【古妖狩人】腐神(ホモォ)、現わる!
●
憤怒者の男がゆっくりと起き上がる。
彼は機関銃以外なにも装備していなかった。
剣も。盾も。上着も。ジーパンも。ブリーフパンツも!
あっよく見たら靴下も装備していた。
「おいおい、こいつぁネットオタクの作ったデマだと思っていたが」
「どうやら実在していたらしいな、伝説の古妖……」
もう一人の憤怒者が起き上がる、彼は機関銃以外装備していなかった。こっちは靴下すら装備していなかった。
二人は見回す。
燃えさかる家屋を。
倒れる味方のチームを。
そして見上げるのだ。
まんじゅうのようなボディから手足を生やした四足歩行のフォルムを。
其は伝説の古妖!
名は!
「ホモォォォォォォォォォオオオオオオオオオオオオオオ!!」
饅頭型の物体はぴょいーんとジャンプ、アンド、ローリング!
今風の女性にフォームチェンジしてすちゃっと着地した。
そしてカッと目を見開く。
「足りねえ、ホモが足りねえええええええ!」
アホ毛をアンテナのように立てると、周囲に謎の粉を散布し始める。
すると憤怒者たちはたちまち粉の毒気にあてられ……。
「やめろ、吸うんじゃ無い!」
「くっ、しまっ――」
「山田ァー!」
「田中、もう俺は……」
「いいんだ山田、もう喋るな」
「俺は、お前のことが……」
「言うな。分かってる、俺だって、お前を……愛しているんだ」
「すまない。でも俺、どんなに愛しても、どんなに身体を重ねても、俺、俺は……お前の子供、生んでやれない」
「山田ぁぁぁぁぁぁぁああああ!」
こうなってしまうのだ!
●
「…………………………」
久方 真由美(nCL2000003)が何も言わずに微笑んでいた。
このままだとどうしようもないので説明するが……。
昨今、F.i.V.Eの夢見は『古妖狩人』という憤怒者組織を感知した。
これは古妖を制圧ないしは恐喝して服従させ、非道な実験や兵器利用に回しているという組織だ。
なんと恐ろしき組織!
なんと非道な連中!
彼らはその活動の一環として、晴海埠頭に封印されていた古妖『腐神』を復活させてしまったのだ。
憤怒者組織は腐神の毒気にあてられ全滅、撤退した。
古妖は貯まりに貯まった情欲を発散させるべく町へと繰り出し、アホ毛から散布されるホ(モ)レ薬で町中の男たちをホモ化させてしまおうとしている!
これはピーンチ!
腐神が町へたどり着く前に、彼女のホモ欲をある程度まで満たしてお静まりいただくしかない!
いただくしかないともさ!
そう、F.i.V.Eに集いしイケメンたちの力によってなァーッ!
憤怒者の男がゆっくりと起き上がる。
彼は機関銃以外なにも装備していなかった。
剣も。盾も。上着も。ジーパンも。ブリーフパンツも!
あっよく見たら靴下も装備していた。
「おいおい、こいつぁネットオタクの作ったデマだと思っていたが」
「どうやら実在していたらしいな、伝説の古妖……」
もう一人の憤怒者が起き上がる、彼は機関銃以外装備していなかった。こっちは靴下すら装備していなかった。
二人は見回す。
燃えさかる家屋を。
倒れる味方のチームを。
そして見上げるのだ。
まんじゅうのようなボディから手足を生やした四足歩行のフォルムを。
其は伝説の古妖!
名は!
「ホモォォォォォォォォォオオオオオオオオオオオオオオ!!」
饅頭型の物体はぴょいーんとジャンプ、アンド、ローリング!
今風の女性にフォームチェンジしてすちゃっと着地した。
そしてカッと目を見開く。
「足りねえ、ホモが足りねえええええええ!」
アホ毛をアンテナのように立てると、周囲に謎の粉を散布し始める。
すると憤怒者たちはたちまち粉の毒気にあてられ……。
「やめろ、吸うんじゃ無い!」
「くっ、しまっ――」
「山田ァー!」
「田中、もう俺は……」
「いいんだ山田、もう喋るな」
「俺は、お前のことが……」
「言うな。分かってる、俺だって、お前を……愛しているんだ」
「すまない。でも俺、どんなに愛しても、どんなに身体を重ねても、俺、俺は……お前の子供、生んでやれない」
「山田ぁぁぁぁぁぁぁああああ!」
こうなってしまうのだ!
●
「…………………………」
久方 真由美(nCL2000003)が何も言わずに微笑んでいた。
このままだとどうしようもないので説明するが……。
昨今、F.i.V.Eの夢見は『古妖狩人』という憤怒者組織を感知した。
これは古妖を制圧ないしは恐喝して服従させ、非道な実験や兵器利用に回しているという組織だ。
なんと恐ろしき組織!
なんと非道な連中!
