<東京大殺界>あなたの居ていいセカイじゃない
<東京大殺界>あなたの居ていいセカイじゃない


●裏世界での□□
 これから皆には裏世界に行って貰うわ。詳しい説明は省くけれど、特異点の先にある異空間だと思ってちょうだい。その場所で特定の人物を殺害すること。それが任務よ。ただし――。

●可能性交換棺とヴィオニッチペイント
「あれから研究を重ねた結果、いくつかの事実が判明しました」
 会議室のディスプレイに表示されるいくつかの資料と写真。
 ファイヴの研究者が語る内容に、数名の所属覚者たちが黙って注目していた。

 1.可能性交換棺
 可能性交換棺は過去の作戦において回収した奇妙な睡眠チャンバーだ。
 使用者の脳波に直接干渉して他者の記憶を追体験させることができる。
 ただしその元データは人間の脳を特殊に解剖したものからしか得ることができず、しばしば人間人格のコピーを作成する道具として使用されていた。

 2.ヴィオニッチペイント
 ヴィオニッチペイントはかつて作戦の中で撮影された奇妙な壁画だ。
 可能性交換棺によって人格をコピーされた子供たちは『天邪鬼』と呼ばれ、彼らが回収しようとしていた奇妙な少女が壁に描いていた模様の集合であり、その主成分が血や肉である可能性が示唆されていた。
 タンパク質の配合率と模様を特殊な暗号法に当てはめた時、可能性交換棺に用いられる脳波干渉技術の数式が判明した。
 これによって、可能性交換棺を『元データ』なしで使用することができるようになった。

 3.ネジレ病
 ネジレ病とは過去の作戦以降に渋屋で頻発している肉体変異および精神疾患だ。
 発症者は我々が『アウトサイドエネミー』と呼んできた悪質な古妖と同一の外見に変異し、しかしその事実をどのように指摘しても認識することができないという精神状態に陥っている。
 彼らは見た目がおかしいだけの無害な一般人であり、自治体もこれを病気の一種と考え特別に学校の体を装った収容所を設立。
 ネジレ病患者はごく普通の生活を送っていると、本人たちは認識している。

 4.東京大殺界
 東京大殺界とはあるブログに隠された奇妙なワードだ。
 このブログには隠し記事が書き込まれており、ネジレ病の根本的な治療法について記述されていた。
 その方法とは、可能性交換棺をヴィオニッチコードを用いて起動し、『裏世界』へと介入。特定の何人かを殺害し続けることで一定期間ネジレ病を除去できるというものだ。

「実証例はありませんが、試す価値はあるはずです。この先は依頼説明となりますので、夢見から説明を受けてください」

●裏世界での殺人
「あの説明に興味があったのね。なら、この仕事を任せてもいいと思うわ。リストを見て」
 蒼紫 四五九番(nCL2000137)は紙の資料を配った。
 ここはファイヴ会議室。集まったのはごく数名の所属覚者である。
「これから皆には裏世界に行って貰うわ。詳しい説明は省くけれど、特異点の先にある異空間だと思ってちょうだい。その場所で特定の人物を殺害すること。それが任務よ。ただし、裏世界では能力が大幅に制限されるわ。危ないと思ったらすぐに離脱することが条件だそうよ」

 『裏世界』とは、渋谷札の辻交差点に発生した特異点からアクセスできる異空間である。
 この世界は通常の世界と酷似しているが、いくつか決定的に異なる点がある。
 OSEがうろついていること。
 通常の人間がほとんど見当たらないこと。
 その他、建物の位置が微妙に違ったり表記が異なっていたりという違いはあるが、理解が出来ないほどではないという。
「観測されているOSEは数体。それぞれ特殊な能力を持っていて、入り込んだ人間を殺そうと行動するわ。ただし、こちらは覚者の能力は勿論神具や鍛えた身体能力を行使することができないの。通常兵器は持ち込めるから、それを駆使して戦って。たとえ裏世界で殺されても命数をサクリファイスにして離脱することができるわ。けどアクセスができるのは一度きりだから、できれば死なないこと。いいわね」
 残りの分厚い資料を渡した後、彼女は目を閉じた。
「説明は以上よ。やり方は任せるわ」


