パンティ脱がし侍でござる!
●パンティを脱がすことにかけては右に出るものはいないでござァる!
闇夜に紛れて駆け抜ける、一陣の風――否! それは人!
帰宅中のOL(オフィスレディの略。おっぱいレディの略だったらいいなと思う)をすり抜けた人影はぴたりと止まり、ゆっくりと振り向いた。
男である。
女は声を失い、バッグを取り落とした。
男の顔面についた十字の傷跡に恐怖したのではない。
彼の放つ覇気におびえすくんだのだ。
「貴様はもう――」
「ハッ!?」
腰に手を当てる。
そう、女は既に!
「脱いでるウウウウウウウウ!」
手にしたパンティ(フリルのついたレース生地。色は紫)を頭から被り、ハンフーンハンフーンヌと荒い呼吸をする男。
「それは私が今さっきまで履いていた下着!」
女(ノーパン)はオーマイガとか言いながらダッシュで逃げていった。
フムーンフムーンヌと呼吸を繰り返す男。
が、ふと何かに気づいて動きを止めた。
自らに近づく気配を察知したのだ。
気配の主。それは背後に立っていた。
「探したぞ」
スキンヘッド。
半裸。
褌だけを装備した髭ずらの男(48歳独身)である。
「ダークマスターTENGUから巻物を授かったという12のリジェクターがひとり、パンティ脱がし侍! その巻物、俺によこ――」
「セエエエエエイハァ!」
パンティ脱がし侍。彼は男(48歳独身彼女募集中)の股下を素早くくぐり抜ける!
そして彼の手には!
褌!
「貴様はもう脱い――フンヌウウウウウウウウ!」
パンティ脱がし侍は褌を頭に被るとフンヌーハフハッフと激しい呼吸を始めた。
「それは私が今さっきまで履いていた下着!」
男(ノーパン)はオーマイガとか言いながらダッシュで逃げていった。
その様子を横目に、深い呼吸を続けるパンティ脱がし侍。
「そう、拙者はパンティ脱がし侍……パンティを脱がすこと、そして脱ぎたての空気を堪能することを生きがいとする者。止められるものなら、止めてみるがいいでござァる!」
●ナビ子って男なの? 女なの?
ユアワ・ナビ子(nCL2000122)が男女それぞれのパンツがつり下がったハンガーをじーっと眺めていた。
「私前から気になってたんだけど、俗に言う『男の娘』ってどっちの下着はいてるもんなの? 男用? 女用? それとも男の娘用みたいな下着があんの?」
ナビ子の話によりゃあ、パンティ脱がし侍なる隔者がちまたで悪さを働いているらしい。
それは古妖ダークマスターTENGUから授かった巻物の力によってあらゆる人間のパンツを脱がして奪取するという世にも恐ろしい所行なのだ!
「そもそも男の娘って最近出来た言葉だよね。海外じゃ適切に当てはめる言葉がないからMASAMUNEって呼ばれてるらしいじゃない? アニメ由来のスラングで。なんでBURITANって呼ばないかな。絶対アレが一番インパクトあったって」
このままではそこらじゅうの人々がノーパンにされてしまう。
F.i.V.E覚者、出撃だ!
闇夜に紛れて駆け抜ける、一陣の風――否! それは人!
帰宅中のOL(オフィスレディの略。おっぱいレディの略だったらいいなと思う)をすり抜けた人影はぴたりと止まり、ゆっくりと振り向いた。
男である。
女は声を失い、バッグを取り落とした。
男の顔面についた十字の傷跡に恐怖したのではない。
彼の放つ覇気におびえすくんだのだ。
「貴様はもう――」
「ハッ!?」
腰に手を当てる。
そう、女は既に!
「脱いでるウウウウウウウウ!」
手にしたパンティ(フリルのついたレース生地。色は紫)を頭から被り、ハンフーンハンフーンヌと荒い呼吸をする男。
「それは私が今さっきまで履いていた下着!」
女(ノーパン)はオーマイガとか言いながらダッシュで逃げていった。
フムーンフムーンヌと呼吸を繰り返す男。
が、ふと何かに気づいて動きを止めた。
自らに近づく気配を察知したのだ。
気配の主。それは背後に立っていた。
「探したぞ」
スキンヘッド。
半裸。
褌だけを装備した髭ずらの男(48歳独身)である。
「ダークマスターTENGUから巻物を授かったという12のリジェクターがひとり、パンティ脱がし侍! その巻物、俺によこ――」
「セエエエエエイハァ!」
パンティ脱がし侍。彼は男(48歳独身彼女募集中)の股下を素早くくぐり抜ける!
そして彼の手には!
褌!
「貴様はもう脱い――フンヌウウウウウウウウ!」
パンティ脱がし侍は褌を頭に被るとフンヌーハフハッフと激しい呼吸を始めた。
「それは私が今さっきまで履いていた下着!」
男(ノーパン)はオーマイガとか言いながらダッシュで逃げていった。
その様子を横目に、深い呼吸を続けるパンティ脱がし侍。
「そう、拙者はパンティ脱がし侍……パンティを脱がすこと、そして脱ぎたての空気を堪能することを生きがいとする者。止められるものなら、止めてみるがいいでござァる!」
●ナビ子って男なの? 女なの?