彼らはその活動の一環として、晴海埠頭に封印されていた古妖『腐神』を復活させてしまったのだ。
憤怒者組織は腐神の毒気にあてられ全滅、撤退した。
古妖は貯まりに貯まった情欲を発散させるべく町へと繰り出し、アホ毛から散布されるホ(モ)レ薬で町中の男たちをホモ化させてしまおうとしている!
これはピーンチ!
腐神が町へたどり着く前に、彼女のホモ欲をある程度まで満たしてお静まりいただくしかない!
いただくしかないともさ!
そう、F.i.V.Eに集いしイケメンたちの力によってなァーッ!

■シナリオ詳細
■成功条件
1.ホモォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォオ!
2.ホモォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォオ!
3.ホモッ、ホモオオオオオオオオオオオオオオオオオオ!!!!!
2.ホモォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォオ!
3.ホモッ、ホモオオオオオオオオオオオオオオオオオオ!!!!!
余談ですがネットで検索すると出てくるそれっぽいイラスト、あれはコラらしいですね。
とはいえ婦女子にあたる人は古来から存在していて、そういう人たちの情念は間違いなく妖怪化していた筈で、それが平成の世においてやっと形と名前を得ただけの話なんですね。すごいね妖怪。名前どころかフォルムも後付けOKだもの。
●作戦のおさらい
ホモォ「ホモはどこだあああああああああ!」
↓
憤怒者「あかん」
↓
町「あかん」
↓
F.i.V.E「俺たちがホモだ!」
↓
ホモォ「よきかな……(浄化)」
今回参加した皆さんは男だろうが女だろうが知ったこっちゃねえから全員男ってことにしてホモもしくはボーイズラブを演じて頂きます。
大体四組に分かれてトキメキシチュエーションを演じるのがベターでしょう。
「イケる!」と思ったら3ペア作ったきりで残り二人ほど見学しながら魂のイイネを溜めて頂いても構いません。カメラ回して頂いても構いません。
状況としましては、腐神は町のあるていど賑やかな所まで侵入し、必死にホモを探している所です。
ホモがいないと判断したらホモレ薬を散布してしまうので、そうならないようにシチュエーションを見せつけましょう。
状態
完了
完了
報酬モルコイン
金:0枚 銀:0枚 銅:3枚
金:0枚 銀:0枚 銅:3枚
相談日数
6日
6日
参加費
100LP[+予約50LP]
100LP[+予約50LP]
参加人数
8/8
8/8
公開日
2015年11月23日
2015年11月23日
■メイン参加者 8人■

●咲き誇れ、薔薇の園!
小鳥の飛ぶ空を見上げ、『極道【浅葱組】の若様』浅葱 枢紋(CL2000138)はベンチに浅く腰掛けていた。
背もたれに身体を預け、腕を大きく広げている。
くつろいでいるように見えるが、彼の服は破れが目立ち、寒い季節だというのに露出した肌は擦り傷やアザにまみれていた。
「無駄な時間使っちまったぜ……ったく」
自重気に笑い、身体を起こす。
足下になつく野良猫をひとなでして、彼はゆっくりと歩き始めた。
いきなりなんのモノローグが始まったのか。読むリプレイ間違えただろうか。
などとは心配めされるな。
「におう、におうわ。ホモの臭いがする……!」
草むらからケケーッとかいいながら飛び出してきた女が、四つん這いで地面に着地した。
妖怪かよ。
妖怪だよ。
妖怪腐神だよ。
空気をかぎわけながら周囲を観察すると、すかさずベンチの下に滑り込んで今し方走り去った枢紋の様子を観察した。
「あゆにぃー!」
傷だらけのままで走る枢紋。
彼は眼鏡をかけた桃色髪の青年、『イッパンジン』風織 歩人(CL2001003)へ飛ぶように抱きついた。
「会いたかったぜー!」
「おっと」
半歩のけぞりつつもキャッチする歩人。枢紋の肌に浮いた血が彼の手に触れる。
「また喧嘩したんですか」
「へへ、大丈夫だって。やっつけてきたから」
「まったく……心配かけさせないでください」
表情を変えない歩人。
屈託なく笑う枢紋。
「ごめんごめんって」
冗談で抱きついたらしい枢紋が離れようと腕の力を抜く。
しかしそれを補うように、歩人は彼の腰を引き寄せた。
「枢紋ひとりの身体じゃないんですから」
「えっ」
「心配する俺の身にも、なってください」
一時きょとんとした枢紋だったが、先刻より一層深い笑顔で、再び歩人へ抱きついた。
