≪蒐囚壁≫ID順上下二番目が変態になって裏切る依頼
●『裏切り者の家』
蒐囚壁財団から要請。
内容は怪異(古妖)の再収容への協力。
具体的には、家に入ってド変態になって裏切る仲間をボコボコにすることである。
●
「…………」
ユアワ・ナビ子(nCL2000122)は虚空を見つめたままぼーっとしていた。
なんでも、ある古妖が野放しになっているので人々に危害が加わらないように閉鎖し、周辺地域ごと収容しようという計画があるらしい。
古妖『裏切り者の家』。ぱっと見は閑静な住宅街にありそうな3LDK二階建の一軒家であるがしかし、家に入った者の精神を犯してド変態にした挙げ句一緒に家へ入ってきた人に襲いかかるというとんでもねー古妖なのだ。古妖なんだねこれも。
こまっかい説明は省くが、一応9人全員で家に入って暫く過ごさないとダメらしい。裏技的なことや家の境界線をどうのこうのする実験は昔に行なわれていて、蒐囚壁財団は『ほんと悪いこと言わないからやめたほうがいい』と言っている。
ド変態になってしまった人はもう殺すしか無いらしいが、覚者の場合命数が減るだけで済む。そのことを古妖側が理解できずにバグを起こし、次の状態に移れなくなるそうだ。
今回はその役目を担うことになる。
「…………ぽえー」
この古妖が人々の害にならぬように、いざゆけファイヴ覚者たちよ!
蒐囚壁財団から要請。
内容は怪異(古妖)の再収容への協力。
具体的には、家に入ってド変態になって裏切る仲間をボコボコにすることである。
●
「…………」
ユアワ・ナビ子(nCL2000122)は虚空を見つめたままぼーっとしていた。
なんでも、ある古妖が野放しになっているので人々に危害が加わらないように閉鎖し、周辺地域ごと収容しようという計画があるらしい。
古妖『裏切り者の家』。ぱっと見は閑静な住宅街にありそうな3LDK二階建の一軒家であるがしかし、家に入った者の精神を犯してド変態にした挙げ句一緒に家へ入ってきた人に襲いかかるというとんでもねー古妖なのだ。古妖なんだねこれも。
こまっかい説明は省くが、一応9人全員で家に入って暫く過ごさないとダメらしい。裏技的なことや家の境界線をどうのこうのする実験は昔に行なわれていて、蒐囚壁財団は『ほんと悪いこと言わないからやめたほうがいい』と言っている。
ド変態になってしまった人はもう殺すしか無いらしいが、覚者の場合命数が減るだけで済む。そのことを古妖側が理解できずにバグを起こし、次の状態に移れなくなるそうだ。
今回はその役目を担うことになる。
「…………ぽえー」
この古妖が人々の害にならぬように、いざゆけファイヴ覚者たちよ!

■シナリオ詳細
■成功条件
1.2人ほどド変態になる
2.ド変態をボコす
3.なし
2.ド変態をボコす
3.なし
まずは心理戦を楽しみつつ参加枠の旗取りゲームをお楽しみください。
●ド変態について
精神的に抵抗すればするほど酷いことになるという研究結果が出ているそうです。
いっそプレイングでド変態になっておくとダメージを減らせるでしょう。りすくへっじだね。しってる。
なお、最もクレイジーにキレッキレだった人にはMVPを差し上げます。
あと最悪家屋が倒壊しても明日には元に戻ってるらしいので、気にしないで大丈夫だそうです。
収容方法は家の周囲1メートルをコンクリートと鉄板の壁で覆い、尚且つ周囲3キロメートルを有毒な化学汚染区域だと偽って人を半永久的に遠ざけます。蒐囚壁財団には覚者がロクにいないため、ファイヴの協力という形でこのたび再収容計画が立った模様です。
状態
完了
完了
報酬モルコイン
金:0枚 銀:0枚 銅:3枚
金:0枚 銀:0枚 銅:3枚
相談日数
6日
6日
参加費
100LP[+予約50LP]
100LP[+予約50LP]
参加人数
8/8
8/8
公開日
2016年07月17日
2016年07月17日
■メイン参加者 8人■

●ここからは健全で常識的かつ一般的なごく普通の依頼をお届け――スルカヨォ! ピャー!
