決勝のロボプラバトルステージ
【RPBT】決勝のロボプラバトルステージ


●144分の1の戦争
 ロボプラバトルを知っているか。
 日本全国に散らばる付喪神たち頂点を競うべく集う付喪大活祭。この中で行なわれる覚者専用の『ロボットプラモデルバトル』である。
「ルールを確認するぞ!」
 SDサイズのプラモデル『ダイショーグン』は皆に向けて語った。
「皆はワシのスキル『パペットマスター』を介してロボプラへと憑依する。
 憑依した皆は『解神台』という付喪秘伝の装置によって疑似戦場へとエントリーし、まるでアニメや映画で見る実際の戦場のごとく戦うことができる。
 これはもちろん『解神台』による拡張演出のためじゃ。『パペットマスター』ができるのはあくまで物体の動作のみ。ビームやビット兵器は勿論機体を浮かせることすらままならん。ゆえに『場外』に出たら行動不能。敗北じゃ。更にはロボプラが戦闘動作不能なまでに『破壊』されても敗北となる!」
 そして『解神台』最大の特徴は、憑依した覚者の能力をトレースするということだ。
「皆は覚者と聞いておる。覚者の使う術式や因子能力、技能や体術は全て『解神台』を通してロボプラに反映させることができる。それに――」
「ロボプラを改造していくことで本来の覚者戦闘ではできなかった画期的な動きや、技術を拡張・増幅させたような行動をとることができるんや!」
 そう語るのは道頓堀ワタル。優秀なロボプラビルダーである。
「改造技術はみんなにみっちりしこんだる。なんならワイが直接改造したってええで!
 なぜなら次はいよいよ最終試合にして決勝戦!
 『6対6』のスペシャルマッチなんやからな!」

 自分のロボプラを用意し、この最終決戦に加わろう。
 君の力が、勝利の光となるのだ!


■シナリオ詳細
種別:シリーズ
難易度:普通
担当ST:八重紅友禅
■成功条件
1.最終試合に勝利する
2.なし
3.なし
 いよいよ最終決戦の舞台へと進みました。
 とはいえチーム変更や機体変更、新たなチームへの参入もOKです。
 (チームメンバーが定員までそろわなかった場合は道頓堀などのNPCが参戦します。しかしあくまでNPCなのであまり活躍しません)

●ロボプラのエントリー方法
 この試合に参加するにはロボプラを用意してエントリーする必要があります。
 使用できるロボプラはロボット系プラモデルであればなんでもOK。MSやAS、ATや勇者シリーズなどのスーパー系も参戦し、変形宇宙戦艦や万博ロボまで参戦しておりました。ハッキリ言うとお祭りみたいなものなので、遠慮はいりません。
 ロボプラの性能は以下の二つで決定されます。
 ・PCのステータス(下地)
 ・ロボプラの改造(ダイスロールの補正値アップ)

 プレイングには
 ・ロボプラの名前(オリジナルの名前)
 ・拘りのポイント(改造や思い入れ)
 を書くことで実際的な活躍補正として機能します。

●相手チームとフィールド
 フィールドは惑星要塞ステージ。岩石が沢山浮遊する宇宙空間です。
 戦闘は宇宙空間と要塞内での屋内戦闘で構成されてくるでしょう。障害物が多く、索敵能力や機動力が活かされる場面もあります。
 飛行スキルがあると効率的に移動できますが、フラスターだけでも充分に移動できるので困ることはありません。

 敵チームは『ダイナミックロマン・ザ・ムービー』。
・人型変形宇宙戦艦マックスフロンティアEX
 巨大なビーム大砲を武器とするほか戦艦形態で突っ込んで味方をカタパルト発射しまくる突撃攻撃を得意とします。
 ダイナミックロマンチームの残ったパーツを結集した最後のダイナミックです。
 パイロットは防御と火力を両立させた翼人です。今回は自らを犠牲にしてぶっ壊れに行く覚悟のようです。
・VF編隊
 5機のミディアムサイズロボプラの編隊です。
 彼らは人型・戦闘機型・その中間のGE歩行型に変形できる他、大量のミサイルをダイナミックにまき散らすミサイルパーティーや飛行技術によるドッグファイトを得意としています。全員見事に翼人。
状態
完了
報酬モルコイン
金:0枚 銀:1枚 銅:0枚
(0モルげっと♪)
相談日数
6日
参加費
100LP[+予約50LP]
参加人数
6/6
公開日
2017年03月14日