ユアワ・ナビ子(nCL2000122)が男女それぞれのパンツがつり下がったハンガーをじーっと眺めていた。
「私前から気になってたんだけど、俗に言う『男の娘』ってどっちの下着はいてるもんなの? 男用? 女用? それとも男の娘用みたいな下着があんの?」
ナビ子の話によりゃあ、パンティ脱がし侍なる隔者がちまたで悪さを働いているらしい。
それは古妖ダークマスターTENGUから授かった巻物の力によってあらゆる人間のパンツを脱がして奪取するという世にも恐ろしい所行なのだ!
「そもそも男の娘って最近出来た言葉だよね。海外じゃ適切に当てはめる言葉がないからMASAMUNEって呼ばれてるらしいじゃない? アニメ由来のスラングで。なんでBURITANって呼ばないかな。絶対アレが一番インパクトあったって」
このままではそこらじゅうの人々がノーパンにされてしまう。
F.i.V.E覚者、出撃だ!

■シナリオ詳細
■成功条件
1.パンティ脱がし侍を脱がす……じゃなくて倒す
2.なし
3.なし
2.なし
3.なし
尚、この巻物は本人にマッチングされているので他の人は使えません。というか、使いたいかい?
●ごちゅうい。
ダークマスターTENGUは古妖です。名前からして多分天狗だと思うけどよその天狗とは関係ないしあって貰っては困る。
●このシナリオの美味しい召し上がり方
・パンツは毎朝ちゃんと履く
・常識は捨てる
・燃えるゴミは毎週決められた日に決められた場所へ出す
以上を押さえると美味しく召し上がることができます。
状態
完了
完了
報酬モルコイン
金:0枚 銀:0枚 銅:3枚
金:0枚 銀:0枚 銅:3枚
相談日数
7日
7日
参加費
100LP[+予約50LP]
100LP[+予約50LP]
参加人数
9/9
9/9
公開日
2016年02月15日
2016年02月15日
■メイン参加者 9人■

●自宅から数百枚のパンツが押収されたときに並べる係って誰がやるの?
「うぅ……もう、嫌な予感しかしないよぉ……」
菊坂 結鹿(CL2000432)がもじもじしていた。
……詳しく話そう。
いつもの超ミニスカみたいなワンピースを着た結鹿だが、今日はスカートの下にブルマを着用していた。二月の寒気だというのに内ももを紅葉のように色づかせた結鹿が左右の膝をこすり合わせていた。汗が一筋流れ落ちて膝のこすれ目にしみた。
詳しく話しすぎた。話題を変えよう。
昨今の学校教育ではブルマを廃止しているが、別に絶滅しわけじゃなくその辺のスポーツショップで千円くらいで売っている。五麟市の小学校がブルマを鬼のように推奨する学校だったのかもしれん。
いやまさかそんな。
日本の平和を守る学園組織がそんな。
「学校の教師がノーパンだとPTAに怒られるわよね。夏場ノーブラで授業してたらさすがに抗議の手紙がきたし」
胸の谷間のアップから登場した『おっぱい天使』シルフィア・カレード(CL2000215)がカメラの引きと共に語った。
だめそうだこの学校。
教師がノーブラなら生徒もノーパンなんじゃないか。そんな疑いをもちたくなるが、きっとそんなことは無いはずだきっと。
シルフィア先生略してシル先だけがエロいだけだきっと。
「パンツなんてただの布なの。あの日以外履かないし履いたら履いたで売ってるの」
『愛求める独眼鬼』瀬織津・鈴鹿(CL2001285)が世にも無垢な笑顔で言った。
もうだめだこの学校。
もうだめだこの学校。
もうだめだこの学校!
というかこの子学校通ってるのかしら。
「大丈夫。パンツなんて履かなくても生きていけるの」
「でも聞いて鈴鹿ちゃん。先生、ノーブラ夏期講習してたら『夫が一眼レフ片手に学校へ行きたがるのでやめてください』って手紙がね?」
「じゃあその写真も売ればいいの」
「……」
倫理の授業でヤミ金の仕組みについて教えそうな学校だなこれ。
ともかく。
緒形 逝(CL2000156)は十河 瑛太(CL2000437)を肩車したままだまーって立っていた。
同じ小学生が大変なことになっている事実に目を瞑ろうとしているのか、なんなのか。
「いや、パンツは履くだろ。紳士のたしなみだろ」
十河 瑛太(CL2000437)が逝の頭に顎肘ついてぼやいた。
「ところでなんだ、パンティ脱がし侍? パンツくらい何に使おうが勝手だけど、無理矢理脱がすのは言語道断。紳士の風上にも置けねーよ」
「……」
「あとおっさん、おろしてくれ。もう自分で歩くから」
逝に下ろされる鈴鹿。
そんな様子を横目に、『グラドル『レナ』』三枝・玲於奈(CL2001305)は電柱の後ろに身を潜めていた。
「なんだってこんな依頼に……そんなつもりなかったのに。もうお家帰りたい」
「諦めなよ。世の中にはパンツが酷い目に遭う運命の人だっているんだよ」
後ろにいつの間にか回り込んでいた『罪なき人々の盾』天城 聖(CL2001170)が、ぽんと肩を叩いた。
