忍法ラッキースケベの術! リターーーーンズ!!
●かかってこい倫理バリア
「忍法ラッキースケベの術――ハァン!」
忍者っぽい隔者が豪快にセクシーポーズをとった途端、あたり近くでラッキースケベが起きた。
遅刻寸前の青年は曲がり角でパンチラ女子とぶつかるし、並んで歩いていたカップルはバナナを踏んで不自然に押し倒すし、リストラを家族に黙ってたサラリーマンはワンカップに浸るホームレスを押し倒した。結構見境無かった。
「ダークマスターTENGU様から授かったこの真(チェーンジ!)・ラッキースケベの巻物。これさえあれば公然わいせつ罪で逮捕された兄じゃの仇がとれるはず! まっているがいい、ファイヴよ! エェイ!」
●今だ、今やらなければならない!
親指をやわらかく噛み、右乳をやわらかく盛り上げるようにしつつ腰から振り返る久方 相馬(nCL2000004)。
「……なあ、本当に写生大会の規定ポーズこれなのか? 誰かの仕掛けた罠じゃないのか?」
謎の古妖ダークマスターTENGUによってもたらされた巻物とその適合隔者・ラッキースケベ忍者二号は街角で見境無くラッキースケベをおこしてはファイヴへの復讐を狙っているという。
覚えている人がいるかわかんないけど、ずいぶん前にこいつの兄を捕まえたんだよみんな。似たようなことをした兄だったよ。
「放置すれば町の人々が次々とラッキースケベされていく。罪のないラブコメをこれ以上増やさないためにも……ファイヴ、出動だ!」
さっきのポーズのまま、相馬はキメ顔で言った。
「忍法ラッキースケベの術――ハァン!」
忍者っぽい隔者が豪快にセクシーポーズをとった途端、あたり近くでラッキースケベが起きた。
遅刻寸前の青年は曲がり角でパンチラ女子とぶつかるし、並んで歩いていたカップルはバナナを踏んで不自然に押し倒すし、リストラを家族に黙ってたサラリーマンはワンカップに浸るホームレスを押し倒した。結構見境無かった。
「ダークマスターTENGU様から授かったこの真(チェーンジ!)・ラッキースケベの巻物。これさえあれば公然わいせつ罪で逮捕された兄じゃの仇がとれるはず! まっているがいい、ファイヴよ! エェイ!」
●今だ、今やらなければならない!
親指をやわらかく噛み、右乳をやわらかく盛り上げるようにしつつ腰から振り返る久方 相馬(nCL2000004)。
「……なあ、本当に写生大会の規定ポーズこれなのか? 誰かの仕掛けた罠じゃないのか?」
謎の古妖ダークマスターTENGUによってもたらされた巻物とその適合隔者・ラッキースケベ忍者二号は街角で見境無くラッキースケベをおこしてはファイヴへの復讐を狙っているという。
覚えている人がいるかわかんないけど、ずいぶん前にこいつの兄を捕まえたんだよみんな。似たようなことをした兄だったよ。
「放置すれば町の人々が次々とラッキースケベされていく。罪のないラブコメをこれ以上増やさないためにも……ファイヴ、出動だ!」
さっきのポーズのまま、相馬はキメ顔で言った。

■シナリオ詳細
■成功条件
1.忍者をガッてして通報する
2.なし
3.なし
2.なし
3.なし
(/quest.php?qid=151)
こいつの弟を名乗る忍者が現われ、街角でラッキースケベの限りを起こしているぞ。
奴を倒し、お巡りさんに通報するのだ。
●忍法ラッキースケベの術と、その巻物
定められた人が使うと周囲でラッキースケベを起こせるという悪魔みたいなアイテム。ダークマスターTENGUによって作られた。
これに適合したラッキースケベ忍者二号は仲間のマッスルマン(5人組)と共に町をキャットウォークで練り歩いているぞ。
普通に考えればいつもの覚者パンチでぶっとばせばいいんだけど、絶対なにか怒るよね。ぼく知ってるよ。
