【古妖狩人】七人ミサキ
【古妖狩人】七人ミサキ


●呪いの連鎖
 七人ミサキ。
 全七人で構成される妖怪。
 これに行き逢った者は高熱にうなされ呪い殺されるという。
 呪いによって死んだものは七人ミサキに加わることとなり、代わりに七人ミサキのうち一人が成仏できるとされる。

「その七人ミサキが、あの『古妖狩人』の手先になったと言うんですか?」
「既に仲間数名が犠牲になっているわ。手口は憤怒者組織におびき出された所へ古妖が現われて壊滅……といった具合ね」
「古妖狩人は古妖を利用する憤怒者組織だ。奴らは覚者を殺せて、七人ミサキはメンバーを更新できる。利害関係の一致というやつだろう」
 覚者組織四国警備隊は古妖が仲間を襲っているという情報をうけて現場の沿岸地区へと急行していた。
 車を止めて外へ出ると、あたりには何も残っていない。
 不気味なことに地面が赤い血で覆われているのみだ。
「これは一体……」
『ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛!』
 突如として声がした。
 拳銃を構えて振り向くと、そこには仲間が立っていた。
 いや、仲間だったものが、と言うべきだ。
 ライオットシールドと拳銃。そして警棒によって武装した仲間たちが、自分たちへと襲いかかってくる。
「取り込まれたのか、七人ミサキに……!」
 銃を乱射するも、それはライオットシールドによって弾かれる。
 しかも身体が異常なまでに重い。既に呪いにかかっているのだ!
『タスケテ!』
 悲鳴のように叫び、覚者を蜂の巣にしていく七人ミサキ。
 かくして七人は更新される。

●救いの連鎖
 ここはF.i.V.E会議室。
 久方 相馬(nCL2000004)はここまでの事件を語りつつ、資料を配っていた。
「このように、古妖狩人は古妖を利用した憤怒者組織だ。彼らは今、古妖『七人ミサキ』と協力関係をもち、覚者を次々に襲っている。なんとしてもこれを止めないといけない……」
 七人ミサキは取り込んだ存在の力量にかかわらず一定の戦闘力を持つ古妖だ。
 個体数は必ず七。
 そこだけ聞けば集中砲火による頭数減らしが有効だが、連携がきわめて硬いためそううまくはいかないそうだ。
 更に、戦闘中常時かかり続ける『七人ミサキの呪い』にも注意したい。
「今回の任務はこの七人ミサキの討伐だ。けれど難しい戦いになるから、注意してくれ」


■シナリオ詳細
種別:通常
難易度:難
担当ST:八重紅友禅
■成功条件
1.七人岬の討伐
2.なし
3.なし
 八重紅友禅でございます
 今回は難易度の高い戦闘シナリオとなっておりますので、ダメージ覚悟かつ戦闘不能覚悟で挑みましょう。

●戦闘現場
 海に近く見通しのよい場所です。
 地面はコンクリート舗装されすぐ近くには障害物がありません。
 時間は昼間です。

●七人ミサキ
 銃、シールド、警棒を全員が装備している七人制の古妖です。
 攻撃系統は物理八割術式二割といった所です。物理防御を固めていけば有利になるでしょう。
 個体ごとのスペックはF.i.V.Eの覚者と同じかそれ以下ですが、重要な特徴として『七人ミサキの呪い』があります。
 これは【虚弱】が毎ターン開始時に続けるというもので、平たく言うと攻撃防御速度が30減少します。
 覚者たちがことごとくやられている理由の主立った部分がこれでしょう。

 対策は二通りあります。
 チーム内最大速度のメンバーが高確率のBS回復を行なうこと。
 とはいえ現時点の最大効果が天行術式の『演舞・舞衣』で三割リカバーなので、三人がかりで大体九割強の解除率といった所です。
 もう一つは半減していることを前提に強化スキルを盛りまくって対抗することです。
状態
完了
報酬モルコイン
金:1枚 銀:0枚 銅:0枚
(1モルげっと♪)
相談日数
6日
参加費
100LP[+予約50LP]
参加人数
8/8
公開日
2015年11月24日

