ただ、それだけの理由で町は燃えます。
●伝承すら彼らには道具に過ぎない
ところどころ欠けた石造りの階段を導火線が伝う。
「準備は済んだか? 」
導火線の一端は何かのスイッチのようになっており、それを持った男は傍らにいる部下に確認を促す。
「万事問題なく終了しました。スイッチ一つで階段――この山の神社にある封印が吹き飛び、封じられた古妖が出現します」
「秋から冬にかけ、山々を焼くといわれる火の子供……カエンワラシの伝承か」
スイッチを弄びながら男は石段の向こう、山頂にある古ぼけた神社を見る。
「ああところで……あそこを管理していた彼らはどうした? 」
「情報が漏れる可能性があったので始末済みです。死体は命令通りそのままにしております」
「よろしい」
部下の回答に満足したような笑みを漏らす。
「さあ、化け物共よ。早くしないと町が焼けるぞ、バケモノの手によってな」
スイッチを押す。
響く爆発音、そして山頂から赤いものが――炎が生み出され、山とそして麓の街を焼き尽くそうと動き始める。
それを確認すると男はスイッチを投げ捨て用意していたバンに乗り込んだ。
●町が焼ける
「緊急事態です」
久方 真由美(nCL2000003)の告げる言葉には若干の焦りが見えるのは気のせいだろうか?
「何者かの手によって、ある田舎町の山――そこに建てた神社に封印されていた古妖が解放されます」
机の上に出されたのは地図二枚。目的地までの経路が書かれたものと、古妖が居るという田舎町と山のもの。
「古妖……その町の伝承では火炎童という名前で呼ばれていて、この時期になると現れる炎のアヤカシで。数十年前に何者かによって封印されて以来、現れることはなかったということです」
さらに真由美の話は続く。
「古妖自体は強くは無いのですが問題は8体と数が多いことと状態異常にからの回復が早いという特性を持っていることです。そして……」
田舎町と山の地図を持ち出すと山から町へ一直線に赤いペンで線を引き。
「この火炎童は一部を残して一直線に町に進み、約3分で町を到着。そして町を焼き始めます」
さらに線の下に180という文字を書き込むと、もう一つの地図を用意して。
「こちらはここから現場への経路の地図です。移動の足は用意してますが、速くても山を上る石段の途中で遭遇することになりますので町まで到達する時間は2分と考えてください。足場は斜面となっていますが石段と周辺の草も刈っているので戦闘には支障ありません。それと……」
真由美が思案する。少しの沈黙の後、彼女は口を開いた。
「戦闘終了後、もしくは長引いて町に被害が及んでいる最中に公衆電話が鳴ります。選択はお任せしますが……何らかの勧誘と思われますので断ることをお勧めします」
夢見としての説明を終え、緊張が解けたのか真由美はハンカチで汗を拭く。
「それではみなさん、よろしくお願いします」
ところどころ欠けた石造りの階段を導火線が伝う。
「準備は済んだか? 」
導火線の一端は何かのスイッチのようになっており、それを持った男は傍らにいる部下に確認を促す。
「万事問題なく終了しました。スイッチ一つで階段――この山の神社にある封印が吹き飛び、封じられた古妖が出現します」
「秋から冬にかけ、山々を焼くといわれる火の子供……カエンワラシの伝承か」
スイッチを弄びながら男は石段の向こう、山頂にある古ぼけた神社を見る。
「ああところで……あそこを管理していた彼らはどうした? 」
「情報が漏れる可能性があったので始末済みです。死体は命令通りそのままにしております」
「よろしい」
部下の回答に満足したような笑みを漏らす。
「さあ、化け物共よ。早くしないと町が焼けるぞ、バケモノの手によってな」
スイッチを押す。
響く爆発音、そして山頂から赤いものが――炎が生み出され、山とそして麓の街を焼き尽くそうと動き始める。
それを確認すると男はスイッチを投げ捨て用意していたバンに乗り込んだ。
●町が焼ける
「緊急事態です」
久方 真由美(nCL2000003)の告げる言葉には若干の焦りが見えるのは気のせいだろうか?
