<冷酷島>助けを求める者あらば
●約束されなかった島
『冷酷島』
正式名称・黎刻ニューアイランドシティは埋立地に作られた複合都市でした。
日本の多くが妖によって被害を受ける中、日本国土の外側に居住地を建設すれば安全になるのだという主張から建設されたその人工島は、政治家と市民たちが夢見たフロンティアだったのです。
学校、病院、警察署や消防署、スタジアムや自然公園、高層マンションや一戸建ての住宅街。最新の技術で整えられたその人工島は、安息の地になるはずでした。
しかし、ならなかったのです。
●いざハコを開けよ
蘇我島 恭司(CL2001015)と柳 燐花(CL2000695)は、以前にてがけていた冷酷島の勢力調査を続行していた。
といってもチームから離れた動きだったので、『こっそり近づいてばれる前に逃げる』の繰り返しである。
今回の調査対象は島の北東部に位置する工場地帯である。
製材所や小さな作業場、そして建設会社の事務所が集まったエリアだ。
燐花は恭司のデジタルカメラに保存された画像を送りながら、調査内容をおもいかえしていた。
「この工場地帯は、屋根付きの大きな作業場が連なっていたんですよね?」
「そうだね。だから内部がハッキリしなかった。強力な妖がいる雰囲気がするし、少人数で入るのはよしたほうがよさそうだ」
「そうですね。ファイヴに情報を持ち帰って、依頼にしてもらえるようにお願いを……」
あ、と声を出す燐花。
何か見つけたのかと画像を覗き込む恭司。
かおる煙草と懐かしいシャンプーの香りに口を閉じると、恭司が代わりに言うべきことを言った。
「ここに写ってるの、人間だよね……?」
「それは多分、『GM建設』の社員だね。冷酷島の建設に関わった会社で、そのまま事務所を島内に移してるんだ。場所もピッタリだと思う」
会議室でそう述べたのは工藤・奏空(CL2000955)だった。
別口で島に関する調査を続けていた彼は、なんやかんやでGM建設という存在を探り当てたらしい。
「社長と副社長、あと数名の社員が行方不明になってる。多分だけど」
「GM建設? 僕にも話を聞かせてもらえませんか?」
話を聞きつけてやってきたのは宮神 羽琉(CL2001381)だった。
冷酷島の調査からは外れて島外の警備をしていた彼だが、そのついでに以前保護した子供たちに協力していたのだ。
「どうも、前に助けた野球少年の父親がGM建設の社員みたいなんです。島の外で聞いてみても行方が分からないそうで、もしかしたら皆さんが見つけたのはその人なのかもって……」
四人は頷きあい、集めてきた情報をつなぎ合わせ始めていった。
●暗闇の救出作戦
中 恭介(nCL2000002)は会議室に覚者をあつめ、依頼の説明をしていた。
「皆、冷酷島について続報が入った。ファイヴの覚者たちが個人的に調査してくれた結果、内部に取り残されている一般市民を発見したんだ。
救助艇を出すつもりだが、内部は妖でいっぱいになっている。
つまり、皆の力が必要だ」
救出・戦闘エリアとなるのはGM建設の製材所だ。
電気供給が止まっていて遮光カーテンも引かれているので昼間でも薄暗く、広さはあるが視界が悪い。
木材や石材から生まれた妖が行く手を阻むが、戦闘とは別に安定した光源の確保も必要になるだろう。
「妖を倒し、取り残された一般市民を救助してくれ。頼んだぞ!」
『冷酷島』
正式名称・黎刻ニューアイランドシティは埋立地に作られた複合都市でした。
日本の多くが妖によって被害を受ける中、日本国土の外側に居住地を建設すれば安全になるのだという主張から建設されたその人工島は、政治家と市民たちが夢見たフロンティアだったのです。
学校、病院、警察署や消防署、スタジアムや自然公園、高層マンションや一戸建ての住宅街。最新の技術で整えられたその人工島は、安息の地になるはずでした。
しかし、ならなかったのです。
●いざハコを開けよ
蘇我島 恭司(CL2001015)と柳 燐花(CL2000695)は、以前にてがけていた冷酷島の勢力調査を続行していた。
といってもチームから離れた動きだったので、『こっそり近づいてばれる前に逃げる』の繰り返しである。
今回の調査対象は島の北東部に位置する工場地帯である。
製材所や小さな作業場、そして建設会社の事務所が集まったエリアだ。
燐花は恭司のデジタルカメラに保存された画像を送りながら、調査内容をおもいかえしていた。