「へへ」
笑う彼の唇に親指を当て、右から左にぬぐっていく。
彼が噛んだであろう血が指の腹に残った。
「綺麗な肌が台無しだな」
「あゆにぃ……」
歩人は口の端だけで笑って、目をそらした。
その時、バラ色の風が吹いた。
「ウヒョオオオオオオウ! 兄貴分を慕う弟分が見せる純朴な愛情とそれに応えようとするも慣れていないせいでつい丁寧に触ってしまう心境が見せるコントラストだねぇ純愛だねえイエエエア! 愛があれば性別なんてカンケイナイヨネェ!」
四つん這いになった女が涎をまき散らしながら頭を上下に振り乱していた。
妖怪かよ。
妖怪だよ。
「よく男同士だと女はどっちにも感情移入できないなんていうけど違うんだよォ! アタシらは男同士が愛をはぐくむ部屋の観葉植物になりたいんだよォ! もしくはベッドインした彼らの掛け布団になりたいんだよォ! オォオオオン!」
ついに首をぐるぐる回転させはじめた妖怪だが、その途中でぴたりと動きが止まった。
「……」
茂みの奥からカメラを回していた『金狼』ゲイル・レオンハート(CL2000415)と目が合った。
普通、四つん這いで首を360度以上回転させている女と目が合ったらもうどうしようもないが、ゲイルは実際ハンディサイズのカメラを手に持ったまま微動だにしなかった。
「あ、どうも」
「……あ、ああ」
普通に挨拶をされ、首だけで返事するゲイル。
「ゲイル殿ォ!」
しげみの奥からジャンプで飛びだしてくる『直球勝負の田舎侍』神祈 天光(CL2001118)。
二人の間に割り居ると、刀に手をかけてゲイルを背に庇った。
「現われたでござるないまわしき古妖め。拙者のこの身この命にかえてもゲイル殿には指一本ふれさせ――」
「あ、どうぞお構いなく」
「ないでござエエエ!?」
決め台詞がキャンセルされた。
拙者めっちゃ演技の練習してきたでござるのにぃである。いやそんな言い方絶対しないが。
「『ホモを見る会』の方ですよね」
「……そう、なるかな」
そんな会ねえよと思ったが、ここで否定しても意味が無いので乗っておくゲイルである。
顔を寄せ合うゲイルと天光。
「どういうことでござろうか」
「恐らくホモを見た直後なので気持ちが清らかなんだろう」
「そういうものでござるか……」
「いい例えが思いつかないが、美味しいもので満腹の時は気分が良くなるようなものじゃないか」
「なるほど」
頷き合う二人。
「何の話デスカ」
その間にぬるっと割り込む腐神。
「いや、なんでもないでござる」
「そうで――おおっとホモの気配!」
あほ毛がビコーンと反応し、腐神はのけぞった。
それは茂みの反対側。人目に隠れた場所でのこと……。
「オホン! オッホゴホ! ゴホン!」
天明 両慈(CL2000603)は激しく咳払いしていた。
居心地が悪くてしょうが無いからだ。
このくそ寒い季節に上半身裸で下にジーンズしか履いてないってだけでも居心地は悪いが、全く同じ格好の七星絶対殺すマンじゃなくて『星狩り』一色・満月(CL2000044)が綺麗な目でこっちを見ているからだ。
「天獄村は再調査になってしまったな……今度こそ、何かを掴まなければいけない。何かをつかめるまで帰って来ないつもりで、いくぞ!」
「えっ」
「えっ」
お互いを見つめ合い、咳払いする満月。
「どうした、風邪か」
「いや、わかれ。察してくれ」
「すまんな。だがこれも依頼……」
「分かってる」
「天明、これからやるのはあくまで演技だ」
「それも分かってる。傷を浅く済ま――」
「だがやるからには、俺におぼれさせてやる」
「!?」
両慈は二度見した。
「それとも、今は両慈と呼び捨てにしたほうがいいか?」
満月は樹幹に手を突いた。
樹幹と満月。追い詰められるように挟まれた両慈は、彼の腕を見るばかりである。
「さ、さっさと始めろ」
「フッ」
薄く笑う満月。
自分の方を向かせるように両慈の顎を掴む。
「表情に動きが無いな。可愛くしたらどうだ」
「悪いが俺は、あまり笑ったことがない。嫌いか?」
「いや? だがアンタの全部が見てみたい」
満月の膝が樹幹に押し当てられた。
「これは俺のワガママか」
「……」
頬を引きつらせるようにする両慈。
うまくいかずに、彼は目をそらした。
反らした側に顔を覗き込ませる満月。
「満月」
「どうした?」
「……わかるだろう」
両慈の手はいつしか満月の背に当てられ、ゆっくりと上から下へと中指でなぞっていた。
左右非対称に笑う満月。
「行儀がなってねえなあ」
「お前こそ、ムードを理解、してほしいな……」
