ダイナミックロマンとトライスフィア
【RPBT】ダイナミックロマンとトライスフィア



 ついにロボプラバトルトーナメントの準決勝まで上り詰めた彼らは、かつてない強敵と戦うことになる。
 技術面で彼らのサポートを続けてきた道頓堀が、次の対戦チームについて説明していた。

 まずチーム『双火土盾』が戦うのはチーム『ダイナミックロマン』や。
 ロボプラとしては大きすぎる戦艦クラスのロボプラを三体も投入したムチャクチャな連中や。
 せやけどムチャクチャなんは見た目だけやない。そのパワーとタフネスであらゆる敵を粉砕してきたんや。
 機動力と防衛力の二つをガッチリかみ合わせんと、このチームには勝てへんで!

 そいでもってチーム『ブレイブ』が戦うんは、『トライスフィア』。
 前回大会の優勝チームや。火力、スピード、防御に機動力。全部併せてパーフェクトなスーパーチームや。
 特に、単独でも扱いづらいようなロボプラをそれぞれの工夫で見事に連携させよる。
 このチームに勝つんは、これまで積み重ねたロボプラ技術だけやない。三人のぴったりと息の合った連携が勝利の鍵や!

 説明を終えた道頓堀は、ハチマキをぎゅっと締めて唸った。
「これを勝ち抜けば決勝戦。絶対に勝って、最後の舞台に登るんや! そのためやったら、ワイの力をなんぼでも貸すで!」


■シナリオ詳細
種別:シリーズ
難易度:普通
担当ST:八重紅友禅
■成功条件
1.両チームとも、敵チームに勝利する
2.なし
3.なし
 さあロボプラバトルトーナメントも残すところあと二回となりました。
 今回を戦い抜けば栄光の決勝戦が待っています。

●ダイナミックロマン
 戦闘ステージは大陸。つまりひらたーい地面と太陽。広い空。
・マックスフロンティア
 宇宙戦艦が人型に変形するロボプラ。もうこの時点でどうかしてるが、巨大さゆえに機動力は低い。
 腕を突っ込んで内部の砲台を乱射するティンダロスやピンポイントのバリア、超強力な主砲など火力も防御力もピカイチ。
 特攻火力の高いタフネスアタッカーらしい。ちなみにばりばりの火行。
・ダイアモンドギアー
 20cm砲4門、76cm速射砲4門、40mm機関砲8門、ポタン砲6門。という設定の武装しまくり巨大ウォーカー。陸上戦艦が人型に変形するというとんでもねー機体。
 地味に格闘戦も得意で、パンチで巨大ロボプラを粉砕したり、相手を投げ飛ばしたりなど器用な動きをたびたび見せている。中の人が体術特化型なせいとも思われる。
・超機動街区カシワリーフ
 マンション購入を検討する家族と民意が一つになった時巨大人型ロボへと変形するタワーマンション、という設定のかなりぶっ飛んだロボプラ。何をベースに誰が作ったんだよこれは。
 体術系の回復スキルが豊富で、高い体力に物を言わせて味方を庇ったり回復したりと便利なタンクチャージャー。

●トライスフィア
 ステージは宇宙コロニー。やんわり丸い市街地ベース。障害物は沢山ある。
・スルトフレイム
 オーバーテクノロジーの塊で作られたAS、という設定のロボプラ。
 安定した飛行機能と充実の火力、そして力場発生装置によって高い平均スペックをもつ機体。中の人は確実に翼人。
 高性能AIで管理された火器群を贅沢に使い、大量のミサイルやバルカン、力場砲といった武装を行使する。術式系の遠距離アタッカー。
・ホワイトサレナX
 戦艦級の重力砲を装備したEV、のようだがこの武装は通常機体の上に取り付けた追加武装の模様。本人曰く『誰も死なない優しいバージョンのサレナ』。
 主砲の火力は勿論だが、装備した銃や力場を利用したバリア、力場を利用した格闘など体術系のスキルをかなり大幅に強化している模様。あとやっぱり中の人は翼人。
・超覚醒神
 攻撃特化のアクティブと分析特化のアクセプトという二つのモードに分かれ、モードチェンジ時に逆さにひっくり返るというユニークなスタイルをもつ。
 アクセプトモードの高速エネミースキャン(行為判定成功率がきわめて高い)からのアクティブモードの弱点攻撃というコンボはかなり強力。また分析結果を仲間に伝達して特物どちらで攻撃すべきかといった戦術を即座に立ててくる危ない敵でもある。ついでに味方の回復能力も備えたオールラウンダー。