「この工場地帯は、屋根付きの大きな作業場が連なっていたんですよね?」
「そうだね。だから内部がハッキリしなかった。強力な妖がいる雰囲気がするし、少人数で入るのはよしたほうがよさそうだ」
「そうですね。ファイヴに情報を持ち帰って、依頼にしてもらえるようにお願いを……」
あ、と声を出す燐花。
何か見つけたのかと画像を覗き込む恭司。
かおる煙草と懐かしいシャンプーの香りに口を閉じると、恭司が代わりに言うべきことを言った。
「ここに写ってるの、人間だよね……?」
「それは多分、『GM建設』の社員だね。冷酷島の建設に関わった会社で、そのまま事務所を島内に移してるんだ。場所もピッタリだと思う」
会議室でそう述べたのは工藤・奏空(CL2000955)だった。
別口で島に関する調査を続けていた彼は、なんやかんやでGM建設という存在を探り当てたらしい。
「社長と副社長、あと数名の社員が行方不明になってる。多分だけど」
「GM建設? 僕にも話を聞かせてもらえませんか?」
話を聞きつけてやってきたのは宮神 羽琉(CL2001381)だった。
冷酷島の調査からは外れて島外の警備をしていた彼だが、そのついでに以前保護した子供たちに協力していたのだ。
「どうも、前に助けた野球少年の父親がGM建設の社員みたいなんです。島の外で聞いてみても行方が分からないそうで、もしかしたら皆さんが見つけたのはその人なのかもって……」
四人は頷きあい、集めてきた情報をつなぎ合わせ始めていった。
●暗闇の救出作戦
中 恭介(nCL2000002)は会議室に覚者をあつめ、依頼の説明をしていた。
「皆、冷酷島について続報が入った。ファイヴの覚者たちが個人的に調査してくれた結果、内部に取り残されている一般市民を発見したんだ。
救助艇を出すつもりだが、内部は妖でいっぱいになっている。
つまり、皆の力が必要だ」
救出・戦闘エリアとなるのはGM建設の製材所だ。
電気供給が止まっていて遮光カーテンも引かれているので昼間でも薄暗く、広さはあるが視界が悪い。
木材や石材から生まれた妖が行く手を阻むが、戦闘とは別に安定した光源の確保も必要になるだろう。
「妖を倒し、取り残された一般市民を救助してくれ。頼んだぞ!」

■シナリオ詳細
■成功条件
1.一般市民の救出
2.なし
3.なし
2.なし
3.なし
色々な形に分岐し、場合によってはルートが増える構成となっております。
そんなわけで、飛び入り参加をいつでも歓迎しております。
【シチュエーションデータ】
冷酷島北東部、GM建設の製材所(仮)に取り残された一般市民を救助します。
避難勧告中もギリギリまで働いていたのですが、妖が工場内に直で発生したので身を守るため仮設事務所に逃げ込んでいました。
水や食料はあるので割と無事ですが、妖がいて外に出られない状況です。
彼らのもとへ駆けつけ、直接呼びかけることで外に出るよう促し、引き連れたまま近隣の安全地帯へと逃げ込む必要があります。
要するに『一般市民を守りながらバトル』です。
人数はわかりませんが、推定で成人男性3~5人です。(※奏空の収集情報より)
そのうち一名は以前救出した少年の父親とのことです。(※羽琉の収集情報より)
攻撃対象が一般市民へ向くことはあまりないと思いますが、不安ならカバー係を用意しておくとよいでしょう。
仮設事務所は大きな作業場の中にあります。
昼間でもかなり暗いので光源の確保に注意してください。
今回に限り暗闇(または過剰光源)ペナルティがかかり、状況に応じて命中・回避に影響します。
【エネミーデータ】
物質系妖R1が大量。行動全体に時間がかかりすぎるとR2が混ざる危険があります。(※恭司、燐花の収集情報より)
物理攻撃が基本で、体力は高いと思われますが細かい戦闘スペックは不明のままです。
戦闘が発生するとすれば『仮設事務所へ駆けつけるまで(早ければ早いほどいい)』『工場から出るまで(安全なら安全なほどいい)』の二つとなります。
【事後調査】
(※こちらは、PLが好むタイプのシナリオへシフトしやすくするための試験運用機能です)
島内は非常に危険なため、依頼完了後は一般人や調査・戦闘部隊はみな島外に退避します。
しかし高い生存能力をもつPCたちは依頼終了後に島内の調査を行なうことができます。
以下の三つのうちから好きな行動を選んでEXプレイングに記入して下さい。
※EX外に書いたプレイングは判定されません