「何者かの手によって、ある田舎町の山――そこに建てた神社に封印されていた古妖が解放されます」
机の上に出されたのは地図二枚。目的地までの経路が書かれたものと、古妖が居るという田舎町と山のもの。
「古妖……その町の伝承では火炎童という名前で呼ばれていて、この時期になると現れる炎のアヤカシで。数十年前に何者かによって封印されて以来、現れることはなかったということです」
さらに真由美の話は続く。
「古妖自体は強くは無いのですが問題は8体と数が多いことと状態異常にからの回復が早いという特性を持っていることです。そして……」
田舎町と山の地図を持ち出すと山から町へ一直線に赤いペンで線を引き。
「この火炎童は一部を残して一直線に町に進み、約3分で町を到着。そして町を焼き始めます」
さらに線の下に180という文字を書き込むと、もう一つの地図を用意して。
「こちらはここから現場への経路の地図です。移動の足は用意してますが、速くても山を上る石段の途中で遭遇することになりますので町まで到達する時間は2分と考えてください。足場は斜面となっていますが石段と周辺の草も刈っているので戦闘には支障ありません。それと……」
真由美が思案する。少しの沈黙の後、彼女は口を開いた。
「戦闘終了後、もしくは長引いて町に被害が及んでいる最中に公衆電話が鳴ります。選択はお任せしますが……何らかの勧誘と思われますので断ることをお勧めします」
夢見としての説明を終え、緊張が解けたのか真由美はハンカチで汗を拭く。
「それではみなさん、よろしくお願いします」

■シナリオ詳細
■成功条件
1.火炎童の撃退
2.なし
3.なし
2.なし
3.なし
今回は無双ゲームに見せかけた、タイムリミットミッションだと考えていただければ幸いです。
ちなみに町が焼けることは成功条件に関係ありませんので時間など考えずに一体ずつ丹念につぶしてもかまいません。
町が焼けて家を失う人が目の前で生まれるだけです。
また、作戦終了後もしくは町が焼ける事態になった場合、近くの公衆電話が鳴ります。
どのような返答をするかはあらかじめ意思統一することをお勧めします。
場所についてはOPにある通り石段と周辺の斜面が中心となります。
足場に制限はなく、明かりに関しても古妖が途中までの木を焼いたりしているので支障はありません(つまり山火事の最中です)。
では古妖のデータです。
名称:火炎童(カエンワラシ)
外見:髪の毛が炎になっている5から6歳くらいの子供のアヤカシです
数:8体
特性:状態異常に対する回復が早い
攻撃方法
・通常攻撃:特近単、【火傷】
・火を吹く::特遠単 【火傷】
基本的には攻撃されたら、やり返してきますが何もしなければ一直線に町を焼きに行きますので運用をうまく考えてください。
それではみなさん、検討をお祈りします。
状態
完了
完了
報酬モルコイン
金:0枚 銀:1枚 銅:0枚
金:0枚 銀:1枚 銅:0枚
相談日数
7日
7日
参加費
100LP[+予約50LP]
100LP[+予約50LP]
参加人数
8/8
8/8
公開日
2016年02月12日
2016年02月12日
■メイン参加者 8人■

●00.150.00
町中を走り抜け、燃え盛る山へ、神社への石段を覚者は登る。
『独善者』月歌 浅葱(CL2000915)が覚醒爆光により因子を覚醒させると白のマフラーがはためく。
火災の様子に集まった野次馬はその光と音に動きを止める、その一瞬を逃さず、六人は人々の間を走り抜けた。
「天が知る地が知る人知れずっ火の用心のお時間ですっ。あっ、近くの方も火の用心っ
危険ですから逃げてくださいねっ」
突然の出来事に呆けてる人々に浅葱は呼びかけることは忘れない。
(失った痛みは無関係な人に押し付けても構わないと? 笑わせてくれるわ)
かつて憤怒者の手によって様々なものを失った『凛の雫花』宇賀神・慈雨(CL2000259)の心は同じ存在に対する怒りに満ちていた。
「くっそ、何だよコレ……なんで、憤怒者が一般人を殺すような手段をとるんだ……! 」
パチパチと木が燃え割れる音を聞きながら御白 小唄(CL2001173)は理不尽を口にする。
憤怒者が覚者でなく、一般人に被害を及ぶ行為を行うという理不尽に感情が止まらない。
「こんなのって……隔者や妖以下だよ!! 」
だが、それが人の所業なのだ。一方で冷静に動くものもいた。
「閉じ込められてた古妖を出して町を焼く、の、迷惑」
桂木・日那乃(CL2000941)は事実を述べ、翼をはためかせる。
