≪嘘夢語≫悪が勝ち正義が負けたこの国で
≪嘘夢語≫悪が勝ち正義が負けたこの国で


●悪徳の国、生まれる
 FiVEと七星剣の闘い。その勝者は――七星剣だった。
 その後なんやかんやあって大妖を倒し、日本は隔者が支配する国家となった。表向きの国の代表こそあるが、それを裏から支配する国となったのだ。
 八神をはじめとした七星剣の名のある覚者達は、その権限を利用して各地方を支配する。そう、貴方も――

「我々は貴方達の下僕です」
「逆らうことなど致しません。何なりとご命令ください!」
「どうか。どうかご慈悲を……! ああ、金なら差し出します! 若い娘が欲しければ幾らでも!」
 怯える人々。もはや貴方達に逆らう者はいない。貴方の気分次第で彼らの命はすぐに消し飛ぶ。それだけの力もあるし、部下に命じてもいい。
 悪が支配するこの地で、貴方は如何な支配者となるのだろうか?


■シナリオ詳細
種別:通常
難易度:普通
担当ST:どくどく
■成功条件
1.汝、悪人たれ!
2.なし
3.なし
 どくどくです。
 今日はお前達が悪役だ!

●説明!
 なんやかんやあって(二度目)七星剣が勝利して日本を支配しました。名のある覚者達はそれぞれの土地を与えられ、好き放題やっています。
 ある者は日々宴を繰り返しています。
 ある者は若い女を囲い、享楽に過ごしています。
 ある者は民を家畜のように扱い、過酷な労働を強いています。
 ある者は日々デスゲームを考え、それを見て楽しんでいます。
 そして貴方達もその『ある者』です。市レベルの街一つをあなたの好きなように出来ます。法による規制はありません。誰もあなたを取り締まれないのですから。
 さあ、悪徳の限りを尽くしてください。貴方にはそれが許されているのです。

■エイプリルフール依頼について
 この依頼は参加者全員が見ている同じ夢の中での出来事となります。
 その為世界観に沿わない設定、起こりえない情況での依頼となっている可能性がありますが全て夢ですので情況を楽しんでしまいしょう。
 またこの依頼での出来事は全て夢のため、現実世界には一切染み出す事はありません。

※要約すると夢の世界で盛大な嘘を思いっきり楽しんじゃえ!です。
状態
完了
報酬モルコイン
金:0枚 銀:1枚 銅:0枚
(0モルげっと♪)
相談日数
6日
参加費
100LP[+予約50LP]
参加人数
5/8
公開日
2018年04月14日

■メイン参加者 5人■



 七星の剣の下に集まった覚者達は、それぞれ一つの街を任される。
『緋焔姫』焔陰 凛(CL2000119)――
『雨後雨後ガール』筍 治子(CL2000135)――
 野武 七雅(CL2001141)――
『教授』新田・成(CL2000538)――
『猪突妄信』キリエ・E・トロープス(CL2000372)――
 この五人もその権利を与えられた。彼らはそれぞれの街に着任し、その権力を振るう。誰もそれを止めることはできない。法も、力も、無意味となっていた。


