≪Vt2017≫売れ残りチョコを消費して!
ショコラティエール 西条 ふみは、大量に売れ残ったチョコレートを前に途方に暮れていた。
例年多少の売れ残りはあるとは言え、これ程多くの商品が余ってしまったのは、これが初めてのことである。
「どうしたもんかなあ」
ふみは頭を抱えた。
店長にも早く何とかしろとせっつかれているし、こうなったら安く叩き売るしかないのだが。
けれど、心を込めて作ったものを叩き売りするのも悲しい。
「お客さんが喜んでくれる方法って、何かないかな……」
「ふむー」と考え込んだふみは、しばらくしてポンと手を打ち合わせた。
「そうだ。チョコが大好きな子や、チョコに飢えてる子がいっぱいいるとこがあるじゃん」
もうこうなったら儲けなど度外視である。
とにかく自分の作ったチョコを喜んで食べてくれる人たちの元へ持って行こう。
そのためにはまず持ち込みの許可を貰わなければ……。
ふみはスマホを取り出し、どこかへ電話をかけた。
「あ、もしもし。五麟学園ですか……?」
ふみが電話をするために目を離した隙に。
段ボールに詰められたチョコレートがざわめき始める。
カタカタコトコト。
食べて貰えなかった哀しみをその身に凝縮して……。
例年多少の売れ残りはあるとは言え、これ程多くの商品が余ってしまったのは、これが初めてのことである。
「どうしたもんかなあ」
ふみは頭を抱えた。
店長にも早く何とかしろとせっつかれているし、こうなったら安く叩き売るしかないのだが。
けれど、心を込めて作ったものを叩き売りするのも悲しい。
「お客さんが喜んでくれる方法って、何かないかな……」
「ふむー」と考え込んだふみは、しばらくしてポンと手を打ち合わせた。
「そうだ。チョコが大好きな子や、チョコに飢えてる子がいっぱいいるとこがあるじゃん」
もうこうなったら儲けなど度外視である。
とにかく自分の作ったチョコを喜んで食べてくれる人たちの元へ持って行こう。
そのためにはまず持ち込みの許可を貰わなければ……。
ふみはスマホを取り出し、どこかへ電話をかけた。
「あ、もしもし。五麟学園ですか……?」
ふみが電話をするために目を離した隙に。
段ボールに詰められたチョコレートがざわめき始める。
カタカタコトコト。
食べて貰えなかった哀しみをその身に凝縮して……。

■シナリオ詳細
■成功条件
1.売れ残りチョコを自分なりに消費する。
2.なし
3.なし
2.なし
3.なし
今回はバレンタイン関連の通常シナリオをお届けしました。
ハッピーバレンタイン後、売れ残りのチョコを前に悩むショコラティエールを助けてやってください。
*このあと五麟学園学食にて、ふみが段ボールを開けた途端妖となったチョコレートたちが飛び出し、学食内を暴れまわります。(リプレイではここからの描写となります)
*覚者のみなさまは学食内に居合わせたり、駆けつけたり……。
妖チョコは最弱ですので、覚者につままれたり、はたかれたりしただけで、元のチョコ製品に戻ります。
ただ、体に当たるとべちゃっと溶けてチョコまみれになりますので気を付けてくださいね。
一般学生にも容赦なく襲いかかります!
妖がチョコに戻ったあとは好きなだけ召し上がってください。(拒否権もあります)
*プレイングでは、学食内での立ち回り(妖退治の仕方を含む)やチョコの食べ方を教えてください。
バレンタイン当日の思い出、恨みつらみを書いていただいても楽しいですね!
*チョコ製品の種類は問いません。ふみは節操なく何でも作ります。
それでは、よろしくお願いします!
状態
完了
完了
報酬モルコイン
金:0枚 銀:0枚 銅:3枚
金:0枚 銀:0枚 銅:3枚
相談日数
7日
7日
参加費
100LP[+予約50LP]
100LP[+予約50LP]
参加人数
8/8
8/8
公開日
2017年02月28日
2017年02月28日
■メイン参加者 8人■

学園側の許可を貰って西条 ふみが五麟大学にやって来たのは、ちょうど昼時のことだった。
講義を終えた学生たちがランチを求めてさまよう構内。段ボールを台車に載せて学食までやって来たふみは、忙しい時間にかち合ってしまったことに恐縮しながら、テーブルの上に段ボールを乗せていった。
「ふう。ま、学生のみなさんのデザートにご提供ということで」
やれやれと箱を開けた時、ヒュッと何かが飛び出した。
「ん?」と思う間もなく、次から次へと黒い物体が箱から飛び出してくる。
よく見れば、それは自分の作り上げたチョコ菓子だ。
「な、なんなの、これー!?」
「さあ、お昼だ」と席についていた学生、お皿をトレーに乗せた学生。
学食内にいた学生が一斉に振り向いた。
●チョコレートが妖に!?
『探偵見習い』工藤・奏空(CL2000955)は、今年のバレンタインの成果に満足しつつ、カレーを乗せたトレーを持って席を探している所だった。
「彼女からの本命チョコに、友チョコ。そして、今日は特別に肉多めにしてもらったカレーライス……」
素晴らしきかな。我が人生。
至極ご満悦な様子の奏空が、ごった返す学食でようやく見つけた席に着こうとした時。
ガッシャ―ン!