【オマケ】
●ダークマスターTENGU
ファイヴが活躍し出した頃からちらほら名前を見かける古妖。
男子高校生の妄想みたいな巻物を作ってはそこらのどうかしてるヤツに持たせている。
えっなにこいつの正体? しらないし、しりたくないよ。
状態
完了
完了
報酬モルコイン
金:0枚 銀:1枚 銅:0枚
金:0枚 銀:1枚 銅:0枚
相談日数
7日
7日
参加費
100LP[+予約50LP]
100LP[+予約50LP]
参加人数
6/6
6/6
公開日
2018年01月10日
2018年01月10日
■メイン参加者 6人■

●アニメのDVD得点についてきそうな回
「ラッキースケベの術!? なんて恐ろしい忍術ですの……女の子が破廉恥なめにあう忌まわしき事態が容易に想像できますわ!」
勇敢なる戦士、『獅子心王女<ライオンハート>』獅子神・伊織(CL2001603)は拳を握りしめ怒りにぷるぷるさせた。
じたんじたんと足踏みを始める。
「特に! アイドルの! 私には! 致命的な事件ですわ!」
「すごい……流れるように自己主張していく」
「特撮番組の『前回のあらすじ』くらい丁寧ー」
ポッ○ーをぽりぽりしていた『デアデビル』天城 聖(CL2001170)とそれをもらう『プロ級ショコラティエール』菊坂 結鹿(CL2000432)。
「今回の事件? ひどい変態事案だけどさ……まあ、パンツ剥かれないだけマシかな」
「深刻なセクハラ被害じゃないですか……」
親身に相談するような構えをとって、しかし結鹿はフッと目の光を消した。
「けれど会いたくないものにほど、人は会ってしまうものなんですよね」
「なにその目っ。15歳がしていい目じゃないよ」
結鹿の(不本意なベクトルに)大人びた空気に半歩退きつつ、聖は覚悟を新たにした。
「とはいっても人々が変態の危険に晒される危機。なんとしても倒して被害を抑えなければならないね!(本音:かえりたい)」
「私、姉様に誓ったの」
きゅっと拳を握り、天を見上げる『愛求独眼鬼/パンツハンター』瀬織津・鈴鹿(CL2001285)。
「私は姉様の後継になる。姉様の教えを守って、あの……綺麗な……」
瞑目し、まぶたの裏に美しい舞を思い描く。
その様子に、『雷麒麟』天明 両慈(CL2000603)は満足そうに腕組みしていた。
「どうやら、調子はもどったようだな。自分のやるべきことを見つけたとき、人は悲しみから立ち直れると言――」
「『自分の欲望には忠実であるべし』の教えを守って、パンツハンター王(キング)になるの!」
「うん……うん……」
さらっと聞かなかったことにした両慈である。
その隣にいつのまにか立っていた『冷徹の論理』緒形 逝(CL2000156)が、首だけギギギッと回して両慈を見た。
なんも言わなかったしフルフェイスヘルメットだったが、アイシールドに『恐ろしい獣をうみだしてしまったのでは?』と書いてる気がした。気がしただけである。
咳払いする両慈。
「しかしあれから二年か。七兎が巻物を取り込んで以来、俺の周りではその手のハプニングが起きすぎている。巻物のせいにちがいない。この呪いを解くため、奴の手がかりを追うぞ……!」
キッとクールな顔で言う両慈。
その後ろに回ってギギギッと肩から頭を覗かせた逝が『それは巻物のせいじゃなく自分の素質なのでは』と言った気がした。気がしただけである。
「とーにーかーくー!」
いろいろひっくるめて、伊織が腕をぐるぐる回した。
「女の敵! 許せませんわ! その忍者とやら、ぶっとばしてやりますわ!」
●即落ち2コマ
「そんな貴公にラッキースケベ、ハァイ!」
「にゃっ、にゃにょおおおおおおおお!?」
