七星は夢見を求めて
●逃走、そして追跡
荒い息遣いととてもじゃないが速いとは言えないフォームで猫背の青年が街中を走る。
安物のビジネスシューズが水たまりを踏み、合成皮革が泥水を弾くのを見て、安物も悪くないと考えながら逃走を続ける。
「面倒くさいことになっちゃったね」
持っていた缶コーヒーを最後まで飲み干すと、背後から追いかけてくる連中に投げつける。
見当違いの方向に飛んで行ったのを確認せずに青年が路地を曲がったところ、足元に何がが飛び、その歩みを止めた。
「どうして逃げるんですか? せっかくスカウトに参ったのに?」
青年の視線の先に居るのはビジネススーツの男。手に持つのはトランプのカード。無論、足元に刺さっているのも同様のものであった。
「むさい男に追いかけられる趣味は無くてね」
青年が背後を確認すると、追跡していた男達が追い付いてくる。
「それに、このタイミングで助けが来るって予想はしているんだ……」
●撃退、そして保護
「夢見の確保をお願いします」
久方 真由美(nCL2000003)が写真と地図を出しながら、覚者へと要請した。
「対象はチャールズ・P・中野。書類上は中野 チャールズと名乗っていたようです。そして七星剣のエージェントが彼を確保しようと動いています」
指を指すのは地図に書かれた路地一つ。
「七星剣は『スカウトマン』と名乗るトランプに仕立てた護符を武器にした、前世持ちの天行の男とその部下の獣憑の火行が四名」
説明しながら地図に丸を書き、状況を説明する。
「一番早くたどり着いた場合の状況はスカウトマンと部下で挟み撃ちにする形。路地は狭く二名が戦うのがやっとというところです。その後、彼らは車を回して対象を連れていきますので、そうなると確保が難しくなると思います」
全てを説明した後、彼女は面を上げて。
「七星剣に夢見を確保された場合、行動面で先手を取られる可能性があります。大変でしょうがよろしくお願いします」
そう言って、頭を下げた。
荒い息遣いととてもじゃないが速いとは言えないフォームで猫背の青年が街中を走る。
安物のビジネスシューズが水たまりを踏み、合成皮革が泥水を弾くのを見て、安物も悪くないと考えながら逃走を続ける。
「面倒くさいことになっちゃったね」
持っていた缶コーヒーを最後まで飲み干すと、背後から追いかけてくる連中に投げつける。
見当違いの方向に飛んで行ったのを確認せずに青年が路地を曲がったところ、足元に何がが飛び、その歩みを止めた。
「どうして逃げるんですか? せっかくスカウトに参ったのに?」
青年の視線の先に居るのはビジネススーツの男。手に持つのはトランプのカード。無論、足元に刺さっているのも同様のものであった。
「むさい男に追いかけられる趣味は無くてね」
青年が背後を確認すると、追跡していた男達が追い付いてくる。
「それに、このタイミングで助けが来るって予想はしているんだ……」
●撃退、そして保護
「夢見の確保をお願いします」
久方 真由美(nCL2000003)が写真と地図を出しながら、覚者へと要請した。
「対象はチャールズ・P・中野。書類上は中野 チャールズと名乗っていたようです。そして七星剣のエージェントが彼を確保しようと動いています」
指を指すのは地図に書かれた路地一つ。
「七星剣は『スカウトマン』と名乗るトランプに仕立てた護符を武器にした、前世持ちの天行の男とその部下の獣憑の火行が四名」
説明しながら地図に丸を書き、状況を説明する。
「一番早くたどり着いた場合の状況はスカウトマンと部下で挟み撃ちにする形。路地は狭く二名が戦うのがやっとというところです。その後、彼らは車を回して対象を連れていきますので、そうなると確保が難しくなると思います」
全てを説明した後、彼女は面を上げて。
「七星剣に夢見を確保された場合、行動面で先手を取られる可能性があります。大変でしょうがよろしくお願いします」
そう言って、頭を下げた。

■シナリオ詳細
■成功条件
1.夢見、中野・チャールズの保護
2.なし
3.なし
2.なし
3.なし
どうも塩見です。
今回は夢見の確保をお願いします。
状況はOPの通り狭い路地で挟み撃ちにしたあと、車で連れ去る予定です。
