クリスマスSS 2016
1981年12月24日、東欧のワルシャワ近郊。
クリスマスとはいえ、国と国の戦いは無情にも続き人々は廃材で作った家で家族と肩を寄り添い暖めあっていた。
冬のこの地はとても寒い、ぽつぽつと生えてる針葉樹林の中の一部だけオレンジ色に染まっていた。
砲弾が発射される音の後に、剣劇が響く。
「……こんなモノか」
雪化粧で白くなった大地、燃え上がる戦車、そして黒スーツの男『新田・成』は杖に仕掛けていた刀身を鞘に納めながら、ニィと口元を吊り上げた。
異常な光景、異常な人物。
もし、目撃者が居たら驚くであろう……生身の男が戦車を刀1本で倒した事に。
だが、それを目にした者達はもう炎の中で炭と化していた。
鉛色の空に黒い煙は昇る。
ソレは、戦車を操っていた兵士を地獄はたまたは天国へと導いているかのように見えた。
そんな事は成という男は興味が無い。
ふわり、と目の前に雪が降ってきた。
(これなら、煙も目立つまい)
瞳を細め、鉛色の空から落ちてくる雪を見上げた。
この事を知っているのは、成が手にしている仕込み杖の刀身だけだ。
雪、樹、地全ては炎に包まれて燃え、何事も無かったかのように新緑が大地を覆い春を迎えるであろう。
これは『新田・成』の過去の記録である。
クリスマスとはいえ、国と国の戦いは無情にも続き人々は廃材で作った家で家族と肩を寄り添い暖めあっていた。
冬のこの地はとても寒い、ぽつぽつと生えてる針葉樹林の中の一部だけオレンジ色に染まっていた。
砲弾が発射される音の後に、剣劇が響く。
「……こんなモノか」
雪化粧で白くなった大地、燃え上がる戦車、そして黒スーツの男『新田・成』は杖に仕掛けていた刀身を鞘に納めながら、ニィと口元を吊り上げた。
異常な光景、異常な人物。
もし、目撃者が居たら驚くであろう……生身の男が戦車を刀1本で倒した事に。
だが、それを目にした者達はもう炎の中で炭と化していた。
鉛色の空に黒い煙は昇る。
ソレは、戦車を操っていた兵士を地獄はたまたは天国へと導いているかのように見えた。
そんな事は成という男は興味が無い。
ふわり、と目の前に雪が降ってきた。
(これなら、煙も目立つまい)
瞳を細め、鉛色の空から落ちてくる雪を見上げた。
この事を知っているのは、成が手にしている仕込み杖の刀身だけだ。
雪、樹、地全ては炎に包まれて燃え、何事も無かったかのように新緑が大地を覆い春を迎えるであろう。
これは『新田・成』の過去の記録である。