「触手にパンツだけ溶かされたりね」
「そんな運命やだ」
「安心せえて。スカートなんて履いてるからとられるんや。きっちりズボンや袴をはいとったらパンツもとられへん」
いつの間にか後ろに回り込んでいた『緋焔姫』焔陰 凛(CL2000119)が肩ぽんした。
「仮にパンツをとられたとしてもあたしの超視力で技を見極めたるで!」
「パンツと聞いて」
いつの間にか後ろに回り込んでいたパンティ脱がし侍が肩ぽんした。
「「ひぃ!?」」
慌てて飛び退く二人。
そんな二人の上を無駄に宙返りで飛び越えると、ゆかり・シャイニング(CL2001288)がなんかキマったポーズで身構えた。
「そこのお侍さん! 安易に下ネタに走るその行為、同じ芸人として見過ごせまひゅん!」
「噛んだ!」
「モロにプレイングコピペしたはずなのに噛んだ!」
「そもそも拙者芸人じゃ……」
「どっちがおもしろ芸人か、決着をつけましょう! このゆかりシャイニングと!」
「押し切った!」
「噛んだのに押し切った!」
「とりあえずくらえー! ゆかり・S・フェニックス!」
ゆかりは荒ぶるゆかりのポーズで光り輝くと、なんか色々燃え始めた。
戦闘開始の合図である。
「……」
逝は『放って置いたらこの子らどこまでも自由にやりそうだな』と思ったが、別に訂正する義理もないので腕組み姿勢のままノータッチ。
今日は自己主張しない逝おじさんである。
そんな彼にかぶるようにしゅばっと割り込む凛。
一瞬で(あらためて)覚醒すると袴でどっしりと構えた。
「こら名前長い侍! 袴のあたしからも下着をとれるんか? 脱がせるもんなら脱がせてみい!」
「フ……」
パンティ脱がし侍は頭にパンツ被って両穴から目を出す感じで構えた。ムトーの構えで構えた。
「って、そのパンツあたしのやないかい! い、いつのまに脱がされたんや……全くわからんかったで」
急に劇画調になった凛が自分の両手を見ながらわなわなしはじめる。
一方で勝ち誇った姿勢(身体を反らして股間を突き出す姿勢)をとるパンティ脱がし侍。
「ダークマスターTENGU様が拙者のためにもたらした『パンティ脱がすの術』はただのストリップ格闘術ではない。パンティだけを盗み取る神の手でござァる!」
「ずるい! それずるい!」
「問答無用! 今度はこの赤い縞パンをあえてはかせてから脱がせてや――へぶし!?」
聖さんの『硬い棒状のもので相手の眉間あたりを突くやつ』が炸裂した。
死ぬほど痛いやつである。
「っていうかこいつ、パンティ盗むのはうまいけど戦闘力ゴミみたいに低くない?」
「くぅ、なぜ拙者の戦闘力がジムに通い始めたメタボのおっさんくらい低いことが分かった」
「わからいでか」
聖さんの『硬い棒の先端で脇腹を執拗に突くやつ』が炸裂した。
身体をくねっとさせながら片手で『やめてやめて』するパンティ脱がし侍。
「おっと、あんまり近づいちゃだめだよね」
そう言ってお空にぱたぱた飛び上がる聖。
「ズボンの上から取れると言っても空まで飛べばとれないでしょ!」
「でもパンティまるみえでござるぜ」
「見るな!」
聖さんの『大きくて長い金属を無造作に投げつけるやつ』が炸裂。
モルスァとかいいながらぶっ倒れる侍。
「はあはあ、とにかくパンティは死守し……ん?」
目を細める聖。パンティ脱がし侍の頭に新しいパンティが被さっていた。
聖のだった。
「いつのまに!」
内股になってストンと飛行をやめる聖。
鼻と脳天から血を吹き出しながら起き上がるパンティ脱がし侍。
「拙者の『パンティ脱がすの術』はちょっと遠いくらいでも発動するのだ」
「勝ち誇ってる割には思いっきり血ぃ吹いてるの」
「こいつ、実は囲んで棒で殴れば倒せるんじゃねえ?」
ゆっくり、そしてじわじわと囲んでいく瑛太と鈴鹿(と、さりげなく逝)。
「囲め囲め、その間に拙者は貴様のパンティを奪……むっ!?」
急にわなわなと震え始めるパンティ脱がし侍。
一方でニヤリと笑う鈴鹿。
「そこの眼帯少女、貴様ノーパンか!? 拙者と戦うにあたってノーパンになるとはなんたる不純!」
「今更気づいても遅いの。それにわたしは普段からノーパンなの」
「ナ゛ニィ!?」
「水の心なの」
「いや水の心かんけーねーだろ」
瑛太裏突っ込み。
「関係あるの。パンツないとお腹とか冷えるけどいつもトイレとかで――」
「そこ追求するなやめろやめろ」
瑛太(女子小学生)は手を振って話題をかき消した。
男が女に下ネタを降ったとき「やだー、きもーい」とか言われると思ってはだめだ。三倍くらいエグいド下ネタでカウンターされて死ぬぞ。男がどれだけファンタジーに生きているか思い知るぞ。
パンティ脱がし侍も似たようなモンらしく、がくりと膝を突いた。
「くっ、拙者はパンティが三度の飯より好きだが……その中身はゲロ吐くほど嫌いなのだ……」
「ならなんで狙うし」
