フルメタルニンジャと侍スピリッツ
【RPBT】フルメタルニンジャと侍スピリッツ


●次なる戦いへ……
 第一試合でかなりのダメージを受けてしまったメンバーたちは、機体の修復に追われることになった。
「せやけど、これはさらなるパワーアップのチャンスでもあるで! 次の試合に向けた……いや、次の作戦に向けた改造を施すんや!」
 機体もメンバーも試合ごとに変更できる。
 ということは、作戦の方針にあわせた改造ができるということでもあるのだ。
「次の相手はどんなや?」
「前回の試合の映像から調査したものでしたら……」

 まずはチーム『フルメタルニンジャ』。
 忍者ロボだけで構成したというチームで、操作している覚者がみな忍者だという。
「考察も必要ですが、技能スキルを更に有効活用したような術や、高い機動力(命中回避補正や反応速度など)をもつ機体たちです。
 中にはもう一段階の進化がありえる機体もあるので、注意しましょう」

 つぎにチーム『侍スピリッツ』。
 こちらは刀で武装したロボで統一されたチームだ。
「リーダーの武者型ギャンガルはなかなかの強さですが……残りの二機が気になりますね。原作では霊力を動力としていたり、魔神であったりとかなりファンタジックな技を使います。恐らくこうした部分を拡張した改造が覚者の術式性能を引き上げると思われます。ご注意ください」

「ということじゃ!」
 付喪神『ショーグン』はいいとこだけもってくように、皆に激励をかけた。
「第二試合は強敵のようじゃが、皆の知恵と勇気が合わされば決して負けることはないじゃろう! たのんだぞ!」


■シナリオ詳細
種別:シリーズ
難易度:普通
担当ST:八重紅友禅
■成功条件
1.二試合中一試合だけでも勝利する
2.なし
3.なし
 シリーズ第三回。今回も思いっきりロボプラバトルです。
 なんでロボプラが戦うのかとか改造がどう影響するのかは前回前々回のコメント部分にまとめてあるのでそちらをご参照ください。

●フィールド
・フルメタルニンジャVS双火土盾
 大阪城をモデルにした城と江戸時代の城下町をモチーフにしたフィールドです。

・侍スピリッツVSブレイブ
 大正時代の東京をモチーフとしたフィールドです。ちなみに名前は『帝都フィールド』となっています。

●チーム『フルメタルニンジャ』
・ゴットゲルマン
 ドイツ忍法を使いこなす忍者ギャンガル。
 ギャンガルのくせに近接格闘能力がズバ抜けて高い。
 白夜や十六夜などの連撃スキルを使いますが、ゆらぎにかかりづらくなる改造が施されています。
・ブレイブフォック
 パトカーから変形する忍者ロボプラ。相手の能力を低下させるタイプの技を使う。
 合体変形機能を有しており、戦況によってはビックブレイブフォックに変化する。
・万式鬼丸(まんしきまる)
 マニアックすぎる腐女子の覚者ある忍者SDとある忍者SDの子供ができたらこんなのだろうと勝手に解釈したロボプラ。
 この時点でかなり意味分からんので、どんな隠し機能があるかわからん。
 少なくとも建物に擬態したり突然スイカ割りを始めたりしてひょうひょうと攻撃をかわすのは間違いない。

●チーム『侍スピリッツ』
・ノブナガアストレイ
 エネルギーを弾く刀を装備したMS。
 能力的には平均的。リーダー機体らしく戦況に応じてバトルスタイルを変える。
・ファイナル千神丸
 ギャンガルでいうSDサイズですが、高い格闘能力とタフネスをもったロボプラです。
 基本は二刀流。三つ叉の槍も背負っています。
 タフネスさを活かした盾戦法をとってくる可能性があります。まずはこいつから抜かないと勝てないでしょう。
・輝武SHMLLCS
 後ろの部分はサクラハッピーマリッジラブラブクライマックススペシャルの略。
 刀一本で戦うちっさいロボプラ。動きもがしがししてるし物理的な耐久力もあんまりなさそうだしなによりトラックに詰めそうなくらい小さいしなんかまるっこい。
 ただしとんでもないポテンシャルを秘めている。名前からしてなんかやばい。
状態
完了
報酬モルコイン
金:0枚 銀:1枚 銅:0枚
(0モルげっと♪)
相談日数
7日
参加費
100LP[+予約50LP]
参加人数
6/6
公開日
2016年11月13日