「あああっ! 俺の肉増量キャレーライスが―っ!」
何かがぶつかって取り落したカレーライスは、無残にもテーブルの上に散乱した。
その犯人を目で追えば……。
「ん? 黒い? 小さい? ……て、妖―!?」
突然現れた妖チョコ。
「なんでここに妖がいるのか分からないけど、みんなを守るよ」
カレーライスの恨みは少し脇に置いておいて、奏空は一般学生を守るべく戦闘態勢に入った。
飛び回る妖チョコを手ではたけば、それだけでポン! と元のチョコに戻る。
「ん? 弱い?」
それと同時に『ワーズワース』を用いて混乱する学生たちを落ち着かせ、出口へと誘導していった。
「大丈夫だよ。僕たちが何とかするから! みんなは逃げて!」
逃げ遅れた学生は庇う。
チョコが体に当たった跡を見れば。「ち?」。いや、チョコレートだ。
「うわー。洗濯したい―」
手がべとべとになるからと、食堂のおばちゃんにフライ返しとフライパンを借りて来て二刀流になった。これからが奏空の真骨頂である。
「みなさん。危ないので速やかに避難してくださーい!」
と声をかけているのは、『赤き炎のラガッツァ』ラーラ・ビスコッティ(CL2001080)。
「チョコが―! チョコレートが暴れていますよー! 私たちが抑えている間に安全な場所へ逃げてくださーい!」
まだ状況を掴めていない学生はキョトンとした表情でラーラを見返している。
(うー。なんだかすごくファンタジーなこと言ってる気がします……)
しかしそんなことを気にしている時ではない。
チョコレートとは言え妖である。
「『結界』で学生さんが入って来られないようにしますよ」
これで、新たな珍入者は防げるだろう。
学生の姿があらかたなくなったのを見計らって、ラーラは『超視力』を使った。
動体視力が上がったラーラは、どんなに素早いチョコレートも見逃さない。
「ごめんなさーい」と言いながら、妖を素手ではたき、デコピンする。
ぽん! と元に戻ったチョコレートを摘まみながら、「体は炎。目は炎。毛並も炎で、心も炎」と詠唱し猫さんたちを呼び出した。
「なんてこと……。猫さんたちの炎で焼きチョコができるなんて……」
ぽいぽいと猫さんたちに向かってチョコレートを放り続けるラーラだった。
『中学生』菊坂 結鹿(CL2000432)は、丁寧に丁寧に、妖をひとつずつ摘まんでいった。
「あとのことを考えなくては……」
せっかくこれだけの量があるのだ。食べられなくなってはもったいない。
妖を摘まみながら、素早く頭の中で構想を練って行く。
「チョコを使ったフルコース……」
実際作ってみなければ、自分でもどんな料理に仕上がるか分からない。
それでも結鹿は、黙々と妖をチョコへと戻す作業を続けたのである。
大好きな弟を探して学食までやって来た『風に舞う花』風織 紡(CL2000764)は騒がしい学食を覗いた。
「あらー。大変なことになってますね」
これは……弟がチョコまみれになる前に退治しなくては。
「簡単そうだから、このままで」
仮面に白いワンピースで戦ういつもとは違って、今回は私服のままで。紡は学食に飛び込んだ。
「危ない!」
逃げる学生に妖が体当たりする直前に庇うと、お気に入りのコートにべちょっとチョコのシミ。
「お逃げなさい」
学生を出口から追い出し振り向けば、もうシミは消えかけていた。
「『プロパル』さまさまです」
予備で置かれているフォークと皿を持ち、フォークで妖を差しながら皿に盛り付けていく。
その際スカートがひらひらと。
「ふふふ。見せパンですから、気にしませんよ」
右手にフォーク、左手に皿を持ちながら、華麗に妖をチョコへと戻していく紡だった。
「うわー! チョコが。チョコがぁあ!」
『桜火舞』鐡之蔵 禊(CL2000029)は学食に駆けつけて見た惨状に慄いた。
「ちょっと。なんでチョコレートが動いているのかな!? 絶対外には出さないように頑張って止めなきゃ」
いまいち事態を把握しきれない禊だったが、目の前には明らかに妖と思しき物が学食内を飛び回っている。ならば、敵に対処するのみだ。
そして妖が学食から出ないように、学食の出入り口付近に陣取った。
外がチョコまみれになったら大変だ。
来たーっ!