 血と暴力。
 凛が統治する街にふさわしいのはその言葉だった。とはいえ率先して無辜の民を殺すわけではない。凛は無抵抗な人間に刃を向けることはなかった。彼女が刃を向けるのは七星剣に反抗する者のみ。未だ七星剣に盾突く輩を探し、容赦なく斬ってきていた。
「中々強かったで。ほな、さいなら」
 言って凛は刃を振るう。その一閃で反抗組織の頭の首を刎ね、組織を瓦解させた。転がった首を手にして掲げ、ニヤリと笑う。残存する覚者を煽り、あぶりだす為だ。あるいは心を折るためか。どちらにせよ、その挑発が功を為したのか、凛が乗り出してから三日も経たないうちに反抗組織は崩壊することとなった。
「お帰りなさいませ、焔陰様」
 街に戻った凛を出迎える部下。恭しく首を垂れる部下に、凛はそっけなく返す。
「ん。ご苦労。変わったことはあらへんかったか」
「『ホワイトファング』の情報が手に入りました。ただ本拠地が東海林様の支配権にあるのですが……」
「かまへん。行ってしばいたるわ。一応東海林に礼節は通しとけ」
「は。了解しました」
 七星剣に反抗する覚者組織があれば、他人の支配地であっても出て行って攻める。人の支配地に干渉するなと眉を顰める者もいたが、その実力と成果を前にして彼女に面と向かって意見を言う者はいなかった。
 そして――
「中々ええ目をしとるな」
 凛は部下が捕まえてきた二人の覚者を見た。縛られて抵抗はできないがその瞳にはいまだ戦意の灯が点っている。鋭い殺意を心地良いとばかりに受け止めていた。
「今から二人で殺し合え。勝った方を釈放したろやないか」
 その殺意に興が乗った、とばかりに凛は武器を与えて二人を解放するように命ずる。部下は疑問に思うことなくその命令を実行した。
「どういうことだ?」
「言葉通りや。約束は守るで。悪にも悪の矜持があるしな。
 生き残ったお前らのどっちかがまた反乱を起こしてあたしを楽しませてくれるかも、っていう目的もあるけどな。足搔いてもどうにもならへん絶望を味わせたるわ」
 凛は約束を破らない。それは二人の覚者も理解する。
「すまんな。俺には待っている妻がいるんだ」
「分かってる。こっちも妹が心配しているんだ」
 言って互いを攻撃しあう覚者。だがトドメの瞬間に片方の覚者がガードを下し、無防備に立ち尽くした。気付いた時にはもう遅く、神具は覚者の急所を――
「待ちな!」
 ――貫く前に割って入った凛に止められる。金属同士がぶつかる激しい音。凛の刀が神具を弾き飛ばしたのだ。
「どういうことや」
「どうもこうもない。俺が死ねばあいつとその妹は救われる」
「自己犠牲の美談か。ほなら死にや」
 冷たい声とともに、凛は覚者を切り伏せる。
「あたしはなぁ、戦いを放棄する奴は嫌いやねん。さて――」
 興が冷めたとばかりにもう片方の覚者に向き直る。
「あたしは『殺しあえ』言うたんや」
 刀を振るう。覚者の両腕が切り裂かれた。
「あんなのただの殺しや。せやからあんたも去ね」
 両足が切り裂かれた。
「玉砕覚悟で二人で挑んて来たんなら、両方生きる目もあったのになぁ」
 目が、舌が、切り裂かれる。そして凛は最後に残った耳に唇を寄せた。
「恨むんやったら相手の自己犠牲を恨むんやな」
 そして耳も裂かれる。全身から血を流す覚者に背を向け、手当てをするように命じた。
「そいつを治して解放しとけ。ほんま、気分悪いわ」
 血と暴力。凜の支配は終わらない。


