垢舐めが温泉宿に忍び寄る
●垢を舐めるだけ
垢舐め――
風呂桶や風呂などに溜まった垢を舐めるだけの古妖である。人が寝静まったころに侵入して、その長い舌で風呂に溜まった垢を舐めて取るという基本的に人畜無害な存在だ。
ただそれは人間に出会うことがなければ、と言う但し書きがつく。
この場合の『垢』は心の穢れや煩悩、その他余分なものを含むと言われている。そして如何なる人間も聖人君子ではいられない。罪を全く侵さずに生きている人間はいないのだ。小さいころの悪戯や親に対する我儘。そういったことも『垢』として数えられる。
つまり、人間と垢舐めが出会ってしまえば……。
「ひゃぅん! あっ、そこ、やだぁ!」
舌で体中を舐められ、あられもない声をあげる女性。誰もいない時間を見計らって、時間外に温泉にやってきた観光客だ。いきなり古妖と目が合い、そして体中を舐められることになる。
古妖からすれば人間の『垢』をなめとっているだけなのだが、人間からすれば体中を舐めまわされるわけで。ぬめぬめした舌で体中を舐められ、その度に女性は体を震わせることになる。
「もう、もう……っ!」
――そして体中を舐めまわされて気を失い、その女性は裸で一夜を過ごすことになり病院送りになるのであった。
●FiVE
「という事件なんだ!」
久方 相馬(nCL2000004)は自分が見た夢を事詳細に語った後で、そう締めくくった。女子ドン引きだが、事件の詳細を伝えることは夢見の使命である。シカタナイナー。
「垢舐めに悪意はない。だけど放置すれば誰かが犠牲になるんだ!」
まあそうなんだけど。集まった覚者は渋い顔をした。
この犠牲者の女性を止めたとしても、同じような事例が発生しないとは限らない。ならば垢舐めに『人間は襲わないように』と説得するしかないのだ。
相馬の提案する説得方法は二つだ。
一つは、一度痛い目に合わせて温泉に近づけないようにする。
もう一つは、垢を舐め尽させて一旦満足させてから説得する。
基本的に空腹を満たすために活動する古妖だ。どちらの作戦も有効と言えよう。そしてどちらの作戦を取ったとしても、体を舐められるのは避けられない。
「頼んだぞ、皆! ああ、俺に戦う力があれば!」
同行できないのが悔しい、と言う顔で相馬が言う。明らかに違う目的だろうが、それはどうでもいい。
どうしたものかと思案しながら、覚者達は会議室を出た。
垢舐め――
風呂桶や風呂などに溜まった垢を舐めるだけの古妖である。人が寝静まったころに侵入して、その長い舌で風呂に溜まった垢を舐めて取るという基本的に人畜無害な存在だ。
ただそれは人間に出会うことがなければ、と言う但し書きがつく。
この場合の『垢』は心の穢れや煩悩、その他余分なものを含むと言われている。そして如何なる人間も聖人君子ではいられない。罪を全く侵さずに生きている人間はいないのだ。小さいころの悪戯や親に対する我儘。そういったことも『垢』として数えられる。
つまり、人間と垢舐めが出会ってしまえば……。
「ひゃぅん! あっ、そこ、やだぁ!」
舌で体中を舐められ、あられもない声をあげる女性。誰もいない時間を見計らって、時間外に温泉にやってきた観光客だ。いきなり古妖と目が合い、そして体中を舐められることになる。
古妖からすれば人間の『垢』をなめとっているだけなのだが、人間からすれば体中を舐めまわされるわけで。ぬめぬめした舌で体中を舐められ、その度に女性は体を震わせることになる。
「もう、もう……っ!」
――そして体中を舐めまわされて気を失い、その女性は裸で一夜を過ごすことになり病院送りになるのであった。
●FiVE
「という事件なんだ!」
久方 相馬(nCL2000004)は自分が見た夢を事詳細に語った後で、そう締めくくった。女子ドン引きだが、事件の詳細を伝えることは夢見の使命である。シカタナイナー。
「垢舐めに悪意はない。だけど放置すれば誰かが犠牲になるんだ!」
まあそうなんだけど。集まった覚者は渋い顔をした。
この犠牲者の女性を止めたとしても、同じような事例が発生しないとは限らない。ならば垢舐めに『人間は襲わないように』と説得するしかないのだ。
相馬の提案する説得方法は二つだ。
一つは、一度痛い目に合わせて温泉に近づけないようにする。
もう一つは、垢を舐め尽させて一旦満足させてから説得する。
基本的に空腹を満たすために活動する古妖だ。どちらの作戦も有効と言えよう。そしてどちらの作戦を取ったとしても、体を舐められるのは避けられない。
「頼んだぞ、皆! ああ、俺に戦う力があれば!」
同行できないのが悔しい、と言う顔で相馬が言う。明らかに違う目的だろうが、それはどうでもいい。
どうしたものかと思案しながら、覚者達は会議室を出た。

■シナリオ詳細
■成功条件
1.垢舐めを退治する。もしくは満足させる。
2.なし
3.なし
2.なし
3.なし
貴方は戦ってもいい。平和的に身を差し出してもいい。