「…前にAAAの家族だから殺す、っていうの、いたけど。…同じ? 」
彼女が考えるのは以前に携わった憤怒者の一件、それも覚者を狙うものではなかった。
「よっしゃ見敵必殺デストローイ!! 」
彼女の思考も不死川 苦役(CL2000720)のゲーム感覚な叫びで打ち切られる。
石段の中腹、周囲が炎に覆われかかった辺りで彼らは古妖に遭遇した。
●00.120.00
「ギィ……ギィ……」
火炎童と告げられた古妖は確かに子供の体躯をしていた、身にまとうは粗末に衣服。その頭は髪の毛の代わりに焔が燃え盛っている。
古妖達は石段周辺の木々を燃やしつつ、山を下っていた。
「クッソ迷惑な話だなぁおい、けどまっすぐ降りてきてくれんなら探す手間も省けんな」
悪態と共に藤倉 隆明(CL2001245)が無骨な鎧じみたの機械の腕で機関銃を構える、だが口調と裏腹に顔に浮かぶのは笑み。戦いという美酒を今、まさに味わえることへの歓喜だった。
「イクぜェ? Let’s Rock!Baby! イヤッハアァァァ! 」
「誰が一番多く殺せるか勝負しようぜ!! 一匹1点! ボスとかリーダーだったらボーナス2点な!! 俺負けねーぞ!!」
隆明の言葉に棄灰之刑を握った苦役が続く。それを横目に嘆息を漏らすのは華神 刹那(CL2001250)。
「古妖とはいえ、寝起きの童を斬っても滾らぬのである」
仕事としての行いに熱がこもらない、だが刹那を抜く挙動に無駄はない。それは彼女の中の『スイッチ』が入った証。
そんな彼らを見ながら、小唄は演舞・清爽を発現。
心は熱くなっても、頭だけは冴え渡らせる。それが行動となっていた。
かくして戦闘は始まった。
「火炎童は火遊びなんかして危ないやん」
茨田・凜(CL2000438)はまったりとした口調で火炎童を迷霧で包む。口調とは正反対に行動は効率的だ。
彼女の行動に火炎童は覚者へと注意を向ける、そしてその向こうの灯にも。
「ムコウ……アカルイ、モット、アカルク……スル」
童が殺到する。
走り抜けようとする童に前衛が立ちふさがる。けれど数は覚者と同数、前衛で庇いきれない五匹は左右から回り込んで真っすぐに駆け下りようとした……だが。
「一体も逃がしゃしねぇぜェ?」
中衛に陣取り超直感を巡らせていた隆明が鋼鉄の腕を以って圧投、投げ飛ばした。中衛に陣取っている他の者達も次々と攻撃を重ねていく。
「……貴方達もある意味では被害者なのでしょうけれど」
慈雨のエアブリットが。
「残念ながら、街を焼くのなら滅ぼすしかないの」
「町燃えたら困るひといるから。燃やすのはやめて」
日那乃の水礫が。
「其、斬」
刹那の薄氷が。
次々と叩き込まれ、童の動きを止める。そして残った一匹が動こうとしたところを苦役の香仇花が包みこみ、流れるように浅黄の招雷が降り注ぐ。童の足が止まり、覚者を見る。
その目にはむき出しの敵意。口を開くと響くは威嚇の叫び。
自らを攻撃したものへ殴りかかる童。その拳は熱を持ち、肌を焼く。
ひりつくような熱気をよけた小唄が相手を釘付けにするため追撃の招雷を構える。その時だった……。
「霧が……消えるんよ!? 」
凜が声を上げた。
火炎童の頭部の炎が油を注がれたように勢いを増す。炎は十秒の間に重ねてかかっていた状態異常の霧を、香を、圧力をそして氷さえも吹き飛ばした。
童が思いっきり息を吸い込む。そして自らを攻撃したものへと紅蓮の炎を吹いた。
●00.090.00
「モヤス! 」
一匹の火炎童が炎を吹くと他の火炎童もそれに続く。
だが、童の炎は自分を狙ったものに向けてのもの、誰かに集中することは無く、前中衛が等しく火傷を負う。凜が深想水を放ち状態異常への回復を整えると、慈雨が癒しの霧を解き放ち傷をいやす。
「もっともっともっとだ! オラオラオラ火力が足りてねェぞガキども!! 」
炎の切れ間から隆明の機関銃が吠える、ベルトリンク給弾により薬室に送り込まれた弾丸が撃鉄に叩かれ発射された弾丸が童に穴を穿つ。排莢された金属が熱を持ったまま、足元の石にぶつかって跳ね、そのまま階下へと転がっていく。
「燃やすのはやめて」
日那乃が再度呼びかける。古妖故に思考を持ち、交渉が可能と考えての行動。
「燃やさないでいてくれたら。すねこすりのいるところとか、火炎童いるところある、ね? 」
「ヤク……ゼンブモヤス……」
だが童は拒絶した。すべての古妖が理性的であるとは限らない、故に彼らは封ぜられたのだ。
「…………」
答えた童を日那乃の水礫が貫き、そして灰となって消えていく。