「コワイネー」
「落ち着け、まだ皆の心情や意気込みをコピペして登場キャラを紹介するパートだから何もされウワアアアアアアアア!」
「コワ――カノシマアアアアアアアアアア!」
『おっぱい天使』シルフィア・カレード(CL2000215)に両足を持って引きずられていく鹿ノ島・遥(CL2000227)。
「フフーフ! 今日はイケナイ課外授業よ! PTAも教育委員会も法廷すらも私を止められないわ! 一時間目の課目は『性感帯』!」
「助けてくれえええええええ!」
地面をひっかいてもがく遥を、『探偵見習い』工藤・奏空(CL2000955)ががっしりと掴んで止める。
「やめてやってくれ! そいつは生のオッパイを見ると種がなくなっちゃうんだ!」
「種なんて搾り取ってあげるわよ!」
「ダメだこの人もう頭がヤられる! こうなったら力尽くでやるしかない! 頼んだぞ俺の前世!」
目をカッと開く奏空。彼の脳裏では折り鶴のバイトしてる忍者のおっさんが『今仕事中だから』ってジェスチャーをした。
「ちくしょおおおおおお!」
「奏空さん、手を離さないで!」
後ろからがっしりと肩を掴んだ『スーパー事務員』田中 倖(CL2001407)。
「事務員さん! まさか……変態になってないのか!?」
「当然!」
眼鏡を光らせ、倖は頷いた。
「僕には想い人がいるのです。たった一度言葉を交わし、たった一度まみえただけのあの人を想えば、僕はあなたにセーラー服を着せることも辞さない!」
「事務員さん前半と後半で言ってること全然ちがっ――ウワアアアアアアアアア!」
「ハアアアッ、事務員ダイナマイツ!」
倖は奏空のシャツに指をかけると、内側からバリバリと服を引きちぎった。
「からの――事務員早き替え!」
倖は両腕を急に九本くらいに(残像で)増やすと奏空の服装をセーラー服にチェンジさせた。
「これが……俺……!?」
姿見に映し出された自分の姿にキュンと……。
「なってたまるかー!」
ソッコーでセーラー服を脱ぎ捨てる。
と、その下から現われたのはスクール水着(旧式)。
セーラー服の脱げかけたシャツとスカートがそのまま残ったせいでとんでもないドスケベなコスチュームと化していた。
倖はニヤリと笑って眼鏡を押し上げた。
「計算通り」
「うがー!」
奏空は倖にバックドロップをかけると、懐から荒縄を取り出した。
「亮平さん直伝、亀甲縛りをくらえー!」
「ウワアアアアアアアア!」
倖を上下左右にぐるぐる巻いて天井から吊るす奏空。
すちゃっと着地し、振り返った。
「遥、無事か!」
「むきゅう……」
シルフィア先生のたわわな果実が遥を飲み込んでいた。具体的には挟んでいた。
開放され、崩れ落ちる遥。
血(鼻血)の池に転がる彼を、奏空は慌てて抱え起こした。
「奏空……オレ……ダメだったよ……」
「遥ァ!」
「掌底、しようとしたんだ。けど……衝撃が、全部吸収されて……」
「もういい、喋るな!」
「でも、大丈夫だった。俺の種……生で、イけたよ……がくっ」
「キャノシマアアアアアアアアア!」
奏空の叫びは、3LDKのリビングにこだました(挿絵申請をお待ちしております)。
●今日はこのノリが最後まで続く
「くっ、遅かった……ノブレス・オブリージュが……」
『星護の騎士』天堂・フィオナ(CL2001421)は崩れ落ちる遥とあられもない奏空を目にして、がくりと肩を落とした。
『説明しよう。ノブレブ・オブリージュとは池袋の裏通りに存在する同人誌専門の店が並ぶエリアのことである。フィオナさんは毎週ここへ通ってはBL本を漁って帰る趣味が――』
「くせものォ!」
後ろで嘘解説をしていた倖(亀甲縛り)に回し蹴りを繰り出すフィオナ。
倖は『ケケーッ!』とか鳴きながら飛び退いた。
「おっとイタズラはそこまでよ。学校にこんなモノ……持ち込んで来ちゃダメでしょ」
背後で囁くシル先生。谷間にエロ本を挟み込み、器用にぱたぱたさせた。
「囲まれた!? いや違う、ここは学校ではないしそれは変態避けに持ってきたもので庭に不法投棄されていたものを」
「『あっだめ、だめよ、夫が帰ってきちゃう。嫌がるのぶ代が押さえたショーツは既に足から半分ほど抜け』」
「三石琴乃みたいな声で音読するなー!」
フィオナの繰り出した剣突撃はしかし、回り込んだ倖の繰り出した『あるモノ』によって制止した。
「くっ……卑怯、だぞ……」