「だが勝負下着かってくらい見た目のいい下着をつけている小学生にはそそる」
瑛太のパンティを握りしめ、侍は復活した。
「複雑な性癖してやがるなこいつ」
「あの……なんで下着盗まれてもノーリアクションなんですか」
さりげに包囲網をじわじわ固めていく結鹿。
瑛太は小さく首降った。
「脱がされ慣れてるしな」
「病院が良いが多いから検査慣れしてるんさね」
誤解が起きないようにそっと補足する逝。
結鹿は納得したのかしてないのかよくわかんない顔で頷いた。
「と、とにかく……これ以上盗まれないようにやっつけましょう!」
「できるものならやってみるがいい!」
結鹿はデカい刃物を振り上げた。
パンティ脱がし侍はかわいいプリントパンティを振り上げた。
「ふぁあ!?」
股の辺りを押さえてぺたんと膝を突く結鹿。
「ほほう、実に小学生らしいパンティでござる。ブルマをはいてくるのも得点がたか、たか……か、フオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオン!」
高速でほおずりし始めるパンティ脱がし侍に、結鹿は心からどん引きした。
「や、やめて、やめてよお!」
「どうしてかしら。人殺しだらけのヤクザワールドなのに、小学生のパンツにまみれて奇声をあげてる人のほうが犯罪者っぽく見えるのね」
コンクリート塀に腰掛けて足を組み替えるシルフィア。
ミニスカだったしパンティも既に奪われているけど全くのノーリアクションだった。
なんなら全裸になっても構わんくらいの度胸だったが、シルフィア先生は『服を着ていたほうがエロい』を知っている大人のオンナなのでスカートも見えそうで見えない角度を維持していた。位置が位置だが。
「ノーパンって開放感はあるけど絶対健康に悪いのよね。お腹冷やすし」
一方で。
「ハーイ、皆のグラドル、レナだよ!」
コンクリート塀の上にぴょんと飛び乗って、横ピースでウィンクする女子大生が現われた。
誰だろうこの人。
と、思う無かれ。玲於奈の別人格っつーかスイッチブレインっつーかパーソナルマインドっつーかそういうやつである。
グーにした手首をあわせて腰をくねくねさせるレナ。
「ちなみにレナは水着派なの。ゴメンね☆」
「ほんとだ、ビキニだ」
「もう取ってる……」
呆れる結鹿をよそにテンションを維持するレナ。さっきと左右逆なポーズをとると、見えない星を飛ばした。
「パンツじゃないからはずかしくないもん!」
「パンツはかないからはずかしくないもん!」
シンメトリーなポーズで見えない☆を飛ばす鈴鹿。
「それは恥ずかしがれっていうか口調口調!」
「今日は元気だねえ瑛太……」
とかやってると、レナは自分の身体を抱いてぐいんぐいん身体をひねりはじめた。
「はぁん、でも間接的に見られてるこの感じ、ゾクゾクしちゃう! グラドルのフロンティア! あっそうだ、見えても大丈夫なようにコレはろっか☆」
胸元から絆創膏を出してウィンクするレナ。
「むしろ余計大丈夫じゃなくなるんじゃないすかね……」
「それに剥がすとき痛いやろ」
あんまりにもあんまりなことを言うゆかりと凛である。
このリプレイが公開停止になったらどうしよう。
「と、とにかく。ゆかりシャイニングの新兵器をお披露目する時が来たようですね! やいパンティ脱がし侍!」
「むむ!?」
腕やら頭やらに大量のパンティを装着したパンティ脱がし侍(今考えたら侍的要素が一切ない)がぐいんと振り返った。
ジャージのズボンを脱いで投げ捨てるゆかり。かわりにジャージの上着を腰の辺りに巻いてうまいこと(ほんとうまいこと)パンツを隠していた。
「さあきなさい! 術なんか捨てて素手で来るんです。私はここから一歩も動かないでやる! 腕も後ろで組んでやる!」
「おいおい、そんな要求誰が受けるって……」
「受けて立つでござァる!」
シャオラーと言いながらゆかりに飛びかかるパンティ脱がし侍。
ゆかりはニヤリと笑った。
「かかったな! ゆかりさんの第三の目は太ももにあるのです! ゆかりキャノン発射!」
パンティ脱がし侍の両手がゆかりのパンティにかかった瞬間。『第三の目からビーム出るやつ』を発射した。
「アバーッ!?」
光線が顔面に直撃するパンティ脱がし侍。
「……」
「……」
それはそれとしてパンツはまだゆっくりとじっくりと脱がし始めた。
「やめない!? ちょ、ここまでされてなぜやめないんですか!」
太ももの内側を相手に向けて露出したまま打つビームというよく考えたらめちゃくちゃエロい光線を連射するゆかり。
パンティ脱がし侍は全部直撃していたが、パンティを脱がす手を離すどころか急ぐそぶりすら見せなかった。匠の目をしていた。
かくして脱がし終え……。
「む、これは」
「そう、おばあちゃんリスペクトの真っ赤なパンツですよ。ネタにもならないこのパンツに何も出来ま――」