最短で動いた場合、挟み撃ちの状態でも距離があるので割り込んだり攻撃するチャンスがあると思って下さい。
ちなみにどちらの方向から攻撃するのも選択可能です。
以下、敵の能力です
●『スカウトマン』
前世持ち、天行
称号というより役職名です。
護符をトランプに仕立てる趣味を持っている他、普通のトランプも持っています。
トランプで人を殺すタイプ。
・雷獣(わざわざ対象列にトランプを投げます)
・迷霧(意味もなくシャッフルしたトランプをばらまいてから発動します)
・波動弾(トランプに込めようとしますが崩壊して普通に発射します)
・護符(トランプ)による通常攻撃
●部下の方々
獣憑(申)、火行
総勢四名
ゴリラとゴリラとゴリラとゴリラっぽくなります。人語は普通にしゃべります。
・正鍛拳
・火炎弾
・醒の炎
以上になります。
敵はファンキーですが、状況とやることはちと面倒くさいと思います。
頑張って下さい。
状態
完了
完了
報酬モルコイン
金:0枚 銀:1枚 銅:0枚
金:0枚 銀:1枚 銅:0枚
相談日数
6日
6日
参加費
100LP[+予約50LP]
100LP[+予約50LP]
参加人数
8/8
8/8
公開日
2016年07月01日
2016年07月01日
■メイン参加者 8人■

●夢見は予見を頼りに
「むさい男に追いかけられる趣味は無くてね」
目の前のスーツの男に答え青年が背後を確認すると、追跡していた男達が追い付いてくる。
「それに、このタイミングで助けが来るって予想はしているんだ……」
男の呟きが現実となる。スカウトマンと名乗るスーツの男の背後より風が動いた。
空気抵抗をフルフェイスと両足のカナードで制御し、韋駄天足により速さを得た男がメイド姿の女を抱きかかえ、チャールズとスカウトマンの間に割って入ると、女を夢見のほうへと放り出す。
「はあい。作業員よ」
緒形 逝(CL2000156)はスーツの男の方へと振り向くと翼状となった腕に持つ直刀・悪食を構える。
「この五麟市内では悪質なスカウトはお断りさね、他所でやっておくれ」
一方、放り投げられたメイド姿の女は音もなくチャールズの目の前に着地し一礼、彼の傍で双剣仕様のトンファー、デファンスを構える。
「熱烈なスカウトですね。私が倒れるまでは防ぎきってみせますので、ご安心を」
そのメイドの名は『Queue』クー・ルルーヴ(CL2000403)。
「そりゃ有り難い、文科系なのでよろしく頼むよ」
夢見の男が言葉を返すと今度は頭上より声がした。
「逃げてるから。夢見さん、七星剣に行きたくない?」
「コーヒーと本があれば考えるけど、保証はされないだろ?あと……見えてるよ」
指摘された桂木・日那乃(CL2000941)はスカートを抑えて高度を下げると、
「ん、じゃあ、邪魔する」
眉をひそめた表情を彼に見せずに答えを返す。
「悪いけど、通してもらうよ!」
『使命を持った少年』御白 小唄(CL2001173)を筆頭に四名の影が彼らを通り過ぎ、内三名がチャールズの後背に立ち、もう一人は逝の隣へと並ぶ。
「十天が一、御影きせき!弱いものいじめはぼくが許さないよー!」
『鬼籍あるいは奇跡』御影・きせき(CL2001110)が名乗りを上げるとスカウトマンの顔が歪む。
「十天……紅蓮轟龍の情報にありましたね」
「七星剣のスカウトマンさん、嫌がる人を無理やり連れてくのはスカウトって言わないんだよ?」
『天使の卵』栗落花 渚(CL2001360)が巨大注射器を構えて言い放つ。
「そうだ、そして一言言いたい!」
『騎士見習い?』天堂・フィオナ(CL2001421)の凛とした声がさらに続く。
「力を持っているなら、欲するなら! 人の為に使うべきだろう!」
「あのー……誠に申し上げにくいことなんですが」
スカウトマンが困った顔でカードをシャッフルし始める。
「我々も仕事なんですよ、組織の為に力を使うって意味で」
「えーっと……あの、アレなんだっけ?」
背後からの声に振り向くスーツの男。そこに立つのはイケイケな黒ギャルの国生 かりん(CL2001391)。
「そうそう、トランプマン。今回はこのミョーなオッサンを何とかすりゃイイんだよね?」
「あ、その名前良いですね。配置換えされたら、そう名乗りましょうか」
「あゝ、そうだ。紫雨ちゃんへ伝えておくれ、ジャム持って行くって」