状態異常は回復され、火勢は強いが、戦線は覚者有利に進んでいった、古妖とはいえ力は無く、知性も幼稚で、思考も燃やすことと邪魔するものに噛みつくのみ。
それに対して、万全の体制を整え作戦を建て、連携をすり合わせた覚者達が負ける道理はなかった。
その証拠に――
「(ニィィッ)」
その童の目を苦役が抉る、指先に込めるは念、口元に貼り付けるは笑い。片目を穿かれた童がびくんと痙攣し、またもや灰となっていく。
「一気に行くよー! 受けてみろ! 」
続く小唄が身を屈める、そして跳ね上がるように拳を振るい、地烈による連撃を叩き込む。
(本当ならこいつらも、封印されたままなら倒される事もなかったんだろうに……)
ボロボロになっていく古妖に対しての憐憫を隠して少年は拳を握る。
●00.070.00
火炎童は逃げることを考えなかった、もしくは考える思考もなかったのかもしれない。他の童が倒れても、覚者を焼くことに執着した。
「ふっ、温いですねっ」
浅葱が童の拳をその手で受け止める。肉の焼ける匂いが鼻につく。
掌の熱を我慢し、浅葱は突き放すように拳を押して間合いを作る、踏み込み、そして身体を捻る。
「さあっ、火遊びの時間は終わりなのですよっ」
捻転を開放して打ち込まれる飛燕の連撃、ボディへのフックから顔面へのストレートのコンビネーションが童の身体に叩き込まれ、その形を失った。
すぐに凜が癒しの滴で彼女の手を癒す。
「ヒィィィヤッフゥゥゥウウウウ!! 穴あきチーズの完成だ! 」
戦いの熱が隆明を酔わせる。残った童たちが文字通りの状態となり、その命の炎もか細いものとなっていく。
超直感がそれを察知し慈雨を動かす、即座に放ったエアブリットがまた一体、童を灰にした。
前衛の間を縫って刹那が走る、斬・一の構え。そして自らと同じ銘の刀を振ると、子供のような頭が地面に転がった。
同時に日那乃がまた一匹倒していく。
(ごめん……ごめんよ……あんな奴らのエゴのせいで……)
小唄が唇をかみしめる。
「くそぉっ! 」
我慢してたものが漏れたかのように獣憑きの少年は叫び、そして何度目かの地烈が残りの童を灰に変えた。
●00.000.00
隆明の機関銃から弾丸が吐き出され、木々を倒していく。
延焼を防ぐためにと彼は機関銃での破壊消火を試みていた。その間に凜と浅葱は消防に通報に動き、残りの五人は神社へと向かう。
だが火の回りは早く、例え神具と言えど消火をするのは難しい。
熱気で流れる汗をぬぐおうと手を動かすが鋼の腕はそれに適さない事に気づき、自嘲する。
そこへ階下から声がかかった。
小唄は走った、真っ先に走った。日那乃もそれに続く。
神社に誰か残っているかもしれない、もし救えるのなら救いたい。
その思いが彼らの足を速くする。
石段を登り切り、小唄と日那乃が見たのは紅蓮に燃え盛る神社。近づくものを拒むほどの熱気が彼らの頬を焼く。
「生きてる人、感じない……」
感情探査で生存者を探していた、日那乃が呟く。
「そんな……」
小唄は茫然として神社を見る。
その時だった、超直感の作用だろうか? 人らしきものを炎の奥に見つける。
せめて亡骸でもと自然と彼らの足が動く……が。
「だーめ! 火の出るところ近づいたら火傷しちゃうよ! 」
苦役が小唄を羽交い絞めにして止めた。日那乃の方も刹那がその腕をつかみ止める。
「なんで止めるんだよ! 人が……人が! 」
必死に抗い、叫ぶ少年。
本当は亡骸を引っ張り出したかった、燃え盛る中に置いておきたくは無かった。その為だったら傷つくことはいとわなかった。けれど……。
少年の心情などお構いなしに、木々が音を立てて、自らを維持する力を失う。あっという間に倒壊する社屋、彼らはそれを目の前で見ることしかできなかった。
(憎悪という濁り切った油だけで人を殺し、街を燃やそうという貴方達が真っ当だとでも言うつもり? )
「……町に縁があって、尚且つ失ったものが大きい人間が犯人じゃないかとは思う」
惨状を前に怒りを心に秘めて慈雨が推理を呟く。
「どーだろーねー! 今、植物の記憶をたどったけど、複数の男達だったよ! メーン!! 」
木の心で植物の記憶を探った苦役がおどけるように彼女の言葉に口をはさんだ。
さすがにこのタイミングでは彼の言葉に応える気は起きなかった、慈雨が視線を避けるように振り向くと、隆明とそして消防隊員がやってきた。
「君達! 速く避難しなさい!」
口調は強いが咎めるような調子ではなかった、むしろ心配をしているようだ。
刹那が消防隊員の前に出て、事情を説明しようとする。しかし彼はそれを手で制する。
「私はこの町の生まれだ、ここにあるものも、君たちが何とかしてくれたのも分かる……だから、早くここを去った方が良い」