●敵情報
・垢舐め(×3)
古妖。垢を舐めるだけの古妖です。身長1メートルほどの小さな人間型古妖です。奇異な点をあげれば、長い舌ぐらい。会話可能。
積極的人間を襲う古妖ではないのですが、人間についた『垢』を舐めとるため、結果的に襲うことになります。垢舐めの行為自体は空腹を満たす以上の意味はなく、空腹さえ満たせれば人間は襲わない(会っても隠れてやり過ごす)と約束してくれます。つまり、覚者が自分自身の垢を舐めることを承諾すれば、戦闘は回避できます。
戦闘になれば、その長い舌を使って攻撃してきます。
攻撃方法
舌で舐める 物遠列 身体の垢を舐めとるように舌が這います。〔不殺〕〔二連〕
舌で絡む 物遠単 舌で四肢を拘束して、動きを封じます。〔ダメージ0〕〔痺れ〕
垢を感じる P 人の『穢れ』を感じ取り、それを舐めます。全ての攻撃に〔Mアタック(防御側の悪名×10)〕が乗ります。
●場所情報
とある温泉宿の露天風呂。男女共用なので、水着着用必須。時刻は夜。足場も少し濡れ気味。予知で見た女性よりも早く潜入することになります。この女性を含め、人の乱入はありません。
(戦闘するなら)戦闘開始時、垢舐め三匹とも前衛に居ます。事前付与は一度だけ可能です。
●備考
EXプレイング等に【覚悟完了】と書かれた方は容赦なく(全年齢の範囲内で)垢を舐めさせてもらいます。逆に書かれていない方には、それなりに対応します。
依頼に参加した時点である程度の覚悟済みとは思いますが、どうしても避けてほしいことがある方はプレイング(EXでも可)に明記してください。考慮いたします。
なお『交渉』方法が二分した場合、それなりSTがに対応します。
皆様のプレイングをお待ちしています。
状態
完了
完了
報酬モルコイン
金:0枚 銀:0枚 銅:3枚
金:0枚 銀:0枚 銅:3枚
相談日数
6日
6日
参加費
100LP[+予約50LP]
100LP[+予約50LP]
参加人数
7/8
7/8
公開日
2016年11月14日
2016年11月14日
■メイン参加者 7人■

●
件の温泉宿。その女子用脱衣室――
「あらあら。相手にその気は無くとも受ける被害的には何ともえっちな内容ねぇん」
『ドキドキお姉さん』魂行 輪廻(CL2000534)は夢見の話を思い出しながら、ニコニコした顔でそんなことを言っていた。桃色の布で申し訳程度に隠している紐水着に着替えながら、他のメンバーを見た。トラウマにならなけりゃいいけど、と心配しながら、
「たくさん舐められるように水着はビキニとかの布地少なめな方がいいのかな?」
周りの覚者達に意見を求めるのは『中学生』菊坂 結鹿(CL2000432)だ。中学生にしては豊満な体を揺らしながら、どの水着にしようか悩んでいる。最終的にビキニ系にしたのは、他の人もビキニにしているからだ。乙女として恥ずかしいと思いつつ、水着に着替える。
「水着は、ビキニと、言うの用意した。似合う?」
右目と頭部に包帯を巻き、子供用のビキニを着た『アンシーリーコートスレイヤー』神々楽 黄泉(CL2001332)。温泉でも包帯は外さないようだ。見た目は幼いが年齢は一八才。そして以外にもパワー系である。
「説得で解決できる相手ならそれに越したことはないの」
スクール水着を着た『愛求独眼鬼/パンツハンター』瀬織津・鈴鹿(CL2001285)がうんうんと首を縦に振っていた。こちらは見た目通りの十歳児である。何故か他の女性の水着(パンツ部分)を見ながら、目を光らせていた。
「垢舐め。拙でも聞いたことはあるな。大層有名なやつである」
欧州を放浪していた経歴を持つ華神 刹那(CL2001250)が口を開く。名前だけは聞いたことがある古妖だが、その垢が人の心の穢れや煩悩を含むとは知らなかった。色々斬ってきた身だ。さぞ垢だらけなのだろうと呵々大笑する。
そしてこちらは男子用更衣室。
「恒久的な需要と供給の方法を考えて、落としどころにもっていかんとなぁ……」
額にしわを寄せて考えているのは『花屋の装甲擲弾兵』田場 義高(CL2001151)だ。垢舐めは飢えで事件を起こしてしまう。今回はこれで満足するかもしれないが、時が経てばまた飢えて事件が起きる可能性があるのだ。それはどうにかしなければ。
「普段はもっと酷い状況の案件もあるから、それに比べたらマシだとは思うのだが……」
暗澹とした表情で『金狼』ゲイル・レオンハート(CL2000415)は水着に着替える。人の醜さや暴力と相対する依頼とは違い、説得で解決する平和的な依頼だ。問題はその内容が、けして人には言えないという事だが。
「仲間、こんばんは」
怪因子の能力で垢舐めを発見する黄泉。三体の垢舐めが風呂桶や温泉についた垢を舐めていた。七人の人間が現れ、どうしたものかと思案している古妖達。
「私達は平和的に話をしたいの。人の穢れを払う『瀬織津』の名を頂く者として垢舐めさんはリスペクトなの」