■メイン参加者 6人■

『献身なる盾』
岩倉・盾護(CL2000549)
『侵掠如火』
坂上 懐良(CL2000523)
『サイレントファイア』
松原・華怜(CL2000441)

●VSフルメタルニンジャ
 平屋の城下町。その大地を貫いて、巨大ロボプラが登場した。
「ビッグジェイ、ショウタイム」
 岩倉・盾護(CL2000549)の操るビッグジェイが、両目を雄々しく光らせた。
「巨大なボディ。耐久力と防御力に自信ありと見ました。兄者、あれをやります!」
 天を指さすブレイブフォック。飛来したヘリコプターが分解し、彼の手足へと変形合体。
「誕生、ビッグブレイブフォック!」
「身軽さ、売り……負けない」
 ビッグジェイは両手の指からミサイルを乱射。
 対するビッグブレイブフォックはプロペラ大手裏剣を回転させ、ミサイルの爆風を弾きながらかわしていく。と同時に、両肩にセットされたサイレンを鳴らし、周囲に超音波フィールドを生み出した。
「サイレンジャマー!」
「ジャミング……っ?」
 身体のバランスを僅かに崩す背後に回り込むビッグブレイブフォック。
「貰いました!」
「……!」
 ビッグジェイは本来上体固定用のアンカーチェインを発射。
 遠くの大地に打ち付けてリールを回すと、急速にその場から離脱した。
「ワイヤー機動!? あの巨体で!?」
 一方盾護の精神には、道頓堀が送受心で話しかけていた。
『どや、新型チェインの具合は。大型NFの機構を取り入れた早い射出と高い強度の鎖やで。せやけどビッグジェイはあくまで防衛機体や。攻撃には使われへん、気ぃつけや!』
「了解」

 一方、やや離れた場所。
 展開式レッグブレードが平屋の市場を切り裂いていく。
 『百戟』鯨塚 百(CL2000332)のヒャクゲキだ。前回から改修を重ね、金と赤という百らしいカラーリングに身を包んだ新たなるヒャクゲキ。いわば百戟頑駆・改二である。
『そいつは基本性能も上がったグレードアップ版や。隠し要素もバッチリやで!』
 そんな優秀なロボプラの放つ攻撃。簡単には避けられない筈だが……。
 SDサイズのギャンガルが手足を激しくばたつかせながらヒャクゲキの蹴りを回避していた。敵の万式鬼丸だ。
 青と金のつや消しされたメタルカラー。動きはコミカルなのにもかかわらず、攻撃をするすると回避していく。
「こいつ、ちょこまか動いて――ってそこだー!」
 ヒャクゲキがパイルバンカーを発動。
 慌てた万式鬼丸の中央をズドンと貫く……が、気づくとそれは丸太だった。
「変わり身の術!? ってことは――」
 ハッとして振り返ると、頭にスイカのかぶり物を接着された。
「ま、前がみえねえ!」
 棒をかかげてスイカ割りの踊りを始める万式鬼丸。
 顔部分に遊びでつけたバルカンを放ってスイカのかぶり物を払うが、万式鬼丸は既に遠くへパタリロ式ダッシュで逃げ始めていた。
「ま、待てこいつ……!」
 走り出すヒャクゲキ。