「フオオオオオオオオオオオオオオオオオオン!」
「ウワアアアアアアアアアアアアアア!」
頭に被ってふがーふがー深呼吸しはじめるパンティ脱がし侍。
ゆかりは引いた。
「な、なにしてるんですか! そ、そんなものかいで、い、いいことなんて……う、うう……」
「あの、どうしたの? なんで顔真っ赤にしてしおしおしてるの?」
結鹿が心配そうにジャージのズボンを持ってきた。それを受け取ってもじもじするゆかり。
「女の子らしく見られたことないから、変な感じに……ならない?」
「え、そ、そうかな」
むしろ殺したくなったけどな、と思う結鹿。
自分と同じセクハラをうけた同僚を励まそうとしたら思いの外喜んでいて反応に困る、みたいな顔をしていた。小学生がしていい顔じゃない。
ちなみに、その間にパンティ脱がし侍は一時的に本気出した逝おじさんがミンチよりもひでえ目にあわせて倒していた。
●
「どうしてこんなことに。なんで絆創膏なんかを……うう……」
電柱の後ろに隠れて頭を抱えてねじねじする玲於奈。
彼女をよそに、逝は縄でぐるぐるまきにしてパンティ脱がし侍を転がした。
「で、こいつどうするね」
「殺そう」
ラジオペンチを片手に真顔で言う結鹿。
「賛成しないでもないけど、その道具のチョイスはどうかとおもうぞう、おじさん」
「まあまあ、まずは話や……」
結鹿を一旦なだめて、凛が前へ出た。
「ええか。下着いうんは己を守る最後の砦や。なら人はそこに己自身を込めるもんなんや。あたしも胸でかいとか体つきがエロいとかよういわれるけども、常に心は清潔に、純真潔白、その想いを込めて下着をつけとんねん。他のモンも下着に己の思いを込めとる。それを感じ取るのが下着道や」
「下着道」
「下着道や」
途中までいいこと言ってたのに、みたいな顔で補足するシルフィア。
「あと、『あの日』は下着の下にあれつけてるから外すときそれだけは残してあげてね」
「まっとうやけどできれば言わないでおいて欲しかったなそれ」
「それより、ゆかりさんとパンティ脱がし侍どっちがおもしろかっ、あう!?」
話を思いっきりそらしにかかったゆかりさんをぐいっと押しのける聖。
「触れるのはこのくらいにして、かえろ」
「なんでですかー。まだ採点してないじゃないでーすかー」
腕をばったばったするゆかり。目をそらす聖。
「私、はかないとその、ぬれるんだよね」
「帰りましょうか」
「とりま通報な、通報!」
瑛太は近くの公衆電話を指さして言った。
もっともである。むしろこれが通報されない方がどうかしている。
両手を腰に当ててつめよる鈴鹿。
「あとお姉ちゃんたちのパンツとったんだからお金はらうの! 一人一万なの!」
「つまり一万につき一枚貰える?」
「そういうことなの」
「そういうことじゃない!」
羽交い締めにして拘束する瑛太。
「やめるの、はなすの! お金貰って巻物も貰うの!」
「ククク、この巻物はダークマスターTENGU様が拙者のために作った巻物。他の者に使えるわけが……」
言ってるそばから鈴鹿はアテンドに巻物突っ込んでいた。
原則自分の神具しか突っ込めないので入らない筈だが、意外に入った。ずるっと入った。
「マッチングが変更された……だと……?」
「やったの! 他の巻物も集めるの!」
わーいわーいと言ってアテンドをわっしょいわっしょいする鈴鹿。
その姿を横目に見ながら、凛たちは冷静に通報した。
「うぅ……もう、嫌な予感しかしないよぉ……」
菊坂 結鹿(CL2000432)がもじもじしていた。
……詳しく話そう。
いつもの超ミニスカみたいなワンピースを着た結鹿だが、今日はスカートの下にブルマを着用していた。二月の寒気だというのに内ももを紅葉のように色づかせた結鹿が左右の膝をこすり合わせていた。汗が一筋流れ落ちて膝のこすれ目にしみた。
詳しく話しすぎた。話題を変えよう。
昨今の学校教育ではブルマを廃止しているが、別に絶滅しわけじゃなくその辺のスポーツショップで千円くらいで売っている。五麟市の小学校がブルマを鬼のように推奨する学校だったのかもしれん。
いやまさかそんな。
日本の平和を守る学園組織がそんな。
「学校の教師がノーパンだとPTAに怒られるわよね。夏場ノーブラで授業してたらさすがに抗議の手紙がきたし」
胸の谷間のアップから登場した『おっぱい天使』シルフィア・カレード(CL2000215)がカメラの引きと共に語った。
だめそうだこの学校。
教師がノーブラなら生徒もノーパンなんじゃないか。そんな疑いをもちたくなるが、きっとそんなことは無いはずだきっと。
シルフィア先生略してシル先だけがエロいだけだきっと。
「パンツなんてただの布なの。あの日以外履かないし履いたら履いたで売ってるの」
『愛求める独眼鬼』瀬織津・鈴鹿(CL2001285)が世にも無垢な笑顔で言った。
もうだめだこの学校。
もうだめだこの学校。
もうだめだこの学校!
