ばされながらも……
2回目の突入も、覚者達は1回目とほぼ同じ工程を繰り返すこととなる。
最初の分岐点での交戦中、奏空が左手前の小部屋へ急行。他メンバーが妖の殲滅といった形だ。
ただ、1回目と異なるのは、奏空が剣を抜いた直後に小部屋で妖とエンカウントしてしまったこと。
今度は他メンバーが先に駆けつけて、交戦となった。
5人で戦い、妖を撃破していくが、全てを倒す前に強風に飛ばされて入り口へと戻されることとなる。なお、妖がついてくることはなかったようだ。
壁に打ち付けられ、うんざりとしていた凜音は首を振りながら立ち上がって。
「3本目の剣を抜いたら戻されることはなくなるらしいし、そこまでは辛抱しますか」
飛ばされるのに次はないと考えたいところ。準備を整えたメンバーは右奥の小部屋を目指し、全力疾走を始める。
3度目となれば、慣れたもの。正面で交戦するメンバーが戦う隙に、奏空が飛び出す。
逝が黒沙纒刃で切り裂き、凜音が炎を浴びせかけ妖の数を減らす。
飛馬が投げ付けた種で縛りつけた1体を霧散させると、最後の1体はちとせがギュスターブの刃でかち割り、完全に沈黙させる。
問題は、3本目の剣が抜けているかどうか。
4人は奏空がうまくやっていることを信じ、右奥小部屋を目指して走る。
距離にして、300mと数十メートル。その通路を駆け抜けたメンバー達の先で、奏空が交戦していた。
ほぼ、囲まれる形となっていた彼は、激しい雷鳴を起こして応戦している。
「早く行かないといけないのに、邪魔だよ!」
ランク2以下の妖とはいえ、5体に囲まれればさすがに苦しい。
ともあれ、そこに逝が飛び込み、妖のアシストへと動こうとする。
逝は少し軸をずらし、豪腕の一撃を叩き込み、妖を纏めて殴り倒そうと動く。
ちとせも相手に近づきつつ、ランク2の妖を狙って炎の固まりを連続して飛ばす。それらをしっかり炸裂させるも、相手は事も無げに浮かぶ獣の顔でちとせを睨む。
「相手が妖の風じゃなきゃ、熱を受けて軽くなってくれそうなんだけどな……」
そんな呟きと共にちとせも接敵していくが、次の風が吹くまでの時間が気になるところ。
「悪いが、頼むぜ」
この場のすり抜けをはかるのは、飛馬だ。
奏空に気を取られている妖が動こうとするが、もう遅い。飛馬がうまくやり過ごして小部屋へと向かう。
あとは彼に任せて、妖の討伐を。
凜音が癒しの雨を降らし、なんとか持ち直した奏空がインドラの矢を思わせる雷鳴をこの場に轟かせる。
逝、ちとせも攻撃を繰り返して、迅速な殲滅を図っていく。
逝が水の滴を投げつけて小型を倒し、ちとせもギュスターブで薙ぎ倒して、なんとか最後の妖を撃破する。
「とったぞ、これでいいんだな?」
丁度戻ってきた飛馬が奏空に錆びた剣を見せ付けるが、タイミング悪く遺跡内に風が吹き荒れ始めた。
「大丈夫、いけるわ」
超直感で察したちとせが仲間に呼びかけ、皆その場でじっと堪える。
確かに風が強いが、その勢いは前回2度と比べればかなり弱まっており、堪えられない風速ではなくなった。
「ふー、何とかいけそうさね」
フルフェイス内で一息つく逝。残る左奥の小部屋を目指し、彼は仲間と共にハイバランサーを働かせて進むのだった。
●引き抜いた剣を手にして
その後、メンバーは2度の交戦を経て、最後の小部屋へとたどり着く。
逝が4本目を引き抜いたことで、遺跡に流れる風が完全に停止した。
「ふぃ~、久しぶりの全力ダッシュはやっぱこたえるねぇ……」
ちとせはその場で身体をほぐしつつ、クールダウンする。
「この後はここ探索……っていうか、もう一度見直しするんだよね?」
ちとせはそう問いかけるものの、やはり、メンバーに疲労の色が見られる。
また、風は止まったとはいえ、妖の気配が消えたわけではなさそうだ。帰りも妖と遭遇する可能性があることを考えれば、さほど長くは探索できない。
「めぼしいものは剣だけかなー」
4部屋見て、それ以外の物を発見することができなかったと、奏空は考える。
ところで、3、4本目に抜かれた剣は、それぞれ飛馬、逝が持ったままだ。
「F.i.V.E.に持ち帰ろうと思っているぜ」
「なんか分かるかもしれないからねえ」
それを聞いた奏空も、回収しとけばよかったかと少し後悔していたようだった。
「古妖、麒麟ねぇ……。こいつが頑張ってる間、大妖は出ないんだったか」
合間合間に状況を仲間に伝え聞いていた凜音が、何気なく独りごちる。
「できれば、そのまま眠っていてもらいたいもんだな」
一抹の不安を抱きつつも、凜音は仲間と共に遺跡から撤収していく。
その後、入り口までの間に妖と1度交戦したが、左手前の小部屋だけ再び立ち寄り、奏空が剣を回収して外に出ることなる。
全力疾走に壁への激突。疲労感を覚えながらも、覚者達はF.i.V.E.へと戻るのだった。
■シナリオ結果■
成功
■詳細■
MVP
なし
軽傷
なし
重傷
なし
死亡
なし
称号付与
なし
特殊成果
『錆びた儀礼剣』
カテゴリ:アクセサリ
取得者:工藤・奏空(CL2000955)
『錆びた儀礼剣』
カテゴリ:アクセサリ
取得者:獅子王 飛馬(CL2001466)
『錆びた儀礼剣』
カテゴリ:アクセサリ
取得者:緒形 逝(CL2000156)
カテゴリ:アクセサリ
取得者:工藤・奏空(CL2000955)
『錆びた儀礼剣』
カテゴリ:アクセサリ
取得者:獅子王 飛馬(CL2001466)
『錆びた儀礼剣』
カテゴリ:アクセサリ
取得者:緒形 逝(CL2000156)

■あとがき■
遺跡の攻略、お疲れ様でした。
次回は奥の妖との戦いに臨みます。
参加していただき、
ありがとうございました!!
次回は奥の妖との戦いに臨みます。
参加していただき、
ありがとうございました!!