「まずいですね。ブレイブフォックから集中攻撃する筈が……。味方を分断されています! 集合を――うっ!」
 仲間に呼びかけようとした『サイレントファイア』松原・華怜(CL2000441)だが、敵のゴッドゲルマンによる連続攻撃に耐えるので精一杯だ。
「不覚でした……」
 今朝のことを回想する。
 あの時、彼女は控え室のベンチでぐったりと横たわっていた。
 『すみません、こんな時に体調を崩すなんて……』
 『寝てなきゃダメだぜ。熱が出てるぞ!』
 自分を気遣う百や盾護たちにほほえみかけて、華怜はふらつく身体を無理に起こした。
 『ここまで勝ち進んだんです。ここで私が抜けるわけにはいきません』
 確かに、華怜のロボプラへの情熱は相当なものだ。チーム随一と言ってもいい。彼女の提案で盾護たちのロボプラにも新たな改修が加えられているほどだ。
 『松原はん! 新型ロボプラは間に合わへんかったが、なんとかこれだけはでっち上げたで!』
 道頓堀が持ってきたのは前回使用したドライジェミニに新型用のパーツを流用した間に合わせの機体だ。傷ついた身体を覆うようにぼろけたマントを羽織っている。
 その機体が今、敵のリーダーらしきゴッドゲルマンとぶつかり合っていた。
「せめて、一矢報いなくては……!」
 華怜はドライジェミニの炉を暴走させると、ゴッドゲルマンにタックルをしかけた。
 腰にしっかりとしがみつく形で、全身を激しく加熱させる。
「何っ!? しまった! ぐおおおおおおおおおお!」
 ドライジェミニは、ゴッドゲルマンを巻き込んで自爆したのだ。

「華怜さん!」
 町をゆるがす爆発。
 ドライジェミニの反応がロストしたことを受けて、百は大きく振り返った。
 それは盾護も同じ……だが、二人とも油断はしていない。
「このチャンス、活かす」
 盾護のビッグジェイはアンカーチェインを発射。ミサイルの乱射をかわすビッグブレイブフォックの腕に巻き付けると、自身の方へと強烈に引き寄せ始めた。
「これは!? 機動力だけじゃない。私のスピード戦術を殺し、力比べに引き込むためにまで使っている。なんという応用力……敵ながらあっぱれ!」
 ブレイブフォックは逃げ回るのをやめ、ビッグジェイへ巨大手裏剣を投擲。
 ガード姿勢の盾に命中し、ばきりと割れて砕けていく。
 と同時に、距離を詰めたビッグジェイが強引にビッグブレイブフォックの強化パーツを引きちぎった。
「ぐあっ!」
 崩壊し、通常のブレイブフォックへと落ちる。
 だがアンカーチェインからは逃れた。反撃を――と思ったその時。
「ナイスだ盾護さん! とどめだー!」
 百のヒャクゲキがレッグブレイドを展開。激しく加熱させると、ブレイブフォックの胴体を貫いた。
 爆発四散するブレイブフォック。
「これで、2対2だ!」
「否――!」
 叫びと共に、何かが砕ける音がした。
 ビッグジェイの装甲を、黄金の腕が貫いている。
 ゴッドゲルマンだ。
「なんて、速さ……反応、できなかった」
 盾護のビッグジェイにヒビが走り、各所で爆発を起こす。そして大きく傾いて、うつ伏せに倒れてしまった。
「盾護さん! こ、こいつは……」
 半歩後じさりするヒャクゲキ。
 ゴッドゲルマンは両手を広げ、まばゆい光を放っていた。
「いかにも。ゴッドゲルマン、明鏡止水モード」
「くっ……」
 一対一ではつらい。咄嗟に攻撃を仕掛けたが、コマのように高速回転するゴッドゲルマンにヒャクゲキのブレードがへし折られてしまう。
 強靱なカウンター。そしてこちらの攻撃を封じる技。
 だが百は諦めずにアームライフルや膝のドリルを打ち込みまくる。
 激しい連続攻撃だが、しかしすべてが黄金のコマに削り取られてしまうのだ。
「まずいぜ、このままじゃ……」
『あきらめたらあかん! 鯨塚はん、醒の炎をもう一度使うんや!』
 道頓堀の声だ。
 百は一か八か、ギャクゲキの炉を強くふかした。
 全身が赤く燃えていく。
 特殊な熱反応塗料が透明化し、ヒャクゲキは黄金の輝きに包まれた。
 鎧の胸についた獅子が大きく口を開き、獣のごとく一度だけ吠えた。
『ヒャクゲキ、ゴールドモードや!』
「よし……!」
 百は強引にパンチを繰り出す。
 回転するゴッドゲルマンの顔面に命中し、彼は大きく吹き飛んでいった。
 城の塀に激突するゴッドゲルマン。
「まだそんな隠し球を……もはや未熟とは言えんな。よかろう、来い!」
 激しく跳躍し、城の頂上へと飛び乗り腕組みするゴッドゲルマン。
 同じく飛び乗り、身構えるヒャクゲキ。
 黄金のギャンガルが向かい合い、そして同時に走り出した。
「ゲルマンフィンガー!」
「ケンロクエン!」
 同時に突きだした腕。
 同時に胸に命中し、激しいインパクトが両者を貫く。
 砕ける機体。
 ブーストされたケンロクエンの威力に耐えきれずに腕が砕け、ヒャクゲキは胸に大きな穴を開けてその場に跪いた。
 対するゴッドゲルマンは。
「よくぞ」
 ぐらりと傾き、屋根から転げ落ちていった。
 ギリギリの。
 本当にギリギリの戦いだったが。