鈴鹿が一歩前に出て、垢舐めと交渉を始める。自分達の垢を舐めさせるから、それで満足してほしい、と。他の覚者達も鈴鹿の言葉に異論はなかった。
夢見の言葉通り、垢舐め達はそれを快諾する。人間に出会っても襲わないようにする、と。
「お前らの性別がわからんから、もしかしたら野郎は嘗めたくねぇと不満があるやもしれん。が、腹が減っていては、なにも始まらねぇ。さぁ、遠慮はいらねぇ! 一思いにやってくれっ!」
褌一丁の義高が、腕を組んで座り込む。抵抗せずに舐められるという意思表示だ。他の覚者も座り込みこそしないが、身を差し出す覚悟があった。
垢舐め達は頷き、手を合わせて感謝の意を示す。元々戦いを好む性格ではないのだ。
そして垢舐め達は舌を伸ばし、覚者達に近づいていく。
●
「おいおい、そんなに頭ばかり舐めるもんじゃねぇぜ。そこはよく磨いて、垢の一つもないくらいにしているはずなんだぜ」
義高は頭を舐める垢舐めを嗜める。花屋の主人とは思えない筋骨隆々の身体。ボディービルのような『魅せる』筋肉ではなく、日常の中で鍛え上げられた身体の深層部にある筋肉。その体に垢舐めの舌が這う。
がっしりとした肩から下に降りるように、垢を舐め取る古妖。舌は鉄板を思わせる熱い胸板から六つに割れた腹筋に降りていく。腹筋の硬さを確かめるように、一つ一つ丹念にナメクジを想起させる長い舌が蠢く。その感覚が義高の脳に響いてくる。
「こら! 腹筋舐めすぎだ! 体はきれいに洗ってるんだぞ!」
「よくよく考えてみると、五十過ぎのおっさんが体舐められてる絵面ってとんでもないよな」
何を今更。そんなゲイツの言葉は場の空気に溶けて消えた。煩悩などないつもりだが、動物好きな部分が煩悩と言われるとそれは仕方ないかと思う。駄目と言われてもふわもこアニマルときゃっきゃうふふしたいという欲望は抑えられないのだ!
その欲望のせいなのかはわからないが、垢舐めの舌はゲイルの尻尾を丹念に舐めていた。毎日ブラッシングしているふさふさの毛を整えるように舐めとり、そして尻尾の付け根周辺を縁取るように舌が這う。その度に背筋をゾクゾクした感覚が走る。
(そこは……! 落ち着け、声を出すな!)
「あちこちで随分な数をぶった斬って身であるに、垢だらけであろうなぁ。ははは」
剣闘士として鍛え上げられた体を垢舐めに捧げるように身を預ける刹那。刀を握る手の平とそれらを支える筋肉が目立つ。女性の人はややかけ離れた体形ではあるが、逆に武器の機能美を感じさせる肉体である。方向性は違うが、これも磨かれた美だ。
垢舐めが舐めやすいように手をまっすぐに伸ばす刹那。その腕に絡まるように舌が這う。長く伸びた赤い舌は蛇を思わせる。それがぬるりとした粘液を伴い、ざらざらした感覚が肌を通じて伝わってくる。その感覚を感じながら、刹那はいつもと変わらぬ笑みを浮かべていた。
「んっ……。笑える事に、舐められたからといってそれが清められるわけではないのよな」
「ふふ、しっかり言う事聞いてくれる良い子には輪廻さん、寛大なのよん」
垢舐めを抱き寄せるように招き入れる輪廻。肌は上気し、その息には熱い熱気がこもっていた。『こういった』依頼には慣れているのか、適度な脱力と余裕の笑みが浮かんでいる。舌が這うたびにその脱力は増し、全身を駆け巡る感覚に身を委ねていた。
背中を這う舌。その感覚に身をくねらせる輪廻。ねっとりとした舌が舐めとっていくたびに、唇から声が漏れる。妖艶な表情を浮かべたまま紐水着の結び目を掴む輪廻。囁くような小さな声で、しかしはっきりと唇は動く。
「あふぅ……水着があると舐めにくい? しっかり他の人から隠してくれるなら……水着、取っても良いわよん」
「これも垢舐めさん助けのため、垢舐めさん助けのため……」
呟きながら結鹿は身体を固くしていた。平和的な事件の解決。それが適うのならそれに越したことはないのだ。そう自分に言い聞かせながら、しかし体を舐められる度にその心はその刺激に支配されていく。
足から上に昇ってくる舌の感覚。余りの恥ずかしさに目を閉じ、身を竦ませる結鹿。だが視覚を封じたせいで、自分に触れている感覚がより一層伝わってくる。這い上がる舌の感覚に体を震わせ、あられもない声をあげてしまう。
「もっと、もっと優しく……ひゃああん!」
「舐められるの、抵抗ある、うー」
血を流さない方針に納得はすれど、肌を舐められるのはやっぱり嫌だ。でも仕方ない、と黄泉は椅子に座って拳を握る。できるだけ優しく舐めてほしい、と懇願して迫る垢舐めの舌を受け入れる。
舌の先端が黄泉のうなじに触れる。たったそれだけなのに黄泉は大きく体を震わせて、身をすぼめてしまう。全身を走る稲妻のような感覚。だがこれがまだ始まりでしかないと知っている。うなじに舌が絡まり、ゆっくりと蠢いていく。
「ひゃぁっ……! や、やっぱり耐えられな……んっ!」
(ふふふ。舐められている隙にパンツゲットしてみせる!)