剣先が震え、それ以上進まない。
その先にあったのは『鬼籍あるいは奇跡』御影・きせき(CL2001110)。
否、後ろ手に縛られたゴスロリドレス姿のきせききゅんがモジモジしていた。
「や……やめてよっ……ぼく、男の子だよ……? こんな服……着たくないよ……」
「ウワアアアアアアアアアアア!」
あまりの尊さに目をやられたフィオナが剣を取り落として目を覆った。
「動かないでくださいね。動けばきせきさんの服をゆっくりと切り裂いて脱がせますよ。上からね……!」
「なんでそんなことするの? ぼく男の子なんだから、そんなことしても意味ないよ? な、なんで……?」
「ウワアアアアアアアアアアアア!」
「今です!(神谷浩史の声で)」
「ッシャアアアア!(三石琴乃の声で)」
フィオナに飛びかかったシルフィアと倖。
残像を残す勢いで彼女をゴスロリ衣装(きせきとおそろい)に仕立て上げると、シル先がソファの上に組み伏せた。(挿絵申請をお待ちしております)
「く……こ、ころせぇ!」
「殺さないわ。じっくりとなで回してア・ゲ――」
「そこです」
素早く手刀を叩き込んだ『スピードスター』柳 燐花(CL2000695)によって、シル先はがっくりと気を失った。
無限の谷間に埋まったフィオナがもがもがしながら這い出てくる。
「た、たすかった……」
「どうやら先生がたは酩酊されているご様子。お水でも持ってきましょうか」
「あ、ああ……うん……」
生返事するフィオナに燐花は頷き、キッチンへと向かった。
と、その直後、クローゼット扉が観音開きして中から『くれないのそら』七墜 昨良(CL2000077)が現われた。片手にビデオカメラを構えてである。
「よし、いい映像がとれた。これが変態の資料か……ん?」
周囲を見回す昨良。視界にいるのは奏空と遥とフィオナときせき……のみである。
「あの二人はどこへ?」
●朗報:まだ半分
キッチンへ訪れた燐花は、点灯しない電気スイッチに眉をしかめていた。
「故障ですか。仕方ありませんね」
真っ暗闇ということはない。目をこらせば食器棚や蛇口の位置は分かるだろう。
スムーズな足取りで棚へ向かう燐花。扉を開き、グラスを一つ取り出す。
棚の中に詰まって彼女を凝視する田中事務員には気づかない。
手探りで蛇口を探す。
ぴちゃんという水滴の音がして、ここかと手を伸ばし……触れたのは柔らかいボール状の物体だった。
「おや? これは……」
パッと電気がつき、目の前にはボンテージ姿のシル先が立っていた。
「ゲーハハハー!! ツカマエタァー!」
両手をがしりとホールドされ、釣り上げられる燐花。
その背後からは田中事務員がハァハァいいながら接近してくる。
ヤられる!
「く、だ……だれかっ……!」
燐花の手から、グラスがこぼれ落ちた。
三年後。じゃなかった三分後。
帰りの遅い燐花の様子をと見に来た昨良は、キッチンのカーペットにうずくまる燐花の姿に足を止めた。
ピーチジョンで買うのかなって感じのゴスロリ風ベビードールを纏った燐花をご想像頂きたい。
あとそれを前に真顔でカメラの連写スイッチを押しっぱなしにする昨良もご想像頂きたい。
あと挿絵申請をお待ちしております。
「なぜ私に着せたのでしょう。他の皆さんのほうがずっとお似合いになると思うのですが」「うんうんそうだね。所でスカートの裾をたくしあげてもらっていいかな」
「なぜ?」
●秘技、プレイングを序盤で使い切ることでアドリブのいいわけをつくるの術
「くっ、なんだこのドレスは! まるで婦女子じゃないか! 騎士たる私になんたる辱め……!」
「えっと、そんなことないよ……似合うよ? うん」
スク水の上に乱れたセーラー服という犯罪臭しかない格好をした奏空が、なぐさめるようなことを言い出した。
「大丈夫だよ、ぼくがみんなのこと、まもるからね!」
ゴスロリ服を着込んだきせきが笑顔でガッツポーズととった。
「「ウワアアアアアアアアアアア!」」
尊さに目が焼かれるフィオナと奏空。
「安心しろ皆! オレたちが先生たちを倒せばいいんだ! 二人ともこの家のどこかにいるはず。見つけ出して集中攻撃だぜ!」
遥がマッパで言った。
無反応の奏空。
無反応のきせき。
無反応のフィオナ。
無反応の燐花。
撮影中の昨良。
「ウワアアアアアアアアアアアアアアアアアア!」
手近なエロ本で股間を隠す遥。