逝が武器を構えながら伝言を頼む、通路の奥に自分の部下が集まったことを確認したスカウトマンは一言。
「心得ました」
答えて、手の中にあるトランプを舞わせた。
●隔者は己の力量を以って。
「お前達はターゲットを確保しろ、私はこちらを抑える」
カードを舞わせながらスーツの男の指示が飛ぶ。
「……つーかトランプ撒き過ぎィ!!」
かりんが視界を遮るほどのカードに不満の声を上げる。マシンガンシャッフルで両手から放たれたトランプはそれ自体が霧を作り出すキー、カードが風に飛ばさせるとともに覚者達は力の減退を感じる。
対抗するように日那乃ときせきが呼応するように大気の浄化物質を集め、それに香りを付加していく、触覚と嗅覚から得られる自然治癒力の向上を身に感じながら、逝とクーは岩土を鎧として身に纏い防御力を上げていく。
同時に小唄とかりんが雷を落とし、炎の弾丸を放つとスカウトマンはカードに仕立てた護符を二枚、身代わりとばかりに投げ、後方宙返り。元居た場所には焼け焦げた護符が二枚、大地に落ちた。
一方、渚はともしびの下で因子の力を鋼に変え、
「ノブレス・オブリージュを果たすぞ!」
フィオナは騎士として義務を炎に変え、力を得る。
彼らに対抗する部下達も覚醒し、自らの胸を叩くと内に秘める炎を循環させ、活性化させる。
「絵に描いたみたいなゴリ……体育会系の人たちだね」
その様子を見た渚が思わず呟いた。
路地の反対側を塞ぐ申の獣憑の姿は眉の上と後頭部がせり上がり、たくましい身体を持ち、黒い体毛が目立つ。人はそれを学名ゴリラ=ゴリラ=ゴリラ――通称ゴリラと呼ぶ。そして胸を叩く動作はドラミング。自らの力を誇示するその動きが醒の炎を循環させる。
「ゴリラでも申でも、炎比べは望むところだ!」
「それはこちらのセリフだ!」
「えっ喋れるのか!?」
「いや、獣憑喋れるから……」
思わず声を出すフィオナに隣の狐憑の少年が思わずツッコんだ。相手もそれに乗じて言葉を返す。
「何なら、キャラ付けしてやろうか? ……ウホッ!」
まだ経験の浅いフィオナにとって目の前にいる獣憑の反応は予想外だったのだろう、覚醒したからと言って知性が落ちるわけでは無いのは知っていた。けれど、目の前の彼らは……あまりにゴリラだった。
「あ、サービスでゴリラは動物園に死体を戻しておきますね。アハハ!
二人の後ろから逝が軽口を叩く。彼等のペースが隔者に握られっぱなしになるのは流石に見逃せない、空気を変える必要があった。
そしてスーツの男へと意識を切り替えると距離を詰めにかかる。相対するスカウトマン。彼の持つカードには練られた気が波動となって伝導し、耐えきれずに崩壊。直後その力を真っ直ぐに解き放つ。
「それ、カード使う意味あるの!?」
逝の脇を抜け迫る波動の弾丸に声を上げ身構えるきせき。しかし弾丸は彼の脇を抜け、夢見の元へと迫っていく。だが空気が動く音を捉え、事前に護りを備えていたクーがデファンスを持った手を十字に合わせてガードする。纏った土が舞い、衝撃が両腕を跳ね上げる。
「大丈夫?」
「問題ありません」
チャールズの言葉にメイド服姿の獣憑は短く返す。その間に小唄の雷獣がスーツの男の動きを止め、かりんの棒手裏剣が炎を纏い弾丸となって襲う。
「おっと……」
すんでのところで避けるスカウトマン、だが間合いを詰めた逝の腕が伸び襟首をつかむと、足を払うことで相手の身を跳ね上げる。翼状形の腕が生み出す揚力が高さを生み出し、長さが威力を作る。
自らの体形を使いこなすシステマ、その技法を応用した圧投が男をアスファルトに叩きつけ肺腑に溜まった空気を吐き出させる。
次いで大きめの双刀を構えたきせきが燕の様な軌跡の剣戟を一閃、そして二閃。
「グっ……!?」
起き上がったところに胸元を切り裂かれ、うめき声を上げるスカウトマン。しかし右手に持ったカードを湾曲させるとその弾性をによって飛び出すカードで視界を遮ぎり二つ目の斬撃から身を反らせる。
「流石だな」
流れるような皆の動きに感心しつつ、フィオナが長剣に手を添え刀身を撫ぜるとそこに炎が走る。
「不逞のゴリラめ! 私の炎、消せるものなら消してみろ!」
炎の剣とかしたガラティーンが今、炎の一撃を以って本物に迫りそして超えようとする。