 治子が治める街はいたって普通の街だ。
 理不尽な暴力などなく、無意味な搾取などない。正しく生きていれば何もない平和な街。
 そう、そんな街だ。
 そんな平和な街を治子は歩く。街ゆく人も治子を知っているのか、出会う度に会釈していく。
「ってそこのおにーさん、煙草のポイ捨てはいけませんよー」
 軽い口調で注意する治子。笑顔のままおにーさんと呼んだ喫煙者の首を掴んで、そのままへし折った。悲鳴を上げる間もなく、おにーさんは力尽きる。
「悪い事はメッでーす」
 倒れるおにーさんに指を立てて注意する。当然のことながら、動く気配すらない。
 そして歩き出す治子。バス停で七星剣の隔者を見つけ、そちらに歩いていく。
「あー、私の部下の人ー。今バスの並び順抜かしましたねー?」
「え、あ、あの」
 反論する間もなく治子は『風邪ひきマリー』を部下の額に押し当てて容赦なく引き金を引く。毎秒百五十発の弾丸が至近距離から襲い掛かり、部下の頭はこの世から消失する。
「いーけないんだー。悪い子には罰を与えます」
 そして歩き出す治子。今度は子供を見かけ、
「おやそこの小学生達! ピンポンダッシュは基本ですよねーでも悪戯はいけませーん」
 子供の足を引っ張って転がし、そのまま馬乗りになる。覚醒状態を解いて十七才の子供の姿に戻った。その状態のまま小学生の子供を神具で殴打する。
「元気なのはいい事でーす」
 殴る。
「可愛いですねー」
 殴る。殴る。
「微笑ましいですねー」
 殴る。殴る。殴る。
「はーい。お仕置きは終了です。お疲れさま」
 もはや肉塊ともいえる子供の頭をなでる治子。
 それを見ていた人達は騒ぐことはない。治子が街の支配者であることを知っているからだ。
「良いですか皆さーん」
 そんな人たちに語りかける治子。
「悪い事にはー罰がありまーす。無いよりあった方がずっと良いでーす。私はそー思いまーす」
「はい。そう思います!」
 虐殺の後とは思えない軽快な問いかけ。返り血を浴びた治子に怯えてか、賛同する声が上がってきた。ここで頷いておけば、殺されることはない――
「えええええー!?」
 賛同した人に驚きの表情で近寄り、その肩を掴む治子。信じられないという顔でその肩を揺する。
「何言ってるんですかあり得ませんよ私みたいなクズが正しい訳ないじゃないですかて言うかつまんない理由で皆さんを殺しまくってるんですよ私こんなクズ生きているだけでも郊外ですよ酸素を消費するだけゴミよりもたちが悪いですあああああごめんなさい生きててごめんなさいどうしようもない私は存在する価値もないんです常こんな私の言葉なんかが正しいわけありません常識で考えて下さいよバカなんですか貴方あっごめんなさいバカだなんて言って本当に私はどうしようもない人間ですどうかこんな私を罰してくださ――」
 感情のままに肩を揺さぶる治子。覚者の力を惜しみなく使って揺さぶっているため、その人の肩は外れ、背骨も奇妙な方向に曲がっている。それでも何か言ってほしくて治子は言葉を続けながら揺さぶっていた。
 この町は普通の街。悪人を罰する正しい街。
 だからこそ、自分が一番に罰されるべきだ。治子はそう信じていた。


「なつねはこの町の女王になったの! おーっほっほっほなの!」
 口に手を当てて笑った後に、げほげほと咳き込む七雅を見て街の人達は安堵した。少なくとも他の街よりも残虐なことはなさそうだ。っていくかチョロそうだ。ご機嫌を取っておけばいいように扱えるかもしれない。
 ――そう思っていたのはほんの一時期。この町の住人は七雅の恐ろしさを思い知ることになった。
「さっそくなつねがこの町の女王になったからには、まず老朽化した橋を直してほしいの!」
 そんな一言で始まった七雅の治世。老朽化した橋を直すという割合まともな要求だった。
 だが橋の修理は容易なものではない。老朽化した橋の支えを取り変えて、災害時に橋が壊れないように耐えうるシステムを設置。更には高重量の車両が通過した際の橋の動きのコントロール。その他いろいろである。
 当然ながら橋の修理は無料ではない。税金から払われるわけだが、それとて無限ではない。橋の修理を優先すれば、自然と他の予算が減っていく。
「そして抜け道認定されてしまったせいで信号をつけてもらえないような小さな交差点。
 信号も完全についてないならいいんだけど中途半端に歩行者用だけついてるせいで慣れてない車があれ? 今渡って良いの? どうなの? みたいなかんじになって立ち往生して混雑招いてるあそこの十字路に車用の信号をつけてやるの!」
 信号機の設置にはいくつかの条件がある。端的に言えば『車がすれ違い可能か』『歩行者が立てる場所があるか』『車が一定数通る道路か』『他の信号との距離が一定以上か』『停止場所から信号機が見えるか』と言った感じである。それを無視して信号機を立てれば、逆に危険を招く恐れがあるのだ。
「あと住民全員にペットを飼う事を義務付けるの! そしたらなつねのおうちでもペットOKになるの!」
 ペットの飼育は飼育スペースや飼料、治療といった経済的負担に始まり、騒音や異臭などの肉体的な負担もある。勿論、それを理解したうえでペットを飼う人もいるのだが、そうでない人はただそういった負担を義務付けられるだけである。
 知識がない人がペットを飼えば、ペットを飢えて殺したり病死させることもある。そして『義務』である以上逃れることはできない。新たなペットを購入させられるか、あるいは義務に反した犯罪者として烙印を受けるかだ。
「そしてなつね、すっごく恐ろしい事を思いついてしまったの。この町の警察をぜーんぶ犬のお巡りさんにしてやるの!
 わるいことをするとわんこに襲われる恐ろしい町になるの! もっふもふにされてべっろべろにされて肉球スタンプだらけになってしまうの! 想像するだけで恐ろしい町になってしまったの!」
 犬。人類と長い歴史を歩んできた友人ともいえる動物である。愛玩動物としての一面もあるが、番犬や軍用犬など戦闘用に訓練された犬もいる。犬の視覚や嗅覚は人より発達しており、獰猛性を持った犬には人間は勝つことが出来ない。人々は犬に怯え、そして媚びる様になっていく。 
 無邪気。自分が『正しい』と思うことを思うがままに押し通す。それが如何に恐ろしい結果を生むかを、七雅の街の住人はひしひしと感じていた。