「い、いつのまに!」
「ごめん、実は冒頭からなんだ。言い出せなかった」
「うそだろ!?」
「見た限り、リビングに潜んでいる可能性はなさそうです。室内は狭いですから戦闘の混乱を避けるべく女子は一階バスルーム。男子は二階の寝室を探索してください」
「うわーもっともそうなりゆー」
「ねえオレに無反応で話進めるのやめてくんね?」
「フィオナさん、きみは女子だろう。一階だ」
「おっとそうだったな。すまない」
「ねえだれか服かして?」
「おい遥これやるよ」
「たすかった!」
かくして、中高生たちは男女に分かれて変態の館を探索することになったのだった。
一階バスルーム周辺。
カメラを構えた昨良を最後尾に、燐花とフィオナが周囲を警戒しながら脱衣所のドアを開けた。
そこには誰も居ない。
頷きあい、バスルームの扉に手をかける。
一旦。一旦冷静に考えて頂きたい。
もしここで変態化した人のどちらかが出るとしたらシルフィア先生だろう。女子生徒をバスルームに引き入れて霧の多い空間でなで回そうとするシルフィア先生とそれに対抗する女子たち。比較的倫理的でアニメ化しても怒られないシチュエーションである。
間違ってもここで田中事務員がマッパ(亀甲縛り)で現われて女子中学生三人に襲いかかったらただの事件である。犯罪である。アニメ放送中止である。
だからこの後の展開がひよっても決して私がわるいわけじゃな……な……な……
「ヤッタアアアアアアア女子中学生ダアアアアアアアアアアアア!」
バスルームの扉をサイ○クラッシャーで突き破ってマッパ(亀甲縛り)の田中事務員が飛び出してきた。
最初の狙いはまだ毒牙にかかっていない昨良だ。
庇おうと割り込んできたフィオナと燐花にお姫様みたいな甘ロリ風キャミワンピにマッハ着替えさせたかと思うと、二人をすりぬけて昨良へと襲いかかった。
「キシャシャシャシャシャ! 何を着せましょうかねえ!」
「いいだろう、可愛いのは好きだ。喜んで着よう。ただし……」
昨良は自らショーツを脱ぐと、田中の目の前で引き裂いた。
頭からはらはらとまくように捨てる。
「これは渡さない。布片でもかぶるがいいさ」
「おっと失礼」
田中はご飯をもったお茶碗を取り出すと、布片をふりかけてから醤油をひとたらしした。
「イタダキマァス!」
目の前で自分のパンツを喰われるという事態に遭遇した昨良は。
「…………」
ただ黙ってカメラを回していた。
一方二階のベッドルーム。
「きせき、お前は後ろ。奏空は横な。俺は前を警戒するから」
遥はマッパにスカートのみという犯罪でしかない格好で、空手の構えを維持したままじりじり寝室へと侵入した。
目をこらすと、ベッドが人型に盛り上がっている。
『いたぞ』とハンドサインを出す遥。
小首を傾げるきせき。
小首を傾げる奏空。
遥は諦めて声に出した。
「いたぞ、あれだ」
「ぐっすり眠ってるんだね。起こしてあげようよ」
きせき(ゴスロリ)がとてとて駆け寄って、布団のもりあがりを揺すった。
「おきて先生! 正気に戻って、お家にかえろう?」
やがて布団がずり落ち、盛り上がりの中身であった『丸めた布団』が床に転がった。
「しまった! 先生はどこに……!」
周囲を見回す遥と奏空。
その頭上。天井に張り付いていたシル先(マイクロビキニ)がキエーといって動き出した。
電気コードを掴んだまま足を振り下ろし、奏空の首をがしっと足でホールドしたかと思うとそのまま天井へかっさらっていったのだ。
「ウワアアアアアアア助けてくれえええええええええええ!」
「ケアレスミスはだーめっ。教えたでしょう先生。そんなうっかり生徒には補習の時間よ!」
奏空のスク水(旧式)を引き裂くと、ベッドの上に放り投げた。
仰向けにベッドインする奏空にがっつりマウントをとるシル先。
「フフーフ、今からこのリプレイは18禁になりマース!」
「だめだ先生! 自我と口調を取り戻して! リプレイが公開停止になる!」
「知るかァ! 今日からこれはオネショタPBWエロタナルにテコ入れ変更されるのよ!」
「やめてせんせー!」
きせき必死のボディタックル。
腰にがつんと食らったシル先はぐええと言ってベッドから転げ落ちたまたま落ちてた壺に頭をぶつけて気絶した。
「でかしたきせき! よっしゃああとはオレが男のプライドが傷付けられた恨みを事務員さんにぶつけてやる! 眼鏡割ってやる!」