隔者はそれを真正面から受け止める。皮膚が割け肉が焼ける音がした。けれど獣憑の申は耐え、拳を握る。剣の内側、拳の間合いに入るために。
空気が震えた。単純かつ無駄のない動き、鍛えられた正拳が騎士の鳩尾を抉り、威を浸透させる。
「フィオナちゃん!?」
隣でくの字に折れ曲がる少女を気遣う少年、だがその小唄にも鍛え抜かれた拳が襲いかかる。反射的に両腕でカバーするが隔者にとってはそれも計算済み、骨が軋む音が鳴り痺れが走り鈍痛が消えない。直後後ろでゴリラが振りかぶるように何かを投げる、それは火炎弾。炎の投擲が二人をさらに傷つけた。
●覚者は連携と予見を以って
二人の様子をみて日那乃はフィオナに深想水を施す、現時点での負傷の回復が見込めないことや相手の行動から状態異常への対応は複数用意していた。後は機先を制して先に回復に動く事。
同じく回復を担う渚も現時点では回復には動かずにスカウトマンへの牽制に動く。
「集中攻撃ですか、勘弁してもらえませんか?」
練り上げた付喪の気弾を避けつつ、カードを投げればそれは逝ときせきの足元へと突き刺さる。
「雷獣、そこにおちる、よ」
日那乃が声を上げる、夢見が見たスカウトマンのカードの動き。それを聞いていた彼女はカードに注視していた。故に何が来るかを見抜き警告を発する事ができたのだ。そして何が来れば分かるのが覚者達。
フルフェイスの男と双刀を持った少年が離れた場所に雷の柱が落ちる。それを貫くように炎の矢が飛び、スーツの男の腕を貫き、持っていたカードを足元にこぼす。刺さっているのは火鉢形の某手裏剣、燃える焔はかりんの火炎弾。熱の残るそれを引き抜いた男に襲い掛かるは自分が放ったものと同じ雷撃。全身に痺れが奔り、電熱が身体を灼く。
スカウトマンの視線が放ったものを見る。そこに居るのは片腕を力なく下げ、どうにか右腕だけを突き出した狐憑の少年。
その腕を雨が濡らした、日那乃が降らす潤しの雨が傷ついた者達の火照りを奪い、痛みを消す。さらに渚の放った光の鳥がフィオナを包み、苦痛で身を屈めていた少女は胸を張り、左の拳で炎に汚れた頬をぬぐう。
短く息を吐く音がした。直後振るわれた炎の刃は再度隔者を傷つけ、彼を後退させる。だが部下もただ逃げるだけではなかった。下がると同時に火炎の弾丸を投げつけて彼女の動きを止めると傍らにいた隔者が入れ替わるように前に立ち拳を振るう。再度の正鍛拳が顎を撃ち抜き勢いが少女を舞わせる。
すぐに立ち上がる騎士。目の前では後ろに居たゴリラが小唄の前に立ちスペースを塞ぐと顔面を撃ち抜く正拳。少年が頭を振りそれを掻い潜ると背後で跳び上がった申の獣憑が炎の弾丸を投げつける。避けた直後を狙われて少年がたたらを踏む。
二人の背後では逝の悪食が跳ね上がるように獲物を喰らわんとし、避けた男に跳躍したきせきが羽のように刀を振るう。
スカウトマンが自分を刺した棒手裏剣を投げる、少年はそれを打ち払うともう一刀でかりんが傷つけた方の肩を刺し貫く。アスファルトの上のカードが赤く汚れた。
●敗者は自らの身を省みず。
「ま、なんつーかアレだね」
傷ついたスカウトマンに向けて護符を構えながらかりんが言う。
「あのチャー何とかいう」
「チャージマン健」
しれっと口を挟むチャールズ
「そうチャージマン健という夢見こそがアンタにとってのババだったってオチかな?」
「違うよチャールズだよー」
「――――っ!?」
気づかずに台詞を言い切るかりん。きせきが訂正すると、かりんは勢いよく炎を纏った護符をスカウトマンに投げつけた。
「貴方も人が悪い」
護符を避けながらスーツの男はカードを構えて。
「つい、口を挟めたくなったんだ。許しておくれよ」
「けれどそんな余裕をしている暇はありますか――」
色黒の少女の視線に肩を竦めながら答える夢見の足元にカードを投げようとするスカウトマン、しかしその動きが止まる。
雷獣の牙が彼の身に痺れを走らせ、動きを止める。それが一瞬の隙を作った。男達の間を縫う様にクーが奔る、真っ直ぐ突き込んだトンファーによる無頼な一撃がプレッシャーを生み出し、更に動きを止める。
続いてきせきが走る、自らの行動で夢見の信を得るために。二振りの刀が十文字に胸を切り裂くと長く黒い腕が地を這う。
「……しくじりましたか、名前を聞いてよろしいですか?」
スカウトマンが問う。