ぱしっ。
向かってくる妖を片っ端からパシパシ叩いてはチョコレートへと戻していく。
「おっと。逃がさないよ」
すり抜けた妖は『天駆』で素早く追いかけ、妖の行く手を阻んだ。
「いやー! 服が―」
この日来ていた真っ白いシャツはすでにチョコにまみれている。
「お風呂が恋しなーっと」
嘆きつつも妖を叩く手は止めない。
禊も食堂のおばちゃんからボウルを借り受け、脇に抱えながらの応戦だ。
「地面に落ちちゃったらもったいないからね!」
禊は妖をチョコに戻したものを次々に入れていった。
『餓えた狼』葛城 舞子(CL2001275)は、禊とともに出入り口を守っていた。
「早く逃げるッス!」
こちらに向かって走ってくる一般学生の数は少なくなって、避難誘導もそろそろ終わり。
あとは妖チョコと対峙するのみ。
そう思ったのも束の間、一人の学生が壁際に追い詰められているのを見付けた。
彼はトレーで顔を守っているとは言え、このままでは危ない。
いくら最弱とは言っても、一般人に当たれば怪我どころでは済まない。
「ちょっと待てッス!」
学生の前に立ちはだかった舞子の服にべちょっとチョコのシミ。
「大丈夫。あとで洗濯したり、お風呂に入ればいいだけッスから」
安心させるように笑って、舞子は学生を出口まで誘導した。
「よーっし。まだまだ行くッスよ!」
舞子の周りに妖チョコの残骸が積み上がって行った。
大盛り定食を平らげ、満腹のおなかを抱えながら、さらなるおかわりをどうしようか思案中だった 『大魔道士(自称)』天羽・テュール(CL2001432)は、目の前を通り過ぎた妖チョコを一拍置いて目で追った。
「チョコ……ですねえ」
すでに立ち回りを見せている覚者と思しき人物たちを目の端で捉えながら、テュールの目は妖をロックオン!
「わっわっ! これぜーんぶチョコですか!?」
なんて素敵なデザート。
覚者たちの様子に、どうやらはたくだけで妖はチョコに戻るらしいと悟ったテュールは、一般学生を襲う妖を掴んでは、そのまま口に入れるという荒技を繰り出した。
「(もぐもぐ)安心してくださいね。ボクたちが(もぐもぐ)、なんとか(もぐもぐ)しますから。誘導に(もぐもぐ)したがって(もぐもぐ)ひなんしてくださ(もぐもぐもぐもぐ)」
存外おいしい妖チョコだった。
「チョコマカロン、絶妙。次は……ブラウニー。うーん、濃厚ですねー」
「避難させるか、食べるか、どっちかにしてー!」
どこからか飛んできた声に、やれやれとスタッフを手に取った。
「わっ! チョコレートプリン!?」
顔にぶつかる寸前、スタッフでカバー。直撃を免れた。
「虫取り網とかあれば良かったんですけどねえ」
そうは思うが、ここに虫取り網はない。
体中をチョコまみれにしながら戦うしかないのだ。
司書である杠 一臣(CL2001571)は修繕を終えた本を数冊抱えながら構内を歩いていた時に、学食の騒ぎを聞きつけ駆け付けた。
小さな妖から逃げる一般学生を、覚者たちが避難誘導している。
そろそろと入口から顔を覗かせた途端、べちょっと顔面にチョコが。
「あいたーっ!」
多少のダメージを感じたが問題ない。
「なんでこんな所に妖が……」
書籍の山を学食外の安全な場所に隠すと、一臣は中に飛び込んだ。
「学園内スキル禁止だからー!」
な、なんと……。
発動させようとしていたスキルを引っ込めて、一臣は妖を無言で叩き始めた。
(せっかく華々しく戦えると思ったのに……。だが、しかし。ぼくの弱い力でも役に立てる。フフフフフッ!)
一臣は(あとで食べますから……)と思いながら、妖をペシペシはたいて行った。
●さあ、チョコレートパーティですよ!
奏空はフライ返しとフライパンの二刀流で妖を。
ラーラは焼きチョコを製造しながら。
結鹿はフルコースのためにチョコを集め続け。
紡はチョコの汚れなどひとつもないまま妖を退治。
禊は『天駆』で学食内を駆け回り。
舞子はチョコのシミを体中に作りながら。
テュールは相変わらず、もぐもぐ。
一臣は小さなダメージを受けながらも懸命に。
それぞれが数だけは多い妖をチョコレートへ戻していった。
視認できる妖がいなくなったところで、舞子の声掛けで、妖の残りものがいないか確認した。
テーブルや椅子の陰、ゴミ箱の中まで見て回り、「うん。大丈夫ッス!」と舞子が力強く言った。
しかし学食内は散々なありさまだった。
至る所にチョコレートの黒いシミができている。
「みなさん、本当にごめんなさい!」
片づけをしている覚者たちにふみが頭を下げ、こうなってしまった経緯を説明した。
「食べて貰えなかった悲しみ……か。確かに美味しそうなチョコ、このままでは勿体ない。頂くよ!」
奏空が言えば、ラーラも頷いた。
「食べて欲しかったんですもんね。大丈夫です。私が……私たちがちゃんと受け止めてあげますから。もし私たちが食べ切れなくても、ここは学食ですもの。みんな、食べに来てくれると思いますよ」
「私はこれから厨房を借りてフルコースを作ります。チョコさんたちが拗ねないように、美味しい料理にしてあげますよ」
結鹿はそう言って、腕まくりしながら厨房へと入って行った。
「そうと決まれば、チョコパーティッス!」
「私の猫さんたちが作った焼きチョコですよ」
ラーラが焼きチョコを一杯に盛った皿をテーブルに載せると、「おー。いただきまーす!」と覚者たちは一斉にチョコに手を伸ばした。
「猫さんの焼きチョコ、商品化待ったなしです」