「ぷぷ……マッパにスカート……ぷぷっ……!」
「お前がやらせたんだろー!」
奏空をベッドから蹴り落としてシル先の文鎮代わりにすると、遥は一階へと駆け下りた。
「事務員さんはどこだ!」
「ここだよ」
昨良がカメラ片手に指さすは、リビングの中央。
電気コードから逆さ吊りになってギャグボールのはまった田中事務員(亀甲縛り)が白目を剥いて気絶していた(挿絵申請をお待ちしておりません)。
そのそばではきゃわいー格好したフィオナが地面に『きし』って何度もかきながらいじけていた。
「それは?」
「さあ。何かプライドが傷ついたようで」
燐花はけろっとしているが、その格好でけろっとされるとこっちが困る。ちょっと透けてるから困る。
遥はスカートの上から股間をおさえ前屈みになって目をそらした。
「よ、よし。じゃあ……そろそろ……出ようか」
「出たいんですか?」
「出る! もう出る!」
「いいじゃないかもっと撮影させたまい。ほらスカートたくしあげて」
「嫌だ! いくいくいぐぅーう!」
首をぶんぶん降り回して玄関のドアをガチャガチャやる遥。
そこへ、気絶したシル先を抱えたきせきや奏空たちもやってきた。
がちゃんと音を立てて鍵が開き、遥は野外へと転がり出た。
こうして、古妖『裏切り者の家』は無事収容された。
覚者たちの記録は昨良の撮影した映像や画像として残され、個人で楽しむはずだったそのDVDはなんでか知らんが定期的に『こもれび』の棚に抜いても抜いても補充されたそうな。
バグを起こされ収容された古妖の、せめてもの抵抗だったように思えなくも無い。
「コワイネー」
「落ち着け、まだ皆の心情や意気込みをコピペして登場キャラを紹介するパートだから何もされウワアアアアアアアア!」
「コワ――カノシマアアアアアアアアアア!」
『おっぱい天使』シルフィア・カレード(CL2000215)に両足を持って引きずられていく鹿ノ島・遥(CL2000227)。
「フフーフ! 今日はイケナイ課外授業よ! PTAも教育委員会も法廷すらも私を止められないわ! 一時間目の課目は『性感帯』!」
「助けてくれえええええええ!」
地面をひっかいてもがく遥を、『探偵見習い』工藤・奏空(CL2000955)ががっしりと掴んで止める。
「やめてやってくれ! そいつは生のオッパイを見ると種がなくなっちゃうんだ!」
「種なんて搾り取ってあげるわよ!」
「ダメだこの人もう頭がヤられる! こうなったら力尽くでやるしかない! 頼んだぞ俺の前世!」
目をカッと開く奏空。彼の脳裏では折り鶴のバイトしてる忍者のおっさんが『今仕事中だから』ってジェスチャーをした。
「ちくしょおおおおおお!」
「奏空さん、手を離さないで!」
後ろからがっしりと肩を掴んだ『スーパー事務員』田中 倖(CL2001407)。
「事務員さん! まさか……変態になってないのか!?」
「当然!」
眼鏡を光らせ、倖は頷いた。
「僕には想い人がいるのです。たった一度言葉を交わし、たった一度まみえただけのあの人を想えば、僕はあなたにセーラー服を着せることも辞さない!」
「事務員さん前半と後半で言ってること全然ちがっ――ウワアアアアアアアアア!」
「ハアアアッ、事務員ダイナマイツ!」
倖は奏空のシャツに指をかけると、内側からバリバリと服を引きちぎった。
「からの――事務員早き替え!」
倖は両腕を急に九本くらいに(残像で)増やすと奏空の服装をセーラー服にチェンジさせた。
「これが……俺……!?」
姿見に映し出された自分の姿にキュンと……。
「なってたまるかー!」
ソッコーでセーラー服を脱ぎ捨てる。
と、その下から現われたのはスクール水着(旧式)。
セーラー服の脱げかけたシャツとスカートがそのまま残ったせいでとんでもないドスケベなコスチュームと化していた。
倖はニヤリと笑って眼鏡を押し上げた。
「計算通り」
「うがー!」
奏空は倖にバックドロップをかけると、懐から荒縄を取り出した。
「亮平さん直伝、亀甲縛りをくらえー!」
「ウワアアアアアアアア!」
倖を上下左右にぐるぐる巻いて天井から吊るす奏空。
すちゃっと着地し、振り返った。
「遥、無事か!」
「むきゅう……」
シルフィア先生のたわわな果実が遥を飲み込んでいた。具体的には挟んでいた。
開放され、崩れ落ちる遥。