服の裾がぺろんとめくれ上がった伊織が両手両足をじたばたさせた。
「な、なんて破廉恥な……私、汚されてしまいましたわ……。まだ汚れアイドルになるつもりはありまえんことよ! くっ殺! くっ殺ですわ!」
ぺたんと座り込みぷるぷる震える伊織。
その後ろで寝転んでいた逝がギギギッと首だけで振り返って『まだということはそのうち汚れる予定があるということでは』と言った気がした。気がしただけである。
「うううっ……もうだめですわ……きっと水着のビデオを何本か撮ったあと別方向の芸能デビューを果たすのですわ……ううう……」
両手で胸を押さえる伊織。とはいえ既に善戦していたようで、彼女の後ろではマッスルマンのひとりが壁に頭が刺さるカンジで気絶していた。登場シーンすらまってあげない早業である。
「うーん、破廉恥防御が低すぎる……」
ステータス欄にもない数値を読み取る聖。空にぱたぱた浮かんでひとり安全圏に逃れていた。
「この前は空中でもやられたけど、さすがにエッチなハプニングが空中でおきるわけないよねー」
あははははと言って片手間にマッスルマンをビリビリいじめていると――。
「そんな貴女にラッキースケベ、ウゥン!」
忍者がセクシーポーズをとったその途端、どこからともなく突風が吹いた。
まずいっ。そう思ってスカートを手で隠す聖――の下で結鹿のスカートがめくれ上がった。
「ひゃあ、やだあっ!」
前だけ押さえるがまるで意味の無いめくれあがりっぷりである。
テンションを上げる忍者。
「イイゾイイゾー、エェイ!」
「ひゃあ!」
今度はスカートのホックがなんかしらんけどはじけ飛んでストーンと地面に落ちた。
座り込んでぷるぷる震える結鹿。
「モットモットー、アァン!」
忍者が親指を噛んでセクシーポーズをとった途端、どこからともなく飛んできた前髪の長いギャルゲー主人公(not両慈)が結鹿とぶつかりすってんころりん。
なんやかんやで相手を足の間に挟んだかと思うと『やーん!』と言って顔面にマウントパンチラッシュ。
顔を真っ赤にして離れると、ちらりと振り返って言った。
「エッチですよ!」
フルコンボである。
聖はそんな様子をお空から眺め……ある発見に至った。
「あっ、今回のは回避できるやつだ!」
今日はずっと結鹿の上を飛んでいよう。聖は硬く決意したのであった。
「くっ、早速術があちこちで発動しているな……だがその程度で俺を止められると思うな――ラッキースケベ忍者の弟!」
バッと手のひらを突き出して術のエネルギーを漲らせる両慈。
対する忍者は両手を頭の後ろで組んだセクシーポーズで迎え撃つ。
「拙者に近づくということはラッキースケベを発動されるということ。貴公はやりがいがありそうでござる」
「貴様、悪いことは言わん、神妙に縄につき、俺に定着した巻物の効果を消せ!」
「えっ」
「ん?」
「えっ?」
互いを探り合うような視線を交わす二人。
ブロック塀の上にかがみ込んでいた逝が、ギギギッと首だけで振り返った。顔に『絶対自分の素質でしょ、自分の素質で恋人さんをもんだりしたんでしょ』と書いてあった気がした。気がしただけである。
「問答無用なようだな! 少し痛い目をみてもら――」
「の前に、エェイ!」
忍者、セクシーポーズ。どこからともなく遅刻しそうな少女が猛スピードで突っ込んできた。
「きゃー!」
「ぐはっ!」
額直撃コースでぶつかった遅刻少女と両慈。
お尻を打った少女はあろうことかスカートがめく――れることはなく。
両慈のベルトがなんでかしらんけどはじけ飛び足首までズボンが落ちていた。
「何ッ!?」
「今なのッ!」
両慈と鈴鹿の目線カットインが入った。
「色」
1カメドン!
「欲」
2カメドン!
「覇王」
3カメドン!