味見したふみも舌鼓を打ちながら、猫さんたちは貸し出し可能か本気で考え始める始末……。
「ブラウニーにチョコチップクッキー。……あとマフィンはありますか?」
紡の要求にふみはとりあえず焼きチョコを置いて対応。皿に綺麗に盛り付けて、紡の前に置いて行った。
「マカロンとオランジェットも。いろんな種類のボンボン・オ・ショコラも欲しいな」
「つ、紡さん。すごいですね……」
「どんだけ食べても、乙女のお腹にチョコは溜まらないものですよ」
そう言って、えっへんと胸を張った紡は、「コーヒーも欲しいですね」と呟いた。
「ふふふ。幸せです。弟のチョコに奮発し過ぎて、自分用には板チョコしか買えなかったので、これは嬉しい誤算でした。大人の味ばかりですので、あげなくても平気ですよ」
「そう言っていただけると……。紡さん、ほっぺ、チョコまみれですよ……」
ふみはそっと布巾を差し出した。
テュールはかき集めたチョコを他の覚者に進めながら、自身も堪能中。
「バレンタインですか?ええ。実は当日にもいくつか貰ってまして……。チョコは昔から恋の妙薬と言いますからね。大事に食べて、返事はホワイトデーまでに考えさせていただきますよ……」
バレンタインの思い出を尋ねられたのに対し、テュールはほくほくとしながら答えた。
「ボクはほうじ茶がほしいですね。(もぐもぐ)学食にはほうじ茶ありますよね。(もぐもぐ)みんなの分も持って来ましょう」
学食に来て最初から最後まで、お口もぐもぐのテュールだった。
舞子は形が残っているケーキにクッキー、ショコラ、生チョコを見てうっとりしていた。
「まずは生チョコが食べたいッス! 形が崩れてしまったのは、どうするッス?」
舞子がそう言って小首を傾げると、禊が「チョコフォンデュしよう! チョコフォンデュ」と手を上げた。
「いいッスね。チョコフォンデュ!」
いそいそとチョコフォンデュの用意を始めた禊と舞子は、学食のおばちゃんから果物やパンを提供して貰い(経費はあとでF.I.V.E.に請求するという条件で)、砕けたチョコを鍋で溶かし始めた。
「みんなも一緒にどうッスか?」
舞子の声掛けに、他の覚者たちも竹楊枝を手に取る。
「イチゴにバナナ……。チョコとフルーツの絶妙なハーモニー!」
そう言って、禊が苺チョコの刺さった竹楊枝を掲げた。
「最高―ッス!焼き鳥もフォンデュできたら、もっと最高だったッス!」
みんながチョコフォンデュで盛り上がっている頃、結鹿が作っていたフルコースが出来上がった。
「ますます豪華ですね……」
ふみには思いつかないフルコース。
これは勉強せねばとメモ帳を取り出した。
「さあ、召し上がれ」
運ばれてきた料理の数々を結鹿が説明していく。
「チョコレートを料理によって使い分けています」
ほーと感嘆の声を上げる覚者たち。
「まずは前菜です。『オランジェットのアレンジ』です。チョコでコーティングされたオレンジピールやレモンピールをカナッペに乗せたり、生ハムで巻いています」
「むむ……これは……!」
「次はスープ。『チョコポタージュ』。生クリームとの配合の割合に気を遣いました」
「口の中でとろけるような甘さが何とも……」
「続いて魚料理『あんこうのポワレ』。ソースにホワイトチョコを使っています」
「あんこうにホワイトチョコが優しく絡まってます……!」
「第一の肉料理は『牛肉ほうば焼き』。ソースはビターチョコレートと八丁味噌、パッションフルーツが絶妙に配合されています。チョコと味噌のコクのあるソースに、ほのかな甘酸っぱさが楽しめます」
「(言葉なく食べている)」
「第二の肉料理は『鴨肉のチョコ煮込み』です。ソースの隠し味に唐辛子が入っていますから、甘さの中にピリッとした刺激が楽しめます」
「絶妙すぎます……!」
「最後はデザートです。『チョコのチーズケーキ』にフルーツも添えてあります。ドリンクは『チョコレートコーヒー』。ミルクチョコレートを溶かして、ちょっぴりビターで、ちょっぴり甘い味わいを楽しめますよ。ずっとチョコ尽くしでしたから、オレンジフレーバーを効かせておきました」
もはや脱帽の一言しかない。
ショコラティエールとしての矜持も大ピンチである。
「チョコって、無限の可能性があるのですねー……」とは、ふみの素直な感想だった。
「ふみさんだって、すごいじゃないですか」
そう声をかけたのは一臣だ。
「ショコラティエールは、チョコを実にさまざまに宝石のように仕立てるのですね。チョコが苦手なぼくでも、あのオレンジの風味の効いたものは食べられましたよ」
「そう言っていただけると嬉しいです」
「これからも自信を持って、作り続けてください!」
「そうですよ。売れ残ったって、もっと大々的にイベントやっちゃえば良いですよ。実はバレンタイン後の売れ残りをオフにして売られるの、待ってる女子は多いと思いますよ」
「私も楽しみにしてる一人ッス!」
そう紡と舞子にも励まされ、元気を取り戻すふみだった。
テーブルに並ぶチョコの数々を奏空はひたすら消費していた。
「ふみさんのため。チョコのため。俺はチョコを食べ尽くすんだ!」
けれど、ある程度食べたところで様子がおかしくなった。
「奏空さん、大丈夫ですか?」
「い、いや。ちょっと鼻のあたりがーって、はぶえーー!!!」
「きゃー、奏空さん!?」
奏空はついに鼻血を噴射。
「め、命数が削られそう……」
赤い海に沈みながら、奏空はそれでも手にしたチョコを離さなかった。
奏空の惨事にざわつく場を横目に見ながら、