血(鼻血)の池に転がる彼を、奏空は慌てて抱え起こした。
「奏空……オレ……ダメだったよ……」
「遥ァ!」
「掌底、しようとしたんだ。けど……衝撃が、全部吸収されて……」
「もういい、喋るな!」
「でも、大丈夫だった。俺の種……生で、イけたよ……がくっ」
「キャノシマアアアアアアアアア!」
奏空の叫びは、3LDKのリビングにこだました(挿絵申請をお待ちしております)。
●今日はこのノリが最後まで続く
「くっ、遅かった……ノブレス・オブリージュが……」
『星護の騎士』天堂・フィオナ(CL2001421)は崩れ落ちる遥とあられもない奏空を目にして、がくりと肩を落とした。
『説明しよう。ノブレブ・オブリージュとは池袋の裏通りに存在する同人誌専門の店が並ぶエリアのことである。フィオナさんは毎週ここへ通ってはBL本を漁って帰る趣味が――』
「くせものォ!」
後ろで嘘解説をしていた倖(亀甲縛り)に回し蹴りを繰り出すフィオナ。
倖は『ケケーッ!』とか鳴きながら飛び退いた。
「おっとイタズラはそこまでよ。学校にこんなモノ……持ち込んで来ちゃダメでしょ」
背後で囁くシル先生。谷間にエロ本を挟み込み、器用にぱたぱたさせた。
「囲まれた!? いや違う、ここは学校ではないしそれは変態避けに持ってきたもので庭に不法投棄されていたものを」
「『あっだめ、だめよ、夫が帰ってきちゃう。嫌がるのぶ代が押さえたショーツは既に足から半分ほど抜け』」
「三石琴乃みたいな声で音読するなー!」
フィオナの繰り出した剣突撃はしかし、回り込んだ倖の繰り出した『あるモノ』によって制止した。
「くっ……卑怯、だぞ……」
剣先が震え、それ以上進まない。
その先にあったのは『鬼籍あるいは奇跡』御影・きせき(CL2001110)。
否、後ろ手に縛られたゴスロリドレス姿のきせききゅんがモジモジしていた。
「や……やめてよっ……ぼく、男の子だよ……? こんな服……着たくないよ……」
「ウワアアアアアアアアアアア!」
あまりの尊さに目をやられたフィオナが剣を取り落として目を覆った。
「動かないでくださいね。動けばきせきさんの服をゆっくりと切り裂いて脱がせますよ。上からね……!」
「なんでそんなことするの? ぼく男の子なんだから、そんなことしても意味ないよ? な、なんで……?」
「ウワアアアアアアアアアアアア!」
「今です!(神谷浩史の声で)」
「ッシャアアアア!(三石琴乃の声で)」
フィオナに飛びかかったシルフィアと倖。
残像を残す勢いで彼女をゴスロリ衣装(きせきとおそろい)に仕立て上げると、シル先がソファの上に組み伏せた。(挿絵申請をお待ちしております)
「く……こ、ころせぇ!」
「殺さないわ。じっくりとなで回してア・ゲ――」
「そこです」
素早く手刀を叩き込んだ『スピードスター』柳 燐花(CL2000695)によって、シル先はがっくりと気を失った。
無限の谷間に埋まったフィオナがもがもがしながら這い出てくる。
「た、たすかった……」
「どうやら先生がたは酩酊されているご様子。お水でも持ってきましょうか」
「あ、ああ……うん……」
生返事するフィオナに燐花は頷き、キッチンへと向かった。
と、その直後、クローゼット扉が観音開きして中から『くれないのそら』七墜 昨良(CL2000077)が現われた。片手にビデオカメラを構えてである。
「よし、いい映像がとれた。これが変態の資料か……ん?」
周囲を見回す昨良。視界にいるのは奏空と遥とフィオナときせき……のみである。
「あの二人はどこへ?」
●朗報:まだ半分
キッチンへ訪れた燐花は、点灯しない電気スイッチに眉をしかめていた。
「故障ですか。仕方ありませんね」
真っ暗闇ということはない。目をこらせば食器棚や蛇口の位置は分かるだろう。
スムーズな足取りで棚へ向かう燐花。扉を開き、グラスを一つ取り出す。
棚の中に詰まって彼女を凝視する田中事務員には気づかない。
手探りで蛇口を探す。
ぴちゃんという水滴の音がして、ここかと手を伸ばし……触れたのは柔らかいボール状の物体だった。
「おや? これは……」
パッと電気がつき、目の前にはボンテージ姿のシル先が立っていた。
「ゲーハハハー!! ツカマエタァー!」
両手をがしりとホールドされ、釣り上げられる燐花。
その背後からは田中事務員がハァハァいいながら接近してくる。
ヤられる!