勢いで遅刻少女を吹っ飛ばし、俊足で駆け抜けた鈴鹿。
突きだした拳には、両慈のパンツが握りしめられていた。
「とったどー!」
大事なところを都合良く主語使役モザイクで隠すと、両慈はズボンをはきなおした。
「フッ、鈴鹿……もうすっかり元気になったようだな」
「…………」
そんな両慈を後ろからじっと見つめる逝。
さておき。
両慈のパンツをはぎ取ったのはあくまであおり。本命はマッスルマンたちである。
突如パンツをはぎ取られた彼らは『オォウ』とか言いながら前屈みになって股間を手で隠し始めた。
「辱められる苦しみ、身にしみたようですわね」
ズゴゴゴゴという効果音を背負って立つ伊織。
「私のみならず……仲間や一般の方々まで毒牙にかけるその姿勢、キレましたわ!」
カッと開いた伊織の目には怒りの炎が燃えていた。
「我が名は『剛毅』の『獅子心王女<ライオンハート>』! 悪逆非道、許しません!」
どっからともなく取り出したギターでフルスイングすると、マッスルマンを思い切り吹き飛ばした。
「マッスル殿ぉー! おのれぃ、しかしマッスルは五人衆。まだ拙者の味方は――」
「いやぁーあ!」
結鹿が凍り付いたマッスルマンの足を掴んでぐるんぐるん振り回していた。
「みないでぇー!」
ハンマー投げの要領でぶん投げると、マッスルマンがブロック塀を貫いて民家の庭に突入。
縁側でお茶していた逝が、ここぞとばかりにマッスルマンにトドメの一刺しをいれた。
あんまりのえげつなさにガタガタ震える残り少ないマッスルマンたち。
そんな様子を空から見下ろし(そして別のマッスルマンをびりびりいじめつつ)聖はうんうんと頷いた。
おきるハプニングというハプニングが全部結鹿のほうに行くので、聖はすっかり無傷だったのだ。
「別になにか起きても気にしないのに。あ、でも……」
聖は腐れ縁のアイツを思い出した。
「アイツに押し倒されちゃったりしたら……緊張するなー」
しすぎてはらんじゃうかなーと両頬に手を当てる聖。
それをじーっと見ていたマッスルマンに、『わすれろっ』と言って錫杖をぶん投げた。
「これで最後だ、弟忍者!」
「わたしと両慈お兄ちゃんのエッチなコンビ技をくらうの!」
「そんな技を体得した覚えは無い。が、行くぞ! 普通に!」
両慈が構えた途端、鈴鹿は凄まじいスピードで走った。
忍者が『消えたっ!?』とか言ったその直後には、忍者は――。
一糸まとわぬ姿になっていた。
「イヤァン!」
手足で自分を隠す忍者。
そんな無防備な彼に、両慈が真顔で電撃を浴びせた。
はらりと倒れる忍者。そして回転しながら飛ぶ巻物。
「いっ、今なの! ニギハヤヒ、巻物たべるの! のみこむの!」
「金鬼! そんな巻物は食べて処分おしまいなさい!」
びっと指をさす鈴鹿と伊織。
ご主人がそういうなら、みたいな顔でひゅーんと飛んでいった守護使役たちが空中でごっつんこ。
挟まれた巻物がなんやかんやでぽいーんと飛んで、七兎があくびみたくあけた口の中にスポンと入った。
「…………」
「…………」
「…………」
と見せかけてペッてはき出す七兎。
噛み砕いちゃったのか偶然なのか二つに分かれた巻物が、鈴鹿と伊織の手の中に収まった。収まったっていうかモロに定着した。
「とったどー!」
「やってしまいましたわー!」
悲喜交々。
その様子を、逝は笑顔の顔文字がくっついた顔でじーっと見ていた。
――かくして、町の平和は守られた!
もう意味なくラッキースケベがおこることはないだろう!
だが忘れてはいけない!
ラッキースケベは、いつでもだれにでも起こるのだということを!