・『A:追跡調査』今回の妖や事件の痕跡を更に追うことで同様の事件を見つけやすくなり、同様の依頼が発生しやすくなります。
・『B:特定調査』特定の事件を調査します。「島内で○○な事件が起きているかも」「○○な敵と戦いたい」といった形でプレイングをかけることで、ピンポイントな依頼が発生しやすくなります。
・『C:島外警備』調査や探索はせず、島外の警備を手伝います。依頼発生には影響しなさそうですが、島外に妖が出ないように守ることも大事です。
状態
完了
完了
報酬モルコイン
金:0枚 銀:1枚 銅:0枚
金:0枚 銀:1枚 銅:0枚
相談日数
7日
7日
参加費
100LP[+予約50LP]
100LP[+予約50LP]
参加人数
6/6
6/6
公開日
2017年06月14日
2017年06月14日
■メイン参加者 6人■

●強くなるための勇気を、僕らは既に持っていた
三住タワービル。『想い重ねて』蘇我島 恭司(CL2001015)や『想い重ねて』柳 燐花(CL2000695)にとってここは思い出深い建物だった。
「そういえば、この島で最初に降り立ったのって、ここだったねえ」
「あの時は人命救助……でしたか」
人を守るために人を襲うという、思えばとても単純な行為のためにこのビルへと突入したのだったか。
「当時は暴力でねじ伏せる感じだったから、あんまり褒められたものじゃあなかったけど、今回はまっとうな善行っていえるのかな」
「『正義の味方』――っぽいですね」
燐花の言い方にどこか大人っぽさを感じて、恭司は顔の左半分だけで苦笑した。
近代建築の粋を集めた三住タワービル。。伊達にクリーンエネルギーを推進しているわけではなく、太陽光ほか様々なものを電力に変えていた。エレベーターが動くのも、島の現状を考えればかなり助かる状態だ。
徐々に下る階層表示を眺めながら、 賀茂 たまき(CL2000994)は事前に作成されたマップを広げている。
「妖さんが沢山いるなかでご自身の命を守り続けるのは、とても心細いことだったと思います。そんな中で生存者さんがいらっしゃったことは嬉しいですし、なんとしてもお守りしたいですね」
「俺も同じ気持ちだよ、たまきちゃん!」
『探偵見習い』工藤・奏空(CL2000955)は同じマップ(元は恭司の書いた地図をコピーしたもの)を畳んでポケットに入れた。
「なんだか今日の俺、すっごくやる気出てるんだ。がんばるよ!」
「……はい、がんばりましょうね」
にっこりと笑うたまき。
『教授』新田・成(CL2000538)はそんな彼らを微笑ましく眺めていた。
こくりと頷く。
「用救助者の中には、過去に救助した少年の父親もいらっしゃるとか。かの勇気に報いるためにも、この作戦は無事に成功させたいですな」
「皆さん、いろんな考えがあるんですね……」
『赤き炎のラガッツァ』ラーラ・ビスコッティ(CL2001080)は暫く周りをみて、自分のことを考えた。
「私としては、この先にある未探索エリアが開拓できることにも、価値を感じています。どんな敵が待っているか、まだ分かりませんが……」
階層が1の数字を示し、コール音がエレベーターボックス内に響く。
開いた扉の先で、強い風が通り過ぎていった。
●たった一瞬だけ呼吸ができたなら
高い天井とひろい壁。
飛行機でも組み立てるのかというほど巨大な作業場(ガレージ)のうち、一箇所だけシャッターの開いている箇所があった。人がすこしかがむだけで通れそうな隙間である。
だがその隙間から這い出た妖が、人間を探してうろうろとしている。
視力が弱いのか、遠くに居るこちらにまるで気づく様子が無い。
「ここが例の工場地帯、ですね。まずは突っ切りましょう」
ラーラは魔導書の表面をそっと撫でると、自らの周囲に螺旋状の魔方陣を発生させた。
魔方陣がばらばらにはじけると、炎のユキヒョウへと再構築される。ユキヒョウは空を駆け抜け、火の粉に散って消えていく。
それらを浴びた妖たちはぐらりと身体をかたむけ睡眠状態に入った。
「広い場所ならともかく、通路が限定されるような屋内では使いづらい手です。もし中で敵に遭遇した時は……」
ラーラに目を向けられ、たまきと奏空がこっくりと頷いた。
「では、行きます!」
足音をあえて殺すこと無く妖の間を駆け抜け、シャッターの隙間を滑るようにくぐり抜けていく。
行きに遭遇した敵を倒さずに放置するということは、帰り(それも一般人を沢山連れた状態)に戦闘態勢バリバリの状態でもう一度遭遇するということなので、そういう意味でもあまり沢山使いたい手ではない。