「く、だ……だれかっ……!」
燐花の手から、グラスがこぼれ落ちた。
三年後。じゃなかった三分後。
帰りの遅い燐花の様子をと見に来た昨良は、キッチンのカーペットにうずくまる燐花の姿に足を止めた。
ピーチジョンで買うのかなって感じのゴスロリ風ベビードールを纏った燐花をご想像頂きたい。
あとそれを前に真顔でカメラの連写スイッチを押しっぱなしにする昨良もご想像頂きたい。
あと挿絵申請をお待ちしております。
「なぜ私に着せたのでしょう。他の皆さんのほうがずっとお似合いになると思うのですが」「うんうんそうだね。所でスカートの裾をたくしあげてもらっていいかな」
「なぜ?」
●秘技、プレイングを序盤で使い切ることでアドリブのいいわけをつくるの術
「くっ、なんだこのドレスは! まるで婦女子じゃないか! 騎士たる私になんたる辱め……!」
「えっと、そんなことないよ……似合うよ? うん」
スク水の上に乱れたセーラー服という犯罪臭しかない格好をした奏空が、なぐさめるようなことを言い出した。
「大丈夫だよ、ぼくがみんなのこと、まもるからね!」
ゴスロリ服を着込んだきせきが笑顔でガッツポーズととった。
「「ウワアアアアアアアアアアア!」」
尊さに目が焼かれるフィオナと奏空。
「安心しろ皆! オレたちが先生たちを倒せばいいんだ! 二人ともこの家のどこかにいるはず。見つけ出して集中攻撃だぜ!」
遥がマッパで言った。
無反応の奏空。
無反応のきせき。
無反応のフィオナ。
無反応の燐花。
撮影中の昨良。
「ウワアアアアアアアアアアアアアアアアアア!」
手近なエロ本で股間を隠す遥。
「い、いつのまに!」
「ごめん、実は冒頭からなんだ。言い出せなかった」
「うそだろ!?」
「見た限り、リビングに潜んでいる可能性はなさそうです。室内は狭いですから戦闘の混乱を避けるべく女子は一階バスルーム。男子は二階の寝室を探索してください」
「うわーもっともそうなりゆー」
「ねえオレに無反応で話進めるのやめてくんね?」
「フィオナさん、きみは女子だろう。一階だ」
「おっとそうだったな。すまない」
「ねえだれか服かして?」
「おい遥これやるよ」
「たすかった!」
かくして、中高生たちは男女に分かれて変態の館を探索することになったのだった。
一階バスルーム周辺。
カメラを構えた昨良を最後尾に、燐花とフィオナが周囲を警戒しながら脱衣所のドアを開けた。
そこには誰も居ない。
頷きあい、バスルームの扉に手をかける。
一旦。一旦冷静に考えて頂きたい。
もしここで変態化した人のどちらかが出るとしたらシルフィア先生だろう。女子生徒をバスルームに引き入れて霧の多い空間でなで回そうとするシルフィア先生とそれに対抗する女子たち。比較的倫理的でアニメ化しても怒られないシチュエーションである。
間違ってもここで田中事務員がマッパ(亀甲縛り)で現われて女子中学生三人に襲いかかったらただの事件である。犯罪である。アニメ放送中止である。
だからこの後の展開がひよっても決して私がわるいわけじゃな……な……な……
「ヤッタアアアアアアア女子中学生ダアアアアアアアアアアアア!」
バスルームの扉をサイ○クラッシャーで突き破ってマッパ(亀甲縛り)の田中事務員が飛び出してきた。
最初の狙いはまだ毒牙にかかっていない昨良だ。
庇おうと割り込んできたフィオナと燐花にお姫様みたいな甘ロリ風キャミワンピにマッハ着替えさせたかと思うと、二人をすりぬけて昨良へと襲いかかった。
「キシャシャシャシャシャ! 何を着せましょうかねえ!」
「いいだろう、可愛いのは好きだ。喜んで着よう。ただし……」
昨良は自らショーツを脱ぐと、田中の目の前で引き裂いた。
頭からはらはらとまくように捨てる。
「これは渡さない。布片でもかぶるがいいさ」
「おっと失礼」
田中はご飯をもったお茶碗を取り出すと、布片をふりかけてから醤油をひとたらしした。