そういうと、身を翻して階段の方へ指さした、続々と消防隊員がやってきて、消火活動に移ろうとすることが分かる。
「手伝えることはねえのかい?」
隆明が提案する。出来れば遺体に対して交霊術で会話したかったのだろう。けれど隊員は首を横に振る。
「人間っていうのは弱い生き物だ、こんな時誰かに怒りをぶつけたくなる。犯人が分からない以上、突然やってきた君達はそんな彼らにとって都合が良い……わかってくれないか? 」
隊員が告げる言葉で覚者達は周囲の視線に気づく。
それはぶつけたい感情を抑え込み、未知の力に対する畏怖。目の前の作業がなければきっと彼らは自分を制することができなかっただろう。
「…………帰るぞ」
状況を理解した刹那が口を開き、そして歩き始める。
途中、小唄のそばを通りかかるとそっと耳打ちした。
「巻き込まれた者は災難であるが、拙らのせいではない、気負って力むのも詮無きことよ。だから今は帰るのが至当よ」
少年はただ歯を食いしばり、何かを我慢するように顔を伏せていたが、何かを心に決めると顔を上げて皆に続いた。
●-00.600.00
石段を下りると、凜と浅葱が待っていた。
その周りには野次馬となったこの町に住む人々が消防団の手によって入り口から遠ざけられている。彼らの向ける視線もやはり消防団員と同じようなもので冷たく、居心地のいいものではない。
覚者達が歩を進めると人々は割れるように避け、道を作る。自分の住む町で起こったことに対するやり場のない感情と覚者という超常の存在への畏怖の証。
それが覚者の心に痛烈に突き刺さる。勿論、それをものともしないものもいた。
刹那は厭世的な笑みを浮かべ、隆明を不機嫌を顔に出す。そして苦役は周囲に手を振って悠々と歩いて行った。
その時だった、苦役の傍の公衆電話が鳴った。
「ほ? 電話なってんぜ!! 取っていい? 取って良い? 」
皆の方を向き、自分を指して同意を得ると、彼は電話を取る。
「ヘロー!ヘロー!! 俺の名前はジョンスミス! 別にジョン・ドゥでも良いけど愛情を込めて呼んでくれ! 所でオタクのお名前なーに? 」
『やあ、こんにちはとお疲れさま、そうだな……良き隣人ってところでどうかね? 』
電話から伝わる声には皮肉が込められていた。
「おいおい会話のキャッチボールはするべきだぜダディ! 」
『すまないが、投げやすいボールを投げてくれないか? ところで……』
「お? 何?? 新手の宗教?? アナタハカミヲシンジマスカー? ってヤツ? 超受ける! 何言ってんの!? 俺が神だ!!! 」
苦役は取り合わなかった。事前に言われていたのもあったし、というか彼自身、最初からそんな気もなかった。
『こまったな、古妖の件なんだが……』
「悪い! 俺精神科医じゃないから世界を救うとか変えるとかちょっとそうゆうのは……今度おすすめの病院紹介すっから! 」
『ああ、病院に行く用事を忘れてたよ、それじゃ……』
「大丈夫だって! お医者さんと相談しようぜ? ……切られちゃったよ! 」
苦役は肩をすくめた。
「電話の人、なんて言ってたの?」
日那乃が問いかける。犯人を知りたい、それは他の覚者も同じ思いだった。
「えーとね! 『ヨキリンジン』って言ってたね! 」
「憤怒者? なんか勧誘か何かだった? 」
更に問いかける日那乃。
「古妖が何とかって言ってたけど、切れちゃった! ゴメンネー!! 」
ケラケラと笑う苦役。
「ヨキリンジン……良き隣人って事かえ? 」
刹那が笑みを漏らす。
「良き隣人……」
慈雨が呟く。
「絶対に探し出してみせる」
その言葉に秘めたものは強く、そして重かった。
この日、覚者達は町を守った。
そして敵の名前を知った。
……それだけだった。
町中を走り抜け、燃え盛る山へ、神社への石段を覚者は登る。
『独善者』月歌 浅葱(CL2000915)が覚醒爆光により因子を覚醒させると白のマフラーがはためく。
火災の様子に集まった野次馬はその光と音に動きを止める、その一瞬を逃さず、六人は人々の間を走り抜けた。
「天が知る地が知る人知れずっ火の用心のお時間ですっ。あっ、近くの方も火の用心っ
危険ですから逃げてくださいねっ」
突然の出来事に呆けてる人々に浅葱は呼びかけることは忘れない。
(失った痛みは無関係な人に押し付けても構わないと? 笑わせてくれるわ)
かつて憤怒者の手によって様々なものを失った『凛の雫花』宇賀神・慈雨(CL2000259)の心は同じ存在に対する怒りに満ちていた。