というかこの子学校通ってるのかしら。
「大丈夫。パンツなんて履かなくても生きていけるの」
「でも聞いて鈴鹿ちゃん。先生、ノーブラ夏期講習してたら『夫が一眼レフ片手に学校へ行きたがるのでやめてください』って手紙がね?」
「じゃあその写真も売ればいいの」
「……」
倫理の授業でヤミ金の仕組みについて教えそうな学校だなこれ。
ともかく。
緒形 逝(CL2000156)は十河 瑛太(CL2000437)を肩車したままだまーって立っていた。
同じ小学生が大変なことになっている事実に目を瞑ろうとしているのか、なんなのか。
「いや、パンツは履くだろ。紳士のたしなみだろ」
十河 瑛太(CL2000437)が逝の頭に顎肘ついてぼやいた。
「ところでなんだ、パンティ脱がし侍? パンツくらい何に使おうが勝手だけど、無理矢理脱がすのは言語道断。紳士の風上にも置けねーよ」
「……」
「あとおっさん、おろしてくれ。もう自分で歩くから」
逝に下ろされる鈴鹿。
そんな様子を横目に、『グラドル『レナ』』三枝・玲於奈(CL2001305)は電柱の後ろに身を潜めていた。
「なんだってこんな依頼に……そんなつもりなかったのに。もうお家帰りたい」
「諦めなよ。世の中にはパンツが酷い目に遭う運命の人だっているんだよ」
後ろにいつの間にか回り込んでいた『罪なき人々の盾』天城 聖(CL2001170)が、ぽんと肩を叩いた。
「触手にパンツだけ溶かされたりね」
「そんな運命やだ」
「安心せえて。スカートなんて履いてるからとられるんや。きっちりズボンや袴をはいとったらパンツもとられへん」
いつの間にか後ろに回り込んでいた『緋焔姫』焔陰 凛(CL2000119)が肩ぽんした。
「仮にパンツをとられたとしてもあたしの超視力で技を見極めたるで!」
「パンツと聞いて」
いつの間にか後ろに回り込んでいたパンティ脱がし侍が肩ぽんした。
「「ひぃ!?」」
慌てて飛び退く二人。
そんな二人の上を無駄に宙返りで飛び越えると、ゆかり・シャイニング(CL2001288)がなんかキマったポーズで身構えた。
「そこのお侍さん! 安易に下ネタに走るその行為、同じ芸人として見過ごせまひゅん!」
「噛んだ!」
「モロにプレイングコピペしたはずなのに噛んだ!」
「そもそも拙者芸人じゃ……」
「どっちがおもしろ芸人か、決着をつけましょう! このゆかりシャイニングと!」
「押し切った!」
「噛んだのに押し切った!」
「とりあえずくらえー! ゆかり・S・フェニックス!」
ゆかりは荒ぶるゆかりのポーズで光り輝くと、なんか色々燃え始めた。
戦闘開始の合図である。
「……」
逝は『放って置いたらこの子らどこまでも自由にやりそうだな』と思ったが、別に訂正する義理もないので腕組み姿勢のままノータッチ。
今日は自己主張しない逝おじさんである。
そんな彼にかぶるようにしゅばっと割り込む凛。
一瞬で(あらためて)覚醒すると袴でどっしりと構えた。
「こら名前長い侍! 袴のあたしからも下着をとれるんか? 脱がせるもんなら脱がせてみい!」
「フ……」
パンティ脱がし侍は頭にパンツ被って両穴から目を出す感じで構えた。ムトーの構えで構えた。
「って、そのパンツあたしのやないかい! い、いつのまに脱がされたんや……全くわからんかったで」
急に劇画調になった凛が自分の両手を見ながらわなわなしはじめる。
一方で勝ち誇った姿勢(身体を反らして股間を突き出す姿勢)をとるパンティ脱がし侍。
「ダークマスターTENGU様が拙者のためにもたらした『パンティ脱がすの術』はただのストリップ格闘術ではない。パンティだけを盗み取る神の手でござァる!」
「ずるい! それずるい!」
「問答無用! 今度はこの赤い縞パンをあえてはかせてから脱がせてや――へぶし!?」
聖さんの『硬い棒状のもので相手の眉間あたりを突くやつ』が炸裂した。
死ぬほど痛いやつである。
「っていうかこいつ、パンティ盗むのはうまいけど戦闘力ゴミみたいに低くない?」
「くぅ、なぜ拙者の戦闘力がジムに通い始めたメタボのおっさんくらい低いことが分かった」
「わからいでか」
聖さんの『硬い棒の先端で脇腹を執拗に突くやつ』が炸裂した。
身体をくねっとさせながら片手で『やめてやめて』するパンティ脱がし侍。
「おっと、あんまり近づいちゃだめだよね」
そう言ってお空にぱたぱた飛び上がる聖。
「ズボンの上から取れると言っても空まで飛べばとれないでしょ!」
「でもパンティまるみえでござるぜ」
「見るな!」
聖さんの『大きくて長い金属を無造作に投げつけるやつ』が炸裂。
モルスァとかいいながらぶっ倒れる侍。
「はあはあ、とにかくパンティは死守し……ん?」
目を細める聖。パンティ脱がし侍の頭に新しいパンティが被さっていた。
聖のだった。
「いつのまに!」
内股になってストンと飛行をやめる聖。
鼻と脳天から血を吹き出しながら起き上がるパンティ脱がし侍。