■シナリオ詳細
種別:通常
難易度:普通
担当ST:八重紅友禅
■成功条件
1.ターゲットのうち3体以上を殺害すること
2.なし
3.なし
 こちらは<東京大殺界>シリーズのひとつです。
 関連ワードは『可能性交換棺』『ヴィオニッチペイント』『天邪鬼』『OSE』『ネジレ』『東京大殺界』です。
 このワードを知らなくても充分楽しむことが出来ますので、飛び入り参加を歓迎しております。

 それでは以下、裏世界と戦闘ルールについて解説します。

●裏世界でのスペックと武装
 皆さんがこの依頼の中で向かう裏世界は特異点の中にある異空間です。
 この特異点特有のものだと思いますが、覚者の能力や異常な身体能力や技能スキル、神具やその他の力を利用することが出来ません。
 一言で述べると皆さんは武装一般人(ないしは憤怒者)と同等の能力までハンディキャップがかけられています。
 持ち込める武装は『拳銃、小銃、短機関銃、散弾銃、戦闘用のナイフ、ジュラルミンの盾、フラッシュグレネード、日本刀、メリケンサック、救急スプレー(緊急回復アイテム)』のうち好きなだけです。ただし武装が多ければ多いほど身体を使うプレイングにマイナス補正が増えます。

 場所は札の辻交差点とほぼ同じ構造になっています。
 左右四車線の国道。そこにかかる陸橋。隣接するコインパーキング。
 陸橋を挟んだ先に定食屋。はす向かいに洋食屋と保育園。そしてオフィスビル。
 エリアのどこをどう自由に使っても構いませんが、どれだけこっそり移動しても裏世界に侵入してから最長でも5分でOSEが攻撃を仕掛けてくるでしょう。

●殺害対象のOSE
 以下の5体が現場で観測されています。
 そのうち3体以上を殺害することが今回の任務であり成功条件です。
 OSE(アウトサイドエネミー)とは古妖の一種で、元は人間であったとされていますが裏世界で観測された個体に関してはわかりません。
・OSEアルファ
 炎を発生させる能力をもつ。
 視界内20メートル程度を火で炙ることができ遮蔽物や盾で防御しなければたちまち焼け死ぬ危険がある。
 その反面耐久力は低いようなので集中攻撃で一気に殺害することが望まれる。
・OSEベータ
 雷を発生させる能力を持つ。
 列対象をしびれさせ、動きを止めたところに小太刀で斬りかかるという戦闘スタイルをもつ。
 汎用性が高いため屋内外共に厄介。集中攻撃が必須。
・OSEガンマ
 炎を細かく放射する能力をもつ。
 アルファに似て炎の全体攻撃を使えるが、フラッシュグレネードなどの異常状態に予め耐性を持ち、味方にも同様の耐性をもたせる能力も持っている。
 フラッシュグレネードを用いるならまず邪魔になる個体。そうでない場合は屋内戦闘でしのぐことが可能。
・OSEデルタ
 植物のツタをはやす能力をもつ。
 ツタで打ち付けたりトゲを放って傷をつけたりできる他、相手をどこまでも追いかけて日本刀で刺し殺すというスタイルをもつ。
 一度傷をつけられたら隠れても見つかってしまうため、遭遇即殺を心がけるべき。 
・OSEイプシロン
 非常に硬い皮膚をもつ。
 攻撃的な戦闘能力を持たない代わりに非常に硬く、ナイフや銃による攻撃をものともしない。デルタとコンビを組んで行動するため、もし攻略するならこの個体を破壊もしくは除去する方法を必要とする。


 彼我の戦力差はハンディキャップを含めた上で難易度相当となっております。
状態
完了
報酬モルコイン
金:0枚 銀:1枚 銅:0枚
(3モルげっと♪)
相談日数
7日
参加費
100LP[+予約50LP]
参加人数
6/6
公開日
2017年08月17日

■メイン参加者 6人■

『冷徹の論理』
緒形 逝(CL2000156)
『探偵見習い』
賀茂・奏空(CL2000955)
『影を断つ刃』
御影・きせき(CL2001110)
『淡雪の歌姫』
鈴駆・ありす(CL2001269)