■メイン参加者 8人■

『探偵見習い』
賀茂・奏空(CL2000955)
『戦場を舞う猫』
鳴海 蕾花(CL2001006)
『獣の一矢』
鳴神 零(CL2000669)
『F.i.V.E.の抹殺者』
春野 桜(CL2000257)

●七つの呪い
 新幹線のボックス席で、緒形 逝(CL2000156)はぱらぱらと資料をめくっていた。
「七人ミサキね。ただのオバケ集団とみるべきか、伝承通りの怪異とみるべきかね。まとめて倒せば成仏させてやれるかしら?」
「分からないけど、そうだったらいいよな。そういえば、七人ミサキには親指を隠すと狙われにくくなるっていうの、あったよな」
 隣から資料をのぞき見る指崎 心琴(CL2001195)。
「山口県の僧侶タイプのハナシ? あれは女子供をさらうヤツでしょ。別物別物」
「そうなのか?」
「ていうか似たのが沢山ありすぎるんだよ」
 窓縁に顎をついてふくれる工藤・奏空(CL2000955)。
「中国地方だけで何十個あるんだか。日本中、海外も含めたらもう数え切れないよ。そのうち48人とかで出てくるんじゃないか?」
 彼らの言うとおり、七人ミサキに該当する怪異は無数に存在し、その性質や行動が大きく異なる。呪い殺したり攫ったり追いかけ回したり。
 共通点は死者の霊が七人に固定されているという点だ。
 細かい話は省くが、七という数字に呪いの意味があるともいう。
「大丈夫よ」
 春野 桜(CL2000257)が不自然なほど穏やかに微笑んだ。
「ちゃんと殺してあげましょう。きっと救われるわ」
「少しでもそのくるしみが」
 パチンと手を合わせる『裏切者』鳴神 零(CL2000669)。
「報われますように。なむなむ」

 比較的穏やかな零たちとは打って変わって、飛鷹 葉(CL2001186)は不機嫌を露わにしていた。
 向かい座った『狂気の憤怒を制圧せし者』鳴海 蕾花(CL2001006)が壁を蹴りつける。
「クソッ!」
「ちょっと、今からピリピリしないでよ」
 隣で仮眠していた信道 聖子(CL2000593)が薄目を開けた。声色からして一睡ともしていない様子である。
「ピリピリもするっての。呪いだなんだって」
「それは、私も同じだ。気にくわない」
 腕組みして、車窓を見やった。
「だから戦って、解放する」
「そうね。こんな行ない、二度とさせるもんですか」
 目的地が近い。
 戦いの時間もまた、近づいていた。