●試合出場選手について
 前回の試合と同じメンバーでなくてもかまいません。
 もし人数が足りなかった場合は道頓堀ワタルをはじめとするNPCがゲスト枠としてメンバーに加わります。
 特に希望があればNPCや行動を指定できますが、プレイングでの指定がなくてもなんとなくで合わせるのでご安心ください。
状態
完了
報酬モルコイン
金:0枚 銀:1枚 銅:0枚
(1モルげっと♪)
相談日数
7日
参加費
100LP[+予約50LP]
参加人数
5/6
公開日
2017年01月23日

■メイン参加者 5人■

『侵掠如火』
坂上 懐良(CL2000523)
『献身なる盾』
岩倉・盾護(CL2000549)
『美少女』
水端 時雨(CL2000345)

●VSダイナミックロマン
「ヒャクゲキ、出るぜ!」
 空へ飛び出し、大地へ降り立つ『百戟』鯨塚 百(CL2000332)のロボプラ『百戟頑駆・改二』。
 見事にチューンされたその機体は、太陽の光をりりしく照り返していた。
「ここへ来て欠場なんてな。前も調子悪そうだったし……ワタルさん、今度は頼むぜ!」
「まかせとき! 準決勝のためにチューンしたワイの傑作で勝負したるで! 名付けてスーパーデラックスウルトラナニワバンガクモウカリ――」
「盾護……調子悪い」
 赤土の大地に降り立った岩倉・盾護(CL2000549)あやつる『ビッグJ』が、ぐらりと片膝をついた。
 慌てた様子で送受心のラインを開いてくるダイショーグン。
「いかん、習得しきれていないパペットマスターを使い続けた影響で身体に負荷がかかっておるのか!?」
 忘れてるかもしれないからもう一回解説しておくと、ダイショーグンとはSDサイズのロボプラに宿った付喪神である。
 とある事件をきっかけに百たちのバトルセンスに着目したダイショーグンに誘われる形で、彼らはこのロボプラトーナメントバトルに参加したのだった。
 更に解説すると、古来から繰り返されてきた付喪霊大祭という付喪の長を決める祭りが時代と共に変化し続け、なんやかんやでロボプラバトルに落ち着いたというのがコトの背景である。
 優勝の暁にはダイショーグンの持つ付喪神の力を分け与えてくれるという話だが……。
「それも、この戦いに勝ってこそだ。盾護さん、頑張ろうぜ!」
「わかった……頑張る」
 立ち上がり、なんとかガッツポーズをとるビッグJ。
 そんな彼らに立ち塞がるは、通常では操りづらい巨大なロボプラだけで今大会準決勝まで上り詰めてきたチーム『ダイナミックロマン』である。
「個性的なチームのようだが、我らの雄大さに勝てるかな!?」
 大地を切り裂くように進む陸上戦艦が無理矢理なくらいべこんと曲がり、古風な巨大ロボプラへと変形する。
「ダイアモンドギアー!」
 大胆に聳え立つ巨大マンションががしがしと変形し、近代的な巨大ロボプラとなる。
「カシワリーフ!」
 更には宇宙戦艦が悠然と浮かびながら、超未来的な人型巨大ロボプラへと変形。
「マックスフロンティア!」
「「受けるがいい、三位一体ダイナミックアタック!」」
 一斉に襲いかかってくる巨大ロボプラたち。
 ビッグJはずんと前へ出ると、ビームやミサイルといった砲撃を身体で受け止め始めた。
「盾護さん!」
「今日は、動き回れない。だから……盾になる!」
 身体のあちこちに直撃した攻撃によって爆発を起こすビッグJ。
「あかん! このままじゃやられてまう! 早速やけど奥の手や! バンパクビイイイイイイイイム!」
 ビッグJを盾にしつつ、ワタルが巨大なビームを発射。
 掴みかかろうと突っ込んできたカシワリーフの腹を貫いていく。
 その一方で、ビッグJとバンパク以下略が敵のビームに包まれて爆砕。
「な、なんやて!?」
「ワタルさん! 盾護さん!」
「あとは……お願い」
 崩れ落ちるビッグJたち。
 百はあふれそうになる涙をぬぐい、気合いを入れた。
「皆が切り開いてくれた道だ。突き進むぞ、ヒャクゲキ――ゴールドモード!」
 真っ赤な表面塗装を剥離させ、黄金に輝いたヒャクゲキ。
 ギリギリまで強化したバンカーバスター『スーパーケンロクエン』を唸らせ、ダイアモンドギアーへと飛びかかる。
「くらえええええ!」
 放たれたビームバンカーはそれまでとは比べものにならないほどの巨大なエネルギービームだった。
 胸を貫かれたダイアモンドギアーは無数の爆発をおこしながら動作を停止。
「やった!」
 焼けたスーパーケンロクエンをパージし、ギャクゲキが飛び退いたその時――天空から巨大なビームが降り注いだ。
「あかん、敵の主砲や!」
「しまった……!」
 直撃を受けるヒャクゲキ……!