●シブヤに現われたネジレをやっつけろ!
 ――介入を検知しました。
 ――介入を検知しました。
 ――介入を検知しました。
 ――介入を検知しました。
 ――介入を検知しました。
 ――介入を検知しました。
 ――介入を検知しました。
 直ちに迎撃を開始してください。

 『探偵見習い』工藤・奏空(CL2000955)が裏世界の交差点に現われたとき、最初に聞こえたのは無数の悲鳴だった。
 こちらを見て金切り声をあげ、背を向けて走り出す無数のOSE。
 反射的に撃ちそうになったところで、奏空は慌てて手を止めた。
 ジュラルミンの盾と拳銃をそれぞれの手に装備した彼を見て、OSEが逃げ惑う。
 あらゆる意味で未曾有の経験に、奏空は混乱した。
 彼を一瞥し、小さく頷く緒形 逝(CL2000156)。
「賢明な判断だな。しかしどうする。予定では対象アルファを優先的に撃破するつもりだったが……」
 逝は両手にメリケンサックをはめ込み、腰のホルダーに救急スプレーをいくつか差し込んでいた。
 指を立てて敵の数を示す。
「終了対象はアルファからイプシロンまで計五体だ」
「そいつらが一人ずつ一分おきに来てくれたら楽なんだがね。そうなればおっさん一人でも食い散らかせる案件さね」
 日本刀を雑に担いでからからと笑うアレクセイ・アレクサンドロヴィチ・ツェレンスカヤ(CL2000000)。
「そんな馬鹿な判断、するわけないでしょ」
 アレクセイのジョークを真剣な顔ではねのけて、『淡雪の歌姫』鈴駆・ありす(CL2001269)は軽機関銃の弾と安全装置を確認していた。
 腰には逝と同じように救急スプレーが数本刺さっている。
「銃って、思ったより重いのね。水鉄砲くらいしか持ったこと無かったわ、そういえば」
 左右に軽く振ってみる。
 一応両手持ちを想定しているとはいえ、片手でとりまわせる武器である。ありすの腕力でもそれなりに振り回すことはできそうだった。
「…………」
 一方で、『新緑の剣士』御影・きせき(CL2001110)はふーふーと獣のように息を荒げ、両目を大きく開いたまま周囲を見回していた。
 装備した武器は日本刀とフラッシュグレネード。
「……あんた、大丈夫?」
「大丈夫だよ! 二年も刀で戦ってきたんだもん。覚者の力がなくたってうまくできるよ!」
 目を見開いたまま振り向くきせき。ありすはそれ以上追求せずに口を閉じた。
 そういうスタンスなら、そのままでいたほうがいい。
 対して納屋 タヱ子(CL2000019)はきわめて冷静だった。
 本来一枚あれば充分なジュラルミン盾を二枚重ねてくくりつけ、ソードオフショットガンを後ろ腰に、救急スプレーを膝の連装ホルスターに三つずつ差し込むという機動隊のような格好である。浅間山荘事件もかくやだ。
「とにかく、近くの建物に逃げ込みましょう。手分けはせず、一丸となって移動します。どこがいいでしょうね……」
「えっと」
 ラーラがきょろきょろと周囲の建物を確認した。
 その頃には周りのOSEは逃げ去っていて、悲鳴も既に聞こえない。じきに対象のOSEたちが襲撃してくる頃合いだ。ぼうっとはしていられない。
「すみません。屋内で戦うつもりだったんですが、具体的にどことは……」
 盾とサブマシンガンをそれぞれ構え、ラーラはじりじりと近くの建物へと寄っていく。
「こういうときは通路が限定されつつ途中で開けている場所がベストさね。おっさんについといで」
 手招きするアレクセイ。ラーラは『はい!』と言って近くのオフィスビルへと皆と一緒に駆け込んでいった。

●一般人への被害はなんとしても食い止めるのだ!
 作戦はこうだ。
 凶悪な全体攻撃手段をもつアルファ、ベータ、ガンマの三名を優先攻撃対象とし、集中砲火によってたちまちのうちに撃破する。
 わざとヤクザ映画風に言うと、『出てきたところを撃ちまくれ! 蜂の巣にしたれ!』である。
 特にアルファはきっと防御力が低い筈なので倒すのも一瞬であろう、という考えだった。
 そして実際問題、どう相手が出てきたのかと言えば。