「知らねえな。口で欲しろ」
「くっ……」
両慈は相手の視線からも指からも逃れ、下唇を噛む。
だがその顔を、満月は強引に掴み取った。
「俺は、ノーマルだ」
「だから?」
「お前、だけは……別だ」
「だから?」
「生涯で、最初で、最後だからな」
「だから?」
「これ以上……言わせるな!」
「く、ははは!」
満月は目を見開いて笑った。
「俺以外のことを考える暇が無いほど、激しく愛してやる」
「そんな恥ずかしい台詞を、よくもはっきりと」
「そうそうに壊れるなよ?」
「壊れるのはお前だ。今夜は……」
両慈の手が満月の顎を掴んだ。
「長い夜になりそうだな」
その時、バラ色の風が吹き荒れた。
「ハァー! ハァー! ハヒィー! イイイッヒイイイイ! 尊いィイイイ! 尊いヨオオオオオオオ! 殺しテエエエエエエ! いっそ殺してエエエエエエエエエエエンヌ!」
白目を剥いた女が木の幹から逆さにぶら下がって涎を滝のように流していた。
妖怪かよ。
妖怪だよ。
一方枝の上ではゲイルと天光がカメラとカンペをそれぞれ持ってスタンバっている。
「あれは、演技なんだよな?」
「その筈でござる。しかしカンペの内容を途中から完全に無視していたでござるな」
「なぜだか見ているほうがハラハラしてくる。明日彼らの感情欄に『純愛』とか『妻』とかついてたらどうする……」
「ガチな話はやめるでござる」
「『法的には無理かもしれないが……俺と、結婚、しないか』」
「台詞を想像するのはよすでござる!」
「この話はフィクションですがフィクションでない部分もあります」
「誰でござるか今の赤い人!」
「はうあ!?」
腐神がアホ毛をびこーんと動かし、明後日の方をむいた。
「あっちから新たなホモの気配! しかし距離があ――ああああこうしちゃイラレネェ! トランスフォームッ!」
腐神はケケーッとかいってジャンプすると四つん這いの白まんじゅうみたいなバケモンに変化した。
その上に跨がるゲイルと天光。
「今行くぜエエエエエ!」
そして鎖神は凄まじいスピードで走り始めた。
「フフフフフ、フフフフーフフフフーフ! フフーフ!」
薔薇しか装備してない『身体には自信があります』明智 珠輝(CL2000634)が見返りのけぞりポーズで立っていた。
「秋人さんと、ガチデートができると聞いて!」
「…………」
「秋人さんさあマフラーを巻きましょう二人で一つのマフラーを巻き巻きしましょうねハァハァ!」
「まあ、構いませんけど……」
秋人のテンションに素のテンションを返す希有な存在。それが鈴白秋人である。
されるがままにマフラーを巻かれた秋人をベンチに座らせると、珠輝は隣にちょこんと座った。
膝に両手をぐーにして置く珠輝(E:薔薇)。
「秋人くん……今日は、寒いね」
「はい」
秋人は珠輝の手に両手をかぶせた。
「冷たくなってますね。暖めてあげましょうか」
「えっ」
乙女の目をした珠輝(E:薔薇)の手を掴み取り、そっと手の甲に口づけをする。
「や、やだっ」
慌てて手を引っ込める珠輝(E:薔薇)。
「どうしました?」
「えっと、その……ね」
膝の上で両手をもじもじさせる珠輝(E:薔薇)。
「秋人くんってさ……欲しいもの、ある?」
「ありますよ」
「それって……!」
「その前に行きたいところがあるんですが」
身を乗り出そうとする珠輝をかわすように、秋人はすっくと立ち上がった。
引き起こすように手を出す。
「一緒にどうですか」
「うん……」
頬を赤く染め、その手を取る珠輝(E:薔薇)。
繋がれた手がお互いを撫でるように絡まり、指と指が絡まっていく。
町を歩く秋人と珠輝(E:薔薇)。
ぶら下がるかのように歩人の腕へすがりつく朱門や、これからホテル(やましい意味は一切ないデスほんとデース! リョージはそんなヒトじゃないデース!)に行くようにしか見えない満月と両慈なんかとすれ違い、アーケード街を進む。
そんな彼らの後ろを、電柱や看板を伝うように何かの影が追跡していた。
電柱のかげから顔を出すゲイル。手にはカメラ。
「ここからは珠輝のスケジュールにないな。どう出る」
その上から顔を出す天光。手にはメモ。
「しかし明智殿、さすがの演技力でござる。完全に純朴な青年を演じきっているでござるな」
「えっ」
その上から顔を出す腐神。
「ワカルワカルゾォ! クリスマスを前にしてプレゼントを考えるけど一番いい贈り物が思いつかなくて本人に聞きたいけど露骨に聞くと悪いからって一歩引いてるですねわかります!」
首をぐいーっと傾げる腐神。そのままじーこじーこと回転させつつ、二人の様子を観察した。