「今年も本命チョコを渡す相手はいなかったッスねえ……」
と遠い目をして、この年のバレンタインを総括する舞子がいた。
講義を終えた学生たちがランチを求めてさまよう構内。段ボールを台車に載せて学食までやって来たふみは、忙しい時間にかち合ってしまったことに恐縮しながら、テーブルの上に段ボールを乗せていった。
「ふう。ま、学生のみなさんのデザートにご提供ということで」
やれやれと箱を開けた時、ヒュッと何かが飛び出した。
「ん?」と思う間もなく、次から次へと黒い物体が箱から飛び出してくる。
よく見れば、それは自分の作り上げたチョコ菓子だ。
「な、なんなの、これー!?」
「さあ、お昼だ」と席についていた学生、お皿をトレーに乗せた学生。
学食内にいた学生が一斉に振り向いた。
●チョコレートが妖に!?
『探偵見習い』工藤・奏空(CL2000955)は、今年のバレンタインの成果に満足しつつ、カレーを乗せたトレーを持って席を探している所だった。
「彼女からの本命チョコに、友チョコ。そして、今日は特別に肉多めにしてもらったカレーライス……」
素晴らしきかな。我が人生。
至極ご満悦な様子の奏空が、ごった返す学食でようやく見つけた席に着こうとした時。
ガッシャ―ン!
「あああっ! 俺の肉増量キャレーライスが―っ!」
何かがぶつかって取り落したカレーライスは、無残にもテーブルの上に散乱した。
その犯人を目で追えば……。
「ん? 黒い? 小さい? ……て、妖―!?」
突然現れた妖チョコ。
「なんでここに妖がいるのか分からないけど、みんなを守るよ」
カレーライスの恨みは少し脇に置いておいて、奏空は一般学生を守るべく戦闘態勢に入った。
飛び回る妖チョコを手ではたけば、それだけでポン! と元のチョコに戻る。
「ん? 弱い?」
それと同時に『ワーズワース』を用いて混乱する学生たちを落ち着かせ、出口へと誘導していった。
「大丈夫だよ。僕たちが何とかするから! みんなは逃げて!」
逃げ遅れた学生は庇う。
チョコが体に当たった跡を見れば。「ち?」。いや、チョコレートだ。
「うわー。洗濯したい―」
手がべとべとになるからと、食堂のおばちゃんにフライ返しとフライパンを借りて来て二刀流になった。これからが奏空の真骨頂である。
「みなさん。危ないので速やかに避難してくださーい!」
と声をかけているのは、『赤き炎のラガッツァ』ラーラ・ビスコッティ(CL2001080)。
「チョコが―! チョコレートが暴れていますよー! 私たちが抑えている間に安全な場所へ逃げてくださーい!」
まだ状況を掴めていない学生はキョトンとした表情でラーラを見返している。
(うー。なんだかすごくファンタジーなこと言ってる気がします……)
しかしそんなことを気にしている時ではない。
チョコレートとは言え妖である。
「『結界』で学生さんが入って来られないようにしますよ」
これで、新たな珍入者は防げるだろう。
学生の姿があらかたなくなったのを見計らって、ラーラは『超視力』を使った。
動体視力が上がったラーラは、どんなに素早いチョコレートも見逃さない。
「ごめんなさーい」と言いながら、妖を素手ではたき、デコピンする。
ぽん! と元に戻ったチョコレートを摘まみながら、「体は炎。目は炎。毛並も炎で、心も炎」と詠唱し猫さんたちを呼び出した。
「なんてこと……。猫さんたちの炎で焼きチョコができるなんて……」
ぽいぽいと猫さんたちに向かってチョコレートを放り続けるラーラだった。
『中学生』菊坂 結鹿(CL2000432)は、丁寧に丁寧に、妖をひとつずつ摘まんでいった。
「あとのことを考えなくては……」
せっかくこれだけの量があるのだ。食べられなくなってはもったいない。
妖を摘まみながら、素早く頭の中で構想を練って行く。
「チョコを使ったフルコース……」
実際作ってみなければ、自分でもどんな料理に仕上がるか分からない。
それでも結鹿は、黙々と妖をチョコへと戻す作業を続けたのである。
大好きな弟を探して学食までやって来た『風に舞う花』風織 紡(CL2000764)は騒がしい学食を覗いた。
「あらー。大変なことになってますね」
これは……弟がチョコまみれになる前に退治しなくては。
「簡単そうだから、このままで」
仮面に白いワンピースで戦ういつもとは違って、今回は私服のままで。紡は学食に飛び込んだ。
「危ない!」
逃げる学生に妖が体当たりする直前に庇うと、お気に入りのコートにべちょっとチョコのシミ。
「お逃げなさい」
学生を出口から追い出し振り向けば、もうシミは消えかけていた。
「『プロパル』さまさまです」
予備で置かれているフォークと皿を持ち、フォークで妖を差しながら皿に盛り付けていく。
その際スカートがひらひらと。
「ふふふ。見せパンですから、気にしませんよ」
右手にフォーク、左手に皿を持ちながら、華麗に妖をチョコへと戻していく紡だった。
「うわー! チョコが。チョコがぁあ!」
『桜火舞』鐡之蔵 禊(CL2000029)は学食に駆けつけて見た惨状に慄いた。
「ちょっと。なんでチョコレートが動いているのかな!? 絶対外には出さないように頑張って止めなきゃ」
いまいち事態を把握しきれない禊だったが、目の前には明らかに妖と思しき物が学食内を飛び回っている。ならば、敵に対処するのみだ。
そして妖が学食から出ないように、学食の出入り口付近に陣取った。
外がチョコまみれになったら大変だ。
来たーっ!