「――!」
 通路を進むOSEアルファ。やや開けたエリアの自販機裏から飛び出したきせきは完全なバックアタックを仕掛け――たつもりだったが、間に小太刀を握ったOSEベータが割り込んできた。
 きせきの刀を受け止め、激しい電撃を繰り出してくる。
 それそれ別々の方向から囲い込むように襲いかかった逝とアレクセイも、日本刀を持ったOSEデルタと盾を装備したOSEイプシロンの割り込みによって阻まれた。
 基礎能力からして、一対一で渡り合うような相手ではない。
 どころか、即座に皆殺しにされてもおかしくない戦力差である。
 パチン、とフィンガースナップを弾くOSEアルファ。
「「下がってください!」」
 同時に飛び出したラーラとタヱ子。そして奏空が盾を構えて即席防壁を築き、その後ろに飛び込む形できせきたちは直後の炎を防いだ。
 否、防いだとは言いがたい。
 まるで台風の夜に翳したビニール傘のようで、ラーラたちは盾ごと思い切り吹き飛ばされた。
「あ、あつい……熱い……!」
 服がごうごうと音をたてて燃えている。きせきは転がり、ありすの救急スプレーを浴びてギリギリ炎を免れた。
 通路上に巨大な魔方陣が生まれる。
 まずい、と思った時にはタヱ子が飛び出していた。
「通路を進んでフロア内に逃げ込んでください。この場で戦えば数十秒で全滅です」
 ここは任せて先に行け。
 タヱ子は暗にそう言って、仲間たちに顎で後退するように示した。

 植物のツタがタヱ子の首に巻き付く。天井の蛍光灯のかさをフックにして釣り上げられた彼女は、腰に保持したショットガンを乱射。
 対してOSEイプシロンが割り込み、散弾を盾で振り払った。
 小石や砂ではないのだ。そう簡単に払えてたまるか。
 が、やれてしまうのだから仕方ない。タヱ子は眉一つ動かさずにショットガンを継続して乱射。
 が、狙いはデルタではない。そのもう少し先にいるアルファだ。
 跳躍して弾幕の一部を自らで受け、残った分がガンマへと浴びせかけられる。
 中衛を維持していたベータはそんなタヱ子めがけて小太刀を放ち、太刀はタヱ子の首を抜けるようにして突き刺さった。
 地面に落下するタヱ子――の上を、放物線を描いて飛ぶ複数のフラッシュグレネード。
 アルファを庇っていたイプシロンはその閃光をもろに浴びることになった。
「今だよ!」
 きせきの呼びかけに応え、ありすとラーラは盾と障害物越しに機関射撃を開始。
 イプシロンが沈黙した今、アルファは今無防備だ。
 それならばとアルファとガンマが激しい火炎放射を開始。
 周囲の障害物もろとも灰にしてしまうのではないかというほどの暴虐的な炎が室内を埋めていく。
 その中を、きせきとアレクセイは強引に突破した。
 焼け焦げる頬。燃えさかるシャツ。
 アレクセイの剣がアルファの腕を強引にぶった切り、バランスを崩した所に奏空の拳銃が口らしき位置へと押し当てられた。
「まずは一人!」
「――!」
 きびすを返し、奏空を引きはがさんとばかりに飛びかかるベータ。だがベータの足首に鋭い蹴りを入れた逝が、コンボを繋ぐようにして頭部を地面に叩きつけさせた。バスケットボールを拳で打って地面にバウンドさせる動作を想像すれば、まさにそれだ。
 物理的な弾みと身体の抵抗やあれこれを併せてリバウンドしてきた頭を掴み、逝は膝蹴りを叩き込む。
 ぐしゃりという派手な音がなり、ベータはついに沈黙。同じく奏空に顔面を貫かれたアルファもまた沈黙した。
 しかし同時に、奏空の胸からは日本刀のきっさきが生えていた。
 OSEデルタの刀が背後から彼を貫いたのだ。
 そして、強引に切り裂くように刀を抜く。
「こいつ……!」
 直後、デルタの身体に刀が突き刺さった。
「おまえなんかがいなければ! 日常は守られるんだ!」
 直後、飛びかかったきせきが刀の柄を蹴りつけて相手の内部組織を破壊。
 正常な状態を取り戻したイプシロンが追撃を阻もうと盾を投擲。
 フリスビーのように放たれた盾はきせきを撥ね飛ばし、壁にバウンド。ジャンプしてキャッチしたイプシロンは、着地と同時に二人の間へと割り込む姿勢をとった。
 その程度倒せない自分では無い。
 と思った矢先、大量に発生した魔方陣から炎がわき起こった。
 ラーラが、ありすが、なによりも前に出ていたきせきと奏空が炎に包まれていく。
 膝から崩れ落ちる奏空ときせき。
 だがここまで来ればもう終わりだ。
 起き上がろうとしたデルタめがけ、ありすとラーラは短機関銃をありったけぶち込んでやった。
 刀を強引に突き立て、地面に縫い付けるかのようにするアレクセイ。
「これでミッションクリア。けど……」
 魔方陣が再びわき上がる。
 救急スプレーを手に取ったありすとラーラは、この戦いに終了のゴングが鳴ったさまを想像した。
 むろん、どちらかが死ぬまで続くデスマッチではあるが。