「くっそ、何だよコレ……なんで、憤怒者が一般人を殺すような手段をとるんだ……! 」
パチパチと木が燃え割れる音を聞きながら御白 小唄(CL2001173)は理不尽を口にする。
憤怒者が覚者でなく、一般人に被害を及ぶ行為を行うという理不尽に感情が止まらない。
「こんなのって……隔者や妖以下だよ!! 」
だが、それが人の所業なのだ。一方で冷静に動くものもいた。
「閉じ込められてた古妖を出して町を焼く、の、迷惑」
桂木・日那乃(CL2000941)は事実を述べ、翼をはためかせる。
「…前にAAAの家族だから殺す、っていうの、いたけど。…同じ? 」
彼女が考えるのは以前に携わった憤怒者の一件、それも覚者を狙うものではなかった。
「よっしゃ見敵必殺デストローイ!! 」
彼女の思考も不死川 苦役(CL2000720)のゲーム感覚な叫びで打ち切られる。
石段の中腹、周囲が炎に覆われかかった辺りで彼らは古妖に遭遇した。
●00.120.00
「ギィ……ギィ……」
火炎童と告げられた古妖は確かに子供の体躯をしていた、身にまとうは粗末に衣服。その頭は髪の毛の代わりに焔が燃え盛っている。
古妖達は石段周辺の木々を燃やしつつ、山を下っていた。
「クッソ迷惑な話だなぁおい、けどまっすぐ降りてきてくれんなら探す手間も省けんな」
悪態と共に藤倉 隆明(CL2001245)が無骨な鎧じみたの機械の腕で機関銃を構える、だが口調と裏腹に顔に浮かぶのは笑み。戦いという美酒を今、まさに味わえることへの歓喜だった。
「イクぜェ? Let’s Rock!Baby! イヤッハアァァァ! 」
「誰が一番多く殺せるか勝負しようぜ!! 一匹1点! ボスとかリーダーだったらボーナス2点な!! 俺負けねーぞ!!」
隆明の言葉に棄灰之刑を握った苦役が続く。それを横目に嘆息を漏らすのは華神 刹那(CL2001250)。
「古妖とはいえ、寝起きの童を斬っても滾らぬのである」
仕事としての行いに熱がこもらない、だが刹那を抜く挙動に無駄はない。それは彼女の中の『スイッチ』が入った証。
そんな彼らを見ながら、小唄は演舞・清爽を発現。
心は熱くなっても、頭だけは冴え渡らせる。それが行動となっていた。
かくして戦闘は始まった。
「火炎童は火遊びなんかして危ないやん」
茨田・凜(CL2000438)はまったりとした口調で火炎童を迷霧で包む。口調とは正反対に行動は効率的だ。
彼女の行動に火炎童は覚者へと注意を向ける、そしてその向こうの灯にも。
「ムコウ……アカルイ、モット、アカルク……スル」
童が殺到する。
走り抜けようとする童に前衛が立ちふさがる。けれど数は覚者と同数、前衛で庇いきれない五匹は左右から回り込んで真っすぐに駆け下りようとした……だが。
「一体も逃がしゃしねぇぜェ?」
中衛に陣取り超直感を巡らせていた隆明が鋼鉄の腕を以って圧投、投げ飛ばした。中衛に陣取っている他の者達も次々と攻撃を重ねていく。
「……貴方達もある意味では被害者なのでしょうけれど」
慈雨のエアブリットが。
「残念ながら、街を焼くのなら滅ぼすしかないの」
「町燃えたら困るひといるから。燃やすのはやめて」
日那乃の水礫が。
「其、斬」
刹那の薄氷が。
次々と叩き込まれ、童の動きを止める。そして残った一匹が動こうとしたところを苦役の香仇花が包みこみ、流れるように浅黄の招雷が降り注ぐ。童の足が止まり、覚者を見る。
その目にはむき出しの敵意。口を開くと響くは威嚇の叫び。
自らを攻撃したものへ殴りかかる童。その拳は熱を持ち、肌を焼く。
ひりつくような熱気をよけた小唄が相手を釘付けにするため追撃の招雷を構える。その時だった……。
「霧が……消えるんよ!? 」
凜が声を上げた。
火炎童の頭部の炎が油を注がれたように勢いを増す。炎は十秒の間に重ねてかかっていた状態異常の霧を、香を、圧力をそして氷さえも吹き飛ばした。
童が思いっきり息を吸い込む。そして自らを攻撃したものへと紅蓮の炎を吹いた。
●00.090.00
「モヤス! 」
一匹の火炎童が炎を吹くと他の火炎童もそれに続く。
だが、童の炎は自分を狙ったものに向けてのもの、誰かに集中することは無く、前中衛が等しく火傷を負う。凜が深想水を放ち状態異常への回復を整えると、慈雨が癒しの霧を解き放ち傷をいやす。
「もっともっともっとだ! オラオラオラ火力が足りてねェぞガキども!! 」
炎の切れ間から隆明の機関銃が吠える、ベルトリンク給弾により薬室に送り込まれた弾丸が撃鉄に叩かれ発射された弾丸が童に穴を穿つ。排莢された金属が熱を持ったまま、足元の石にぶつかって跳ね、そのまま階下へと転がっていく。