「あそこがいいでしょう」
秋人はテラスのあるカフェを選ぶと、白い円形テーブルの前に座った。
向かい側にちょこんと座る珠輝(E:薔薇)。
秋人はあんみつを注文すると、手を組んでテーブルに肘を突いた。
「どうしたんですか。落ち着かなそうですね」
「ううん。別に、大丈夫」
膝の上で自分の指を絡ませながら目をそらす珠輝(E:薔薇)。
秋人は何か気づいたようにぽんと手を打った。
運ばれてきたあんみつを一口だけ食べた後、ひとすくいして突きだす。
「どうぞ」
「えっ」
「ひとくち」
突き出されたスプーンにはこしあんと蜜豆がのっている。
珠輝(E:薔薇)は身をゆっくりと乗り出した。
口を開け、舌を僅かに出す。
スプーンと舌の距離が近づく。
自分の吐息がスプーンへかかるのがわかる。
息を止めるように。
呑み込むように。
スプーンの下側を舌で触れ、スプーンをくわえ込んだ。
そんな彼を見下ろす秋人。
見上げる珠輝(E:薔薇)。
すぐに身を引っ込め、そっぽを向いた。
「そうだ。これ……プレゼントです」
まるで唐突に、秋人はポケットからアクセサリーを取り出した。
箱どころか包み紙もないそれは、珠輝の瞳と同じ色をした石があしらわれたチョーカーである。
高級そうな金属装飾で薔薇が施されている。
「そんなっ、プレゼントなんて……!」
「少し早いですが。クリスマスと誕生日、一緒なんでしょう?」
秋人はそういうと、立ち上がって珠輝の後ろへと回った。
後ろから首を抱くように、チョーカーをつけてやる。
両手を膝につけたまま微動だにできない珠輝(E:薔薇とチョーカー)。
「さっきの質問ですが……」
秋人は珠輝の耳に、唇を近づけた。
「えっ」
目を見開く珠輝。
その時、バラ色の風が吹いた。
「ウェッヘエエエエエエエエエエエイイ! もうガマンデキネエエエエエエエ!」
テーブル(自分)をひっくり返して腐女子フォームにチェンジすると、螺旋回転しながら秋人たちの前へと着地した。
「あれは!」
「あゆにぃ!」
ウェイターに変装していた歩人と枢紋が飛び出してくる。
「いかん!」
「くっ、構えろ!」
バスタオル姿の満月が抜刀(やましい意味はない)飛び出し、バスローブ姿の両慈がワイングラスを手に飛び出した。
彼らに囲まれ、ぎょろぎょろと見回す腐神。
円形のカフェテーブル上でブリッジした腐神は、カサカサと回転しながら彼らの顔ぶれを観察した。
「くっ……」
刀(やましい意味はないんです信じてください)を握って汗を流す満月。
もしやこれまでの演出に不満があったのか。こんな所でホ(モ)レ薬を散布されては大混乱になるぞ。
「おまえたち……」
目をカッと見開く腐神。
「まぢ……尊い」
身体をぐりんと捻ってホモォフォームにチェンジすると、背中からバラ色の翼を生やしてフワァっと天へと浮かび上がった。
「余は腐神。古来より女子の妄想を助ける妖怪であるぞ」
「急にキャラ変えてきましたね」
「時には大名同士をカップリングし、時には鉛筆と消しゴムをカップリングしてきた」
「あっよく聞いたら何も変わってない!」
「余は満腹である。ホ(モ)レ薬をまくこともあるまいて。しばし、眠るとしよう……」
そのまま天空へふわーっと上がっていく腐神。
「とりま、お盆まで!」
雲を抜けて消えていく腐神を見上げ、男たちは頷いた。
「……コ○ケ、行く気だな」
古妖『腐神』は天へと帰った。
だが彼女が消えたわけではない。
婦女子たちがアニメを見るとき、ドラマを見るとき、鉛筆を鉛筆削りに挿入するとき、腐神はそっと囁きかけるのだ。
この世は甘露にあふれているぞ、と。
小鳥の飛ぶ空を見上げ、『極道【浅葱組】の若様』浅葱 枢紋(CL2000138)はベンチに浅く腰掛けていた。
背もたれに身体を預け、腕を大きく広げている。
くつろいでいるように見えるが、彼の服は破れが目立ち、寒い季節だというのに露出した肌は擦り傷やアザにまみれていた。
「無駄な時間使っちまったぜ……ったく」
自重気に笑い、身体を起こす。
足下になつく野良猫をひとなでして、彼はゆっくりと歩き始めた。
いきなりなんのモノローグが始まったのか。読むリプレイ間違えただろうか。
などとは心配めされるな。
「におう、におうわ。ホモの臭いがする……!」
草むらからケケーッとかいいながら飛び出してきた女が、四つん這いで地面に着地した。
妖怪かよ。
妖怪だよ。
妖怪腐神だよ。
空気をかぎわけながら周囲を観察すると、すかさずベンチの下に滑り込んで今し方走り去った枢紋の様子を観察した。
「あゆにぃー!」