と言うわけで。
「ギギギ――!」
工具や鉄材がねじくれたような妖がかろうじて人の形を作って駆け寄ってくる。
「たまきちゃん、8時方向! しのいで!」
暗視能力で敵を先んじて発見した奏空。彼に言われた通りに懐中電灯を向けたたまきは、印を結んで護符を展開させた。
妖の仕掛けてきたタックルを、無数の護符でできた壁が阻む。
「集まってきます――奏空さん」
「任せて!」
刀を逆手に握り込み、飛びかかる奏空。
タイミング良く護符の壁が襖のごとく両開きになった。
妖からすれば突如として壁が敵に変わったようなものである。
「時間をかけてる余裕はないんだ。くらえっ!」
高速回転によって妖たちをまとめて八つ裂きにしていく奏空。
散った火花が落ちる暇もなく、事前に術式を組んでいた恭司が脣星落霜を発動。
弧を描いて飛んだ無数の光弾が集まる妖たちに降り注いだ。
「走るよ、みんな。遠くからも集まってる音がする」
こくりと頷き、燐花や成たちは走り出した。
妖と戦いながらという意味でいえばそこそこ長い道のりであった。
多くを全体攻撃によって散らしながら突き進む無双ダッシュでしのいでいたが、これが通じるのも恐らく行きの間だけだろう。
ラーラが片目に翳したをくるくるやった
「敵の強さが少しずつですが上がっています。奥のほうに籠もっていた上位個体が集まってきているのでしょう」
「であれば――」
刀を杖に納め直す成。
彼に乗じたように、燐花もまた身を深く屈めてクラウチングスタートめいた姿勢をとった。
パンッ、という破裂音。
それが燐花や成の初動による音だと気づいたのは、このなかでも仲間たちだけである。
あまりに早い速度で放たれた刀は空気を強引に押しのけて飛び、道を塞ごうとしていた妖を爆発四散させる。
その直後に道をまっすぐに駆け抜けた燐花が周囲の空気を強引にかき乱し、抜かれた妖たちが一拍遅れてかき乱された。
駆け抜けた先には一台のコンテナハウス。窓をぴったり何かで塞いで物音をたてないように気をつけていたようだが、奏空の感情探査や恭司の鋭聴力はしっかりと人の気配をとらえていた。
ドアをノックしている暇はない。燐花はホップステップからのスパイラルキックで窓をフレームごと粉砕。
内側に転がり込むと、手を掲げて言った。
「助けに来ました、もう大丈夫です! 私たちがお守りしますから、あと少し一緒に頑張りましょう!」
「た、助けが来たのか!?」
段ボールに身を包んでいた作業員の男が希望の目をして起き上がった。
いつか助けが来ると信じていたのか、男たちは喜びも露わに立ち上がる。
そんな中で……。
「家に息子がいるんだ。もしかしたら逃げ遅れてるかもしれない。俺のことはいいから、助けに行ってくれないか!」
主任らしき男がそんなことを言った。
窓の外から振り返る成。
突入の音を聞きつけて周囲の妖が集まってきているので、ラーラや恭司たちと共に妖の迎撃に当たっているのだ。
「それは、いかにも野球少年といった具合のお子さんでしょうか」
「そうだ! 名前は――」
「ご安心ください。彼は既に島の外です。勇敢なお子さんですね」
そのやりとりで、お互いに必要充分な情報が行き渡ったようだ。
「指示に従ってくださいますな?」
「当然だ。よろしく頼みます!」
大きなレンチを手にとって、主任の男はドアの鍵を開けた。
●行きはよいよい、帰りは……。
工場内は暗い作りになっている。それゆえこっちもあっちも戦いづらいわけだが……。
「暗視さえあれば余裕だと思ってたけど、なるほど『コレ』があったよね」
奏空は護衛対象にある作業員たちを見やった。彼らは恭司や燐花たちの持ち寄った懐中電灯で行き先を判断してゆっくりゆっくりと移動している。しかし彼らも戦闘のために激しくので足下が定まらず、眼前の暗闇に妖が潜んでいるのではという不安から足取りが落ちることもあった。
そんな状況を助けたのは成の守護使役、杉玉さんである。
目に見える範囲で周辺を照らすことのできる『ともしび』能力のおかげで、戦闘と移動に困ることは無かった。
逆に妖のほうも明かりを目指してガンガン集まってくるのだが、そこはもう音をたてまくっている時点であまり変わらない話である。
「ここからは、敵を放置して駆け抜けるという作戦は使えません。前後から挟まれれば一般人の皆さんを守り切れませんし、駆け抜ける途中で襲われる危険は犯せません」