 ――試合終了!
 ――勝者、チーム『双火土盾』。

●VS侍スピリッツ
 帝都を走るスタイリッシュフォルム。『侵掠如火』坂上 懐良(CL2000523)のニューカネヨシを大幅改修したHi-N-Kaだ。
 蒸気で走る車を飛び越えて、両肩や腰、腿といった部位から大量のマイクロミサイルを発射した。
「あれ? あんたの彼氏、試合前に別の奴と電話番号交換してなかったか? 大丈夫かねー」
「ふざけないで!」
 飛来するミサイルを次々に刀で切り落とす輝武SHMLLCS。
「あなたの言葉なんかに惑わされません!」
「返答しちゃってる時点で効果は出てるんだよなあ」
 懐良が力を入れた改造ポイントはアーマードパッケージだ。
 全身各所に仕込んだマイクロミサイルランチャーを一斉に使い、ミサイルパーティー状態を生み出すことができる。
『いい調子だぜ道頓堀』
『せやかて坂上はん! あんたに遠距離攻撃手段はあらへん。いくら撃ってもダメージにならんのとちゃうんか!』
『それでいいんだよ。ミサイルは目くらまし。言葉も目くらまし。本命はあくまで、このツルギ――ってな!』
 Hi-N-Kaが背部ブースターをふかして相手に急接近。
 大上段から振り下ろした刀を、輝武SHMLLCSは足に仕込んだローラーでバックダッシュをかけることで離脱した。

 その一方で、ファイナル千神丸が三つ叉の槍を連続で繰り出していく。
 狙いは水端 時雨(CL2000345)の新型機だ。
 かつてのブレイブトキサメがSDサイズになった機体で、小型のビットを無数に飛ばしてナノマシンを散布している。
 槍の直撃をうけても、自分を回復することで難を逃れているのだ。
「ううむ、なかなかどうして手強い相手! 特に……その女らしさが攻撃の手をためらわせるのう!」
「お褒めにあずかりコーエーっす!」
 新型機の名はスターライト・トキサメ。
 極細ブラスチック繊維で靡く金髪ポニーテールを表現した、世にも珍しい美少女SDである。
「反撃っす!」
 背中に装備したダブルライフルを組み合わせ、氷雪の弾を乱射した。
 刀を縦横無尽に振り回して弾を弾く千神丸。
 互いに決定打を持たぬまま、お互いがお互いを攻めあぐねるという状態が続いていた。