傷だらけのままで走る枢紋。
彼は眼鏡をかけた桃色髪の青年、『イッパンジン』風織 歩人(CL2001003)へ飛ぶように抱きついた。
「会いたかったぜー!」
「おっと」
半歩のけぞりつつもキャッチする歩人。枢紋の肌に浮いた血が彼の手に触れる。
「また喧嘩したんですか」
「へへ、大丈夫だって。やっつけてきたから」
「まったく……心配かけさせないでください」
表情を変えない歩人。
屈託なく笑う枢紋。
「ごめんごめんって」
冗談で抱きついたらしい枢紋が離れようと腕の力を抜く。
しかしそれを補うように、歩人は彼の腰を引き寄せた。
「枢紋ひとりの身体じゃないんですから」
「えっ」
「心配する俺の身にも、なってください」
一時きょとんとした枢紋だったが、先刻より一層深い笑顔で、再び歩人へ抱きついた。
「へへ」
笑う彼の唇に親指を当て、右から左にぬぐっていく。
彼が噛んだであろう血が指の腹に残った。
「綺麗な肌が台無しだな」
「あゆにぃ……」
歩人は口の端だけで笑って、目をそらした。
その時、バラ色の風が吹いた。
「ウヒョオオオオオオウ! 兄貴分を慕う弟分が見せる純朴な愛情とそれに応えようとするも慣れていないせいでつい丁寧に触ってしまう心境が見せるコントラストだねぇ純愛だねえイエエエア! 愛があれば性別なんてカンケイナイヨネェ!」
四つん這いになった女が涎をまき散らしながら頭を上下に振り乱していた。
妖怪かよ。
妖怪だよ。
「よく男同士だと女はどっちにも感情移入できないなんていうけど違うんだよォ! アタシらは男同士が愛をはぐくむ部屋の観葉植物になりたいんだよォ! もしくはベッドインした彼らの掛け布団になりたいんだよォ! オォオオオン!」
ついに首をぐるぐる回転させはじめた妖怪だが、その途中でぴたりと動きが止まった。
「……」
茂みの奥からカメラを回していた『金狼』ゲイル・レオンハート(CL2000415)と目が合った。
普通、四つん這いで首を360度以上回転させている女と目が合ったらもうどうしようもないが、ゲイルは実際ハンディサイズのカメラを手に持ったまま微動だにしなかった。
「あ、どうも」
「……あ、ああ」
普通に挨拶をされ、首だけで返事するゲイル。
「ゲイル殿ォ!」
しげみの奥からジャンプで飛びだしてくる『直球勝負の田舎侍』神祈 天光(CL2001118)。
二人の間に割り居ると、刀に手をかけてゲイルを背に庇った。
「現われたでござるないまわしき古妖め。拙者のこの身この命にかえてもゲイル殿には指一本ふれさせ――」
「あ、どうぞお構いなく」
「ないでござエエエ!?」
決め台詞がキャンセルされた。
拙者めっちゃ演技の練習してきたでござるのにぃである。いやそんな言い方絶対しないが。
「『ホモを見る会』の方ですよね」
「……そう、なるかな」
そんな会ねえよと思ったが、ここで否定しても意味が無いので乗っておくゲイルである。
顔を寄せ合うゲイルと天光。
「どういうことでござろうか」
「恐らくホモを見た直後なので気持ちが清らかなんだろう」
「そういうものでござるか……」
「いい例えが思いつかないが、美味しいもので満腹の時は気分が良くなるようなものじゃないか」
「なるほど」
頷き合う二人。
「何の話デスカ」
その間にぬるっと割り込む腐神。
「いや、なんでもないでござる」
「そうで――おおっとホモの気配!」
あほ毛がビコーンと反応し、腐神はのけぞった。
それは茂みの反対側。人目に隠れた場所でのこと……。
「オホン! オッホゴホ! ゴホン!」
天明 両慈(CL2000603)は激しく咳払いしていた。
居心地が悪くてしょうが無いからだ。
このくそ寒い季節に上半身裸で下にジーンズしか履いてないってだけでも居心地は悪いが、全く同じ格好の七星絶対殺すマンじゃなくて『星狩り』一色・満月(CL2000044)が綺麗な目でこっちを見ているからだ。
「天獄村は再調査になってしまったな……今度こそ、何かを掴まなければいけない。何かをつかめるまで帰って来ないつもりで、いくぞ!」
「えっ」
「えっ」
お互いを見つめ合い、咳払いする満月。
「どうした、風邪か」
「いや、わかれ。察してくれ」
「すまんな。だがこれも依頼……」
「分かってる」
「天明、これからやるのはあくまで演技だ」
「それも分かってる。傷を浅く済ま――」
「だがやるからには、俺におぼれさせてやる」
「!?」
両慈は二度見した。
「それとも、今は両慈と呼び捨てにしたほうがいいか?」
満月は樹幹に手を突いた。