「燃やすのはやめて」
日那乃が再度呼びかける。古妖故に思考を持ち、交渉が可能と考えての行動。
「燃やさないでいてくれたら。すねこすりのいるところとか、火炎童いるところある、ね? 」
「ヤク……ゼンブモヤス……」
だが童は拒絶した。すべての古妖が理性的であるとは限らない、故に彼らは封ぜられたのだ。
「…………」
答えた童を日那乃の水礫が貫き、そして灰となって消えていく。
状態異常は回復され、火勢は強いが、戦線は覚者有利に進んでいった、古妖とはいえ力は無く、知性も幼稚で、思考も燃やすことと邪魔するものに噛みつくのみ。
それに対して、万全の体制を整え作戦を建て、連携をすり合わせた覚者達が負ける道理はなかった。
その証拠に――
「(ニィィッ)」
その童の目を苦役が抉る、指先に込めるは念、口元に貼り付けるは笑い。片目を穿かれた童がびくんと痙攣し、またもや灰となっていく。
「一気に行くよー! 受けてみろ! 」
続く小唄が身を屈める、そして跳ね上がるように拳を振るい、地烈による連撃を叩き込む。
(本当ならこいつらも、封印されたままなら倒される事もなかったんだろうに……)
ボロボロになっていく古妖に対しての憐憫を隠して少年は拳を握る。
●00.070.00
火炎童は逃げることを考えなかった、もしくは考える思考もなかったのかもしれない。他の童が倒れても、覚者を焼くことに執着した。
「ふっ、温いですねっ」
浅葱が童の拳をその手で受け止める。肉の焼ける匂いが鼻につく。
掌の熱を我慢し、浅葱は突き放すように拳を押して間合いを作る、踏み込み、そして身体を捻る。
「さあっ、火遊びの時間は終わりなのですよっ」
捻転を開放して打ち込まれる飛燕の連撃、ボディへのフックから顔面へのストレートのコンビネーションが童の身体に叩き込まれ、その形を失った。
すぐに凜が癒しの滴で彼女の手を癒す。
「ヒィィィヤッフゥゥゥウウウウ!! 穴あきチーズの完成だ! 」
戦いの熱が隆明を酔わせる。残った童たちが文字通りの状態となり、その命の炎もか細いものとなっていく。
超直感がそれを察知し慈雨を動かす、即座に放ったエアブリットがまた一体、童を灰にした。
前衛の間を縫って刹那が走る、斬・一の構え。そして自らと同じ銘の刀を振ると、子供のような頭が地面に転がった。
同時に日那乃がまた一匹倒していく。
(ごめん……ごめんよ……あんな奴らのエゴのせいで……)
小唄が唇をかみしめる。
「くそぉっ! 」
我慢してたものが漏れたかのように獣憑きの少年は叫び、そして何度目かの地烈が残りの童を灰に変えた。
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隆明の機関銃から弾丸が吐き出され、木々を倒していく。
延焼を防ぐためにと彼は機関銃での破壊消火を試みていた。その間に凜と浅葱は消防に通報に動き、残りの五人は神社へと向かう。
だが火の回りは早く、例え神具と言えど消火をするのは難しい。
熱気で流れる汗をぬぐおうと手を動かすが鋼の腕はそれに適さない事に気づき、自嘲する。
そこへ階下から声がかかった。
小唄は走った、真っ先に走った。日那乃もそれに続く。
神社に誰か残っているかもしれない、もし救えるのなら救いたい。
その思いが彼らの足を速くする。
石段を登り切り、小唄と日那乃が見たのは紅蓮に燃え盛る神社。近づくものを拒むほどの熱気が彼らの頬を焼く。
「生きてる人、感じない……」
感情探査で生存者を探していた、日那乃が呟く。
「そんな……」
小唄は茫然として神社を見る。
その時だった、超直感の作用だろうか? 人らしきものを炎の奥に見つける。
せめて亡骸でもと自然と彼らの足が動く……が。
「だーめ! 火の出るところ近づいたら火傷しちゃうよ! 」
苦役が小唄を羽交い絞めにして止めた。日那乃の方も刹那がその腕をつかみ止める。
「なんで止めるんだよ! 人が……人が! 」
必死に抗い、叫ぶ少年。
本当は亡骸を引っ張り出したかった、燃え盛る中に置いておきたくは無かった。その為だったら傷つくことはいとわなかった。けれど……。
少年の心情などお構いなしに、木々が音を立てて、自らを維持する力を失う。あっという間に倒壊する社屋、彼らはそれを目の前で見ることしかできなかった。
(憎悪という濁り切った油だけで人を殺し、街を燃やそうという貴方達が真っ当だとでも言うつもり? )
「……町に縁があって、尚且つ失ったものが大きい人間が犯人じゃないかとは思う」
惨状を前に怒りを心に秘めて慈雨が推理を呟く。