●七人ミサキの呪い
 新幹線と電車とバス、更に徒歩を加えて訪れた先はある埠頭倉庫の前だった。
 七人ミサキがこの時間この場所を移動すると夢見が予知したからだ。人的被害も心配ない。
「身体が重たくなってきたなあ……と思ったら。おでましさぁね」
 くるりときびすを返す逝。瞬時に覚醒を終え、いびつな形態へと変化した。
 ライオットシールドに警棒や拳銃といった装備の七人組が戦闘陣形を組んで立っている。
 呪いが発動しているということは、既に戦闘は始まっているということだ。
 逝は両手の手刀をクロスさせ、七人ミサキめがけて衝撃を放った。
 それに乗じて敵陣に飛び込む蕾花。
 衝撃を追い越すような速度で接近すると、飛び込みからの回し蹴りを繰り出す。
『タスケテ!』
 ライオットシールドの亡霊が二人がかりで前へ飛び出し、蕾花の蹴りを受け止めた。
「鳴神!」
「はーぁーいっ!」
 仮面をつけた零は刀を抜き放ち、シールド亡霊へと突きを放つ。
 刀は止められたが、衝撃は身体を突き抜け足下のアスファルト面を引っぺがしていく。
「たとえあんたら狩人の手先でなかろうと、人間にあだなすなら――!」
 刀を握ったまま相手に体当たりをかけ、そのまま強制的に押し込んでいく。
 その一方で、警棒を展開した亡霊が攻撃姿勢に出た。
 ただの人間がただの警棒で殴ったならば痛いで済むが、古妖に取り込まれた今となっては即死しかねない威力となる。
 逝と蕾花は素早く飛び退いたが、地面を叩いた警棒はまるで巨大なハンマーを用いたかのようにコンクリート面を爆砕し、その衝撃だけで逝たちを吹き飛ばした。
 空中で身を翻して着地する逝と蕾花。
「下がって!」
 聖子が彼らの間へと立ちはだかり、シールドを構えた。
 飛び散ったはずのコンクリートが硬化しつつ彼女の全身に張り付いていく。
 フルプレートアーマーとなった石の上に更にエネルギーをコーティングし、更にシールドの上に水気の膜を幾重にも展開していく。
「さあ、来なさい」
『タスケテ!』
 再び殴りかかってくる警棒亡霊。
 本来なら耐えきれる打撃だが、呪いの影響で身体が思うように動かない。
 聖子は踏みとどまりきれずにのけぞった。
 そこへ更に別の警棒亡霊が殴りかかってくる。
「ぐっ!」
 歯を食いしばって耐える聖子。しかし足は地面から離れ、脇にある倉庫の壁に叩き付けられた。
 追撃にと銃を構えた亡霊だが、その銃が葉のトンファーによって打ち上げられる。
「その『タスケテ』、依頼と受け取るわ」
 懐に潜り込み、掌底をくらわせる葉。
 銃亡霊は身体をくの字にして吹き飛んだ。
「こんな呪い……!」
「薙ぎ払ってやる!」
 くい打ち機をセットした心琴が、地面めがけてそれを叩き付けた。
「『舞衣』!」
 周囲の地面から次々に小穴が空き、浄化物質が吹き出し呪いに抵抗を始める。
 浄化の様子は目には見えないが、仮に目視できたならあたり一面で大量の火花が散っただろう。
「もう一声!」
 奏空が剣を構え、独楽のように高速回転しはじめる。
 吹き荒れ、かき混ざった風が呪いの効果を薄めていく。
 とはいえ完璧ではない。五分五分と言ったところだ。
 亡霊から一旦距離を取り、二人の方を叩く葉。
「氣力は」
「保って一分だ、頼んだぞ」
「その間に優位をとらなければどのみち負けだ。……分のいい賭けにはならないな」
「だぁいじょうぶよ」
 不自然な微笑みのまま、桜は包丁を引き抜いた。小瓶から蜜のようなものを刃へ垂らし、笑みを深くする。
「ちゃんと救ってあげるから。ちゃんと」
 桜がわずかに身を屈めた次の瞬間、シールド亡霊へと急接近。
 シールドによる体当たりをスウェーでかわし、相手の脇腹に包丁を突き立てた。
「ちゃんと救(殺)ってあげるから。あはは!」
 包丁を引き抜く桜。生きた人間のように血が飛び散るが、その血は黒く淀んでいた。
 空を穿つように弾丸が飛んでくる。
 拳銃亡霊たちが桜へ銃撃を集中させているのだ。
 包丁で弾を打ちはじくと、桜は斧を投げつけようと振り上げ――た途端、その腕が手首ごと吹き飛んでいった。