巻物とか、最初っから関係なかったということを!
「ラッキースケベの術!? なんて恐ろしい忍術ですの……女の子が破廉恥なめにあう忌まわしき事態が容易に想像できますわ!」
勇敢なる戦士、『獅子心王女<ライオンハート>』獅子神・伊織(CL2001603)は拳を握りしめ怒りにぷるぷるさせた。
じたんじたんと足踏みを始める。
「特に! アイドルの! 私には! 致命的な事件ですわ!」
「すごい……流れるように自己主張していく」
「特撮番組の『前回のあらすじ』くらい丁寧ー」
ポッ○ーをぽりぽりしていた『デアデビル』天城 聖(CL2001170)とそれをもらう『プロ級ショコラティエール』菊坂 結鹿(CL2000432)。
「今回の事件? ひどい変態事案だけどさ……まあ、パンツ剥かれないだけマシかな」
「深刻なセクハラ被害じゃないですか……」
親身に相談するような構えをとって、しかし結鹿はフッと目の光を消した。
「けれど会いたくないものにほど、人は会ってしまうものなんですよね」
「なにその目っ。15歳がしていい目じゃないよ」
結鹿の(不本意なベクトルに)大人びた空気に半歩退きつつ、聖は覚悟を新たにした。
「とはいっても人々が変態の危険に晒される危機。なんとしても倒して被害を抑えなければならないね!(本音:かえりたい)」
「私、姉様に誓ったの」
きゅっと拳を握り、天を見上げる『愛求独眼鬼/パンツハンター』瀬織津・鈴鹿(CL2001285)。
「私は姉様の後継になる。姉様の教えを守って、あの……綺麗な……」
瞑目し、まぶたの裏に美しい舞を思い描く。
その様子に、『雷麒麟』天明 両慈(CL2000603)は満足そうに腕組みしていた。
「どうやら、調子はもどったようだな。自分のやるべきことを見つけたとき、人は悲しみから立ち直れると言――」
「『自分の欲望には忠実であるべし』の教えを守って、パンツハンター王(キング)になるの!」
「うん……うん……」
さらっと聞かなかったことにした両慈である。
その隣にいつのまにか立っていた『冷徹の論理』緒形 逝(CL2000156)が、首だけギギギッと回して両慈を見た。
なんも言わなかったしフルフェイスヘルメットだったが、アイシールドに『恐ろしい獣をうみだしてしまったのでは?』と書いてる気がした。気がしただけである。
咳払いする両慈。
「しかしあれから二年か。七兎が巻物を取り込んで以来、俺の周りではその手のハプニングが起きすぎている。巻物のせいにちがいない。この呪いを解くため、奴の手がかりを追うぞ……!」
キッとクールな顔で言う両慈。
その後ろに回ってギギギッと肩から頭を覗かせた逝が『それは巻物のせいじゃなく自分の素質なのでは』と言った気がした。気がしただけである。
「とーにーかーくー!」
いろいろひっくるめて、伊織が腕をぐるぐる回した。
「女の敵! 許せませんわ! その忍者とやら、ぶっとばしてやりますわ!」
●即落ち2コマ
「そんな貴公にラッキースケベ、ハァイ!」
「にゃっ、にゃにょおおおおおおおお!?」
服の裾がぺろんとめくれ上がった伊織が両手両足をじたばたさせた。
「な、なんて破廉恥な……私、汚されてしまいましたわ……。まだ汚れアイドルになるつもりはありまえんことよ! くっ殺! くっ殺ですわ!」
ぺたんと座り込みぷるぷる震える伊織。