「何でも無い、誰でも無い。只の作業員さね」
作業員を名乗る男は跳ね上げるように刃を振り上げ、悪食を赤く染める作業を二回行う。
――男が倒れるにはそれで十分だった。
スカウトマンが倒れるのを見た申の獣憑の動きに迷いが出るが、それでも任務を果たすために前へと進む。
「ああもうしつこいっ!絶対に通すもんかっ!」
その迷いを見逃す狐憑の少年ではなかった。跳ね上がるように拳を見舞い、蹴り飛ばす。
そして傍らの少女は剣を杖にして倒れまいと足に力を入れる。
「私は騎士だ!」
傷のせいだろうか? 言葉を紡ぐ息が熱い。
「ゴリラに引けは取らんっ!」
小唄の連撃を受けていた隔者の一人が体勢を立て直し飛び掛かる。フィオナは痛む身体に無理を効かせ体重を預けるように前に進み、持っていた剣を突き刺す――燃え盛る炎の刃を。
「ぐぅ!」
うめき声とともに下がる隔者。傷は焼けたせいで血は出ない。だが痛みは怒りに変わり逆襲の一撃を振るおうと拳を握る。
そこへ――
「悪いゴリラさんは、蔓で縛ってお仕置きだよー!」
男子にしてはトーンの高いきせきの声が響くと隔者を縛る捕縛の蔓が足元を捕らえ、クーが放った岩の槍がその進行を止めた。
「まだやるかな? リーダーは倒したよ!」
小唄が獣と化した拳を握り構える。
「ファイヴとのババ抜きはアンタ達の負けってコトだネー」
かりんが棒手裏剣を弄びながら、負けを宣告し選択を迫る。
「…………」
隔者達は沈黙の後、これ以上の戦闘を無理と判断し距離を取ると、撤退への行動へ移る。
追う者はいなかった。
●勝者は夢見を伴って
「いやあ、助かったよ。ありがとう、ええと……」
「FiVE。こっちもスカウトしに来た」
礼を述べるチャールズに日那乃が名乗り要件を告げる。その言葉に猫背の夢見は顎を抑えて考え込む。
「FiVEに来てくれたら、もう変な人に追っかけられたりしないように守れるよ」
きせきの言葉にさらに考え込むチャールズ。
「……どうしたの?」
心配そうに渚が問いかけると、夢見は口を開く。
「そこに……本はあるのかい?」
「それでしたら――」
クーが言葉を挟める。
「五麟学園には大学もありますので保証できるかと」
「五麟学園だって!?」
チャールズの表情が変わる。
「京都の大学じゃないか。君達の母体はそこだったのか……」
「五麟大学考古学研究所もある、よ」
日那乃がさらに言葉をつづけるとチャールズは腕を組んで考え始める。
「他に何か不満とかあるのさね?」
「いや、不満は無い……そうだな」
逝の質問を肯定で返す夢見、そして考え込んだ末に彼は口を開く。
「美味しいコーヒーを付けてくれるなら、喜んでついていこう」
「コーヒー?」
かりんが声を上げる。
「そうコーヒー」
真剣なまなざしで答えるチャールズ。
「多分それは大丈夫かと思います」
小刻みに耳を動かしたクーが答えると猫背の男の背筋が伸びる。
「よし、じゃあ行こう! 本とコーヒーの為に! 僕の力で良かったらいくらでも貸してあげるよ」
「な、何はともあれ……無事でよかったよ」
そう答える小唄の口調には困惑が混ざっていたのは言うまでもない。
儚の因子、中野・チャールズ、本日を以ってFiVE加入。
「むさい男に追いかけられる趣味は無くてね」
目の前のスーツの男に答え青年が背後を確認すると、追跡していた男達が追い付いてくる。
「それに、このタイミングで助けが来るって予想はしているんだ……」
男の呟きが現実となる。スカウトマンと名乗るスーツの男の背後より風が動いた。
空気抵抗をフルフェイスと両足のカナードで制御し、韋駄天足により速さを得た男がメイド姿の女を抱きかかえ、チャールズとスカウトマンの間に割って入ると、女を夢見のほうへと放り出す。
「はあい。作業員よ」
緒形 逝(CL2000156)はスーツの男の方へと振り向くと翼状となった腕に持つ直刀・悪食を構える。
「この五麟市内では悪質なスカウトはお断りさね、他所でやっておくれ」
一方、放り投げられたメイド姿の女は音もなくチャールズの目の前に着地し一礼、彼の傍で双剣仕様のトンファー、デファンスを構える。
「熱烈なスカウトですね。私が倒れるまでは防ぎきってみせますので、ご安心を」
そのメイドの名は『Queue』クー・ルルーヴ(CL2000403)。