ぱしっ。
向かってくる妖を片っ端からパシパシ叩いてはチョコレートへと戻していく。
「おっと。逃がさないよ」
すり抜けた妖は『天駆』で素早く追いかけ、妖の行く手を阻んだ。
「いやー! 服が―」
この日来ていた真っ白いシャツはすでにチョコにまみれている。
「お風呂が恋しなーっと」
嘆きつつも妖を叩く手は止めない。
禊も食堂のおばちゃんからボウルを借り受け、脇に抱えながらの応戦だ。
「地面に落ちちゃったらもったいないからね!」
禊は妖をチョコに戻したものを次々に入れていった。
『餓えた狼』葛城 舞子(CL2001275)は、禊とともに出入り口を守っていた。
「早く逃げるッス!」
こちらに向かって走ってくる一般学生の数は少なくなって、避難誘導もそろそろ終わり。
あとは妖チョコと対峙するのみ。
そう思ったのも束の間、一人の学生が壁際に追い詰められているのを見付けた。
彼はトレーで顔を守っているとは言え、このままでは危ない。
いくら最弱とは言っても、一般人に当たれば怪我どころでは済まない。
「ちょっと待てッス!」
学生の前に立ちはだかった舞子の服にべちょっとチョコのシミ。
「大丈夫。あとで洗濯したり、お風呂に入ればいいだけッスから」
安心させるように笑って、舞子は学生を出口まで誘導した。
「よーっし。まだまだ行くッスよ!」
舞子の周りに妖チョコの残骸が積み上がって行った。
大盛り定食を平らげ、満腹のおなかを抱えながら、さらなるおかわりをどうしようか思案中だった 『大魔道士(自称)』天羽・テュール(CL2001432)は、目の前を通り過ぎた妖チョコを一拍置いて目で追った。
「チョコ……ですねえ」
すでに立ち回りを見せている覚者と思しき人物たちを目の端で捉えながら、テュールの目は妖をロックオン!
「わっわっ! これぜーんぶチョコですか!?」
なんて素敵なデザート。
覚者たちの様子に、どうやらはたくだけで妖はチョコに戻るらしいと悟ったテュールは、一般学生を襲う妖を掴んでは、そのまま口に入れるという荒技を繰り出した。
「(もぐもぐ)安心してくださいね。ボクたちが(もぐもぐ)、なんとか(もぐもぐ)しますから。誘導に(もぐもぐ)したがって(もぐもぐ)ひなんしてくださ(もぐもぐもぐもぐ)」
存外おいしい妖チョコだった。
「チョコマカロン、絶妙。次は……ブラウニー。うーん、濃厚ですねー」
「避難させるか、食べるか、どっちかにしてー!」
どこからか飛んできた声に、やれやれとスタッフを手に取った。
「わっ! チョコレートプリン!?」
顔にぶつかる寸前、スタッフでカバー。直撃を免れた。
「虫取り網とかあれば良かったんですけどねえ」
そうは思うが、ここに虫取り網はない。
体中をチョコまみれにしながら戦うしかないのだ。
司書である杠 一臣(CL2001571)は修繕を終えた本を数冊抱えながら構内を歩いていた時に、学食の騒ぎを聞きつけ駆け付けた。
小さな妖から逃げる一般学生を、覚者たちが避難誘導している。
そろそろと入口から顔を覗かせた途端、べちょっと顔面にチョコが。
「あいたーっ!」
多少のダメージを感じたが問題ない。
「なんでこんな所に妖が……」
書籍の山を学食外の安全な場所に隠すと、一臣は中に飛び込んだ。
「学園内スキル禁止だからー!」
な、なんと……。
発動させようとしていたスキルを引っ込めて、一臣は妖を無言で叩き始めた。
(せっかく華々しく戦えると思ったのに……。だが、しかし。ぼくの弱い力でも役に立てる。フフフフフッ!)