魔導書の表面を撫でるラーラ。手品のように袖から鍵を引っ張り出すと、鍵穴に差し込んで解封した。
「良い子に甘い焼き菓子を、悪い子に石炭を……イオ・ブルチャーレ!」
ラーラの背後に生まれた魔方陣が外周部に小さな魔方陣を無数に生み出し、その魔方陣がまた小さな魔方陣を無数に生み出し、元の倍ほどの大きさにまで展開したところでその全てから火炎弾を放射した。
マイクロミサイル群のごとく複雑なラインを描いて飛んだ火炎弾がそこらじゅうの妖に着弾。小爆発を起こしていく。
そんな爆発の中から生き残った妖。
フォークリフトを人型に無理矢理変形させたようなそれは、リフトバーを研いだものを剣に変え、二刀流騎士のごとく襲いかかってきた。
「奏空さん」
「たまきちゃん」
呼びかけたのはほぼ同時。
動き出したのもほぼ同時。
技の発動は全く同時。
地面に叩き付けた掛け軸のような護符が波紋状の衝撃をおこしフォークリフト妖とその周囲に集まってきた妖たちをいっぺんにひっくり返らせた。
剣を交差させてガードするフォークリフト妖――だが、その眼前数センチの位置まで奏空が既に接近していた。
金属を無理矢理ぶち抜く音、というのが想像しづらいかもしれないが、ガンとバンとドンが一緒に聞こえたような複雑な破壊音をたてて奏空が両足ブレーキ。背後では火花を散らしたフォークリフト妖が爆発四散していた。
「出口はあっちだ。急いで!」
奏空の言葉にひかれるように走る作業員たち。
僅かに開いたシャッター。外の光がさしこみ、彼らに希望を抱かせる。
だがそれを打ち砕かんばかりに、天井から落ちてきた個体があった。
軽トラックが無理矢理人型に変形したような妖だ。両腕には荷台の床を厚くしたような盾が装備され、ダブルシールド状態で身構えている。
「これは……見るからに硬そうですね」
「なに、対抗手段はあります」
成はゆっくりと歩み寄り、杖を地面にトンとついた。
途端、妖の足下からコンクリートが急速隆起。槍となって身体を貫き、強制的に左腕部を固定した。
「燐ちゃん――!」
「――!」
術式を組む恭司。
彼が術を発動させるよりも早く、燐花が地面を焼きながら高速移動。妖の足から頭まで縦回転をかけながら駆け上がると、追って無数の火花を散らさせた。
肩を踏み台にして跳躍――直後に叩き込まれる無数の雷の槍。
爆発を起こしたトラック妖を背に、燐花はすたんと着地した。
「これで邪魔者はいなくなった……かな」
恭司はあえて余裕そうに煙草をくわえてみせると、作業員たちに笑いかけた。
●別々の『深み』へ
三住ビル。最上階のオフィスエリアには救出した作業員たちが集まっていた。
「いやあ、本当に助かったよ。電話が通じなくなった時にはもう終わりだと思ったものだけど……」
「いえ、皆さんがご無事で、なによりです」
ちょっとした怪我をしていたのでたまきは彼らの応急手当をしていた。逃げる最中の怪我ではあるが、妖の攻撃によるものではない。念のため。
「奏空さんのおかげ、ですね」
笑いかけられて、奏空は照れくさそうに頭をかいた。
「うん……けど、『犯人捜し』はこれでおしまいかな」
奏空の調査の結果、島の妖騒動に人為的な原因はないということが分かった。というより人為的に起こして得をする人がいないというハナシである。
「そのかわり、島で行方不明になったっていう人たちの捜索を進めたいと思う。まずはこの人……」
奏空が取り出したのは社員名簿のコピー。
GM建設副社長、ジムカタ シツジである。
生還を喜び合う人々を見て、恭司は深く煙草の煙を吸った。
「家族、かぁ……」
家に誰かが待っているというのは、それだけ人を強くする。
自分は、どうだろうか?
「蘇我島さん」
玄関を開いて、明かりのついている部屋があるのは。
ソファでテレビをみている誰かが、振り返ってお帰りなさいというあの光景は。
「蘇我島さん?」
「えっ、ああ……ごめん。なんだい?」
燐花に声をかけられていたことに気づいて、恭司は慌てて煙草の火を消した。別にそういう意図ではないのだろうけれど。
「いえ、作業員の方が……」
燐花が振り返った先に、作業員の男がいた。彼はリュックサックデジタル一眼レフのカメラを取り出すと、それを恭司へと差し出した。
一流メーカーの、それもプロフェッショナルモデルだ。
「……これは?」
「お礼と言ってはなんですが、差し上げます。工場に逃げ込む途中で拾ったものなんですが、僕らには使えないようで……」
僕らには?