「そりゃ有り難い、文科系なのでよろしく頼むよ」
夢見の男が言葉を返すと今度は頭上より声がした。
「逃げてるから。夢見さん、七星剣に行きたくない?」
「コーヒーと本があれば考えるけど、保証はされないだろ?あと……見えてるよ」
指摘された桂木・日那乃(CL2000941)はスカートを抑えて高度を下げると、
「ん、じゃあ、邪魔する」
眉をひそめた表情を彼に見せずに答えを返す。
「悪いけど、通してもらうよ!」
『使命を持った少年』御白 小唄(CL2001173)を筆頭に四名の影が彼らを通り過ぎ、内三名がチャールズの後背に立ち、もう一人は逝の隣へと並ぶ。
「十天が一、御影きせき!弱いものいじめはぼくが許さないよー!」
『鬼籍あるいは奇跡』御影・きせき(CL2001110)が名乗りを上げるとスカウトマンの顔が歪む。
「十天……紅蓮轟龍の情報にありましたね」
「七星剣のスカウトマンさん、嫌がる人を無理やり連れてくのはスカウトって言わないんだよ?」
『天使の卵』栗落花 渚(CL2001360)が巨大注射器を構えて言い放つ。
「そうだ、そして一言言いたい!」
『騎士見習い?』天堂・フィオナ(CL2001421)の凛とした声がさらに続く。
「力を持っているなら、欲するなら! 人の為に使うべきだろう!」
「あのー……誠に申し上げにくいことなんですが」
スカウトマンが困った顔でカードをシャッフルし始める。
「我々も仕事なんですよ、組織の為に力を使うって意味で」
「えーっと……あの、アレなんだっけ?」
背後からの声に振り向くスーツの男。そこに立つのはイケイケな黒ギャルの国生 かりん(CL2001391)。
「そうそう、トランプマン。今回はこのミョーなオッサンを何とかすりゃイイんだよね?」
「あ、その名前良いですね。配置換えされたら、そう名乗りましょうか」
「あゝ、そうだ。紫雨ちゃんへ伝えておくれ、ジャム持って行くって」
逝が武器を構えながら伝言を頼む、通路の奥に自分の部下が集まったことを確認したスカウトマンは一言。
「心得ました」
答えて、手の中にあるトランプを舞わせた。
●隔者は己の力量を以って。
「お前達はターゲットを確保しろ、私はこちらを抑える」
カードを舞わせながらスーツの男の指示が飛ぶ。
「……つーかトランプ撒き過ぎィ!!」
かりんが視界を遮るほどのカードに不満の声を上げる。マシンガンシャッフルで両手から放たれたトランプはそれ自体が霧を作り出すキー、カードが風に飛ばさせるとともに覚者達は力の減退を感じる。
対抗するように日那乃ときせきが呼応するように大気の浄化物質を集め、それに香りを付加していく、触覚と嗅覚から得られる自然治癒力の向上を身に感じながら、逝とクーは岩土を鎧として身に纏い防御力を上げていく。
同時に小唄とかりんが雷を落とし、炎の弾丸を放つとスカウトマンはカードに仕立てた護符を二枚、身代わりとばかりに投げ、後方宙返り。元居た場所には焼け焦げた護符が二枚、大地に落ちた。
一方、渚はともしびの下で因子の力を鋼に変え、
「ノブレス・オブリージュを果たすぞ!」
フィオナは騎士として義務を炎に変え、力を得る。
彼らに対抗する部下達も覚醒し、自らの胸を叩くと内に秘める炎を循環させ、活性化させる。
「絵に描いたみたいなゴリ……体育会系の人たちだね」
その様子を見た渚が思わず呟いた。
路地の反対側を塞ぐ申の獣憑の姿は眉の上と後頭部がせり上がり、たくましい身体を持ち、黒い体毛が目立つ。人はそれを学名ゴリラ=ゴリラ=ゴリラ――通称ゴリラと呼ぶ。そして胸を叩く動作はドラミング。自らの力を誇示するその動きが醒の炎を循環させる。
「ゴリラでも申でも、炎比べは望むところだ!」
「それはこちらのセリフだ!」
「えっ喋れるのか!?」
「いや、獣憑喋れるから……」
思わず声を出すフィオナに隣の狐憑の少年が思わずツッコんだ。相手もそれに乗じて言葉を返す。
「何なら、キャラ付けしてやろうか? ……ウホッ!」
まだ経験の浅いフィオナにとって目の前にいる獣憑の反応は予想外だったのだろう、覚醒したからと言って知性が落ちるわけでは無いのは知っていた。けれど、目の前の彼らは……あまりにゴリラだった。
「あ、サービスでゴリラは動物園に死体を戻しておきますね。アハハ!