●呪いの連鎖
 身体が重い。
 ひどくだるい。
 臓器という臓器に鉛でも詰まったかのように重く、そして冷たかった。
 胃は爆発するのではないかというほど焼け、腹と頭には鈍痛が絶え間なく走っている。
「いいから、うごけ!」
 聖子は自分の頭を壁に思い切り叩き付け、強制的に意識を覚醒させた。
 桜の手首と斧が飛んでいく。
 それ以上は危ない。
「乙女の生き様、見てなさい!」
 叫びながら突撃する。声が声になっていたか定かでは無い。なぜなら途中で警棒亡霊に体当たりをしかけ、そのまま押し込んでいたからだ。
 もつれるように押し倒し、転がって拳銃亡霊へと手を伸ばす。
 さらなる銃撃が桜へ向こうという中、その銃口を無理矢理自分の腹に押し当てた。
 容赦なく引き絞られるトリガー。
 ところてん式かと思うほど口から血が漏れ出した石やエネルギーによって作った装甲ははがれかけているが、張り直している暇はない。
 桜が手首を握って唸っている。
 もう一体の拳銃亡霊がそんな桜の脳天に狙いをつけた。
「――――!!」
 させるか、と叫んだはずだ。濁音と血の泡しか吐けなかったが。
 聖子は無理に身体を動かし、斜線に割り込んだ。頭を覆っていた装甲が衝撃ではじけ飛ぶ。
 頭蓋骨とその中身が吹き飛ばなかっただけマシだ。
「まだ、まだァ!」
 衝撃のおかげでまともに叫べた。
 が、視界が赤い。耳が聞こえない。
 拳銃亡霊が、自分の口に銃口を突っ込んだ。
 それでいい。
 ちゃんと狙え。
「あ――ぐっ!」
 銃口を離さないようにしっかり噛みつき、聖子は笑った。
「聖子!」
 葉が駆け寄ってくる。
 視界が歪み、ブラックアウトした。

 ひどい有様の聖子を抱え、葉は揺すった。返事はない。
「バトンタッチだ聖子さん!」
 蕾花は鎧のアイシールドを下ろし、警棒亡霊へとタックルをしかけた。ラグビーよろしく腰に全体重を叩き込み、姿勢を崩す魂胆だ。
「折角動きづらい鎧着てきたんだ、ここでやらなきゃ……!」
 亡霊の警棒が蕾花の背中を叩く。コンクリート面を爆砕した打撃だ。鎧越しでも背骨が無くなるのではないかというような衝撃が走った。
「今のうちにやれ!」
「……」
 零はシールド亡霊の口から刀を引き抜くと、返す刀でもう一体のシールド亡霊へと刀を振り込んだ。
 ライオットシールドにふせがれて止まる刀。
「妖怪としての考え方は理解できないけど、アンタはルビコンを越えたの。呪いの連鎖は今日で終わりとする」
 振り上げた足でシールドごと蹴り飛ばし、のけぞったシールド亡霊の背後へと滑り込む。その際に引きずった刀がコンクリートをえぐり、最後にシールド亡霊の背中をえぐり取る。
「これはアンタの犠牲になった人のぶん!」
 振り上がった刀を返して振り下ろす。
「これは憤怒者なんかと手を組んだ罪のぶん!」
 そして刀を構え直し、凄まじい速度で連続突きを繰り出した。
「そしてこれは私の怒りじゃ――消えてなくなれ!」
 ジグザグに走った衝撃がシールド亡霊を突き抜け、コンクリートをざくざくと削っていく。
 かくしてばらばらになったシールド亡霊は、ギザギザハートの形に掘られた地面へと散らばった。
 刀を振り切った姿勢の零――の後頭部を、警棒亡霊が打ち抜いた。
 形容不能な内容物をばらまいて地面に崩れ落ちる零。
 その上を飛び越え、逝が回し蹴りを繰り出す。
「さっさと海へおかえり!」
 蹴りがそのまま斬撃となり、警棒亡霊の腕が飛ぶ。
 斬撃が衝撃となり、周囲のあれこれを吹き飛ばしていく。
「あの世でもいいのよ?」
 コンビネーションで旋風脚を繰り出し、警棒亡霊の首をはねる逝。
 そんな彼の周囲を拳銃亡霊が囲んだ。
 三方向からの銃撃を手刀と回し蹴りを振り回すことで弾いていく逝。
 だが全てというわけにはいかない。幾度目かのカウンターが反れ、逝のヘルメットを銃弾が貫通していった。
「逝!」
 心琴は歯噛みしてくい打ち機を握り込んだ。
「これでも、くらえ!」
 天空を打ち抜く杭。巻き起こった起こったスパークが拳銃亡霊たちをはじき飛ばした。
「僕はお前たちがどうすれば成仏できるか考えてる。倒せば解放されるのか。それとも祠でも建てたらいいのか」
『タスケテ――死ンデ!』
「すまん。それはできない」
 銃撃が心琴の肩にめり込むが、なんとかこらえた。
「奏空!」
「う、うん!」
 奏空は強く拳を握った。
 視界に映る七人ミサキに自分が重なって見えた。
 自分の姿をした亡霊が人を襲う光景を想像しいた。
 腕が震える。
 恐怖ゆえの震えではない。
 そんな彼らを止めようという義務感、でもない。
「俺は……喜んでるのか? 戦うことに? 死ぬかも知れない、今の状況に?」
 震えた手を無理に押さえ込む。
「今はそれでもいい。あいつらは……ぶっ倒す!」
 虚空から剣を抜き、槍のように投擲した。
 拳銃亡霊に突き刺さる。剣に込められていた電撃がはじけ、周囲の拳銃亡霊たち巻き込んで爆発した。
 ごろごろと蕾花が転がってきた。
 鎧がところどころ拉げ、常人だったら死んでいるようなへこみ方をしていた。
「蕾花……」
「平気だ。ピンピンしてる」
 そう言いながら、蕾花の目は血で真っ赤に染まっていた。
 会話もあまり噛み合っていない。鼓膜がやられたか、頭に血が上りすぎて考えられないか、もしくは両方だ。
 その両サイドを支えるように、葉と桜が立った。
「隙は作れるか」
「二秒くらいでいいかい」
 今度は会話が通じた。どうやら直感で喋っているらしい。
「充分よ。あと一人、きっちり殺してあげる」
 桜は包丁の背を口にくわえ、自分の手首ごと斧を拾い上げた。
「これ以上私からものを奪うなら殺してあげるこれ以上私からものを奪うなら殺してあげるこれ以上私からものを奪うなら殺してやるゥ!」
 手首ごと斧を投擲する。
 警棒で防ごうとした亡霊の眼前でそれがはじけ、手榴弾のように顔を吹き飛ばした。
 突撃する蕾花。
 やみくもに叩き込まれた警棒を額で受け、アッパーカットを叩き込む。
 足が地面から離れた亡霊へ、桜が接近。
 斧を投げた衝撃で肩が外れたらしいが、くわえた包丁を押し込む形で首筋を切りつけた。
 吹き上がる血、それを反射的に押さえた亡霊の胸元に、葉はてのひらを押し当てた。
 ショットガンでも構えるように腕を手で支え、息を吸い込む。
「気にくわないんだ、あんたらが」
 全身どころか大気が震えた。
「ふきとべ」
 次の瞬間、亡霊とその後ろにあったコンクリート、さらには倉庫の壁までもが崩壊し、吹き飛んでいった。