●VSトライスフィア
 百たちの試合の一方で、こちらも試合が行なわれていた。
 準決勝、チーム『ブレイブ』VSチーム『トライスフィア』である。
 巨大な筒状の街に下りたって、『侵掠如火』坂上 懐良(CL2000523)のHi-N-Ka(略してニューカネ)は周囲をぐるりと見回した。
「障害物の多い地形だな。相手は飛行タイプが大半らしいが……」
 広い道路に降り立る『守人刀』獅子王 飛馬(CL2001466)の獅王号。
「ホワイトサレナXは俺に任せてくれ。可能な限り張り付いていくぜ。飛行タイプ対策もバッチリだ!」
 一足遅れて、『美少女』水端 時雨(CL2000345)のスタービルドトキサメが着地。全身にごてごてと装備した大量の武装を力強くかついで見せた。
「じゃあトキサメちゃんは障害物に隠れながらいつも通り支援していくっす!」
「さあ、どっからでもかかって――」
 懐良構えたその時、彼らを取り囲むように三つの機体が飛び出してきた。
 高い機動力と移動力で飛行するホワイトサレナXとスルトフレイム。
 そしてビルの間をダッシュローラーで巧みに走り抜けてきた超覚醒神である。
「陣形を組む暇なんて与えるかよ! まずはそこの美少女ロボプラからぶっ壊すぜ! スキャンよろしく!」
「了解! 物理攻撃でガン押し推奨!」
 逆立ちして高速スキャンを仕掛ける超覚醒神。
 時雨はうひゃあと言ってビットを周囲に展開。エネルギーバリアを張り巡らせるが、そこへホワイトサレナXはミサイルのごとき加速飛行からのまさかの物理パンチで攻撃してきた。拳にバリアフィールドを纏って殴りつけるという強引な技である。
「必殺、ゲキフレアッ!」
 早速シールドを破壊された時雨は装備していた小型ユニットをそれぞれパージ。
 ユニットベータとユニットガンマのナノマシンを自分へと集中させる。
「それ以上の追撃はさせねーぞ!」
 飛馬は刀を直接ぶん投げてホワイトサレナを牽制。
 慌てて飛び退いたホワイトサレナXは、飛馬へと銃を向けた。
「こいつ! 防御役のやつか! 刀を投げるなんてどういう神経してんだ! そんなもんが当たるわけ――ぐあっ!?」
 有線飛行能力によってビット化した刀が、ホワイトサレナXの背中に突き刺さる。
「あれだ、モードチェンジってやつだ。名付けるなら獅王号・飛燕型ってな!」
 飛馬操る獅王号はビルとビルの間を走りながらホワイトサレナXへと組み付いていく。
「俺がこいつを押さえている間に早く!」
「助かったっす!」
 自己修復を終えたトキサメは、両腰と肩にかついだビームランチャーを一斉発射。
「術式攻撃だ! よけろよけろ!」
 逆立ちをやめた超覚醒神が慌てて飛び退いていく。
「逃がすかよ!」
 懐良はニューカネのマイクロミサイルランチャーを開放。大量のミサイルを発射した。
「奴のミサイルはあくまで目くらましだ。気にせず本体だけを……うわ!?」
 ミサイルが超覚醒神をとらえ、次々に爆発。足を止めた所にトキサメのビームが殺到した。
 大爆発を起こして砕け散る超覚醒神。
「実弾だと?」
「これぞ兵法。戦の技よ」
 ニューカネは無数に装備した剣を次々と合体させると、スルトフレイムへと飛びかかった。
 バルカン砲やミサイルランチャーを発射するスルトフレイム。
 合体剣をひとふりしたニューカネは、解き放たれた巨大なビームサーベルによってミサイルを空中で切断。
 砲撃を第二の斬撃によって切り裂いていく。
「フェイクにみせかけた実弾。合体剣。それが奥の手か……!」
「いいや、もう一つある! オレのもつ最後の武器。それは、諦めない心(それとあと美少女たち)!」
 斬撃と砲撃。
 交差した後には、肩の吹き飛んだニューカネの姿があった。
 がくりと膝を突くニューカネ。
 一方のスルトフレイムは、胴体から真っ二つになり、その場で爆発した。
「二人とも! こうなりゃ奥の手だ!」
 突っ込んでくるホワイトサレナX。
 斬りかかる獅王号。ばっさりと真っ二つに切り裂いた相手……は、ホワイトサレナXが脱いだ外装だった。
 二回りほど小さいEVが、バリアを纏った拳を繰り出してくる。
「こうなりゃ、受けて立つっす!」
 トキサメはあえて外装をパージ。
 全てのパーツを組み合わせ、巨大な戦車へ変形させる。
「トキサメパンツァー!」
 びしっと指を突きつけるフィギュアタイプのトキサメ。
 放たれた巨大なビームが、ホワイトサレナXを包み込んだ。
「もう少しで……畜生ッ!」