 そのまた一方では、ノブナガアストレイが路面電車の線路を突撃していた。
 二振りの刀から繰り出す強力な斬撃。
 それを、『守人刀』獅子王 飛馬(CL2001466)の獅王号が同じ刀で受け止める。
 反発したエネルギーをうまく利用して回り込みをかけるアストレイ。
「天眼通!」
 展開式増加装甲で軽い斬撃を払うと、獅王号は反転して斬撃を打ち払った。
「まるで背中に目が突いているような防御だ」
「そこんとこ、気合いいれてんだぜ」
 アストレイの連続斬撃が繰り出される。それを只管に打ち払っていく獅王号。
 獅王号のカトラスには青い光が灯り、アストレイの斬撃を強烈に弾いていく。
『獅子王はん、カトラスに仕込んだ改造は切れ味やない。敵の攻撃を物理的に反射する振動装置や。逆に言えば、それ以外に攻撃手段はあらへん。防御を抜かれたらおしまいやで!』
『大丈夫だ、センサーだって強化してる。簡単には抜かせないぜ!』
 獅王号はアストレイを打ち払って距離をとると、再び刀を構えて見せた。
「そっちの攻撃手段は大体見切ったぜ」
 対するアストレイも再び刀を構える。
「そっちの防御も見切った。6ターンに一度紫鋼塞をかけなおしてるな。12ターン立てばその隙は三倍にもなる」
「……ちっ」
 防御を専門とする以上、『やられる前にやる』という手段がとれない。一度がっぷりと組み合ってしまうと、隙が露呈しやすいのだ。
「それまでに、決着をつけてやるぜ!」

 こちらの集中攻撃目標は千神丸。
 そして敵の集中攻撃目標は飛馬の獅王号。
 両者同じくタンクチャージャーを攻撃する手に出たようだ。
「うおっとお!」
 千神丸は懐良の連続攻撃を受け、激しく回転しながら帝都駅の建物へと突っ込んでいった。
「いたたたた、こうなれば……隠し球を使うしかあるまい!」
 千神丸は槍と刀を接続してから放り投げると、自らのジャンプ。
 手足をがちゃがちゃと変形させるや、飛行機型へと変形した。
「ファイナル千神丸! 不死鳥モード!」
 槍を先端に突きだし、凄まじい速度で突っ込んでくるファイナル千神丸。
「俺が持ちこたえる! 神行太保!」
 飛馬は両脇に仕込んでいたインスタントロケットを起動。激しいジェットで走ると、千神丸へ正面からぶつかっていった。
 爆発に包まれる獅王号と千神丸。
 二人はギリギリのところで拮抗。
 だがそこへ。
「貰った!」
「こっちもだ!」
 アストレイとハイニューカネヨシが同時に飛びかかった。
 獅王号と千神丸が胴体の部分で真っ二つに切断され、爆発四散。
 燃え上がる炎と町を背景に、二人はにらみ合った。
 呼びかけてくる飛馬。
『悪い、俺はリタイアだ』
『充分戦ってくれたさ。2対2なら勝機はある』
『そうだな。けど気をつけてくれ輝武が奴と合体するかもしれねえ』
「合体か……すごくしそうだな……」
「気づいたようだが、もう遅いぞ!」
 ノブナガアストレイは一度刀を納めると、両腕を広げて跳躍した。
「愛と勇気と友情の――」
「ファイナル合体!」
 輝武がバラバラに分解し、ノブナガアストレイの甲冑へと替わっていく。
 刀は彼のふた振りの刀を接続させ、巨大な一本の刀へと変化させた。
「補助スキル効果と味方防御を極限まで高めたこの姿。名付けてノブナガアストレイSHMLLCS-MOGだ!」
「おいなんだそのMOGだ! なんの略だ!」
 指を突きつけて叫ぶ懐良に、アストレイは身を切って言った。
「満開乙女心だ!」
「ネーミングセンス!」
 とか言ってる間に横一文字斬り。ハイニューカネヨシとスターライトトキサメはまとめて薙ぎ払われてしまった。
「大幅に火力と装甲を増加したニューカネヨシ。大胆にSDタイプに転向して回復支援に特化させたスターライトトキサメ。どちらも素晴らしい機体だが、俺たちの愛と友情には勝てない!」
「そいつはどうっすかねえ!」
 トキサメは跳躍。
 背負ったライフルや回復用ビットを分解、再接続を繰り返し――。
「あっ、あれは!」
「まさか……!」
 見上げるカネヨシとアストレイの頭上で、トキサメは強く輝いた。
「スタライトトキサメ・リアルモード!」
「やっぱりだー!」
『せや、SDパーツを一度分解し、ライフルやビットのパーツを組み合わせることでスターライトトキサメちゃんはリアルモードに変形するんや。しかも――!』
 胸を張るトキサメ。胸部装甲がやわらかく揺れた。
『乳揺れ機構を搭載しとるんや!』
「「な、なんだと……!?」」
 ガチのロボプラに、乳揺れだと……!? なんのために!?
 戦慄するアストレイとカネヨシを軽く無視して、トキサメは手でハートマークを作った。
「くらうがいいっす! トキサメビーム!」
「さ、させません!」
 甲冑となった輝武が霊力フィールドを発動。
 しかし完全に初出補正とインパクトで場を制したトキサメの威力には叶わなかった。
「きゃあ!」
 アストレイから外れ、周囲に転がる輝武。
「今だッ! 走れ俺のハイニューカネヨシ! 伊達じゃ無いってところを見せてやれ!」
「この程度でぇ!」
 走り出すカネヨシ。
 同じく走り出すアストレイ。
 両者互角と思われた――が。
「アーマーパージ!」
 カネヨシは全ての追加装備を解除。剣一本と恐ろしく鋭く細く磨かれた本体だけでもってアストレイへ一気に距離を詰めたのだ。
 高速で横を駆け抜け、剣を振り抜く懐良。
「何という……脱ぎっぷり……」
 アストレイはがくりと膝を突き、そしてうつ伏せに倒れた。