一臣は(あとで食べますから……)と思いながら、妖をペシペシはたいて行った。
●さあ、チョコレートパーティですよ!
奏空はフライ返しとフライパンの二刀流で妖を。
ラーラは焼きチョコを製造しながら。
結鹿はフルコースのためにチョコを集め続け。
紡はチョコの汚れなどひとつもないまま妖を退治。
禊は『天駆』で学食内を駆け回り。
舞子はチョコのシミを体中に作りながら。
テュールは相変わらず、もぐもぐ。
一臣は小さなダメージを受けながらも懸命に。
それぞれが数だけは多い妖をチョコレートへ戻していった。
視認できる妖がいなくなったところで、舞子の声掛けで、妖の残りものがいないか確認した。
テーブルや椅子の陰、ゴミ箱の中まで見て回り、「うん。大丈夫ッス!」と舞子が力強く言った。
しかし学食内は散々なありさまだった。
至る所にチョコレートの黒いシミができている。
「みなさん、本当にごめんなさい!」
片づけをしている覚者たちにふみが頭を下げ、こうなってしまった経緯を説明した。
「食べて貰えなかった悲しみ……か。確かに美味しそうなチョコ、このままでは勿体ない。頂くよ!」
奏空が言えば、ラーラも頷いた。
「食べて欲しかったんですもんね。大丈夫です。私が……私たちがちゃんと受け止めてあげますから。もし私たちが食べ切れなくても、ここは学食ですもの。みんな、食べに来てくれると思いますよ」
「私はこれから厨房を借りてフルコースを作ります。チョコさんたちが拗ねないように、美味しい料理にしてあげますよ」
結鹿はそう言って、腕まくりしながら厨房へと入って行った。
「そうと決まれば、チョコパーティッス!」
「私の猫さんたちが作った焼きチョコですよ」
ラーラが焼きチョコを一杯に盛った皿をテーブルに載せると、「おー。いただきまーす!」と覚者たちは一斉にチョコに手を伸ばした。
「猫さんの焼きチョコ、商品化待ったなしです」
味見したふみも舌鼓を打ちながら、猫さんたちは貸し出し可能か本気で考え始める始末……。
「ブラウニーにチョコチップクッキー。……あとマフィンはありますか?」
紡の要求にふみはとりあえず焼きチョコを置いて対応。皿に綺麗に盛り付けて、紡の前に置いて行った。
「マカロンとオランジェットも。いろんな種類のボンボン・オ・ショコラも欲しいな」
「つ、紡さん。すごいですね……」
「どんだけ食べても、乙女のお腹にチョコは溜まらないものですよ」
そう言って、えっへんと胸を張った紡は、「コーヒーも欲しいですね」と呟いた。
「ふふふ。幸せです。弟のチョコに奮発し過ぎて、自分用には板チョコしか買えなかったので、これは嬉しい誤算でした。大人の味ばかりですので、あげなくても平気ですよ」
「そう言っていただけると……。紡さん、ほっぺ、チョコまみれですよ……」
ふみはそっと布巾を差し出した。
テュールはかき集めたチョコを他の覚者に進めながら、自身も堪能中。
「バレンタインですか?ええ。実は当日にもいくつか貰ってまして……。チョコは昔から恋の妙薬と言いますからね。大事に食べて、返事はホワイトデーまでに考えさせていただきますよ……」
バレンタインの思い出を尋ねられたのに対し、テュールはほくほくとしながら答えた。
「ボクはほうじ茶がほしいですね。(もぐもぐ)学食にはほうじ茶ありますよね。(もぐもぐ)みんなの分も持って来ましょう」
学食に来て最初から最後まで、お口もぐもぐのテュールだった。
舞子は形が残っているケーキにクッキー、ショコラ、生チョコを見てうっとりしていた。
「まずは生チョコが食べたいッス! 形が崩れてしまったのは、どうするッス?」
舞子がそう言って小首を傾げると、禊が「チョコフォンデュしよう! チョコフォンデュ」と手を上げた。
「いいッスね。チョコフォンデュ!」
いそいそとチョコフォンデュの用意を始めた禊と舞子は、学食のおばちゃんから果物やパンを提供して貰い(経費はあとでF.I.V.E.に請求するという条件で)、砕けたチョコを鍋で溶かし始めた。
「みんなも一緒にどうッスか?」
舞子の声掛けに、他の覚者たちも竹楊枝を手に取る。
「イチゴにバナナ……。チョコとフルーツの絶妙なハーモニー!」
そう言って、禊が苺チョコの刺さった竹楊枝を掲げた。
「最高―ッス!焼き鳥もフォンデュできたら、もっと最高だったッス!」
みんながチョコフォンデュで盛り上がっている頃、結鹿が作っていたフルコースが出来上がった。
「ますます豪華ですね……」
ふみには思いつかないフルコース。
これは勉強せねばとメモ帳を取り出した。
「さあ、召し上がれ」
運ばれてきた料理の数々を結鹿が説明していく。
「チョコレートを料理によって使い分けています」
