クリスマスSS 2016
例年にない大雪に見舞われた、この年のクリスマス。
酒々井・千歳と水瀬 冬佳は、デートのために街へと繰り出していた。
彼らが住む五麟市には雪は絶え間なく降り、千歳と冬佳は二人で一つの傘に。
「寒いね」と言いながら身を寄せ合えば、お互いに触れている方の腕がほんのり温かくなっていく。
言葉がなくても伝わる温かい気持ち。
しんしんと降り続く雪は、さながら二人の気持ちのように降り積もり、溶け合い……。
いつしか冬佳は腕を、千歳の腕に回していた。
「よく、降るな」
「うん……」
二人が五麟学園の前まで戻って来ると、TV局の取材班が門の前にいた。
「何だあれ」
そう思う間もなく千歳にマイクが差し出された。
そして受けたのは、大雪の中でのデートは大変ではないかとの質問。
冬佳は、突然のことに恥ずかしそうに頬を染めながらも、必死に平静を保っている。
対して、千歳は涼やかな顔で答えた。
「恋人といる時の雪って、特別な気分に浸れて、俺は好きですよ」
そう言って、優しい視線を恋人へと向ける千歳。
その視線を紫の瞳で受け止める冬佳。
二人の仲睦まじい様子に、インタビューは早々に切り上げられた。
そしてまた、雪は二人の上に降り注ぐ……。
酒々井・千歳と水瀬 冬佳は、デートのために街へと繰り出していた。
彼らが住む五麟市には雪は絶え間なく降り、千歳と冬佳は二人で一つの傘に。
「寒いね」と言いながら身を寄せ合えば、お互いに触れている方の腕がほんのり温かくなっていく。
言葉がなくても伝わる温かい気持ち。
しんしんと降り続く雪は、さながら二人の気持ちのように降り積もり、溶け合い……。
いつしか冬佳は腕を、千歳の腕に回していた。
「よく、降るな」
「うん……」
二人が五麟学園の前まで戻って来ると、TV局の取材班が門の前にいた。
「何だあれ」
そう思う間もなく千歳にマイクが差し出された。
そして受けたのは、大雪の中でのデートは大変ではないかとの質問。
冬佳は、突然のことに恥ずかしそうに頬を染めながらも、必死に平静を保っている。
対して、千歳は涼やかな顔で答えた。
「恋人といる時の雪って、特別な気分に浸れて、俺は好きですよ」
そう言って、優しい視線を恋人へと向ける千歳。
その視線を紫の瞳で受け止める冬佳。
二人の仲睦まじい様子に、インタビューは早々に切り上げられた。
そしてまた、雪は二人の上に降り注ぐ……。