■メイン参加者 6人■

『献身なる盾』
岩倉・盾護(CL2000549)
『侵掠如火』
坂上 懐良(CL2000523)
『冷徹の論理』
緒形 逝(CL2000156)
『大魔道士(自称)』
天羽・テュール(CL2001432)

●君と君の心が交わるとき
 巨大な門が両開きになっていく。
 逆光を背にした少年たちが、ゆっくりと歩み出る。
 『百戟』鯨塚 百(CL2000332)。彼の手には最終決戦に向けて全てのパーツを骨から組み直したヒャクゲキが握られている。
 傷ついては塞ぎ、敗れては組み直す。痛みが次の強さにつながる、まるで人間のようなロボプラだ。否、まるで百そのものでできたロボプラだった。
「ここまでありがとうな、ヒャクゲキ。ロボプラバトルが、こんなに楽しいなんて知らなかったぜ」
 灰色のつるんとした機体に着流しや武者鎧を着込んだ人型戦車『獅王号』を手に頷く『守人刀』獅子王 飛馬(CL2001466)。
「プラモデルなんて全然わかんなかったけど、心を交わせばこんなにも動いてくれる。今は魂すら乗せられる気がするぜ」
 全身をメタルパーツで包んだ重厚なスーパー系ロボプラ『ビッグジェイ』をトレーに乗せて歩み出る『献身なる盾』岩倉・盾護(CL2000549)。
「汚名返上名誉挽回、死ぬ気、頑張る」
 盾護の目がぎらりと光り、ビッグジェイの目もまたぎらりと光った気がした。
「少年たちがまぶしいなあ。それじゃあおっさん、今回限りだけどはりきって遊ばせてもらうさね」
 緒形 逝(CL2000156)がケースから取り出したのは黒塗りのロボプラだった。
 ロシア戦車を人の形にしたような無骨なデザインのBR。つや消しされたブラックカラーなボディには逝をイメージしたイエローラインが引かれている。
「ところで、この大会って優勝賞品とかあるのかね」
「あっ、忘れてた。勾玉貰えるんだこれ!」
「今更だな」
 青いマントで身を包んだ『侵掠如火』坂上 懐良(CL2000523)が、同じく青いマントで身を包んだ『ハイニューカネヨシ』を取り出した。
「しかし、ここまで付き合ってくれてありがとうなワタル。男なのがシャクだが感謝するぜ。男なのがシャクだけどな……」
「ほんまにシャクなんやな……」
 万博ロボを手にげっそりする道頓堀ワタル。
「今回は五人だ。と言うことでワタルに頼むしかないんだが」
「安心せい。わいは最終決戦に向けてロボを改造したんや。その名も『ウルトラナニワ大快速ごっつええ感じやないかーいそこかそこがえーの』――」
「待たせましたね!」
 逆光を浴び、現われるシルエット。
「その声は!」
 振り返るワタル。
 とんがり帽子のつばをあげ、マントを靡かせにやりと笑う『大魔道士(自称)』天羽・テュール(CL2001432)。
「ボクです!」
「誰や!?」
「希代の大魔道士、テュールですよ!」
 『とうっ』と言って高いところから飛び降りると、テュールは懐から一台のLBXを取り出した。
「それは……!」
「フ、ボクは大魔道士であるまえに小学生。ロボプラにも精通しているのですその名もっ」
 LBXの頭部を覆うテュールそっくりのヘッドパーツ。
 各所に仕込んだクリアパーツは淡く発光し、胸の球体に至ってはまばゆく輝いていた。
「ライトニングウィザード!」
「なんやて!? 本来科学の結晶でありあまりの危険性からダンボールという閉鎖空間の中でしか起動を許されないLBXに魔法と精霊の要素を組み込むことで完全なる制御を果たしたという設定やな!」
「お前一目見ただけでわかるのかよすごいなあとその説明口調やめろそしておつかれっ」
 笑顔で肩をポンとやる懐良。
「ひとことに情報詰め込みすぎや――なんやてえ!?」
 二度見するワタルをぐいっと後ろにおいやって、懐良はロボプラを突きだした。
 『解神台』を挟んだ向こうには、歴戦の兵士とでもいわんばかりの連中がずらりと並んでいる。
 彼らは一様にロボプラを取り出した。ぎらりと全員の目が光る。
 無数の人と古妖がギャラリー席から見守るなか、全員がロボプラを振りかざした。
「「ロボプラ・セット!」」
「「バトル・スタート!」」