二人の後ろから逝が軽口を叩く。彼等のペースが隔者に握られっぱなしになるのは流石に見逃せない、空気を変える必要があった。
そしてスーツの男へと意識を切り替えると距離を詰めにかかる。相対するスカウトマン。彼の持つカードには練られた気が波動となって伝導し、耐えきれずに崩壊。直後その力を真っ直ぐに解き放つ。
「それ、カード使う意味あるの!?」
逝の脇を抜け迫る波動の弾丸に声を上げ身構えるきせき。しかし弾丸は彼の脇を抜け、夢見の元へと迫っていく。だが空気が動く音を捉え、事前に護りを備えていたクーがデファンスを持った手を十字に合わせてガードする。纏った土が舞い、衝撃が両腕を跳ね上げる。
「大丈夫?」
「問題ありません」
チャールズの言葉にメイド服姿の獣憑は短く返す。その間に小唄の雷獣がスーツの男の動きを止め、かりんの棒手裏剣が炎を纏い弾丸となって襲う。
「おっと……」
すんでのところで避けるスカウトマン、だが間合いを詰めた逝の腕が伸び襟首をつかむと、足を払うことで相手の身を跳ね上げる。翼状形の腕が生み出す揚力が高さを生み出し、長さが威力を作る。
自らの体形を使いこなすシステマ、その技法を応用した圧投が男をアスファルトに叩きつけ肺腑に溜まった空気を吐き出させる。
次いで大きめの双刀を構えたきせきが燕の様な軌跡の剣戟を一閃、そして二閃。
「グっ……!?」
起き上がったところに胸元を切り裂かれ、うめき声を上げるスカウトマン。しかし右手に持ったカードを湾曲させるとその弾性をによって飛び出すカードで視界を遮ぎり二つ目の斬撃から身を反らせる。
「流石だな」
流れるような皆の動きに感心しつつ、フィオナが長剣に手を添え刀身を撫ぜるとそこに炎が走る。
「不逞のゴリラめ! 私の炎、消せるものなら消してみろ!」
炎の剣とかしたガラティーンが今、炎の一撃を以って本物に迫りそして超えようとする。
隔者はそれを真正面から受け止める。皮膚が割け肉が焼ける音がした。けれど獣憑の申は耐え、拳を握る。剣の内側、拳の間合いに入るために。
空気が震えた。単純かつ無駄のない動き、鍛えられた正拳が騎士の鳩尾を抉り、威を浸透させる。
「フィオナちゃん!?」
隣でくの字に折れ曲がる少女を気遣う少年、だがその小唄にも鍛え抜かれた拳が襲いかかる。反射的に両腕でカバーするが隔者にとってはそれも計算済み、骨が軋む音が鳴り痺れが走り鈍痛が消えない。直後後ろでゴリラが振りかぶるように何かを投げる、それは火炎弾。炎の投擲が二人をさらに傷つけた。
●覚者は連携と予見を以って
二人の様子をみて日那乃はフィオナに深想水を施す、現時点での負傷の回復が見込めないことや相手の行動から状態異常への対応は複数用意していた。後は機先を制して先に回復に動く事。
同じく回復を担う渚も現時点では回復には動かずにスカウトマンへの牽制に動く。
「集中攻撃ですか、勘弁してもらえませんか?」
練り上げた付喪の気弾を避けつつ、カードを投げればそれは逝ときせきの足元へと突き刺さる。
「雷獣、そこにおちる、よ」
日那乃が声を上げる、夢見が見たスカウトマンのカードの動き。それを聞いていた彼女はカードに注視していた。故に何が来るかを見抜き警告を発する事ができたのだ。そして何が来れば分かるのが覚者達。
フルフェイスの男と双刀を持った少年が離れた場所に雷の柱が落ちる。それを貫くように炎の矢が飛び、スーツの男の腕を貫き、持っていたカードを足元にこぼす。刺さっているのは火鉢形の某手裏剣、燃える焔はかりんの火炎弾。熱の残るそれを引き抜いた男に襲い掛かるは自分が放ったものと同じ雷撃。全身に痺れが奔り、電熱が身体を灼く。
スカウトマンの視線が放ったものを見る。そこに居るのは片腕を力なく下げ、どうにか右腕だけを突き出した狐憑の少年。
その腕を雨が濡らした、日那乃が降らす潤しの雨が傷ついた者達の火照りを奪い、痛みを消す。さらに渚の放った光の鳥がフィオナを包み、苦痛で身を屈めていた少女は胸を張り、左の拳で炎に汚れた頬をぬぐう。
短く息を吐く音がした。直後振るわれた炎の刃は再度隔者を傷つけ、彼を後退させる。だが部下もただ逃げるだけではなかった。下がると同時に火炎の弾丸を投げつけて彼女の動きを止めると傍らにいた隔者が入れ替わるように前に立ち拳を振るう。再度の正鍛拳が顎を撃ち抜き勢いが少女を舞わせる。
すぐに立ち上がる騎士。目の前では後ろに居たゴリラが小唄の前に立ちスペースを塞ぐと顔面を撃ち抜く正拳。少年が頭を振りそれを掻い潜ると背後で跳び上がった申の獣憑が炎の弾丸を投げつける。避けた直後を狙われて少年がたたらを踏む。
二人の背後では逝の悪食が跳ね上がるように獲物を喰らわんとし、避けた男に跳躍したきせきが羽のように刀を振るう。