「終わったのね……」
 自分の血でむせながら起き上がる聖子。
 激しいダメージを負った覚者たちだったが、幸い完治できる程度で済んだようだ。
 逝や零が『ちゃんと顔ある?』という不謹慎なギャグをお互いでやりあっていたくらいである。
 脱力し、どっしりと地面に腰をおろす葉。
「あいつらは、代わりを求めて彷徨っていた。それも、もう終わりだ」
「解放、されたのかな」
 海を見やる奏空。
「彷徨うことはもうないさ」
 奏空は頷き、そして自分の手のひらを見つめた。

 鎧を脱ぎ捨て、大の字に転がる蕾花。
 桜や心琴たちがその左右へ座った。
「どうだった?」
「ぜんぜん」
「古妖を覚者にけしかけて、自分たちは安全圏に離脱してるのね。姑息なひとたち……」
 肩をすくめる心琴たち。どうやら古妖狩人の憤怒者を探していたようである。
「でも情報は確実に集まってる。そろそろ、打って出る頃だ」
 見上げた空は歪んで見えた。
 しかし晴れた空だった。
 七人ミサキが解放されたとするならば、きっと天にも昇りやすかろう。

■シナリオ結果■

成功

■詳細■

軽傷
なし
重傷
なし
死亡
なし
称号付与
なし
特殊成果
なし




 
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