「拙者の『パンティ脱がすの術』はちょっと遠いくらいでも発動するのだ」
「勝ち誇ってる割には思いっきり血ぃ吹いてるの」
「こいつ、実は囲んで棒で殴れば倒せるんじゃねえ?」
ゆっくり、そしてじわじわと囲んでいく瑛太と鈴鹿(と、さりげなく逝)。
「囲め囲め、その間に拙者は貴様のパンティを奪……むっ!?」
急にわなわなと震え始めるパンティ脱がし侍。
一方でニヤリと笑う鈴鹿。
「そこの眼帯少女、貴様ノーパンか!? 拙者と戦うにあたってノーパンになるとはなんたる不純!」
「今更気づいても遅いの。それにわたしは普段からノーパンなの」
「ナ゛ニィ!?」
「水の心なの」
「いや水の心かんけーねーだろ」
瑛太裏突っ込み。
「関係あるの。パンツないとお腹とか冷えるけどいつもトイレとかで――」
「そこ追求するなやめろやめろ」
瑛太(女子小学生)は手を振って話題をかき消した。
男が女に下ネタを降ったとき「やだー、きもーい」とか言われると思ってはだめだ。三倍くらいエグいド下ネタでカウンターされて死ぬぞ。男がどれだけファンタジーに生きているか思い知るぞ。
パンティ脱がし侍も似たようなモンらしく、がくりと膝を突いた。
「くっ、拙者はパンティが三度の飯より好きだが……その中身はゲロ吐くほど嫌いなのだ……」
「ならなんで狙うし」
「だが勝負下着かってくらい見た目のいい下着をつけている小学生にはそそる」
瑛太のパンティを握りしめ、侍は復活した。
「複雑な性癖してやがるなこいつ」
「あの……なんで下着盗まれてもノーリアクションなんですか」
さりげに包囲網をじわじわ固めていく結鹿。
瑛太は小さく首降った。
「脱がされ慣れてるしな」
「病院が良いが多いから検査慣れしてるんさね」
誤解が起きないようにそっと補足する逝。
結鹿は納得したのかしてないのかよくわかんない顔で頷いた。
「と、とにかく……これ以上盗まれないようにやっつけましょう!」
「できるものならやってみるがいい!」
結鹿はデカい刃物を振り上げた。
パンティ脱がし侍はかわいいプリントパンティを振り上げた。
「ふぁあ!?」
股の辺りを押さえてぺたんと膝を突く結鹿。
「ほほう、実に小学生らしいパンティでござる。ブルマをはいてくるのも得点がたか、たか……か、フオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオン!」
高速でほおずりし始めるパンティ脱がし侍に、結鹿は心からどん引きした。
「や、やめて、やめてよお!」
「どうしてかしら。人殺しだらけのヤクザワールドなのに、小学生のパンツにまみれて奇声をあげてる人のほうが犯罪者っぽく見えるのね」
コンクリート塀に腰掛けて足を組み替えるシルフィア。
ミニスカだったしパンティも既に奪われているけど全くのノーリアクションだった。
なんなら全裸になっても構わんくらいの度胸だったが、シルフィア先生は『服を着ていたほうがエロい』を知っている大人のオンナなのでスカートも見えそうで見えない角度を維持していた。位置が位置だが。
「ノーパンって開放感はあるけど絶対健康に悪いのよね。お腹冷やすし」
一方で。
「ハーイ、皆のグラドル、レナだよ!」
コンクリート塀の上にぴょんと飛び乗って、横ピースでウィンクする女子大生が現われた。
誰だろうこの人。
と、思う無かれ。玲於奈の別人格っつーかスイッチブレインっつーかパーソナルマインドっつーかそういうやつである。
グーにした手首をあわせて腰をくねくねさせるレナ。
「ちなみにレナは水着派なの。ゴメンね☆」
「ほんとだ、ビキニだ」
「もう取ってる……」
呆れる結鹿をよそにテンションを維持するレナ。さっきと左右逆なポーズをとると、見えない星を飛ばした。
「パンツじゃないからはずかしくないもん!」
「パンツはかないからはずかしくないもん!」
シンメトリーなポーズで見えない☆を飛ばす鈴鹿。
「それは恥ずかしがれっていうか口調口調!」
「今日は元気だねえ瑛太……」
とかやってると、レナは自分の身体を抱いてぐいんぐいん身体をひねりはじめた。
「はぁん、でも間接的に見られてるこの感じ、ゾクゾクしちゃう! グラドルのフロンティア! あっそうだ、見えても大丈夫なようにコレはろっか☆」
胸元から絆創膏を出してウィンクするレナ。
「むしろ余計大丈夫じゃなくなるんじゃないすかね……」
「それに剥がすとき痛いやろ」
あんまりにもあんまりなことを言うゆかりと凛である。
このリプレイが公開停止になったらどうしよう。
「と、とにかく。ゆかりシャイニングの新兵器をお披露目する時が来たようですね! やいパンティ脱がし侍!」
「むむ!?」
腕やら頭やらに大量のパンティを装着したパンティ脱がし侍(今考えたら侍的要素が一切ない)がぐいんと振り返った。
ジャージのズボンを脱いで投げ捨てるゆかり。かわりにジャージの上着を腰の辺りに巻いてうまいこと(ほんとうまいこと)パンツを隠していた。