●ラストバトル
 カタパルトから発射され、宇宙空間に飛び出す逝のメールキー。
 戦術画面に表示された円形レーダーマップに二つの反応を確認した。
「敵機接近。さて、どうするかね」
「開けた場所じゃ機動力で負ける。要塞の中に陣取るぞ」
 懐良の誘導で宇宙要塞へ進路をとる仲間たち。
 だがそんな彼らに――。
「待った。敵機急速接近!」
 身構える飛馬。懐良が視界をズームさせると、真っ白なVFが一機で突っ込んでくるのが確認できた。
「編隊を組まずに単機突入だと?」
「囲んでやっつけるか?」
 百のヒャクゲキが腕や膝の装備を展開する……が、懐良は首を振って彼を制した。
「だめだ。決勝戦にのぼるような相手が考え無しの特攻をするとは思えん。危険だ。ここは俺が時間を稼いで有利な陣地に……」
「時間稼ぎなら、盾護の役目」
 巨大なボディ。黒光りするフォルム。盾護のビッグジェイが反転して迎撃姿勢をとった。
「しかし」
「……」
 ビッグジェイから放たれる気迫。言葉もなく、懐良は全てを察した。
「分かった。皆、行くぞ!」
「盾護さん……」
 テュールのライトニングウィザードは一度だけ振り返り、背部バーニアをふかして飛馬たちについていった。

「……」
 接近要塞の中へと入っていく仲間たちを確認して、盾護は頷いた。
 痛みが人を強くする。失敗が成功の力となる。盾護はその言葉を強く強く噛みしめていた。
「頑張る」
 急接近するVFをターゲットして肩からマイクロミサイルを乱射。
 その全てを非常識なジグザグ飛行で回避していく白いVF。VFはビッグジェイの眼前で変形すると、拳にバリアフィールドを纏ったまま腹部を思い切り殴りつけた。
 凄まじい衝撃。まるで地球へ突入する隕石のごとく、激しい圧縮大気の熱を帯びて要塞へと突っ込むビッグジェイ。
 凄まじい攻撃だがビッグジェイを破壊するほどではない。狙いはなんだ? そう思った盾護の目の前を、最大加速したマックスフロンティアが突き抜けていった。
 白いVFはディフェンダーを押しのけるための囮か!
 VFを掴んで無理矢理払いのけるが、バリアパンチの衝撃でビッグジェイの機体も一緒に流される。
 マックスフロンティアが要塞への突撃を敢行――する直前。
「どうやら、ボクの出番が早速やってきたみたいですね!」
 要塞への入り口に陣取っていたライトニングウィザードが帽子のつばに似たヘッドパーツを指でなぞると、胸のコアから巨大なライフルを出現させた。
 魔術の杖を意識したようなフォルムのライフルを握り込む。マントの裏から放たれたビットが幾何学模様の魔方陣を描き、エネルギーの幕を発生させていく。
「キャノンスタッフ、シュート!」
 小さなボディから放たれたビームが幕を通して巨大な光線となり、マックスフロンティアに正面からぶつかっていく。
「ぬぐ……!」
 思わず人型へ変形して防御姿勢をとるマックスフロンティア。
「突撃は中止だ。各機出撃、要塞内の敵を討て!」

 大量に打ち出されたミサイル群が爆発する。強引に流された機体のバランスを調整しながら、飛馬の獅王号は刀を抜いた。
 アサルトライフルの乱射によって突撃してくるVF。
 協力しようとした百のヒャクゲキとの間に割り込むと、それぞれをバリアキックでもってはじき飛ばした。
「分断が目的か!」
 要塞内の重力制御エリアへ突入。並んだコンテナ群の間に着地すると、真っ赤なVFを迎え撃った。
「防御に秀でた刀使いか。よかろう!」
 VFはアサルトライフルを捨てると、手首をパージしてビームサーベルを出現させた。
「我が速さについてこれるか!?」
 ジグザグ飛行で接近してくるVF。
 飛馬は相手の斬撃を受けるべく刀を振り込むが、飛馬が斬ったのは剥離した表面塗装だった。
「残像……!?」
「遅いぞ!」
 背後に回り込んでいたVFが獅王号の胸を剣で貫く。背負っていたミサイルパックが一斉に開き、全てのミサイルが放出された。