●混濁
 激しい炎に包まれた所で、記憶は途絶えていた。
 気づけば睡眠チャンバーのカバーが開き、奇妙なけだるさと共に六人は目を覚ましたのだった。
「……どう、なったんだっけ……」
「全員、倒せたの?」
「少なくとも、私たちはこうして生きているみたいですけれど」
 ラーラは起き上がってあくびをかみ殺し、同じく起き上がった仲間たちを見た。
 黙って身体を起こし、天井を仰ぎ見る逝。
 荒い呼吸を整えながら胸を押さえる奏空。
 きせきは頭がぐらつくのか、片手で額を押さえていた。
「少なくとも、三体の撃破を確認したわ。ミッションはクリア、とみていいのよね?」
「そのようね」
 車いすに腰掛け、蒼紫 四五九番(nCL2000137)が出迎えた。
 寝起きのテンションに頭が追いつかないのか、タヱ子は暫く首を振ってからチャンバーから抜け出てきた。
「それにしても、敵を甘く見すぎましたかね。思い通りの順番では倒させてくれませんでした」
 当然と言えば当然。『考えが至りませんでした』と言って、タヱ子は額を押さえた。
 とはいえ本当に考えが至らなかったというわけではなく、都合良くポンポン思い通りになりはすまいという……よくある話だった。
「今は寝起きで頭が混乱しているんでしょう? 後日に報告書にまとめて貰うから、今日はゆっくり休むといいわ」
 そう言われて、ラーラたちは深く息をついた。
「とにかくこれで、一般人が病気から解放されるんですね」
「…………本当にそうならいいんですが」
 タヱ子は、小さく呟いた。

●続・東京大殺界
 東京渋谷で蔓延した奇病、通称『ネジレ病』。
 ファイブの六名が裏世界でミッションをこなした結果、彼らの症状が3週間ほど抑制されたことが確認された。
 ある者はより多くのOSEを狩れば症状を長く抑えられると提唱し、またある者は全ての元凶がいるに決まっていると主張し、またある者はその場しのぎにしかならないから全て無駄だとわめき散らした。
 しかし確かな事実として、渋谷は平和そのものだ。
 奇病は(未だ一時的とはいえ)治る病であることが実証され、実質的な被害は起こっていない。

 ただ気になることがあるとすれば……。

「ねえ、渋谷ってこんな所だっけ」
「あー……地方から出てきたばっかだもんね。最近はこうだよ?」
 スマホをいじる女子高生が言った。
 ネットで知り合い、はるばる状況してきた友達とハチ公前で合流したところ、らしいが。
 女子高生は真っ白い、凹凸の全くない仮面を被っていた。
「その仮面も、そうなの?」
「え? 普通じゃん」
 振り返れば、町行く人々が同じ仮面をつけていた。

■シナリオ結果■

成功

■詳細■

MVP
なし
軽傷
なし
重傷
なし
死亡
なし
称号付与
なし
特殊成果
なし




 
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