陥落寸前の黄泉を見ながら鈴鹿がそんな笑みを浮かべていた。友達だろうが容赦しない。それがパンツハンターだ! だが任務を忘れるつもりはない。垢舐めの舌技を吟味して、あわよくばビジネスに使えるかも……とも考えていた。
スクール水着の上から鈴鹿の脇腹を舐める垢舐め。ぬるり、とした舌の触感に鈴鹿は今まで感じたことのない刺激を感じていた。舌技を吟味しようと思っていたことなど一瞬で吹き飛ぶ。自分を抱くようにして口をパクパクさせていた。
「そこ、汚いの……でも……あ……っ!」
温泉に響く覚者達の声。
垢舐めの『食事』はまだ始まったばかりだ。
●
垢舐めが舐める『垢』はは心の穢れや煩悩、その他余分なものを含むと言われている。そして如何なる人間も聖人君子ではいられない。罪を全く侵さずに生きている人間はいないのだ。小さいころの悪戯や親に対する我儘。そういったことも『垢』として数えられる。
FiVEの覚者は基本的に善人である。だからと言って、身の汚れがないというわけではない。武器を持ち他者を傷つける依頼を受けて働いている以上、清らかとは言えないのだ。癒し専門の覚者とて、暴力行為に加担している意味では同じことだ。
「うおおおっ! そこはっ! くぅ……!」
垢舐めの舌が義高の褌近くを舐める。舌が蠢くたびに何かに耐えるような声が温泉に響き渡る。理性で何とか抑えようとするが舌が体に刺激を与え続け、その度に理性を総動員して我慢する。この我慢はどこまで続くのか。
「くぅ……はぁ……! いや、すまん! だがこれは……!」
ゲイルも必死に声を押さえていたが、吐息が漏れるように声が漏れてしまう。他の女性陣に謝罪するが、如何せんその余裕も削れてくる。全身から汗を流し、肩を上下させる。荒い呼吸を押さえるように口元に手を当てて、垢舐めの舌に耐えていた。
「うむ。さすがに弁えておるか。だが、まあ、これはこれで」
水着付近を舐める垢舐めの舌の動きを感じながら刹那は吐息を漏らす。水着の中に舌が入らないのは、垢舐めも色々と弁えているようだ。生暖かい舌が体中を這いまわる感覚に身体の芯が刺激される。剣戟とは違った高揚が刹那の身体を支配していた。
「あっ……んっ! そこ、はぁ……!」
顔を赤らめて輪廻は身をくねらせる。他の覚者から見て、輪廻がどういう姿になっているかは見えない。湯気とか垢舐めの舌とかそう言った物が視覚を妨害しているからだ。舌が蠢く音が響くたびに、輪廻の唇から上ずった声が放たれる。
「あの……これ……いつまで、続くの……ひゃうん!」
息絶え絶えと言った感じで結鹿が体を震わせる。垢舐めの舌に耐えるように硬直していた体はいつしか弛緩して、その舌を受け入れるような体勢になっていた。このまま続けられたら一体どうなるのか。それを想像しながら、舌が与える刺激の奔流を受け入れていた。
「どうし、て……! こうなっちゃう、のぉ……!」
体中を痙攣させる黄泉。垢舐めの舌が動くたびに黄泉は反応し、温泉の壁に身を預けるように脱力してぐったりとしていた。もう指一本動かせない。そう思っていても垢舐めの舌が這うたびに黄泉の身体は跳ね上がり、声をあげてしまう。
「今がパンツハントのチャンスなのにー! ゃあ! も、もうダメー!」
隙だらけの覚者達からパンツを奪おうとする鈴鹿だが、垢舐めの舌に太ももを舐められてぐったりしていた。舌が太ももを這う感覚に思わず身悶えしてしまい、そのまま脱力してしまう。身体の奥で燃える未知の感覚に支配され、激しく声をあげていた。
いつしか垢舐めの舌が離れ、満足した垢舐めが覚者に礼を言う。
覚者達は微妙な表情で返礼し、改めて人を襲わないように説得する。垢舐め達は頷き人間を襲わないことを約束してくれた。
とりあえず依頼が完了したことを喜びあった。
●
戦いが終わり、ひと汗かいたので温泉に入ろうという事になった。
「頑張ったのだから、これくらいの贅沢は許されるだろう」