その後ろで寝転んでいた逝がギギギッと首だけで振り返って『まだということはそのうち汚れる予定があるということでは』と言った気がした。気がしただけである。
「うううっ……もうだめですわ……きっと水着のビデオを何本か撮ったあと別方向の芸能デビューを果たすのですわ……ううう……」
両手で胸を押さえる伊織。とはいえ既に善戦していたようで、彼女の後ろではマッスルマンのひとりが壁に頭が刺さるカンジで気絶していた。登場シーンすらまってあげない早業である。
「うーん、破廉恥防御が低すぎる……」
ステータス欄にもない数値を読み取る聖。空にぱたぱた浮かんでひとり安全圏に逃れていた。
「この前は空中でもやられたけど、さすがにエッチなハプニングが空中でおきるわけないよねー」
あははははと言って片手間にマッスルマンをビリビリいじめていると――。
「そんな貴女にラッキースケベ、ウゥン!」
忍者がセクシーポーズをとったその途端、どこからともなく突風が吹いた。
まずいっ。そう思ってスカートを手で隠す聖――の下で結鹿のスカートがめくれ上がった。
「ひゃあ、やだあっ!」
前だけ押さえるがまるで意味の無いめくれあがりっぷりである。
テンションを上げる忍者。
「イイゾイイゾー、エェイ!」
「ひゃあ!」
今度はスカートのホックがなんかしらんけどはじけ飛んでストーンと地面に落ちた。
座り込んでぷるぷる震える結鹿。
「モットモットー、アァン!」
忍者が親指を噛んでセクシーポーズをとった途端、どこからともなく飛んできた前髪の長いギャルゲー主人公(not両慈)が結鹿とぶつかりすってんころりん。
なんやかんやで相手を足の間に挟んだかと思うと『やーん!』と言って顔面にマウントパンチラッシュ。
顔を真っ赤にして離れると、ちらりと振り返って言った。
「エッチですよ!」
フルコンボである。
聖はそんな様子をお空から眺め……ある発見に至った。
「あっ、今回のは回避できるやつだ!」
今日はずっと結鹿の上を飛んでいよう。聖は硬く決意したのであった。
「くっ、早速術があちこちで発動しているな……だがその程度で俺を止められると思うな――ラッキースケベ忍者の弟!」
バッと手のひらを突き出して術のエネルギーを漲らせる両慈。
対する忍者は両手を頭の後ろで組んだセクシーポーズで迎え撃つ。
「拙者に近づくということはラッキースケベを発動されるということ。貴公はやりがいがありそうでござる」
「貴様、悪いことは言わん、神妙に縄につき、俺に定着した巻物の効果を消せ!」
「えっ」
「ん?」
「えっ?」
互いを探り合うような視線を交わす二人。
ブロック塀の上にかがみ込んでいた逝が、ギギギッと首だけで振り返った。顔に『絶対自分の素質でしょ、自分の素質で恋人さんをもんだりしたんでしょ』と書いてあった気がした。気がしただけである。
「問答無用なようだな! 少し痛い目をみてもら――」
「の前に、エェイ!」
忍者、セクシーポーズ。どこからともなく遅刻しそうな少女が猛スピードで突っ込んできた。
「きゃー!」
「ぐはっ!」
額直撃コースでぶつかった遅刻少女と両慈。
お尻を打った少女はあろうことかスカートがめく――れることはなく。
両慈のベルトがなんでかしらんけどはじけ飛び足首までズボンが落ちていた。
「何ッ!?」
「今なのッ!」
両慈と鈴鹿の目線カットインが入った。
「色」
1カメドン!
「欲」
2カメドン!
「覇王」
3カメドン!