「イタダキマァス!」
目の前で自分のパンツを喰われるという事態に遭遇した昨良は。
「…………」
ただ黙ってカメラを回していた。
一方二階のベッドルーム。
「きせき、お前は後ろ。奏空は横な。俺は前を警戒するから」
遥はマッパにスカートのみという犯罪でしかない格好で、空手の構えを維持したままじりじり寝室へと侵入した。
目をこらすと、ベッドが人型に盛り上がっている。
『いたぞ』とハンドサインを出す遥。
小首を傾げるきせき。
小首を傾げる奏空。
遥は諦めて声に出した。
「いたぞ、あれだ」
「ぐっすり眠ってるんだね。起こしてあげようよ」
きせき(ゴスロリ)がとてとて駆け寄って、布団のもりあがりを揺すった。
「おきて先生! 正気に戻って、お家にかえろう?」
やがて布団がずり落ち、盛り上がりの中身であった『丸めた布団』が床に転がった。
「しまった! 先生はどこに……!」
周囲を見回す遥と奏空。
その頭上。天井に張り付いていたシル先(マイクロビキニ)がキエーといって動き出した。
電気コードを掴んだまま足を振り下ろし、奏空の首をがしっと足でホールドしたかと思うとそのまま天井へかっさらっていったのだ。
「ウワアアアアアアア助けてくれえええええええええええ!」
「ケアレスミスはだーめっ。教えたでしょう先生。そんなうっかり生徒には補習の時間よ!」
奏空のスク水(旧式)を引き裂くと、ベッドの上に放り投げた。
仰向けにベッドインする奏空にがっつりマウントをとるシル先。
「フフーフ、今からこのリプレイは18禁になりマース!」
「だめだ先生! 自我と口調を取り戻して! リプレイが公開停止になる!」
「知るかァ! 今日からこれはオネショタPBWエロタナルにテコ入れ変更されるのよ!」
「やめてせんせー!」
きせき必死のボディタックル。
腰にがつんと食らったシル先はぐええと言ってベッドから転げ落ちたまたま落ちてた壺に頭をぶつけて気絶した。
「でかしたきせき! よっしゃああとはオレが男のプライドが傷付けられた恨みを事務員さんにぶつけてやる! 眼鏡割ってやる!」
「ぷぷ……マッパにスカート……ぷぷっ……!」
「お前がやらせたんだろー!」
奏空をベッドから蹴り落としてシル先の文鎮代わりにすると、遥は一階へと駆け下りた。
「事務員さんはどこだ!」
「ここだよ」
昨良がカメラ片手に指さすは、リビングの中央。
電気コードから逆さ吊りになってギャグボールのはまった田中事務員(亀甲縛り)が白目を剥いて気絶していた(挿絵申請をお待ちしておりません)。
そのそばではきゃわいー格好したフィオナが地面に『きし』って何度もかきながらいじけていた。
「それは?」
「さあ。何かプライドが傷ついたようで」
燐花はけろっとしているが、その格好でけろっとされるとこっちが困る。ちょっと透けてるから困る。
遥はスカートの上から股間をおさえ前屈みになって目をそらした。
「よ、よし。じゃあ……そろそろ……出ようか」
「出たいんですか?」
「出る! もう出る!」
「いいじゃないかもっと撮影させたまい。ほらスカートたくしあげて」
「嫌だ! いくいくいぐぅーう!」
首をぶんぶん降り回して玄関のドアをガチャガチャやる遥。
そこへ、気絶したシル先を抱えたきせきや奏空たちもやってきた。
がちゃんと音を立てて鍵が開き、遥は野外へと転がり出た。
こうして、古妖『裏切り者の家』は無事収容された。
覚者たちの記録は昨良の撮影した映像や画像として残され、個人で楽しむはずだったそのDVDはなんでか知らんが定期的に『こもれび』の棚に抜いても抜いても補充されたそうな。
バグを起こされ収容された古妖の、せめてもの抵抗だったように思えなくも無い。
■シナリオ結果■
成功
■詳細■
MVP
軽傷
なし
重傷
なし
死亡
なし
称号付与
特殊成果
なし