ひっかかるワードを感じて手に取ると、そばにいた守護使役がぱくんとそれを飲み込んだ。
どうやら所有権が恭司に固定されたようで、守護使役は『これでいいでしょ?』とばかりにふわふわ浮いている。ということは神具なわけだが。
「困ったな、高価なものだろうし……」
とはいえ固定されちゃったものは仕方ないので、恭司は『大切に使わせてもらうね』と礼を言った。
やがて迎えのヘリがやってくる。
成とラーラはヘリポートでそれを待ちながら、島をいまいちど眺めた。
巨大なゲル状の物体に覆われたドーム。
ビルを砕いた鳥の巣。
ぽっかりと空いた大穴。
「妖のコミュニティはお互いのナワバリをもっていたようですが、私たちが介入したことで小さくない変動を起こしていることでしょう」
「島の外周だけでなく、内陸部でしっかりとした調査をする必要がありますな」
彼らはそれぞれに、それぞれの考えのもとで、冷酷島の深部へと滑り込もうとしていた。
三住タワービル。『想い重ねて』蘇我島 恭司(CL2001015)や『想い重ねて』柳 燐花(CL2000695)にとってここは思い出深い建物だった。
「そういえば、この島で最初に降り立ったのって、ここだったねえ」
「あの時は人命救助……でしたか」
人を守るために人を襲うという、思えばとても単純な行為のためにこのビルへと突入したのだったか。
「当時は暴力でねじ伏せる感じだったから、あんまり褒められたものじゃあなかったけど、今回はまっとうな善行っていえるのかな」
「『正義の味方』――っぽいですね」
燐花の言い方にどこか大人っぽさを感じて、恭司は顔の左半分だけで苦笑した。
近代建築の粋を集めた三住タワービル。。伊達にクリーンエネルギーを推進しているわけではなく、太陽光ほか様々なものを電力に変えていた。エレベーターが動くのも、島の現状を考えればかなり助かる状態だ。
徐々に下る階層表示を眺めながら、 賀茂 たまき(CL2000994)は事前に作成されたマップを広げている。
「妖さんが沢山いるなかでご自身の命を守り続けるのは、とても心細いことだったと思います。そんな中で生存者さんがいらっしゃったことは嬉しいですし、なんとしてもお守りしたいですね」
「俺も同じ気持ちだよ、たまきちゃん!」
『探偵見習い』工藤・奏空(CL2000955)は同じマップ(元は恭司の書いた地図をコピーしたもの)を畳んでポケットに入れた。
「なんだか今日の俺、すっごくやる気出てるんだ。がんばるよ!」
「……はい、がんばりましょうね」
にっこりと笑うたまき。
『教授』新田・成(CL2000538)はそんな彼らを微笑ましく眺めていた。
こくりと頷く。
「用救助者の中には、過去に救助した少年の父親もいらっしゃるとか。かの勇気に報いるためにも、この作戦は無事に成功させたいですな」
「皆さん、いろんな考えがあるんですね……」
『赤き炎のラガッツァ』ラーラ・ビスコッティ(CL2001080)は暫く周りをみて、自分のことを考えた。
「私としては、この先にある未探索エリアが開拓できることにも、価値を感じています。どんな敵が待っているか、まだ分かりませんが……」
階層が1の数字を示し、コール音がエレベーターボックス内に響く。
開いた扉の先で、強い風が通り過ぎていった。
●たった一瞬だけ呼吸ができたなら
高い天井とひろい壁。
飛行機でも組み立てるのかというほど巨大な作業場(ガレージ)のうち、一箇所だけシャッターの開いている箇所があった。人がすこしかがむだけで通れそうな隙間である。
だがその隙間から這い出た妖が、人間を探してうろうろとしている。
視力が弱いのか、遠くに居るこちらにまるで気づく様子が無い。
「ここが例の工場地帯、ですね。まずは突っ切りましょう」
ラーラは魔導書の表面をそっと撫でると、自らの周囲に螺旋状の魔方陣を発生させた。
魔方陣がばらばらにはじけると、炎のユキヒョウへと再構築される。ユキヒョウは空を駆け抜け、火の粉に散って消えていく。
それらを浴びた妖たちはぐらりと身体をかたむけ睡眠状態に入った。
「広い場所ならともかく、通路が限定されるような屋内では使いづらい手です。もし中で敵に遭遇した時は……」
ラーラに目を向けられ、たまきと奏空がこっくりと頷いた。
「では、行きます!」
足音をあえて殺すこと無く妖の間を駆け抜け、シャッターの隙間を滑るようにくぐり抜けていく。
行きに遭遇した敵を倒さずに放置するということは、帰り(それも一般人を沢山連れた状態)に戦闘態勢バリバリの状態でもう一度遭遇するということなので、そういう意味でもあまり沢山使いたい手ではない。
と言うわけで。
「ギギギ――!」
工具や鉄材がねじくれたような妖がかろうじて人の形を作って駆け寄ってくる。
「たまきちゃん、8時方向! しのいで!」
暗視能力で敵を先んじて発見した奏空。彼に言われた通りに懐中電灯を向けたたまきは、印を結んで護符を展開させた。