湯船に浸かるゲイル。FiVEを通じて温泉宿の人に交渉してもらうよう頼んだ結果、快諾してくれた。トラブルを未然に防止してくれたのが大きいだろう。温泉の熱で体を温めながら、今日の闘い(?)を思い出し、大きく息を吐く。うん、頑張った。
「一仕事した後の一杯は格別よの」
刹那は御猪口を手にして日本酒を飲んでいた。湯船が体を温め、熱燗が内臓を温める。全身を駆け巡る熱い熱が仕事で疲れた体を癒していく。これがこの国の癒しだな、と空に浮かぶ月を見ながら刹那は思っていた。
「…………」
結鹿は湯船につかりながら忘我していた。その視線は夜空を見ていたが、星を見ているわけではない。真っ白な頭で何も考えられない状態だった。自分の胸に手を当てて心臓の鼓動を確認しながら、何度も呼吸を繰り返す。
「温泉もきもちいいわん。肌がきれいになるし」
温泉で温もりながら輪廻がゆっくりと体を伸ばす。垢舐めとの交渉もうまくいき、誰も傷つくことなく問題が解決した。最初から最後まで気持ちいい依頼だったのだ。ニコニコした笑みを浮かべながら、お湯で顔を洗う。
「舐めることでリラクゼーション効果を与えるとか、そういう宣伝を作るのはどうだ?」
義高は垢舐めや温泉宿の人と交渉し、共存できないかを提案していた。が、それは垢舐めを拘束することになり、垢舐めの負担が大きくなる。案としては興味深いが、実現しようとするとそれなりの準備が必要になるだろう。仕方ない、と諦める。
「意外とスッキリしたの。そしてこれが賢者タイムなの……」
すっきりした表情で鈴鹿が湯船につかる。今はパンツのことはいいや、と温泉の温かに身を委ねていた。義高と同じようなことは鈴鹿も考えていたが、今はいいやとばかりにすっきりした感覚に浸る。
「何も無かった事にすると、良いって人間社会で、学んだの」
今日のことは忘れて、と男性覚者に迫る黄泉。鬼の金棒で脅さずとも忘れるという覚者達。だが黄泉は忘れていた。FiVEの依頼には詳細な報告書(リプレイ)があることを。それはFiVEの資料として、残り続けることを。
さて――
お色気分多めの事件だったわけだが、この依頼自体は大きな意味があった。
古妖が起こす事件を平和的に解決したという事である。
異種族間の抗争は様々な原因で行われる。そしてその最たるは食性によるものだ。食欲はどんな生物にも存在し、それらによって敵対することは避けられない。
垢舐めの食性はまだ人間の生活を脅かすものではないが、それでも異なる食性の問題を血を流さずに解決したという事は大きい。人間と垢舐めは共存出来るかもしれないという可能性を示唆したのだから。
今はまだ小さな兆しだが、義高や鈴鹿が考えているような施設も、もしかしたらできるかもしれない。現実的な問題は大きいが、古妖と人の共存の可能性はゼロではないのだ。
神秘解明組織FiVE、その覚者の献身。その軌跡をここに記そう。そしてこのことを広く世間に公開しうわなにをするやめろ――
(複数名の差し止めにより、この報告書はFiVE内のみの公開となりました)
件の温泉宿。その女子用脱衣室――
「あらあら。相手にその気は無くとも受ける被害的には何ともえっちな内容ねぇん」
『ドキドキお姉さん』魂行 輪廻(CL2000534)は夢見の話を思い出しながら、ニコニコした顔でそんなことを言っていた。桃色の布で申し訳程度に隠している紐水着に着替えながら、他のメンバーを見た。トラウマにならなけりゃいいけど、と心配しながら、
「たくさん舐められるように水着はビキニとかの布地少なめな方がいいのかな?」
周りの覚者達に意見を求めるのは『中学生』菊坂 結鹿(CL2000432)だ。中学生にしては豊満な体を揺らしながら、どの水着にしようか悩んでいる。最終的にビキニ系にしたのは、他の人もビキニにしているからだ。乙女として恥ずかしいと思いつつ、水着に着替える。
「水着は、ビキニと、言うの用意した。似合う?」
右目と頭部に包帯を巻き、子供用のビキニを着た『アンシーリーコートスレイヤー』神々楽 黄泉(CL2001332)。温泉でも包帯は外さないようだ。見た目は幼いが年齢は一八才。そして以外にもパワー系である。