「これより我らは国盗りを開始する」
 成の一言から動乱は始まった。七星剣の力で統治された日本。その統一を崩すように戦乱を起こした。最初は戯言と思っていた覚者達は初動を遅らせ、燎原の火の如く支配を広げる成の動きに飲み込まれるように消えていく。
 成が作り出したのは、多くの覚者を集めた大部隊と少数精鋭で構成された部隊の二つ。大きく動く大部隊は囮で、実際に刃となるのは少数精鋭部隊。闇に紛れ、大部隊に目を光らせている敵の隙を縫うように動く。闇討ち不意打ち当たり前。大部隊が動いた時には、既に勝敗は決していた。
 彼らは無辜の民を襲わない。慈悲や温情ではない。時間の無駄だからだ。
 彼らは敵に容赦をしない。何故なら敵は悪だからだ。正義や道義を語るつもりはない。悪の敵は、別の悪。ただそれだけだ。
 食べ物に毒を混ぜ、敵の親族を篭絡し、流言飛語により疑心暗鬼を植え付ける。真正面から戦う必要はない。疲弊させ、苦しませ、判断力を落としてから攻める。それを卑劣と罵る輩は確かにいた。だがその口はすぐにきけなくなった。
「我々は一度『力』によってこの国を支配した」
 仕込み杖を手に壇上に立つ成。その視線の先には彼に従う兵士達。
「だが、『力』など目的を達成するための一つの手段に過ぎない」
 力が役立たずとは言わない。だが力だけに頼るつもりはない。
 力と知。すなわち暴力と策謀。この二つをもって国盗りを行う。対抗する相手は多い。戦力差は圧倒的だ。だがそれがどうした? 重要なのは相手が強いという情報だ。そこからどうするかを組み立てていく。
 いつからか、自分と同じような手をもってこちらに抗する覚者も出てきた。然もありなん。だが愚かだと言わざるを得まい。
「相手がかき乱す前に、こちらからかき乱せ。先に仕掛けた側と、後に仕掛けた側。どちらにイニシアティブがあるか思い知らせろ」
 巧遅は拙速に如かず。如何なる戦いにおいても『先手』の優位性は変わらない。個人の武技ならともかく、組織戦においてはそれは明白だ。先手とを取って動き、相手が対応する前に勝負を決める。単純にして、だからこそ盤石ともいえる戦法。
「感情は捨てろ。敵対した者は全て討て。
 同盟を求めてきた勢力は利用せよ。そして使い捨てよ」
 その言葉のままに強化され、突き進む成の部隊。広がる支配と、そして戦火。大妖なき国においても平和は存在せず、人と人が血にまみれる時代が訪れる。安寧を求める民は力在る覚者に元に集う。激化する争いに抗おうとする者、我こそはと天下を取ろうとする者、乱世で武を磨く者、兵器を生みだしの血の技術に貢献するものなど後に英雄と呼ばれる者も多く生まれた。
 後の歴史家はこの動乱を『五麟の乱』と名付け、これより後に起こる群雄割拠時代を『七星時代』と呼ぶようになる。だがそれは今を生きる彼らにとっては意味を為さない。戦争という時代を滾る血が求めるままに生きているのだ。
「我らの悪は暴力のみにあらず」
 国を統べる者が住む居を前に、笑みを浮かべる成。
「暴力と策略と政争の全てを備えた悪として、日本を統べる資格へと挑むのだ」
 仕込み杖がその居に向けられる。それを合図に兵士達が雪崩れこむように突撃を開始した。