「要塞内で守りに徹したのはいいけど、分断されるとちとキツイさね」
 逝のメールキーは障害物の多い要塞の内を滑るように移動していた。
 GE歩行型に変形したVFが頭上を旋回しながらミサイルを只管に撃ち込んでくる。
 それをセントリーガンの自動迎撃で牽制しているが、このままでは一方的に爆撃されるだけだ。
 細い道に逃げ込んで地の利を得ようとすると別の機体が道を塞ぐように爆撃を加えてくるので思うように動けない。
 救いがあるとすれば、同じフロアで懐良が戦っていることだろう。
 分断されたといってもこちらは二機。あちらも二機。
「今の状況では……」
 懐良はなにかをぶつぶつ呟いているが、逝にはいまいちわからない。
 暫くすると、懐良が急にウワーとうなり始めた。
「どうかしたのかい」
「どうかしただと!? お前には聞こえないのか、このアイドルソングが!」
「ん……?」
 言われてみれば、とマイクの感度をあげる逝。なんかアイドルユニットのポップソングみたいなやつが聞こえてきた。それがどうしたのと言おうとしたら、懐良が頭を抱えてのけぞった。
「知ってるぞ、これは……俺の苦手なパターンだ!」
 途端、眼前に無数のビットが出現した。
 ホログラムでできた人形のようなそれらは一糸乱れぬダンスを踊り、展開したバリアによって懐良が乱射したミサイル群を打ち落としていく。
 逆に人形の群れがビームを発射してくる。
 懐良は必死にそれを回避しながら叫んだ。
「ライヴだぞ! ライブである以上、最後まで聞かないとなんかダメな気がするだろう?」
「えっ……」
「頭では邪魔をすべきだと分かってはいるが、相手の勝ちムードソングによって心が邪魔をするんだ!」
 などと言いながら、懐良はミサイル乱射で牽制しながら逃げ回った。

「こいつ、やるな……」
 一方、粉砕された岩石が無数に転がるフロアで百のヒャクゲキは身構えていた。
 彼の前にずんと着地する黒塗りのVF。
 ミサイルや銃のたぐいをもたない代わりに、両腕をごつごつとしたナックルで包み込んでいる。ナックルからは強固なバリアが何重にも形成されていた。
「貴様の武器はもうないのか? 撃ってこい」
 手招きするようにアームを動かすVF。ヒャクゲキは腕から銃口を露出させるとターゲットをロックした。
「アームライフル!」
 乱射。
 放たれた弾丸をパンチラッシュで破壊するVF。
 そのままボクサーのフォームで接近をかけてくる。
 ヒャクゲキは膝のカバーを展開してドリルを露出。背中からのジェット噴射で膝蹴りを繰り出した。
「ドリルニー・キック!」
「バリアスクリューブロー!」
 ドリルが粉砕され、膝から先が吹き飛んでいく。
「まだだ――ビームブレード!」
 腕からブレードを展開し、表面を発光。相手の首めがけて叩き込む――が、素早くかがむことで回避された。
「バリアアッパーカット!」
 ヒャクゲキの顎をとらえるナックル。
 顎の砕ける感覚が、百の全身を突き抜けた。

●魂の輝き
「なんてことや、分断されてボコボコやんけ!」
 サポート席から身を乗り出すワタル。
 だが付喪神のダイショーグンは平静を保ったままだ。
「少年よ、付喪神がなぜ生まれるか知っているか」
「なんやこんな時に。んなもん大事にされた物品に魂がやどって……」
「どうだ。我々を動かす力の源は、人の情熱。魂の輝き。そして不滅の愛。ワシが彼らをスカウトしたのは、ただ覚者として強いからではない。人間としての、心の強さゆえなのじゃ」