妖の仕掛けてきたタックルを、無数の護符でできた壁が阻む。
「集まってきます――奏空さん」
「任せて!」
刀を逆手に握り込み、飛びかかる奏空。
タイミング良く護符の壁が襖のごとく両開きになった。
妖からすれば突如として壁が敵に変わったようなものである。
「時間をかけてる余裕はないんだ。くらえっ!」
高速回転によって妖たちをまとめて八つ裂きにしていく奏空。
散った火花が落ちる暇もなく、事前に術式を組んでいた恭司が脣星落霜を発動。
弧を描いて飛んだ無数の光弾が集まる妖たちに降り注いだ。
「走るよ、みんな。遠くからも集まってる音がする」
こくりと頷き、燐花や成たちは走り出した。
妖と戦いながらという意味でいえばそこそこ長い道のりであった。
多くを全体攻撃によって散らしながら突き進む無双ダッシュでしのいでいたが、これが通じるのも恐らく行きの間だけだろう。
ラーラが片目に翳したをくるくるやった
「敵の強さが少しずつですが上がっています。奥のほうに籠もっていた上位個体が集まってきているのでしょう」
「であれば――」
刀を杖に納め直す成。
彼に乗じたように、燐花もまた身を深く屈めてクラウチングスタートめいた姿勢をとった。
パンッ、という破裂音。
それが燐花や成の初動による音だと気づいたのは、このなかでも仲間たちだけである。
あまりに早い速度で放たれた刀は空気を強引に押しのけて飛び、道を塞ごうとしていた妖を爆発四散させる。
その直後に道をまっすぐに駆け抜けた燐花が周囲の空気を強引にかき乱し、抜かれた妖たちが一拍遅れてかき乱された。
駆け抜けた先には一台のコンテナハウス。窓をぴったり何かで塞いで物音をたてないように気をつけていたようだが、奏空の感情探査や恭司の鋭聴力はしっかりと人の気配をとらえていた。
ドアをノックしている暇はない。燐花はホップステップからのスパイラルキックで窓をフレームごと粉砕。
内側に転がり込むと、手を掲げて言った。
「助けに来ました、もう大丈夫です! 私たちがお守りしますから、あと少し一緒に頑張りましょう!」
「た、助けが来たのか!?」
段ボールに身を包んでいた作業員の男が希望の目をして起き上がった。
いつか助けが来ると信じていたのか、男たちは喜びも露わに立ち上がる。
そんな中で……。
「家に息子がいるんだ。もしかしたら逃げ遅れてるかもしれない。俺のことはいいから、助けに行ってくれないか!」
主任らしき男がそんなことを言った。
窓の外から振り返る成。
突入の音を聞きつけて周囲の妖が集まってきているので、ラーラや恭司たちと共に妖の迎撃に当たっているのだ。
「それは、いかにも野球少年といった具合のお子さんでしょうか」
「そうだ! 名前は――」
「ご安心ください。彼は既に島の外です。勇敢なお子さんですね」
そのやりとりで、お互いに必要充分な情報が行き渡ったようだ。
「指示に従ってくださいますな?」
「当然だ。よろしく頼みます!」
大きなレンチを手にとって、主任の男はドアの鍵を開けた。
●行きはよいよい、帰りは……。
工場内は暗い作りになっている。それゆえこっちもあっちも戦いづらいわけだが……。
「暗視さえあれば余裕だと思ってたけど、なるほど『コレ』があったよね」
奏空は護衛対象にある作業員たちを見やった。彼らは恭司や燐花たちの持ち寄った懐中電灯で行き先を判断してゆっくりゆっくりと移動している。しかし彼らも戦闘のために激しくので足下が定まらず、眼前の暗闇に妖が潜んでいるのではという不安から足取りが落ちることもあった。
そんな状況を助けたのは成の守護使役、杉玉さんである。
目に見える範囲で周辺を照らすことのできる『ともしび』能力のおかげで、戦闘と移動に困ることは無かった。
逆に妖のほうも明かりを目指してガンガン集まってくるのだが、そこはもう音をたてまくっている時点であまり変わらない話である。
「ここからは、敵を放置して駆け抜けるという作戦は使えません。前後から挟まれれば一般人の皆さんを守り切れませんし、駆け抜ける途中で襲われる危険は犯せません」
魔導書の表面を撫でるラーラ。手品のように袖から鍵を引っ張り出すと、鍵穴に差し込んで解封した。
「良い子に甘い焼き菓子を、悪い子に石炭を……イオ・ブルチャーレ!」
ラーラの背後に生まれた魔方陣が外周部に小さな魔方陣を無数に生み出し、その魔方陣がまた小さな魔方陣を無数に生み出し、元の倍ほどの大きさにまで展開したところでその全てから火炎弾を放射した。
マイクロミサイル群のごとく複雑なラインを描いて飛んだ火炎弾がそこらじゅうの妖に着弾。小爆発を起こしていく。
そんな爆発の中から生き残った妖。
フォークリフトを人型に無理矢理変形させたようなそれは、リフトバーを研いだものを剣に変え、二刀流騎士のごとく襲いかかってきた。
「奏空さん」
「たまきちゃん」
呼びかけたのはほぼ同時。
動き出したのもほぼ同時。
技の発動は全く同時。