「さあきなさい! 術なんか捨てて素手で来るんです。私はここから一歩も動かないでやる! 腕も後ろで組んでやる!」
「おいおい、そんな要求誰が受けるって……」
「受けて立つでござァる!」
シャオラーと言いながらゆかりに飛びかかるパンティ脱がし侍。
ゆかりはニヤリと笑った。
「かかったな! ゆかりさんの第三の目は太ももにあるのです! ゆかりキャノン発射!」
パンティ脱がし侍の両手がゆかりのパンティにかかった瞬間。『第三の目からビーム出るやつ』を発射した。
「アバーッ!?」
光線が顔面に直撃するパンティ脱がし侍。
「……」
「……」
それはそれとしてパンツはまだゆっくりとじっくりと脱がし始めた。
「やめない!? ちょ、ここまでされてなぜやめないんですか!」
太ももの内側を相手に向けて露出したまま打つビームというよく考えたらめちゃくちゃエロい光線を連射するゆかり。
パンティ脱がし侍は全部直撃していたが、パンティを脱がす手を離すどころか急ぐそぶりすら見せなかった。匠の目をしていた。
かくして脱がし終え……。
「む、これは」
「そう、おばあちゃんリスペクトの真っ赤なパンツですよ。ネタにもならないこのパンツに何も出来ま――」
「フオオオオオオオオオオオオオオオオオオン!」
「ウワアアアアアアアアアアアアアア!」
頭に被ってふがーふがー深呼吸しはじめるパンティ脱がし侍。
ゆかりは引いた。
「な、なにしてるんですか! そ、そんなものかいで、い、いいことなんて……う、うう……」
「あの、どうしたの? なんで顔真っ赤にしてしおしおしてるの?」
結鹿が心配そうにジャージのズボンを持ってきた。それを受け取ってもじもじするゆかり。
「女の子らしく見られたことないから、変な感じに……ならない?」
「え、そ、そうかな」
むしろ殺したくなったけどな、と思う結鹿。
自分と同じセクハラをうけた同僚を励まそうとしたら思いの外喜んでいて反応に困る、みたいな顔をしていた。小学生がしていい顔じゃない。
ちなみに、その間にパンティ脱がし侍は一時的に本気出した逝おじさんがミンチよりもひでえ目にあわせて倒していた。
●
「どうしてこんなことに。なんで絆創膏なんかを……うう……」
電柱の後ろに隠れて頭を抱えてねじねじする玲於奈。
彼女をよそに、逝は縄でぐるぐるまきにしてパンティ脱がし侍を転がした。
「で、こいつどうするね」
「殺そう」
ラジオペンチを片手に真顔で言う結鹿。
「賛成しないでもないけど、その道具のチョイスはどうかとおもうぞう、おじさん」
「まあまあ、まずは話や……」
結鹿を一旦なだめて、凛が前へ出た。
「ええか。下着いうんは己を守る最後の砦や。なら人はそこに己自身を込めるもんなんや。あたしも胸でかいとか体つきがエロいとかよういわれるけども、常に心は清潔に、純真潔白、その想いを込めて下着をつけとんねん。他のモンも下着に己の思いを込めとる。それを感じ取るのが下着道や」
「下着道」
「下着道や」
途中までいいこと言ってたのに、みたいな顔で補足するシルフィア。
「あと、『あの日』は下着の下にあれつけてるから外すときそれだけは残してあげてね」
「まっとうやけどできれば言わないでおいて欲しかったなそれ」
「それより、ゆかりさんとパンティ脱がし侍どっちがおもしろかっ、あう!?」
話を思いっきりそらしにかかったゆかりさんをぐいっと押しのける聖。
「触れるのはこのくらいにして、かえろ」
「なんでですかー。まだ採点してないじゃないでーすかー」
腕をばったばったするゆかり。目をそらす聖。
「私、はかないとその、ぬれるんだよね」
「帰りましょうか」
「とりま通報な、通報!」
瑛太は近くの公衆電話を指さして言った。
もっともである。むしろこれが通報されない方がどうかしている。
両手を腰に当ててつめよる鈴鹿。
「あとお姉ちゃんたちのパンツとったんだからお金はらうの! 一人一万なの!」
「つまり一万につき一枚貰える?」
「そういうことなの」
「そういうことじゃない!」
羽交い締めにして拘束する瑛太。
「やめるの、はなすの! お金貰って巻物も貰うの!」
「ククク、この巻物はダークマスターTENGU様が拙者のために作った巻物。他の者に使えるわけが……」
言ってるそばから鈴鹿はアテンドに巻物突っ込んでいた。
原則自分の神具しか突っ込めないので入らない筈だが、意外に入った。ずるっと入った。
「マッチングが変更された……だと……?」
「やったの! 他の巻物も集めるの!」
わーいわーいと言ってアテンドをわっしょいわっしょいする鈴鹿。
その姿を横目に見ながら、凛たちは冷静に通報した。
■シナリオ結果■
成功
■詳細■
MVP
なし
軽傷
なし
重傷
なし
死亡
なし
称号付与
なし
特殊成果
『パンティ脱がすの術』
カテゴリ:アクセサリ
取得者:瀬織津・鈴鹿(CL2001285)
カテゴリ:アクセサリ
取得者:瀬織津・鈴鹿(CL2001285)