ほーと感嘆の声を上げる覚者たち。
「まずは前菜です。『オランジェットのアレンジ』です。チョコでコーティングされたオレンジピールやレモンピールをカナッペに乗せたり、生ハムで巻いています」
「むむ……これは……!」
「次はスープ。『チョコポタージュ』。生クリームとの配合の割合に気を遣いました」
「口の中でとろけるような甘さが何とも……」
「続いて魚料理『あんこうのポワレ』。ソースにホワイトチョコを使っています」
「あんこうにホワイトチョコが優しく絡まってます……!」
「第一の肉料理は『牛肉ほうば焼き』。ソースはビターチョコレートと八丁味噌、パッションフルーツが絶妙に配合されています。チョコと味噌のコクのあるソースに、ほのかな甘酸っぱさが楽しめます」
「(言葉なく食べている)」
「第二の肉料理は『鴨肉のチョコ煮込み』です。ソースの隠し味に唐辛子が入っていますから、甘さの中にピリッとした刺激が楽しめます」
「絶妙すぎます……!」
「最後はデザートです。『チョコのチーズケーキ』にフルーツも添えてあります。ドリンクは『チョコレートコーヒー』。ミルクチョコレートを溶かして、ちょっぴりビターで、ちょっぴり甘い味わいを楽しめますよ。ずっとチョコ尽くしでしたから、オレンジフレーバーを効かせておきました」
もはや脱帽の一言しかない。
ショコラティエールとしての矜持も大ピンチである。
「チョコって、無限の可能性があるのですねー……」とは、ふみの素直な感想だった。
「ふみさんだって、すごいじゃないですか」
そう声をかけたのは一臣だ。
「ショコラティエールは、チョコを実にさまざまに宝石のように仕立てるのですね。チョコが苦手なぼくでも、あのオレンジの風味の効いたものは食べられましたよ」
「そう言っていただけると嬉しいです」
「これからも自信を持って、作り続けてください!」
「そうですよ。売れ残ったって、もっと大々的にイベントやっちゃえば良いですよ。実はバレンタイン後の売れ残りをオフにして売られるの、待ってる女子は多いと思いますよ」
「私も楽しみにしてる一人ッス!」
そう紡と舞子にも励まされ、元気を取り戻すふみだった。
テーブルに並ぶチョコの数々を奏空はひたすら消費していた。
「ふみさんのため。チョコのため。俺はチョコを食べ尽くすんだ!」
けれど、ある程度食べたところで様子がおかしくなった。
「奏空さん、大丈夫ですか?」
「い、いや。ちょっと鼻のあたりがーって、はぶえーー!!!」
「きゃー、奏空さん!?」
奏空はついに鼻血を噴射。
「め、命数が削られそう……」
赤い海に沈みながら、奏空はそれでも手にしたチョコを離さなかった。
奏空の惨事にざわつく場を横目に見ながら、
「今年も本命チョコを渡す相手はいなかったッスねえ……」
と遠い目をして、この年のバレンタインを総括する舞子がいた。
■シナリオ結果■
成功
■詳細■
MVP
軽傷
なし
重傷
なし
死亡
なし
称号付与
『プロ級ショコラティエール』
取得者:菊坂 結鹿(CL2000432)
『いつかチョコ焼き鳥を……』
取得者:葛城 舞子(CL2001275)
『疾風の妖チョコ捕獲人』
取得者:鐡之蔵 禊(CL2000029)
『チョコ食べすぎ注意』
取得者:工藤・奏空(CL2000955)
『本と妖の修繕人』
取得者:杠 一臣(CL2001571)
『チョコのお供はコーヒー』
取得者:風織 紡(CL2000764)
『妖チョコもぐもぐ』
取得者:天羽・テュール(CL2001432)
『猫さんの焼きチョコ』
取得者:ラーラ・ビスコッティ(CL2001080)
取得者:菊坂 結鹿(CL2000432)
『いつかチョコ焼き鳥を……』
取得者:葛城 舞子(CL2001275)
『疾風の妖チョコ捕獲人』
取得者:鐡之蔵 禊(CL2000029)
『チョコ食べすぎ注意』
取得者:工藤・奏空(CL2000955)
『本と妖の修繕人』
取得者:杠 一臣(CL2001571)
『チョコのお供はコーヒー』
取得者:風織 紡(CL2000764)
『妖チョコもぐもぐ』
取得者:天羽・テュール(CL2001432)
『猫さんの焼きチョコ』
取得者:ラーラ・ビスコッティ(CL2001080)
特殊成果
なし

■あとがき■
一介のショコラティエールが引き起こした珍事に真摯に向き合ってくださってありがとうございました。
みなさんが美味しそうにチョコを召し上がる様子に、STもチョコを摘まむ手が止まらなかったです……。
ご参加いただきありがとうございました!
みなさんが美味しそうにチョコを召し上がる様子に、STもチョコを摘まむ手が止まらなかったです……。
ご参加いただきありがとうございました!