スカウトマンが自分を刺した棒手裏剣を投げる、少年はそれを打ち払うともう一刀でかりんが傷つけた方の肩を刺し貫く。アスファルトの上のカードが赤く汚れた。
●敗者は自らの身を省みず。
「ま、なんつーかアレだね」
傷ついたスカウトマンに向けて護符を構えながらかりんが言う。
「あのチャー何とかいう」
「チャージマン健」
しれっと口を挟むチャールズ
「そうチャージマン健という夢見こそがアンタにとってのババだったってオチかな?」
「違うよチャールズだよー」
「――――っ!?」
気づかずに台詞を言い切るかりん。きせきが訂正すると、かりんは勢いよく炎を纏った護符をスカウトマンに投げつけた。
「貴方も人が悪い」
護符を避けながらスーツの男はカードを構えて。
「つい、口を挟めたくなったんだ。許しておくれよ」
「けれどそんな余裕をしている暇はありますか――」
色黒の少女の視線に肩を竦めながら答える夢見の足元にカードを投げようとするスカウトマン、しかしその動きが止まる。
雷獣の牙が彼の身に痺れを走らせ、動きを止める。それが一瞬の隙を作った。男達の間を縫う様にクーが奔る、真っ直ぐ突き込んだトンファーによる無頼な一撃がプレッシャーを生み出し、更に動きを止める。
続いてきせきが走る、自らの行動で夢見の信を得るために。二振りの刀が十文字に胸を切り裂くと長く黒い腕が地を這う。
「……しくじりましたか、名前を聞いてよろしいですか?」
スカウトマンが問う。
「何でも無い、誰でも無い。只の作業員さね」
作業員を名乗る男は跳ね上げるように刃を振り上げ、悪食を赤く染める作業を二回行う。
――男が倒れるにはそれで十分だった。
スカウトマンが倒れるのを見た申の獣憑の動きに迷いが出るが、それでも任務を果たすために前へと進む。
「ああもうしつこいっ!絶対に通すもんかっ!」
その迷いを見逃す狐憑の少年ではなかった。跳ね上がるように拳を見舞い、蹴り飛ばす。
そして傍らの少女は剣を杖にして倒れまいと足に力を入れる。
「私は騎士だ!」
傷のせいだろうか? 言葉を紡ぐ息が熱い。
「ゴリラに引けは取らんっ!」
小唄の連撃を受けていた隔者の一人が体勢を立て直し飛び掛かる。フィオナは痛む身体に無理を効かせ体重を預けるように前に進み、持っていた剣を突き刺す――燃え盛る炎の刃を。
「ぐぅ!」
うめき声とともに下がる隔者。傷は焼けたせいで血は出ない。だが痛みは怒りに変わり逆襲の一撃を振るおうと拳を握る。
そこへ――
「悪いゴリラさんは、蔓で縛ってお仕置きだよー!」
男子にしてはトーンの高いきせきの声が響くと隔者を縛る捕縛の蔓が足元を捕らえ、クーが放った岩の槍がその進行を止めた。
「まだやるかな? リーダーは倒したよ!」
小唄が獣と化した拳を握り構える。
「ファイヴとのババ抜きはアンタ達の負けってコトだネー」
かりんが棒手裏剣を弄びながら、負けを宣告し選択を迫る。
「…………」
隔者達は沈黙の後、これ以上の戦闘を無理と判断し距離を取ると、撤退への行動へ移る。
追う者はいなかった。
●勝者は夢見を伴って
「いやあ、助かったよ。ありがとう、ええと……」
「FiVE。こっちもスカウトしに来た」
礼を述べるチャールズに日那乃が名乗り要件を告げる。その言葉に猫背の夢見は顎を抑えて考え込む。
「FiVEに来てくれたら、もう変な人に追っかけられたりしないように守れるよ」
きせきの言葉にさらに考え込むチャールズ。
「……どうしたの?」
心配そうに渚が問いかけると、夢見は口を開く。
「そこに……本はあるのかい?」
「それでしたら――」
クーが言葉を挟める。
「五麟学園には大学もありますので保証できるかと」
「五麟学園だって!?」
チャールズの表情が変わる。
「京都の大学じゃないか。君達の母体はそこだったのか……」
「五麟大学考古学研究所もある、よ」
日那乃がさらに言葉をつづけるとチャールズは腕を組んで考え始める。
「他に何か不満とかあるのさね?」
「いや、不満は無い……そうだな」
逝の質問を肯定で返す夢見、そして考え込んだ末に彼は口を開く。
「美味しいコーヒーを付けてくれるなら、喜んでついていこう」
「コーヒー?」
かりんが声を上げる。
「そうコーヒー」
真剣なまなざしで答えるチャールズ。
「多分それは大丈夫かと思います」
小刻みに耳を動かしたクーが答えると猫背の男の背筋が伸びる。
「よし、じゃあ行こう! 本とコーヒーの為に! 僕の力で良かったらいくらでも貸してあげるよ」
「な、何はともあれ……無事でよかったよ」
そう答える小唄の口調には困惑が混ざっていたのは言うまでもない。
儚の因子、中野・チャールズ、本日を以ってFiVE加入。
■シナリオ結果■
成功
■詳細■
MVP
なし
軽傷
なし
重傷
なし
死亡
なし
称号付与
なし
特殊成果
なし