 試合、終了!

●決勝戦のステージ
 会場の観客たちが沸く中、百や懐良たちはリーグ表を見上げていた。
 準決勝第一試合の勝者はチーム『ダイナミックロマン』。
 第二試合の勝者はチーム『ブレイブ』だ。
 司会者のマイク型付喪神が叫ぶ。
「さあ、いよいよ次は決勝戦! この試合は特別ルールによる6対6のスペシャルマッチでお送りします! さあ、優勝はどちらの手に渡るのか! 付喪神の長は誰になるのか!」
 振り返る百と盾護。
「ごめんな。もう少しの所だったけど、負けちまった。けど決勝戦では俺たちも力を貸すぜ!」
「今度は、負けない」
「おう……!」
 頷く懐良や飛馬たち。
 そんな彼らの尻をそっと撫でる男がいた。
 頭が『干』の字アンテナみたくなった覚者である。よりによってビキニパンツ一丁で現われた。
「うわあ! そういやお前みたいなのいたな!」
「忘れてた!」
「そうなんすか?」
 この人は自分にとって無害だなあという顔でスルーしていた時雨が首を傾げる。
 男はにやりと(雰囲気で)笑い、囁くように言った。
「改めて自己紹介をしよう。俺は夏堂リン。チーム『ダイナミクロマン』のサブメンバーだ。決勝戦では俺とアタることになるだろう……」
「そう、我らの疑似人海戦術によって、貴公は敗北を知ることになるのだ」
 パイプ煙草をくわえた館長風の男が現われて言った。
 その背後には顔を覆面で隠した男たちが並んでいる。
「ダイナミックロマンは巨大なロボプラを愛する者たちであると同時に、巨大ジオラマに命を賭ける男たちでもある。我らの操るビットロボの軍団に……果たして勝てるかな?」
 激しく散る火花。
 決勝の日は、近い!

■シナリオ結果■

成功

■詳細■

MVP
なし
軽傷
なし
重傷
なし
死亡
なし
称号付与
なし
特殊成果
なし




 
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