樹幹と満月。追い詰められるように挟まれた両慈は、彼の腕を見るばかりである。
「さ、さっさと始めろ」
「フッ」
薄く笑う満月。
自分の方を向かせるように両慈の顎を掴む。
「表情に動きが無いな。可愛くしたらどうだ」
「悪いが俺は、あまり笑ったことがない。嫌いか?」
「いや? だがアンタの全部が見てみたい」
満月の膝が樹幹に押し当てられた。
「これは俺のワガママか」
「……」
頬を引きつらせるようにする両慈。
うまくいかずに、彼は目をそらした。
反らした側に顔を覗き込ませる満月。
「満月」
「どうした?」
「……わかるだろう」
両慈の手はいつしか満月の背に当てられ、ゆっくりと上から下へと中指でなぞっていた。
左右非対称に笑う満月。
「行儀がなってねえなあ」
「お前こそ、ムードを理解、してほしいな……」
「知らねえな。口で欲しろ」
「くっ……」
両慈は相手の視線からも指からも逃れ、下唇を噛む。
だがその顔を、満月は強引に掴み取った。
「俺は、ノーマルだ」
「だから?」
「お前、だけは……別だ」
「だから?」
「生涯で、最初で、最後だからな」
「だから?」
「これ以上……言わせるな!」
「く、ははは!」
満月は目を見開いて笑った。
「俺以外のことを考える暇が無いほど、激しく愛してやる」
「そんな恥ずかしい台詞を、よくもはっきりと」
「そうそうに壊れるなよ?」
「壊れるのはお前だ。今夜は……」
両慈の手が満月の顎を掴んだ。
「長い夜になりそうだな」
その時、バラ色の風が吹き荒れた。
「ハァー! ハァー! ハヒィー! イイイッヒイイイイ! 尊いィイイイ! 尊いヨオオオオオオオ! 殺しテエエエエエエ! いっそ殺してエエエエエエエエエエエンヌ!」
白目を剥いた女が木の幹から逆さにぶら下がって涎を滝のように流していた。
妖怪かよ。
妖怪だよ。
一方枝の上ではゲイルと天光がカメラとカンペをそれぞれ持ってスタンバっている。
「あれは、演技なんだよな?」
「その筈でござる。しかしカンペの内容を途中から完全に無視していたでござるな」
「なぜだか見ているほうがハラハラしてくる。明日彼らの感情欄に『純愛』とか『妻』とかついてたらどうする……」
「ガチな話はやめるでござる」
「『法的には無理かもしれないが……俺と、結婚、しないか』」
「台詞を想像するのはよすでござる!」
「この話はフィクションですがフィクションでない部分もあります」
「誰でござるか今の赤い人!」
「はうあ!?」
腐神がアホ毛をびこーんと動かし、明後日の方をむいた。
「あっちから新たなホモの気配! しかし距離があ――ああああこうしちゃイラレネェ! トランスフォームッ!」
腐神はケケーッとかいってジャンプすると四つん這いの白まんじゅうみたいなバケモンに変化した。
その上に跨がるゲイルと天光。
「今行くぜエエエエエ!」
そして鎖神は凄まじいスピードで走り始めた。
「フフフフフ、フフフフーフフフフーフ! フフーフ!」
薔薇しか装備してない『身体には自信があります』明智 珠輝(CL2000634)が見返りのけぞりポーズで立っていた。
「秋人さんと、ガチデートができると聞いて!」
「…………」
「秋人さんさあマフラーを巻きましょう二人で一つのマフラーを巻き巻きしましょうねハァハァ!」
「まあ、構いませんけど……」
秋人のテンションに素のテンションを返す希有な存在。それが鈴白秋人である。
されるがままにマフラーを巻かれた秋人をベンチに座らせると、珠輝は隣にちょこんと座った。
膝に両手をぐーにして置く珠輝(E:薔薇)。
「秋人くん……今日は、寒いね」
「はい」
秋人は珠輝の手に両手をかぶせた。
「冷たくなってますね。暖めてあげましょうか」
「えっ」
乙女の目をした珠輝(E:薔薇)の手を掴み取り、そっと手の甲に口づけをする。
「や、やだっ」
慌てて手を引っ込める珠輝(E:薔薇)。
「どうしました?」
「えっと、その……ね」
膝の上で両手をもじもじさせる珠輝(E:薔薇)。
「秋人くんってさ……欲しいもの、ある?」
「ありますよ」
「それって……!」
「その前に行きたいところがあるんですが」
身を乗り出そうとする珠輝をかわすように、秋人はすっくと立ち上がった。
引き起こすように手を出す。
「一緒にどうですか」
「うん……」
頬を赤く染め、その手を取る珠輝(E:薔薇)。
繋がれた手がお互いを撫でるように絡まり、指と指が絡まっていく。
町を歩く秋人と珠輝(E:薔薇)。