「ここに理想の国を作りましょう! 悪徳に苦しみ、惑い、迷い、怯える諸人を集めましょう!
 昼夜を問わず、あなたを称える声は絶やさず。供物の炎は天高く、しるべとなるように」
 キリエは祈るように宣言し、与えられた街に救いを与えていく。理想の国、神を称える祈りの声、悪に苦しむ者はなく、ただ主を崇めることで全てが救われる世界。おお、聖なるかな。神はここにおわします。
 そしてそれは実現する。大いなる信仰心の元に。
 街には「かみさまがいつもみています」という文言と、キリエの笑顔が並んだポスターが張ってある。誰もが市長の顔を覚え、笑顔で癒されるように。
 キリエ本人の熱意と隣人愛により、街の秩序は保たれていた。町の人全てが清貧の誓いを立てているため貧富の差はなく、富める者は貧しきものに施しを行っている。皆が同じ神を信仰するため衝突もなく、他の街に比べて平和に見えた。
 そう、見えるのだ。だが外からこの街に入ってきたとき、その異常さに気づく。
 キリエの熱意は異常である。そこに一辺の悪意がなくとも――否、キリエに悪意というものがないからこそ、僅かな悪意を見逃さず、許さない。僅かな不信の兆しが見えればそれだけで不信心者扱いとなる。
 少しでも貯金を蓄えたい――清貧の誓いを破りました。
 他の宗教の言葉を引用しました――貴方は邪教の言葉を口にしました。
 他宗教由来の祭りに参加しました――なんて蛮行。邪悪な儀式に参加したのですね!
 細やかな事が罪となる。そしてそれはこの街においては重い罪。髪に背いた大犯罪者。一片の曇りがなくなるまで、陽の目を見ることが出来ないという。それから逃れるにはどうすればいいか。
 簡単だ。自分以外の誰かが不信心者になればいい。キリエの目はそちらに向くし、報告した者は神の敵を知らせたことで信仰を確かめたことになる。かくしてこの町は互いが互いを監視し合うディストピアとなった。信用などない。気を抜く余裕などない。
 街のどこにもあるキリエの笑顔と「かみさまがいつもみています」の文言。その言葉のままにいつも誰かが自分を見ている。
 繰り返そう。キリエは自分が悪いとは思っていない。むしろ心の底から理想の国を作ろうとしている。
 悪が無く――僅かな悪をも許さないのだから当然だ。
 皆が神を称え――神の教えが法なのだ。逆らえば命はないゆえ称えるしかない。
 隣人と触れ合う町――油断すると密告されるのだ。隣人を監視しなくては生きてはいけない。
 外から来たものもいつしかその異常に慣れてしまう。慣れなければ、社会的に死あるのみ。逃亡の兆候を悟られただけでも重罪になる。逃げる事さえできない。
 キリエの信仰心と住民の努力。それにより理想郷は完成する。
「ああ、聖なるかな、聖なるかな」
 キリエは市長室で今日も祈る。今日も町は平和です。不信なるものは全て廃しました。
「あなたを呼ぶ声が聞こえますか? わたくしの行いは、正しいのでしょうか?」
 心の底から神を愛する信者の声。答えはない。
 だから明日も神に祈る。この理想郷をよりよくするために。


 これは夢。
 だが七星剣が覇を握れば、別の誰かが行うかもしれないIF――


■シナリオ結果■

成功

■詳細■

MVP
なし
軽傷
なし
重傷
なし
死亡
なし
称号付与
なし
特殊成果
なし




 
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