勢いで遅刻少女を吹っ飛ばし、俊足で駆け抜けた鈴鹿。
突きだした拳には、両慈のパンツが握りしめられていた。
「とったどー!」
大事なところを都合良く主語使役モザイクで隠すと、両慈はズボンをはきなおした。
「フッ、鈴鹿……もうすっかり元気になったようだな」
「…………」
そんな両慈を後ろからじっと見つめる逝。
さておき。
両慈のパンツをはぎ取ったのはあくまであおり。本命はマッスルマンたちである。
突如パンツをはぎ取られた彼らは『オォウ』とか言いながら前屈みになって股間を手で隠し始めた。
「辱められる苦しみ、身にしみたようですわね」
ズゴゴゴゴという効果音を背負って立つ伊織。
「私のみならず……仲間や一般の方々まで毒牙にかけるその姿勢、キレましたわ!」
カッと開いた伊織の目には怒りの炎が燃えていた。
「我が名は『剛毅』の『獅子心王女<ライオンハート>』! 悪逆非道、許しません!」
どっからともなく取り出したギターでフルスイングすると、マッスルマンを思い切り吹き飛ばした。
「マッスル殿ぉー! おのれぃ、しかしマッスルは五人衆。まだ拙者の味方は――」
「いやぁーあ!」
結鹿が凍り付いたマッスルマンの足を掴んでぐるんぐるん振り回していた。
「みないでぇー!」
ハンマー投げの要領でぶん投げると、マッスルマンがブロック塀を貫いて民家の庭に突入。
縁側でお茶していた逝が、ここぞとばかりにマッスルマンにトドメの一刺しをいれた。
あんまりのえげつなさにガタガタ震える残り少ないマッスルマンたち。
そんな様子を空から見下ろし(そして別のマッスルマンをびりびりいじめつつ)聖はうんうんと頷いた。
おきるハプニングというハプニングが全部結鹿のほうに行くので、聖はすっかり無傷だったのだ。
「別になにか起きても気にしないのに。あ、でも……」
聖は腐れ縁のアイツを思い出した。
「アイツに押し倒されちゃったりしたら……緊張するなー」
しすぎてはらんじゃうかなーと両頬に手を当てる聖。
それをじーっと見ていたマッスルマンに、『わすれろっ』と言って錫杖をぶん投げた。
「これで最後だ、弟忍者!」
「わたしと両慈お兄ちゃんのエッチなコンビ技をくらうの!」
「そんな技を体得した覚えは無い。が、行くぞ! 普通に!」
両慈が構えた途端、鈴鹿は凄まじいスピードで走った。
忍者が『消えたっ!?』とか言ったその直後には、忍者は――。
一糸まとわぬ姿になっていた。
「イヤァン!」
手足で自分を隠す忍者。
そんな無防備な彼に、両慈が真顔で電撃を浴びせた。
はらりと倒れる忍者。そして回転しながら飛ぶ巻物。
「いっ、今なの! ニギハヤヒ、巻物たべるの! のみこむの!」
「金鬼! そんな巻物は食べて処分おしまいなさい!」
びっと指をさす鈴鹿と伊織。
ご主人がそういうなら、みたいな顔でひゅーんと飛んでいった守護使役たちが空中でごっつんこ。
挟まれた巻物がなんやかんやでぽいーんと飛んで、七兎があくびみたくあけた口の中にスポンと入った。
「…………」
「…………」
「…………」
と見せかけてペッてはき出す七兎。
噛み砕いちゃったのか偶然なのか二つに分かれた巻物が、鈴鹿と伊織の手の中に収まった。収まったっていうかモロに定着した。
「とったどー!」
「やってしまいましたわー!」
悲喜交々。
その様子を、逝は笑顔の顔文字がくっついた顔でじーっと見ていた。
――かくして、町の平和は守られた!
もう意味なくラッキースケベがおこることはないだろう!
だが忘れてはいけない!
ラッキースケベは、いつでもだれにでも起こるのだということを!
巻物とか、最初っから関係なかったということを!
■シナリオ結果■
成功
■詳細■
MVP
なし
軽傷
なし
重傷
なし
死亡
なし
称号付与
なし
特殊成果
『真ラッキースケベの術・甲』
カテゴリ:アクセサリ
取得者:瀬織津・鈴鹿(CL2001285)
『真ラッキースケベの術・乙』
カテゴリ:アクセサリ
取得者:獅子神・伊織(CL2001603)
カテゴリ:アクセサリ
取得者:瀬織津・鈴鹿(CL2001285)
『真ラッキースケベの術・乙』
カテゴリ:アクセサリ
取得者:獅子神・伊織(CL2001603)