地面に叩き付けた掛け軸のような護符が波紋状の衝撃をおこしフォークリフト妖とその周囲に集まってきた妖たちをいっぺんにひっくり返らせた。
剣を交差させてガードするフォークリフト妖――だが、その眼前数センチの位置まで奏空が既に接近していた。
金属を無理矢理ぶち抜く音、というのが想像しづらいかもしれないが、ガンとバンとドンが一緒に聞こえたような複雑な破壊音をたてて奏空が両足ブレーキ。背後では火花を散らしたフォークリフト妖が爆発四散していた。
「出口はあっちだ。急いで!」
奏空の言葉にひかれるように走る作業員たち。
僅かに開いたシャッター。外の光がさしこみ、彼らに希望を抱かせる。
だがそれを打ち砕かんばかりに、天井から落ちてきた個体があった。
軽トラックが無理矢理人型に変形したような妖だ。両腕には荷台の床を厚くしたような盾が装備され、ダブルシールド状態で身構えている。
「これは……見るからに硬そうですね」
「なに、対抗手段はあります」
成はゆっくりと歩み寄り、杖を地面にトンとついた。
途端、妖の足下からコンクリートが急速隆起。槍となって身体を貫き、強制的に左腕部を固定した。
「燐ちゃん――!」
「――!」
術式を組む恭司。
彼が術を発動させるよりも早く、燐花が地面を焼きながら高速移動。妖の足から頭まで縦回転をかけながら駆け上がると、追って無数の火花を散らさせた。
肩を踏み台にして跳躍――直後に叩き込まれる無数の雷の槍。
爆発を起こしたトラック妖を背に、燐花はすたんと着地した。
「これで邪魔者はいなくなった……かな」
恭司はあえて余裕そうに煙草をくわえてみせると、作業員たちに笑いかけた。
●別々の『深み』へ
三住ビル。最上階のオフィスエリアには救出した作業員たちが集まっていた。
「いやあ、本当に助かったよ。電話が通じなくなった時にはもう終わりだと思ったものだけど……」
「いえ、皆さんがご無事で、なによりです」
ちょっとした怪我をしていたのでたまきは彼らの応急手当をしていた。逃げる最中の怪我ではあるが、妖の攻撃によるものではない。念のため。
「奏空さんのおかげ、ですね」
笑いかけられて、奏空は照れくさそうに頭をかいた。
「うん……けど、『犯人捜し』はこれでおしまいかな」
奏空の調査の結果、島の妖騒動に人為的な原因はないということが分かった。というより人為的に起こして得をする人がいないというハナシである。
「そのかわり、島で行方不明になったっていう人たちの捜索を進めたいと思う。まずはこの人……」
奏空が取り出したのは社員名簿のコピー。
GM建設副社長、ジムカタ シツジである。
生還を喜び合う人々を見て、恭司は深く煙草の煙を吸った。
「家族、かぁ……」
家に誰かが待っているというのは、それだけ人を強くする。
自分は、どうだろうか?
「蘇我島さん」
玄関を開いて、明かりのついている部屋があるのは。
ソファでテレビをみている誰かが、振り返ってお帰りなさいというあの光景は。
「蘇我島さん?」
「えっ、ああ……ごめん。なんだい?」
燐花に声をかけられていたことに気づいて、恭司は慌てて煙草の火を消した。別にそういう意図ではないのだろうけれど。
「いえ、作業員の方が……」
燐花が振り返った先に、作業員の男がいた。彼はリュックサックデジタル一眼レフのカメラを取り出すと、それを恭司へと差し出した。
一流メーカーの、それもプロフェッショナルモデルだ。
「……これは?」
「お礼と言ってはなんですが、差し上げます。工場に逃げ込む途中で拾ったものなんですが、僕らには使えないようで……」
僕らには?
ひっかかるワードを感じて手に取ると、そばにいた守護使役がぱくんとそれを飲み込んだ。
どうやら所有権が恭司に固定されたようで、守護使役は『これでいいでしょ?』とばかりにふわふわ浮いている。ということは神具なわけだが。
「困ったな、高価なものだろうし……」
とはいえ固定されちゃったものは仕方ないので、恭司は『大切に使わせてもらうね』と礼を言った。
やがて迎えのヘリがやってくる。
成とラーラはヘリポートでそれを待ちながら、島をいまいちど眺めた。
巨大なゲル状の物体に覆われたドーム。
ビルを砕いた鳥の巣。
ぽっかりと空いた大穴。
「妖のコミュニティはお互いのナワバリをもっていたようですが、私たちが介入したことで小さくない変動を起こしていることでしょう」
「島の外周だけでなく、内陸部でしっかりとした調査をする必要がありますな」
彼らはそれぞれに、それぞれの考えのもとで、冷酷島の深部へと滑り込もうとしていた。
■シナリオ結果■
成功
■詳細■
MVP
なし
軽傷
なし
重傷
なし
死亡
なし
称号付与
なし
特殊成果
なし

■あとがき■
レアドロップ!
取得キャラクター:蘇我島 恭司(CL2001015)
取得アイテム:LTNA-1Dg-C
取得キャラクター:蘇我島 恭司(CL2001015)
取得アイテム:LTNA-1Dg-C