「説得で解決できる相手ならそれに越したことはないの」
スクール水着を着た『愛求独眼鬼/パンツハンター』瀬織津・鈴鹿(CL2001285)がうんうんと首を縦に振っていた。こちらは見た目通りの十歳児である。何故か他の女性の水着(パンツ部分)を見ながら、目を光らせていた。
「垢舐め。拙でも聞いたことはあるな。大層有名なやつである」
欧州を放浪していた経歴を持つ華神 刹那(CL2001250)が口を開く。名前だけは聞いたことがある古妖だが、その垢が人の心の穢れや煩悩を含むとは知らなかった。色々斬ってきた身だ。さぞ垢だらけなのだろうと呵々大笑する。
そしてこちらは男子用更衣室。
「恒久的な需要と供給の方法を考えて、落としどころにもっていかんとなぁ……」
額にしわを寄せて考えているのは『花屋の装甲擲弾兵』田場 義高(CL2001151)だ。垢舐めは飢えで事件を起こしてしまう。今回はこれで満足するかもしれないが、時が経てばまた飢えて事件が起きる可能性があるのだ。それはどうにかしなければ。
「普段はもっと酷い状況の案件もあるから、それに比べたらマシだとは思うのだが……」
暗澹とした表情で『金狼』ゲイル・レオンハート(CL2000415)は水着に着替える。人の醜さや暴力と相対する依頼とは違い、説得で解決する平和的な依頼だ。問題はその内容が、けして人には言えないという事だが。
「仲間、こんばんは」
怪因子の能力で垢舐めを発見する黄泉。三体の垢舐めが風呂桶や温泉についた垢を舐めていた。七人の人間が現れ、どうしたものかと思案している古妖達。
「私達は平和的に話をしたいの。人の穢れを払う『瀬織津』の名を頂く者として垢舐めさんはリスペクトなの」
鈴鹿が一歩前に出て、垢舐めと交渉を始める。自分達の垢を舐めさせるから、それで満足してほしい、と。他の覚者達も鈴鹿の言葉に異論はなかった。
夢見の言葉通り、垢舐め達はそれを快諾する。人間に出会っても襲わないようにする、と。
「お前らの性別がわからんから、もしかしたら野郎は嘗めたくねぇと不満があるやもしれん。が、腹が減っていては、なにも始まらねぇ。さぁ、遠慮はいらねぇ! 一思いにやってくれっ!」
褌一丁の義高が、腕を組んで座り込む。抵抗せずに舐められるという意思表示だ。他の覚者も座り込みこそしないが、身を差し出す覚悟があった。
垢舐め達は頷き、手を合わせて感謝の意を示す。元々戦いを好む性格ではないのだ。
そして垢舐め達は舌を伸ばし、覚者達に近づいていく。
●
「おいおい、そんなに頭ばかり舐めるもんじゃねぇぜ。そこはよく磨いて、垢の一つもないくらいにしているはずなんだぜ」
義高は頭を舐める垢舐めを嗜める。花屋の主人とは思えない筋骨隆々の身体。ボディービルのような『魅せる』筋肉ではなく、日常の中で鍛え上げられた身体の深層部にある筋肉。その体に垢舐めの舌が這う。
がっしりとした肩から下に降りるように、垢を舐め取る古妖。舌は鉄板を思わせる熱い胸板から六つに割れた腹筋に降りていく。腹筋の硬さを確かめるように、一つ一つ丹念にナメクジを想起させる長い舌が蠢く。その感覚が義高の脳に響いてくる。
「こら! 腹筋舐めすぎだ! 体はきれいに洗ってるんだぞ!」
「よくよく考えてみると、五十過ぎのおっさんが体舐められてる絵面ってとんでもないよな」
何を今更。そんなゲイツの言葉は場の空気に溶けて消えた。煩悩などないつもりだが、動物好きな部分が煩悩と言われるとそれは仕方ないかと思う。駄目と言われてもふわもこアニマルときゃっきゃうふふしたいという欲望は抑えられないのだ!
その欲望のせいなのかはわからないが、垢舐めの舌はゲイルの尻尾を丹念に舐めていた。毎日ブラッシングしているふさふさの毛を整えるように舐めとり、そして尻尾の付け根周辺を縁取るように舌が這う。その度に背筋をゾクゾクした感覚が走る。
(そこは……! 落ち着け、声を出すな!)
