バレンタイン&ホワイトデーSS 2016
しっかり手作り!
「静護、これ」
2月14日。
聖は腐れ縁の静護を人気のない場所へ呼びだすやいなや、微笑みかけると、綺麗にラッピングされた何かを差し出した。
今日こそこの関係に決着でもつけさせられるのかと思っていた矢先のプレゼントに、一瞬訝しげな顔が浮かぶものの、この日が何の日かぐらい覚えている。
「そうか、今日はそんな日だったか」
バレンタインデー、世に言う女性が意中の相手へ思いを伝える日だ。
さもありなんといった様子で、ありがとうとお礼を告げながら静護が受け取っていく。
(「気に入ってくれるかな?」)
渡したチョコレートは、聖が手作りで準備したものだ。
板チョコを溶かし、そして綺麗に整える。
それは良いが何故か元の板チョコにしてしまったのは、手先が器用なのか何処かズレているのか。
……それとも、胸の奥に潜んだざわめきが狂わせたのか。
彼女が自分に恋愛感情を向けるなんてことはないだろうと、義理だと思いながら受け取った彼が、板チョコに仕上げられた手作りチョコに何を思うかは、まだ分からない。
微笑みながら僅かに視線を落として吐息を震わせた彼女に、ほんの少し違和感を感じてはいたが。
2月14日。
聖は腐れ縁の静護を人気のない場所へ呼びだすやいなや、微笑みかけると、綺麗にラッピングされた何かを差し出した。
今日こそこの関係に決着でもつけさせられるのかと思っていた矢先のプレゼントに、一瞬訝しげな顔が浮かぶものの、この日が何の日かぐらい覚えている。
「そうか、今日はそんな日だったか」
バレンタインデー、世に言う女性が意中の相手へ思いを伝える日だ。
さもありなんといった様子で、ありがとうとお礼を告げながら静護が受け取っていく。
(「気に入ってくれるかな?」)
渡したチョコレートは、聖が手作りで準備したものだ。
板チョコを溶かし、そして綺麗に整える。
それは良いが何故か元の板チョコにしてしまったのは、手先が器用なのか何処かズレているのか。
……それとも、胸の奥に潜んだざわめきが狂わせたのか。
彼女が自分に恋愛感情を向けるなんてことはないだろうと、義理だと思いながら受け取った彼が、板チョコに仕上げられた手作りチョコに何を思うかは、まだ分からない。
微笑みながら僅かに視線を落として吐息を震わせた彼女に、ほんの少し違和感を感じてはいたが。