 ――試合終了!
 ――勝者、チーム『ブレイブ』!

●準決勝の幕が開く
 チームブレイブ、そしてチーム双火土盾。
 彼らを含め、四つのチームが準決勝の舞台へと駒を進めていた。
 悠然と空に浮かぶ巨大戦艦。
 その下を行くランドシップ。その中央に聳え立つ巨大なタワーマンション。
「まさか奴らが準決勝まで勝ち進むとは、意外でしたな」
「だが次に勝つのは……」
 戦艦は自らのパーツを組み替え人型に。
 ランドシップは船体を大きく折り曲げて人型に。
 そして巨大タワーマンションはなんだかごちゃごちゃと組み変わって人型に変形した。
「ああ、我々だ」

 一方こちらは、大会シードのチーム。
 つまり、前回大会での優勝チームである。
『諸君、付喪神の頂点を決めるこの大会。一度の栄光で終わりたくはなかろう』
「当然だ」
「工夫に工夫を凝らして作ったロボプラと、訓練を重ねて強くなった俺たちと、そして信じ合う仲間がいれば……誰にだって負けやしない」
 完全武装し、飛行までするAS。戦艦クラスの砲台をを萎えたEV。
 そして、ずんぐりとした小型重機が腕組みをして立っていた。
「さあ、最高のロボプラバトルをしようじゃないか」

■シナリオ結果■

成功

■詳細■

MVP
なし
軽傷
なし
重傷
なし
死亡
なし
称号付与
なし
特殊成果
『Hi-N-Ka』
カテゴリ:アクセサリ
取得者:坂上 懐良(CL2000523)
『百戟頑駆・改二』
カテゴリ:アクセサリ
取得者:鯨塚 百(CL2000332)
『スターライト・トキサメ』
カテゴリ:アクセサリ
取得者:水端 時雨(CL2000345)




 
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