「あちこちで随分な数をぶった斬って身であるに、垢だらけであろうなぁ。ははは」
剣闘士として鍛え上げられた体を垢舐めに捧げるように身を預ける刹那。刀を握る手の平とそれらを支える筋肉が目立つ。女性の人はややかけ離れた体形ではあるが、逆に武器の機能美を感じさせる肉体である。方向性は違うが、これも磨かれた美だ。
垢舐めが舐めやすいように手をまっすぐに伸ばす刹那。その腕に絡まるように舌が這う。長く伸びた赤い舌は蛇を思わせる。それがぬるりとした粘液を伴い、ざらざらした感覚が肌を通じて伝わってくる。その感覚を感じながら、刹那はいつもと変わらぬ笑みを浮かべていた。
「んっ……。笑える事に、舐められたからといってそれが清められるわけではないのよな」
「ふふ、しっかり言う事聞いてくれる良い子には輪廻さん、寛大なのよん」
垢舐めを抱き寄せるように招き入れる輪廻。肌は上気し、その息には熱い熱気がこもっていた。『こういった』依頼には慣れているのか、適度な脱力と余裕の笑みが浮かんでいる。舌が這うたびにその脱力は増し、全身を駆け巡る感覚に身を委ねていた。
背中を這う舌。その感覚に身をくねらせる輪廻。ねっとりとした舌が舐めとっていくたびに、唇から声が漏れる。妖艶な表情を浮かべたまま紐水着の結び目を掴む輪廻。囁くような小さな声で、しかしはっきりと唇は動く。
「あふぅ……水着があると舐めにくい? しっかり他の人から隠してくれるなら……水着、取っても良いわよん」
「これも垢舐めさん助けのため、垢舐めさん助けのため……」
呟きながら結鹿は身体を固くしていた。平和的な事件の解決。それが適うのならそれに越したことはないのだ。そう自分に言い聞かせながら、しかし体を舐められる度にその心はその刺激に支配されていく。
足から上に昇ってくる舌の感覚。余りの恥ずかしさに目を閉じ、身を竦ませる結鹿。だが視覚を封じたせいで、自分に触れている感覚がより一層伝わってくる。這い上がる舌の感覚に体を震わせ、あられもない声をあげてしまう。
「もっと、もっと優しく……ひゃああん!」
「舐められるの、抵抗ある、うー」
血を流さない方針に納得はすれど、肌を舐められるのはやっぱり嫌だ。でも仕方ない、と黄泉は椅子に座って拳を握る。できるだけ優しく舐めてほしい、と懇願して迫る垢舐めの舌を受け入れる。
舌の先端が黄泉のうなじに触れる。たったそれだけなのに黄泉は大きく体を震わせて、身をすぼめてしまう。全身を走る稲妻のような感覚。だがこれがまだ始まりでしかないと知っている。うなじに舌が絡まり、ゆっくりと蠢いていく。
「ひゃぁっ……! や、やっぱり耐えられな……んっ!」
(ふふふ。舐められている隙にパンツゲットしてみせる!)
陥落寸前の黄泉を見ながら鈴鹿がそんな笑みを浮かべていた。友達だろうが容赦しない。それがパンツハンターだ! だが任務を忘れるつもりはない。垢舐めの舌技を吟味して、あわよくばビジネスに使えるかも……とも考えていた。
スクール水着の上から鈴鹿の脇腹を舐める垢舐め。ぬるり、とした舌の触感に鈴鹿は今まで感じたことのない刺激を感じていた。舌技を吟味しようと思っていたことなど一瞬で吹き飛ぶ。自分を抱くようにして口をパクパクさせていた。
「そこ、汚いの……でも……あ……っ!」
温泉に響く覚者達の声。
垢舐めの『食事』はまだ始まったばかりだ。
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垢舐めが舐める『垢』はは心の穢れや煩悩、その他余分なものを含むと言われている。そして如何なる人間も聖人君子ではいられない。罪を全く侵さずに生きている人間はいないのだ。小さいころの悪戯や親に対する我儘。そういったことも『垢』として数えられる。
FiVEの覚者は基本的に善人である。だからと言って、身の汚れがないというわけではない。武器を持ち他者を傷つける依頼を受けて働いている以上、清らかとは言えないのだ。癒し専門の覚者とて、暴力行為に加担している意味では同じことだ。
「うおおおっ! そこはっ! くぅ……!」
垢舐めの舌が義高の褌近くを舐める。舌が蠢くたびに何かに耐えるような声が温泉に響き渡る。理性で何とか抑えようとするが舌が体に刺激を与え続け、その度に理性を総動員して我慢する。この我慢はどこまで続くのか。
「くぅ……はぁ……! いや、すまん! だがこれは……!」
ゲイルも必死に声を押さえていたが、吐息が漏れるように声が漏れてしまう。他の女性陣に謝罪するが、如何せんその余裕も削れてくる。全身から汗を流し、肩を上下させる。荒い呼吸を押さえるように口元に手を当てて、垢舐めの舌に耐えていた。
「うむ。さすがに弁えておるか。だが、まあ、これはこれで」
水着付近を舐める垢舐めの舌の動きを感じながら刹那は吐息を漏らす。水着の中に舌が入らないのは、垢舐めも色々と弁えているようだ。生暖かい舌が体中を這いまわる感覚に身体の芯が刺激される。剣戟とは違った高揚が刹那の身体を支配していた。
「あっ……んっ! そこ、はぁ……!」