 宇宙空間。
 マックスフロンティアは腕を振りかざし、要塞へと突撃していた。
「順調に分断されたようだな。もはや貴公に勝機は無い。ひと思いにトドメをさしてやろう……!」
「しまった……!」
 巻き込まれないように緊急回避をかけるライトニングウィザード。叩き込まれた腕は要塞の外壁を容易に破壊し、大気や重力をめちゃくちゃにかき混ぜた。
 盛大な爆発。
 事前に連絡を受けていたVFたちは戦闘機フォームで爆発を逃れていく。
「なかなかの相手だったが、我らの敵ではなかったか。帰ったら祝杯だな!」
「おっと、その台詞はフラグだぜ」
 すぐ後ろから聞こえた声に、VFは後方を確認。そこには、大きなアームによって機体にとりついたハイニューカネヨシの存在があった。
「最後の最後で秘密兵器。アームドアーム!」
 懐良は拳をぐっと振り上げると、VFのボディを強引に粉砕した。
「しまっ――ぐああああああああ!」
「カキジャキイイイイイイイイ! 貴様ああああ!」
 ミサイルの乱射。しかし懐良は粉砕されて飛び散ったデブリの裏に隠れてミサイル群をやりすごしてしまった。
「フッ、俺がただアイドルのかわいさにやられて逃げ回っていたと思ったか? お前たちがマックスアタックを仕掛けるタイミングを計っていたんだよ」
 懐良はデブリを殴って飛ばすと、それを慌てて回避したVFめがけてミサイル群を乱射。
「言っていなかったか? 俺は本来兵法家! 搦め手は得意なんだよ!」
「というわけさね。悪いが――」
 ミサイルをアイドルビットでギリギリ防いだVF……の眼前に、メールキーが現われた。
 隠し装備の刀を抜き、VFのボディを貫通。
「おっさんも、射撃よりこっちが得意なのよ」
 VFを強引に切り裂き、爆発させるメールキー。
 そして、メールキーは自らのフッドパーツを切り離して射出した。
 行き先は、宇宙空間を駆けるヒャクゲキである。
「借りるぜおっさん!」
 自らのフッドパーツを切り離し、メールキーのパーツに緊急換装。
 その後ろから黒塗りのVFがボクサーフォームで突っ込んでくるが……。
「もうお前のパンチはきかないぜ! ヒャクゲキ・ゴールドモード!」
 ヒャクゲキの塗装が、そしてメールキーフッドパーツの塗装がはがれて黄金のボディが露出する。
 メールキーにはあらかじめこのための改造が施されていたのだ。
「バリアマグナム!」
「スーパーケンロクエン!」
 VFの繰り出したナックルを、ヒャクゲキのバンカーバスターが真正面から破砕。
 連鎖的な爆発によってVFが破壊されていく。
「一点突破の必殺技だと? 見事な……!」

 一方で、飛馬の獅王号は爆炎のなかにあった。
「ミサイル群の直撃をくらってただではおられまい。剣を交えられなかったことは残念だが、これも勝負……」
「待てよ」
 炎を振り払い、獅王号が現われる。
 そのボディは白銀に輝き、燃えるようなオーラに包まれていた。
「獅王号・奮迅モードと呼んどくぜ」
「なんだ、それは……!?」
 思わず斬りかかるVF。
 しかし剣は虚空を斬り、気づいた頃にはボディを真っ二つにされていた。
 振り抜いた姿勢のまま固まる獅王号。
「打ち込んだ気迫によって相手を縫い付け、倍加した力で切断する。じいちゃん、この奥義……なんて名前をつけようか?」
 しかし力にボディが耐えきれなかったのか、獅王号は煙をふいてその場に崩れ落ちた。

「どうやら、勝負がつきそうですね?」
 ビッとキャノンスタッフを突きつけるライトニングウィザード。
 マックスフロンティアはそんな彼らを前に、歯ぎしりでもするようにうなりを上げた。「おのれ、優勝を目指しチューンを重ねた我らの最高傑作を……ならば、これならどうだ!」
 腕に全てのエネルギーを集中するマックスフロンティア。
 ライトニングウィザードはキャノンスタッフを構えたまま、ビットを銃身に集中させていった。
「いいでしょう。大魔道士にして天才ロボプラビルダーのボクがお相手しますよ!」
 両者のビームが放射される。
 莫大なエネルギーが正面でぶつかり合い、ライトニングウィザードとマックスフロンティアは甚大なダメージを受けてのけぞった。
「ぐっ……なんという出力。だが耐えきった!」
「まだ」
 終わりじゃ無い、とでも言うように巨大なデブリの裏から現われるビッグジェイ。
 彼は集中にチャージにチャージを重ねたエネルギーを、胸から露出した砲台にため込んでいた。
 懐良の策、テュールの砲撃、その全てによって整えられたこの状況ならば、盾護の砲撃が外れる要素はもはやない。
「ビッグジェイ、ファイナルアクション!」
 宇宙を、一筋の光が貫いていく。

●表彰台
 六人は表彰台の頂点にいた。
 割れんばかりの拍手に包まれ、おのおののロボプラを掲げる。
 ダイショーグンは満足げに頷いた。
「見事な戦いであった。勝者の証は貴公が持つに相応しい。そしてこの戦いで身につけた『パペットマスター』の力もな!」
「ああ……だが」
「またやろうな、ロボプラバトル!」
 会場を飛び出し、パレードを始める六人。
 これまで戦った選手たちがロボプラを手に拍手を送る。
 パレードは、日が暮れるまで続いた。

■シナリオ結果■

成功

■詳細■

MVP
なし
軽傷
なし
重傷
なし
死亡
なし
称号付与
なし
特殊成果
『メールキー』
カテゴリ:アクセサリ
取得者:緒形 逝(CL2000156)
『ライトニングウィザード』
カテゴリ:アクセサリ
取得者:天羽・テュール(CL2001432)




 
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