ぶら下がるかのように歩人の腕へすがりつく朱門や、これからホテル(やましい意味は一切ないデスほんとデース! リョージはそんなヒトじゃないデース!)に行くようにしか見えない満月と両慈なんかとすれ違い、アーケード街を進む。
そんな彼らの後ろを、電柱や看板を伝うように何かの影が追跡していた。
電柱のかげから顔を出すゲイル。手にはカメラ。
「ここからは珠輝のスケジュールにないな。どう出る」
その上から顔を出す天光。手にはメモ。
「しかし明智殿、さすがの演技力でござる。完全に純朴な青年を演じきっているでござるな」
「えっ」
その上から顔を出す腐神。
「ワカルワカルゾォ! クリスマスを前にしてプレゼントを考えるけど一番いい贈り物が思いつかなくて本人に聞きたいけど露骨に聞くと悪いからって一歩引いてるですねわかります!」
首をぐいーっと傾げる腐神。そのままじーこじーこと回転させつつ、二人の様子を観察した。
「あそこがいいでしょう」
秋人はテラスのあるカフェを選ぶと、白い円形テーブルの前に座った。
向かい側にちょこんと座る珠輝(E:薔薇)。
秋人はあんみつを注文すると、手を組んでテーブルに肘を突いた。
「どうしたんですか。落ち着かなそうですね」
「ううん。別に、大丈夫」
膝の上で自分の指を絡ませながら目をそらす珠輝(E:薔薇)。
秋人は何か気づいたようにぽんと手を打った。
運ばれてきたあんみつを一口だけ食べた後、ひとすくいして突きだす。
「どうぞ」
「えっ」
「ひとくち」
突き出されたスプーンにはこしあんと蜜豆がのっている。
珠輝(E:薔薇)は身をゆっくりと乗り出した。
口を開け、舌を僅かに出す。
スプーンと舌の距離が近づく。
自分の吐息がスプーンへかかるのがわかる。
息を止めるように。
呑み込むように。
スプーンの下側を舌で触れ、スプーンをくわえ込んだ。
そんな彼を見下ろす秋人。
見上げる珠輝(E:薔薇)。
すぐに身を引っ込め、そっぽを向いた。
「そうだ。これ……プレゼントです」
まるで唐突に、秋人はポケットからアクセサリーを取り出した。
箱どころか包み紙もないそれは、珠輝の瞳と同じ色をした石があしらわれたチョーカーである。
高級そうな金属装飾で薔薇が施されている。
「そんなっ、プレゼントなんて……!」
「少し早いですが。クリスマスと誕生日、一緒なんでしょう?」
秋人はそういうと、立ち上がって珠輝の後ろへと回った。
後ろから首を抱くように、チョーカーをつけてやる。
両手を膝につけたまま微動だにできない珠輝(E:薔薇とチョーカー)。
「さっきの質問ですが……」
秋人は珠輝の耳に、唇を近づけた。
「えっ」
目を見開く珠輝。
その時、バラ色の風が吹いた。
「ウェッヘエエエエエエエエエエエイイ! もうガマンデキネエエエエエエエ!」
テーブル(自分)をひっくり返して腐女子フォームにチェンジすると、螺旋回転しながら秋人たちの前へと着地した。
「あれは!」
「あゆにぃ!」
ウェイターに変装していた歩人と枢紋が飛び出してくる。
「いかん!」
「くっ、構えろ!」
バスタオル姿の満月が抜刀(やましい意味はない)飛び出し、バスローブ姿の両慈がワイングラスを手に飛び出した。
彼らに囲まれ、ぎょろぎょろと見回す腐神。
円形のカフェテーブル上でブリッジした腐神は、カサカサと回転しながら彼らの顔ぶれを観察した。
「くっ……」
刀(やましい意味はないんです信じてください)を握って汗を流す満月。
もしやこれまでの演出に不満があったのか。こんな所でホ(モ)レ薬を散布されては大混乱になるぞ。
「おまえたち……」
目をカッと見開く腐神。
「まぢ……尊い」
身体をぐりんと捻ってホモォフォームにチェンジすると、背中からバラ色の翼を生やしてフワァっと天へと浮かび上がった。
「余は腐神。古来より女子の妄想を助ける妖怪であるぞ」
「急にキャラ変えてきましたね」
「時には大名同士をカップリングし、時には鉛筆と消しゴムをカップリングしてきた」
「あっよく聞いたら何も変わってない!」
「余は満腹である。ホ(モ)レ薬をまくこともあるまいて。しばし、眠るとしよう……」
そのまま天空へふわーっと上がっていく腐神。
「とりま、お盆まで!」
雲を抜けて消えていく腐神を見上げ、男たちは頷いた。
「……コ○ケ、行く気だな」
古妖『腐神』は天へと帰った。
だが彼女が消えたわけではない。
婦女子たちがアニメを見るとき、ドラマを見るとき、鉛筆を鉛筆削りに挿入するとき、腐神はそっと囁きかけるのだ。
この世は甘露にあふれているぞ、と。
■シナリオ結果■
成功
■詳細■
MVP
なし
軽傷
なし
重傷
なし
死亡
なし
称号付与
なし
特殊成果
なし