顔を赤らめて輪廻は身をくねらせる。他の覚者から見て、輪廻がどういう姿になっているかは見えない。湯気とか垢舐めの舌とかそう言った物が視覚を妨害しているからだ。舌が蠢く音が響くたびに、輪廻の唇から上ずった声が放たれる。
「あの……これ……いつまで、続くの……ひゃうん!」
息絶え絶えと言った感じで結鹿が体を震わせる。垢舐めの舌に耐えるように硬直していた体はいつしか弛緩して、その舌を受け入れるような体勢になっていた。このまま続けられたら一体どうなるのか。それを想像しながら、舌が与える刺激の奔流を受け入れていた。
「どうし、て……! こうなっちゃう、のぉ……!」
体中を痙攣させる黄泉。垢舐めの舌が動くたびに黄泉は反応し、温泉の壁に身を預けるように脱力してぐったりとしていた。もう指一本動かせない。そう思っていても垢舐めの舌が這うたびに黄泉の身体は跳ね上がり、声をあげてしまう。
「今がパンツハントのチャンスなのにー! ゃあ! も、もうダメー!」
隙だらけの覚者達からパンツを奪おうとする鈴鹿だが、垢舐めの舌に太ももを舐められてぐったりしていた。舌が太ももを這う感覚に思わず身悶えしてしまい、そのまま脱力してしまう。身体の奥で燃える未知の感覚に支配され、激しく声をあげていた。
いつしか垢舐めの舌が離れ、満足した垢舐めが覚者に礼を言う。
覚者達は微妙な表情で返礼し、改めて人を襲わないように説得する。垢舐め達は頷き人間を襲わないことを約束してくれた。
とりあえず依頼が完了したことを喜びあった。
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戦いが終わり、ひと汗かいたので温泉に入ろうという事になった。
「頑張ったのだから、これくらいの贅沢は許されるだろう」
湯船に浸かるゲイル。FiVEを通じて温泉宿の人に交渉してもらうよう頼んだ結果、快諾してくれた。トラブルを未然に防止してくれたのが大きいだろう。温泉の熱で体を温めながら、今日の闘い(?)を思い出し、大きく息を吐く。うん、頑張った。
「一仕事した後の一杯は格別よの」
刹那は御猪口を手にして日本酒を飲んでいた。湯船が体を温め、熱燗が内臓を温める。全身を駆け巡る熱い熱が仕事で疲れた体を癒していく。これがこの国の癒しだな、と空に浮かぶ月を見ながら刹那は思っていた。
「…………」
結鹿は湯船につかりながら忘我していた。その視線は夜空を見ていたが、星を見ているわけではない。真っ白な頭で何も考えられない状態だった。自分の胸に手を当てて心臓の鼓動を確認しながら、何度も呼吸を繰り返す。
「温泉もきもちいいわん。肌がきれいになるし」
温泉で温もりながら輪廻がゆっくりと体を伸ばす。垢舐めとの交渉もうまくいき、誰も傷つくことなく問題が解決した。最初から最後まで気持ちいい依頼だったのだ。ニコニコした笑みを浮かべながら、お湯で顔を洗う。
「舐めることでリラクゼーション効果を与えるとか、そういう宣伝を作るのはどうだ?」
義高は垢舐めや温泉宿の人と交渉し、共存できないかを提案していた。が、それは垢舐めを拘束することになり、垢舐めの負担が大きくなる。案としては興味深いが、実現しようとするとそれなりの準備が必要になるだろう。仕方ない、と諦める。
「意外とスッキリしたの。そしてこれが賢者タイムなの……」
すっきりした表情で鈴鹿が湯船につかる。今はパンツのことはいいや、と温泉の温かに身を委ねていた。義高と同じようなことは鈴鹿も考えていたが、今はいいやとばかりにすっきりした感覚に浸る。
「何も無かった事にすると、良いって人間社会で、学んだの」
今日のことは忘れて、と男性覚者に迫る黄泉。鬼の金棒で脅さずとも忘れるという覚者達。だが黄泉は忘れていた。FiVEの依頼には詳細な報告書(リプレイ)があることを。それはFiVEの資料として、残り続けることを。
さて――
お色気分多めの事件だったわけだが、この依頼自体は大きな意味があった。
古妖が起こす事件を平和的に解決したという事である。
異種族間の抗争は様々な原因で行われる。そしてその最たるは食性によるものだ。食欲はどんな生物にも存在し、それらによって敵対することは避けられない。
垢舐めの食性はまだ人間の生活を脅かすものではないが、それでも異なる食性の問題を血を流さずに解決したという事は大きい。人間と垢舐めは共存出来るかもしれないという可能性を示唆したのだから。
今はまだ小さな兆しだが、義高や鈴鹿が考えているような施設も、もしかしたらできるかもしれない。現実的な問題は大きいが、古妖と人の共存の可能性はゼロではないのだ。
神秘解明組織FiVE、その覚者の献身。その軌跡をここに記そう。そしてこのことを広く世間に公開しうわなにをするやめろ――
(複数名の差し止めにより、この報告書はFiVE内のみの公開となりました)
■シナリオ結果■
成功
■詳細■
MVP
なし
軽傷
なし
重傷
なし
死亡
なし
称号付与
なし
特殊成果
なし

■あとがき■
(どくどくは無言で目を逸らした)