「どーだろーねー! 今、植物の記憶をたどったけど、複数の男達だったよ! メーン!! 」
木の心で植物の記憶を探った苦役がおどけるように彼女の言葉に口をはさんだ。
さすがにこのタイミングでは彼の言葉に応える気は起きなかった、慈雨が視線を避けるように振り向くと、隆明とそして消防隊員がやってきた。
「君達! 速く避難しなさい!」
口調は強いが咎めるような調子ではなかった、むしろ心配をしているようだ。
刹那が消防隊員の前に出て、事情を説明しようとする。しかし彼はそれを手で制する。
「私はこの町の生まれだ、ここにあるものも、君たちが何とかしてくれたのも分かる……だから、早くここを去った方が良い」
そういうと、身を翻して階段の方へ指さした、続々と消防隊員がやってきて、消火活動に移ろうとすることが分かる。
「手伝えることはねえのかい?」
隆明が提案する。出来れば遺体に対して交霊術で会話したかったのだろう。けれど隊員は首を横に振る。
「人間っていうのは弱い生き物だ、こんな時誰かに怒りをぶつけたくなる。犯人が分からない以上、突然やってきた君達はそんな彼らにとって都合が良い……わかってくれないか? 」
隊員が告げる言葉で覚者達は周囲の視線に気づく。
それはぶつけたい感情を抑え込み、未知の力に対する畏怖。目の前の作業がなければきっと彼らは自分を制することができなかっただろう。
「…………帰るぞ」
状況を理解した刹那が口を開き、そして歩き始める。
途中、小唄のそばを通りかかるとそっと耳打ちした。
「巻き込まれた者は災難であるが、拙らのせいではない、気負って力むのも詮無きことよ。だから今は帰るのが至当よ」
少年はただ歯を食いしばり、何かを我慢するように顔を伏せていたが、何かを心に決めると顔を上げて皆に続いた。
●-00.600.00
石段を下りると、凜と浅葱が待っていた。
その周りには野次馬となったこの町に住む人々が消防団の手によって入り口から遠ざけられている。彼らの向ける視線もやはり消防団員と同じようなもので冷たく、居心地のいいものではない。
覚者達が歩を進めると人々は割れるように避け、道を作る。自分の住む町で起こったことに対するやり場のない感情と覚者という超常の存在への畏怖の証。
それが覚者の心に痛烈に突き刺さる。勿論、それをものともしないものもいた。
刹那は厭世的な笑みを浮かべ、隆明を不機嫌を顔に出す。そして苦役は周囲に手を振って悠々と歩いて行った。
その時だった、苦役の傍の公衆電話が鳴った。
「ほ? 電話なってんぜ!! 取っていい? 取って良い? 」
皆の方を向き、自分を指して同意を得ると、彼は電話を取る。
「ヘロー!ヘロー!! 俺の名前はジョンスミス! 別にジョン・ドゥでも良いけど愛情を込めて呼んでくれ! 所でオタクのお名前なーに? 」
『やあ、こんにちはとお疲れさま、そうだな……良き隣人ってところでどうかね? 』
電話から伝わる声には皮肉が込められていた。
「おいおい会話のキャッチボールはするべきだぜダディ! 」
『すまないが、投げやすいボールを投げてくれないか? ところで……』
「お? 何?? 新手の宗教?? アナタハカミヲシンジマスカー? ってヤツ? 超受ける! 何言ってんの!? 俺が神だ!!! 」
苦役は取り合わなかった。事前に言われていたのもあったし、というか彼自身、最初からそんな気もなかった。
『こまったな、古妖の件なんだが……』
「悪い! 俺精神科医じゃないから世界を救うとか変えるとかちょっとそうゆうのは……今度おすすめの病院紹介すっから! 」
『ああ、病院に行く用事を忘れてたよ、それじゃ……』
「大丈夫だって! お医者さんと相談しようぜ? ……切られちゃったよ! 」
苦役は肩をすくめた。
「電話の人、なんて言ってたの?」
日那乃が問いかける。犯人を知りたい、それは他の覚者も同じ思いだった。
「えーとね! 『ヨキリンジン』って言ってたね! 」
「憤怒者? なんか勧誘か何かだった? 」
更に問いかける日那乃。
「古妖が何とかって言ってたけど、切れちゃった! ゴメンネー!! 」
ケラケラと笑う苦役。
「ヨキリンジン……良き隣人って事かえ? 」
刹那が笑みを漏らす。
「良き隣人……」
慈雨が呟く。
「絶対に探し出してみせる」
その言葉に秘めたものは強く、そして重かった。
この日、覚者達は町を守った。
そして敵の名前を知った。
……それだけだった。
■シナリオ結果■
成功
■詳細■
MVP
なし
軽傷
なし
重傷
なし
死亡
なし
称号付与
なし
特殊成果
なし
